JPH07236688A - 生体吸収性プラスチックとコラーゲンの複合材料 - Google Patents

生体吸収性プラスチックとコラーゲンの複合材料

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JPH07236688A
JPH07236688A JP6030420A JP3042094A JPH07236688A JP H07236688 A JPH07236688 A JP H07236688A JP 6030420 A JP6030420 A JP 6030420A JP 3042094 A JP3042094 A JP 3042094A JP H07236688 A JPH07236688 A JP H07236688A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】コラーゲンからなるスポンジ状材料の少なくと
も一部分をポリ乳酸やポリヒドロキシ酪酸ホモポリマー
などの生体吸収性プラスチックで被覆し、GTR膜、骨
欠損部保護膜などに使用できる。 【効果】コラーゲンの生体適合性の良さに加え、生体吸
収性プラスチックにより強度が向上した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、整形外科や口腔外科を
中心とした医療分野において、組織修復用あるいは組織
を隔絶するために用いる生体吸収性プラスチックとコラ
ーゲンの複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、口腔外科において、歯周病により
減少してしまった歯槽骨を増加させるために、歯牙、歯
槽骨と歯周粘膜との間にポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)の多孔膜を挿入する治療法がなされてきて
いる。この方法は、歯牙と歯槽骨付近に空間を形成し、
歯槽骨から歯牙を伝わって成長する骨組織を軟組織の妨
害から隔絶させることにより、歯槽骨の上昇を達成させ
る方法である(以後、GTR[guided tiss
ue regeneration]と称す)。この方法
により歯槽骨は上昇し、不要になったPTFE多孔膜は
再手術により摘出される。
【0003】また、熱傷、採皮創および外傷性皮膚欠損
創、蓐瘡等の疾患ないし創傷による患部を保護して治癒
を促進する被覆材として、アテロコラーゲンの細線維を
再構成し、シリコンゴムシートと張合せたコラーゲンか
らなるフィルムやスポンジシート(テルダーミス(登録
商標:テルモ株式会社)など)が、真皮の再構成に顕著
な効果を有していることが示されている。生体由来のコ
ラーゲン材料は炎症の早期の沈静や血管内皮細胞、線維
芽細胞などによる器質化を速やかに促す特性を有してい
る。特に、テロペプチドを取り除いたアテロコラーゲン
は免疫源性が非常に低く組織再生のための細胞の侵入や
活動に都合の良い場を提供することが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
PTFE製のGTR膜では必ず再手術が必要であり、患
者にとって煩わしいものとなっている。ここで上記のコ
ラーゲンからなるフィルムやスポンジシートをもって適
用しようという試みがあるが、再線維化アテロコラーゲ
ンは湿潤状態におかれると強度が低く、分解速度が速す
ぎ十分な機能を果たすことはできない。
【0005】コラーゲンのフィルムまたはスポンジシー
トの強度を高めるためグルタールアルデヒドなどの架橋
剤で架橋すると、コラーゲンの本来の状態を大きく変え
てしまうためアテロコラーゲンの免疫源性が非常に低く
組織再生のための細胞の侵入や活動に都合の良い場を提
供するという生体への適合性はなく組織球マクロファー
ジなどの攻撃を受けてしまう。また、口腔外科における
GTR膜以外の医療分野においても、コラーゲンスポン
ジに強度を付与することは、組織再生の領域を制御する
ことができようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記の
問題点を鑑み、コラーゲンの有している免疫源性が非常
に低く組織再生のための細胞の侵入や活動に優れている
性質を維持しながら高強度の複合体を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するため鋭意研究を行った結果、下記の本発明を見い
だした。 (1) コラーゲンからなるスポンジ状材料の少なくと
も一部分を生体吸収性プラスチックにより被覆したこと
特徴とする生体吸収性プラスチックとコラーゲンの複合
材料。
【0008】(2) 上記(1)記載の生体吸収性プラ
スチックとコラーゲンの複合材料において、コラーゲン
からなるスポンジ状材料が再線維化アテロコラーゲンか
らなるスポンジ、あるいは生体組織を蛋白分解酵素によ
り処理し実質的にコラーゲンよりなる構造体であること
を特徴とする生体吸収性プラスチックとコラーゲンの複
合材料。 (3) 上記(1)あるいは(2)に記載の生体吸収性
プラスチックとコラーゲンの複合材料において、生体吸
収性プラスチックがポリ乳酸、ポリグリコール酸あるい
はそれらの混合物からなる生体吸収性プラスチックとコ
ラーゲンの複合材料。
【0009】(4) 上記(1)あるいは(2)に記載
の生体吸収性プラスチックとコラーゲンの複合材料にお
いて、生体吸収性プラスチックがポリヒドロキシ酪酸を
含む、あるいはヒドロキシ酪酸単位を含む共重合体を含
む樹脂からなる生体吸収性プラスチックとコラーゲンの
複合材料。 (5) 上記(1)ないし(4)記載の生体吸収性プラ
スチックとコラーゲンの複合材料において、コラーゲン
からなるスポンジ状材料が凍結乾燥されてなることを特
徴とする生体吸収性プラスチックとコラーゲンの複合材
料。
【0010】(6) 生体吸収性プラスチックの0.0
05〜0.5%溶液にコラーゲンからなるスポンジ状材
料を浸漬させる上記(1)あるいは(5)に記載の生体
吸収性プラスチックとコラーゲンの複合材料の製造方
法。 (7) 生体吸収性プラスチックの0.5%から飽和濃
度溶液にコラーゲンからなるスポンジ状材料を浸漬させ
る上記(1)あるいは(5)に記載の生体吸収性プラス
チックとコラーゲンの複合材料の製造方法。
【0011】(8) 上記(6)あるいは(7)に記載
の生体吸収性プラスチックとコラーゲンの複合材料の製
造方法において、生体吸収性プラスチックの溶液中に生
体吸収性プラスチックの貧溶媒、水溶性の糖質や塩の粉
末あるいは結晶が含有されていることを特徴とする生体
吸収性プラスチックとコラーゲンの複合材料の製造方
法。 (9) 上記(6)あるいは(7)に記載の生体吸収性
プラスチックとコラーゲンの複合材料の製造方法におい
て、生体吸収性プラスチックの溶液が複数の生体吸収性
プラスチックからなることを特徴とする生体吸収性プラ
スチックとコラーゲンの複合材料の製造方法。
【0012】(10) 上記(1)あるいは(5)に記
載の生体吸収性プラスチックとコラーゲンの複合材料に
おいて、生体吸収性プラスチックの複合方法が、溶融状
態の生体吸収性プラスチックにコラーゲンからなるスポ
ンジ状材料を浸漬させる上記(1)あるいは(5)に記
載の生体吸収性プラスチックとコラーゲンの複合材料の
製造方法。 (11) 上記(10)に記載の生体吸収性プラスチッ
クとコラーゲンの複合材料の製造方法において、生体吸
収性プラスチックの溶融液中に水溶性の糖質や塩の粉末
あるいは結晶が含有されていることを特徴とする生体吸
収性プラスチックとコラーゲンの複合材料の製造方法。
【0013】本発明の生体吸収性プラスチックとコラー
ゲンの複合材料に用いられる体内で分解吸収性プラスチ
ックとは、硬質の材料であれば既存の様々なプラスチッ
クが利用可能であり、最低限周辺組織からの圧迫に耐え
る強度を保持するものであればよく、例えば、ポリ乳酸
やポリジオキサノン、ポリヒドロキシ酪酸のような分解
吸収性ポリエステルやキチン、キトサン等の多糖類、さ
らにはそれら樹脂にヒドロキシアパタイトのような骨置
換の可能な燐酸塩類等を含有させたものが利用できる。
【0014】実際にどのような生体吸収性プラスチック
を利用するかは、周辺組織からの圧迫に耐えることを必
要とする期間によって選択することができる。例えば、
ポリ乳酸やポリヒドロキシ酪酸は、移植前の各ポリマー
の形状や分子量などにもよるが、体内での応力保持は6
カ月から1年の間可能であると予想される。また、ポリ
ジオキサノンは1から3カ月、吸収性縫合糸に利用され
ているポリグリコール酸やポリグリコール酸ポリ乳酸共
重合体は1週間前後であると予想される。
【0015】本発明の生体吸収性プラスチックとコラー
ゲンの複合材料に用いられるコラーゲンとは特に限定し
ないが、抗原性を有するテロペプチドを酵素処理などに
より除去した再線維化アテロコラーゲンや、生体組織を
蛋白分解酵素により処理して得られるコラーゲンなどが
好ましく使用できる。また、本発明に使用するコラーゲ
ンには必要に応じてハイドロキアパタイトやヘパリンな
どの生体由来材料やその合成物などを混ぜて用いてもよ
い。
【0016】また、これらコラーゲン材料はスポンジ状
に形成されている。スポンジ状とは微細多孔化されてい
ることを意味する。その製造方法は特に限定しないが、
例えば、コラーゲン溶液を急速冷却し真空下で凍結乾燥
させる方法が挙げられる。
【0017】本発明の生体吸収性プラスチックとコラー
ゲンの複合材料の製造方法は特に限定しないが、上記の
スポンジ状のコラーゲンを生体吸収性プラスチック溶液
あるいは溶融状態の生体吸収性プラスチックに浸漬させ
る方法が挙げられる。
【0018】また生体吸収性プラスチックにも多孔化処
理を行う場合には、生体吸収性プラスチック溶液あるい
は溶融状態の生体吸収性プラスチックに、ブトウ糖、砂
糖などの水溶性の糖質や、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ムなどの塩の粉末あるいは結晶を含有させてよい。さら
に、多孔化処理の方法として凍結乾燥法なども挙げられ
る。
【0019】また、本発明の生体吸収性プラスチックと
コラーゲンの複合材料は用途によって、スポンジ状のコ
ラーゲン材料の全体を生体吸収性プラスチックを被覆す
る場合と、表面などの一部分を被覆する場合があり、全
体を被覆する場合は濃度の薄い生体吸収性プラスチック
溶液を、一部分を被覆する場合は濃い生体吸収性プラス
チック溶液を用いることが好ましい。具体的には、薄目
の場合は0.005〜0.5%の生体吸収性プラスチック
溶液、濃い目の場合は0.5%から飽和濃度の生体吸収
性プラスチック溶液を用いる。
【0020】上述の方法により得られた本発明の生体吸
収性プラスチックとコラーゲンの複合材料は、GTR
膜、骨欠損部保護膜、人工皮膚、血管パッチ等の組織侵
入性材料、組織再生材料として有効に使用できる。
【0021】また、本発明の生体吸収性プラスチックと
コラーゲンの複合材料は、更にカーボンファイバー、ア
ラミドファイバー、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ
テトラフロルエチレンなどの強化繊維を複合しても使用
できる。
【0022】次に図面を参照しながら本発明を説明す
る。図1は本発明の生体吸収性プラスチックとコラーゲ
ンの複合材料(以後、CRPCと称す)をGTR膜とし
て使用した場合の模式図である。歯周病により溶解吸収
されてしまった歯槽骨を再建するため歯肉と歯牙の間に
GTR膜1を挿入し空間2を設けるものである。
【0023】本発明を用いたGTR膜1は拡大図(図
2)の如く、歯肉側からコラーゲンスポンジ層11、ポ
リ乳酸コート層12、ハイドロキシアパタイト顆粒入コ
ラーゲンスポンジ層13の3層構造よりなっている。歯
肉側についてはコラーゲンの器質化により膜と歯肉とが
よく適合する。歯槽骨側はハイドロキシアパタイトによ
る骨伝導能によりGTR膜の効果を向上させる。また、
ポリ乳酸コート層は微細多孔化されており(スポンジ
状)、体液が流通するので空間内の栄養を補給すること
ができる。
【0024】コラーゲンスポンジをポリ乳酸コート層な
しに用いた場合、膜としての強度が非常に弱く、歯牙、
歯槽骨へ歯肉が沈み込んでしまい、空間が形成されず骨
組織の歯槽骨からの上昇は期待できなくなってしまうの
である。
【0025】また、図3はCRPCの実施形態の一例を
示す。CRPC30は、線維化アテロコラーゲンからな
るコラーゲンスポンジ31の片側面に生体吸収性プラス
チックのコーティングを施し、生体吸収性プラスチック
コート層32を設けることにより、強度を向上されたも
のである。
【0026】また、図4もCRPCの実施形態の一例を
示す。CRPC40は、裏表の性質の異なるもので、コ
ラーゲンスポンジ層41、生体吸収性プラスチックコー
ト層42,44、ハイドロキシアパタイト顆粒入コラー
ゲンスポンジ層43の3層構造よりなる。製造方法は、
コラーゲンスポンジとハイドロキシアパタイト顆粒を組
み込んだコラーゲンスポンジの片面を、それぞれ別々に
生体吸収性プラスチック溶液に浸漬し、溶媒の乾燥する
前に浸漬面同士を向かい合わせ圧縮することにより得る
ことができる。前述の図2に相当するもので、対向する
組織の要求に合わせ設定することができる。
【0027】図5もCRPCの実施形態の一例を示す。
CRPC50は、コラーゲンスポンジ層51の全層を生
体吸収性プラスチック52をコートした例である。コラ
ーゲンスポンジは湿潤状態ではゲルになっており、生体
吸収性プラスチックを全層にコートすることにより容易
にゲル化せず強度も上昇する。
【0028】図6もCRPCの実施形態の一例を示す。
CRPC60は、生体吸収性プラスチック62を熔融
し、その中へコラーゲンスポンジ61を浸漬し冷却した
複合方法で得られたものである。生体内でしっかりとし
た形を付与することが可能である。
【0029】図7は、CRPCの使用の一例を示す。長
管骨骨端部72の骨欠損部73に対してCRPCを骨欠
損部保護膜71として使用した場合の1例である。この
場合においても、コラーゲンのみで使用した場合には欠
損部へ周辺組織(筋肉、皮下組織、腱、血管など)から
の圧迫が加わり陥没してしまう。
【0030】本発明において、生体吸収性プラスチック
は溶媒法にしても溶融法にしても生体吸収性プラスチッ
クをコラーゲンスポンジと同様に多孔化すると体液流通
が得られるので組織に接触させる場合組織への悪影響が
少なくなる。多孔化のために貧溶媒や水溶性の糖質や塩
の粉末あるいは結晶を加えることができる。
【0031】本発明の生体吸収性プラスチックとして使
用できるポリヒドロキシ酪酸あるいはその共重合体は、
一般にヒドロキシアルカノエート重合体と呼ばれ、その
単量体は以下のような構造式(1)で現される。
【0032】
【化1】
【0033】(Rは水素あるいはアルキル基を示し、n
は1から8の整数を示す)
【0034】ちなみにポリヒドロキシ酪酸ホモポリマー
は、Rがメチル基,n=1の単位の重合体であり、ポリ
(ヒドロキシ酪酸/ヒドロキシ吉草酸)コポリマーは、
Rがエチル基,n=1の単位と、Rがメチル基,n=1
の単位の共重合体である。ポリヒドロキシ酪酸ホモポリ
マー及びポリ(ヒドロキシ酪酸/ヒドロキシ吉草酸)コ
ポリマーは、微生物細菌のエネルギー源として菌体内部
に形成され、土中の常在菌によって分解吸収される熱可
塑性ポリエステルであり、生体内においても異物反応を
刺激することなく崩壊することが知られている。
【0035】例えば、ミラー(N.D.Miller)とウイルア
ム(D.F.Willams)は、生体内でのポリヒドロキシ酪酸
ホモポリマー及びポリ(ヒドロキシ酪酸/ヒドロキシ吉
草酸)コポリマーが、生体内では加水分解と酵素分解の
両方の方法で分解されることを示した(バイオマテリア
ルス[Biomaterials] 1987,vol.8,p.p.129)。さらに
同様の結果が斎藤らによっても報告されている(バイオ
マテリアルス[Biomaterials] 1991,vol.12,p.p.30
9)。また人工心膜にポリヒドロキシ酪酸ホモポリマー
を利用し、良好な組織反応を得たという報告もある(ジ
ャーナル オブ ソラシック アンド カージオバスキ
ュラー サージェリー[J.Thorac.Cardiovasc.Surg.]
1992,vol.104,p.p.600)。生体吸収性材料はある期間の
後、分解されてしまうため摘出のための手術を要しな
い。また、特にポリ乳酸、ポリヒドロキシ酪酸などのヒ
ドロキシアルカノエート重合体は、組織反応が良好であ
る。
【0036】本発明に使用するコラーゲンは牛、豚など
主に哺乳動物の皮膚から抽出され、ペプシンによるテロ
ペプチドの消化により免疫源性を低下させて用いられ
る。また、良好な組織再生を得るためには再線維化後、
凍結乾燥によりスポンジ構造として用いる。また、皮膚
を脂質除去、遊離蛋白の除去、蛋白分解酵素処理などに
よりコラーゲンマトリックスとしたもの、骨組織を石灰
質(ハイドロキシアパタイト)を酸屋、カルシウムキレ
ート剤などにより除去したのち、皮膚と同様の処置によ
り得られたマトリックスをコラーゲンスポンジとして用
いることができる。
【0037】本発明により、コラーゲンの有している免
疫源性が非常に低く組織再生のための細胞の侵入や活動
に都合の良い場を提供する性質を維持しながら高強度の
複合体を提供することが可能となるのである。
【0038】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。 (実施例1) ・線維化アテロコラーゲン溶液の調製 アテロコラーゲン(高研株式会社製)を4℃の温度下で
pH3.0の希塩酸に溶解して0.3〜0.4W/V%に調製
した。この溶液を0.8μm及び0.2μmの直径の空孔を
持つ2種のフィルターに順次通して濾過後滅菌した後、
4℃に維持しつつ撹拌しながらpH7.4のリン酸緩衝
液を加え、最終濃度が0.1〜0.15W/V%アテロコラ
ーゲン(30mMリン酸ナトリウム、100mM塩化ナトリ
ウム)であるアテロコラーゲン溶液を得た。ついで、3
7℃の恒温槽内に4時間放置し、線維化アテロコラーゲ
ン溶液を調製した。そして、この線維化アテロコラーゲ
ン溶液を無菌条件下で遠心操作による濃縮を行い、濃度
4W/V%に調製した。
【0039】・コラーゲンスポンジの作製 上記線維化アテロコラーゲン溶液をステンレスパットに
注入し、−30℃以下に急速冷却して十分凍結させた
後、−40℃/0.1トール未満の真空下で凍結乾燥さ
せることによりコラーゲンスポンジを作製した。
【0040】(実施例2)実施例1により作製したコラ
ーゲンスポンジを、各種濃度のポリ乳酸,ポリハイドロ
キシ酪酸のクロロホルム溶液に浸漬し、一度乾燥後、生
理食塩液に浸漬し引き張り強度を測定した。結果を表1
に示す。
【0041】
【表1】
【0042】(実施例3)実施例1のコラーゲン再線維
化時、コラーゲンに対する重量比で10倍のハイドロキ
シアパタイト(粒径100〜300μm)を懸濁させ凍
結乾燥を行った。本サンプル1面から1/3の厚さまで
1%ポリ乳酸を浸漬させ、同時に、実施例1のサンプル
も同様に浸漬し、速やかに浸漬面同士を向かい合わせ重
りをのせ圧縮した。およそ20kg雑種成犬の下顎切歯
根元歯槽骨に欠損を作製し、ハイドロキシアパタイトを
含むコラーゲン側を歯牙に向け、図1のように歯肉を覆
い埋入した。その結果良好な歯槽骨の上昇を確認した。
【0043】(実施例4)牛大腿骨膝顆部の海綿骨部分
を厚さ5mmにスライスし、クロロホルム:メタノール
(1:1)により脱脂、0.6規定塩酸(4℃24時
間)脱灰し、さらに、4Mグアニジン塩酸により、処理
し脱灰骨マトリックスを作製した。ポリ乳酸をアルミシ
ャーレ中ヒーターで溶解し、脱灰骨マトリックスを浸漬
しそのまま、室温に放置し固化させた。その結果、コラ
ーゲンとポリ乳酸は一体化した。
【0044】
【発明の効果】本発明により生体吸収性プラスチックと
コラーゲンの複合材料が得られる。本発明の生体吸収性
プラスチックとコラーゲンの複合材料は、コラーゲンの
生体適合性の良さに加え、生体吸収性プラスチックによ
り強度が向上されてなり、GTR膜、骨欠損部保護膜、
人工皮膚、血管パッチ等の組織侵入性材料、組織再生材
料として有効に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の生体吸収性プラスチックとコラーゲ
ンの複合材料(CRPC)のGTR膜としての使用の一
例を示す模式図。
【図2】 図1に示すGTR膜として用いたCRPCの
拡大図。
【図3】 CRPCの形態の一例を示す断面図。
【図4】 CRPCの形態の一例を示す断面図。
【図5】 CRPCの形態の一例を示す断面図。
【図6】 CRPCの形態の一例を示す断面図。
【図7】 CRPCを骨欠損部保護膜として使用した模
式図。
【符号の説明】
1・・・GTR膜、 2・・・空間、 3・・・歯、 4・・・歯
肉、 5・・・歯槽骨、30,40,50,60・・・本発明の
生体吸収性プラスチックとコラーゲンの複合材料(CR
PC)、 11,31,41,43,51,61・・・コラーゲ
ンスポンジ、12・・・ポリ乳酸コート層、 13・・・ハイ
ドロキシアパタイト顆粒入コラーゲンスポンジ層、 3
2,42,44・・・生体吸収性プラスチックコート層、
52,62・・・生体吸収性プラスチック、 71・・・C
RPCを用いた骨欠損部保護膜、72・・・長管骨骨端
部、 73・・・骨欠損部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コラーゲンからなるスポンジ状材料の少な
    くとも一部分を生体吸収性プラスチックにより被覆した
    こと特徴とする生体吸収性プラスチックとコラーゲンの
    複合材料。
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