JPH0723593B2 - セルロ−ス含有製品を漂白およびリグニン除去する方法 - Google Patents

セルロ−ス含有製品を漂白およびリグニン除去する方法

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JPH0723593B2
JPH0723593B2 JP61297856A JP29785686A JPH0723593B2 JP H0723593 B2 JPH0723593 B2 JP H0723593B2 JP 61297856 A JP61297856 A JP 61297856A JP 29785686 A JP29785686 A JP 29785686A JP H0723593 B2 JPH0723593 B2 JP H0723593B2
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    • D21C9/00After-treatment of cellulose pulp, e.g. of wood pulp, or cotton linters ; Treatment of dilute or dewatered pulp or process improvement taking place after obtaining the raw cellulosic material and not provided for elsewhere
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、たとえばパルプ、砕木パルプ、全木パルプ
(Holzausbeute−Zellstoff)およびヘミセルロースの
ようなセルロース含有製品を漂白剤として過酸化物およ
び/または酸素および/またはオゾンで漂白およびリグ
ニン除去する方法に関する。
従来の技術 木材、あし、わら、バガスおよび他の植物材料からパル
プを得るためには、これらの原料を離解法(亜硫酸塩法
または硫酸塩法)にかける。離解ないしは磨砕した後、
パルプは洗浄および漂白することによつて処理される。
漂白は第一に、セルロースの色を淡色化し、なお存在す
るリグニンの大部分を除去するのに役立つ。
パルプのリグニン除去および漂白のために主として使用
される方法は、塩素および二酸化塩素または次亜塩素酸
塩を用いる処理である。標準漂白は普通3工程からな
り、この場合第1工程ではpH1〜2で塩素水または塩素
ガスを用い残留リグニンの塩素化が行なわれる。次い
で、第2工程においてクロルリグニンが水または苛性ソ
ーダで洗浄除去され、第3工程においてパルプにpH>6
で次亜塩素酸塩を用いる酸化性淡色化漂白が行なわれ
る。二酸化塩素を用いる、とくに繊維を痛めないが高価
な漂白は、付加的に標準漂白に加わるかまたは次亜塩素
酸塩処理に代替しうる。
これらの方法の欠点は、なかんずく塩素化によつて惹起
される大きい環境公害である。それというのもこの場合
に大量のクロルリグニンが産出され、これが廃水の大き
い負担となる。
根本的に環境公害のない方法は、過酸化物(たとえば過
酸化ナトリウムまたは過酸化水素)または酸素ないしオ
ゾンを用いる漂白である。過酸化物漂白は、二酸化塩素
処理と同様、純白のパルプをつくるために、標準漂白工
程に対して付加的に使用される。さらに、これらの化合
物は単一漂白剤として殊に半漂白の際に使用することも
できる。これらの方法の欠点は、過酸化物ないしは酸素
の漂白作用が制限されているので、高度に漂白されたパ
ルプの品質は経済的に達成できないことである。これ
が、これらの漂白法がなお広く普及しなかつた重要な理
由の1つである。
発明が解決しようとする問題点 従つて、本発明の根底をなす課題は、公知方法の欠点を
有せず、良好な環境保護性にも拘わらずすぐれた漂白作
用を有する、セルロース含有製品を過酸化物および/ま
たは酸素および/またはオゾンを用いて漂白およびリグ
ニン除去する方法を開発することであつた。
問題点を解決するための手段 この課題は本発明によれば、付加的に、パルプの乾燥重
量に対してシアナミドおよび/またはシアナミド塩0.01
〜2.5重量%を使用することによつて解決される。
即ち、驚くべきことに、シアナミドおよび/またはシア
ナミド塩の添加によつて、シアナミドなしよりも著しく
高い白色度が得られることが判明した。
改良された漂白作用と同時に、パルプの著しく高いリグ
ニン除去度も生じる。さらに、シアナミド添加によつて
セルロースの分解が著しく少ないことも確かめられた
が、これはセルロース繊維の特別な保護と同意義であり
かつ同様に予測できなかつた。
本発明による方法においては、過酸化物漂白の場合に常
用であるように、過酸化水素または過酸化ナトリウムを
パルプの乾燥重量に対して1〜2.5重量%の量で使用
し、その際H2O2は有利に30〜35%水溶液で使用される。
本発明により使用されるシアナミドまたはシアナミド塩
の量は、大体において過酸化物含量ないしは酸素含量ま
たはオゾンの含量により、パルプの乾燥重量に対して0.
01〜2.5重量%、とくに0.1〜1.0重量%である。
0.01重量%よりも少ない場合、シアナミドから由来する
漂白作用の改良はもはや確かめられないし、2.5重量%
の上限を上廻ると著しい改良はもはや達成されず、従つ
て不経済になる。従つて、過酸化物含量に関して、シア
ナミド対過酸化物の0.1〜0.7のモル比が生じる。
使用されるシアナミドまたはシアナミド塩の濃度は、広
い範囲で変えることができる。シアナミド自体は固形で
も溶液(とくに10〜60%水溶液の形)でも使用すること
ができる。
シアナミド塩としては、有利にナトリウム水素シアナミ
ド、カルシウムシアナミドまたはマグネシウムシアナミ
ドのようなアルカリ反応性塩が使用される。それという
のもそれと同時に特定のアルカリ性pH価調節を行なうこ
とができるからである。アルカリ土類金属イオンカルシ
ウムおよびマグネシウムは同時になお、下記になお詳述
するように、H2O2溶液に対して安定化作用をする。
漂白過程の間の過酸化物の分解は最高に望ましくない。
それというのもこの場合には漂白作用が減少するだけで
なく、同時にセルロース繊維の明らかな損傷も生じるか
らである。この分解を予防するために、パルプ懸濁液
に、たとえば水ガラスのような安定剤またはたとえばNa
EDTAのような錯生成剤を、パルプの乾燥重量に対して0.
1〜5重量%の量で添加する。しかしかかる添加は一般
に、重金属塩が漂白前にパルプの洗浄によつて除去され
ている場合には省くことができる。
水ガラス以外に、パルプ懸濁液に、過酸化物に対して安
定化作用のほかに活性化作用をも及ぼす金属塩を加える
こともできる。この場合でも、パルプの乾燥重量に対し
て0.1〜5重量%の量が推奨される。金属塩としては、
アルミニウム塩またはマグネシウム塩、カルシウム塩お
よびバリウム塩のようなアルカリ土類金属塩がすぐれて
おり、陰イオンとしては、酸化物、水酸化物、硫酸塩、
塩化物および硝酸塩の各イオンがその低い価格に基づき
とくに推奨される。
反応条件に関しては、最高pH価は4.0〜13.0、とくに5.0
〜10.0であることが確かめられ、20〜150℃の温度がす
ぐれているとみなされる。これらの条件において、一般
に最良の結果、つまり比較的短かい処理時間でかつ穏か
な条件下で高い白色度が可能であり、この場合正確な方
法パラメーターは使用されるパルプの種類および前処理
に依存する。有利な実施態様においては、一般に3〜20
重量%の固体含量を有するパルプ懸濁液を、常用の酸性
または塩基性物質で所望のpH価に調節し、引続き水ガラ
スまたは金属塩のような安定剤ないしは活性剤を添加す
る。その後、過酸化物ないしは酸素またはオゾンおよび
シアナミドの添加を行なう。所望の白色度の種類により
15分ないし4時間かかる特定の温度での漂白後に、パル
プの後処理を行なう。このために、パルプの懸濁液を5
〜7のpH価に調節し、引続きパルプを脱水ないし乾燥す
る。
本発明方法を用いると、未漂白のパルプの白色度(つま
り漂白作用)を純過酸化物漂白に比べて約50%まで高め
ることが可能であり、既に前漂白されたパルプの場合相
応する増加は依然として20〜30%である。
リグニン除去度(カツパ値によつて定義される、実施例
参照)も、シアナミドを用いる過酸化物または酸素漂白
の場合、シアナミドなしの漂白の場合よりも約50%有利
である。最後にセルロースの重合度の尺度およびそれと
ともにセルロース繊維の損傷(分解)の直接の拠点であ
る粘度も、本発明方法の場合、公知技術による方法の場
合よりも明らかに良好である。
本発明方法は、原則としてたとえば亜硫酸パルプまたは
硫酸塩パルプ、CTMPパルプ、針葉樹パルプまたは砕木パ
ルプのようなすべてのセルロース含有製品に対し、前漂
白または後漂白のようなすべての漂白工程において使用
することができる。また、たとえば過酸化物漂白および
二酸化塩素漂白のような種々の漂白工程を組合せること
も、これが何らかの理由から有利と思われる場合には可
能である。
下記の実施例は本発明を詳述するが、本発明はこれに限
定されるものではない。
実施例 測定: 白色度:特別に準備したパルプ見本を光で照射し、反射
能を光電的に測定。反射はガードナー白色度測定装置
(測定角45゜)を用いて実施した。酸化マグネシウムの
反射は白色度100に一致する。実施例においては常に相
対白色度(△白色度=白色度シアナミド使用−白色度シ
アナミドなし)が記載されている。
カツプ数(κ):この特有量はパルプ中のリグニン含量
の尺度である。測定はISO302に従つて行なう。実施例に
おいては、同様に相対値(△κ=κシアナミド使用−κ
シアナミドなし)が記載されている。
粘度:セルロースの重合度の尺度。測定はCCA16(Zellc
heming IV/30/62)に従つて行なう。実施例において
は、相対的粘度のみを記載する(△粘度=粘度シアナミ
ド使用−粘度シアナミドなし) 単位:pPa・sec シアナミド量は実施例では重量%で記載されており、別
記しない限り、パルプの乾燥重量に関する。
例1(比較例) 未漂白のマグネフイテ(Magnefite)針葉樹パルプ85g
(乾燥重量約10g)に差当り苛性ソーダ(10%)0.5gお
よび市販の水ガラス0.5gを加え、引続き過酸化水素(35
%)0.44gを加えた。漂白は60℃で約2時間行なつた。
懸濁液のpH価は漂白前は10.0であり漂白後は8.1であつ
た。パルプ懸濁液を水で500mlに希釈し、pH価を硫酸で
6.0に調節しパルプを乾燥した。
例2 例1におけるように実施したが、過酸化水素添加後なお
シアナミド20mgの添加を10%のシアナミド溶液0.2gの形
で行なつた(パルプの乾燥重量に対して 反応条件および後処理は例1参照。
例3 例2におけるように実施したが、固形シアナミドの添加
は50mg(0.5重量%)であつた。
例1〜例3の結果は表1にまとめられている。
n.b.=測定不能 例4(比較例) 未漂白のマグネフイテ針葉樹パルプ50g(乾燥重量10g)
に、苛性ソーダ(10%)2g、水ガラス0.5gおよび過酸化
水素(35%)0.44gを加え、オートプレーブのガラス挿
入体に充填し、水20mlとともに1時間120℃に加熱し
た。漂白後のpH価は8.3であり、残存過酸化物は硫酸チ
タニルで検出できなかつた。後処理は例1と同様に行な
つた。
例5 例4に応じて実施するが、H2O2添加後なお10%のシアナ
ミド水溶液0.5g(0.5重量%)を添加した。後処理は例
1参照。
例4および例5の結果を表IIにまとめられている: 例6(比較例) 塩素/二酸化塩素(90:10)混合物で塩素化し、引続き
アルカリ性で抽出(パルプのpH価9.7)したマグネフイ
テ針葉樹パルプ308gに過酸化水素(30%)2.64gを混合
し、60℃で漂白した。15分、30分、60分および120分後
に、そのつど試料を取り出し、後処理した。漂白後のpH
価は6.2〜6.4であつた。
例7 例6に相応するが、10%のシアナミド水溶液4.0g(1重
量%)を添加して実施する。
例6および例7の結果は表IIIに表わされている: 例8(比較例) 未漂白のトウヒCTMPパルプ63g(乾燥重量10g)に、苛性
ソーダ(10%)2.0g、水ガラス0.2gおよび過酸化水素
(35%)0.44gを混合し、60℃で2時間漂白した。pH価
は漂白前は12.7であり、漂白後は10.3であつた。後処理
は例1に一致していた。
例9 例8と同様であるが、10%のシアナミド溶液0.5g(0.5
重量%)を添加して実施した。pH価は漂白前は11.6であ
り、漂白後は10.5であつた。
例8および例9の結果は表IVから認められる。
例10(比較例) マグネフイテ針葉樹パルプ50g(乾燥重量10g)に、苛性
ソーダ(10%)6.0gおよび酸化マグネシウム0.01gを混
合し、オートクレーブに装入し、酸素5バールを圧入し
た。漂白を85℃で行なつた(時間30分)。pH価は漂白前
は11.8であり、漂白後は11.4であつた。後処理は例1に
よつて行なつた。
例11 例10におけると同様であるが、10%のシアナミド水溶液
0.5gを添加して実施する。
例10および例11の結果は表Vにまとめられている。
例12(比較例) マグネフイテ針葉樹パルプ50g(乾燥重量10g)に、硫酸
アルミニウム0.1g、二酸化塩素/水30g(パルプの乾燥
重量に対して二酸化塩素1.2重量%)および過酸化水素
(35%)0.44gを混合し、60℃で2時間漂白した。pH
は、漂白前は4.8、漂白後は6.4であつた(後処理例1参
照)。
例13 例12におけると同様であるが、10%のシアナミド溶液0.
5g(0.5重量%)を添加して実施した。
例12および例13の結果は表VIから認められる。
例14(比較例) トウヒ材からの砕木パルプ67g(乾燥重量10g)に苛性ソ
ーダ(10%)1.5g、水ガラス0.5gおよび過酸化水素(35
%)0.43gを混合し、40℃で2時間漂白した。pH価は漂
白前は10.9、漂白後は9.1であつた。後処理は例1に記
載したように行なつた。
例15 例14におけると同様であるが、10%のシアナミド溶液0.
5gを添加して実施する。
例14および例15の結果は、表VIIにまとめられている:
フロントページの続き (72)発明者 シユテフアン・ヴアイス ドイツ連邦共和国トローストベルク・ゾネ ンライテ 8 (56)参考文献 特開 昭49−125606(JP,A)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロース含有製品を過酸化物および/ま
    たは酸素および/またはオゾンを用いて漂白およびリグ
    ニン除去する方法において、付加的に、パルプの乾燥重
    量に対して、シアナミドおよび/またはシアナミド塩0.
    01〜2.5重量%を使用することを特徴とするセルロース
    含有製品を漂白およびリグニン除去する方法。
  2. 【請求項2】シアナミドおよび/またはシアナミド塩0.
    1〜1.0重量%を使用する、特許請求の範囲第1項記載の
    方法。
  3. 【請求項3】シアナミド対過酸化物のモル比が0.1〜0.7
    である、特許請求の範囲第1項または第2項記載の方
    法。
  4. 【請求項4】シアナミドを10〜60%水溶液の形で使用す
    る、特許請求の範囲第1項から第3項までのいずれか1
    項記載の方法。
  5. 【請求項5】シアナミド塩としてナトリウム水素シアナ
    ミドを使用する、特許請求の範囲第1項から第4項まで
    のいずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】シアナミド塩としてカルシウムシアナミド
    を使用する、特許請求の範囲第1項から第5項までのい
    ずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】パルプ懸濁液になお過酸化物安定剤を、パ
    ルプの乾燥重量に対して0.1〜5重量%の量で添加す
    る、特許請求の範囲第1項から第6項までのいずれか1
    項記載の方法。
  8. 【請求項8】過酸化水素安定剤として水ガラスを使用す
    る、特許請求の範囲第7項記載の方法。
  9. 【請求項9】過酸化水素安定剤として、たとえばエチレ
    ンジアミンテトラ酢酸ナトリウムのような錯生成剤を使
    用する、特許請求の範囲第7項記載の方法。
  10. 【請求項10】パルプ懸濁液に、金属塩を、パルプの乾
    燥重量に対して0.1〜5重量%の量で加える、特許請求
    の範囲第7項記載の方法。
  11. 【請求項11】金属塩としてアルミニウム塩を使用す
    る、特許請求の範囲第10項記載の方法。
  12. 【請求項12】金属塩としてアルカリ土類金属塩を使用
    する、特許請求の範囲第10項記載の方法。
  13. 【請求項13】漂白前のpH価を4〜13に調節する、特許
    請求の範囲第1項から第12項までのいずれか1項記載の
    方法。
  14. 【請求項14】反応温度が20〜150℃である、特許請求
    の範囲第1項から第13項までのいずれか1項記載の方
    法。
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