JPH07233498A - 耐孔あき性とめっき密着性に優れたZn系合金めっき鋼板 - Google Patents
耐孔あき性とめっき密着性に優れたZn系合金めっき鋼板Info
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- JPH07233498A JPH07233498A JP2466694A JP2466694A JPH07233498A JP H07233498 A JPH07233498 A JP H07233498A JP 2466694 A JP2466694 A JP 2466694A JP 2466694 A JP2466694 A JP 2466694A JP H07233498 A JPH07233498 A JP H07233498A
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Abstract
て良好な表面処理鋼板を提供することである。 【構成】 P:0.045〜0.120 %を含有し、不純物として
のCr、Cu、Moの合計が0.10%以下で、さらに、表面の結
晶粒サイズが結晶粒の平均断面積で0.0003mm2 以下の冷
延鋼板にZnよりも電位的に貴な元素を合計含有率で 0.5
〜30重量%含み、めっき付着量5〜50g/m2のZn系合金め
っき皮膜を設ける。
Description
着性に優れるZn系合金めっき鋼板に関するものである。
中の土中の様々な化学成分に暴露される厳しい腐食環境
中で使用されることが多くなった。特に、寒冷地では、
融雪剤として道路上へ多量の塩類を散布するため、この
融雪剤による自動車床面の孔あき腐食が問題になってい
る。
耐え得る高耐食性を持つ表面処理鋼板が要求されるよう
になってきており、その対策としてZn電気めっき鋼板や
Zn系合金電気めっき鋼板のめっき付着量を増大すること
などが検討されているが、付着量をこれ以上増加させる
ことはコスト的な負担を増大させることになり好ましく
ない。また、めっき付着量を増加させることにより、溶
接性や耐パウダリング性 (めっき密着性が悪いためプレ
ス加工時にめっき皮膜が粉末状に剥離する現象) が劣化
するといった欠点がある。特にめっき皮膜硬度の高いZn
−Ni合金電気めっき鋼板は付着量の増加とともに急激に
耐パウダリング性が劣化するため付着量を増やすことに
より耐食性を上げることは限界にきている。
ート皮膜とシリケートを含む有機樹脂皮膜 (塗膜) とを
施した有機複合被覆鋼板が提案された (特開昭58−2241
74号、同60−174879号等の各公報参照) 。しかし、この
有機被覆鋼板も母材とめっき間の密着力が弱く、耐パウ
ダリング性が十分に改善できたとは言い難く、有機被覆
層やクロメート皮膜が疵付きやすい加工部においては十
分な耐食性の改善には到らなかった。
成分あるいはこれにPを添加し、めっき皮膜の成分組成
を特定範囲内に規定することによりめっき密着性が改善
できることが示された( 特開昭61−284561号、同61−28
4594号の各公報参照) 。これらの公報には母材にCu、N
i、Cr、Moの1種または2種以上とPを添加した鋼板の
表面に50%以上のZnを含有するめっき層を最下層として
有することでめっき密着性が改善できることが示されて
いるが、Cu、Ni、Cr、Mo等の重金属成分の添加は、我々
の知見によれば、これらの元素が鋼中に局部的に濃化す
ると、皮膜中のZnやZn以外の合金元素と局部電池を形成
しやすくなり、耐孔あき性をかえって劣化させることに
なり好ましくない。
号、同5−65676 号の各公報には、C、N、Si、Mn、
P、S、Al、Nb、Ti、Cu、Ni、Bを所定範囲内に規定し
た母材を使用し、その上にZn系合金めっきを施し、さら
にクロメート皮膜、有機皮膜で覆うことにより耐食性と
成形性が良好な表面処理鋼板が製造できることが報告さ
れているが、これもめっき母材という面から従来の耐食
性鋼の成形性の改善を行っているにすぎず、耐パウダリ
ング性といった点からは通常の極低炭鋼母材を使用する
場合に比べ何等優れたところはない。
的は、このような状況の下で耐孔あき性に優れ、かつ、
めっき密着性の極めて良好な表面処理鋼板を提供するこ
とである。具体的には、めっき付着量を増加させずに、
融雪剤による厳しい腐食環境中での使用を満足する耐孔
あき性および厳しい加工条件での耐パウダリング性を満
足するめっき密着性を達成できる表面処理鋼板としての
Zn系合金めっき鋼板を提供することである。
かかる目的を達成すべく、種々検討を重ねた結果、冷延
鋼板へのPの0.045 %以上という積極的添加と、特に不
純物としてのCr、Cu、Moの合計量を0.10%以下に抑える
とともに、好ましくは表面の結晶粒サイズを平均断面積
で0.0003mm2 以下とすることで、予想外にもめっき皮膜
の密着性と耐孔あき性が著しく改善されることを知り、
本発明を完成した。
量%で、P:0.045〜0.120 %を含有し、不純物としての
Cr、Cu、Moの合計が0.10%以下の冷延鋼板の少なくとも
片面にZnよりも電位的に貴な元素を合計含有率で 0.5〜
30重量%含み、めっき付着量がめっきの総重量で5〜50
g/m2のZn系合金電気めっき皮膜が施されていることを特
徴とする耐孔あき性とめっき密着性に優れたZn系合金め
っき鋼板である。
で、P:0.045〜0.120 %を含有し、不純物としてのCr、
Cu、Moの合計が0.10%以下で、鋼板表面に対し垂直方向
から観察した時の表面の結晶粒サイズが結晶粒の平均断
面積で0.0003mm2 以下の冷延鋼板を少なくとも片面にZn
よりも電位的に貴な元素を合計含有率で 0.5〜30重量%
含み、めっき付着量がめっきの総重量で5〜50g/m2のZn
系合金電気めっき皮膜が施されていることを特徴とする
耐孔あき性とめっき密着性に優れたZn系合金めっき鋼板
である。
して得られたZn系合金めっき鋼板の上に第2層としてク
ロメート皮膜およびそのクロメート皮膜の上に第3層と
して有機皮膜をさらに設けてもよい。
本発明の表面処理鋼板、つまりZn系合金めっき鋼板は、
Pを比較的多量に含み、不純物としてCr、Cu、Moの含有
量が少ない冷延鋼板の上にZn系合金電気めっきを施して
得るのであり、また、Pを含み、Cr、Cu、Moの含有量が
少なく、表面の結晶粒サイズが小さい冷延鋼板の上にZn
系合金電気めっきを施して得るものである。
表面の結晶サイズの限定理由およびめっきの限定理由に
ついて述べる。なお、冷延鋼板の各成分の「%」ならび
にめっき皮膜を構成する各成分の「%」はいずれも「重
量%」を意味する。
ある。Pには腐食初期に錆を緻密化し、酸素透過性の少
ない安定錆層を形成し、耐孔あき性を改善させる作用が
あるが、この作用は鋼板表面をZn系合金電気めっき鋼板
で覆った場合特に著しい。これは、めっき鋼板の場合に
は、先ず、めっき皮膜の腐食が起こり、部分的にめっき
皮膜が薄くなったり、剥離したところから鋼の腐食が起
こるため、裸の冷延鋼板に比べ、Zn系合金電気めっき鋼
板では、鋼の初期腐食の進行する速度が遅く、安定錆層
を形成する十分な時間があることと、鋼板表面をZn系合
金電気めっき鋼板で覆った場合には、腐食初期にめっき
皮膜中で電位的に卑なZnの優先溶出が起こり、電位的に
貴な非Zn合金元素が濃化され、この非Zn合金元素に鋼中
に添加する重金属と同様の安定錆層の生成助長効果があ
るためと考えられる。
の鋼中へのP添加効果は0.045 %から現れる。このため
Pの下限を0.045 %とする。一方、0.120 %を越えると
効果の程度が頭打ちとなり、また、溶接性や成形性の劣
化が起こる。従って上限は0.120 %とする。好ましく
は、0.045 〜0.080 %である。
板の場合には、鋼表面に安定な酸化物が形成され安定錆
層の生成を助長する効果があるが、Zn系合金電気めっき
鋼板の場合には、めっき皮膜の腐食が起こる過程で電位
的に卑なZnの優先溶出が起こり、Znが優先的に腐食さ
れ、非Zn合金元素が鋼板表面に濃化するため特にこれら
の元素を添加する必要がない。そればかりか鋼中に添加
されたCu、Cr、Moは鋼中に局部的に濃化していたり、あ
るいは腐食過程で鋼中に局部的に濃化したりすると、め
っき皮膜中のZnやZn以外の合金元素と局部電池を形成し
やすくなるため、めっき皮膜の腐食を早め、十分な安定
錆層が形成される前に鋼の局部腐食を起こし、耐孔あき
性をかえって劣化させる。なお、Cu、Cr、Moが鋼中に局
部的に濃化しているとめっき密着性をも低下させる。こ
のためCu、Cr、Moは鋼中にできるだけ添加しない方が好
ましく、Cu、Cr、Moは合計で不純物レベルの0.10%以
下、好ましくは0.06%以下とする。
おいては、これだけでも十分な耐食性改善硬化が得られ
るが、さらに耐孔あき性およびめっき密着性を向上させ
るためには次のようにするのが望ましい。
鋼板においては、0.045 〜0.120 %のPを添加して腐食
初期に安定錆層を形成させ、その錆の環境遮断効果によ
り母材の腐食を抑制するため、この安定錆層をいかに厚
く、緻密に形成させるかが重要となる。
鋼板表面結晶サイズを規定することで実現しており、か
くして本発明によれば、めっき密着性を改善することに
より、耐孔あき性に十分な安定錆層を形成することに成
功している。以下にこの本発明の好適実施態様について
詳細に示す。
のPの濃化部分はめっき前処理の酸洗時にエッチングさ
れやすい。また、Pの濃化していない部分は比較的エッ
チングされにくいため微小な凹凸が形成され、この上に
めっきを施すとめっきとのアンカー効果によりめっき密
着性が改善される。特にZn系合金電気めっき鋼板の場合
にはめっきが硬質なためめっき密着性が悪いと加工時に
めっきが粉末状に剥離(パウダリング) する現象が生じ
るが、本発明の好適態様によればこの現象が改善され
る。
にくいため腐食初期の錆の保持効果を増大し、緻密な安
定錆層が形成されやすくなるため耐食性が著しく改善さ
れる。
面の結晶粒サイズが鋼板表面に対し垂直方面から観察し
たときの結晶粒の平均断面積で0.0003mm2 以下のときで
ある。なお、通常は、断面で結晶粒の大きさを観察して
おり、表面部および中心部の平均粒径を求めていること
になる。
部分が多くなる程エッチングの差により、前記微少な凹
凸部分が多く形成され、この上にめっきを施すと、めっ
きとのアンカー効果によりめっき密着性が向上するので
ある。
延鋼板の表面の結晶粒サイズを鋼板表面に対し垂直方面
から観察したときの結晶粒の平均断面積で0.0003mm2 以
下とする。また、結晶粒サイズの小さい方は特に規定し
ないが製造上0.00003mm2程度が限界となる。
ては、熱間圧延の仕上げ温度をAr3点直上まで下げるの
が最も望ましい。この方法により、通常は、鋼板表面に
対し垂直方面から観察したときの結晶粒の平均断面積で
0.002 〜0.0005mm2 程度である冷延鋼板の結晶粒サイズ
を0.0003mm2 以下に下げることが可能になる。その他の
手段としては焼鈍温度を再結晶温度+20℃以内にする方
法を挙げることができる。
は、めっき皮膜硬度が高く、パウダリングを起こしやす
いZn系合金電気めっき皮膜のときにその耐食性およびめ
っき密着性改善効果が著しい。
的に貴な元素は合計含有率で 0.5〜30重量%とする。Zn
よりも電位的に貴な元素が合計含有率で0.5 %未満では
腐食初期のZnの溶出に伴いZnよりも電位的に貴な元素の
濃化が起こらないため、Znが完全になくなるまで溶出が
続き、耐孔あき性が劣化する。一方、Znよりも電位的に
貴な元素の合計含有量が30重量%を超える場合ではめっ
きが硬質化しすぎ、冷延鋼板中へのP添加によるめっき
密着性の改善効果を上回るためめっきが剥離しやすくな
る。好ましくは、例えば、Zn−Ni系では4〜20%、Zn−
Co系では 0.5〜20%、Zn−Cr系およびZnより電位的に貴
な他の元素では1〜20%であり、より好ましくはZn−Ni
系では4〜15%、Zn−Co系では 0.5〜10%、Zn−Cr系お
よびZnより電位的に貴な他の元素では1〜15%である。
は、例えば、Ni、Co、Fe、Cr、Sn、Pb、Cu等多くを挙げ
ることができるが、好ましくはNi、Co、Cr、Feであり、
特に好ましくはNi、Co、Crである。また、めっき皮膜構
造は多層構造であってもよい。このとき、Znよりも電位
的に貴な元素はめっきの平均組成として 0.5〜30重量%
であればよい。
g/m2未満では十分な対孔あき性が得られず、50g/m2超で
はコストが増大し、またパウダリング性の劣化も起こる
のでめっき付着量はめっきの総重量で5〜50g/m2とす
る。好ましくは10〜40g/m2である。
の上に、第2層としてクロメート皮膜を、第3層として
有機皮膜を施すことが望ましい。その場合、クロメート
皮膜はめっき皮膜の耐食性を増大させると共に、第1層
のZn系合金めっき層と第3層の有機皮膜を密着させる作
用がある。Zn系合金めっき層と有機皮膜を密着させるこ
とによりパウダリングがさらに生じ難くなるため、冷延
鋼板の初期腐食速度が抑えられ安定錆層の形成が一層促
進される。
型、電解型のいずれでも可能である。クロメート皮膜の
付着量はCr付着量として10〜200 mg/m2 が好ましい。10
mg/m2 未満では耐食性改善効果が期待できず、200 mg/m
2 超では加工性、溶接性が劣化する。より好ましくは30
〜100mg/m2である。また、クロメート皮膜には6価のCr
が存在した方が好ましい。Cr6+は鋼板が傷ついた場合、
そこからの腐食を抑制する作用を有する。
的に還元されたクロム酸溶液を主成分とし、必要に応じ
これに水分散性または水溶性のアクリル樹脂等の有機樹
脂および/またはコロイダルシリカを含有させたもので
ある。この場合Cr3+: Cr6+の割合は50:1〜1:3が好
ましい。Cr3+: Cr6+の割合は一般の還元剤を使用して所
定の割合に調節する。このとき塗布型クロメートはこの
溶液をロールコータ、スプレー等で塗布し、水洗するこ
となく乾燥して皮膜を得る。反応型クロメートはこの溶
液にめっき鋼板を浸漬することにより表面に不溶性のCr
2O3 を生成させて皮膜を得る。
リン酸フッ化物またはハロゲン酸素酸等のアニオンの1
種または2種以上を含有する浴で陰極電解処理を施し、
水洗乾燥して皮膜を形成させる。
るという利点があるため耐食性を重視する自動車用表面
処理鋼板では特に好ましく、その中でも塗布型は片面処
理が可能なので特に好ましい。
めっき皮膜や鋼板を遮断する働きがある。さらにそれに
加え腐食初期の安定錆層生成期にこの環境遮断効果によ
り錆層の急激な腐食を抑制し、安定錆層の生成に寄与す
る。
ましい。0.1 μm 未満だと耐食性の改善効果がみられ
ず、2μm を超えると溶接性、電着塗装性が著しく低下
する。
に使用されてきた各種の樹脂系被覆組成物を使用して形
成することができる。有機樹脂皮膜は、装置が簡便で造
膜も速い熱硬化型皮膜が工業的には好ましいが、紫外線
または電子線硬化型皮膜や常温乾燥型皮膜とすることも
できる。この中で特に好ましい樹脂種は熱硬化型皮膜で
あるエポキシ系樹脂であり、エポキシ系樹脂とシリカを
主成分とするものが最適である。
布手段でクロメート皮膜上に塗布し、加熱して塗膜を硬
化させ、有機樹脂皮膜を形成させる。加熱温度はエポキ
シ系の場合80〜250 ℃である。
しい耐食性の改善効果が得られるため、本発明にかかる
表面処理鋼板であるZn系合金めっき鋼板は、加工と腐食
の厳しい自動車用表面処理鋼板として特に優れた性能を
有するものである。次に、本発明の作用効果について実
施例を参照しながらさらに具体的に説明する。
有する板厚0.8 mmの冷延鋼板に対して、アルカリ電解脱
脂および酸洗を行った後、以下に示した方法でZn系合金
電気めっきを施した。
2) を使用し、皮膜中の合金成分はその金属の硫酸塩を
添加し、合金金属イオン濃度/Znイオン濃度を変化させ
ることで、皮膜中の合金成分割合を変化させた。Znおよ
び合金成分イオンの浴中添加濃度は合計で100 g/l とし
た。また、めっき浴中にはこの他に導電性電解質として
100 g/l のNa2SO4を添加した。
dm2 の直流電流を用い、浴温40〜60℃の範囲でめっきを
行った。めっき皮膜の付着量は電気量をコントロールし
て変化させた。
いてはめっきの上に塗布型クロメート処理によるクロメ
ート層およびロールコーター塗布による有機樹脂 (エポ
キシ系樹脂) 層を形成させた。このようにして得られた
各めっき鋼板について次の要領でそれぞれの特性評価を
行った。
面処理鋼板を直径50mm、高さ25mmの形状に円筒絞りし、
円筒の内側とエッジ部を防水加工して試験サンプルとし
て、孔あき腐食試験を行って耐孔あき性を評価した。な
お、孔あき腐食試験機ではSST(6hr)→乾燥(50℃×2hr)
→湿潤 (相対湿度95%、50℃×16hr) を1サイクルと
してめっきの上に何も施さない場合には40サイクルの繰
り返し試験を行った後の最大侵食深さをポイントマイク
ロメーターで測定し、0.2 mm以下であれば良 (○) 、0.
1 mm以下であれば (◎) とした。めっきの上にクロメー
トおよび有機樹脂からなる皮膜を施す場合には200 サイ
クル後の最大侵食深さを測定し、0.2 mm超であれば不良
(×) 、0.2 mm以下であれば良 (○) 、0.1 mm以下であ
れば優 (◎) とした。
は、めっき付着量を増加させずに融雪剤等による厳しい
腐食環境中での使用を満足する耐食性に対応するもので
あって、これまでは実用上実現できなかったすぐれた特
性である。
上記のようにして作製した表面処理鋼板を直径50mm、高
さ25mmの形状に円筒絞り加工を行い、円筒側面のテープ
剥離試験により剥離しためっき皮膜剥離量でめっき密着
性を調べ、テープ剥離量が10 mg/テープ1個未満のもの
は優 (◎) 、10〜30 mg/テープ1個のものは良 (○) 、
30 mg/テープ1個以上のものは不良 (×) とした。
果から明らかなように、本発明例では耐食性、めっき密
着性ともに良好である。
き付着量あるいはめっき皮膜組成が本発明例で定める範
囲から外れる場合はいずれも耐食性もしくはめっき密着
性のどちらかあるいは両方が不良である。また、この傾
向はめっき皮膜の上にクロメート層と有機樹脂層があっ
ても変わらない。
結晶サイズを変えた同様の供試鋼を使用して実施例1を
繰り返した。供試鋼の鋼組成、結晶粒サイズ等および試
験の結果は表5〜表8にまとめて示す。なお、テープ剥
離試験で「◎」に相当するめっき密着性はこれまで上述
の耐食性試験で「◎」以上の評価とは同時に達成できな
かった特性である。
制作用をもつ特定の合金元素を冷延鋼板中に添加するこ
とによりめっき鋼板全体の腐食性を増加させるのみなら
ず、意図的に冷延鋼板表面の結晶粒子サイズを細かくす
ることにより、めっき皮膜と鋼板の密着性の改善および
耐食性のより一層の増加を図ることができる。このこと
から、本発明にかかるZn系合金めっき鋼板は、加工部の
高耐食性を重要視する自動車用防錆鋼板として利用で
き、工業的価値が非常に高い。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で、P:0.045〜0.120 %を含有
し、不純物としてのCr、Cu、Moの合計が0.10%以下の冷
延鋼板の少なくとも片面にZnよりも電位的に貴な元素を
合計含有率で 0.5〜30重量%含み、めっき付着量がめっ
きの総重量で5〜50g/m2のZn系合金電気めっき皮膜が施
されていることを特徴とする耐孔あき性とめっき密着性
に優れたZn系合金めっき鋼板。 - 【請求項2】 重量%で、P:0.045〜0.120 %を含有
し、不純物としてのCr、Cu、Moの合計が0.10%以下で、
鋼板表面に対し垂直方向から観察した時の表面の結晶粒
サイズが結晶粒の平均断面積で0.0003mm2 以下の冷延鋼
板を少なくとも片面にZnよりも電位的に貴な元素を合計
含有率で 0.5〜30重量%含み、めっき付着量がめっきの
総重量で5〜50g/m2のZn系合金電気めっき皮膜が施され
ていることを特徴とする耐孔あき性とめっき密着性に優
れたZn系合金めっき鋼板。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のZn系合金めっき
鋼板の上に第2層としてクロメート皮膜および該クロメ
ート皮膜の上に第3層として有機皮膜を設けたことを特
徴とするZn系合金めっき鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2466694A JP2785672B2 (ja) | 1994-02-23 | 1994-02-23 | 耐孔あき性とめっき密着性に優れたZn系合金めっき鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2466694A JP2785672B2 (ja) | 1994-02-23 | 1994-02-23 | 耐孔あき性とめっき密着性に優れたZn系合金めっき鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07233498A true JPH07233498A (ja) | 1995-09-05 |
JP2785672B2 JP2785672B2 (ja) | 1998-08-13 |
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ID=12144472
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2466694A Expired - Lifetime JP2785672B2 (ja) | 1994-02-23 | 1994-02-23 | 耐孔あき性とめっき密着性に優れたZn系合金めっき鋼板 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2785672B2 (ja) |
-
1994
- 1994-02-23 JP JP2466694A patent/JP2785672B2/ja not_active Expired - Lifetime
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