JPH07233452A - 磁気特性に優れたフェライト系ステンレス鋼 - Google Patents
磁気特性に優れたフェライト系ステンレス鋼Info
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- JPH07233452A JPH07233452A JP6316833A JP31683394A JPH07233452A JP H07233452 A JPH07233452 A JP H07233452A JP 6316833 A JP6316833 A JP 6316833A JP 31683394 A JP31683394 A JP 31683394A JP H07233452 A JPH07233452 A JP H07233452A
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
- H01F1/12—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
- H01F1/14—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys
- H01F1/147—Alloys characterised by their composition
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 フェライト系ステンレス鋼の磁気特性の改
善。 【構成】 重量%で、C: 0.015 %以下、 N: 0.01
5 %以下、ただしC+N: 0.02%以下、Cr:10 〜14%、
Si: 2.0 %以下、 Mn: 2.0 %以下、P:
0.04%以下、 Al: 0.10%以下、Ti:0.05 〜0.20
%、ただし、重量比でTi/(C+N) ≧5.0 、S: 0.020 %
以下、かつ、0.5 ×C〜4.0 ×C、残部Feおよび不可避
的不純物から構成する。
善。 【構成】 重量%で、C: 0.015 %以下、 N: 0.01
5 %以下、ただしC+N: 0.02%以下、Cr:10 〜14%、
Si: 2.0 %以下、 Mn: 2.0 %以下、P:
0.04%以下、 Al: 0.10%以下、Ti:0.05 〜0.20
%、ただし、重量比でTi/(C+N) ≧5.0 、S: 0.020 %
以下、かつ、0.5 ×C〜4.0 ×C、残部Feおよび不可避
的不純物から構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、腐食性の環境で用いら
れる磁気シールド等に適し、磁気特性が改善されたフェ
ライト系ステンレス鋼に関する。
れる磁気シールド等に適し、磁気特性が改善されたフェ
ライト系ステンレス鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、耐食性軟磁性材料としては、
フェライト系ステンレス鋼があり、磁気シールド部材、
電磁弁、モータ鉄心部品等に広く利用されている。磁気
シールド部材としては透磁率が高い (磁気シールド性)
、保磁力が低い (消磁性) 等の磁気特性が要求され
る。しかしながら、フェライト系ステンレス鋼の磁気特
性は透磁率や保磁力の点で電磁軟鉄等に比較すると大き
く劣っている。
フェライト系ステンレス鋼があり、磁気シールド部材、
電磁弁、モータ鉄心部品等に広く利用されている。磁気
シールド部材としては透磁率が高い (磁気シールド性)
、保磁力が低い (消磁性) 等の磁気特性が要求され
る。しかしながら、フェライト系ステンレス鋼の磁気特
性は透磁率や保磁力の点で電磁軟鉄等に比較すると大き
く劣っている。
【0003】磁気特性改善のためには磁壁の移動や磁区
の回転を妨げる固溶C、Nや微細析出物を極力低減する
ことが必要であり、可能な限り高純度化することが好ま
しい。フェライト系ステンレス鋼の磁気特性改善につい
ても例えば特開平6−49606号公報や特開平6−4
9605 号公報にこのことが開示されている。またN
b、Ti、V等の安定化元素を添加して固溶C、Nを低減
させると磁気特性が改善されることが知られており、例
えば特開平4−318153号公報にこのことが開示されてい
る。
の回転を妨げる固溶C、Nや微細析出物を極力低減する
ことが必要であり、可能な限り高純度化することが好ま
しい。フェライト系ステンレス鋼の磁気特性改善につい
ても例えば特開平6−49606号公報や特開平6−4
9605 号公報にこのことが開示されている。またN
b、Ti、V等の安定化元素を添加して固溶C、Nを低減
させると磁気特性が改善されることが知られており、例
えば特開平4−318153号公報にこのことが開示されてい
る。
【0004】しかし、Tiを含有する低Crフェライト系ス
テンレス鋼では生産コスト合理化のために熱延板焼鈍を
省略する割合が高くなりつつある。この場合、熱間圧延
中に析出した微細析出物により、熱延板焼鈍を実施した
場合と比較して磁気特性が劣化するという問題があっ
た。
テンレス鋼では生産コスト合理化のために熱延板焼鈍を
省略する割合が高くなりつつある。この場合、熱間圧延
中に析出した微細析出物により、熱延板焼鈍を実施した
場合と比較して磁気特性が劣化するという問題があっ
た。
【0005】特開平5−255817号公報では、熱延板焼鈍
を省略してもS+O<0.006 %にすることにより磁気特
性が向上することを開示している。しかし、この場合は
高温、長時間の磁気焼鈍を必要とし経済的ではない。ま
たTi等の安定化元素を添加していないための加工性が悪
いことが予想される。
を省略してもS+O<0.006 %にすることにより磁気特
性が向上することを開示している。しかし、この場合は
高温、長時間の磁気焼鈍を必要とし経済的ではない。ま
たTi等の安定化元素を添加していないための加工性が悪
いことが予想される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここに、本発明は、熱
延鋼板の焼鈍を行わなくとも、磁気特性が優れたTi含有
の低Crフェライト系ステンレス冷延鋼板を提供すること
を目的としている。より具体的な目的は、熱延鋼板の焼
鈍を行わなくとも、初期透磁率μ0 1800以上、保持力Hc
1.5(Oe)未満という優れた磁気特性を有する低Crフェラ
イト系ステンレス冷延鋼板を提供することである。
延鋼板の焼鈍を行わなくとも、磁気特性が優れたTi含有
の低Crフェライト系ステンレス冷延鋼板を提供すること
を目的としている。より具体的な目的は、熱延鋼板の焼
鈍を行わなくとも、初期透磁率μ0 1800以上、保持力Hc
1.5(Oe)未満という優れた磁気特性を有する低Crフェラ
イト系ステンレス冷延鋼板を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】磁気特性は加工性と同様
に固溶C、Nおよび微細析出物の低減により改善され
る。本発明者らは熱延板焼鈍を実施しない条件下で冷延
鋼板の磁気特性を高める方法について鋭意研究した結
果、C、N量を低下した条件下で一定量のSを添加する
ことで目的が達せられることを新たに知見した。
に固溶C、Nおよび微細析出物の低減により改善され
る。本発明者らは熱延板焼鈍を実施しない条件下で冷延
鋼板の磁気特性を高める方法について鋭意研究した結
果、C、N量を低下した条件下で一定量のSを添加する
ことで目的が達せられることを新たに知見した。
【0008】一般的にSは磁気特性をはじめ加工性、靱
性を劣化させる元素であることが知られており、その混
入は極力低減されている。一定のTi、C、N含有量の条
件下でSを添加することが低Crフェライトステンレス鋼
の磁気特性の改善に有効である理由は、確証されてはい
ないが、安定なTi炭硫化物の生成による固溶Cの低下と
析出粒子径の増大に伴う析出密度の低下に起因している
と推定される。
性を劣化させる元素であることが知られており、その混
入は極力低減されている。一定のTi、C、N含有量の条
件下でSを添加することが低Crフェライトステンレス鋼
の磁気特性の改善に有効である理由は、確証されてはい
ないが、安定なTi炭硫化物の生成による固溶Cの低下と
析出粒子径の増大に伴う析出密度の低下に起因している
と推定される。
【0009】本発明の要旨とするところは次の通りであ
る。 (1) 重量%で、C: 0.015 %以下、 N: 0.015 %以
下、ただしC+N: 0.02%以下、Cr:10 〜14%、
Si: 2.0 %以下、 Mn: 2.0 %以下、P: 0.04%
以下、 Al: 0.10%以下、Ti:0.05 〜0.20%、ただ
し、重量比でTi/(C+N) ≧5.0 、S: 0.020 %以下、か
つ、0.5 ×C〜4.0 ×C、Cu:0〜0.5 %、 V:
0〜0.5 %、Ni:0〜0.5 %、 Mo:0〜1.0 %、
残部Feおよび不可避的不純物より成る鋼組成を有する磁
気特性に優れたフェライト系ステンレス鋼。
る。 (1) 重量%で、C: 0.015 %以下、 N: 0.015 %以
下、ただしC+N: 0.02%以下、Cr:10 〜14%、
Si: 2.0 %以下、 Mn: 2.0 %以下、P: 0.04%
以下、 Al: 0.10%以下、Ti:0.05 〜0.20%、ただ
し、重量比でTi/(C+N) ≧5.0 、S: 0.020 %以下、か
つ、0.5 ×C〜4.0 ×C、Cu:0〜0.5 %、 V:
0〜0.5 %、Ni:0〜0.5 %、 Mo:0〜1.0 %、
残部Feおよび不可避的不純物より成る鋼組成を有する磁
気特性に優れたフェライト系ステンレス鋼。
【0010】(2) さらに、Cu:0.5%以下、V:0.5%以
下、Ni: 0.5 %以下、Mo: 1.0 %以下から成る群から選
ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする
上記(1)記載の磁気特性と耐食性に優れたフェライト系
ステンレス鋼。
下、Ni: 0.5 %以下、Mo: 1.0 %以下から成る群から選
ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする
上記(1)記載の磁気特性と耐食性に優れたフェライト系
ステンレス鋼。
【0011】
【作用】次に、本発明において鋼組成を上述のように限
定した理由を説明する。なお、本明細書において、
「%」は特にことわりがない限り、「重量%」である。
定した理由を説明する。なお、本明細書において、
「%」は特にことわりがない限り、「重量%」である。
【0012】C、N:C、Nは磁気特性および加工性を
著しく劣化させる元素であるので極力低減することが望
ましい。本発明ではそれぞれ0.015 %以下、かつC+N
≦0.02%とする。好ましくは、C、N≦0.01%、C+N
≦0.015 %である。
著しく劣化させる元素であるので極力低減することが望
ましい。本発明ではそれぞれ0.015 %以下、かつC+N
≦0.02%とする。好ましくは、C、N≦0.01%、C+N
≦0.015 %である。
【0013】Cr:Crはステンレス鋼の耐食性を担う主要
元素であり、10%以上の含有が必要である。一方磁気特
性と加工性の上からは少ない方が好ましく、この理由か
ら14%以下と限定した。好ましくは、11.0〜12.0%であ
る。
元素であり、10%以上の含有が必要である。一方磁気特
性と加工性の上からは少ない方が好ましく、この理由か
ら14%以下と限定した。好ましくは、11.0〜12.0%であ
る。
【0014】Si:Siは鋼の脱酸にかかる基本元素であ
り、さらに磁気特性の向上にも有効である。しかし、過
剰な添加は加工性を損なう場合があるので2.0 %以下に
限定する。好ましくは、1.0 %以下である。
り、さらに磁気特性の向上にも有効である。しかし、過
剰な添加は加工性を損なう場合があるので2.0 %以下に
限定する。好ましくは、1.0 %以下である。
【0015】Mn:Mnは脱酸材として添加されるが、過剰
の添加は磁気特性および加工性を阻害するおそれがある
ので2.0 %以下、好ましくは1.0 %以下に限定する。
の添加は磁気特性および加工性を阻害するおそれがある
ので2.0 %以下、好ましくは1.0 %以下に限定する。
【0016】P:Pは耐食性に有害な元素であり、0.04
%以下、好ましくは0.02%以下に限定する。
%以下、好ましくは0.02%以下に限定する。
【0017】Al:Alは鋼の脱酸能力が非常に大きい元素
であり、脱酸とTiの添加歩留まりを高めるためにSi、Mn
とあわせて添加される。またSiと同様に磁気特性を高め
る効果がある。一方、過剰な添加は鋼の硬質化を招き、
加工性を低下させる場合があるので0.10%以下の添加量
に限定した。
であり、脱酸とTiの添加歩留まりを高めるためにSi、Mn
とあわせて添加される。またSiと同様に磁気特性を高め
る効果がある。一方、過剰な添加は鋼の硬質化を招き、
加工性を低下させる場合があるので0.10%以下の添加量
に限定した。
【0018】S:Sは一般に非金属介在物の原因となり
磁気特性を劣化させる元素であることが知られている
が、本発明では磁気特性をはじめ耐粒界腐食性および加
工性を高めるために添加される。
磁気特性を劣化させる元素であることが知られている
が、本発明では磁気特性をはじめ耐粒界腐食性および加
工性を高めるために添加される。
【0019】本開発鋼に添加されたS元素の役割は充分
には解明されていないが、以下のように推定される。S
元素はCとTiとともに安定なTi炭硫化物 [Ti(C, S)] を
形成し固溶Cを低下させる。また析出物の粒子径が大き
くなり析出密度が低下するため、磁壁の移動の障害とな
りにくく磁気特性が向上する。
には解明されていないが、以下のように推定される。S
元素はCとTiとともに安定なTi炭硫化物 [Ti(C, S)] を
形成し固溶Cを低下させる。また析出物の粒子径が大き
くなり析出密度が低下するため、磁壁の移動の障害とな
りにくく磁気特性が向上する。
【0020】後述する実施例に示すようにCの含有量に
対して0.5 倍以上の添加が磁気特性の改善効果を示し
た。しかし4倍超または全含有量が0.020 %を越えて含
有させると単独の硫化物TiS が析出するようになり耐孔
食性を損なうようになったため、本発明においてS含有
量は、C含有量の0.5 倍以上4倍以下、かつ0.020 %以
下と規定した。好ましくは、C×1.5 倍〜C×3倍であ
る。
対して0.5 倍以上の添加が磁気特性の改善効果を示し
た。しかし4倍超または全含有量が0.020 %を越えて含
有させると単独の硫化物TiS が析出するようになり耐孔
食性を損なうようになったため、本発明においてS含有
量は、C含有量の0.5 倍以上4倍以下、かつ0.020 %以
下と規定した。好ましくは、C×1.5 倍〜C×3倍であ
る。
【0021】Ti:Tiは磁気特性をはじめ加工性、耐食性
を高めるために添加される。本発明にかかる鋼では、S
の添加により少ないTi量でもってC、Nを固定する効果
が発揮される。しかし上記範囲にSを添加していてもTi
量が0.05%未満、またはTi/(C+N)が5.0 未満の添加で
は鋼中のC、NをTi (C、S) 、TiC、TiNとして固定
する効果が十分でなく磁気特性および加工性向上効果が
顕著でない。一方、0.20%を越えて含有させると逆に鋼
を硬質化させ、本発明が目的とする高い磁気特性を得る
ことができなくなる。よって、Ti含有量は、0.05%以上
0.20%以下、Ti/(C+N) ≧5に限定した。好ましくはT
i:0.10〜0.20%である。
を高めるために添加される。本発明にかかる鋼では、S
の添加により少ないTi量でもってC、Nを固定する効果
が発揮される。しかし上記範囲にSを添加していてもTi
量が0.05%未満、またはTi/(C+N)が5.0 未満の添加で
は鋼中のC、NをTi (C、S) 、TiC、TiNとして固定
する効果が十分でなく磁気特性および加工性向上効果が
顕著でない。一方、0.20%を越えて含有させると逆に鋼
を硬質化させ、本発明が目的とする高い磁気特性を得る
ことができなくなる。よって、Ti含有量は、0.05%以上
0.20%以下、Ti/(C+N) ≧5に限定した。好ましくはT
i:0.10〜0.20%である。
【0022】Cu、V、Ni、Mo:これらの元素はフェライ
トステンレス鋼の耐食性を付加的に高めるために必要に
応じて少なくとも1種添加されるものである。Cu、V、
Niについてはそれぞれ0.5 %、Moについては1.0 %を越
えて含有させると添加量に応じた耐食性改善の度合いが
低下することに加えて、磁気特性および加工性の低下、
コスト上昇を招くため、それぞれ、0.5 %以下、1.0 %
以下とした。添加する場合には、望ましくはCu、V、Ni
については0.2 %以上0.5 %以下、Moについては0.5 %
以上1.0%以下である。次に、本発明の作用効果を実施
例に関連させてさらに詳述する。
トステンレス鋼の耐食性を付加的に高めるために必要に
応じて少なくとも1種添加されるものである。Cu、V、
Niについてはそれぞれ0.5 %、Moについては1.0 %を越
えて含有させると添加量に応じた耐食性改善の度合いが
低下することに加えて、磁気特性および加工性の低下、
コスト上昇を招くため、それぞれ、0.5 %以下、1.0 %
以下とした。添加する場合には、望ましくはCu、V、Ni
については0.2 %以上0.5 %以下、Moについては0.5 %
以上1.0%以下である。次に、本発明の作用効果を実施
例に関連させてさらに詳述する。
【0023】
【実施例】本例では表1に示すTi、C、N、S含有量の
異なる鋼を実験室にて溶製し、板厚40mmのスラブとし
た。さらに4.5 mm厚まで熱間圧延した後に、板厚1.2 mm
までの冷間圧延を行った。その後、仕上げ焼鈍(880℃×
2分AC) を実施し、供試鋼とした。
異なる鋼を実験室にて溶製し、板厚40mmのスラブとし
た。さらに4.5 mm厚まで熱間圧延した後に、板厚1.2 mm
までの冷間圧延を行った。その後、仕上げ焼鈍(880℃×
2分AC) を実施し、供試鋼とした。
【0024】なお、本例の加工条件は次の通りであっ
た。 熱延加熱温度 :1150℃、40mm厚より4.5 mm厚まで7パ
スで熱間圧延 熱延仕上げ温度: 860℃、巻取り温度からは50℃/hにて
徐冷 仕上げ焼鈍 : 880℃×2分。
た。 熱延加熱温度 :1150℃、40mm厚より4.5 mm厚まで7パ
スで熱間圧延 熱延仕上げ温度: 860℃、巻取り温度からは50℃/hにて
徐冷 仕上げ焼鈍 : 880℃×2分。
【0025】次いで、このようにして得た供試鋼につい
て磁気特性を調査した。磁気測定に用いた試験片はJIS
C 2504に記載の外径45mm、内径33mmのリング状試験片
で、採取後に590 ℃×15分の歪み取り焼鈍をした。な
お、リング状試験片を3枚重ね、印加磁界は50 Oe 、印
加速度は6.7 Oe/秒 (1サイクル当たり30秒) にて測定
した。さらに引張試験および粒界腐食および孔食試験を
行い、耐食性、加工性についても特性評価を行った。こ
のような試験の結果について、本発明の実施例の結果お
よび比較例の結果を表2に示す。
て磁気特性を調査した。磁気測定に用いた試験片はJIS
C 2504に記載の外径45mm、内径33mmのリング状試験片
で、採取後に590 ℃×15分の歪み取り焼鈍をした。な
お、リング状試験片を3枚重ね、印加磁界は50 Oe 、印
加速度は6.7 Oe/秒 (1サイクル当たり30秒) にて測定
した。さらに引張試験および粒界腐食および孔食試験を
行い、耐食性、加工性についても特性評価を行った。こ
のような試験の結果について、本発明の実施例の結果お
よび比較例の結果を表2に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】これらの結果から明らかなように、熱延板
焼鈍を省略して製造した場合、本発明の実施例では比較
例に比べて初期透磁率μ0 は高く、保磁力は低い。これ
は磁気シールド材として用いた場合、良好な磁気シール
ド性および消磁性を示すことを意味する。
焼鈍を省略して製造した場合、本発明の実施例では比較
例に比べて初期透磁率μ0 は高く、保磁力は低い。これ
は磁気シールド材として用いた場合、良好な磁気シール
ド性および消磁性を示すことを意味する。
【0029】図1に初期透磁率μ0 、保磁力Hc とSと
Cの含有量の比、S/Cの関係を示す。これよりS含有
量をC含有量の0.5 倍以上4.0 倍以下とすることによ
り、熱延板焼鈍を省略しても磁気特性が良好な鋼板を製
造することが可能となることが分かる。
Cの含有量の比、S/Cの関係を示す。これよりS含有
量をC含有量の0.5 倍以上4.0 倍以下とすることによ
り、熱延板焼鈍を省略しても磁気特性が良好な鋼板を製
造することが可能となることが分かる。
【0030】
【発明の効果】本発明により、磁気特性に優れた熱延板
焼鈍を省略した安価な冷延鋼板を得ることが可能とな
り、産業上の有益性は極めて高い。
焼鈍を省略した安価な冷延鋼板を得ることが可能とな
り、産業上の有益性は極めて高い。
【図1】本発明にかかるSとCの含有量の範囲を示すグ
ラフである。
ラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%で、 C: 0.015 %以下、 N: 0.015 %以下、ただしC+
N: 0.02%以下、 Cr: 10〜14%、 Si: 2.0 %以下、 Mn: 2.
0 %以下、 P: 0.04%以下、 Al: 0.10%以下、 Ti: 0.05〜0.20%、ただし、重量比でTi/(C+N) ≧5.0
、 S: 0.020 %以下、かつ、0.5 ×C〜4.0 ×C、 Cu:0〜0.5 %、 V:0〜0.5 %、 Ni:0〜0.5 %、 Mo:0〜1.0 %、 残部Feおよび不可避的不純物より成る鋼組成を有する磁
気特性に優れたフェライト系ステンレス鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6316833A JPH07233452A (ja) | 1993-12-27 | 1994-12-20 | 磁気特性に優れたフェライト系ステンレス鋼 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33099093 | 1993-12-27 | ||
JP5-330990 | 1993-12-27 | ||
JP6316833A JPH07233452A (ja) | 1993-12-27 | 1994-12-20 | 磁気特性に優れたフェライト系ステンレス鋼 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07233452A true JPH07233452A (ja) | 1995-09-05 |
Family
ID=26568820
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6316833A Withdrawn JPH07233452A (ja) | 1993-12-27 | 1994-12-20 | 磁気特性に優れたフェライト系ステンレス鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07233452A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001140034A (ja) * | 1999-09-03 | 2001-05-22 | Kiyohito Ishida | 快削合金材料 |
US7297214B2 (en) | 1999-09-03 | 2007-11-20 | Kiyohito Ishida | Free cutting alloy |
US7381369B2 (en) | 1999-09-03 | 2008-06-03 | Kiyohito Ishida | Free cutting alloy |
CN106636909A (zh) * | 2017-01-13 | 2017-05-10 | 南京理工大学 | 一种耐腐蚀软磁铁素体不锈钢 |
CN114318112A (zh) * | 2021-12-31 | 2022-04-12 | 江阴华新特殊合金材料有限公司 | 发动机油泵用软磁铁素体不锈钢直棒及其制备方法 |
CN114836684A (zh) * | 2022-04-01 | 2022-08-02 | 山西太钢不锈钢股份有限公司 | 低铬软磁不锈钢及其制备方法和应用 |
-
1994
- 1994-12-20 JP JP6316833A patent/JPH07233452A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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