JPH0723300B2

JPH0723300B2 - 固形洗浄剤組成物

Info

Publication number: JPH0723300B2
Application number: JP30266686A
Authority: JP
Inventors: 雅人齊藤; 雄一土屋; 浩三中村
Original assignee: 鐘紡株式会社
Priority date: 1986-12-18
Filing date: 1986-12-18
Publication date: 1995-03-15
Anticipated expiration: 2010-03-15
Also published as: JPS63154617A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、固形洗浄剤に関するものであって、更に詳し
くは、皮膚に対する刺激が少なく、溶崩性（溶け崩
れ），摩擦溶解度，使用後石ケン容器に放置した場合の
付着性（以下、付着性という）等が改良されており、使
用感が良く顔面用，身体用として好適な固形洗浄剤に関
する。

（従来の技術）身体用固形洗浄剤の原料は大半が脂肪酸塩系石ケンで占
められているのが現状である。しかしこの脂肪酸塩系石
ケンには次の様な欠点がある。

（ａ）硬水中では、水不溶性のスカムが発生すると共
に、起泡力，洗浄力が著しく低下する。

（ｂ） pHが10〜11と高く、アルカリに弱い人にとって
は、好ましくない。

これらの欠点を補う石ケンとしては、中性石ケンまたは
弱酸性石ケンがある。

例えば、中性石ケンとして、直鎖アルキルベンゼンスル
ホン酸塩や、ラウリル硫酸塩を基剤とする固形石ケンが
あるが、これらは硬水中でもスカムの発生がなく、起泡
力，洗浄力にすぐれているが、脱脂力が大きく皮膚に対
する刺激が強く、また溶崩性が大きく摩擦溶解度も高
い。

しかし同じ中性石ケンとして直鎖状アルファオレフィン
スルホン酸塩は、上記の２つと比較し、皮膚に対して刺
激が少ない。又、硬水中でもスカムを発生せず、洗浄
力，起泡力も優れているが，溶崩性が大きく摩擦溶解度
が高いという欠点がある。

一方、Ｎ−アシル酸性アミノ酸塩は、上記のものと異な
り、pHは皮膚と同等の弱酸性（５〜７）であるため、皮
膚に対する刺激が少なく、さらに硬水中での性能もほぼ
満足のいくものである。

しかし、これもまた溶崩性が大きく摩擦溶解度も高く使
用後、石ケン容器に放置した際に、石ケン容器に付着し
てしまうという問題が残されている。

そのためこの種の固形洗浄剤の石ケン容器への付着性，
溶崩性，摩擦溶解度等に関する欠点を、改善すべき研究
が数多く行なわれているが、充分満足し得る結果は得ら
れていない。

一方、弱酸性〜中性でかつ皮膚刺激の少ないアルキルス
ルホコハク酸塩を基材とする石ケンが考えられるが、ア
ルキルスルホコハク酸塩も硬水中での性能は良い反面、
やはり溶崩性が大きくて摩擦溶解度が高く、石ケン容器
への付着性が大きい等の実用面での欠点がある。

（発明が解決しようとする問題点）そこで、本発明者等は、この欠点を改良せんとして鋭意
研究した結果、アルキルスルホコハク酸塩に、特定量の
高級アルコールと高級脂肪酸とを配合することによっ
て、アルキルスルホコハク酸塩の特長を活かしながら、
前記欠点を悉く改良し得ると共に、優れた固形洗浄剤を
工業的有利に製造し得ることを見出し、本発明を完成し
た。

本発明の目的は、皮膚に対する刺激が少なく、溶崩性、
摩擦溶解度、付着性が改良されており、そして使用感の
良好な固形洗浄剤組成物を提供することにある。

（問題点を解決するための手段）すなわち、本発明は、下記A,B,C,Dの４成分を含む固形
洗浄剤組成物である。

（Ａ）アルキルスルホコハク酸塩:47〜95重量％（Ｂ）高級アルコール :2〜20重量％（Ｃ）高級脂肪酸 :2〜20重量％（Ｄ）水 :1〜13重量％本発明でＡ成分として使用するアルキルスルホコハク酸
塩は、下記の一般式（１）で表わされる化合物が好まし
く、その一種または二種以上が組合せて使用され、該組
成物中の量は47〜95重量％である。

（上記式中でＲは、炭素数12〜14のアルキル基またはア
ルケニル基で、M₁,M₂は、アルカリ金属,NH₄またはアル
カノールアミンから誘導されるカチオンである。）Ｂ成分として使用する高級アルコールは炭素数が14〜22
の飽和脂肪族アルコールが好ましく、その一種または二
種以上組合せて使用され、該組成物中の量は２〜20重量
％である。２重量％よりも少ないと使用感，石ケン容器
からの剥離性（付着性），作業性（型離れ），溶崩性，
摩擦溶解度がわるくなり、20重量％よりも多くなると、
使用感，起泡力，作業性（成型性）がわるくなるので好
ましくない。

またＣ成分の高級脂肪酸は、総炭素数が14〜22の飽和脂
肪酸が好ましく、その一種または二種以上が組合せて使
用され、該組成物中の量は２〜20重量％である。２重量
％よりも少ないと、使用感，石ケン容器からの剥離性
（付着性），溶崩性，摩擦溶解度がわるくなり、20重量
％よりも多くなると、使用感，起泡力，作業性（成型
性，型離れ）がわるくなるので好ましくない。

本発明の組成物を固形成型するためには、Ｄ成分である
水分を１〜13重量％必要とする。水の添加により組成物
は可型化され、ロール混練，プロッダー押出し、型打成
型の操作を容易にする。水分の配合量は前記のＡ成分,B
成分，更には後で述べる任意成分の種類および配合量を
変えることが必要であるが、配合量が13％を超えると、
組成物は軟らかくなり、固形物の成型が困難となるので
好ましくない。

尚、使用目的（必要）に応じて、本発明の固形洗浄剤組
成物に、一般の石ケンに使用されている、保湿剤，過脂
肪剤，増泡剤，酸化防止剤，殺菌剤香料，顔料，染料,p
H調整剤，金属イオン封鎖剤，や、皮膚にマイルドな、
前記のアルキルスルホコハク酸塩以外のアニオン界面活
性剤（炭素数12〜28の直鎖状アルファオレフィンスルホ
ン酸塩,N−長鎖アシルグルタミン酸塩等のＮ−アシル酸
性アミノ酸塩），両性界面活性剤（イミダゾリン型，ベ
タイン型，置換アミノ酸型），高級脂肪酸アルカノール
アミド（高級脂肪酸モノエタノールアミド，高級脂肪酸
ジエタノールアミド等）、その他の油性物質（ラノリ
ン，流動パラフィン，固形パラフィン等）等を本発明の
前記効果を阻害しない範囲内で、併用配合することがで
きる。

本発明の固形洗浄剤の製造方法としては、アルキルスル
ホコハク酸塩と高級アルコールと高級脂肪酸と、必要に
応じて前述の任意成分とを、水分の共存状態で必要とあ
らば加温しながら混合し、乾燥後、ロールおよびプロッ
ダーを用いて、混練し、押出し、型打ちする機会練り製
造方式が一般的であるが、枠練り方式によっても製造す
ることができる。

（本発明の効果）本発明の固形洗浄剤は、（イ）硬水，軟水のいずれにおいても良好な起泡力，
洗浄力を発揮し、水不溶性のスカムを発生しない。

（ロ） pHが弱酸性〜中性で皮膚に対してマイルドであ
って、皮膚刺激がなく、しかも使用感が良く使用後の皮
膚にしっとりとした感触を与える。

（ハ）従来の合成固形洗浄剤に比べ、溶崩性が小さ
く、摩擦溶解度も低いが、使用に際しては適度に溶け
る。

（ニ）使用後、石ケン箱の中や、タイル上等の平滑面
の上に放置しても強く付着することがない。

（ホ）製造時の作業性（成型性，型離れ）が良く、製
造が極めて容易である。

（実施例）次に実施例と比較例を示して本発明の構成と効果を具体
的に説明するが、それに先立ち、実施例および比較例に
示した溶崩性、摩擦溶解度、摩擦起泡力、作業性、実用
テスト（皮膚への刺激、泡立ち、使用感、石ケン容器か
らの剥離性）、の試験方法について説明する。

摩擦溶解度： JIS−K3304−1956に準じて行なった。

溶崩性（Ｘ）固形洗浄剤を20℃の水中に２時間つるして浸漬した後の
ふやけ部分をスパチュラで削りとり重量変化を％に示し
た。

摩擦起泡力：ウイルスマン法に準じて行なった。（有効濃度0.25％,4
0℃）実用テスト女子20人（パネラー）が固形洗浄剤を１週間連続使用し
た場合の、皮膚への刺激性，泡立ち，使用感（しっとり
感，さっぱり感等），石ケン容器からの剥離性（石ケン
容器への付着性）の良否を判断してアンケートに答え、
その評価を以下のように判定した。

評価基準評価記号良いと答えた人が18人以上の場合…… ◎ 〃〃が14人〜17人の場合…… ○ 〃〃が８人〜13人の場合… △ 〃〃が７人以下の場合…… × 作業性：固形洗浄剤の製造時（成型型）の成型のし易さ（バーの
しまり）、石ケン金型の型離れの良否を熟練技術者が判
定した。

実施例１ラウリルコハク酸二ナトリウム70重量部、セチルアルコ
ール５重量部、ステアリルアルコール７重量部、ステア
リン酸10重量部および水８重量部を小型ロールで充分に
混練し、次いで口金を45℃に保った小型押出機で棒状に
押出して、型打機で成型して、本発明の固形洗浄剤を得
た。

比較例１次に、比較のために、ラウリルスルホコハク酸二ナトリ
ウムの代りにＮ−混合脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリ
ウムを使用する他は、前記の本発明と同様に行なって、
比較の固形洗浄剤を得た。

これらの固形洗浄剤について前記の如く試験した結果を
第１表に示した。

第１表の結果からも明らかなように、本発明の固形洗浄
剤は、溶崩性，摩擦溶解度，石ケン容器から剥離性，摩
擦起泡力，使用感において、比較品よりも優れている。

実施例２〜５および比較例２〜５後記第２表に示す処方で実施例１と同様に行なって、実
施例２〜５および比較例２〜５の各固形洗浄剤を得た。
その試験結果を第２表に示した。

第２表より明らかな通り、実施例２〜５に示す本発明の
組成物は、比較例２に示すアルキルスルホコハク酸塩の
みを成型したものと比べ溶崩性，摩擦溶解度，摩擦起泡
力，使用感，石ケン容器からの剥離性において大巾に改
良されている。

また高級アルコールのみを配合した比較例４および高級
脂肪酸のみを配合した比較例３では、作業性，摩擦溶解
度，使用感，が無配合の比較例２よりもやや良くなって
はいるが、不充分であり、本発明のアルキルスルホコハ
ク酸塩に高級アルコールと高級脂肪酸との両者を組合せ
て併用する場合（本発明）の作用効果は顕著であること
を示している。また比較例５から、高級アルコールや高
級脂肪酸の配合量が20重量％を超えると、作業性，摩擦
起泡力および使用感が低下することが明白である。

実施例６ラウリルスルホコハク酸二カリウム65重量部、ステアリ
ルアルコール５重量部、ステアリン酸８重量部、セタノ
ール５重量部、グリセリン1.0重量部、ラウリン酸ジエ
タールアミド５重量部、酸化チタン0.15重量部、香料0.
5重量部、エデト酸四ナトリウム４水塩0.1重量部、精製
水9.25重量部を配合し実施例１と同様に成型して本発明
の固形洗浄剤を得た。

実施例７ミリスチルスルホコハク酸二ナトリウム70重量部、ステ
アリルアルコール５重量部、ステアリン酸８重量部、セ
タノール５重量部、ポリエチレングリコール6000（平均
分子量6000）５重量部、酸化チタン0.15重量部、香料0.
5重量部、エデト酸四ナトリウム４水塩0.1重量部、精製
水6.25重量部を配合し、実施例１と同様に成型して本発
明の固形洗浄剤を得た。

実施例８ラウリルスルホコハク酸二ナトリム65重量部、ステアリ
ルアルコール10重量部、ステアリン酸５重量部、ベヘニ
ルアルコール１重量部、ミリスチルアルコール１重量
部、セタノール６重量部、C₁₄〜C₁₈のα−オレフィンス
ルホン酸ナトリウム５重量部、酸化チタン0.15重量部、
香料0.5重量部、エデト酸四ナトリウム４水塩0.1重量
部、精製水6.25重量部を配合し、実施例１と同様に成型
して、本発明の固形洗浄剤を得た。

実施例９ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム63重量部、ステア
リルアルコール７重量部、ヤシ油アルキルＮ−カルボキ
シエチルＮ−ヒドロキシエチルイミダソリニウムベタイ
ンナトリウム８重量部、ミリスチン酸１重量部、ステア
リン酸６重量部、ベヘニン酸１重量部、セタノール５重
量部、酸化チタン0.15重量部、香料0.5重量部、エデト
酸四ナトリウム４水塩0.1重量部、精製水8.25重量部を
配合し、実施例１と同様に成型して、本発明の固形洗浄
剤を得た。

前記の実施例６〜実施例９で得られた、本発明の固形洗
浄剤は、何れも実施例１〜５と同様に皮膚への刺激が少
なく（◎）、溶崩性が5.0〜5.6の範囲内で小さく、摩擦
溶解度は41〜48で低く、また硬水中の起泡力，洗浄力も
充分であり、石ケン容器への付着性も改善されている
他、使用感も極めて良好（◎）であった。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】下記A,B,C,Dの４成分を含む固形洗浄剤組
成物。（Ａ）アルキルスルホコハク酸塩:47〜95重量％（Ｂ）高級アルコール :2〜20重量％（Ｃ）高級脂肪酸 :2〜20重量％（Ｄ）水 :1〜13重量％