JPH07232899A - 木起こし方法及び装置 - Google Patents

木起こし方法及び装置

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JPH07232899A
JPH07232899A JP2526994A JP2526994A JPH07232899A JP H07232899 A JPH07232899 A JP H07232899A JP 2526994 A JP2526994 A JP 2526994A JP 2526994 A JP2526994 A JP 2526994A JP H07232899 A JPH07232899 A JP H07232899A
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JP
Japan
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winch
tree
wood
winch drum
raising
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Application number
JP2526994A
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English (en)
Inventor
Yasuo Toyoda
康雄 豊田
Yoshiaki Ishihara
吉明 石原
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KOIZUMI JUTE MILLS
KOIZUMI SEIMA KK
TOYOTA SEIKI KOGYO KK
Toyota Seiki Kogyo KK
Original Assignee
KOIZUMI JUTE MILLS
KOIZUMI SEIMA KK
TOYOTA SEIKI KOGYO KK
Toyota Seiki Kogyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 専用の駆動源をもたない小型で軽量のウイン
チを用いながら、大きな馬力で木起こしを行う。 【構成】 ウインチをもつ木起こし装置10にチェーン
ソー100を装着し、このチェーンソー100の駆動源
を上記ウインチに連結する。上記木起こし装置10から
引出したウインチロープ24を木142に連結し、木起
こし装置10を略固定した状態で上記チェーンソー駆動
源により上記ウインチを巻取り方向に駆動して、木14
2を起立方向に牽引する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積雪等に起因して倒れ
た木を起こすための方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、樹木、特にスギやヒノキ等の幼
齢の造林樹木は、雪の重みで傾いたり、倒伏したりし易
い。このような樹木をそのまま放置すると、枯死し、も
しくは幹が曲がって実用価値のないものになるおそれが
ある。このため、雪解け時期の5〜7月には、上記樹木
を引き起こして麻縄等の紐で起立状態に固定する、いわ
ゆる「木起こし」作業が行われる。
【0003】このような木起こしは、5年生木程度まで
の低木であれば人力で行うことが可能であるが、それ以
上の高木になると人力では困難であり、機械の力に頼る
ことが必要になる。
【0004】このような木起こしを行うための装置とし
て、実公昭57−18393号公報に携帯用ウインチが
開示されている。このウインチは、ハンドルの回動操作
により、ウインチドラムを比較的弱い力でも駆動できる
倍力装置とされている。このウインチによれば、そのウ
インチドラムから引出したウインチロープの先端を倒れ
た木に結ぶ一方、上記ウインチ自身を他の木(切り株
等)に連結し、この状態で上記ウインチドラムの巻取り
操作を行うことにより、上記木を引張り起こすことが可
能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記携帯用ウインチ
は、手動操作により駆動されるものであるため、その牽
引力には限りがあり、特に背の高い木を起こすことは困
難である。このような大木を起こすには、エンジンや大
型モータ等の駆動源を搭載した自動ウインチが好適であ
るが、このようなウインチは上記公報の携帯ウインチに
比べ大型で重量が大きく、山間地、特に、急傾斜で足場
の悪い山岳地に搬入するのは容易ではない。また、木起
こし作業には、枝払い等をする目的でチェーンソー等の
自動鋸装置等が使用されるが、この鋸装置と上記の大型
自動ウインチとを山間地に同時搬入することは、作業者
にとって極めて大きな負担となる。
【0006】本発明は、このような事情に鑑み、小型か
つ軽量なウインチを用いながら、鋸装置の駆動源を利用
して大きな馬力で木を起こすことができる方法及び装置
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記鋸装置に
搭載される駆動源に着目してなされたものであり、倒れ
た木を起こすための木起こし方法であって、ウインチか
ら引出したウインチ紐状体を上記木に連結するとともに
上記ウインチを鋸装置の駆動源に連結し、このウインチ
の位置を略固定した状態で上記駆動源を作動させてウイ
ンチを巻取り方向に駆動することにより、上記ウインチ
紐状体で上記木を起立方向に牽引するものである(請求
項1)。
【0008】木起こし完了後は、この木を上記ウインチ
紐状体とは別の連結用紐状体で他の木に連結し、上記ウ
インチのウインチドラムを制動した状態でこのウインチ
ドラムを上記駆動源から切り離し、その後上記制動を徐
々に解除することが、好ましい(請求項2)。
【0009】また本発明は、倒れた木を起こすための木
起こし装置であって、ウインチ紐状体が巻回されるウイ
ンチドラムと、このウインチドラムを回転可能に支持
し、鋸装置が着脱可能に装着される装着部を有するハウ
ジングと、このハウジングの装着部に装着される鋸装置
の駆動源に着脱可能に連結される連結部材を有しこの連
結部材から入力された上記駆動源の駆動力を減速しなが
ら上記ウインチドラムに伝達する減速伝達機構とを備え
たものである(請求項3)。
【0010】この装置では、上記ウインチドラムの少な
くとも上記巻取り方向と逆方向への回転を制動する制動
手段と、上記ウインチドラムと上記連結部材とを駆動伝
達可能に連結する状態とウインチドラムが上記連結部材
に対して相対的に自由回転するように両者を切り離す状
態とに切換えられるクラッチ手段と、上記ウインチ紐状
体を巻取る方向と逆の方向へのウインチドラムの回転を
規制する逆転規制手段とを備えることが、より好ましい
(請求項4)。
【0011】上記鋸装置としてはチェーンソーが特に好
適であり、この場合、上記連結部材は上記チェーンソー
において切断用チェーンが掛けられる切断用スプロケッ
トに連結される連結用歯付伝動車とするのが好ましい
(請求項5)。
【0012】この装置では、上記連結用歯付伝動車を上
記切断用スプロケットに直接噛合可能となるように構成
し、上記減速伝達機構に、上記連結用歯付伝動車と同軸
回りに一体回転する第1歯付伝動車と、この第1歯付伝
動車と歯付無端状体を介して連結される第2歯付伝動車
と、この第2歯付伝動車の回転中心軸回りに回動可能に
構成され、上記第1歯付伝動車及び連結用歯付伝動車を
回転可能に支持するアームとを設けるとともに、このア
ームをハウジングに対して回動可能範囲内の任意の角度
位置で固定する回動固定手段を備えることにより、後述
のようなより優れた効果が得られる(請求項6)。
【0013】また、上記装着部は上記ハウジングの上面
に設け、この装着部に上記鋸装置の底面が装着可能とな
るように構成することが、より好ましい(請求項7)。
【0014】この場合、上記装着部に上記鋸装置底部の
凹凸と合致する形状の嵌合部を設けたり(請求項8)、
上記ハウジングに左右側壁を設け、これら左右側壁の間
に上記ウインチドラムを支持するとともに、上記減速伝
達機構として、相互連結される複数の歯付伝動車を上記
左右側壁の両外側及び左右側壁同士の間の位置に配した
りする(請求項9)ことが、より好ましい。
【0015】この請求項9記載の装置では、左右方向に
延びる伝動軸を上記ハウジングの左右側壁により回転可
能に支持し、この伝動軸において上記左右側壁同士の間
の部分と伝動軸の少なくとも一方の端部とにそれぞれ上
記歯付伝動車を取付けることにより、さらに効果的なも
のとなる(請求項10)。
【0016】また上記各装置では、上記クラッチ手段を
上記ウインチドラムの回転軸と上記減速伝達機構との間
に設けるのが、より好ましい(請求項11)。
【0017】
【作用】請求項1記載の方法では、鋸装置の駆動源を木
起こし用のウインチの駆動源として流用することによ
り、専用の駆動源をもたない小型かつ軽量のウインチを
用いながら、倒れた木を大きな馬力でウインチ紐状体に
より引き起こすことができる。
【0018】木起こし後は、請求項2記載のように、上
記木を他の木に連結用紐状体で連結し、上記ウインチの
ウインチドラムを制動した状態でこのウインチドラムを
上記駆動源から切り離し、その後上記制動を徐々に解除
することにより、上記ウインチ紐状体の張力を徐々に弱
めながら連結用紐状体に作用する引張力を少しずつ高め
ることができ、この連結用紐状体に大きな引張力が衝撃
的に作用するのを防ぐことができる。
【0019】具体的に、請求項3記載の装置では、ウイ
ンチドラムからウインチ紐状体を引出して倒れた木に連
結するとともに、ハウジングの装着部に鋸装置を装着し
てその駆動源に連結部材を連結し、この装置を略固定し
た状態で上記鋸装置の駆動源を作動させることにより、
その駆動源が減速伝達機構を通じて上記ウインチドラム
に伝達され、このウインチドラムの回転に伴う上記ウイ
ンチ紐状体の巻取りによって上記木が起立方向に牽引さ
れる。
【0020】ここで、請求項4記載の装置では、上記連
結部材を鋸装置の駆動源に連結した後の段階でも、クラ
ッチ手段によって上記連結部材とウインチドラムとを切
離してウインチドラムを自由回転状態にすることによ
り、このウインチドラムから不都合なくウインチ紐状体
を手動で引出すことができる。そして、このウインチ紐
状体を木に連結してから上記クラッチ手段により連結部
材とウインチドラムとを連結し、鋸装置の駆動源を作動
させることにより、ウインチドラムの巻取り駆動を行う
ことができる。この巻取りの際、逆転規制手段によりウ
インチドラムの巻出し方向への回転(すなわち逆転)を
規制することにより、鋸装置の駆動源による駆動力を弱
めた時にロープが逆に引出される不都合を回避すること
ができる。
【0021】以上のようにして木を起こした後、この木
と他の木とを連結用紐状体で連結してから、制動手段に
よってウインチドラムを制動状態にし、この状態で上記
クラッチ手段を再び切離し状態にし、上記制動手段によ
る制動を徐々に解除させることにより、上記連結用紐状
体には少しずつ引張力が作用することになり、この連結
用紐状体に大きな引張力が衝撃的に作用することが防が
れる。
【0022】ここで、請求項5記載の装置では、上記鋸
装置であるチェーンソーから切断用チェーンを取り外し
た後、この切断用チェーンが掛けられていた切断用スプ
ロケットに連結部材である連結用歯付伝動車を連結する
ことにより、上記ウインチドラムとチェーンソーの駆動
源とを連結することができる。
【0023】より具体的に、請求項6記載の装置では、
上記切断用スプロケットの回転力が上記連結用歯付伝動
車から第1歯付伝動車、歯付無端状体、及び第2歯付伝
動車を順に介してウインチドラムに伝達される。さら
に、上記第1歯付伝動車及び連結用歯付伝動車を回転可
能に支持するアームの回動により、上記連結用歯付伝動
車と切断用スプロケットとのバックラッシュの調整を簡
単に行うことができる。しかも、上記アームの回動中心
は、上記第2歯付伝動車の回転中心軸と合致しているの
で、このアームを回動させても第1歯付伝動車と第2歯
付伝動車との回転軸間距離は変わらず、よってこのアー
ムの回動が両歯付伝動車の連結に悪影響を及ぼすことが
ない。
【0024】請求項7記載の装置では、上記ハウジング
の上面に鋸装置の底面が装着される、すなわち木起こし
装置の上方に鋸装置が配置されるので、両装置合体後も
左右の重量バランスがよく、また鋸装置を作動させるた
めの操作も容易に行うことが可能である。
【0025】ここで、請求項8記載の装置では、上記鋸
装置底部の凹凸に合せて上記装着部に嵌合部が設けられ
ているので、この嵌合部と上記凹凸との嵌合により簡単
な構造で木起こし装置に対する鋸装置の相対的な位置決
めを確実に行うことができる。
【0026】また、請求項9記載の装置では、上記ハウ
ジングの左右側壁の間にウインチドラムが配置されると
ともに、減速伝達機構を構成する複数の歯付伝動車が上
記左右側壁の両外側及び左右側壁の間に配されることに
より、左右の重量バランスが良好に保たれながら減速伝
達機構がコンパクトに収められる。
【0027】さらに、請求項10記載の装置では、上記
ハウジングの左右側壁に支持された伝動軸の端部と上記
左右側壁同士の間の部分とに歯付伝動車が取付けられる
ことにより、少数の伝動軸でより多くの歯付伝動車を支
持することが可能となる。
【0028】上記クラッチ手段は、上記減速伝達機構の
途中に設けることも可能であるが、請求項11記載の装
置のようにクラッチ手段を上記ウインチドラムの回転軸
と上記減速伝達機構との間に設ければ、このクラッチ手
段を切り離した状態で、減速伝達機構は静止させたまま
ウインチドラムのみを自由回転させることができ、その
回転抵抗をより低減できる。
【0029】
【実施例】本発明の一実施例を図1〜図13に基づいて
説明する。
【0030】ここに示す木起こし装置10は、ハウジン
グ11を備え、このハウジング11は、天壁12と、左
右側壁14とで構成されている。左右側壁14は、その
4隅同士が左右方向に延びる軸15によって補強連結さ
れており、後端(図1の左端)上側の軸15には、後述
の固定用バンド19の左右両端がバックル17を介して
着脱可能に連結されている。
【0031】上記左右側壁14には、前側(図1の右
側)から順に、左右方向に延びるウインチドラム回転軸
16及び伝動軸18,20が回転可能に支持されてい
る。
【0032】図3及び図4に示すように、上記ウインチ
ドラム回転軸16において左右側壁14同士の間に位置
する中央部分には、このウインチドラム回転軸16と一
体に回転するようにウインチドラム22が固定されてい
る。このウインチドラム22の周面にはウインチロープ
(ウインチ紐状体)24が巻回され、このウインチドラ
ム22の回転に伴って上記ウインチロープ24が巻取ら
れ、あるいは引出されるようになっている。
【0033】なお、ハウジング11の前端上側の軸15
にはローラアーム25が回動可能に取付けられ、このロ
ーラアーム25の回動端部にウインチロープ案内用の案
内ローラ27が回転可能に装着されている。
【0034】このウインチドラム回転軸16の一方の端
部(図1手前側の端部)、すなわち側壁14よりも外側
の部分には、キー26を介してブレーキドラム28が一
体回転するように固定されている。このブレーキドラム
28の周囲にはブレーキバンド30が配され、このブレ
ーキバンド30がハウジング11後端下側の軸15の端
部に回動可能に連結されている。このブレーキバンド3
0は、ハンドル32を備え、このハンドル32の回転操
作によって拡縮するように構成されており、このブレー
キバンド30が縮径することにより、同ブレーキバンド
30とブレーキドラム28とが圧接し、両者間の摩擦力
でウインチドラム回転軸16及びウインチドラム22が
制動されるようになっている。
【0035】ウインチドラム回転軸16の他方の端部
(図2手前側の端部)近傍であって、側壁14よりも外
側に突出した部分の周面には、スプロケット(歯付伝動
車)34が相対回転可能に装着され、このスプロケット
34のボス部の外側面にはクラッチ爪35が突設されて
いる。そして、このスプロケット34のさらに外側の位
置にクラッチ(クラッチ手段)36が設けられている。
【0036】このクラッチ36は、図4に示すように、
キー37を介してウインチドラム回転軸に対し軸方向に
のみスライド可能となるように装着されたスライドブロ
ック38と、このスライドブロック38の外周面に同ス
ライドブロック38に対して回転方向にのみ相対移動可
能に連結されたケース40とを備え、このケース40の
中央にはねじ42が固定されるとともに、このねじ42
が上記ウインチドラム回転軸16中央のねじ孔41に螺
合挿入されている。上記スライドブロック38において
上記クラッチ爪35に対向する位置にはクラッチ爪44
が形成され、ケース40の外側には図2に示すようなハ
ンドル43が突設されている。従って、このハンドル4
3を把持してケース40を回転操作することにより、こ
の回転操作に伴ってスライドブロック38が軸方向にス
ライドし、このスライドブロック38のクラッチ爪44
と上記スプロケット34のクラッチ爪35とが噛み合う
状態(すなわちスプロケット34とウインチドラム回転
軸16とが一体回転するように連結される状態)と、両
クラッチ爪44,35が離間する状態(すなわちスプロ
ケット34に対してウインチドラム回転軸16が相対回
転する状態)とに切換えられるようになっている。
【0037】上記伝動軸18の一方の端部(図2の手前
側端部、図5の右側端部)には、スプロケット部材46
が相対回転可能に装着されている。このスプロケット部
材46には、上記スプロケット34よりも歯数の少ない
スプロケット47と、このスプロケット47よりも歯数
の多いスプロケット48とが一体形成されており、上記
スプロケット47がチェーン50を介して上記スプロケ
ット34に連結されている。
【0038】上記伝動軸20の一方の端部(上記スプロ
ケット部材46と同じ側の端部)には、図6に示すよう
なキー56を介してスプロケット52及び爪車54が一
体回転するように取付けられている。上記スプロケット
52は、上記スプロケット48よりも少ない歯数を有
し、同スプロケット48とチェーン58(図2)を介し
て連結されている。
【0039】上記爪車54の周面には、多数の回転規制
用ラチェット爪が突設されている。これに対し、木起こ
し装置10の前端(図2では左端)下側の軸15には回
動可能に爪部材60が設けられ、この爪部材60の爪部
が板ばね62の弾性力で上記爪車54の周面に押付けら
れており、この爪部材60の爪部と上記爪車54の回転
規制用爪との係合により、上記爪車54の図2反時計回
り方向の回転、すなわち、この爪車54と連動するウイ
ンチドラム16がロープ巻取り方向と逆方向に回転する
ような方向の回転のみ規制されるように、上記爪の形状
が設定されている。
【0040】図6に示すように、上記伝動軸20におい
て、両側壁14同士の間に位置する中央部分には、キー
64を介してタイミングプーリ63が一体回転するよう
に固定されている。同様に、図5に示すように、上記伝
動軸18において、両側壁14同士の間に位置する中央
部分には、キー65を介し、上記タイミングプーリ63
よりも歯数の少ないタイミングプーリ66が一体回転す
るように固定されており、両タイミングプーリ63,6
6同士がタイミングベルト68で連結されている。
【0041】上記伝動軸18において、上記スプロケッ
ト部材46と反対側の端部には、キー69を介して一体
回転するようにタイミングプーリ(第2歯付伝動車)7
0が固定されている。さらに、この伝動軸18の周囲の
位置であってタイミングプーリ70と側壁14との間の
位置には、ブッシュ74が側壁14側に固定されてお
り、このブッシュ74にアーム72の下端が外嵌されて
いる。
【0042】このアーム72は、図7,8に示すように
略上下方向に延び、その下端に形成された円形状の貫通
孔73が上記ブッシュ74の外側に嵌合されることによ
り、上記伝動軸18(すなわちタイミングプーリ70の
回転中心軸)を中心として回動可能とされている。この
アーム72の中間部分には、これを肉厚方向に貫通する
ボルト挿通孔76が設けられる一方、側壁14には上記
アーム72の回動に伴う上記ボルト挿通孔76の軌跡と
合致する円弧状のボルト挿通孔78が形成されており、
これらボルト挿通孔76,78にボルト80を通してこ
れにナット82を締め付けることにより、アーム72を
任意の回動角度位置で固定できるようになっている。
【0043】このアーム72の上端部には、軸受83を
介して伝動軸84が回転可能に支持されており、この伝
動軸84に、キー85,86を介して一体回転するよう
にタイミングプーリ(第1歯付伝動車)87及び連結用
スプロケット(連結用歯付伝動車)88が固定されてい
る。タイミングプーリ87は、上記タイミングプーリ7
0よりも少ない歯数を有し、このタイミングプーリ70
とタイミングベルト(歯付無端状体)90を介して連結
されている。
【0044】この木起こし装置10のハウジング天壁1
2上面には、図9にも示すようなチェーンソー(鋸装
置)100が装着可能とされている。このチェーンソー
100は、そのハウジング101内に図略のエンジン
(駆動源)を収納し、このエンジンの出力軸に図略の減
速機構を介して連結された駆動軸102が上記ハウジン
グ101の側壁から外部に突出しており、この突出部分
の周囲に切断用スプロケット103が相対回転可能に装
着されている。そして、この切断用スプロケット103
が遠心クラッチ(ばねクラッチ)104を介して上記駆
動軸102と連結され、あるいは切り離されるようにな
っている。
【0045】この遠心クラッチ104は、上記切断用ス
プロケット103と一体成形されたクラッチドラム10
5と、上記駆動軸102から径方向外側に突設された一
対の支持部材106と、各支持部材106に径方向にス
ライド可能に支持された一対のクラッチ板107とを備
え、両クラッチ板107同士が引張ばね108によって
連結されている。そして通常は、この引張ばね108の
引張力によりクラッチ板107同士が接近してその外周
面が上記クラッチドラム105の内周面から引き離さ
れ、上記駆動軸102と切断用スプロケット103とが
相対回転可能な状態とされる一方、上記駆動軸102の
回転数が一定数以上になると、両クラッチ板107に作
用する遠心力が上記引張ばね108の引張力に打ち勝っ
て両クラッチ板107が上記クラッチドラム105の内
周面に押付けられ、その摩擦力で切断用スプロケット1
03及びクラッチドラム105とクラッチ板107及び
駆動軸102とが一体回転する(すなわち切断用スプロ
ケット103と駆動軸102とが連結される)ように構
成されている。
【0046】このチェーンソー100の本体には、スプ
ロケット装着部114が設けられ、これに、切断用スプ
ロケット112を支持するスプロケット支持板110が
着脱可能に装着されるようになっている。上記スプロケ
ット装着部114には、ピン115と、ボルト116と
が側方に突設され、前後に延びるボルト117が回転可
能に支持されており、このボルト117に螺合されたス
ライドピン118が前後方向にのみ移動可能となるよう
に上記スプロケット装着部114に装着されている。こ
れに対し、上記スプロケット支持板110の後端部(図
9では右端部)には、上記ピン115及びボルト116
が同時嵌入可能な前後方向の溝状切欠120と、上記ス
ライドピン118よりも大径の貫通孔122とが設けら
れている。そして、図9に示すように、上記溝状切欠1
20を上記ピン115及びボルト116に外嵌し、かつ
貫通孔122をスライドピン118に係合した状態で、
切断用スプロケット103,112間に切断用チェーン
124を掛け渡すことができ、この状態でボルト117
を操作してスライドピン118及びこれに係合されたス
プロケット支持板110を前後方向にスライドさせるこ
とにより、両切断用スプロケット103,112間の距
離を変化させて切断用チェーン124の張力を調節でき
るようになっている。
【0047】このチェーンソー100の本体上面には取
手126(図9のみ図示)が設けられ、その外周面にア
クセルボタン128が設けられる一方、本体下面の前後
部には左右方向(図9では奥行き方向)に延びるリブ
(凹凸)130が突設され、これらリブ130同士の略
中間部位に左右一対のねじ孔134(図2)が設けられ
ている。
【0048】これに対し、ハウジング天壁12上面にお
いて上記リブ130にそれぞれ対応する位置には、この
リブ130と嵌合可能な凹型ブロック132,133が
固定されており、上記ねじ孔134に対応する位置には
ボルト挿通孔136が貫設されている。そして、図2に
示すように、上記凹型ブロック132,133とリブ1
30とを嵌合した状態で、上記ボルト挿通孔136に対
して天壁12の裏側からボルト138を通し、上記ねじ
孔134に螺合装着することにより、木起こし装置10
にチェーンソー100を装着、固定できるようになって
おり、この装着状態で、上記切断用スプロケット103
と木起こし装置10側の連結用スプロケット88とが直
接噛合可能となるように、上記チェーンソー100の装
着位置が設定されている。
【0049】次に、この木起こし装置10を用いた木起
こし方法を図11(a)(b)の説明図及び図12,図
13のフローチャートも併せて参照しながら順を追って
説明する。
【0050】図12のステップS1:木起こしを行う前
に、チェーンソー100の両切断用スプロケット10
3,112から切断用チェーン124を取外し、スプロ
ケット装着部114からスプロケット支持板110を取
り外して切断用スプロケット103を露出状態にする。
【0051】ステップS2:チェーンソー100底部の
リブ130を木起こし装置10側の凹型ブロック13
2,133に嵌合し、ボルト138によってチェーンソ
ー100とハウジング11とを連結固定する。この時、
切断用スプロケット103と連結用スプロケット88と
は噛合可能であるが、両者間のバックラッシュを予めな
くしておくことが望ましい。その調節は、アーム72の
回動によって行う。すなわち、このアーム72をハウジ
ング11に対して回動させ、連結用スプロケット88を
略前後方向に微小量移動させることにより、上記バック
ラッシュを調節する。ここで、アーム72の回動中心は
タイミングプーリ70の回動中心(すなわち伝動軸1
8)と等しいため、アーム72を回動させても上記タイ
ミングプーリ70とアーム72側のタイミングプーリ8
7との距離は変化せず、よって両プーリ70,87の連
結状態は良好に保ちながらバックラッシュを調節でき
る。調節後は、ボルト80及びナット82によってハウ
ジング11に対するアーム72の相対回動角度位置を固
定する。これにより、木起こし装置10とチェーンソー
100との合体が完了する。
【0052】ステップS3:木起こし装置10を、倒れ
ている木とは別の木、例えば図11(a)に示す切り株
140に連結する。この連結は、ハウジング11後部に
装着される固定用ベルト19を上記切り株140に巻き
付けることにより行う。
【0053】ステップS4,S5:ハンドル32を操作
してブレーキバンド30を拡径し、このブレーキバンド
30とブレーキドラム28との圧接によるウインチドラ
ム回転軸16の制動を解除する。さらに、クラッチ36
のハンドル43を操作してクラッチ爪35,44同士の
係合を解き、スプロケット34とウインチドラム回転軸
16とを切り離す。これにより、ウインチドラム回転軸
16及びウインチドラム22は単独で自由回転可能な状
態になる。
【0054】ステップS6:上記ウインチドラム回転軸
16及びウインチドラム22の回転を伴いながら、手動
でウインチロープ24を前方へ引出し、その端部を図1
1(a)に示すようなバンド144等で木(倒れている
木)142の幹等に連結する。
【0055】ステップS7:クラッチ36のハンドル4
3を上記と逆の方向に操作し、クラッチ爪35,44同
士を係合する。これにより、ウインチドラム回転軸16
はスプロケット34と一体に回転する状態となる。
【0056】ステップS8:チェーンソー100のエン
ジンを始動させ、アイドル運転を行う。この状態では、
駆動軸102の回転数がまだ低いため、遠心クラッチ1
04はオフ状態にあり、切断用スプロケット103は回
転駆動されない。
【0057】図12〜図13のステップS9〜ステップ
S11:チェーンソー100のアクセルボタン128を
押圧操作し、アクセルを効かせる。これにより、駆動軸
102の回転数が上昇するが、この回転数が所定回転数
に到達した時点で(ステップS10でYES)、遠心ク
ラッチ104がオン状態に切換わり、切断用スプロケッ
ト103が駆動軸102に連結されてこれと一体に回転
駆動される。この切断用スプロケット103の回転力
は、木起こし装置10において減速伝達機構を構成する
連結用スプロケット88、タイミングプーリ87、タイ
ミングベルト90、タイミングプーリ70、伝動軸1
8、タイミングプーリ66、タイミングベルト68、タ
イミングプーリ63、伝動軸20、スプロケット52、
チェーン58、スプロケット48,47、チェーン5
0、及びスプロケット34を順に介してウインチドラム
回転軸16に減速状態で伝達され、このウインチドラム
回転軸16及びウインチドラム22はロープ巻取り方向
に回転駆動される。このようにしてウインチロープ24
が巻取られることにより、図11(a)に示すように倒
れている木142は切り株140に近づく方向に牽引さ
れ、同図二点鎖線の位置から実線位置へ向けて起立し始
める。なお、この巻取り駆動中、爪車54と爪部材60
との係合によって上記巻取り方向と逆方向へのウインチ
ドラム22の回転が規制されるため、上記アクセルを放
して駆動力を弱めても、ウインチドラム22がロープ巻
出し方向に逆転するおそれがなく、安定した木起こし作
業が確保される。
【0058】ステップS12,S13:木142の起立
完了後(ステップS12でYES)、アクセルを放し、
図11(b)に示すように上記木142と切り株140
とを上記ウインチロープ24とは別の連結用ロープ(連
結用紐状体)146で連結する。この連結当初は、連結
用ロープ146が多少弛んだ状態であってもよい。
【0059】ステップS14〜ステップS16:上記チ
ェーンソー100のエンジンを停止させるとともに、ハ
ンドル32を操作してブレーキバンド30を縮径させ、
このブレーキバンド30とブレーキドラム28とを圧接
させてウインチドラム回転軸16及びウインチドラム2
2を制動する。その後、ハンドル43を操作してクラッ
チ36を再び切離し状態にするが、上記制動によりウイ
ンチドラム回転軸16及びウインチドラム22は固定さ
れているため、ウインチドラム22が巻出し方向に逆転
することはない。
【0060】ステップS17,18:クラッチオフの状
態から、ハンドル32をゆっくり操作し、ブレーキバン
ド30を少しずつ拡径して上記制動を徐々に解除する。
これにより、ウインチドラム22及びウインチドラム回
転軸16はウインチロープ24の張力によって低速で逆
転(巻出し方向に回転)し、このウインチロープ24の
張力が徐々に弱まるとともに連結用ロープ146に少し
ずつ引張力が与えられる。そして、ウインチロープ24
の張力がなくなった時点で木142は連結用ロープ14
6のみで起立位置に支持された状態となる。この状態
で、ウインチロープ24を木146から取外し、木起こ
し作業を完了する。
【0061】以上のように、この方法及び装置では、木
起こし作業時にチェーンソー100と木起こし装置10
とを合体させ、チェーンソー100に積載されたエンジ
ンを利用して木起こし装置10のウインチを駆動するこ
とにより木起こしを行うようにしているので、木起こし
装置自体は駆動源をもたない小型かつ軽量な構造にしな
がら、高い木も大きな馬力で容易に起こすことができ
る。
【0062】しかも、木起こし前は、たとえ減速伝達機
構をチェーンソー100に連結していても、クラッチ3
6をオフにすることによってウインチドラム22のみを
自由回転させて手動で容易にウインチロープ24を引出
すことができる一方、木起こし完了後は、ブレーキオン
及びクラッチオフの状態から徐々にブレーキを解放する
ことにより、ウインチロープ24の張力を徐々に弱めて
連結用ロープ146の張力を少しずつ高めることがで
き、この連結用ロープ146に大きな引張力が衝撃的に
作用して連結用ロープ146が切断してしまうといった
不都合を未然に防止することができる。
【0063】なお、本発明はこのような実施例に限定さ
れるものでなく、例として次のような態様をとることも
可能である。
【0064】(1) 上記実施例では、鋸装置としてチェー
ンソー100を用いたものを示したが、このようなチェ
ーンソー100以外でも、駆動源を搭載した鋸装置であ
れば、その駆動源に上記木起こし装置10を連結するこ
とによって上記と同様の効果を得ることが可能である。
ただし、上記実施例のように、連結部材としてチェーン
ソー100の切断用スプロケット103に噛合可能な連
結用スプロケット88を連結部材として設ければ、チェ
ーンソー100側を改造することなく、既製の切断用ス
プロケット103を利用して同スプロケット103から
直接駆動力を取り出すことができる利点がある。
【0065】また、上記のような構造のチェーンソー1
00を利用する場合、このチェーンソー100と木起こ
し装置10側との連結には種々の態様が考えられる。例
えば、図14に示すように、上記遠心クラッチ104の
クラッチドラム105とクラッチ板107との間に嵌入
される連結用ドラム152を木起こし装置10側の入力
軸150に固定し、この連結用ドラム152が上記クラ
ッチドラム105とクラッチ板107とに挾まれた状態
でチェーンソー100から木起こし装置10に駆動力が
伝達されるようにしてもよいし、図15に示すように、
上記連結用ドラム152の外周面とクラッチドラム10
5の外周面とに互いに係合可能なクラッチ爪154を形
成するようにしてもよい。
【0066】(2) 上記実施例では、ハウジング11の上
面にチェーンソー100の底部を装着したものを示した
が、ハウジングの側面や底面にチェーンソー100等の
鋸装置を装着するようにしてもよい。ただし、上記実施
例のようにハウジング11上面に装着部を設ければ、合
体状態でも左右のバランスを良好に保つことができ、ま
たチェーンソー100上面に設けられた操作部を容易に
操作できる利点がある。
【0067】(3) 上記実施例では、チェーンソー100
の底部のリブ130に合せてハウジング11の上面に凹
型ブロック132,133を固定し、両者の嵌合によっ
て簡単な構造で確実な相対位置決めができるようにして
いるが、例えばチェーンソー100の底部に凹部が形成
されている場合には、この凹部に嵌入可能な突出部をハ
ウジング11側に突設することにより、同様の効果を得
ることができる。
【0068】(4) 上記減速伝達機構を構成するスプロケ
ットやタイミングプーリ等の歯付伝動車の配置は特に問
わず、適宜設定すればよい。ただし、上記実施例のよう
にハウジング左右側壁14同士の間の位置にウインチド
ラム22を配し、この側壁14同士の間の位置と左右側
壁14の両外側の位置との双方に歯付伝動車を配すれ
ば、よりコンパクトでかつ左右バランスの優れた構造と
しながら、高い減速比を得ることができる利点がある。
特に、上記実施例のように各伝動軸18,20において
左右側壁14よりも内側の部分と外側の部分との双方に
スプロケットやタイミングプーリを取付けるようにすれ
ば、装置のコンパクト化をさらに進めることが可能であ
る。
【0069】(5) 上記クラッチ36の位置は特に問わ
ず、減速伝達機構の途中に設けてもよい。ただし、この
場合には、クラッチオフの状態でウインチドラム回転軸
16とともに駆動伝達機構の一部が連動するのに対し、
上記実施例のようにウインチドラム回転軸16と減速伝
達機構のスプロケット34との間の位置に設ければ、駆
動伝達機構は静止させたままウインチドラム回転軸16
のみを完全に独立状態で自由回転させることができ、そ
の巻出し方向の回転抵抗をより削減することが可能にな
る。
【0070】(6) 本発明において、逆転規制手段は、減
速伝達機構の途中であってクラッチ手段と連結部材との
間の位置に設けられていればよく、その具体的な構造は
問わない。例えば、上記実施例において爪車54を設け
る代わりに、上記ウインチドラム回転軸16とブレーキ
ドラム28との間に、このブレーキドラム28に対して
ウインチドラム回転軸16の巻取り方向への回転のみを
許容するワンウェイクラッチを介在させるようにしても
よい。この場合には、クラッチ及びブレーキをオフにし
た状態でウインチドラム回転軸16及びウインチドラム
22がブレーキドラム28とともに自由回転するため、
この状態でウインチロープ24を手動で引出すことがで
きる。また、ブレーキ及びクラッチをオンにした状態
で、ウインチドラム回転軸16及びウインチドラム22
を巻取り方向に駆動しながら逆転防止を行うことがで
き、その後、上記実施例と同様にブレーキを徐々に解放
することにより、ウインチロープ24の張力を少しずつ
弛めていくことが可能である。すなわち、この構造で
は、上記ブレーキドラム28等と上記ワンウェイクラッ
チとで、ウインチドラム16等の巻出し方向への回転を
制動する制動手段と、同方向への回転を規制する状態と
解放する状態とに切換えられる逆転規制手段とが構成さ
れることになる。
【0071】(7) 本発明におけるウインチ紐状体及び連
結用紐状体は、上記のようなロープに限らず、例えば可
撓性に富んだワイヤ等を用いてもよい。
【0072】(8) 上記実施例では、切り株140等に固
定用バンド19をかけることにより木起こし装置10を
固定するものを示したが、本発明において木起こし装置
の固定手段は問わず、例えばアンカー等で地面に直接固
定するようにしてもよい。
【0073】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば次の効果
を得ることができる。
【0074】請求項1,3記載の方法及び装置では、木
起こし作業時に枝払い等を目的として使用される鋸装置
の駆動源を木起こし用のウインチの駆動源として流用
し、この駆動源によってウインチ紐状体を巻取ることに
より倒れた木を起立方向へ牽引するようにしているの
で、専用の駆動源をもたない小型かつ軽量のウインチを
用いながら、倒れた木を大きな馬力で起こすことができ
る。すなわち、山間地への装置搬入に多大な労力を要す
ることなく、木起こし作業に必須の鋸装置の駆動源を利
用して高い木をも不都合なく起こすことができる効果が
ある。
【0075】さらに、請求項2,4記載の方法及び装置
では、上記木起こしが完了してこの木を他の木に連結用
紐状体で連結した後、上記ウインチのウインチドラムを
制動した状態でこのウインチドラムを上記駆動源から切
り離し、その後上記制動を徐々に解除することにより、
上記ウインチ紐状体の張力を徐々に弱めながら連結用紐
状体に作用する引張力を少しずつ高めることができ、こ
れにより、この連結用紐状体に大きな引張力が衝撃的に
作用して連結用紐状体が破断する等といった不都合を未
然に防ぐことができる効果がある。
【0076】ここで、請求項5記載の装置では、上記鋸
装置であるチェーンソーから切断用チェーンを取り外し
た後、この切断用チェーンが掛けられていた切断用スプ
ロケットに連結部材である連結用歯付伝動車を連結する
ことにより、上記チェーンソーを特に改造することな
く、ウインチドラムとチェーンソーの駆動源との連結を
簡単な構造で行うことができる効果がある。
【0077】さらに、請求項6記載の装置では、上記切
断用スプロケットに噛合される連結用歯付伝動車と第1
歯付伝動車とを支持するアームを、上記第1歯付伝動車
に歯付無端状体を介して連結される第2歯付伝動車と同
軸回りに回動可能に構成しているので、このアームの回
動により、上記第1歯付伝動車と第2歯付伝動車との連
結状態に悪影響を及ぼすことなく、上記連結用歯付伝動
車と切断用スプロケットとのバックラッシュの調整を簡
単に行うことができる効果がある。
【0078】請求項7記載の装置では、上記ハウジング
の上面に鋸装置の底面が装着されるようにしているの
で、両装置合体後も左右の重量バランスを良好に保ち、
また鋸装置を作動させるための操作も容易に行うことを
可能にできる効果がある。
【0079】さらに、請求項8記載の装置では、上記鋸
装置底部の凹凸に合せて上記装着部に嵌合部を設け、こ
の嵌合部と上記凹凸とを嵌合するだけの簡単な構造で、
木起こし装置に対する鋸装置の相対的な位置決めを確実
に行うことができ、木起こし装置側の連結部材と鋸装置
との連結状態を良好に保つことができる効果がある。
【0080】請求項9記載の装置では、上記ハウジング
の左右側壁の間にウインチドラムを配置し、減速伝達機
構を構成する複数の歯付伝動車を上記左右側壁の両外側
及び左右側壁の間に配するようにしているので、装置全
体の左右の重量バランスを良好に保ちながら減速伝達機
構をコンパクトに収めて装置小型化を図ることができる
効果がある。
【0081】さらに、請求項10記載の装置では、上記
ハウジングの左右側壁に支持された伝動軸の端部と上記
左右側壁同士の間の部分との双方に歯付伝動車を取付け
ているので、少数の伝動軸でより多くの歯付伝動車を支
持することができ、装置小型化をさらに進めることがで
きる効果がある。
【0082】請求項11記載の装置では、クラッチ手段
を上記ウインチドラムの回転軸と上記減速伝達機構との
間に設けているので、このクラッチ手段を切り離した状
態で、減速伝達機構は静止させたままウインチドラムの
みを自由回転させることができ、減速伝達機構がウイン
チドラムと連動する場合に比べてウインチドラムの回転
抵抗をさらに削減することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における木起こし装置の正面
図である。
【図2】上記木起こし装置の背面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】図1のB−B線断面図である。
【図5】図1のC−C線断面図である。
【図6】図1のD−D線断面図である。
【図7】上記木起こし装置に設けられたアーム等を示す
正面図である。
【図8】図7のE−E線断面図である。
【図9】上記木起こし装置に装着されるチェーンソーの
正面図である。
【図10】上記木起こし装置に設けられるチェーンソー
の装着部の斜視図である。
【図11】(a)(b)は上記木起こし装置による木起
こし方法を示す説明図である。
【図12】上記木起こし方法を示すフローチャートの前
半部である。
【図13】上記木起こし方法を示すフローチャートの後
半部である。
【図14】上記木起こし装置とチェーンソーの駆動軸と
の連結構造の変形例を示す断面側面図である。
【図15】上記木起こし装置とチェーンソーの駆動軸と
の連結構造の変形例を示す側面図である。
【符号の説明】
10 木起こし装置 11 ハウジング 12 天壁 14 左右側壁 16 ウインチドラム回転軸 18,20 伝動軸 22 ウインチドラム 24 ウインチロープ(ウインチ紐状体) 28 ブレーキドラム(制動手段) 30 ブレーキバンド(制動手段) 34,47,48,52 スプロケット(歯付伝動車) 54 爪車(逆転規制手段) 60 爪部材(逆転規制手段) 63,66 タイミングプーリ(歯付伝動車) 70 タイミングプーリ(第2歯付伝動車) 87 タイミングプーリ(第1歯付伝動車) 88 連結用スプロケット(連結用歯付伝動車) 90 タイミングベルト(歯付無端状体) 100 チェーンソー 102 駆動軸 103 切断用スプロケット 104 遠心クラッチ 130 リブ(凹凸) 132,133 凹型ブロック(嵌合部)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 倒れた木を起こすための木起こし方法で
    あって、ウインチから引出したウインチ紐状体を上記木
    に連結するとともに上記ウインチを鋸装置の駆動源に連
    結し、このウインチの位置を略固定した状態で上記駆動
    源を作動させてウインチを巻取り方向に駆動することに
    より、上記ウインチ紐状体で上記木を起立方向に牽引す
    ることを特徴とする木起こし方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の木起こし方法において、
    木起こし完了後、この木を上記ウインチ紐状体とは別の
    連結用紐状体で他の木に連結し、上記ウインチのウイン
    チドラムを制動した状態でこのウインチドラムを上記駆
    動源から切り離し、その後上記制動を徐々に解除するこ
    とを特徴とする木起こし方法。
  3. 【請求項3】 倒れた木を起こすための木起こし装置で
    あって、ウインチ紐状体が巻回されるウインチドラム
    と、このウインチドラムを回転可能に支持し、鋸装置が
    着脱可能に装着される装着部を有するハウジングと、こ
    のハウジングの装着部に装着される鋸装置の駆動源に着
    脱可能に連結される連結部材を有しこの連結部材から入
    力された上記駆動源の駆動力を減速しながら上記ウイン
    チドラムに伝達する減速伝達機構とを備えたことを特徴
    とする木起こし装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の木起こし装置において、
    上記ウインチドラムの少なくとも上記巻取り方向と逆方
    向への回転を制動する制動手段と、上記ウインチドラム
    と上記連結部材とを駆動伝達可能に連結する状態とウイ
    ンチドラムが上記連結部材に対して相対的に自由回転す
    るように両者を切り離す状態とに切換えられるクラッチ
    手段と、上記ウインチ紐状体を巻取る方向と逆の方向へ
    のウインチドラムの回転を規制する逆転規制手段とを備
    えたことを特徴とする木起こし装置。
  5. 【請求項5】 上記鋸装置はチェーンソーであり、上記
    連結部材は上記チェーンソーにおいて切断用チェーンが
    掛けられる切断用スプロケットに連結される連結用歯付
    伝動車であることを特徴とする請求項3または4記載の
    木起こし装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の木起こし装置において、
    上記連結用歯付伝動車を上記切断用スプロケットに直接
    噛合可能となるように構成し、上記減速伝達機構に、上
    記連結用歯付伝動車と同軸回りに一体回転する第1歯付
    伝動車と、この第1歯付伝動車と歯付無端状体を介して
    連結される第2歯付伝動車と、この第2歯付伝動車の回
    転中心軸回りに回動可能に構成され、上記第1歯付伝動
    車及び連結用歯付伝動車を回転可能に支持するアームと
    を設けるとともに、このアームをハウジングに対して回
    動可能範囲内の任意の角度位置で固定する回動固定手段
    を備えたことを特徴とする木起こし装置。
  7. 【請求項7】 請求項3〜6のいずれかに記載の木起こ
    し装置において、上記ハウジングの上面に上記装着部を
    設け、この装着部に上記鋸装置の底面が装着可能となる
    ように構成したことを特徴とする木起こし装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の木起こし装置において、
    上記装着部に上記鋸装置底部の凹凸と合致する形状の嵌
    合部を設けたことを特徴とする木起こし装置。
  9. 【請求項9】 請求項7または8記載の木起こし装置に
    おいて、上記ハウジングに左右側壁を設け、これら左右
    側壁の間に上記ウインチドラムを支持するとともに、上
    記減速伝達機構として、相互連結される複数の歯付伝動
    車を上記左右側壁の両外側及び左右側壁同士の間の位置
    に配したことを特徴とする木起こし装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の木起こし装置におい
    て、左右方向に延びる伝動軸を上記ハウジングの左右側
    壁により回転可能に支持し、この伝動軸において上記左
    右側壁同士の間の部分と伝動軸の少なくとも一方の端部
    とにそれぞれ上記歯付伝動車を取付けたことを特徴とす
    る木起こし装置。
  11. 【請求項11】 請求項3〜10のいずれかに記載の木
    起こし装置において、上記クラッチ手段を上記ウインチ
    ドラムの回転軸と上記減速伝達機構との間に設けたこと
    を特徴とする木起こし装置。
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