JPH07232078A - 水素化脱硫脱窒素用触媒及びその製造方法 - Google Patents

水素化脱硫脱窒素用触媒及びその製造方法

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JPH07232078A
JPH07232078A JP6167616A JP16761694A JPH07232078A JP H07232078 A JPH07232078 A JP H07232078A JP 6167616 A JP6167616 A JP 6167616A JP 16761694 A JP16761694 A JP 16761694A JP H07232078 A JPH07232078 A JP H07232078A
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敏男 山口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭化水素油中に含まれる硫黄化合物、特
に窒素化合物を含有する炭化水素油を水素加圧下で処理
し硫黄及び窒素の含有量を同時に低減させるために使用
する水素化処理触媒とその製造方法の提供を目的とす
る。 【構成】 ボリアとシリカとアルミナから成る組成
物と、活性金属としての周期律表VIa属金属と及びVIII
属金属と、多価アルコールとβ−チオジグリコールとか
ら主として構成される未焼成の触媒であり、多価アルコ
ール含有量が活性金属の合計モル量に対し、0.2〜3
倍量であり、β−チオジグリコール含有量が活性金属を
硫化物とするに必要とされる量の0.1〜0.5倍量と
する。そして、この触媒を500℃で焼成した後の物理
性状が、水銀圧入法で測定した細孔分布で65〜95オン
ク゛ストロームの平均細孔直径を有し、且つ平均細孔直径±1
0オンク゛ストロームの範囲の細孔容積が全細孔容積の少なくと
も60%以上である。 【効果】 従来提案されている水素化脱硫脱窒素触
媒に比べ効率良く脱硫脱窒素を同時に行い得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硫黄化合物と窒素化合物
を含有する炭化水素油を水素加圧下で処理しイオウ分を
硫化水素とし、窒素分をアンモニアに転化させて原料炭
化水素油中の硫黄及び窒素の含有量を同時に低減させる
ために使用する水素化処理触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、炭化水素油中に含まれている硫黄
化合物および窒素化合物を除去する方法として水素存在
下の高温高圧反応条件で炭化水素油を接触させ水素化処
理する方法が知られている。水素化脱硫法はこの水素化
処理法の1つである。水素化脱硫法に用いられる水素化
処理用触媒としては、一般に多孔性アルミナ担体に周期
律表VIa族金属及びVIII族金属を担持させたものが使用
されている。
【0003】これらの水素化処理用触媒は、通常の水素
化脱硫条件下で使用されたとき、高い水素化脱硫活性を
示すものの、水素化脱窒素反応については十分な活性を
示さない。従って、水素化脱硫触媒を用い、水素化脱窒
素反応を十分に行うためには、より高い温度と圧力、或
いは小さい空間速度で処理することが必要となる。
【0004】しかし、そのような条件下で炭化水素油を
水素化処理した場合、水素化脱窒素に関し満足する結果
が得られても、脱硫、水素化、更には軽質化が過度に進
み、その結果として水素消費量の増大を招き、コストの
大幅な上昇を招き、実用的でない。
【0005】従って炭化水素油を水素化処理して硫黄化
合物と窒素化合物を同時に除去するためには従来から知
られている水素化脱硫活性に加えて、C−N結合を開裂
させる水素化脱窒素活性を具備した触媒が必要となる。
また、ほぼ同様な条件下で脱硫反応と脱窒素反応とを同
時に行うことができれば、装置上、あるいは操作上の単
純化が可能となり、経済的利益をもたらすことは明かで
ある。
【0006】このような観点より、水素化脱硫、脱窒素
の両活性を具えた触媒の開発が種々検討されている。例
えば米国特許第3446,730号公報記載の発明であ
る。この発明は、1.2〜2.6の水和水を含有する水
酸化アルミニウムを焼成してアルミナ担体を作り、この
担体にニッケルまたは第VI族金属またはそれら金属の酸
化物または硫化物を担持し、さらに0.1〜2.0wt
%のリン、珪素またはバリウムからなる促進剤を添加し
た触媒である。
【0007】しかし、上記公報には、触媒にとって重要
とされる担体の特性について何も記載していない。ま
た、処理油に関しては残渣油を含めたいかなる溜分にも
適用可能であると記載しているものの、公報記載の内容
を検討する限り、溜出油を対象とするものにすぎないと
解される。
【0008】例えば、米国特許第3749,664号公
報記載の発明である。この発明は、アルミナまたはシリ
カ−アルミナ担体にモリブデンとニッケルまたはコバル
トとリンとを特定の割合で担持させた触媒である。この
公報の記載によれば、用いる担体は一般的には0.6〜
1.4cc/gの細孔容量を有するものが好ましいと説
明されているが、細孔構造については検討されていな
い。加えて、炭化水素油の水素化処理に際しては、満足
する水素化処理能力を示していない。
【0009】前記の発明に係る触媒を改良したものとし
て特開昭56−40432号公報記載の触媒がある。こ
の触媒は酸化チタンを担体とし、触媒成分としては同じ
くVIa族並びにVIII族金属とリンあるいはホウ素を担持
させたものである。しかし、担体として用いる酸化チタ
ンは価格も高く、その物理的性質上アルミナに比して比
表面積を大きくしにくい。しかも、触媒成分担持後の焼
成処理において比表面積が低下しやすく、アルミナのよ
うにその細孔分布を所望の範囲に維持することは困難で
ある。
【0010】例えば、特開平4−156949号公報記
載の方法により作成された触媒がある。この方法は、無
機酸化物と無機水和物の一方又はその両方を主成分とす
る担体物質にコバルト、ニッケル、モリブデン、タング
ステン等の活性金属と、ヒドロキシカルボン酸と、リン
酸とを含有する水溶液を添加し、混練し、成型した後、
200℃以下の温度で乾燥するものである。
【0011】しかし、該公報には、該公報記載の方法で
調製して得た触媒の脱硫性能についてのみ言及してお
り、脱窒素性能に関する具体的な記載は見当たらない。
【0012】このような状況下、本発明者らは、水素化
脱硫と脱窒素活性とを合わせ持つ水素化処理触媒の開発
を試みた。そして、触媒の基体となる担体の酸点を高め
るべく検討を行い、ボリアとシリカとアルミナ組成物が
担体として適していることを見出した。この検討の結
果、ボリアとシリカとアルミナとの比率と、有効細孔径
とを限定した担体に、活性金属と多価アルコールとの混
合含浸液を担持し、乾燥後の乾燥状態のものを触媒とし
て用いれば、水素化脱硫・脱窒素の両活性が向上するこ
とを見出し、特願平4−361183号として出願し
た。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現下の
要求は更に高活性の触媒を求めており、上記特願平4−
361183号公報記載の方法で得られた触媒では、必
ずしもこの要求を十分満たすものとは言えない。本発明
は、炭化水素油の水素脱硫並びに脱窒素の更なる高活性
を具えた触媒とその製造方法の提供を目的とするもので
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは更に研究し
た結果、ボリアとシリカとアルミナとからなる組成物と
活性金属と多価アルコールと有機イオウ化合物とを混練
し、成型し、乾燥した後の乾燥状態のものを触媒として
用いることで、水素化脱硫・脱窒素の両活性が更に向上
することを見出して本発明に到達した。
【0015】すなわち、上記目的を達成するための本発
明の触媒は、ボリアとシリカとアルミナから成る組成物
と、活性金属としての周期律表VIa属金属と及びVIII属
金属と、多価アルコールと、有機イオウ化合物から主と
して構成される未焼成の触媒であり、以下の特徴を持つ
ものである。
【0016】(a)ボリアとシリカとアルミナから成る組
成物中のボリアの含有量がB23として3〜10重量%
であり、シリカの含有量がSiO2として3〜8重量%
であること。
【0017】(b)触媒中の周期律表VIa族金属含有量が
酸化物換算で15〜30重量%であること。
【0018】(c)触媒中の周期律表VIII族金属含有量が
酸化物換算で3〜8重量%であること。
【0019】(d)多価アルコール含有量が活性金属の合
計モル量に対し、0.2〜3倍量であること。
【0020】(e)有機イオウ化合物の含有量が、活性金
属を硫化物にするに必要な量の0.1〜0.5倍量であ
ること。
【0021】(f)150℃以下の温度で乾燥したもので
あること。
【0022】(g)この触媒を500℃で焼成した後の物
理性状が、水銀圧入法で測定した細孔分布で65〜95
オンク゛ストロームの平均細孔直径を有し、且つ平均細孔直径±
10オンク゛ストロームの範囲の細孔容積が全細孔容積の少なく
とも60%以上であること。
【0023】そして、本発明の触媒を調製する方法は、
所定量のシリカとアルミナから成るシリカ−アルミナ水
和物と、所定量のボリア源と、所定量の活性金属を含む
溶液と、所定量の多価アルコールとを混合し、混練り
し、成型し、150℃以下の温度で乾燥するものであ
る。
【0024】本発明の方法において、シリカ−アルミナ
水和物を製造する際に使用する、シリカ原料としては、
例えば、ケイ酸ナトリウム、四塩化ケイ素などの水可溶
性塩類が挙げられ、アルミナ原料としては、例えば、硝
酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウ
ム、アルミン酸ナトリウムなど及びこれらの水可溶性塩
類が挙げられる。そして、ボリア原料としては、例え
ば、ホウ酸、四ホウ酸などの水可溶性塩が挙げられる。
【0025】また、周期律表VIa族金属としてモリブデ
ンを用い、周期律表VIII族金属としてコバルト及び/又
はニッケルを用い、多価アルコールとしてジエチレング
リコール及び/又はトリエチレングリコールを用い、有
機イオウ化合物としてβ−チオジグリコールを用いると
より好ましい結果が得られる。
【0026】
【作用】本発明に係る触媒の構成において、水素化活性
金属種としてボリアとシリカとアルミナから成る組成物
を酸化物換算した重量に対し周期律表VIa族金属がモリ
ブデンで酸化物換算で15〜30重量%であり、VIII族
金属がニッケル及び/又はコバルトで酸化物換算で3〜
8重量%を添加することにより活性の高い触媒が得られ
ることはすでに公知のものでありこの範囲内に限っては
新規なものでない。
【0027】加えて、活性金属種としてコバルトとモリ
ブデンを用いた触媒の水素化脱硫活性が高く、ニッケル
とモリブデンを用いた触媒の水素化脱窒素活性が高いの
も既に公知である。
【0028】本発明の触媒を発明とならしめるところの
ものは、本発明の触媒がボリアとシリカとアルミナから
成る組成物に所定量の活性金属と所定量の多価アルコー
ルと所定量の有機イオウ化合物とを添加した後、混練
し、成型し、次いで150℃以下の温度で乾燥させるの
みで作成されたものであり、また、本発明の触媒を50
0℃で焼成した後の物理性状が、水銀圧入法で測定した
細孔分布で65〜95オンク゛ストロームの平均細孔直径を有
し、且つ平均細孔直径±10オンク゛ストロームの範囲の細孔容
積が全細孔容積の少なくとも60%以上であることであ
る。
【0029】本発明に用いるボリアとシリカとアルミナ
から成る組成物中のボリアの割合をB23として3〜1
0重量%、シリカの割合をSiO2として3〜8重量%
の範囲とするのは、この組成でないと脱窒素活性につい
て飛躍的の向上が認められないからである。
【0030】本発明に用いる多価アルコールとしては好
ましくはジエチレングリコール及び/又はトリエチレン
グリコールであり、添加量としては活性金属の合計モル
量の0.2〜3倍量が好ましい。この添加量は、十分な
水素化脱硫・脱窒素活性を得るための必要量であり、
0.2倍量以下の添加量では十分な活性が得られない。
一方、3倍量以上添加すると硫化工程で、触媒に過剰に
含まれる多価アルコールが分解せずに炭素分として触媒
中に残存し水素化脱硫・脱窒素活性を低下させる。
【0031】本発明に用いる有機硫黄化合物としてはβ
−チオグリコールで添加量は、周期律表VIa族金属とVII
I族金属を硫化物形態にするために必要な量の0.1倍
量以上であり、添加量としては0.1〜0.5倍量程度
で十分である。添加量を0.5倍量以上としてもさらに
触媒活性が大幅に向上することがなく、製造価格を考慮
すると有機硫黄化合物の添加量は少ない方が良い。ま
た、有機硫黄化合物としてはメルカプト酢酸、チオ酢酸
等もあるが、酢酸が含まれており反応塔を腐食する可能
性が強いので適用は避けた方が良い。
【0032】脱硫及び脱窒素活性を向上させるには、そ
のために必要とされる径の細孔をできるだけ多くするこ
とが必要である。そして、他の有害な反応を抑制するた
めには、その細孔分布が狭く、且つ平均細孔直径が特定
な値であることが必要である。本発明において、触媒を
500℃で焼成した後の細孔構造を、水銀圧入法で測定
される細孔分布で平均細孔直径が65〜95オンク゛ストローム
で、且つ平均細孔直径±10オンク゛ストロームの細孔が占める
容積が全細孔容積の少なくとも60%とするのは、この
ためである。
【0033】すなわち、平均細孔直径が65オンク゛ストローム
より小さいときは反応物質の触媒粒子内での拡散抵抗が
大きく水素化脱硫・脱窒素の両活性が低下し、他方平均
細孔直径が95オンク゛ストロームより大きいときは反応物質が
一度に多量に細孔内に侵入し、その分解による炭素質の
析出が水素化脱硫・脱窒素の両活性を低下させることに
なる。
【0034】また、ボリアとシリカとアルミナから成る
担体の平均細孔直径±10オンク゛ストロームの細孔の占める容
積が全細孔容積の60%以下のとき、即ち細孔分布が特
定の範囲に集中していないときには、たとえ平均細孔直
径が65〜95オンク゛ストロームの範囲に入っていたとして
も、炭化水素油の水素化脱硫、脱窒素反応に有効な細孔
が減少するので両活性が低下する。
【0035】本発明の触媒を得るには、以下のようにす
る。例えば、硫酸アルミニウム水溶液とアルミン酸ナト
リウム水溶液とを混合し、アルミナ水和物スラリーを得
る。そして、このアルミナ水和物スラリー中に含まれる
Al23に対してシリカ含有量がSiO2として3〜8
重量%となるようにケイ酸ナトリウム水溶液を添加し
て、濾過・洗浄してNa2Oとして0.05重量%、S
4として0.20重量%含むシリカ−アルミナ水和物
を得る。
【0036】次いで、このシリカ−アルミナ水和物中の
SiO2−Al23量に対してボリア含有量がB23
して3〜10重量%となるようにホウ酸水溶液を添加す
る。そして、これに、三酸化モリブデン及び炭酸ニッケ
ルまたは炭酸コバルトを、クエン酸、酒石酸等の有機酸
を用いて溶解て得た水溶液と多価アルコールとを添加
し、成型可能な水分まで捏和し、十分可塑化させた後、
円筒状、球状、三つ葉型、四つ葉型など一般的な触媒と
して所望の形状に成型した後、乾燥する。乾燥温度は1
50℃以下が望ましい。多価アルコールが揮発あるいは
分解を防止するためである。
【0037】このようにして得られた触媒はそのまま反
応塔に充填し、軽油と水素ガスを装入しつつ、昇温、昇
圧した後、実施操業に移行する。
【0038】尚、前記アルミナ水和物を得る加水分解反
応時にグルコン酸、酒石酸等の有機酸を添加すると、細
孔分布を特定の範囲に集中した触媒を得るためには効果
的である。
【0039】本発明の方法で調製された触媒は、炭化水
素油の水素化脱硫・脱窒素反応において、酸化物担体に
活性金属を担持し、乾燥あるいは乾燥し焼成する従来技
術の触媒製造方法で得る触媒に硫化処理を施したものよ
り、優れた活性を示す。その理由は定かではないが、前
述のヒドロキシカルボン酸であれば活性金属との錯イオ
ンの形成が考えられるが、本発明で用いる多価アルコー
ルの配位能力は弱く主因とは考えにくい。むしろ多価ア
ルコールを添加することで活性金属の吸着速度を弱め均
一に分散吸着され、それぞれの位置で固定化され、硫化
処理工程で活性金属成分が硫化物形態に変わる際に生成
する粒子の凝集が防止でき、該硫化物の粒径が小さく且
つ高分散状態になっているためではないかと考えられ
る。
【0040】
【実施例】次に本発明の実施例と比較例とを用いて、更
に本発明を説明する。 (実施例 1)内容積100リットルの攪拌機付きステンレ
ス製反応槽に、水49.5リットルと濃度50%のグルコン
酸溶液(和光純薬工業株式会社製)204gを反応槽内
に入れ、70℃まで加温し保持し、攪拌しながら硫酸ア
ルミニウム水溶液(株式会社島田商店販売の8%硫酸バ
ンド)9540gとアルミン酸ナトリウム水溶液(住友
化学株式会社製NA−170)6230gとを反応槽に
入れ、pH9.0のアルミナ水和物スラリーを得た。
【0041】次ぎに該スラリーを30分間熟成した。次
いで、撹拌しつつ濃度31%の硝酸25gを加えてpH
8.3のスラリーを得た。その後、このスラリーにSi
2として130gを含むケイ酸ナトリウム水溶液92
9gを撹拌しつつ全量添加してpHが8.8のシリカ−
アルミナ水和物スラリーを得た。この水和物スラリーを
30分間熟成した後、濾過・洗浄してシリカ−アルミナ
水和物ケーキを得た。
【0042】次に、得られたシリカ−アルミナ水和物ケ
ーキ2350g(SiO2−Al23として473g)
にホウ酸47g(B23として26.6g)と、三酸化
モリブデン117gと炭酸ニッケル59gとを水250
gに懸濁し、酒石酸10gを添加して加熱下溶解した溶
液と、トリエチレングリコール167gとβ−チオジグ
リコール93gとを加え、加温ジャケット付きニーダ中
で加熱捏和し、濃度として63重量%の可塑性のある捏
和物を得た。
【0043】次いでこの捏和物を直径1.5mmのダイ
スを有する押出し成型機で成型し、100℃で18時間
乾燥して触媒Aを得た。触媒AのMoO3+NiOに対
して添加したトリエチレングリコールの倍量を表1に示
した。
【0044】活性評価は触媒充填量15mlの固定床流
通反応装置を用い、炭化水素油の水素化脱硫、脱窒素反
応活性を調査した。
【0045】触媒の硫化条件はジメチルジサルファイド
を2.5重量%添加した軽油で水素/油供給比200N
l/l、LHSV=2.0hr-1、圧力30Kg/cm
2Gの条件下100℃から315℃まで7時間かけて昇
温した後、硫黄分1.15重量%、窒素分68重量pp
m含むクエート常圧軽油を用い反応条件は圧力30Kg
/cm2G、LHSV=2.0hr-1、水素/油供給比
300Nl/l、反応温度360℃で行った。
【0046】反応開始から100時間後の処理油中の硫
黄分及び窒素含有量を分析して脱硫活性、脱窒素活性を
求め結果を表1に併記する。硫黄分の分析は(株)堀場
製作所製SLFA−920型を用い、窒素分の分析は三
菱化成(株)製TN−05型を用いて行った。
【0047】表1に示す脱硫活性は触媒Rを100とし
た時の反応速度定数の相対活性値で示すこととし、速度
次数は脱硫反応速度が原料油の硫黄濃度の1.75乗に
比例するものとしてKm=LHSV・(1/n−1)・
{(1/Sn-1)−(1/Son-1)}の式を用いて求め
た。nは速度次数1.75、LHSVは液空間速度(h
-1)、Sは処理油中の硫黄濃度(%)、Soは原料油
中の硫黄濃度(%)である。
【0048】また脱窒素活性は触媒Rを100とした時
の反応速度定数の相対活性値で示すこととし、速度次数
は脱窒素反応速度が原料油の窒素濃度の1.0乗に比例
するものとしてKm=LHSV・1n(No/N)の式
を用いて求めた。LHSVは液空間速度(hr-1)、N
oは処理油中の窒素濃度(%)、Nは原料油中の窒素濃
度(%)である。
【0049】触媒Aの活性金属含有量と触媒Aの一部を
500℃で2時間焼成した後の物理性状及び活性結果に
ついては表1に示した。
【0050】(実施例 2)実施例1で得たシリカ−ア
ルミナ水和物に添加するホウ酸の添加量をB23として
3重量%、B23として10重量%と変えたこと以外実
施例1に示す方法とほぼ同様にして、触媒Bと触媒Cを
得た。触媒B、Cの活性金属含有量とMoO3+NiO
に対して添加したトリエチレングリコールとβ−チオジ
グリコールの倍量及び触媒B、Cの一部を500℃で2
時間焼成した後の物理性状及び活性結果については表1
に示した。
【0051】(実施例 3)実施例1とほぼ同様にして
得たアルミナ水和物スラリーに添加するケイ酸ナトリウ
ム水溶液の添加量をSiO2として3重量%及びSiO2
として8.5重量%となるように添加したこと以外は実
施例1とほぼ同様の方法で触媒Dと触媒Eを得た。触媒
D、Eの活性金属含有量とMoO3+NiOに対して添
加したトリエチレングリコールとβ−チオジグリコール
の倍量及び触媒D、Eの一部を500℃で2時間焼成し
た後の物理性状及び活性結果については表1に示した。
【0052】(実施例 4)添加混練りする活性金属溶
液の添加量を三酸化モリブデン199g、炭酸ニッケル
67g及び三酸化モリブデン117g、炭酸ニッケル8
3gと変化させたこと以外は実施例1とほぼ同様の方法
で触媒Fと触媒Gを得た。触媒F、Gの活性金属含有量
とMoO3+NiOに対して添加したトリエチレングリ
コールとβ−チオジグリコールの倍量及び触媒F、Gの
一部を500℃で2時間焼成した後の物理性状及び活性
結果については表1に示した。
【0053】(実施例 5)添加混練りするトリエチレ
ングリコールの添加量を84g及び502gと変化させ
たこと以外は実施例1とほぼ同様の方法で触媒Hと触媒
Iを得た。触媒H、Iの活性金属含有量とMoO3+N
iOに対して添加したトリエチレングリコールとβ−チ
オジグリコールの倍量及び触媒H、Iの一部を500℃
で2時間焼成した後の物理性状及び活性結果については
表1に示した。
【0054】(実施例 6)添加混練りする活性金属溶
液を炭酸ニッケルの変わりに炭酸コバルトを用い、活性
金属の添加量を三酸化モリブデン117g、炭酸コバル
ト54g(触媒J)、そして三酸化モリブデン199
g、炭酸コバルト61g(触媒K)、そして三酸化モリ
ブデン117g、炭酸コバルト75g(触媒L)とした
こと以外は実施例1とほぼ同様の方法で触媒J、触媒
K、触媒Lとを得た。触媒J,K,Lの活性金属含有量
とMoO3+NiOに対して添加したトリエチレングリ
コールとβ−チオジグリコールの倍量及び触媒J,K,
Lの一部を500℃で2時間焼成した後の物理性状及び
活性結果については表1に示した。
【0055】(実施例 7)添加混練りするβ−チオジ
グリコールの添加量を44g及び149gと変化させた
こと以外は実施例1とほぼ同様の方法で触媒M、Nを得
た。触媒M、Nの活性金属含有量とMoO3+NiOに
対して添加したトリエチレングリコールとβ−チオジグ
リコールの倍量及び触媒M、Nの一部を500℃で2時
間焼成した後の物理性状及び活性結果については表1に
示した。
【0056】(比較例 1)実施例1とほぼ同様にして
得たアルミナ水和物スラリーを濾過・洗浄して得られた
アルミナ水和物ケーキを用いたこと以外は実施例1とほ
ぼ同様の方法で触媒Oを得た。触媒Oの活性金属含有量
とMoO3+NiOに対して添加したトリエチレングリ
コールとβ−チオジグリコールの倍量及び触媒Mの一部
を500℃で2時間焼成した後の物理性状及び活性結果
については表1に示した。
【0057】(比較例 2)実施例1とほぼ同様にして
得たシリカ−アルミナ水和物ケーキを用いたこと以外は
実施例1とほぼ同様の方法で触媒Pを得た。触媒Nの活
性金属含有量とMoO3+NiOに対して添加したトリ
エチレングリコールとβ−チオジグリコールの倍量及び
触媒Pの一部を500℃で2時間焼成した後の物理性状
及び活性結果については表1に示した。
【0058】(比較例 3)反応槽内にグルコン酸を添
加しなかったこと以外実施例1に示す方法とほぼ同様の
方法で触媒Qを得た。触媒Qの活性金属含有量とMoO
3+NiOに対して添加したトリエチレングリコールと
β−チオジグリコールの倍量及び触媒Qの一部を500
℃で2時間焼成した後の物理性状及び活性結果について
は表1に示した。
【0059】(比較例 4)添加混練りするβ−チオジ
グリコールを無添加にしたこと以外実施例1に示す方法
とほぼ同様の方法で触媒Rを得た。
【0060】活性評価は触媒充填量15mlの固定床流
通反応装置を用い、水素とジメチルジサルファイドを
2.5重量%添加した軽油を水素/油供給比200Nl
/l、LHSV=2.0hr-1、圧力30kg/cm2Gの
条件下100℃から315℃まで7時間かけて昇温した
後、硫黄分1.15重量%、窒素分68重量ppm含む
クエート常圧軽油を用い反応条件は圧力30kg/cm
2G、LHSV=2.0hr- 1、水素/油供給比300
Nl/l、反応温度360℃で行った。
【0061】触媒Rの活性金属含有量とMoO3+Ni
Oに対して添加したトリエチレングリコールの倍量及び
触媒Rの一部を500℃で2時間焼成した後の物理性状
及び活性結果については表1に示す。
【0062】
【表1】 (実施例 8)トリエチレングリコールをジエチレング
リコールに変えた以外は実施例1と同様にして触媒A’
を得た。触媒A’のMoO3 、NiOに対して添加した
ジエチレングリコールとβ−チオジグリコールの倍量を
表2に示した。
【0063】次いで実施例1と同様にして、炭化水素油
の水素化脱硫、脱窒素反応活性を調査した。表2に示す
脱硫活性は触媒R’の活性を100とした時の反応速度
定数の相対活性値で示し、脱窒素活性も触媒R’の活性
を100とした時の反応速度定数の相対活性値で示すこ
ととした。
【0064】(実施例 9)実施例1で得たシリカ−ア
ルミナ水和物に添加するホウ酸の添加量をB23として
3重量%、B23として10重量%と変え、トリエチレ
ングリコールをジエチレングリコールと変えたこと以外
実施例8に示す方法とほぼ同様にして、触媒B’と触媒
C’を得た。触媒B’、C’の活性金属含有量とMoO
3+NiOに対して添加したジエチレングリコールとβ
−チオジグリコールの倍量及び触媒B’、C’の一部を
それぞれ500℃で2時間焼成した後の物理性状及び活
性結果については表2に示した。
【0065】(実施例10)実施例1とほぼ同様にして
得たアルミナ水和物スラリーに添加するケイ酸ナトリウ
ム水溶液の添加量をSiO2として3重量%及びSiO2
として8.5重量%となるように添加し、トリエチレン
グリコールをジエチレングリコールに変えたこと以外は
実施例8とほぼ同様の方法で触媒D’と触媒E’を得
た。触媒D’、E’の活性金属含有量とMoO3+Ni
Oに対して添加したジエチレングリコールとβ−チオジ
グリコールの倍量及び触媒D’、E’の一部を500℃
で2時間焼成した後の物理性状及び活性結果については
表2に示した。
【0066】(実施例11)添加混練りする活性金属溶
液の添加量を三酸化モリブデン199g、炭酸ニッケル
67g及び三酸化モリブデン117g、炭酸ニッケル8
3gと変化させ、トリエチレングリコールをジエチレン
グリコールに変えたこと以外は実施例1とほぼ同様の方
法で触媒F’と触媒G’を得た。触媒F’、G’の活性
金属含有量とMoO3+NiOに対して添加したジエチ
レングリコールとβ−チオジグリコールの倍量及び触媒
F’、G’の一部をそれぞれ500℃で2時間焼成した
後の物理性状及び活性結果については表2に示した。
【0067】(実施例12)添加混練りするジエチレン
グリコールの添加量を56g及び356gと変化させた
こと以外は実施例8とほぼ同様の方法で触媒H’と触媒
I’を得た。触媒H’、I’の活性金属含有量とMoO
3+NiOに対して添加したジエチレングリコールとβ
−チオジグリコールの倍量及び触媒H’、I’の一部を
500℃で2時間焼成した後の物理性状及び活性結果に
ついては表2に示した。
【0068】(実施例13)添加混練りする活性金属溶
液を炭酸ニッケルの変わりに炭酸コバルトを用い、活性
金属の添加量を三酸化モリブデン117g、炭酸コバル
ト54g(触媒J’)、そして三酸化モリブデン199
g、炭酸コバルト61g(触媒K’)、そして三酸化モ
リブデン117g、炭酸コバルト75g(触媒L’)と
変化させたこと以外は実施例8とほぼ同様の方法で触媒
J’,K’,L’を得た。触媒J’,K’,L’の活性
金属含有量とMoO3+NiOに対して添加したジエチ
レングリコールとβ−チオジグリコールの倍量及び触媒
J’,K’,L’の一部をそれぞれ500℃で2時間焼
成した後の物理性状及び活性結果については表2に示し
た。
【0069】(実施例14)添加混練りするβ−チオジ
グリコールの添加量を44g及び149gと変化させた
こと以外は実施例8とほぼ同様の方法で触媒M’、N’
を得た。触媒M’、N’の活性金属含有量とMoO3
NiOに対して添加したトリエチレングリコールとβ−
チオジグリコールの倍量及び触媒M’、N’の一部をそ
れぞれ500℃で2時間焼成した後の物理性状及び活性
結果については表2に示した。
【0070】(比較例 5)実施例8とほぼ同様にして
得たアルミナ水和物スラリーを濾過・洗浄して得られた
アルミナ水和物ケーキを用いたこと以外は実施例8とほ
ぼ同様の方法で触媒O’を得た。触媒O’の活性金属含
有量とMoO3+NiOに対して添加したジエチレング
リコールとβ−チオジグリコールの倍量及び触媒O’の
一部を500℃で2時間焼成した後の物理性状及び活性
結果については表2に示した。
【0071】(比較例 6)実施例8とほぼ同様にして
得たシリカ−アルミナ水和物ケーキを用いたこと以外は
実施例8とほぼ同様の方法で触媒P’を得た。触媒P’
の活性金属含有量とMoO3+NiOに対して添加した
ジエチレングリコールとβ−チオジグリコールの倍量及
び触媒P’の一部を500℃で2時間焼成した後の物理
性状及び活性結果については表2に示した。
【0072】(比較例 7)反応槽内にグルコン酸を添
加しなかったこと以外実施例8に示す方法とほぼ同様の
方法で触媒Q’を得た。触媒Q’の活性金属含有量とM
oO3+NiOに対して添加したジエチレングリコール
とβ−チオジグリコールの倍量及び触媒Q’の一部を5
00℃で2時間焼成した後の物理性状及び活性結果につ
いては表2に示した。
【0073】(比較例 8)添加混練りするβ−チオジ
グリコールを無添加にしたこと以外実施例8に示す方法
とほぼ同様の方法で触媒R’を得た。
【0074】活性評価は触媒充填量15mlの固定床流
通反応装置を用い、水素とジメチルジサルファイドを
2.5重量%添加した軽油を水素/油供給比200Nl
/l、LHSV=2.0hr-1、圧力30kg/cm2Gの
条件下100℃から315℃まで7時間かけて昇温した
後、硫黄分1.15重量%、窒素分68重量ppm含む
クエート常圧軽油を用い反応条件は圧力30kg/cm
2G、LHSV=2.0hr- 1、水素/油供給比300
Nl/l、反応温度360℃で行った。
【0075】触媒R’の活性金属含有量とMoO3+N
iOに対して添加したジエチレングリコールの倍量及び
触媒R’の一部を500℃で2時間焼成した後の物理性
状及び活性結果については表2に示す。
【0076】
【表2】 表1の結果から見ると触媒A、B、C、D、Eは酸化物
に換算したモリブデン、ニッケルの含有量及びトリエチ
レングリコール、β−チオジグリコールの添加量が同一
であり、酸化物換算したボリアとシリカとアルミナの組
成比及び乾燥触媒を500℃で2時間焼成した後の物理
性状で平均細孔直径、細孔分布と活性金属含有量に関し
て、いずれも本発明の範囲を満足するもので高い脱硫・
脱窒素活性を示すことが明らかであるが、触媒Qは活性
成分の含有量及びトリエチレングリコール、β−チオジ
グリコールの添加量と酸化物換算したボリアとシリカと
アルミナ組成比については本発明の範囲に入るが、乾燥
触媒を500℃で2時間焼成した後の物理性状で平均細
孔直径±10オンク゛ストロームの細孔容積/全細孔容積(%)
値が48%しかなく細孔分布が広いので、この触媒Qの
脱硫・脱窒素活性は細孔分布の狭い触媒Aより低い値を
示している。
【0077】触媒O、Pは活性成分の含有量及びトリエ
チレングリコール、β−チオジグリコールの添加量及び
乾燥触媒を500℃で2時間焼成した後の物理性状で平
均細孔直径、細孔分布に関してはいずれも本発明の範囲
に入るが、触媒成分中にボリア及び/またはシリカが含
まれていないため、触媒O、Pの脱硫活性は高いが、脱
窒素活性が低い値を示している。
【0078】触媒F、Gは酸化物換算したボリアとシリ
カとアルミナ組成比及び乾燥触媒を500℃で2時間焼
成した後の物理性状で平均細孔径、細孔分布とトリエチ
レングリコール、β−チオジグリコールの添加量に関し
ては本発明の範囲を満足するものであるが、酸化物に換
算したモリブデン、ニッケルの含有量を変えたものであ
る。触媒Gは触媒Aに比較しモリブデンを増した触媒で
触媒Fは触媒Aに比較しニッケルを増した触媒であるが
本発明の範囲内であり十分に高い脱硫・脱窒素率を有し
ている。
【0079】触媒H、Iは酸化物換算したボリアとシリ
カとアルミナ組成比及び乾燥触媒を500℃で2時間焼
成した後の物理性状で平均細孔径、細孔分布と活性金属
含有量、トリエチレングリコール、β−チオジグリコー
ルの添加量に関しては本発明の範囲に入るもので、トリ
エチレングリコールの担持量を変化したものであるが、
この触媒H、Iの脱硫・脱窒素活性は触媒Aとほぼ同等
の値を示しており、トリエチレングリコールの添加量が
活性金属含有量のモル量に対し0.2〜3倍量の範囲内
であれば高い活性を示すことが明らかである。
【0080】触媒J、K、Lは酸化物換算したボリアと
シリカとアルミナ組成比及び乾燥触媒を500℃で2時
間焼成した後の物理性状で平均細孔径、細孔分布と活性
金属含有量、トリエチレングリコール、β−チオジグリ
コールの添加量に関しては本発明の範囲に入るもので、
活性金属としてモリブデン、コバルトを担持したもので
ある。ニッケルの変わりにコバルトを担持しても、脱硫
・脱窒素活性共高いことが明らかである。
【0081】触媒M、Nは酸化物換算したボリアとシリ
カとアルミナ組成比及び乾燥触媒を500℃で2時間焼
成した後の物理性状で平均細孔径、細孔分布と活性金属
含有量、トリエチレングリコールの添加量に関しては本
発明の範囲に入るもので、有機硫黄化合物の添加量を変
化させたものである。β−チオジグリコールを活性金属
モル数の0.15〜0.5倍量の範囲であれば、脱硫・
脱窒素活性共高いことが明らかである。
【0082】触媒Rは酸化物換算したボリアとシリカと
アルミナ組成比及び乾燥触媒を500℃で2時間焼成し
た後の物理性状で平均細孔径、細孔分布と活性金属担持
量、トリエチレングリコールの添加量に関しては本発明
の範囲に入るものであるが、β−チオジグリコールが無
添加の触媒で、この触媒の脱硫・脱窒素活性を100と
した。
【0083】また、表2の結果から見ると触媒A’、
B’、C’、D’、E’は酸化物に換算したモリブデ
ン、ニッケルの含有量及びジエチレングリコール、β−
チオジグリコールの添加量が同一であり、酸化物換算し
たボリアとシリカとアルミナの組成比及び乾燥触媒を5
00℃で2時間焼成した後の物理性状で平均細孔直径、
細孔分布と活性金属含有量に関して、いずれも本発明の
範囲を満足するもので高い脱硫・脱窒素活性を示すこと
が明らかであるが、触媒Q’は活性成分の含有量及びジ
エチレングリコール、β−チオジグリコールの添加量と
酸化物換算したボリアとシリカとアルミナ組成比につい
ては本発明の範囲に入るが、乾燥触媒を500℃で2時
間焼成した後の物理性状で平均細孔直径±10オンク゛ストロー
ムの細孔容積/全細孔容積(%)値が48%しかなく細
孔分布が広いので、この触媒Q’の脱硫・脱窒素活性は
細孔分布の狭い触媒A’より低い値を示している。
【0084】触媒O’、P’は活性成分の含有量及びジ
エチレングリコール、β−チオジグリコールの添加量及
び乾燥触媒を500℃で2時間焼成した後の物理性状で
平均細孔直径、細孔分布に関してはいずれも本発明の範
囲に入るが、触媒成分中にボリア及び/またはシリカが
含まれていないため、触媒O’、P’の脱硫活性は高い
が、脱窒素活性が低い値を示している。
【0085】触媒F’、G’は酸化物換算したボリアと
シリカとアルミナ組成比及び乾燥触媒を500℃で2時
間焼成した後の物理性状で平均細孔径、細孔分布とジエ
チレングリコール、β−チオジグリコールの添加量に関
しては本発明の範囲を満足するものであるが、酸化物に
換算したモリブデン、ニッケルの含有量を変えたもので
ある。触媒G’は触媒A’に比較しモリブデンを増した
触媒で触媒F’は触媒A’に比較しニッケルを増した触
媒であるが本発明の範囲内であり十分に高い脱硫・脱窒
素率を有している。
【0086】触媒H’、I’は酸化物換算したボリアと
シリカとアルミナ組成比及び乾燥触媒を500℃で2時
間焼成した後の物理性状で平均細孔径、細孔分布と活性
金属含有量、ジエチレングリコール、β−チオジグリコ
ールの添加量に関しては本発明の範囲に入るもので、ジ
エチレングリコールの担持量を変化したものであるが、
この触媒H’、I’の脱硫・脱窒素活性は触媒A’とほ
ぼ同等の値を示しており、ジエチレングリコールの添加
量が活性金属含有量のモル量に対し0.2〜3倍量の範
囲内であれば高い活性を示すことが明らかである。
【0087】触媒J’、K’、L’は酸化物換算したボ
リアとシリカとアルミナ組成比及び乾燥触媒を500℃
で2時間焼成した後の物理性状で平均細孔径、細孔分布
と活性金属含有量、ジエチレングリコール、β−チオジ
グリコールの添加量に関しては本発明の範囲に入るもの
で、活性金属としてモリブデン、コバルトを担持したも
のである。ニッケルの変わりにコバルトを担持しても、
脱硫・脱窒素活性共高いことが明らかである。
【0088】触媒M’、N’は酸化物換算したボリアと
シリカとアルミナ組成比及び乾燥触媒を500℃で2時
間焼成した後の物理性状で平均細孔径、細孔分布と活性
金属含有量、ジエチレングリコールの添加量に関しては
本発明の範囲に入るもので、有機硫黄化合物の添加量を
変化させたものである。β−チオジグリコールを活性金
属モル数の0.15〜0.5倍量の範囲であれば、脱硫
・脱窒素活性共高いことが明らかである。
【0089】触媒R’は酸化物換算したボリアとシリカ
とアルミナ組成比及び乾燥触媒を500℃で2時間焼成
した後の物理性状で平均細孔径、細孔分布と活性金属担
持量、ジエチレングリコールの添加量に関しては本発明
の範囲に入るものであるが、β−チオジグリコールが無
添加の触媒で、この触媒の脱硫・脱窒素活性を100と
した。
【0090】
【発明の効果】本発明の触媒は特定の組成物に活性金属
とともに二価アルコールと有機硫黄化合物とを混練り
し、成型し、乾燥物としたものであり、この結果、従来
提案されている水素化脱硫・脱窒素触媒に比べ効率良く
脱硫・脱窒素を同時に行い得る。
【0091】従って、本発明の触媒を従来の水素化脱硫
・脱窒素触媒に変えて使用することによって繁雑な予備
硫化処理を施さずに用いることができ、且つ、硫黄含有
量、窒素含有量の低い燃料油を製造することができるな
ど顕著な効果が認められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10G 45/12 A 2115−4H

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボリアとシリカとアルミナから成る組
    成物と、活性金属としての周期律表VIa属金属と及びVII
    I属金属と、多価アルコールと、有機イオウ化合物から
    主として構成される未焼成の触媒であり、以下の特徴を
    持つ水素化脱硫脱窒素用触媒。 (a) ボリアとシリカとアルミナから成る組成物中のボリ
    アの含有量がB23として3〜10重量%であり、シリ
    カの含有量がSiO2として3〜8重量%であること。 (b) 触媒中の周期律表VIa族金属含有量が酸化物換算で
    15〜30重量%であること。 (c) 触媒中の周期律表VIII族金属含有量が酸化物換算で
    3〜8重量%であること。 (d) 多価アルコール含有量が活性金属の合計モル量に対
    し、0.2〜3倍量であること。 (e) 有機イオウ化合物の含有量が、活性金属を硫化物に
    するに必要な量の0.1〜0.5倍量であること。 (f) 150℃以下の温度で乾燥したものであること。 (g) この触媒を500℃で焼成した後の物理性状が、水
    銀圧入法で測定した細孔分布で65〜95オンク゛ストロームの
    平均細孔直径を有し、且つ平均細孔直径±10オンク゛ストロー
    ムの範囲の細孔容積が全細孔容積の少なくとも60%以
    上であること。
  2. 【請求項2】 周期律表VIa族金属がモリブデンであ
    り、周期律表VIII族金属がコバルト及び/又はニッケル
    であり、多価アルコールがジエチレングリコール及び/
    又はトリエチレングリコールであり、有機イオウ化合物
    がβ−チオジグリコールであることを特徴とする請求項
    1記載の水素化脱硫脱窒素用触媒。
  3. 【請求項3】 所定量のシリカとアルミナから成るシ
    リカ−アルミナ水和物と、所定量のボリア源と、所定量
    の活性金属を含む溶液と、所定量の多価アルコールとを
    混合し、混練りし、成型し、150℃以下の温度で乾燥
    することを特徴とする水素化脱硫脱窒素用触媒の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 シリカ−アルミナ水和物を製造する際
    に使用する、シリカ原料として、ケイ酸ナトリウム、四
    塩化ケイ素などの水可溶性塩類を用い、アルミナ原料と
    して、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アル
    ミニウム、アルミン酸ナトリウムなどの水可溶性塩類を
    用い、ボリア原料として、ホウ酸、四ホウ酸などの水可
    溶性塩を用いることを特徴とし、周期律表VIa族金属と
    してモリブデンを用い、周期律表VIII族金属としてコバ
    ルト及び/又はニッケルを用い、多価アルコールとして
    ジエチレングリコール及び/又はトリエチレングリコー
    ルを用い、有機イオウ化合物としてβ−チオジグリコー
    ルを用いることを特徴とする請求項3記載の水素化脱硫
    脱窒素用触媒の製造方法。
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