JPH07231752A - 発酵バガス飼料とその製造方法並びに用途 - Google Patents

発酵バガス飼料とその製造方法並びに用途

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JPH07231752A
JPH07231752A JP6336881A JP33688194A JPH07231752A JP H07231752 A JPH07231752 A JP H07231752A JP 6336881 A JP6336881 A JP 6336881A JP 33688194 A JP33688194 A JP 33688194A JP H07231752 A JPH07231752 A JP H07231752A
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alkali
enterococcus
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lactobacillus
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博人 茶圓
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルカリ処理バガスから、消化性が良く、嗜
好性の高い高品質の発酵バガス飼料とその用途の提供を
目的とする。 【構成】 本発明は、アルカリ処理バガスにpH9.5
以上または塩化ナトリウム濃度6.5w/w%の培地で
増殖能を有する乳酸菌種菌および栄養源を含有せしめて
発酵させることにより得られる発酵バガス飼料とその製
造方法を主な構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発酵バガス飼料とその
製造方法並びに用途に関し、更に詳細には、アルカリ処
理バガスからの発酵バガス飼料及びその製造方法並びに
用途に関する。
【0002】
【従来の技術】サトウキビのしぼり粕であるバガスは、
多量のセルロース、ヘミセルロースを含み一部燃料など
に利用されているものの、他に有効な用途も見いだせ
ず、未だ代表的未利用農産廃棄物の域にあり、毎年、世
界中で1億トン以上も排出されて、その処理に困ってい
るのが現状である。
【0003】一方、草を餌にする家畜、すなわち、牛、
羊などの反すう動物は、人、豚、家禽などの単胃動物と
は違って、元来、植物由来のセルロース、ヘミセルロー
スなどを摂取し、エネルギーに変換することができるの
であり、これら反すう動物にとっては、生理的にもそれ
が要求されている。
【0004】近年、牛肉、乳製品を中心とする畜産品の
消費が拡大し、集約的牧畜業が著しく発展してきた。そ
の結果、牛を限られた面積で飼育、換言すれば、狭い畜
舎での多頭飼育が行われるようになり、これをまかなう
だけの草の供給が困難になってきた。そこで草に代わる
セルロース、ヘミセルロースを主成分とする粗飼料の需
要が急激に高まってきた。
【0005】バガスを粗飼料に利用しようとする試み
は、古くから行われてきた。しかしながら、バガスに
は、セルロース、ヘミセルロースに加えて相当量のリグ
ニンが含まれ、このリグニンとセルロースなどの繊維質
とが強固に結合し、バガス組織を竹のように堅固にして
おり、反すう動物と言えども、バガスそのままでは、消
化率が低く、また嗜好性も劣り、飼料価値の極めて低い
ものである。むしろ、そのまま牛に与えると、バガス片
が第1胃の壁に突き刺さる危険性のあることすら知られ
ている程である。
【0006】そこで、バガスの飼料価値を向上するため
に、リグニンを分解して組織を柔軟化し、消化率を向上
させる多くの試みが提案されている。その多くの提案
は、まず、バガスをアルカリ処理し、次いで発酵させよ
うとするものである。アルカリ処理については、『バイ
オテクノロジー・アンド・バイオエンジニアリング(B
iotechnology and Bioengin
eering)』、第26巻、第426乃至433頁
(1984年)に記載されているように、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウムなどのアルカ
リ剤の使用が知られており、アルカリ処理バガスの発酵
については、例えば、『アニマル・フィード・サイエン
ス・アンド・テクノロジー(Animal Feed
Science and Technology)』、
第9巻、第1乃至17頁(1983年)に記載されてい
るように、水酸化ナトリウムを使用したアルカリ処理バ
ガスをサイレージ化する方法が知られている。
【0007】しかしながら、従来、提案されているこれ
らの方法を詳細に検討したところ、水酸化ナトリウムを
用いるアルカリ処理の場合には、アルカリ処理バガスの
pH低下、すなわち、乳酸菌増殖可能pH域までのpH
低下が極めて緩慢で長時間を要し、それを発酵バガス飼
料に仕上げる期間に至っては、25乃至90日もの長期
間を要することが判明した。また、これを避けるために
急いでpHを低下させるには、アルカリ処理バガスを酸
性溶液による中和処理を必要とした。加えて、水酸化ナ
トリウムを用いる場合には、強アルカリ性で比較的少量
の使用で高pHが確保でき、リグニンをよく分解し、バ
ガス組織を柔軟化できるものの、粗飼料として大切にし
たいセルロース、ヘミセルロースまでも分解、損失しや
すいなど多くの欠点をかかえていることが判明した。
【0008】また、水酸化カルシウムや炭酸ナトリウム
を使用する場合には、アルカリ強度が比較的低いので、
アルカリ剤の使用量がバガス固形物当たり約12乃至3
0w/w%(以下、本明細書では、特にことわらない限
り、w/w%を%と略記する。)にも昇り、コストがか
さむばかりでなく、反すう動物にとっては、過剰のアル
カリ剤を摂取することになるから大量の水を欲しがり、
多量の尿を排出しなければならず、生理的負担の大きい
致命的欠点のあることも判明した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記欠点を
解消した高品質の発酵バガス飼料とその用途を提供する
ものであり、また、その需要量が莫大であるだけに、大
量生産方法に好適な、安価で、短期間に容易に製品化で
きる製造方法を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するために、まず、アルカリ処理バガスを含有す
る比較的高pH、高濃度塩類培地でも生育しうる乳酸菌
に着目し、鋭意研究してきた。その結果、pH9.5以
上又は塩化ナトリウム濃度6.5%の培地で増殖能を有
する乳酸菌が好適であることを見いだし、本乳酸菌を接
種することにより、pH9以上のアルカリ処理バガスか
ら容易に高品質の発酵バガス飼料を製造しうることを見
いだし、本発明を完成した。
【0011】すなわち、アルカリ処理バガスを発酵させ
るに際し、pH9.5以上又は塩化ナトリウム濃度6.
5%の培地で増殖能を有する乳酸菌、望ましくは、エン
テロコッカス属に属する乳酸菌を接種する発酵方法を採
用する本発明は、次に述べるような特長を有している。
【0012】(1) 乳酸菌が、pH9.5以上の高p
H域での増殖能を有しているので、酸による中和処理を
必要とすることなく、アルカリ処理バガスに早期に該乳
酸菌を接種することができる。 (2) 乳酸菌が塩化ナトリウム6.5%の高濃度塩類
溶液での増殖能を有しているので、アルカリ処理バガス
を製造する際のアルカリ剤は、比較的低濃度で目的を達
する水酸化ナトリウムに限定されることなく、比較的高
濃度を必要とする水酸化カルシウム、炭酸ナトリウムな
どを用いることも、更には、後に説明する酸化カルシウ
ム又は酸化カルシウムとともに水酸化ナトリウムを用い
ることも随意である。 (3) 発酵が容易で、製造期間も短く、比較的安価に
製造できるので、アルカリ処理バガスからの発酵バガス
飼料の大量生産方法に適している。
【0013】また、バガスをアルカリ処理するに際し
て、酸化カルシウム又は酸化カルシウムとともに水酸化
ナトリウムを用いることは、アルカリ処理バガスやそれ
を用いる発酵バガス飼料の製造に好適であることを見い
だし、本発明を完成した。すなわち、アルカリ剤とし
て、酸化カルシウム又は酸化カルシウムとともに水酸化
ナトリウムの採用は、次に述べるような多くの特長を有
していることが判明した。
【0014】(1) バガス中の有効成分であるセルロ
ース、ヘミセルロースをほとんど損失することなく、組
織を柔軟化したアルカリ処理バガスが製造できる。 (2) 酸化カルシウムが活性なアルカリ剤であり、さ
らには、吸水して発熱し、アルカリ反応を促進するため
か、アルカリ剤の使用量を比較的少なくすることができ
るとともに、短時間でアルカリ処理の目的が達成でき
る。 (3) アルカリ処理バガスのpH低下が比較的早いこ
とから、酸による中和処理を必要とすることなく、早期
に乳酸菌種菌を接種することができる。 (4) 操作が容易で、製造期間も短く、比較的安価に
製造できるので、アルカリ処理バガス及びそれを用いる
発酵バガス飼料の大量生産方法に適している。 (5) バガスに対するアルカリ剤の使用量が比較的少
なく、反すう動物にとっては、アルカリ剤の過剰摂取を
懸念することがないばかりか、むしろ、必須ミネラルで
あるカルシウムを適量強化することとなり、栄養的に好
都合である。 (6) 得られる発酵バガス飼料は、高品質で消化性、
嗜好性に優れている。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明に利用するアルカリ処理バガスは、
通常、次のようにして調製される。バガスは、製糖工場
において排出される水分約40乃至50%のバガスをそ
のまま用いればよく、必要ならば、それを乾燥し保存し
たものを用いてもよい。アルカリ処理に際して共存する
水分量としては、バガスとアルカリ剤とを混合して互い
になじむだけの量を下限とし、一方、その量の上限は、
アルカリ処理バガスからアルカリ性溶液が流失しないま
での水分量が望ましい。具体的には、約40乃至90
%、望ましくは、約45乃至80%の範囲が好適であ
る。
【0017】アルカリ剤として、酸化カルシウムを使用
する場合には、活性度の高い、換言すれば、できるだけ
吸湿していない新鮮なものが望ましく、その形状は、粒
状、粉末状など適宜選択できる。酸化カルシウムの使用
量は、バガスに対して、固形物当たり5%を越えない範
囲、望ましくは、2乃至4%の範囲が好適である。酸化
カルシウムとともに用いる水酸化ナトリウムの使用量
は、共に使用する酸化カルシウム量を越えない範囲、望
ましくは、3%未満の量が好適である。
【0018】バガスに水分共存下でアルカリ剤を含有さ
せる方法は、バガスに所定量の水分が存在し、アルカリ
剤が混合できる方法であればよく、例えば、予め、バガ
スに水を混合し、次いで、これにアルカリ剤を混合する
ことも、また、この逆の順序で行うことも随意である。
これらの順序は、環境温度下で行えばよく、通常、約1
0乃至35℃の範囲である。
【0019】このようにして、バガスに水分共存下でア
ルカリ剤を含有させたものの始発pHは、通常、pH約
10.3以上、望ましくは、pH約10.5乃至12で
あり、そのまま、環境温度下に放置するだけで、短時間
の内に、通常、約10乃至40時間程度でアルカリ処理
の目的を達成するpH10未満、望ましくはpH9.5
未満のアルカリ処理バガスを採取することができる。
【0020】このように、酸化カルシウムを利用して得
られるアルカリ処理バガスは、実質的にセルロース、ヘ
ミセルロースの損失もなく、組織をよく柔軟化してお
り、とりわけ、酸化カルシウムと水酸化ナトリウムとを
併用するものにおいては、酸化カルシウム単独使用のも
のと比較して、リグニンをよく分解し、組織を更に柔軟
化するにもかかわらず、有効成分のセルロース、ヘミセ
ルロースの損失も少なく、発酵バガス飼料のための原料
として好適である。
【0021】本発明の発酵バガス飼料を製造するための
アルカリ処理バガスは、アルカリ剤として、以上述べた
酸化カルシウムを用いる場合だけでなく、公知のアルカ
リ剤、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム及
び炭酸ナトリウムなどの1種又は2種以上を用いたもの
であってもよい。
【0022】アルカリ処理バガスから発酵バガス飼料を
製造するには、アルカリ処理バガスのpHが低下し、接
種する乳酸菌が増殖しうるpH域に達した時点、又は、
その直前に、アルカリ処理バガスに乳酸菌種菌及び栄養
源を含有させて発酵させれば目的を達成することができ
る。この際、必要ならば、アルカリ処理バガスを、酸性
水溶液で、接種する乳酸菌が増殖しうるまでの最小限の
部分的中和処理を採用することも随意である。
【0023】本発明に使用する乳酸菌は、アルカリ処理
バガスを含有するpH9以上、望ましくは、pH9.5
以上の培地で乳酸発酵できるものであればよく、好まし
くは、エンテロコッカス属に属する乳酸菌が好適であ
る。とりわけ、本発明において、新たに分離したエンテ
ロコッカス属に属する乳酸菌、エンテロコッカス・ファ
エシウム HL−5(FERM BP−4504)は、
pH9.5以上の高アルカリ性で、又は塩化ナトリウム
6.5%の高濃度塩類溶液で増殖し、乳酸を産生して、
アルカリ処理バガスのpHを低下させる能力を有し、嗜
好性の高い発酵バガス飼料を製造できるので好都合であ
る。
【0024】すなわち、本菌は、アルカリ処理バガスを
含有するpH9以上、望ましくは、pH9以上10未
満、更に望ましくは、pH9.5以上10未満のアルカ
リ性培地で増殖能を有し、アルカリ処理バガスのpHが
低下する比較的早い段階であるpH10付近に低下した
時点、換言すれば、アルカリ処理期間にして、通常、1
乃至2日間程度又はそれ未満で接種可能であることが判
明し、発酵バガス飼料の製造期間を大幅に短縮でき、約
3乃至6日間に短縮できる特長を有している。前述のp
H以下の比較的早い酸化カルシウムを用いるアルカリ処
理バガスに接種すれば、更に、発酵バガス飼料の製造期
間を短縮できるので極めて有利である。
【0025】次に、本発明で、新たにとうもろこしサイ
レージから分離したエンテロコッカス属に属する微生物
HL−5の同定試験結果を示す。なお、同定試験は、
『微生物の分類と同定』(長谷川武治編、学会出版セン
ター、1985年)に準じて行った。
【0026】
【A 細胞形態】
(1) MRS寒天培養、37℃ 通常0.9乃至1.2μmの球菌。二連及び短連鎖を形
成。 運動性なし。無胞子。グラム陽性。 (2) PG寒天培養、37℃ 通常0.9乃至1.2μmの球菌。二連及び短連鎖を形
成。 運動性なし。無胞子。グラム陽性。
【0027】
【B 培養的性質】
(1) MRS寒天平板培養、37℃ 形状 :円形、大きさは3日間で1乃至2mm。 周縁 :全縁 隆起 :半レンズ状 光沢 :湿光 表面 :平滑 色調 :半透明、白色 (2) MRSゼラチン穿刺培養、37℃ 液化しない。 (3) リトマスミルク、37℃ 酸凝固
【0028】
【C 生理学的性質】
(1) カタラーゼ :陰性 (2) オキシダーゼ :陰性 (3) ゼラチンの液化 :陰性 (4) カゼインの分解 :陰性 (5) アルギニンの分解 :陽性 (6) 40%胆汁に対する耐性 :陽性 (7) 溶血性 :陰性 (8) 馬尿酸の分解 :陽性 (9) エスクリンの分解 :陽性 (10) 10℃乃至45℃での生育 :陽性 (11) pH9.6での生育 :陽性 (12) 6.5%NaClでの生育 :陽性 (13) 酸素に対する態度 :通性嫌気
性 (14) 糖からの酸の生成 アミグタリン 陽性 アラビノース 陽性 セロビオース 陽性 エスクリン 陽性 フラクトース 陽性 ガラクトース 陽性 グルコース 陽性 グルコン酸 陽性 ラクトース 陽性 マルトース 陽性 マンニトール 陽性 マンノース 陽性 メレチトース 陰性 メリピオース 陽性 ラフィノース 陽性 ラムノース 陽性 リボース 陽性 サリシン 陽性 ソルビトール 陰性 スクロース 陽性 トレハロース 陽性 キシロース 陰性 アルブチン 陽性 ソルボース 陰性 (15) 細胞壁の主要ジアミノ酸 :リジン (16) G+C含量 :38.6
【0029】以上の菌学的性質をもとにして、『バージ
ーズ・マニュアル・オブ・システマティック・バクテリ
オロジー(Bergey´s Manual of S
ystematic Bacteriology)』、
第2巻(1986年)を参考にして、公知の菌株との異
同を検討した。その結果、上記のすべての菌学的性質の
うち、本菌は、ソルボースからの酸の生成が陰性である
性質を有している点だけが違い、その他のすべての性質
がエンテロコッカス・ファエシウム(Enteroco
ccus faecium)のそれとよく一致した。
【0030】これらの結果より、本発明者等は、本菌を
新規微生物エンテロコッカス・ファエシウム HL−5
と命名し、平成5年12月17日付けで、茨城県つくば
市東1丁目1番3号にある、通商産業省工業技術院生命
工学工業技術研究所、特許微生物寄託センターに寄託
し、受託番号 FERM BP−4504として受託さ
れた。本発明では、上記菌株のみならず、エンテロコッ
カス属に属し、アルカリ処理バガスを含有するpH9.
5以上のアルカリ性、又は塩化ナトリウム濃度6.5%
の培地で増殖能を有する他の菌株、更には変異株なども
有利に用いることができる。本発明に用いるエンテロコ
ッカス属に属する他の菌株としては、例えば、エンテロ
コッカス・カッセリフラブス(Enterococcu
s casseliflavus)IFO 3531、
エンテロコッカス・ズランス(Enterococcu
s durans)IFO 13131、エンテロコッ
カス・フェカリス(Enterococcus fae
calis)IFO 3791、エンテロコッカス・フ
ァエシウム(Enterococcus faeciu
m)IFO 3535、エンテロコッカス・ヒラエ(E
nterococcus hirae)IFO 318
1Tなどがある。
【0031】これらのエンテロコッカス属に属する乳酸
菌は、本発明で分離したエンテロコッカス・ファエシウ
ム HL−5と同様に、アルカリ処理バガスのpHが低
下する比較的早い段階、換言すれば、pH9以上、望ま
しくは、pH9.5以上の段階でもよく増殖することが
判明し、接種時期を早めることができるので、発酵処理
期間の短縮に好都合である。
【0032】また、エンテロコッカス属に属する乳酸菌
とともにpH8付近より低いpHで高い増殖能を有する
ラクトバシラス属、ペディオコッカス属及びストレプト
コッカス属などに属する乳酸菌から選ばれる1種又は2
種以上の併用は、発酵バガス製造期間の短縮された嗜好
性の高い高品質の発酵バガス飼料を製造するのにきわめ
て優れた方法である。
【0033】ラクトバシラス属に属する菌株としては、
例えば、ラクトバシラス・ラムノサス(Lactoba
cillus rhamnosus)IFO 353
2、ラクトバシラス・プランタラム(Lactobac
illus plantarum)IFO 3070、
ラクトバシラス・サケ(Lactobacilluss
ake)IFO 3541、ラクトバシラス・アシドフ
ィラス(Lactobacillus acidoph
ilus)IFO 13952、ラクトバシラス・ヘル
ベティカス(Lactobacillus helve
ticus)IFO 3809、ラクトバシラス・ブレ
ビス(Lactobacillus brevis)I
FO 3345などがあり、この1種又は2種以上の使
用は、発酵バガス飼料の嗜好性を高めるのに好都合であ
る。
【0034】また、ペディオコッカス属及びストレプト
コッカス属に属する細菌、例えば、ペディオコッカス・
アシディラクティシ(Pediococcus aci
dilactici)IFO 3076、ストレプトコ
ッカス・ボビス(Streptococcus bov
is)IFO 12057などを用いることも有利に実
施できる。
【0035】アルカリ処理バガスの発酵処理は、アルカ
リ処理バガスに乳酸菌種菌と栄養源とを含有させて発酵
できればよく、通常、アルカリ処理バガスに栄養源と、
必要に応じて、適量の水とを配合し、これに乳酸菌の種
培養物を接種し、環境温度下で、望ましくは約15乃至
50℃の範囲で、例えば、プラスチックシートをカバー
するか、フレキシルバッグに詰めるか、ラッピングする
かなどして、嫌気下で約2乃至4日間発酵させて目的を
達成することができる。
【0036】栄養源としては、乳酸菌の増殖に役立つ栄
養源であるか、及び/又は、得られる発酵飼料バガスを
摂取する動物のための栄養源であればよく、通常、エネ
ルギー源、蛋白源、ミネラル源及びビタミン源から選ば
れる1種又は2種以上が用いられる。具体的には、例え
ば、糖蜜、砂糖、ぶどう糖、澱粉、有機酸、アルコー
ル、圧ぺん穀類、ソルガム、大麦、大麦ヌカ、砕米、米
ヌカ、小麦、小麦麩、とうもろこし、コーングルテンフ
ィード、脱脂大豆、大豆カゼイン、棉実、棉実粕、ナタ
ネ粕、ビール粕、牛乳、脱脂粉乳、ミルクカゼイン、ホ
エー、血粉、骨粉、フェザーミール、フィッシュミー
ル、尿素、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウ
ム塩、ナトリウム塩、燐酸塩、鉄塩、銅塩、亜鉛塩、水
溶性ビタミン、脂溶性ビタミンなどが適宜使用される。
【0037】前記栄養源を、一般的には、固形物当た
り、バガス使用量を越えない範囲で含有させるのが望ま
しい。また、適量の水を配合するとは、乳酸発酵が進行
しうる水分を下限とし、かつ、得られる発酵バガス飼料
から栄養物含有溶液が流失しないまでの水分量を配合す
ればよく、一般的には約40乃至90%、望ましくは、
約45乃至80%、保存性を重視するなら約45乃至6
0%が好適である。また、発酵バガス飼料の使用目的
が、例えば、単に粗飼料としてだけであるのか、又は、
バランスよく栄養源を含有させた完全飼料であるかによ
って、発酵時の栄養源の種類と量を適宜変更することが
できる。得られた発酵バガス飼料は、栄養源の使用状況
によっても変わってくるが、多くの場合、乳酸酸性で保
存性も高く、嗜好性も高い。必要ならば、その保存性を
更に高めるために、通風乾燥、加熱乾燥して水分を40
%未満、望ましくは、30%未満に低減させて、保存し
利用することも有利に実施できる。
【0038】このようにして得られた本発明の発酵バガ
ス飼料は、消化性も良く、嗜好性の高い高品質の飼料で
ある。この発酵バガス飼料は、主として反すう動物用飼
料として用いられるが、必要に応じて、豚、家禽などの
単胃動物用飼料として、とりわけ、整腸作用、感染予防
作用、糞の悪臭予防などを発揮する飼料としても用いる
ことができる。牛の場合、発酵バガス飼料の種類、成長
段階によっても異なるが、通常、本発酵飼料を、1日、
1頭当たり、約4乃至20kg又はそれ以上摂取し、1
日当たりの体重増加量は、約2kg以上、好適時には、
約2.5kg以上にも達する。
【0039】目的動物の種類、成長段階の違いなどによ
って、本発酵バガス飼料に、更に他の栄養源を配合して
利用することも有利に実施できる。
【0040】以下、本発明で用いるバガスのアルカリ処
理方法について、実験で詳細に説明する。
【0041】
【実験1 アルカリ処理バガスに与えるアルカリ剤の影
響】バガスに加水して水分70%とし、これに、アルカ
リ剤として、水酸化ナトリウム(NaOH)を、バガス
固形物当たり、3%、5%又は7%を、酸化カルシウム
(CaO)を、バガス固形物当たり、2%、3%、5%
又は7%をできるだけ均一に混合して、室温下で放置
し、得られるアルカリ処理バガスのpH変化、成分変
化、及び柔軟性を調べた。
【0042】pHは、混合直後、24時間目及び48時
間目にサンプリングして測定した。その方法は、アルカ
リ処理バガス標品1重量部に純水2重量部を加えて混合
し、10分間放置後、濾過し、濾液をpHメーターで測
定した。成分は、原料バガスと24時間目、48時間目
のものについて、それぞれ8点ずつサンプリングし、そ
れらのヘミセルロース、セルロース及びリグニン含量を
測定し、平均値を求めた。
【0043】測定方法は、『食物繊維』、第38乃至4
6頁(1982年)、第一出版株式会社発行に記載され
ている「3.1 Van Soestのdeterge
ntfilter法」に準じて測定した。なお、原料バ
ガスの成分の含量は、固形物当たり、ヘミセルロース2
8.7%、セルロース52.6%、リグニン11.9%
であった。
【0044】バガスの柔軟性は、薄手のプラスチック製
手袋をはめ、アルカリ処理バガスをにぎった際の柔軟性
の良否を感触で調べた。結果は、表1にまとめた。
【0045】
【表1】
【0046】表1において、ヘミセルロース、セルロー
ス及びリグニンの項の数値は、原料バガス中のそれらの
含量に対するアルカリ処理後の残存率(%)で示してい
る。
【0047】表1の結果から明らかなように、pH変化
についてみると、従来から使用されてきた水酸化ナトリ
ウムは、酸化カルシウムと比較して、pH低下が緩慢な
傾向にある。成分変化については、粗飼料として大切に
したいセルロース及びヘミセルロースが、水酸化ナトリ
ウムを用いることにより、著しく分解、損失することが
判明した。
【0048】これに対して、酸化カルシウムを用いたも
のは、セルロース及びヘミセルロースがほとんど損失せ
ず、飼料原料として極めて好都合であることが判明し
た。バガスの柔軟性については、いずれの試験区もよく
柔軟化されていた。
【0049】以上の結果から、アルカリ処理バガスを製
造するためのアルカリ剤として、酸化カルシウムが極め
て好適であることが判明した。
【0050】また、酸化カルシウムを利用したアルカリ
処理バガスは、pH低下が比較的早く、発酵バガス飼料
製造のための乳酸菌増殖pH域に達するのが早く、早期
に乳酸菌を接種することができるので、発酵バガス飼料
用原料として好適である。
【0051】
【実験2 アルカリ処理バガスに与える酸化カルシウム
と水酸化ナトリウムとの併用】実験1の方法に準じて、
バガスに加水して水分70%とし、これに酸化カルシウ
ム(CaO)をバガス固形物当たり2%又は3%ととも
に水酸化ナトリウム(NaOH)をバガス固形物当たり
1%、2%又は4%を混合して、得られるアルカリ処理
バガスのpH変化、成分変化及び柔軟性を調べた。結果
は、表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】表2の結果から明らかなように、アルカリ
処理剤として酸化カルシウムと水酸化ナトリウムとの併
用は、実験1で行った酸化カルシウム単独使用の場合に
似た傾向の長所が発揮されるという意外な事実が判明し
た。すなわち、いずれの試験区においても、酸化カルシ
ウム単独使用の場合と同様にセルロース及びヘミセルロ
ースの損失が少なく、柔軟性も充分であり、酸化カルシ
ウムと水酸化ナトリウムの併用の好適なことが判明し
た。
【0054】とりわけ、水酸化ナトリウムが、酸化カル
シウム使用量を越えない範囲で含有させるのが、有効成
分のセルロース及びヘミセルロースをよく残存し、しか
もリグニンの分解も進んで、柔軟性もよく、飼料用アル
カリ処理バガスとして好適であることが判明した。
【0055】以下、本発明を具体的に説明するために、
発酵バガス飼料の実施例を若干述べるが、本発明の技術
的範囲は、この実施例だけに限定されるものではない。
【0056】
【実施例1】バガスに加水して水分約70%とし、これ
に酸化カルシウムを、バガス固形物当たり4%混合し、
一夜放置してpH9.7のアルカリ処理バガスを得た。
このアルカリ処理バガス100重量部に、栄養源とし
て、糖蜜10重量部、棉実5重量部、尿素0.2重量部
及び食塩0.2重量部を配合した培地に、エンテロコッ
カス・ファエシウム FERM BP−4504の種培
養物を接種し、これをプラスチックシートでカバーして
室温下で2日間発酵させ、発酵バガス飼料を得た。
【0057】本品は、消化性が良く、嗜好性の高い高品
質の飼料であり、反すう動物用飼料として好適である。
また、この発酵バガス飼料に、他の栄養源を配合して、
更に飼料価値を高めたり、豚、家禽などの単胃動物用飼
料を製造することも有利に実施できる。
【0058】
【実施例2】バガスに加水して水分約70%とし、これ
に水酸化ナトリウムを、バガス固形物当たり3%混合
し、一夜放置してpH10.3のアルカリ処理バガスを
得た。このアルカリ処理バガス100重量部に、栄養源
として、糖蜜10重量部、圧ぺん穀類5重量部及び尿素
0.2重量部を配合した培地に、エンテロコッカス・フ
ァエシウム FERM BP−4504の種培養物を接
種し、実施例1と同様に発酵させ、発酵バガス飼料を得
た。
【0059】本品は、消化性が良く、嗜好性の高い高品
質の飼料であり、反すう動物用飼料として好適である。
また、この発酵バガス飼料に、他の栄養源を配合して、
更に飼料価値を高めたり、豚、家禽などの単胃動物用飼
料を製造することも有利に実施できる。
【0060】
【実施例3】バガスに加水して水分約60%とし、これ
にアルカリ剤として、水酸化カルシウムと水酸化ナトリ
ウムとを、バガス固形物当たり、それぞれ6%、1%混
合し、一夜放置して、pH約10.4のアルカリ処理バ
ガスを得た。このアルカリ処理バガス100重量部に、
栄養源として、小麦麩20重量部、糖蜜10重量部、燐
安0.2重量部及び水40重量部を配合した培地に、エ
ンテロコッカス・カッセリフラブス IFO 3531
及びラクトバシラス・プランタラム IFO3070の
種培養物をそれぞれ接種し、実施例1と同様に発酵さ
せ、発酵バガス飼料を得た。
【0061】本品は、消化性が良く、嗜好性の高い高品
質の飼料であり、反すう動物用飼料として好適である。
また、この発酵バガス飼料に、他の栄養源を配合して、
更に飼料価値を高めたり、豚、家禽などの単胃動物用飼
料を製造することも有利に実施できる。
【0062】
【実施例4】水分約47%のバガスに、アルカリ剤とし
て酸化カルシウムと水酸化ナトリウムとを、バガス固形
物当たり、それぞれ3%、2%混合し、一夜放置して、
pH約9.6のアルカリ処理バガスを得た。このアルカ
リ処理バガス100重量部に、栄養源として、小麦麩1
0重量部、脱脂大豆10重量部、コーンミール5重量
部、糖蜜10重量部、硫安0.2重量部及び水60重量
部を混合し、これにエンテロコッカス・フェカリス I
FO 3791及びラクトバシラス・ブレビスIFO
3345の種培養物をそれぞれ接種し、フレキシルバッ
グに充填して、室温下で2日間発酵させて発酵バガス飼
料を得た。
【0063】本品は、消化性が良く、嗜好性の高い高品
質の飼料であり、反すう動物用飼料として好適である。
また、この発酵バガス飼料に、他の栄養源を配合して、
更に飼料価値を高めたり、豚、家禽などの単胃動物用飼
料を製造することも有利に実施できる。
【0064】
【実施例5】水分約45%のバガスに、アルカリ剤とし
て酸化カルシウムと水酸化ナトリウムとを、バガス固形
物当たり、それぞれ2%ずつ混合し、一夜放置して、p
H約10.3のアルカリ処理バガスを得た。このアルカ
リ処理バガス100重量部に栄養源として、小麦麩20
重量部、圧ぺん大麦5重量部、米ヌカ5重量部、糖蜜1
0重量部、ホエー5重量部及び水70重量部を混合し、
これに、エンテロコッカス・ファエシウム FERM
BP−4504、ラクトバシラス・ラムノサスIFO
3532、ラクトバシラス・アシドフィラス IFO
13952の種培養物をそれぞれ接種し、フレキシルバ
ッグに充填して、室温下で3日間発酵させて、発酵バガ
ス飼料を得た。
【0065】本品は、消化性が良く、嗜好性の高い高品
質の飼料であり、反すう動物用飼料として好適である。
また、この発酵バガス飼料に、他の栄養源を配合して、
さらに飼料価値を高めたり、豚、家禽などの単胃動物用
飼料を製造することも有利に実施できる。
【0066】
【実施例6】実施例4の方法で得た発酵バガス飼料を熱
風乾燥して、水分約20%の乾燥発酵バガス飼料を製造
した。
【0067】本品は、消化性が良く、嗜好性の高い高品
質の飼料で、その保存性もよく、遠方への移送にも適し
ている。
【0068】
【実施例7】体重400乃至500kgの牛20頭に、
実施例4の方法で得た発酵バガス飼料を与えて60日間
飼育した。発酵バガス飼料の嗜好性は高く、1日当たり
の摂取量は約20乃至25kgにもなり、その健康状
態、肥育状況は良好で、1日当たりの平均体重増加量は
約2.1kgであった。
【0069】
【発明の効果】上記したことから明らかなように、本発
明によって、大量の未利用農産廃棄物であるバガスか
ら、アルカリ剤を用いてアルカリ処理バガスを製造し、
これにpH9.5以上又は塩化ナトリウム濃度6.5%
の培地で増殖能を有する乳酸菌を接種し発酵させて、消
化性が良く、嗜好性の高い高品質の発酵バガス飼料が、
容易に短期間に製造し得ることとなった。
【0070】本発明は、単に、廃棄物処理に困っている
製糖業者や、粗飼料不足に悩む牧畜業者を救うにとどま
らず、その影響は、農業分野、甘味料分野、飼料分野及
び畜産加工分野など極めて広範に及ぶ。更に、これを大
きく地球規模からながめたとき、人の食糧と全く競合せ
ず、毎年大量に生産される未利用バイオマスであるバガ
スから、新たに、人の食糧となる畜肉製品、乳製品を大
量に提供することとなり、正に、環境破壊、人口爆発、
食糧危機などの難題をかかえている地球の未来を救う新
技術の確立と言っても過言ではなく、その影響の大きさ
は計り知れないものがある。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ処理バガスに、pH9.5以上
    又は塩化ナトリウム濃度6.5w/w%の培地で増殖能
    を有する乳酸菌種菌及び栄養源を含有せしめて発酵させ
    ることにより得られる発酵バガス飼料。
  2. 【請求項2】 アルカリ処理バガスが、セルロース及び
    ヘミセルロースの分解が抑制された状態で柔軟化したも
    のであることを特徴とする請求項1記載の発酵バガス飼
    料。
  3. 【請求項3】 乳酸菌種菌として、エンテロコッカス属
    又はエンテロコッカス属とともにラクトバシラス属、ペ
    ディオコッカス属及びストレプトコッカス属に属する乳
    酸菌から選ばれる1種又は2種以上の種菌を用いること
    を特徴とする請求項1又は2記載の発酵バガス飼料。
  4. 【請求項4】 エンテロコッカス属に属する乳酸菌が、
    エンテロコッカス・ファエシウム FERM BP−4
    504であることを特徴とする請求項3記載の発酵バガ
    ス飼料。
  5. 【請求項5】 栄養源が、エネルギー源、蛋白源、ミネ
    ラル源及びビタミン源から選ばれる1種又は2種以上で
    あることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の発
    酵バガス飼料。
  6. 【請求項6】 栄養源を、固形物当たり、バガス使用量
    を越えない範囲で含有させることを特徴とする請求項5
    記載の発酵バガス飼料。
  7. 【請求項7】 アルカリ処理バガスに、pH9.5以上
    又は塩化ナトリウム濃度6.5w/w%の培地で増殖能
    を有する乳酸菌種菌及び栄養源を含有せしめて発酵さ
    せ、これを採取することを特徴とする発酵バガス飼料の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 アルカリ処理バガスが、セルロース及び
    ヘミセルロースの分解が抑制された状態で柔軟化したも
    のであることを特徴とする請求項7記載の発酵バガス飼
    料の製造方法。
  9. 【請求項9】 乳酸菌種菌として、エンテロコッカス属
    又はエンテロコッカス属とともにラクトバシラス属、ペ
    ディオコッカス属及びストレプトコッカス属に属する乳
    酸菌から選ばれる1種又は2種以上の種菌を用いること
    を特徴とする請求項7又は8記載の発酵バガス飼料の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 エンテロコッカス属に属する乳酸菌
    が、エンテロコッカス・カッセリフラブス、エンテロコ
    ッカス・ズランス、エンテロコッカス・フェカリス、エ
    ンテロコッカス・ファエシウム及びエンテロコッカス・
    ヒラエから選ばれ、ラクトバシラス属に属する乳酸菌
    が、ラクトバシラス・ラムノサス、ラクトバシラス・プ
    ランタラム、ラクトバシラス・サケ、ラクトバシラス・
    アシドフィラス、ラクトバシラス・ヘルベティカス及び
    ラクトバシラス・ブレビスから選ばれることを特徴とす
    る請求項9記載の発酵バガス飼料の製造方法。
  11. 【請求項11】 アルカリ処理バガスに、pH9.5以
    上又は塩化ナトリウム濃度6.5w/w%の培地で増殖
    能を有する乳酸菌種菌及び栄養源を含有せしめて発酵さ
    せ、得られる発酵バガス飼料を家畜に与えて飼育するこ
    とを特徴とする家畜の飼育方法。
  12. 【請求項12】 アルカリ処理バガスが、セルロース及
    びヘミセルロースの分解が抑制された状態で柔軟化した
    ものであることを特徴とする請求項11記載の家畜の飼
    育方法。
  13. 【請求項13】 乳酸菌種菌として、エンテロコッカス
    属又はエンテロコッカス属とともにラクトバシラス属、
    ペディオコッカス属及びストレプトコッカス属に属する
    乳酸菌から選ばれる1種又は2種以上の種菌を用いるこ
    とを特徴とする請求項11又は12記載の家畜の飼育方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111202168A (zh) * 2020-01-17 2020-05-29 安徽省农业科学院农产品加工研究所 一种大豆黄浆水发酵的生物活性饲料及其制备方法

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