JPH07231618A - 整流子型回転電機の電機子 - Google Patents

整流子型回転電機の電機子

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JPH07231618A
JPH07231618A JP6316802A JP31680294A JPH07231618A JP H07231618 A JPH07231618 A JP H07231618A JP 6316802 A JP6316802 A JP 6316802A JP 31680294 A JP31680294 A JP 31680294A JP H07231618 A JPH07231618 A JP H07231618A
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armature coil
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正巳 新美
Hideki Ichikawa
秀樹 市川
Hiroaki Tamemoto
広昭 爲本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来より格段に整流子型回転電機の高速回転、
小型軽量化が可能な整流子型回転電機の電機子を提供す
る。 【構成】電機子鉄心11のスロット13に収容される上
側導体部(電機子コイル)の両端から径内方向へ延設さ
れる一対の電機子コイル保持部20b、20dと、両保
持部20b、20dから軸方向へ突出する一対の突出部
20g、20hとからなる外側導体20、及び、外側導
体20と同一構成を有し、外側導体20よりも電機子鉄
心11側に内在する内側導体21とを有する。外側導体
20の突出部20gと内側導体21の突出部21gは互
いに接触し、突出部20g、21gの先端部は溶接され
て球状接合部Lとなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は整流子型回転電機の電機
子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の整流子型回転電機の電機子は、回
転軸から電気絶縁されて回転軸の周囲にそれぞれ周方向
へ並べられた複数の整流子片を有している。特開昭63
ー194541号公報は、回転軸に嵌められたモールド
樹脂筒(絶縁材)の表面部に軸方向外に伸びるブラシ接
触部を部分的に埋め込み、かつモールド樹脂筒の内部に
周方向に傾斜しつつ軸方向へ延伸する内側導体を埋め込
み、ブラシ接触部の一端から径方向へ外側ライザ部を延
伸させ、この外側ライザ部と電機子鉄心との間にてこれ
ら両者から電気絶縁しつつ前記内側導体の一端から径方
向に内側ライザ部を延伸させてなる整流子片を開示して
いる。このようにすれば、コイルエンドを省略すること
ができる。
【0003】また、整流子片を径方向に放射状に配列し
たサーフェイス型整流子も知られている。サーフェイス
型整流子では、整流子片を上記モールド樹脂筒の外周部
に担持しなくてもよいので、高速回転において有利であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自動車
用のスタータなどに用いられる整流子式小型直流電動機
では、特に小型軽量化が要求され、内部に減速機構を採
用し、電動機を小型高速化する手段が採用されている。
そのため、より高速回転に耐えうるためには、回転子で
ある電機子の耐遠心強度が高くなければならない。
【0005】特に、その外周部において整流子片を担持
するモールド樹脂筒は整流子片をその遠心力に抗して保
持しなければならず、さらに整流子片の抵抗発熱及びブ
ラシによる摩擦熱の影響を受けるので、大きな熱的、機
械的負荷が掛かる。サーフェイス型整流子では、電機子
コイルを必要ピッチ湾曲するために電機子鉄心の端面か
ら電機子コイルのコイルエンド収容空間を介してこのサ
ーフェイス型整流子を配設し、更にその外側にブラシを
横置きせねばならず、モータの軸方向長及び体格、重量
が増大するという問題がある。また、コイルエンドに掛
かる遠心力によりモータの高速回転が制限されるという
問題がある。
【0006】一方、上記公報の整流子片は、径大なライ
ザ部を有するので、半径の二乗に比例する整流子片の遠
心力が従来より格段に増大し、それを担持するモールド
樹脂筒の負担が大きく、モータを高速回転することがで
きないという問題を内包する。また、モールド樹脂筒中
に整流子片すなわちブラシ接触部及び内側導体の両方を
径方向に二段に担持せねばならず、モールド樹脂筒の負
担は従来の場合より一層苛酷となっている。また、ブラ
シとの摩擦によりブラシ接触部で発した摩擦熱を両ライ
ザ部まで伝達する必要があるので、ブラシ接触部や内側
軸方向導体部を支持するモールド樹脂筒はかなり高温と
なってしまう。更に、内側導体を周方向に斜設せねばな
らないので、モールド樹脂筒の軸方向長を短縮できない
不具合がある。
【0007】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
であり、従来より格段に整流子型回転電機の高速回転、
小型軽量化が可能な整流子型回転電機の電機子を提供す
ることをその目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の整流子型回転電
機の電機子は、電機子鉄心のスロットに収容される上側
導体部と、外径端が前記上側導体部の一端に電気的に接
続されて前記電機子鉄心のブラシ側の端面に沿って径内
方向へ延設されるとともに軸方向の外端面がブラシ摺動
面をなす第一の電機子コイル保持部と、外径端が前記上
側導体部の他端に電気的に接続されて前記電機子鉄心の
反ブラシ側の端面に沿って径内方向へ延設される第二の
電機子コイル保持部と、前記第一の電機子コイル保持部
の径方向内端部から軸方向反電機子鉄心側へ突出する第
一の突出部と、前記第二の電機子コイル保持部の径方向
内端部から軸方向反電機子鉄心側へ突出する第二の突出
部とを有する外側導体と、前記上側導体部の内側に位置
して前記電機子鉄心のスロットに収容される下側導体部
と、外径端が前記下側導体部の一端に電気的に接続され
て前記電機子鉄心のブラシ側の端面と前記第一の電機子
コイル保持部との間を径内方向へ延設される第三の電機
子コイル保持部と、外径端が前記下側導体部の一端に電
気的に接続されて前記電機子鉄心の反ブラシ側の端面と
前記第二の電機子コイル保持部との間を径内方向へ延設
される第四の電機子コイル保持部と、前記第三の電機子
コイル保持部の径方向内端部から前記第一の突出部の内
径側端面に接しつつ軸方向反電機子鉄心側へ突出する第
三の突出部と、前記第四の電機子コイル保持部の径方向
内端部から前記第三の突出部の内径側端面に接しつつ軸
方向反電機子鉄心側へ突出する第四の突出部とを有する
内側導体と、前記第三、第四の電機子コイル保持部を前
記第一、第二の電機子コイル保持部及び前記電機子鉄心
から電気絶縁する絶縁材と、前記第一、第三の突出部の
先端部を溶接してなる球状接合部と、前記第二、第四の
突出部の先端部を溶接してなる球状接合部と、を備える
ことを特徴としている。
【0009】好適な態様において、前記電機子鉄心が嵌
着される回転軸に嵌着されて前記球状接合部を係止する
カラーを有する。
【0010】
【作用及び発明の効果】本発明によれば、コイルエンド
が省略できるので、その耐遠心力により高速回転が制約
されることがなく、かつモータの軸方向長及び体格、重
量を縮小できる。また、従来のようにモールド樹脂筒の
表面部より第一の電機子コイル保持部を担持する必要は
なく、モールド樹脂筒自体が不要となるので、従来のモ
ールド樹脂筒の熱的、機械的負荷により高速回転、高出
力化が制約されることがなく、かつ、モールド樹脂筒の
省略分だけモータの軸方向長及び体格、重量を減少でき
る。その上、ブラシによる摩擦熱は第一の電機子コイル
保持部において発生するが、この第一の電機子コイル保
持部はその表面に沿って遠心方向に生起される空気流に
より良好に冷却されることができ、また大熱容量をもつ
電機子鉄心に一時的に良好に吸収されるので、整流子が
モータの耐熱温度を制約するということがない。
【0011】更に本発明によれば、第一、第三の突出部
の先端部及び第二、第四の突出部の先端部が溶接されて
球状接合部となっているので、以下の効果を奏する。ま
ず、接合が強固となり、電気抵抗が減少する。次に、溶
接により球状接合部となっているので、溶接により溶解
したこれら突出部は溶接前にはもっと幅広の形状、例え
ば周方向に隣接する突出部が互いに密接する形状とする
ことができる。
【0012】好適な態様によれば、各球状接合部はカラ
ーにより回転軸に係止されるので、電機子コイルを簡単
かつ強固に係止することができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図に示す実施例に基づいて説
明する。図1は本発明の一実施例を示す整流子型回転電
機の軸方向断面図であり、図7はその整流子部分の拡大
軸方向断面図である。回転軸10のほぼ中央部には円盤
状の鋼板15を複数積層して形成した電機子鉄心11が
嵌装されており、電機子鉄心11の外周面には複数のス
ロット13が形成され、その内部には電機子コイル(上
側導体部)20e、電機子コイル(下側導体部)21e
が上下二段に巻装されている。
【0014】電機子コア11の右端面には後述の整流子
部40が形成され、また、左端面には後述の反整流子部
90が形成されて電動機の電機子(回転子)を構成して
いる。回転軸10の両端は、電動機のエンドフレーム6
0に取り付けた軸受け61と図示しない部材に取り付け
た軸受け62により軸支され、エンドフレーム60は、
円筒鋼板からなるヨーク70の開口を遮蔽している。ヨ
ーク70の内周面には界磁コイル50が巻装された磁極
コア51が電機子鉄心11の周囲に近接して4個、互い
に周方向に90度離れて固定されており、これらヨーク
70、界磁コイル50及び磁極コア51が固定子を構成
している。なお、12は回転軸10上に設けられたギヤ
で、図示されない減速機構部(例えば遊星歯車減速機
構)のギヤと噛み合い、そして、回転軸10の回転を前
記図示されないギヤに伝える。
【0015】エンドフレーム60にはブラシホルダ80
が固定されており、その内側にはブラシ81が軸方向摺
動自在に保持されている。そして、ブラシホルダ80内
に設けられたスプリング82によってブラシ81は後述
する整流子部40の第一の電機子コイル保持部20bに
押接されている。次に、整流子部40、反整流子部9
0、電機子コイル20e及び電機子コイル21eをさら
に詳細に説明する。
【0016】電機子鉄心11の右端面には、絶縁材21
aを挟んで第三の電機子コイル保持部21bが配置さ
れ、その表面に絶縁材20aを挟んで第一の電機子コイ
ル保持部20bが配置されている。また、左端面には、
絶縁材21cを挟んで第四の電機子コイル保持部21d
が配置され、その表面に絶縁材20cを挟んで第二の電
機子コイル保持部20dが配置されている。絶縁材21
a、第三の電機子コイル保持部21b、絶縁材20a及
び第一の電機子コイル保持部20dは整流子部(ブラシ
側)40を構成しており、絶縁材21c、第四の電機子
コイル保持部21d、絶縁材20c及び第二の電機子コ
イル保持部20dは反整流子部(反ブラシ側)90を構
成している。
【0017】上側導体部(電機子コイル)20eと第一
の電機子コイル保持部20bと第二の電機子コイル保持
部20dと後述する突出部20g、20hが銅等の材料
で一体的に結合されて外側導体20を構成している。ま
た、下側導体部(電機子コイル)21eと第三の電機子
コイル保持部20dと第四の電機子コイル保持部21d
と後述の突出部21g、21hは内側導体21を構成し
ている。
【0018】突出部20g、20hは電機子コイル保持
部20b、20dから個別に軸方向反電機子鉄心方向へ
突出している。突出部21g、21hは電機子コイル保
持部21b、21dから個別に軸方向反電機子鉄心方向
へ突出している。突出部20gの内径側端面は突出部2
1gの外径側端面に当接している。突出部20hの内径
側端面は突出部21hの外径側端面に当接している。
【0019】また、外側導体20の表面の内、整流子部
40(特にブラシ摺接面)、突出部20g、20hの内
径側端面を除く部分に絶縁被膜が塗布、焼付、巻付、接
着等によって形成されている。内側導体21にも、外側
導体20と同様な方法で、突出部21g、21hの外径
側端面周を除く部分に絶縁被膜が形成されている。第一
の電機子コイル保持部20bと第三の電機子コイル保持
部21bは各々の突出部20g、21gにて溶接により
接続されている。またこれとは逆側にて第二の電機子コ
イル保持部20dと第四の電機子コイル保持部21dが
突出部20h、21hにて溶接により接続されている。
この接続にて電機子コイル結線がなされる。
【0020】図2に外側導体20と内側導体21との結
線図の一実施例を示す。実線部が外側導体20、破線部
が内側導体21を表す。図2の実施例は一重波巻結線と
したが、もちろん、重巻など他の巻線形式も採用するこ
とができる。ここで図中Ybは反整流子部90側で接続
される上側導体の電機子コイルと下側導体の電機子コイ
ル間のピッチからなるバックピッチである。Yfは整流
子部40側で接続される上側導体の電機子コイルと下側
導体の電機子コイル間のピッチからなるフロントピッチ
である。
【0021】図3に示すように、従来のモータでは電機
子コイルのコイルエンドにて行ってきた電機子コイルの
スロット内導体間の接続配線は、上述した実施例で内側
導体21の第三の電機子コイル保持部21b及び外側導
体20の第一の電機子コイル保持部20bの略渦巻き状
の湾曲により代替される。もちろん、図3に示すように
両者の渦巻き方向は反対となる。さらに説明すれば、突
出部20g、21gが互いに接続された第一の電機子コ
イル保持部20b及び第三の電機子コイル保持部21b
の各外端はフロントピッチだけ周方向にシフトすること
になる。そのため、この実施例では、第三の電機子コイ
ル保持部21b及び第一の電機子コイル保持部20b
は、それぞれ略1/2フロントピッチだけ湾曲するもの
とするが、湾曲又は屈折形状は設計自由であり、第一の
電機子コイル保持部20bを放射状に配置し、第三の電
機子コイル保持部21bを大きく湾曲させてもよい。
【0022】第一の電機子コイル保持部20bの突出部
20gは電機子回転軸10に固着されたカラー30の内
径部に絶縁部材32を介して嵌合されておりカラー30
は同時に電機子コイル保持部20b、21bを電機子鉄
心側へ押圧、保持している。同様に、第二の電機子コイ
ル保持部20dの突出部20hも、第四の電機子コイル
保持部21dの突出部21hに溶接された後、電機子回
転軸10に固着されたカラー31の内径部に絶縁部材3
3を介して嵌合されており、カラー31は同時に第二、
第四の電機子コイル保持部20d、21dを電機子鉄心
側へ押圧、保持している。
【0023】図4に、第一の電機子コイル保持部20b
と第三の電機子コイル保持部21bの突出部20g、2
1gの接続前の状態を示す。突出部20gの軸方向先端
には周方向幅広部20kが形成されている。突出部21
gの軸方向先端にも周方向幅広部21kが形成されてい
る。この実施例では、第一の電機子コイル保持部20b
は外径部では電機子鉄心11のスロット13に第一の電
機子コイル保持部20bと一体となった電機子コイル2
0eが挿入されて周方向に位置決めされ、内径部では上
記のように第一の電機子コイル保持部20bと一体とな
った突出部20gの軸方向先端の各周方向幅広部20k
が周方向に互いに隣接して接触することにより周方向に
位置決めされ、その結果、各第一の電機子コイル保持部
20bが周方向に均等に配置される。
【0024】また、第三の電機子コイル保持部21bも
外径部では電機子鉄心11のスロット13に第三の電機
子コイル保持部21bと一体となった電機子コイル21
eが挿入されて周方向に位置決め配置され、内径部では
上記のように第三の電機子コイル保持部21bと一体と
なった突出部21gの軸方向先端の各周方向幅広部21
kが周方向に互いに隣接して接触することにより周方向
に位置決めされ、その結果、各第三の電機子コイル保持
部21bが周方向に均等に配置される。
【0025】突出部20gの軸方向先端の周方向幅広部
20kと、突出部21gの軸方向先端の周方向幅広部2
1kの幅は、互いに周方向幅の中心を概略一致させて配
置する。第二の電機子コイル保持部20dと第四の電機
子コイル保持部21dにおける突出部20h、21hを
接続する前の配置状態も上記と同様である。
【0026】図5に、第一の電機子コイル保持部20b
と第三の電機子コイル保持部21bの突出部20g、2
1gを溶接した状態を説明する。突出部20g、21g
の軸方向先端部である周方向幅広部20k、21kがT
IG溶接等により溶融すると、この溶融先端部は自身の
表面張力により球状に近い形状となり、径方向寸法は大
きくなり、逆に周方向の幅寸法は小さくなる。すなわ
ち、径方向より周方向に広い元の周方向幅広部20k、
21kの形状から、球状に変化し、そのまま凝固して球
状の球状接合部Lとなる。
【0027】したがって、突出部20g、21gの周方
向幅広部20k、21kが球状接合部Lとなったこと
は、周方向幅広部20k、21kの周方向の幅寸法が小
さくなったことであり、これにより、周方向に隣接する
各突出部20g、21g間には周方向ギャップxが確実
に設けられることになる。即ち、第一の電機子コイル保
持部20bと第三の電機子コイル保持部21bの接続と
同時に、隣合う各第一の電機子コイル保持部21b間、
および隣合う各第三の電機子コイル保持部21b間に周
方向に間隙部が確実に形成される。
【0028】電機子鉄心11の上記とは逆側の端面部で
は第三の電機子コイル保持部と同様に突出部20h、2
1hにて周方向幅広部の溶融をともなう溶接により、球
状接合部を形成し、同様の作用効果を奏することができ
る。なお上記接続によって、周方向に隣接する第一の電
機子コイル保持部20b、20bの間に形成された筋状
の隙間20fは整流子のアンダカットとなる。
【0029】なおこの実施例では、突出部20g、21
gは図4(c)に示すように、軸方向反電機子鉄心側へ
向けて次第に周方向幅が広くなっており、軸方向反電機
子鉄心側の各先端だけが互いに当接している。すなわ
ち、周方向幅広部20k、21kは突出部20g、21
gのほとんど先端だけとなっている。したがって、この
部分を加熱させて溶融させると、各周方向幅広部20
k、21kを含む突出部20g、21gは互いに独立の
球状接合部となり、周方向に隣接する突出部20g、2
1gが一体に溶接されることはない。また、周方向に一
個置きの突出部20g、21gをまず一度に溶接し、次
に残りの突出部20g、21gを一度に溶接することも
できる。
【0030】次にカラー30、31について図7を参照
して説明する。突出部20gの球状接合部Lには、回転
軸10に固着されたカラー30が絶縁部材32を介して
当接している。同様に、突出部20hの外周部には回転
軸10に固着されたカラー31が絶縁部材33を介して
当接している。カラー30は、アルミなどの軟質金属か
らなる整流子固定部材であって、図7に示すように、回
転軸10に嵌着される内筒部30aと、内筒部30aの
基端部から外径方向へ伸びる輪板部30bと、輪板部3
0bの外径端から電機子鉄心11へ向けて伸びる外筒部
30cとからなり、輪板部30bの内径端部は回転軸1
0の環状溝10aに嵌入する膨出部30dを有してい
る。カラー31もカラー30と同じ構造となっている。
【0031】絶縁部材32も、カラー30の内筒部30
aの外周面に接する内筒部と、カラー30の輪板部30
bの電機子鉄心11側の表面に接する輪板部と、外筒部
30cの電機子鉄心11側の内周面に接する外筒部とを
有し、絶縁部材32は突出部20g、21gをカラー3
0から電気的に絶縁している。また、絶縁部材33も絶
縁部材32と同じ構造となっている。
【0032】カラー30、31は絶縁材32、33とと
もに圧入され、この時の力により軟質合金例えばアルミ
合金からなるカラー30、31が塑性変形してその膨出
部30dが回転軸10の環状溝10aに突出し、カラー
30、31の変位を規制する。 (効果)以上の説明から明らかなように、本実施例によ
れば電機子コイル20e、21eのコイルエンドが内側
導体21の第三の電機子コイル保持部21bなどに置換
されたと考えられるので、電機子の軸方向長を格段に短
縮し、モータ体格、重量を小型軽量化することができ
る。また、樹脂系絶縁材(本発明でいう絶縁材)21
a、20aと第三の電機子コイル保持部21b、第一の
電機子コイル保持部20bとの接触界面に対して遠心力
が平行方向に働くので整流子部40の耐遠心力性能の向
上が図れる。また、ブラシ81との摺接面積も体格増大
を図ることなく実現することができる。さらに、第一の
電機子コイル保持部20bで発生する抵抗熱及び摩擦熱
は必然的に生じる遠心空気流により吸収され、特に全閉
型のスタ−タ用の電動機に適している。特に減速機構を
採用して小型、高速化する場合にはその効果は絶大であ
る。
【0033】本発明者らの試験結果によれば、1.4K
W、30秒定格の電動機でかつブラシの整流子部との温
度差が50℃であったものが、本発明品では15℃とな
った。さらに、外側導体20が一体に形成され、内側導
体21も一体に形成されているので、接続抵抗が低減さ
れ、回転電機の高速回転化が可能となる。
【0034】更に、外側導体20と内側導体21とを球
状接合部Lに嵌着されるカラーにより係止しているの
で、外側導体20と内側導体21との耐遠心力性能が向
上する。加えて本実施例では、従来の電機子では銅線を
所要形状に併せて巻線、コイルエンドにひねりを加え湾
曲させながら整流子の所定位置へ接続するという複雑か
つ正確を要求されていた電機子コイルを這い廻しを、外
側導体20及び内側導体21を一体に形成しておき、こ
れらを電機子鉄心11のスロット外径側から挿入する
(図6参照)という非常に簡単な作業に代替している。
この挿入工程において、導体20、21の外径部では電
機子コイル20e、21eがスロット13により自動的
に周方向の位置決めがなされ、導体20、21の内径部
では突出部20g、20h、21g、21hの各々相隣
合うものが組付時に当接することにより自動的に周方向
位置決めがなされる。またこの突出部20g、20h、
21g、21hの各周方向幅広部20k、21kの当接
は、溶接によりそれらの周方向幅を減少して自動的に周
方向隙間を形成することができる。
【0035】また導体20、21はカラー30、31に
よって径、軸両方向とも固定されるため、従来の電機子
のように電機子コイルを電機子鉄心に固着させる必要は
なく、従って電機子鉄心のスロット13に樹脂を含浸す
る電機子コイル固着処理も不要である。しかし、この固
着処理を行っても、支障はない。 (その他の実施例)溶接は、TIG溶接による他、他の
アーク溶接やレーザービーム溶接等によっても良い。
【0036】また、各電機子コイル保持部20b、21
b、20d、21dの溶接の前又は後で外力により、球
状接合部Lや突出部20g、21g、20h、21hな
どを変形することも可能である。電機子コイルの絶縁被
膜の強度、絶縁性が十分なら絶縁材20a、21a、2
0c、21cの一部または全部を廃止しても良い。
【0037】カラー30、31は実施例では金属製とし
たが、樹脂等絶縁物または金属に絶縁性の表面処理を施
したものでも良い。この時、絶縁材32、33は不要と
なる。カラー30、31の回転軸10への固着は図7に
拡大図示するようになっているが、カラー30、31の
形状はテ−パ嵌合などの簡単なものでもよい。図8にカ
ラー30、31の変形例を示す。
【0038】整流子部40に当たる電機子コイル保持部
20b、21bにも予め絶縁被膜を付着させ、電機子組
付途中または組付後にこの部分を切削して整流子部40
の絶縁被膜を切削排除しても良い。この場合、電機子コ
イル絶縁被膜付着処理作業性が向上する。更に、上記実
施例では巻線界磁式の直流電動機について説明している
が、本発明はこれに限らず永久磁石により界磁磁を発生
する磁石界磁式直流電動機、さらには他の交流式整流子
電動機にも適用し得ることは明らかである。
【0039】更に上記実施例では、両側の突出部20
g、21g、20h、21hをそれぞれ球状接合部Lと
したが、どちらか一方だけとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した整流子型回転電機の一実施例
を示す軸方向断面図である。
【図2】電機子コイルの結線図である。
【図3】外側導体20の配置を示す斜視図である。
【図4】(a)は電機子コイル保持部20b、21bの
溶接前の状態を示す軸方向断面図であり、(b)はその
軸方向矢視正面図であり、(c)はその突出部20gを
拡大図示する要部拡大平面図である。
【図5】(a)は電機子コイル保持部20b、21bの
溶接後の状態を示す軸方向断面図であり、(b)はその
軸方向矢視正面図であり、(c)はその突出部20gを
拡大図示する要部拡大平面図である。
【図6】導体20、21をスロット13に内径方向へ挿
入する状態を示す図である。
【図7】カラー30の固着状態を示す一部拡大軸方向断
面図である。
【図8】カラー30の変形例を示す一部拡大軸方向断面
図である。
【符号の説明】
11は電機子鉄心、13はスロット、20は外側導体、
20eは電機子コイル(上側導体部)、20bは第一の
電機子コイル保持部、20dは第二の電機子コイル保持
部、20gは第一の突出部、20hは第二の突出部、2
1は内側導体、21eは電機子コイル(下側導体部)、
21bは第三の電機子コイル保持部、21dは第四の電
機子コイル保持部、21gは第三の突出部、21hは第
四の突出部、20a、21a、20c、21cは絶縁
材、Lは球状接合部、30、31はカラー。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電機子鉄心のスロットに収容される上側導
    体部と、外径端が前記上側導体部の一端に電気的に接続
    されて前記電機子鉄心のブラシ側の端面に沿って径内方
    向へ延設されるとともに軸方向の外端面がブラシ摺動面
    をなす第一の電機子コイル保持部と、外径端が前記上側
    導体部の他端に電気的に接続されて前記電機子鉄心の反
    ブラシ側の端面に沿って径内方向へ延設される第二の電
    機子コイル保持部と、前記第一の電機子コイル保持部の
    径方向内端部から軸方向反電機子鉄心側へ突出する第一
    の突出部と、前記第二の電機子コイル保持部の径方向内
    端部から軸方向反電機子鉄心側へ突出する第二の突出部
    とを有する外側導体と、 前記上側導体部の内側に位置して前記電機子鉄心のスロ
    ットに収容される下側導体部と、外径端が前記下側導体
    部の一端に電気的に接続されて前記電機子鉄心のブラシ
    側の端面と前記第一の電機子コイル保持部との間を径内
    方向へ延設される第三の電機子コイル保持部と、外径端
    が前記下側導体部の一端に電気的に接続されて前記電機
    子鉄心の反ブラシ側の端面と前記第二の電機子コイル保
    持部との間を径内方向へ延設される第四の電機子コイル
    保持部と、前記第三の電機子コイル保持部の径方向内端
    部から前記第一の突出部の内径側端面に接しつつ軸方向
    反電機子鉄心側へ突出する第三の突出部と、前記第四の
    電機子コイル保持部の径方向内端部から前記第三の突出
    部の内径側端面に接しつつ軸方向反電機子鉄心側へ突出
    する第四の突出部とを有する内側導体と、 前記第三、第四の電機子コイル保持部を前記第一、第二
    の電機子コイル保持部及び前記電機子鉄心から電気絶縁
    する絶縁材と、 前記第一、第三の突出部の先端部を溶接してなる球状接
    合部と、 前記第二、第四の突出部の先端部を溶接してなる球状接
    合部と、 を備えることを特徴とする整流子型回転電機の電機子。
  2. 【請求項2】前記電機子鉄心が嵌着される回転軸に嵌着
    されて前記球状接合部を係止するカラーを有する請求項
    1記載の整流子型回転電機の電機子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP4057230B2 (ja) * 2000-10-03 2008-03-05 古河電気工業株式会社 絶縁被覆電気導体

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