JPH07231561A - ネットワーク配電系統の保護システム - Google Patents

ネットワーク配電系統の保護システム

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JPH07231561A
JPH07231561A JP4062594A JP4062594A JPH07231561A JP H07231561 A JPH07231561 A JP H07231561A JP 4062594 A JP4062594 A JP 4062594A JP 4062594 A JP4062594 A JP 4062594A JP H07231561 A JPH07231561 A JP H07231561A
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JP
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circuit breaker
network
current
protection
failure
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Application number
JP4062594A
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English (en)
Inventor
Yukihisa Okamura
幸壽 岡村
Takashi Ganji
崇 元治
Osamu Nakamura
脩 中村
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Central Research Institute of Electric Power Industry
Kansai Electric Power Co Inc
Original Assignee
Central Research Institute of Electric Power Industry
Kansai Electric Power Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 確実な故障区間の限定と切り離しを行うネッ
トワーク配電系統の保護システムを提供することを目的
としている。 【構成】 ネットワーク配電系統は変電所主変圧器1に
フィーダ遮断器2A,2B,2Cを介して一次フィーダ
3A,3B,3Cを接続し、一次フィーダ3A,3B,
3Cから分岐した複数の受電回路4a,4bからネット
ワーク変圧器6a,6b、プロテクタ遮断器7a,7
b、限流遮断器8a,8bを介してネットワーク母線1
1aに接続し、区分開閉器12bを介してグリッドケー
ブル13bに接続し、グリッドケーブル13bで隣接す
るネットワーク母線11bに連携している。保護制御手
段20は、ネットワーク母線11a等の電圧変化幅の整
定値を受電回線数だけ設け、故障発生時に定常状態から
変化する電圧変化幅の大きさに応じて遮断する限流遮断
器8a,8b等の保護手段の数を制限している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ネットワーク配電系統
において発生する故障を保護できるネットワーク配電系
統の保護システムに関する。
【0002】更に詳述すると、本発明は、ネットワーク
配電系統において考え得るすべての故障箇所に対して確
実に対応できる保護制御手段を備えたネットワーク配電
系統の保護システムに関する。
【0003】
【従来の技術】この種のレギュラーネットワーク配電系
統は、一般負荷の需要密度の高い地域に高供給信頼度で
電力を供給できる方式として知られている。
【0004】図4に、かかる従来のレギュラーネットワ
ーク配電系統およびその保護システムを示す。図4にお
いて、レギュラーネットワーク配電系統は次のように構
成されている。変電所主変圧器101の二次側には、変
電所フィーダ遮断器102Aを介して一次フィーダ10
3Aが、変電所フィーダ遮断器102Bを介して一次フ
ィーダ103Bが、及び変電所フィーダ遮断器102C
を介して一次フィーダ103Cが、それぞれ接続されて
いる。一次フィーダ103Aには、受電回路104a、
断路器105aを介してネットワーク変圧器106aの
一次捲線が接続されている。前記ネットワーク変圧器1
06aの二次捲線には、プロテクタ遮断器107a、プ
ロテクタヒューズ130aを介してネットワーク母線1
11aが接続されている。また、プロテクタヒューズ1
30aの二次側には、リミッタヒューズ131aを介し
てグリッドケーブル113aが接続されている。一次フ
ィーダ103Bには、受電回路104b、断路器105
bを介してネットワーク変圧器106bの一次捲線が接
続されている。前記ネットワーク変圧器106bの二次
捲線には、プロテクタ遮断器107b、プロテクタヒュ
ーズ130bを介してネットワーク母線111aが接続
されている。また、プロテクタヒューズ130bの二次
側には、リミッタヒューズ131bを介してグリッドケ
ーブル113bが接続されている。一次フィーダ103
Bには、受電回路104c、断路器105cを介してネ
ットワーク変圧器106cの一次捲線が接続されてい
る。前記ネットワーク変圧器106cの二次捲線には、
プロテクタ遮断器107c、プロテクタヒューズ130
cを介してネットワーク母線111bが接続されてい
る。また、プロテクタヒューズ130cの二次側には、
リミッタヒューズ131cを介してグリッドケーブル1
13bが接続されている。同様に、一次フィーダ103
Cには、受電回路104d、断路器105dを介してネ
ットワーク変圧器106dの一次捲線が接続されてい
る。前記ネットワーク変圧器106dの二次捲線には、
プロテクタ遮断器107d、プロテクタヒューズ130
dを介してネットワーク母線111bが接続されてい
る。また、プロテクタヒューズ130dの二次側には、
リミッタヒューズ131dを介してグリッドケーブル1
13cが接続されている。また、プロテクタ遮断器10
7aとプロテクタヒューズ130aとの間には計器用変
流器109aが、プロテクタ遮断器107bとプロテク
タヒューズ130bとの間には計器用変流器109bが
それぞれ配設されている。ネットワーク母線111aに
は計器用変圧器110が接続されている。また、ネット
ワーク母線111aには、幹線保護装置133aを介し
て引込みケーブル115aが接続されている。そして、
各計器用変流器109aの出力端子はネットワーク継電
器132aに、計器用変流器109bの出力端子はネッ
トワーク継電器132bにそれぞれ接続されている。ま
た、計器用変圧器110の出力端子は、ネットワーク継
電器132a、132bに接続されている。また、ネッ
トワーク継電器132aはプロテクタ遮断器107aに
対し、ネットワーク継電器132bはプロテクタ遮断器
107bに対し遮断等の制御を行なうようになってい
る。このようにしてレギュラーネットワーク配電系統が
構成されている。
【0005】このようなレギュラーネットワーク配電系
統では、限流遮断器に代えてプロテクタ遮断器107
が、区分開閉器に代えてリミッタヒューズ131がそれ
ぞれ使用されている。このようなレギュラーネットワー
ク配電系統の保護は次のように行われている。
【0006】一次フィーダ103からネットワーク変圧
器106の一次側までの故障、例えば図4に示すように
一次フィーダ103Aの地点124aの故障に対しては
変電所の変電所フィーダ遮断器102Aと故障区間のプ
ロテクタ遮断器107aが遮断されて故障区間を切り離
なしている。
【0007】また、ネットワーク変圧器106の二次側
からプロテクタ遮断器107までの故障、例えば図4に
示す地点125aの故障に対しては変電所の変電所フィ
ーダ遮断器102Aと故障区間のプロテクタヒューズ1
30aあるいはプロテクタ遮断器107aが遮断して故
障区間を切り離なしている。
【0008】プロテクタ遮断器107aからプロテクタ
ヒューズ130aまで、例えば図4に示す地点126a
の故障に対しては変電所の変電所フィーダ遮断器102
Aと故障区間のプロテクタヒューズ130aが遮断して
故障区間を切り離している。ネットワーク母線111の
故障、例えば図4の地点127aの故障に対しては故障
が発生したネットワーク母線111aにつながるすべて
のプロテクタヒューズ130a,130bとリミッタヒ
ューズ131a,131bが溶断して故障区間を切り離
している。
【0009】グリッドケーブル113の故障、例えばグ
リッドケーブル113bの地点128の故障時に対して
は故障が発生したグリッドケーブル113bの両端のリ
ミッタヒューズ131b、131cが溶断して故障区間
を切り離している。さらに、引込みケーブル115の故
障、例えば図4に示すように引込みケーブル115aの
地点129aの故障に対しては故障が発生した引込みケ
ーブル115aの幹線保護装置133aが遮断して故障
区間を切り離している。
【0010】図5に、従来の他のレギュラーネットワー
ク配電系統及びその保護システムの例を示す。図5に示
すレギュラーネットワーク配電系統及びその保護システ
ムは、基本的には図4に示すレギュラーネットワーク配
電系統及びその保護システムとほぼ同一であるが、次の
点で異なる。図4ではプロテクタヒューズ130a,1
30b,130c,130dを使用していたものが、図
5では限流遮断器108a,108b,108c,10
8dに代えている。図4では幹線保護装置133a,1
33bを使用していたものが、図5では幹線保護遮断器
114a,114bに代えている。図4ではリミッタヒ
ューズ131a,131b,131c,131dを使用
していたものが、図5では区分開閉器112a,112
b,112c,112dに代えている。また、故障検出
装置134a及び故障検出装置134bを新たに設け、
故障検出装置134aは計器用変流器109aと計器用
変圧器110とに接続され、故障検出装置134bは計
器用変流器109bと計器用変圧器110とに接続され
ている。また故障検出装置134aは限流遮断器108
aを、故障検出装置134bは限流遮断器108bを、
それぞれ遮断制御できるようになっている。また、引込
みケーブル115aには計器用変流器138aが設けら
れており、この計器用変流器138aは過電流継電器1
39aに接続されている。この過電流継電器139a
は、幹線保護遮断器114aを遮断制御するようになっ
ている。グリッドケーブル113a,113b,113
cには計器用変流器118a,118b,118c,1
18dがそれぞれ設けられており、これら計器用変流器
118a,118b,118c,118dは過電流継電
器135a,145b,145c,145dにそれぞれ
接続されている。これら過電流継電器135a,135
b,135c,135dは、区分開閉器112a,11
2b,112c,112dを遮断制御するようになって
いる。上記各故障検出装置134a,134bは、電気
系統の一次側と二次側の故障を電気信号の変化分によっ
て判別できるようになっており、その判別結果に応じて
限流遮断器108a,108bを遮断制御する。
【0011】このような従来の他のネットワーク配電系
統の保護システムでは、次のように保護する。
【0012】一次フィーダ103からネットワーク変圧
器106の一次側までの故障、例えば図5に示す地点1
24aの故障に対しては、受電回路104a,104b
毎に設置された故障検出装置134a,134bが電気
系統の一次側故障と判定するため、限流遮断器108
a,108bは動作しない。
【0013】グリッドケーブル113a,113b等の
故障、例えば図5に示す地点128aの故障に対しては
受電回路104a,104b毎に設置された故障検出装
置134a,134bが電気系統の二次側故障と判定す
るため、限流遮断器108a,108bが動作する。そ
の後、グリッドケーブル113bを廻り込んで流れる故
障電流を過電流継電器135bで検出して当該区分開閉
器112bを開放することになる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4に
示すレギュラーネットワーク配電系統の保護システムで
は、プロテクタヒューズ130及びリミッタヒューズ1
31によって故障時に発生する大電流を限流遮断してい
ることから、ヒューズ130,131は繰り返し使用で
きず、遠方監視・制御などの自動化システムを構築する
ことが難しいという不都合があった。
【0015】また、上述したようにヒューズ130,1
31は各相独自に動作することになるため、不平衡故障
時には、1相あるいは2相が溶断して残りの相がつなが
ったままとなる欠相状態が発生することもある。そし
て、欠相状態が続くと電圧が安定しないなど電力品質上
問題があるため、望ましくなかった。
【0016】さらに、ネットワーク配電系統の二次側に
発電装置が連系される場合には、発電装置からの短絡電
流によりヒューズの動作協調が複雑化したり、場合によ
っては劣化するという問題がある。
【0017】一方、図5に示すレギュラーネットワーク
配電系統の保護システムによれば、引込みケーブル11
5aにつながる負荷が急増したり、引込みケーブル11
5aにつながる分散電源が脱落したときに、限流遮断器
108a,108bに一次側から二次側に向けて流れる
電流に変化分が現れ、故障検出装置134a,134b
が二次側の故障と誤って判定して限流遮断器108a,
108bを遮断してしまうため、当該ネットワーク母線
111aは一次フィーダ103Aあるいは103B側か
らの電気の供給を断たれる可能性があるという不都合が
あった。
【0018】このような動作を防ぐために故障検出装置
134a,134bの電圧変化幅の整定値を大きくとる
と、逆に検出できる故障の範囲が小さくなるってしまう
という不都合があった。
【0019】さらに、図5に示すように、例えばネット
ワーク変圧器106aの二次側の地点125aあるいは
地点126aの故障に対しては、健全回線の故障検出装
置134bは二次側の故障であるために判定作動して限
流遮断器108bを遮断動作させるが、故障回線の故障
検出装置134aは一次側の故障であるため判定動作を
せず限流遮断器108aを遮断しないという不都合があ
った。なお、上記説明では、符号aの系統について述べ
たが、他の符号の系統、例えば符号b,c等でも同様で
あり、以下の説明でも同じである。
【0020】また、図5に示すように、例えばネットワ
ーク母線111aの地点127aの故障に対しては、隣
のネットワーク母線111bにつながる引込みケーブル
115bに分散電源が接続されている場合には、過電流
継電器135cが動作して区分開閉器112cが遮断し
てしまう可能性がある。また、引込みケーブル115a
に負荷のみが接続されている場合には、過電流継電器1
35aは動作せず幹線保護遮断器114aは遮断されな
いという不都合もあった。
【0021】加えて、図5にしめすように、例えばグリ
ッドケーブル113bの地点128bの故障に対して
は、区分開閉器112aより先のグリッドケーブル側あ
るいは区分開閉器112dより先のグリッドケーブル側
にある母線に分散電源が接続されている場合には、過電
流継電器135aまたは過電流継電器135dが動作
し、区分開閉器112aまたは区分開閉器112dが遮
断されることがあるという不都合があった。
【0022】上記図5のレギュラーネットワーク配電系
統の保護システムの場合のように、故障検出装置134
が一次側と二次側の故障方向を判別して動作するだけで
は確実な故障区間の限定と切り離しが行われないという
欠点があった。
【0023】本発明は、上述した従来システムの欠点や
不都合を解消し、確実な故障区間の限定と切り離しを行
うネットワーク配電系統の保護システムを提供すること
を目的としている。
【0024】また、本発明は、発電機を任意の箇所及び
容量で系統に連系できるようにするとともに、ヒューズ
では検出できない高抵抗地絡故障も検出遮断できるネッ
トワーク配電系統の保護システムを提供することを目的
としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明に係るネットワーク配電系統の
保護システムは、変電所主変圧器に変電所フィーダ遮断
器を介して一次フィーダを接続し、一次フィーダから分
岐した複数の受電回路からネットワーク変圧器、プロテ
クタ遮断器、限流遮断器を介してネットワーク母線に接
続し、区分開閉器を介してグリッドケーブルに接続し、
グリッドケーブルによって隣接するネットワーク母線に
連携するネットワーク配電系統と、前記各受電回路の電
流変化を検出するとともに、ネットワーク母線等の電圧
変化を検出し、故障区間を確定して、プロテクタ遮断
器、限流遮断器、幹線保護遮断器、区分開閉器からなる
保護手段のうちの所定のものを遮断して故障区間を切り
離す保護制御手段と、を備えたネットワーク配電系統の
保護システムにおいて、前記保護制御手段は、ネットワ
ーク母線等の電圧変化幅の整定値を受電回線数だけ設
け、故障発生時に定常状態から変化する電圧変化幅の大
きさに応じて遮断する保護手段の数を制限するようにし
たことを特徴とする。
【0026】請求項2記載の発明に係る前記保護制御手
段は、受電回線数だけ設けたネットワーク母線等の電圧
変化幅の整定値と電圧変化幅とを比較する電圧変化幅比
較回路と、各受電回路の数だけ設けた電流変化幅の電流
整定値と各受電回路の電流変化幅とを比較する電流変化
幅比較回路と、これらの比較回路からの比較結果から遮
断する保護手段の数を決定する手段とを備えたことを特
徴とする。
【0027】請求項3記載の発明に係るネットワーク配
電系統の保護システムは、変電所主変圧器に変電所フィ
ーダ遮断器を介して一次フィーダを接続し、一次フィー
ダから分岐した複数の受電回路からネットワーク変圧
器、プロテクタ遮断器、限流遮断器を介してネットワー
ク母線に接続し、区分開閉器を介してグリッドケーブル
に接続し、グリッドケーブルによって隣接するネットワ
ーク母線に連携するネットワーク配電系統と、前記各受
電回路の電流変化を検出するとともに、ネットワーク母
線等の電圧変化を検出し、故障区間を確定して、プロテ
クタ遮断器、限流遮断器、幹線保護遮断器、区分開閉器
のうちの所定のものを遮断して故障区間を切り離す保護
制御手段と、を備えたネットワーク配電系統の保護シス
テムにおいて、前記保護制御手段を、一次フィーダから
ネットワーク変圧器の一次側までの故障のときには限流
遮断器を遮断して故障回線の限流遮断器と前記フィーダ
遮断器によって、ネットワーク母線の故障に対してはネ
ットワーク母線につながる限流遮断器と区分開閉器と幹
線保護遮断器を遮断することよって、グリッドケーブル
の故障に対してはグリッドケーブルの両端の限流遮断器
を遮断した後にグリッドケーブルの両端の区分開閉器に
よって、それぞれ故障区間を切り離すようにしたことを
特徴とする。
【0028】請求項4記載の発明に係るネットワーク配
電系統の保護システムは、変電所主変圧器に変電所フィ
ーダ遮断器を介して一次フィーダを接続し、一次フィー
ダから分岐した複数の受電回路からネットワーク変圧
器、プロテクタ遮断器、限流遮断器を介してネットワー
ク母線に接続し、区分開閉器を介してグリッドケーブル
に接続し、グリッドケーブルによって隣接するネットワ
ーク母線に連携するネットワーク配電系統と、前記各受
電回路の電流変化を検出するとともに、ネットワーク母
線等の電圧変化を検出し、故障区間を確定して、プロテ
クタ遮断器、限流遮断器、幹線保護遮断器、区分開閉器
のうちの所定のものを遮断して故障区間を切り離す保護
制御手段と、を備えたネットワーク配電系統の保護シス
テムにおいて、ネットワーク母線に接続される引込みケ
ーブルに設けた幹線保護遮断器の箇所に配置され、零相
過電流と相過電流を検出するとともに、ネットワーク母
線等の電圧との比較から故障電流の方向を判定する電流
変化幅・変化方向検出回路と、前記電流変化幅・変化方
向検出回路からの判定信号により故障電流が負荷あるい
は分散電源側に流れている場合には前記幹線保護遮断器
を遮断して故障区間を切り離す第2の保護制御手段を備
えることを特徴とする。
【0029】請求項5記載のネットワーク配電系統の保
護システムは、変電所主変圧器に変電所フィーダ遮断器
を介して一次フィーダを接続し、一次フィーダから分岐
した複数の受電回路からネットワーク変圧器、プロテク
タ遮断器、限流遮断器を介してネットワーク母線に接続
し、区分開閉器を介してグリッドケーブルに接続し、グ
リッドケーブルによって隣接するネットワーク母線に連
携するネットワーク配電系統と、前記各受電回路の電流
変化を検出するとともに、ネットワーク母線等の電圧変
化を検出し、これらを基に故障区間を確定し、プロテク
タ遮断器、限流遮断器、幹線保護遮断器、区分開閉器の
うちの所定のものを遮断して故障区間を切り離す保護制
御手段と、を備えたネットワーク配電系統の保護システ
ムにおいて、区分開閉器の箇所に設けられ、零相過電流
と相過電流を検出するとともに、ネットワーク母線等の
電圧変化を検出し、これらの比較から故障電流の方向を
判定する電流変化幅・変化方向検出回路と、前記電流変
化幅・変化方向検出回路からの判定結果により、故障電
流がグリッドケーブル側に流れており、かつ対向する区
分開閉器の箇所の故障電流の方向を比較することによ
り、対向する方向リレー間で故障区間を自律的に標定
し、限流遮断器を動作後に当該故障区間のみを区分開閉
器により遮断する第3、第4の保護制御手段を備えたこ
とを特徴とする。
【0030】
【作用】したがって、請求項1記載の発明によれば、レ
ギュラーネットワーク配電系統に発生し得るすべての故
障区間に対して、最も大きな故障電流となる受電回線の
電流を限流遮断器によって限流遮断し、他の線路に流れ
る故障電流の続流分を区分開閉器あるいは幹線保護遮断
器により遮断している。これにより、負荷の急増や分散
電源の脱落等により限流遮断器が誤遮断をして一次フィ
ーダから電気の供給を断たれることが避けられるから、
保護の信頼性が向上する。
【0031】請求項2記載の発明によれば、受電回線数
だけ設けたネットワーク母線等の電圧変化幅の整定値と
電圧変化幅とを電圧変化幅比較回路で比較し、電流変化
幅の電流整定値と各受電回路の電流変化幅を電流変化幅
比較回路で比較し、それの比較結果から遮断する限流遮
断器の数を決定している。
【0032】請求項3記載の発明によれば、一次フィー
ダからネットワーク変圧器一次側までの故障に対しては
プロテクタ遮断器を遮断し、ネットワーク変圧器二次側
からプロテクタ遮断器までの故障に対しては健全回線の
限流遮断器と故障回線のプロテクタ遮断器を遮断し、プ
ロテクタ遮断器から限流遮断器までの故障に対しては限
流遮断器及びプロテクタ遮断器を遮断し、あるいはグリ
ッドケーブルの故障に対しては区分開閉器を遮断して、
それぞれ所定の故障箇所を含む故障区間をそれぞれ切り
離している。
【0033】請求項4の発明によれば、引込みケーブル
の故障に対しては限流遮断器が一次フィーダから流れ込
む故障電流を限流遮断した後に幹線保護遮断器を遮断し
て故障区間を切り離すことができる。
【0034】請求項5の発明によれば、グリッドケーブ
ルの故障に対しては、故障電流がグリッドケーブル側に
流れており、かつ対向する区分開閉器の箇所の故障電流
の方向を通信線を使用したデータ伝送により比較するこ
とにより、対向する方向リレー間で故障区間を自律的に
標定し、限流遮断器動作後に当該故障区間のみを区分開
閉器により遮断することができる。これにより、発電機
を任意の箇所及び容量で系統に連系でき、また、ヒュー
ズでは検出できない高抵抗地絡故障も検出遮断できる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。図1に、本発明に係るネットワーク配電系
統及びその保護システムの実施例を示す。図1におい
て、レギュラーネットワーク配電系統は次のように構成
されている。変電所主変圧器1の二次側には、変電所フ
ィーダ遮断器2Aを介して一次フィーダ3Aが、変電所
フィーダ遮断器2Bを介して一次フィーダ3Bが、及び
変電所フィーダ遮断器2Cを介して一次フィーダ3C
が、それぞれ接続されている。一次フィーダ3Aには、
受電回路4a、断路器5aを介してネットワーク変圧器
6aの一次捲線が接続されている。前記ネットワーク変
圧器6aの二次捲線には、プロテクタ遮断器7a、限流
遮断器8aを介してネットワーク母線11aが接続され
ている。また、限流遮断器8aの二次側には、区分開閉
器12aを介してグリッドケーブル13aが接続されて
いる。
【0036】一次フィーダ3Bには、受電回路4b、断
路器5bを介してネットワーク変圧器6bの一次捲線が
接続されている。前記ネットワーク変圧器6bの二次捲
線には、プロテクタ遮断器7b、限流遮断器8bを介し
てネットワーク母線11aが接続されている。また、限
流遮断器8bの二次側には、区分開閉器12aを介して
グリッドケーブル13bが接続されている。
【0037】また、一次フィーダ3Bには、受電回路4
c、断路器5cを介してネットワーク変圧器6cの一次
捲線が接続されている。前記ネットワーク変圧器6cの
二次捲線には、プロテクタ遮断器7c、限流遮断器8c
を介してネットワーク母線11bが接続されている。ま
た、限流遮断器8cの二次側には、区分開閉器12cを
介してグリッドケーブル13bが接続されている。
【0038】同様に、一次フィーダ3Cには、受電回路
4d、断路器5dを介してネットワーク変圧器6dの一
次捲線が接続されている。前記ネットワーク変圧器6d
の二次捲線には、プロテクタ遮断器7d、限流遮断器8
dを介してネットワーク母線11bが接続されている。
また、限流遮断器8dの二次側には、区分開閉器12d
を介してグリッドケーブル13cが接続されている。
【0039】このような電力系統に対して、保護システ
ムは次のように構成されている。プロテクタ遮断器7a
と限流遮断器8aとの間には計器用変流器9aが、プロ
テクタ遮断器7bと限流遮断器8bとの間には計器用変
流器9bがそれぞれ配設されている。ネットワーク母線
11aには計器用変圧器10が設けられている。また、
ネットワーク母線11aには、幹線保護遮断器14aを
介して引込みケーブル15aが接続されている。そし
て、各計器用変流器9aの出力端子は電流変化幅・変化
方向検出回路17aに、計器用変流器9bの出力端子は
電流変化幅・変化方向検出回路17bにそれぞれ接続さ
れている。また、計器用変圧器10の出力端子は、電流
変化幅・変化方向検出回路17a,17bに接続されて
いる。この計器用変圧器10の出力端子は、電圧変化幅
検出回路16と、電流変化幅・変化方向検出回路19
a,19bと、電流変化幅・変化方向検出回路39aと
にも接続されている。これら電流変化幅・変化方向検出
回路19a,19bは、零相電流の変化幅・変化方向も
検出可能にしてある。また、グリッドケーブル13aに
は計器用変流器18aが、グリッドケーブル13bには
計器用変流器18bがそれぞれ設けられており、各計器
用変流器18a,18bで検出した電流値を電流変化幅
・変化方向検出回路19a,19bにそれぞれ供給でき
るようになっている。また、引込みケーブル15aには
計器用変流器38aが設けられており、この計器用変流
器38aで検出した電流値を電流変化幅・変化方向検出
回路39aに供給できるようになっている。電流変化幅
・変化方向検出回路39aは、零相電流の変化幅・変化
方向も検出可能にしてある。電圧変化幅検出回路16の
出力、各電流変化幅・変化方向検出回路17a,17b
の出力、電流変化幅・変化方向検出回路19a,19b
の出力、及び電流変化幅・変化方向検出回路39aの出
力は保護制御手段20にそれぞれ接続されている。そし
て、保護制御手段20は、電流変化幅・変化方向検出回
路17a,17bからの出力信号Sia,Sib、電圧変化
幅検出回路16からの出力信号Sv、電流変化幅・変化
方向検出回路19a,19bからの出力信号Sja、Sj
b、電流変化幅・変化方向検出回路39aからの出力信
号Skaを取込み、これらの出力信号の一つまたは所定個
数を組み合わせて故障点を特定し、所定の遮断器等(プ
ロテクタ遮断器7a,7b、限流遮断器8a,8b、区
分開閉器12a,12b、幹線保護遮断器14a)を遮
断制御てきるようになっている。
【0040】また、電圧変化幅検出回路16は、限流遮
断器8aおよび限流遮断器8bの二次側、例えば図1の
地点27aに故障が発生したときにネットワーク母線1
1aの電圧が低下するので、電圧変化幅信号Svを出力
するようになっている。また、電流変化幅・変化方向検
出回路17a,17bは、電流変化方向が二次側故障で
ある場合に、それぞれ電流変化幅信号Sia,Sibを出
力するようになっている。
【0041】図2は、保護制御手段20の一部構成を具
体的に示すブロック図である。図2に示す保護制御手段
20は、電圧変化幅比較回路51と、電流変化幅比較回
路52,53と、反転回路NT1と、アンド回路AND1
〜AND4 と、オア回路OR1 を備えている。ここで、
電圧変化幅比較回路51は、電圧変化幅検出回路16か
らの電圧変化幅信号Svと、電圧整定値Mv1、Mv2( M
v1>Mv2と整定されている)とを取込み、電圧変化幅信
号Svが整定値Mv1より大きいときに出力信号Su1を出
力し、電圧変化幅信号Svが整定値Mv1より大きいとき
に出力信号Su2 を出力するようになっている。また、
電流変化幅比較回路52は、電流変化幅信号Sia及び電
流整定値Miaを取込み、電流変化幅信号Siaが電流整定
値Miaより大きいときに出力信号Sw1を出力できるよう
になっている。電流変化幅比較回路53は、電流変化幅
信号Sib及び電流整定値Mibを取込み、電流変化幅信号
Sibが電流整定値Mibより大きいときに出力信号Sw2を
出力できるようになっている。反転回路NT1は、出力
信号Su1を反転してアンド回路AND1 の一方の入力端
子に供給できるようになっている。アンド回路AND1
の他方の入力端子には電圧変化幅比較回路51の出力信
号Su1が供給されるようなっている。アンド回路AND
1 の出力信号はアンド回路AND2 の一方の入力端子に
供給されるようになっている。また、アンド回路AND
2 の他方の入力端子には電流変化幅比較回路52からの
出力信号Sw1が供給されるようになっている。アンド回
路AND3 及びAND4 の一方の入力端子には、出力信
号Su1が供給されている。アンド回路AND3 の他方の
入力端子には、出力信号Sw1が供給されるようになって
いる。アンド回路AND4 の他方の入力端子には、出力
信号Sw2が入力されるようになっている。アンド回路A
ND2 の出力信号及びアンド回路AND3の出力信号は
オア回路OR1 の入力端子に供給されるようになってい
る。オア回路OR1 の出力信号により限流遮断器8aを、
アンド回路AND4 の出力信号により限流遮断器8bを
遮断できるようになっている。なお、上記の構成例は受
電回路4が2回線の場合であるが、受電回路4が3回線
以上の場合であっても同様の考え方で上記保護制御手段
20を構成することができる。
【0042】このような実施例の動作を説明する。一次
フィーダ3からネットワーク変圧器6の一次側までの故
障の場合、例えば図1に示す一次フィーダ3Aの地点2
4aの故障に対しては、保護制御手段20は、故障電流
の変化方向が逆であることを判定し、限流遮断器8aあ
るいは限流遮断器8bを動作させない。また、この場
合、変電所のフィーダ遮断器2aが遮断し、かつ保護制
御手段20は、プロテクタ遮断器7aを遮断する。これ
により、故障地点24aを含む故障区間は、系統から切
り離すことができる。
【0043】ネットワーク変圧器6の二次側からプロテ
クタ遮断器7までの故障の場合、例えば図1の故障地点
25aの故障に対しては次のように保護される。保護制
御手段20には、電流変化幅・変化方向検出回路17
a、17bからの電流変化幅信号Sia,Sibが入力され
ている。保護制御手段20において、この場合、電流変
化幅信号Sibは通常の値より大きくなって整定値Mibよ
り大きくなり、電流変化幅比較回路53の出力信号Sw2
が出力される。このとき、電圧変化幅比較回路51に入
力される電圧変化幅信号Svが電圧整定値Mv1より大き
いと、出力信号Su1が出力されるので、アンド回路AN
D4 において論理積条件が満足されることになり、保護
制御手段20からは限流遮断器8bを遮断する信号が出
力される。これにより、保護制御手段20は、一次フィ
ーダ3Bから健全受電回路4bを介してネットワーク母
線11aを廻り込んでくる故障電流を限流遮断器8bで
限流遮断する。しかる後に、保護制御手段20は、故障
受電回路4aのプロテクタ遮断器7aを遮断して故障区
間を切り離す。
【0044】プロテクタ遮断器7から限流遮断器8まで
の故障の場合、例えば図1に示す故障地点26aの故障
に対しては次のように保護する。保護制御手段20にお
いて、この場合、電流変化信号Sibは通常の値より大き
くなって整定値Mibより大きくなり、電流変化幅比較回
路53の出力信号Sw2が出力される。このとき、電圧変
化幅比較回路51に入力される電圧変化幅信号Svが電
圧整定値Mv1より大きいと、出力信号Su1が出力される
ので、アンド回路AND4 において論理積条件が満足さ
れることになり、保護制御手段20からは限流遮断器8
bを遮断する信号が出力される。これにより、保護制御
手段20は、一次フィーダ3Bから健全受電回路4bを
介してネットワーク母線11aを廻り込んでくる故障電
流を限流遮断器8bで限流遮断する。また、保護制御手
段20は、電流変化幅・変化方向検出回路17a,17
bからの電流変化幅信号Sia,Sibを基に故障受電回路
4aの限流遮断器8aを遮断して故障地点26aを含む
故障区間を切り離す。
【0045】ネットワーク母線11aの故障の場合、例
えば図1に示すネットワーク母線11aの故障地点27
aの故障に対しては次のように保護する。保護制御手段
20において、電流変化幅・変化方向検出回路17a,
17bからの電流変化幅信号Sia,Sibか大きく変化し
て電圧整定値Mia、Mibより大きくなるので、電圧変化
幅信号Svが電圧整定値Mv1より大きくなり出力信号S
u1が出力されると、アンド回路AND3 、AND4 にそ
れぞれ論理積条件が成立し、限流遮断器8a ,8bの遮
断信号が形成される。これにより、保護制御手段20
は、まずネットワーク母線11aにつながる限流遮断器
8a,8bを遮断する。これにより、一次フィーダ3
A,3Bからネットワーク母線11aに供給される故障
電流を限流遮断する。このとき、電流変化幅・変化方向
検出回路19a,19bは、故障電流がグリッドケーブ
ル13a,13bからネットワーク母線11aへ流れ込
む方向であることを示す信号Sjah 、Sjbh を出力して
保護制御手段20へ送る。これにより、保護制御手段2
0は、区分開閉器12a,12bを遮断する。また、引
込みケーブル15aに分散電源(図示せず)が連系され
ているとき、電流変化幅・変化方向検出回路39aは、
故障電流が引込みケーブル15aからネットワーク母線
11aへ流れ込む方向であることを示す信号Skahを出
力して保護制御手段20に送る。これにより、保護制御
手段20は、幹線保護遮断器14aを遮断することにな
る。
【0046】このようにして上記実施例では、各種故障
について、それぞれ故障区間を特定して保護することが
できる。
【0047】図3に、本発明に係るネットワーク配電系
統の保護システムの他の実施例の構成例を示す。この実
施例が、図1に示す実施例と異なるところは、電流変化
幅・変化方向検出回路39aの出力を第2の保護制御手
段20’に入力し、かつ第2の保護制御手段20’で幹
線保護装置14aを遮断制御できるようにした点と、グ
リッドケーブル13bの両端の電流変化幅・変化方向検
出回路19b、19cの各信号Sjal 、Sjbl を第3,
第4の保護制御手段20b”,20c”に入力するとと
もに第3,第4の保護制御手段20b”,20c”同士
をパイロットワイヤ23で接続し、かつ第3の保護制御
手段20b”で区分開閉器12bを、第4の保護制御手
段20c”で区分開閉器12cをそれぞれ遮断可能にし
た点とにあり、他の構成は図1のものと同様である。し
たがって、同一部材には同一符号を付して説明を省略す
る。
【0048】このような他の実施例の動作を説明する。
上記他の実施例によれば、引込みケーブル15の故障の
場合、例えば図1に示すように引込みケーブル15aの
地点29aの故障に対しては次のように保護する。第1
の保護制御手段20(図3に示されていない)は、ま
ず、ネットワーク母線11aにつながる限流遮断器8
a,8bを遮断し、一次フィーダ3A,3Bから供給さ
れる故障電流を限流遮断する。このとき、電流変化幅・
変化方向検出回路39aは、故障電流がグリッドケーブ
ル13a,13bから変流器38aを通って引込みケー
ブル15aに流れ込む方向であることを示す信号Sjal
を出力して、第2の保護制御手段20’に送る。これに
より、第2の保護制御手段20’は、幹線保護遮断器1
4aを遮断する。
【0049】上述の故障時(地点29の故障時)におい
て、電流変化幅・変化方向検出回路19a(図示せ
ず),電流変化幅・変化方向検出回路19bは故障電流
がグリッドケーブル13a,13bからネットワーク母
線11aに流れ込む方向であることを示す信号Sjah 、
Sjbh を出力して第1の保護制御手段20へ送るが、幹
線保護装置14aが設置されている地点の電流変化幅・
変化方向検出回路39aから信号Skal も送られてくる
ことにより、第1の保護制御手段20は区分開閉器12
aおよび12bの遮断は行わない。
【0050】グリッドケーブル13の故障の場合、例え
ば図3に示すグリッドケーブル13bの地点28bの故
障に対しては次のように保護している。保護制御手段2
0により、まず、ネットワーク母線につながる限流遮断
器8a,8bが遮断する。これにより、一次フィーダ3
A,3Bから供給される故障電流は限流遮断される。こ
のとき、電流変化幅・変化方向検出回路19bは、故障
電流がネットワーク母線11aからグリッドケーブル1
3bへ流れ込む方向であることを示す信号Sjbl を出力
して第2の保護制御手段20b”へ送る。一方、隣のネ
ットワーク母線11b側の電流変化幅・変化方向検出回
路19cも同様の信号Sjcl を出力して第3の保護制御
手段20c”へ送る。第3、第4の保護制御手段20
b”,20c”はパイロットワイヤ23で通信できるよ
うになっており、それぞれの信号Sjbl 、Sjcl を互い
に比較する。この結果、対向する第3、第4の保護制御
手段20b”,20c”がどちらもグリッドケーブル1
3b側の故障であると判定した場合には、第3、第4の
保護制御手段20b”,20c”はそれぞれ区分開閉器
12b,12cを遮断する。
【0051】上記に故障時(グリッドケーブル13aの
故障時)において、引込みケーブル15aに分散電源
(図示せず)が連系されていると、電流変化幅・変化方
向検出回路39aは、引込みケーブル15aからネット
ワーク母線11aに流れ込む方向であることを示す信号
Skah を出力して第1の保護制御手段20へ送るが、区
分開閉器設置箇所の電流変化幅・変化方向検出回路19
bから信号Sjbl も送られてくることにより、保護制御
手段20は幹線保護遮断器14aの遮断を行わない。こ
のように第2の実施例では動作して各故障箇所を特定
し、かつ当該故障区間を切り離すことになる。
【0052】
【発明の効果】上記請求項1記載の発明によれば、ネッ
トワーク変圧器二次側以降の故障に対して、プロテクタ
遮断器、限流遮断器、区分開閉器、幹線保護遮断器で区
分された各区間の故障を判定する保護制御手段を設けた
ので、これによってネットワーク配電系統に発生する故
障を各区間ごとに確実に切り離すことができ、また故障
後の復旧も早く行うことができるようになる。
【0053】また、請求項1記載の発明によれば、ネッ
トワーク変圧器より二次側の故障に対してその故障の程
度により動作する限流遮断器の数を変えることができる
ため、限流遮断器の不要な動作が低減できる。
【0054】さらに、請求項1記載の発明によれば、発
電機の連系に関わりなく、故障区間を確実に検出・遮断
できるため、ネットワーク配電系統の任意の地点に発電
機が連系されても、その都度保護協調の検討を行う必要
がなく、そのための設備変更も必要なくなり、かつ地絡
故障を早期に検出することができ、過電流故障への進展
を未然に防止することができる。
【0055】請求項2記載の発明によれば、受電回線数
だけ設けたネットワーク母線等の電圧変化幅の整定値と
電圧変化幅とを電圧変化幅比較回路で比較し、電流変化
幅の電流整定値と各受電回路の電流変化幅を電流変化幅
比較回路で比較し、それの比較結果から遮断する限流遮
断器の数を決定しているので、限流遮断器の不要な動作
が低減できる。
【0056】請求項3記載の発明によれば、一次フィー
ダからネットワーク変圧器一次側までの故障に対しては
プロテクタ遮断器を遮断し、ネットワーク変圧器二次側
からプロテクタ遮断器までの故障に対しては健全回線の
限流遮断器と故障回線のプロテクタ遮断器を遮断し、プ
ロテクタ遮断器から限流遮断器までの故障に対しては限
流遮断器及びプロテクタ遮断器を遮断し、あるいはグリ
ッドケーブルの故障に対しては区分開閉器を遮断して、
それぞれ所定の故障箇所を含む故障区間をそれぞれ切り
離しているので、ネットワーク配電系統に発生する故障
を各区間ごとに確実に切り離すことができ、また故障後
の復旧も早く行うことができるようになる。
【0057】請求項4の発明によれば、引込みケーブル
の故障に対しては限流遮断器が一次フィーダから流れ込
む故障電流を限流遮断した後に幹線保護遮断器を遮断し
て故障区間を切り離すことができるので、引込みケーブ
ルの故障を確実に保護でき、発電機が連系されても、そ
の都度保護協調の検討を行う必要がなく、地絡故障を早
期に検出することができるとともに、過電流故障への進
展を未然に防止することができる。
【0058】請求項5の発明によれば、グリッドケーブ
ルの故障に対しては、故障電流がグリッドケーブル側に
流れており、かつ対向する区分開閉器の箇所の故障電流
の方向を通信線を使用したデータ伝送により比較するこ
とにより、対向する方向リレー間で故障区間を自律的に
標定し、限流遮断器動作後に当該故障区間のみを区分開
閉器により遮断することができるので、一方のネットワ
ーク配電系の故障が他のネットワーク配電系に波及する
ことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るネットワーク配電系統の保護シス
テムの実施例を示すブロック図である。
【図2】同実施例で使用する保護制御手段の一具体例を
示す回路図である。
【図3】他の実施例で使用する保護制御手段を備えたネ
ットワーク配電系統の保護システムを示すブロック図で
ある。
【図4】従来のヒューズを用いたネットワーク配電系統
の保護システムの回路接続図である。
【図5】従来のレギュラーネットワーク配電系統の回路
接続図である。
【符号の説明】
1 変電所主変圧器 2 変電所フィーダ遮断器 3 一次フィーダ 4 受電回線 5 断路器 6 ネットワーク変圧器 7 プロテクタ遮断器 8 限流遮断器 9 変流器 10 計器用変圧器 11 ネットワーク母線 12 区分開閉器 13 グリッドケーブル 14 幹線保護遮断器 15 引込みケーブル 16 電圧変化幅検出回路 17 電流変化幅・変化方向検出回路 18 変流器 19 電流変化幅・変化方向検出回路 20 第1の保護制御手段 20’ 第2の保護制御手段 20b” 第3の保護制御手段 20c” 第4の保護制御手段 23 パイロットワイヤ 24 一次フィーダからネットワーク変圧器一次側まで
の故障点 25 ネットワーク変圧器二次側からプロテクタ遮断器
までの故障点 26 プロテクタ遮断器から限流遮断器までの故障点 27 ネットワーク母線の故障点 28 グリッドケーブルの故障点 29 引込みケーブルの故障点 30 プロテクタヒューズ 51 過電流継電器 52 電圧変化幅比較回路 53 電流変化幅比較回路 38 変流器 39 電流変化幅・変化方向検出回路
フロントページの続き (72)発明者 中村 脩 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変電所主変圧器に変電所フィーダ遮断器
    を介して一次フィーダを接続し、一次フィーダから分岐
    した複数の受電回路からネットワーク変圧器、プロテク
    タ遮断器、限流遮断器を介してネットワーク母線に接続
    し、区分開閉器を介してグリッドケーブルに接続し、グ
    リッドケーブルによって隣接するネットワーク母線に連
    携するネットワーク配電系統と、前記各受電回路の電流
    変化を検出するとともに、ネットワーク母線等の電圧変
    化を検出し、故障区間を確定して、前記プロテクタ遮断
    器、限流遮断器、幹線保護遮断器、区分開閉器からなる
    保護手段のうちの所定のものを遮断して故障区間を切り
    離す保護制御手段とを備えたネットワーク配電系統の保
    護システムにおいて、前記保護制御手段は、ネットワー
    ク母線等の電圧変化幅の整定値を受電回線数だけ設け、
    故障発生時に定常状態から変化する電圧変化幅の大きさ
    に応じて遮断する保護手段の数を制限するようにしたこ
    とを特徴とするネットワーク配電系統の保護システム。
  2. 【請求項2】 前記保護制御手段は、受電回線数だけ設
    けたネットワーク母線等の電圧変化幅の整定値と現実の
    電圧変化幅とを比較する電圧変化幅比較回路と、各受電
    回路の数だけ設けた電流変化幅の電流整定値と各受電回
    路の電流変化幅とを比較する電流変化幅比較回路と、こ
    れらの比較回路からの比較結果から遮断する保護手段の
    数を決定する回路手段とを備えたことを特徴とする請求
    項1記載のネットワーク配電系統の保護システム。
  3. 【請求項3】 変電所主変圧器に変電所フィーダ遮断器
    を介して一次フィーダを接続し、一次フィーダから分岐
    した複数の受電回路からネットワーク変圧器、プロテク
    タ遮断器、限流遮断器を介してネットワーク母線に接続
    し、区分開閉器を介してグリッドケーブルに接続し、グ
    リッドケーブルによって隣接するネットワーク母線に連
    携するネットワーク配電系統と、前記各受電回路の電流
    変化を検出するとともに、ネットワーク母線等の電圧変
    化を検出し、故障区間を確定して、プロテクタ遮断器、
    限流遮断器、幹線保護遮断器、区分開閉器からなる保護
    手段のうちの所定のものを遮断して故障区間を切り離す
    保護制御手段とを備えたネットワーク配電系統の保護シ
    ステムにおいて、前記保護制御手段は、一次フィーダか
    らネットワーク変圧器の一次側までの故障のときには限
    流遮断器を遮断して故障回線の限流遮断器と前記フィー
    ダ遮断器によって、ネットワーク母線の故障に対しては
    ネットワーク母線につながる限流遮断器と区分開閉器と
    幹線保護遮断器を遮断することよって、グリッドケーブ
    ルの故障に対してはグリッドケーブルの両端の限流遮断
    器を遮断した後にグリッドケーブルの両端の区分開閉器
    によって、それぞれ故障区間を切り離すようにしたこと
    を特徴とするレギュラーネットワーク配電系統の保護シ
    ステム。
  4. 【請求項4】 変電所主変圧器に変電所フィーダ遮断器
    を介して一次フィーダを接続し、一次フィーダから分岐
    した複数の受電回路からネットワーク変圧器、プロテク
    タ遮断器、限流遮断器を介してネットワーク母線に接続
    し、区分開閉器を介してグリッドケーブルに接続し、グ
    リッドケーブルによって隣接するネットワーク母線に連
    携するネットワーク配電系統と、前記各受電回路の電流
    変化を検出するとともに、ネットワーク母線等の電圧変
    化を検出し、故障区間を確定して、プロテクタ遮断器、
    限流遮断器、幹線保護遮断器、区分開閉器からなる保護
    手段のうちの所定のものを遮断して故障区間を切り離す
    保護制御手段とを備えたネットワーク配電系統の保護シ
    ステムにおいて、ネットワーク母線に接続される引込み
    ケーブルに設けた幹線保護遮断器の箇所に配置され、零
    相過電流と相過電流を検出するとともに、ネットワーク
    母線等の電圧との比較から故障電流の方向を判定する電
    流変化幅・変化方向検出回路と、前記電流変化幅・変化
    方向検出回路からの判定信号により故障電流が負荷ある
    いは分散電源側に流れている場合には前記幹線保護遮断
    器を遮断して故障区間を切り離す第2の保護制御手段を
    備えることを特徴とするネットワーク配電系統の保護シ
    ステム。
  5. 【請求項5】 変電所主変圧器に変電所フィーダ遮断器
    を介して一次フィーダを接続し、一次フィーダから分岐
    した複数の受電回路からネットワーク変圧器、プロテク
    タ遮断器、限流遮断器を介してネットワーク母線に接続
    し、区分開閉器を介してグリッドケーブルに接続し、グ
    リッドケーブルによって隣接するネットワーク母線に連
    携するネットワーク配電系統と、前記各受電回路の電流
    変化を検出するとともに、ネットワーク母線等の電圧変
    化を検出し、これらを基に故障区間を確定し、プロテク
    タ遮断器、限流遮断器、幹線保護遮断器、区分開閉器か
    らなる保護手段のうちの所定のものを遮断して故障区間
    を切り離す保護制御手段とを備えたネットワーク配電系
    統の保護システムにおいて、区分開閉器の箇所に設けら
    れ、零相過電流と相過電流を検出するとともに、ネット
    ワーク母線等の電圧変化を検出し、これらの比較から故
    障電流の方向を判定する電流変化幅・変化方向検出回路
    と、前記電流変化幅・変化方向検出回路からの判定結果
    により、故障電流がグリッドケーブル側に流れており、
    しかも対向する区分開閉器の箇所の故障電流の方向を比
    較することにより、対向する方向リレー間で故障区間を
    自律的に標定し、限流遮断器を動作後に当該故障区間の
    みを区分開閉器により遮断するように動作する第3、第
    4の保護制御手段を備えたことを特徴とするネットワー
    ク配電系統の保護システム。
JP4062594A 1994-02-16 1994-02-16 ネットワーク配電系統の保護システム Pending JPH07231561A (ja)

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