JPH07231259A - ディジタル信号処理方法及び装置、並びに記録媒体 - Google Patents

ディジタル信号処理方法及び装置、並びに記録媒体

Info

Publication number
JPH07231259A
JPH07231259A JP2247794A JP2247794A JPH07231259A JP H07231259 A JPH07231259 A JP H07231259A JP 2247794 A JP2247794 A JP 2247794A JP 2247794 A JP2247794 A JP 2247794A JP H07231259 A JPH07231259 A JP H07231259A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
digital signal
processing block
signal
block
input signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2247794A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Suzuki
浩之 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2247794A priority Critical patent/JPH07231259A/ja
Publication of JPH07231259A publication Critical patent/JPH07231259A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 マスクパターン生成回路702及びマスクモ
デル表保持回路710により、入力信号を周波数につい
て変換したそれぞれ毎に、マスキングについてのマスク
モデルを設定し、畳込みフィルタ703により、このモ
デルを畳込み演算して許容ノイズスペクトルを求め、割
付回路708では、各周波数毎に求められたノイズ許容
量が時間と周波数に細分化したビット割当の為の小ブロ
ックに割付けを行うようにしており、その後この小ブロ
ックに対しビット割当を行うようにしている。 【効果】 倍音を多く含むような入力信号に対し、聴覚
的にも望ましいビットの配分の手法を実現でき、したが
って、聴感上、音質の勝れた高能率な圧縮、伸張を行う
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタルオーディオ
信号等をビット圧縮した圧縮データの記録再生若しくは
圧縮データの送受を行う際のディジタル信号処理方法
と、ディジタル信号処理装置、その圧縮データが記録さ
れる記録媒体に関し、特に、入力信号の時間軸上の波形
の振幅変化に応じて、その処理ブロックの時間的大きさ
を変化させるような、ディジタル信号を情報圧縮して記
録若しくは伝送及び/又は再生若しくは受信して伸張す
るディジタル信号処理方法及びその装置並びに記録媒体
に関する。
【0002】
【従来の技術】本件出願人は、先に、入力されたディジ
タルオーディオ信号をビット圧縮し、所定のデータ量を
記録単位としてバースト的に記録するような技術を、例
えば特願平2−221364号、特願平2−22136
5号、特願平2−222821号、特願平2−2228
23号の各明細書及び図面等において提案している。
【0003】なお、上記特願平2−221364号の明
細書及び図面には、データ領域の記録位置を示す目録デ
ータがサブコーディングされて記録されるリードイン領
域に、上記データ領域の記録内容に関する表示データを
メインデータとして記録したディスクと、このディスク
にデータを記録する記録手段を有するディスク記録装置
と、このディスクからデータを再生する再生手段及びそ
の再生手段により得られる表示データに応じた表示を行
う表示手段を有するディスク再生装置とが記載されてい
る。また、上記特願平2−221365号の明細書及び
図面には、連続して入力される入力データが順次書き込
まれ、書き込まれた入力データが該入力データの転送速
度よりも速い転送速度の記録データとして順次読み出さ
れるメモリ手段と、ディスク状記録媒体を回転させる速
度の切り換え可能な回転駆動手段と、上記ディスク状記
録媒体に上記メモリ手段から読み出される記録データを
記録する記録手段と、上記メモリ手段に記録されている
上記入力データのデータ量が所定量以上になると上記記
録データを所定量だけ該メモリ手段から順次読み出し、
上記メモリ手段に所定データ量以上の書き込み空間を確
保しておくようにメモリ制御を行うメモリ制御手段と、
このメモリ制御手段によりメモリ手段から不連続に順次
読み出される上記記録データを上記ディスク状記録媒体
上の記録トラックに連続的に記録するように記録位置の
制御を行う記録制御手段とを備えるディスク記録装置
と、これに対応するディスク再生装置とが記載されてい
る。また、特願平2−222821号の明細書及び図面
には、ディジタルデータを一時記憶する記憶手段と、上
記記憶手段からのディジタルデータを一定数のセクタ毎
にクラスタ化し、各クラスタの接続部分にインターリー
ブ処理の際のインターリーブ長より長いクラスタ接続用
セクタを設け、インターリーブを施して上記ディスク状
記録媒体に記録する記録手段を有するディスク記録装置
と、これに対応するディスク再生装置とが記載されてい
る。さらに、特願平2−222823号の各明細書及び
図面には、圧縮オーディオデータ等が記録されるディス
ク状記録媒体において、ディスクのデータ記録領域の内
径寸法を32mm〜50mmの範囲内の所定値に設定すると
き、データ記録領域の内径寸法が32mmのときの外径寸
法は60mm〜62mmの範囲内の値とし、データ記録領域
の内径寸法が50mmのときの外径寸法は71mm〜73mm
の範囲内の値とすることにより、小型携帯用のディスク
記録/再生装置に使用可能とすると共に、例えば圧縮率
が1/4の圧縮オーディオデータを記録することで標準
的な12cmCDと同程度の再生時間を実現可能とした
ものが記載されている。
【0004】上記各明細書及び図面等において提案して
いる技術は、記録媒体として光磁気ディスクを用い、い
わゆるコンパクト・ディスク(CD:Compact Disc)の
CD−I(CD−インタラクティブ)やCD−ROM
XAのオーディオデータフォーマットに規定されている
AD(適応差分)PCMオーディオデータを記録再生す
るものであり、このADPCMデータの例えば32セク
タ分とインターリーブ処理のためのリンキング用の数セ
クタとを記録単位として、光磁気ディスクにバースト的
に記録している。
【0005】この光磁気ディスクを用いた記録再生装置
におけるADPCMオーディオには、いくつかのモード
が選択可能になっており、例えば通常のCDの再生時間
に比較して、2倍の圧縮率でサンプリング周波数が3
7.8kHzのレベルA、4倍の圧縮率でサンプリング
周波数が37.8kHzのレベルB、8倍の圧縮率でサ
ンプリング周波数が18.9kHzのレベルCが規定さ
れている。
【0006】すなわち、例えば前記レベルBの場合に
は、ディジタルオーディオデータが略々1/4に圧縮さ
れ、このレベルBのモードで記録されたディスクの再生
時間(プレイタイム)は、標準的なCDフォーマット
(CD−DAフォーマット)の場合の4倍となる。これ
によれば、より小型のディスクで標準12cmと同じ程
度の記録再生時間が得られることから、装置の小型化が
図れることになる。
【0007】ただし、ディスクの回転速度は標準的なC
Dと同じであるため、例えば前記レベルBの場合、所定
時間当たりその4倍の再生時間分の圧縮データが得られ
ることになる。このため、例えばセクタやクラスタ等の
時間単位で同じ圧縮データを重複して4回読み出すよう
にし、そのうちの1回分の圧縮データのみをオーディオ
再生にまわすようにしている。具体的には、スパイラル
状の記録トラックを走査(トラッキング)する際に、1
回転毎に元のトラック位置に戻るようなトラックジャン
プを行って、同じトラックを4回ずつ繰り返しトラッキ
ングするような形態で再生動作を進めることになる。こ
れは、例えば4回の重複読み取りの内、少なくとも1回
だけ正常な圧縮データが得られればよいことになり、外
乱等によるエラーに強く、特に携帯用小型機器に適用し
て好ましいものである。
【0008】さらに、本出願人は、効率良く、良好な圧
縮を実現するためのビット割当手法を特願平4−369
52号の明細書及び図面等において提案している。この
技術はビットの割当に際し、いわゆる臨界帯域(クリテ
ィカルバンド)等の各小ブロック中の信号の大きさに依
存したビット割り当てを、当該小ブロックの対応する帯
域に応じて重み付けして行うというものである。この技
術によれば各小ブロック内のスペクトルの大きさに極端
なばらつきが生じない場合には、良好に圧縮を行うこと
が出来る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、各小ブ
ロック内のスペクトラムの大きさに極端なバラツキや特
出するピーク成分を含む場合、言い換えれば、マスクす
る音がトーン状の場合や、各小ブロック中の信号の大き
さを各小ブロック内の最大の値を取るもの或いは各小ブ
ロック中の総和又は平均等で求めた場合にその値と同様
の値を示す各小ブロック内の信号の大きさに極端なバラ
ツキの無い小ブロックの場合には、マスクする音がノイ
ズ状の小ブロックとの区別がつかず、上述の技術でも良
好な結果が得られない場合が生じる。これは、マスキン
グ効果を考えた場合、マスクする音の性質、即ち、それ
がノイズ状であるか、トーン状であるかによってその効
果の大きさが変化することに起因している。
【0010】従って、上述の技術では、上記の場合、よ
り多くのビットを必要とする、即ち、トーン状の信号が
マスクする音となっている小ブロックに合わせたビット
割当を採用しなければならず、より少ないビットの割当
で済むマスクする音がノイズ状である小ブロックに、余
分なビットを割り当てる結果となり、圧縮に際しての効
率の低下を招く場合が生じる。
【0011】そこで、本発明はこの様な実情に鑑みてな
されたものであり、マスクする音の性質に合わせたビッ
トの割当の手法が適用されるディジタル信号処理方法及
びその装置、並びに本発明のディジタル信号処理方法に
よって圧縮されたデータを記録してなる記録媒体の提供
を目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的を
達成するために提案されたものであり、ディジタル信号
を情報圧縮して記録若しくは伝送及び/又は再生若しく
は受信して伸張するディジタル信号処理方法であって、
本発明のディジタル信号処理方法は、入力信号のスペク
トル毎にマスクモデルを生成するマスクモデル生成工程
と、上記マスクモデル生成工程で生成したマスクモデル
を全ての周波数について畳込み演算を実施し、許容ノイ
ズスペクトルを求める許容ノイズスペクトル演算工程
と、上記許容ノイズスペクトル演算工程で求めた許容ノ
イズスペクトルを時間と周波数について細分化した小ブ
ロックに分配し、圧縮のためのビット割当を行うビット
割当工程とを有するものである。
【0013】また、本発明のディジタル信号処理装置
は、入力信号のスペクトル毎にマスクモデルを生成する
マスクモデル生成手段と、上記マスクモデル生成手段で
生成したマスクモデルを全ての周波数について畳込み演
算を実施し、許容ノイズスペクトルを求める許容ノイズ
スペクトル演算手段と、上記許容ノイズスペクトル演算
手段で求めた許容ノイズスペクトルを時間と周波数につ
いて細分化した小ブロックに分配し、圧縮のためのビッ
ト割当を行うビット割当手段とを有するものである。
【0014】ここで、本発明のディジタル信号処理方法
とディジタル信号処理装置において、上記マスクモデル
生成の際には、ディジタル信号に対するビット割当のた
めの時間と周波数について細分化した小ブロック内の信
号を、当該小ブロック内の代表値によって正規化し、且
つ、入力信号のスペクトル毎にマスクモデルを生成す
る。また、上記マスクモデル生成の際には、ディジタル
信号に対する圧縮のためのビット割当に使用できる全ビ
ットを入力信号を時間と周波数について細分化した小ブ
ロック内の信号の大きさに依存して割り当てる際のビッ
ト割当分と、入力信号のスペクトル毎に、マスクモデル
を生成し、さらにこのときの上記ビット割当の際には、
許容ノイズスペクトル演算工程で求めた許容ノイズスペ
クトルを、時間と周波数について細分化した小ブロック
に分配して圧縮のためのビット割当を行うビット割当分
に分割使用し、そのうちの各小ブロック内の信号の大き
さに依存したビット割当を、該当する小ブロックの対応
する帯域に応じて重み付けして割り当てるようにする。
【0015】さらに、本発明のディジタル信号処理方法
(又は装置)では、以下のようなことを行う。すなわ
ち、入力信号に適応してその処理ブロックの長さを可変
とし、当該処理ブロックの入力信号の変化及び外の処理
ブロックの入力信号の変化、及び/又はパワー、或いは
エネルギ又はピーク情報を基に、当該処理ブロックの長
さを決定する処理ブロック長決定工程(又は手段)を設
けるようにしている。入力信号に適応してその処理ブロ
ックの長さを可変とし、当該処理ブロックの入力信号の
変化及び時間的に処理ブロックの最大より長い時間幅の
入力信号により得られる入力信号の変化情報を基に当該
処理ブロックの長さを決定する処理ブロック長決定工程
(又は手段)を設けるようにしている。また、これら両
処理ブロック長決定工程(又は手段)の両機能を合わせ
もつようにもしている。さらに、上記処理ブロック長決
定工程(又は手段)は、処理ブロックの長さを決定する
要素の決定に関与する割合を固定、或いは入力信号に適
応した割合及び/又は所定の割合(例えば2倍,4倍,
8倍等)で併用若しくは単独で使用する。なお、入力信
号はオーディオ信号であり、高域程、少なくとも大部分
の量子化雑音の発生をコントロールするブロックの周波
数幅を広くしてゆくようにしている。また、本発明のデ
ィジタル信号処理装置には、時間軸信号から周波数軸上
の複数の帯域への分割に直交変換を用いる直交変換工程
(又は手段)及び/又は周波数軸上の複数帯域から時間
軸信号への変換に逆直交変換を用いる逆直交変換工程
(又は手段)と、上記直交変換における直交変換サイズ
の可変と共に当該直交変換時に使用する窓関数の形状も
変化させる直交変換サイズ及び窓関数形状可変工程(又
は手段)とを設けるようにもしている。このとき、上記
時間軸信号から周波数軸上の複数の帯域への分割の際に
は、先ず複数の帯域に分割し、当該分割された帯域毎に
複数のサンプルからなるブロックを形成し、各帯域のブ
ロック毎に直交変換を行い係数データを得、及び/又
は、上記周波数軸上の複数帯域から時間軸信号への変換
の際には、周波数軸上の複数帯域から時間軸信号への変
換に各帯域のブロック毎に逆直交変換を行い、各逆直交
変換出力を合成して時間軸上の合成信号を得る。また、
直交変換前の時間軸信号から周波数軸上の複数の帯域へ
の分割における分割周波数幅及び/又は逆直交変換後の
周波数軸上の複数の帯域から時間軸信号への合成におけ
る複数の帯域からの合成周波数幅を、略高域程広くす
る。前記分割周波数幅及び/又は前記合成周波数幅を最
低域の連続した2帯域で同一とする。さらに、上記ビッ
ト割当の際には、略信号通過帯域以上の帯域の信号成分
に対する圧縮符号のメイン情報及び/又はサブ情報を割
り当てないようにもする。なお、前記複数の帯域への分
割及び/又は前記複数の帯域からなる時間軸上の信号へ
の変換にクワドラチャ・ミラー・フィルタ(QMFフィ
ルタ)を用いるようにしている。また、直交変換として
は、変更離散コサイン変換を用いている。さらに上記処
理ブロックの入力信号の変化を基に処理ブロックの時間
的長さを決定する際には、その境界値が入力信号の振
幅、周波数に応じて可変とする。上記処理ブロックの入
力信号の変化を基に処理ブロックの時間的長さを決定す
る境界値が入力信号の振幅、周波数に応じて複数の階段
状の値をとる。上記外の処理ブロックの信号が前記処理
ブロックの信号に及ぼす聴覚上の特性を周波数軸上のス
ペクトル及び/又は直交変換係数のエネルギ及び/又は
パワー又はピーク情報を用いて計算し、当該処理ブロッ
クの時間的長さの決定を行うようにする。上記外の処理
ブロックの信号が前記処理ブロックの信号に及ぼす聴覚
上の特性を計算する際に用いる周波数軸上のスペクトル
及び/又は直交変換係数を、圧縮のためのビットの割当
及び/又はブロックフローティングに用いる直交変換後
の時間軸上のスペクトル及び/又は直交変換係数と共用
する。さらに、本発明のディジタル信号処理装置は、上
記境界値を入力信号の振幅,周波数に応じて可変する機
能と、聴覚上の特性をスペクトル,エネルギ,パワー,
ピーク情報を用いて計算して処理ブロックの時間的長さ
を決定する機能を合わせもつようにしている。またさら
に、上記処理ブロックの入力信号の変化を基に処理ブロ
ックの時間的長さを決定する際には、入力信号の周期的
変化、及び/又は繰り返しのパルス又は周期的特徴を基
にした判断を行うようにしている。
【0016】最後に、本発明の記録媒体は、上述した本
発明のディジタル信号処理方法若しくは装置によって圧
縮した圧縮データを記録してなるものである。
【0017】すなわち、本発明に係るディジタル信号処
理装置(高能率符号化装置又は圧縮又は/及び伸張装
置)は、入力信号を周波数について変換したそれぞれ毎
に、マスキングについてのモデルを設定し、このモデル
を畳込み演算ないしは、総加算によって許容ノイズスペ
クトルを求め、この値を時間と周波数について細分化し
た小ブロックに対しビット割当を行うようにして、マス
クする音の性質によるマスキング効果の違いを利用し、
上述の問題を解決する。
【0018】ここで、スペクトル毎にモデルを設定する
際に、そのスペクトルの周波数に応じてモデルの周波数
幅を変化させるといっそう効果的である。
【0019】さらには、設定するモデルのレベルは、そ
のスペクトルの周波数に応じて可変とすると、よりいっ
そう効果的である。
【0020】
【作用】本発明のディジタル信号処理方法及び装置によ
れば、入力信号を周波数について変換したそれぞれ毎
に、マスキングについてのモデルを設定し、このモデル
を畳込み演算ないしは総加算することによって許容ノイ
ズスペクトルを求め、この値を時間と周波数について細
分化した小ブロックに対しビット割当を行うようにし
て、マスクする音の性質に適応したビットの配分を行う
ようにしている。これにより、圧縮の効率の低下を防ぐ
ことができ、同一のビットレートにおいてはより良好な
音質を得ることができるようになり、又、同一の音質に
おいてはより低いビットレートでの記録、伝送等を実現
することが可能となる。
【0021】
【実施例】先ず、図1は、本発明のディジタル信号処理
方法が適用される本発明実施例のディジタル信号処理装
置(圧縮データ記録及び/又は再生装置9)の一実施例
の概略構成を示すブロック回路図である。
【0022】図1に示す圧縮データ記録及び/又は再生
装置9において、先ず記録媒体としては、スピンドルモ
ータ51により回転駆動される光磁気ディスク1が用い
られる。光磁気ディスク1に対するデータの記録時に
は、例えば光学ヘッド53によりレーザ光を照射した状
態で記録データに応じた変調磁界を磁気ヘッド54によ
り印加することによって、いわゆる磁界変調記録を行
い、光磁気ディスク1の記録トラックに沿ってデータを
記録する。また再生時には、光磁気ディススク1の記録
トラックを光学ヘッド53によりレーザ光でトレースし
て磁気光学的に再生を行う。
【0023】光学ヘッド53は、例えば、レーザダイオ
ード等のレーザ光源、コリメータレンズ、対物レンズ、
偏光ビームスプリッタ、シリンドリカルレンズ等の光学
部品及び所定パターンの受光部を有するフォトディテク
タ等から構成されている。この光学ヘッド53は、光磁
気ディスク1を介して上記磁気ヘッド54と対向する位
置に設けられている。光磁気ディスク1にデータを記録
するときには、後述する記録系のヘッド駆動回路66に
より磁気ヘッド54を駆動して記録データに応じた変調
磁界を印加すると共に、光学ヘッド53により光磁気デ
ィスク1の目的トラックにレーザ光を照射することによ
って、磁界変調方式により熱磁気記録を行う。またこの
光学ヘッド53は、目的トラックに照射したレーザ光の
反射光を検出し、例えばいわゆる非点収差法によりフォ
ーカスエラーを検出し、例えばいわゆるプッシュプル法
によりトラッキングエラーを検出する。光磁気ディスク
1からデータを再生するとき、光学ヘッド53は上記フ
ォーカスエラーやトラッキングエラーを検出すると同時
に、レーザ光の目的トラックからの反射光の偏光角(カ
ー回転角)の違いを検出して再生信号を生成する。
【0024】光学ヘッド53の出力は、RF回路55に
供給される。このRF回路55は、光学ヘッド53の出
力から上記フォーカスエラー信号やトラッキングエラー
信号を抽出してサーボ制御回路56に供給するととも
に、再生信号を2値化して後述する再生系のデコーダ7
1に供給する。
【0025】サーボ制御回路56は、例えばフォーカス
サーボ制御回路やトラッキングサーボ制御回路、スピン
ドルモータサーボ制御回路、スレッドサーボ制御回路等
から構成される。上記フォーカスサーボ制御回路は、上
記フォーカスエラー信号がゼロになるように、光学ヘッ
ド53の光学系のフォーカス制御を行う。また上記トラ
ッキングサーボ制御回路は、上記トラッキングエラー信
号がゼロになるように光学ヘッド53の光学系のトラッ
キング制御を行う。さらに上記スピンドルモータサーボ
制御回路は、光磁気ディスク1を所定の回転速度(例え
ば一定線速度)で回転駆動するようにスピンドルモータ
51を制御する。また、上記スレッドサーボ制御回路
は、システムコントローラ57により指定される光磁気
ディスク1の目的トラック位置に光学ヘッド53及び磁
気ヘッド54を移動させる。このような各種制御動作を
行うサーボ制御回路56は、該サーボ制御回路56によ
り制御される各部の動作状態を示す情報をシステムコン
トローラ57に送る。
【0026】システムコントローラ57にはキー入力操
作部58や表示部59が接続されている。このシステム
コントローラ57は、キー入力操作部58による操作入
力情報により指定される動作モードで記録系及び再生系
の制御を行う。またシステムコントローラ7は、光磁気
ディスク1の記録トラックからヘッダータイムやサブコ
ードのQデータ等により再生されるセクタ単位のアドレ
ス情報に基づいて、光学ヘッド53及び磁気ヘッド54
がトレースしている上記記録トラック上の記録位置や再
生位置を管理する。さらにシステムコントローラ57
は、データ圧縮率と上記記録トラック上の再生位置情報
とに基づいて表示部59に再生時間を表示させる制御を
行う。
【0027】この再生時間表示は、光磁気ディスク1の
記録トラックからいわゆるヘッダータイムやいわゆるサ
ブコードQデータ等により再生されるセクタ単位のアド
レス情報(絶対時間情報)に対し、データ圧縮率の逆数
(例えば1/4圧縮のときには4)を乗算することによ
り、実際の時間情報を求め、これを表示部9に表示させ
るものである。なお、記録時においても、例えば光磁気
ディスク等の記録トラックに予め絶対時間情報が記録さ
れている(プリフォーマットされている)場合に、この
プリフォーマットされた絶対時間情報を読み取ってデー
タ圧縮率の逆数を乗算することにより、現在位置を実際
の記録時間で表示させることも可能である。
【0028】次にこのディスク記録再生装置の記録再生
機の記録系において、入力端子60からのアナログオー
ディオ入力信号AINがローパスフィルタ61を介してA
/D変換器62に供給され、このA/D変換器62は上
記アナログオーディオ入力信号AINを量子化する。A/
D変換器62から得られたディジタルオーディオ信号
は、ATC(Adaptive Transform Coding )PCMエン
コーダ63に供給される。また、入力端子67からのデ
ィジタルオーディオ入力信号DINがディジタル入力イン
ターフェース回路68を介してATCエンコーダ63に
供給される。ATCエンコーダ63は、上記入力信号A
INを上記A/D変換器62により量子化した所定転送速
度のディジタルオーディオPCMデータについて、ビッ
ト圧縮(データ圧縮)処理を行う。ここではその圧縮率
を4倍として説明するが、本実施例はこの倍率には依存
しない構成となっており、応用例により任意に選択が可
能である。
【0029】次にメモリ64は、データの書き込み及び
読み出しがシステムコントローラ57により制御され、
ATCエンコーダ63から供給されるATCデータを一
時的に記憶しておき、必要に応じてディスク上に記録す
るためのバッファメモリとして用いられている。すなわ
ち、例えばATCエンコーダ63によって高能率符号化
がなされた圧縮オーディオデータは、そのデータ転送速
度が、標準的なCD−DAフォーマットのデータ転送速
度(75セクタ/秒)の1/4、すなわち18.75セ
クタ/秒に低減されており、この圧縮データがメモリ1
4に連続的に書き込まれる。この圧縮データ(ATCデ
ータ)は、前述したように4セクタにつき1セクタの記
録を行えば足りるが、このような4セクタおきの記録は
事実上不可能に近いため、後述するようなセクタ連続の
記録を行うようにしている。この記録は、休止期間を介
して、所定の複数セクタ(例えば32セクタ+数セク
タ)から成るクラスタを記録単位として、標準的なCD
−DAフォーマットと同じデータ転送速度(75セクタ
/秒)でバースト的に行われる。すなわちメモリ14に
おいては、上記ビット圧縮レートに応じた18.75
(=75/4)セクタ/秒の低い転送速度で連続的に書
き込まれたATCオーディオデータが、記録データとし
て上記75セクタ/秒の転送速度でバースト的に読み出
される。この読み出されて記録されるデータについて、
記録休止期間を含む全体的なデータ転送速度は、上記1
8.75セクタ/秒の低い速度となっているが、バース
ト的に行われる記録動作の時間内での瞬時的なデータ転
送速度は上記標準的な75セクタ/秒となっている。従
って、ディスク回転速度が標準的なCD−DAフォーマ
ットと同じ速度(一定線速度)のとき、該CD−DAフ
ォーマットと同じ記録密度、記憶パターンの記録が行わ
れることになる。
【0030】メモリ64から上記75セクタ/秒の(瞬
時的な)転送速度でバースト的に読み出されたATCオ
ーディオデータすなわち記録データは、エンコーダ65
に供給される。ここで、メモリ64からエンコーダ65
に供給されるデータ列において、1回の記録で連続記録
される単位は、複数セクタ(例えば32セクタ)から成
るクラスタ及び該クラスタの前後位置に配されたクラス
タ接続用の数セクタとしている。このクラスタ接続用セ
クタは、エンコーダ65でのインターリーブ長より長く
設定しており、インターリーブされても他のクラスタの
データに影響を与えないようにしている。
【0031】エンコーダ65は、メモリ64から上述し
たようにバースト的に供給される記録データについて、
エラー訂正のための符号化処理(パリティ付加及びイン
ターリーブ処理)やEFM符号化処理などを施す。この
エンコーダ65による符号化処理の施された記録データ
が磁気ヘッド駆動回路66に供給される。この磁気ヘッ
ド駆動回路66は、磁気ヘッド54が接続されており、
上記記録データに応じた変調磁界を光磁気ディスク1に
印加するように磁気ヘッド54を駆動する。
【0032】また、システムコントローラ57は、メモ
リ64に対する上述の如きメモリ制御を行うとともに、
このメモリ制御によりメモリ64からバースト的に読み
出される上記記録データを光磁気ディスク2の記録トラ
ックに連続的に記録するように記録位置の制御を行う。
この記録位置の制御は、システムコントローラ57によ
りメモリ64からバースト的に読み出される上記記録デ
ータの記録位置を管理して、光磁気ディスク1の記録ト
ラック上の記録位置を指定する制御信号をサーボ制御回
路56に供給することによって行われる。
【0033】次に、この光磁気ディスク記録再生ユニッ
トの再生系について説明する。この再生系は、上述の記
録系により光磁気ディスク1の記録トラック上に連続的
に記録された記録データを再生するためのものであり、
光学ヘッド53によって光磁気ディスク1の記録トラッ
クをレーザ光でトレースすることにより得られる再生出
力がRF回路55により2値化されて供給されるデコー
ダ71を備えている。この時光磁気ディスクのみではな
く、コンパクトディクス(CD:COMPACT DISC)と同じ
再生専用光ディスクの読み出しも行なうことができる。
【0034】デコーダ71は、上述の記録系におけるエ
ンコーダ65に対応するものであって、RF回路55に
より2値化された再生出力について、エラー訂正のため
の上述の如き復号化処理やEFM復号化処理などの処理
を行いオーディオデータを、正規の転送速度よりも早い
75セクタ/秒の転送速度で再生する。このデコーダ7
1により得られる再生データは、メモリ72に供給され
る。
【0035】メモリ72は、データの書き込み及び読み
出しがシステムコントローラ57により制御され、デコ
ーダ71から75セクタ/秒の転送速度で供給される再
生データがその75セクタ/秒の転送速度でバースト的
に書き込まれる。また、このメモリ72は、上記75セ
クタ/秒の転送速度でバースト的に書き込まれた上記再
生データが正規の75セクタ/秒の転送速度18.75
セクタ/秒で連続的に読み出される。
【0036】システムコントローラ57は、再生データ
をメモリ72に75セクタ/秒の転送速度で書き込むと
ともに、メモリ72から上記再生データを上記18.7
5セクタ/秒の転送速度で連続的に読み出すようなメモ
リ制御を行う。また、システムコントローラ57は、メ
モリ72に対する上述の如きメモリ制御を行うととも
に、このメモリ制御によりメモリ72からバースト的に
書き込まれる上記再生データを光磁気ディスク1の記録
トラックから連続的に再生するように再生位置の制御を
行う。この再生位置の制御は、システムコントローラ5
7によりメモリ72からバースト的に読み出される上記
再生データの再生位置を管理して、光磁気ディスク1も
しくは光ディスク1の記録トラック上の再生位置を指定
する制御信号をサーボ制御回路56に供給することによ
って行われる。
【0037】メモリ72から18.75セクタ/秒の転
送速度で連続的に読み出された再生データとして得られ
るATCオーディオデータは、ATCデコーダ73に供
給される。このATCデコーダ73は、ATCデータを
4倍にデータ伸張(ビット伸張)することで16ビット
のディジタルオーディオデータを再生する。このATC
デコーダ73からのディジタルオーディオデータは、D
/A変換器74に供給される。
【0038】D/A変換器74は、ATCデコーダ73
から供給されるディジタルオーディオデータをアナログ
信号に変換して、アナログオーディオ出力信号AOUT を
形成する。このD/A変換器74により得られるアナロ
グオーデイオ信号AOUT は、ローパスフィルタ75を介
して出力端子76から出力される。
【0039】次に、上記ATCエンコーダ63における
高能率圧縮符号化について詳述する。すなわち、オーデ
ィオPCM信号等の入力ディジタル信号を、帯域分割符
号化(SBC)、適応変換符号化(ATC)及び適応ビ
ット割当ての各技術を用いて高能率符号化する技術につ
いて、図2以降を参照しながら説明する。
【0040】図2に示す具体的な高能率符号化装置で
は、入力ディジタル信号を複数の周波数帯域に分割する
と共に、最低域の隣接した2帯域の帯域幅は同じで、よ
り高い周波数帯域では高い周波数帯域ほどバンド幅を広
く選定し、各周波数帯域毎に直交変換を行って、得られ
た周波数軸のスペクトルデータを、低域では、後述する
人間の聴覚特性を考慮したいわゆる臨界帯域幅(クリテ
ィカルバンド)毎に、中高域ではブロックフローティン
グ効率を考慮して臨界帯域幅を細分化した帯域毎に、適
応的にビット割当して符号化している。通常このブロッ
クが量子化雑音発生ブロックとなる。さらに、本発明実
施例においては、直交変換の前に入力信号に応じて適応
的にブロックサイズ(ブロック長)を変化させると共
に、該ブロック単位でフローテイング処理を行ってい
る。
【0041】即ち、図2において、入力端子200には
例えばサンプリング周波数が44.1kHzの時、0〜
22kHzのオーディオPCM信号が供給されている。
この入力信号は、例えばいわゆるQMFフィルタ等の帯
域分割フィルタ201により0〜11kHz帯域と11
kHz〜22kHz帯域とに分割され、0〜11kHz
帯域の信号は同じくいわゆるQMFフィルタ等の帯域分
割フィルタ202により0〜5.5kHz帯域と5.5
kHz〜11kHz帯域とに分割される。帯域分割フィ
ルタ201からの11kHz〜22kHz帯域の信号は
直交変換回路の一例であるMDCT回路203に送ら
れ、帯域分割フィルタ202からの5. 5kHz〜11
kHz帯域の信号はMDCT回路204に送られ、帯域
分割フィルタ202からの0〜5.5kHz域の信号は
MDCT回路205に送られることにより、それぞれM
DCT処理される。
【0042】ここで上述した入力ディジタル信号を複数
の周波数帯域に分割する手法としては、例えば上記QM
F等のフィルタによる分割手法がある。この分割手法は
文献「ディジタル・コーディング・オブ・スピーチ・イ
ン・サブバンズ」("Digitalcoding of speech in subba
nds" R.E.Crochiere, Bell Syst.Tech. J., Vol.55,N
o.8 1976) に述べられている。また、文献「ポリフェィ
ズ・クァドラチュア・フィルターズ −新しい帯域分割
符号化技術」("Polyphase Quadrature filters-A new s
ubband coding technique", Joseph H. Rothweiler ICA
SSP 83, BOSTON)には、等帯域幅のフィルタ分割手法が
述べられている。
【0043】さらに、上述した直交変換としては、例え
ば、入力オーディオ信号を所定単位時間(フレーム)で
ブロック化し、当該ブロック毎に高速フーリエ変換(F
FT)、コサイン変換(DCT)、モディファイドDC
T変換(MDCT)等を行うことで時間軸を周波数軸に
変換するような直交変換がある。上記MDCTについて
は、文献「時間領域エリアシング・キャンセルを基礎と
するフィルタ・バンク設計を用いたサブバンド/変換符
号化」("Subband/Transform Coding Using Filter Bank
Designs Based on Time Domain Aliasing Cancellatio
n," J.P.Princen A.B.Bradley, Univ. of Surrey Royal
Melbourne Inst. of Tech. ICASSP 1987)に述べられて
いる。
【0044】ここで、各MDCT回路203、204、
205に供給する各帯域毎のブロックについての標準的
な入力信号に対する具体例を図3に示す。この図3の具
体例においては、3つのフィルタ出力信号は、各帯域ご
とに独立に各々複数の直交変換ブロックサイズを持ち、
信号の時間特性、周波数分布等により時間分解能を切り
換えられる様にしている。信号が時間的に準定常的であ
る場合には、直交変換ブロックサイズを11.6mS、
即ち、図3における(A)Long Modeと大きく
し、信号が非定常的である場合には、直交変換ブロック
サイズを更に2分割、4分割とする。図3における
(B)Short Modeのごとく、すべてを4分割
で2.9mSとする場合や、図3における(C)Mid
dle Mode A、(D)Middle Mode
Bのごとく、一部を2分割で5.8mS、1部を4分
割で2.9mSの時間分解能とすることで、実際の複雑
な入力信号に適応するようになっている。この直交変換
ブロックサイズの分割は処理装置の規模が許せば、さら
に複雑な分割を行なうと、より効果的なことは明白であ
る。このブロックサイズの決定は図2におけるブロック
サイズ決定回路206、207、208で決定され、各
MDCT回路203、204、205に伝えられるとと
もに、該当ブロックのブロックサイズ情報として出力端
子216、217、218より出力される。
【0045】次に、ブロックサイズ決定回路の詳細を図
4に示す。ここでは図2におけるブロック決定回路20
6を例に説明する。図2におけるQMF201の出力の
うち、11kHz〜22kHzの出力は図4における入
力端子401を介してパワー算出回路404に送られ
る。さらに、図2におけるQMF202の出力のうち、
5.5kHz〜11kHzの出力は図4における入力端
子402を介してパワー算出回路405へ、0〜5.5
kHzの出力は図4における入力端子403を介してパ
ワー算出回路406へとそれぞれ送られる。また、図2
におけるブロックサイズ決定回路207、208は図4
における入力端子401、402、403へ入力される
信号がブロックサイズ決定回路206の場合と異なるだ
けで、動作は同一である。各ブロックサイズ決定回路2
06、207、208におけるそれぞれの入力端子40
1、402、403はマトリクス構成となっており、即
ち、ブロックサイズ決定回路207の入力端子401に
は図2におけるQMF202の5.5kHz〜11kH
zの出力が接続されており、同入力端子402には0〜
5.5kHzの出力が接続されている。ブロックサイズ
決定回路208についても、同様である。
【0046】図4において、各パワー算出回路404、
405、406は入力された時間波形を一定時間、積分
することによって、各周波数帯域のパワーを求めてい
る。この際、積分する時間幅は上述の直交変換ブロック
サイズのうち、最小時間ブロック以下である必要があ
る。また、上述の算出法以外、例えば直交変換ブロック
サイズの最小時間幅内の最大振幅の絶対値あるいは振幅
の平均値を代表パワーとして用いても同様の効果が得ら
れる。パワー算出回路404の出力は変化分抽出回路4
08及びパワー比較回路409に、パワー算出回路40
5、406の出力はパワー比較回路409にそれぞれ送
られる。変化分抽出回路408ではパワー算出回路40
4より送られたパワーの微係数を求めてパワーの変化情
報として、ブロックサイズ1次決定回路410及びメモ
リ407へ送る。メモリ407では、変化分抽出回路4
08より送られたパワーの変化情報を上述の直交変換ブ
ロックサイズの最大時間以上、蓄積する。これは時間的
に隣接する直交変換ブロックが直交変換の際のウィンド
ウ処理により、互いに影響を与え合うため、時間的に隣
接する1つ前のブロックのパワー変化情報をブロックサ
イズ1次決定回路410において必要とするためであ
る。ブロックサイズ1次決定回路410では変化分抽出
回路408より送られた該当ブロックのパワー変化情報
とメモリ407より送られた時間的に隣接する該当ブロ
ックの1つ前のブロックのパワー変化情報をもとに、該
当する周波数帯域内のパワーの時間的変位から該当する
周波数帯域の直交変換ブロックサイズを決定する。この
際、一定以上の変位が認められた場合、より時間的に短
い直交変換ブロックイサイズを選択するわけであるが、
その変位点は固定でも効果は得られる。さらに周波数に
比例した値、即ち、周波数が高い場合は大きな変位によ
って時間的に短いブロックサイズとなり、周波数が低い
場合は、高い場合のそれに比べ小さな変位で時間的に短
いブロックサイズに決定されると、より効果的である。
この値はなめらかに変化することが望ましいが、複数段
階の階段状の変化であっても、構わない。以上のように
決定されたブロックサイズはブロックサイズ修正回路4
11へ伝送される。
【0047】一方、パワー比較回路409において、各
パワー算出回路404、405、406より送られた各
周波数帯域のパワー情報を同時刻及び時間軸上でマスキ
ング効果の発生する時間幅で比較を行ない、パワー算出
回路404の出力周波数帯域に及ぼす他の周波数帯域の
影響を求め、ブロックサイズ修正回路411へ伝送す
る。ブロックサイズ修正回路411ではパワー比較回路
409より送られたマスキング情報及びディレイ回路4
12、413、414からなるディレイ群の各タップか
ら送られた過去のブロックサイズ情報を基に、ブロック
サイズ1次決定回路410より送られたブロックサイズ
をより時間的に長いブロックサイズを選択するよう修正
をかけ、ディレイ回路412及びウィンドウ形状決定回
路415へ出力している。ブロックサイズ修正回路41
1における作用は、該当周波数帯域においてプリエコー
が問題となる場合でも、他の周波数帯域、特に該当周波
数帯域より低い帯域において、大きな振幅を持つ信号が
存在した場合、そのマスキング効果により、プリエコー
が聴感上問題とならない、あるいは問題が軽減される場
合があるという特性を利用している。なお、上記マスキ
ングとは、人間の聴覚上の特性により、ある信号によっ
て他の信号がマスクされて聞こえなくなる現象をいうも
のであり、このマスキング効果には、時間軸上のオーデ
イオ信号による時間軸マスキング効果と、周波数軸上の
信号による同時刻マスキング効果とがある。これらのマ
スキング効果により、マスキングされる部分にノイズが
あったとしても、このノイズは聞こえないことになる。
このため、実際のオーデイオ信号では、このマスキング
される範囲内のノイズは許容可能なノイズとされる。
【0048】次に、ディレイ回路412、413、41
4では過去の直交変換ブロックサイズを順に記録してお
き、各タップ、即ち、ディレイ回路412、413、4
14の出力より、ブロックサイズ決定回路411へ出力
している。同時に、ディレイ回路412の出力は出力端
子417へ、ディレイ回路412、413の出力はウィ
ンドウ形状決定回路415へ接続している。このディレ
イ回路412、413、414からの出力はブロックサ
イズ修正回路411においてより長い時間幅でのブロッ
クサイズの変化を該当ブロックのブロックサイズの決定
に役立てる働き、例えば、過去頻繁により時間的に短い
ブロックサイズが選択されている場合は、時間的に短い
ブロックサイズの選択を増やし、過去において時間的に
短いブロックサイズの選択がなされてない場合において
は、時間的に長いブロックサイズの選択を増やす等の判
断を可能としている。なお、このディレイ群はウィンド
ウ決定回路415及び出力端子417に必要なディレイ
回路412、413を除けば、そのタップ数は装置の実
際的な構成、規模により増減させて用いられる場合もあ
る。ウィンドウ形状決定回路415ではブロックサイズ
修正回路411の出力、即ち、該当ブロックの時間的に
隣接する1つ後のブロックサイズとディレイ回路412
の出力、即ち、該当ブロックのブロックサイズとディレ
イ回路413の出力、即ち、該当ブロックの時間的隣接
する1つ前のブロックサイズとから、上述の図2におけ
る各MDCT回路203、204、205において使用
されるウィンドウの形状を決定し、出力端子416へ出
力する。図4における出力端子417、即ち、ブロック
サイズ情報と出力端子416、即ち、ウィンドウ形状情
報が、図2におけるブロックサイズ決定回路206、2
07、208の出力として各部へ接続される。
【0049】ここでウィンドウ形状決定回路415にお
いて決定されるウィンドウの形状について説明する。図
5に隣接するブロックとウィンドウの形状の様子を示
す。図5のa〜cより判るように、図中点線及び実線で
示すように直交変換に使用されるウィンドウは時間的に
隣接するブロックとの間で重複する部分があり、本実施
例では、隣接するブロックの中心まで重複する形状を採
用しているため、隣接するブロックの直交変換サイズに
よりウィンドウの形状が変化する。
【0050】図6には上記ウィンドウ形状の詳細を示
す。図6においてウィンドウ関数f(n)、g(n+
N)は次式(1)を満たす関数として与えられる。
【0051】 f(n)×f(L−1−n)=g(n)×g(L−1−n) f(n)×f(n)+g(n)×g(n)=1 ・・・(1) 0≦n≦L−1。
【0052】この式(1)におけるLは、隣接する変換
ブロック長が同一であればそのまま変換ブロック長とな
るが、隣接する変換ブロック長が異なる場合は、より短
いほうの変換ブロック長をLとし、より長い変換ブロッ
ク長をKとすると、ウィンドウが重複しない領域におい
ては、次式(2)として与えられる。
【0053】 f(n)=g(n)=1 K≦n≦3K/2−L/2 f(n)=g(n)=0 3K/2+L≦n≦2K ・・・(2)
【0054】この様にウィンドウの重複部分をできる限
り長く取ることにより、直交変換の際のスペクトルの周
波数分解能を良好なものとしている。以上の説明から明
らかな様に、直交変換に使用するウィンドウの形状は時
間的に連続する3ブロック分の直交変換サイズが確定し
た後、決定される。従って、図4における入力端子40
1、402、403から入力される信号のブロックと出
力端子416、417から出力される信号のブロックは
本実施例において1ブロック分の差異を生じている。
【0055】また、図4におけるパワー算出回路40
5、406及びパワー比較回路409を省略しても図2
におけるブロックサイズ決定回路206、207、20
8を構成することは可能である。さらに、ウィンドウの
形状を直交変換ブロックの取りうる時間的に最小のブロ
ックサイズに固定することによってその種類を1種類と
し、図4におけるディレイ回路412、413、414
及びブロックサイズ修正回路411ならびにウィンドウ
形状決定回路415を省略して構成することも可能であ
る。特に、処理時間の遅延を好まない応用例においては
上述の省略により遅延の少ない構成となり、有効に作用
する。
【0056】再び図2において、各MDCT回路20
3、204、205にてMDCT処理されて得られた周
波数軸上のスペクトルデータあるいはMDCT係数デー
タは、適応ビット割当符号化回路210、211、21
2及びビット配分算出回路209に送られている。ここ
で特に適応ビット割当符号化回路210、211、21
3へ送られているスペクトルデータあるいはMDCT係
数データは、低域はいわゆる臨界帯域(クリティカルバ
ンド)毎にまとめられて、また中高域はブロックフロー
ティングの有効性を考慮して臨界帯域幅がさらに細分化
されている。なお、このクリティカルバンドとは、人間
の聴覚特性を考慮して分割された周波数帯域であり、あ
る純音の周波数近傍の同じ強さの狭帯域バンドノイズに
よって当該純音がマスクされるときのそのノイズの持つ
帯域のことである。このクリティカルバンドは、高域ほ
ど帯域幅が広くなっており、上記0〜22kHzの全周
波数帯域は例えば25のクリティカルバンドに分割され
ている。
【0057】ビット配分算出回路209は、先ず、スペ
クトルデータあるいはMDCT係数データ毎にいわゆる
マスキング効果等を考慮したマスキングのモデルを設定
し、このモデルをすべてのスペクトルデータあるいはM
DCT係数データについて畳み込むことによって周波数
軸上の各周波数についての許容ノイズスペクトルを求め
る。さらに、ビット配分算出回路209は、この許容ノ
イズスペクトルをクリティカルバンド及びブロックフロ
ーティングを考慮した各分割帯域に再割り当てし、この
分割帯域毎にマスキング量を求め、このマスキング量と
クリティカルバンド及びブロックフローティングを考慮
した各分割帯域毎のエネルギあるいはピーク値等に基づ
いて、各帯域毎に割当ビット配分を求める。その後、ビ
ット配分算出回路209からは、上記各帯域毎の割当ビ
ット配分の情報が各適応ビット割当符号化回路210、
211、212へ伝送される。
【0058】適応ビット割当符号化回路210、21
1、212では上記各帯域毎に割り当てられたビット配
分と使用可能な総ビット数から、実際に各帯域に割り当
てることの出来るビット数を算出し、これに応じて各ス
ペクトルデータ(あるいはMDCT係数データ)を量子
化するようにしている。このようにして符号化されたデ
ータは、出力端子213、214、215を介して取り
出される。
【0059】なお、上記マスキングとは、人間の聴覚上
の特性により、ある信号によって他の信号がマスクされ
て聞こえなくなる現象をいうものであり、このマスキン
グ効果には、時間軸上のオーディオ信号による時間軸マ
スキング効果と、周波数軸上の信号による同時刻マスキ
ング効果とがある。これらのマスキング効果により、マ
スキングされる部分にノイズがあったとしても、このノ
イズは聞こえないことになる。このため、実際のオーデ
ィオ信号では、このマスキングされる範囲内のノイズは
許容可能なノイズとされる。
【0060】ここで図7を用いてビット配分算出回路2
09による適応ビット割り当ての動作を説明する。図2
におけるMDCT回路203、204、205の各出力
は、図7における入力端子701に接続され、スペクト
ル毎のマスクパターン生成回路702、及びブロックフ
ローティング係数算出回路710に入力されている。ス
ペクトル毎のマスクパターン生成回路702では、マス
クモデル表保持回路710より出力されるモデルを基に
図8に示すごときマスキングのパターンを各スペクトル
毎に生成する。なお、図8中、Pdはスペクトルのパワ
ー或いはエネルギの関数で表され、また、Wdはスペク
トルの周波数の関数で表されている。より具体的には、
Pdは与えられるスペクトルの周波数が低いほど大きく
なるように重み付され、Wdは周波数が高いほど広くな
るように重み付されてモデル化されている。
【0061】次に、スペクトル毎のマスクモデルは畳込
みフィルタ回路703に送られる。該畳込みフィルタ回
路703は、例えば、入力データを順次遅延させる複数
の遅延素子と、これら遅延素子からの出力にフィルタ係
数(重み付け関数)を乗算する複数の乗算器(例えば各
スペクトルに対応する512個の乗算器)と、各乗算器
出力の総和をとる総和加算器とから構成されるものであ
る。
【0062】ここで、上記畳込みフィルタ回路703の
各乗算器の乗算係数(フィルタ係数)の一具体例を示す
と、任意の周波数に対応する乗算器Mの係数を1とする
とき、乗算器M−1で係数0.15を、乗算器M−2で
係数0.0019を、乗算器M−3で係数0.0000
086を、乗算器M+1で係数0.4を、乗算器M+2
で係数0.06を、乗算器M+3で係数0.007を各
遅延素子の出力に乗算することにより、上記スペクトル
の畳込み処理が行われる。ただし、Mは0〜511の任
意の整数である。
【0063】次に、上記畳込みフィルタ回路703の出
力は引算器704に送られる。該引算器704は、上記
畳込んだ領域での後述する許容可能なノイズレベルに対
応するレベルαを求めるものである。なお当該許容可能
なノイズレベル(許容ノイズレベル)に対応するレベル
αは、後述するように、逆コンボリューション処理を行
うことによって、各スペクトルの示す周波数毎の許容ノ
イズレベルとなるようなレベルである。ここで上記引算
器704には、上記レベルαを求めるための許容関数
(マスキングレベルを表現する関数)が供給される。こ
の許容関数を増減させることで上記レベルαの制御を行
っている。当該許容関数は、次に説明するような(n−
ai)関数発生回路705から供給されているものであ
る。
【0064】すなわち、許容ノイズレベルに対応するレ
ベルαは、スペクトルの低域から順に与えられる番号を
iとすると、次の(3)式で求めることができる。
【0065】α=S−(n−ai) ・・・(3)
【0066】この(3)式において、n,aは定数でa
>0、Sは畳込み処理されたスペクトルの強度であり、
(3)式中(n-ai)が許容関数となる。
【0067】このようにして、上記レベルαが求めら
れ、このデータは、割算器706に伝送される。当該割
算器706では、上記畳込みされた領域での上記レベル
αを逆コンボリューションするためのものである。した
がって、この逆コンボリューション処理を行うことによ
り、上記レベルαから許容ノイズスペクトルが得られ
る。なお、上記逆コンボリューション処理は、複雑な演
算を必要とするが、本実施例では簡略化した割算器70
6を用いて逆コンボリューションを行っている。
【0068】次に、上記許容ノイズスペクトルは、減算
器707に伝送される。ここで、当該減算器707に
は、ブロックフローティング係数算出回路711で求め
られたブロックフローティング係数が、畳込み演算の出
力との位相を合わせる為の遅延回路712を介して供給
されている。ここで求められているブロックフローティ
ング係数は、本実施例においては時間と周波数に細分化
した小ブロック内の絶対値の最大値を代表としている
が、エネルギーの平均を持って代表値としても同様の効
果が得られる。上記減算器707で上記許容ノイズスペ
クトルとブロックフローティング係数との減算演算が行
われることで、ブロックフローティング係数で正規化し
たノイズ許容量が得られ、割付回路708へ伝送され
る。
【0069】当該割付回路708では、各周波数毎に求
められた上述のノイズ許容量が時間と周波数に細分化し
たビット割当の為の小ブロックに割付けられる。この割
付回路708の出力は、出力端子709を介し、図2に
おける適応ビット割当符号化回路210、211、21
2に出力される。本実施例において、この割り付けに際
しては、小ブロック内に該当するノイズ許容量の内、最
小のレベルをもって該小ブロックのノイズ許容量として
いるが、該当ノイズ許容量の平均を求めるようにしても
良い。
【0070】ここで、マスクパターン生成回路702よ
り生成されるパーターンを図10に示すごとき特性とす
ることで、畳込み演算部分を単純な加算演算として実行
して同様の効果を得ることの出来るビット配分算出回路
209による適応ビット割り当てについて説明する。こ
の時の具体的構成を図9に示す。
【0071】図2におけるMDCT回路203、20
4、205の各出力は、図9における入力端子901に
接続され、スペクトル毎のマスクパターン生成回路90
2、及びブロックフローティング係数算出回路908に
入力されている。スペクトル毎のマスクパターン生成回
路902では、マスクモデル表保持回路907より出力
されるモデルを基に図10に示すごときマスキングのモ
デルを各スペクトル毎に生成する。
【0072】スペクトル毎のマスクパターンは総加算演
算器903に送られる。該総加算演算器903は、例え
ば、入力データを順次遅延させる複数の遅延素子と、各
遅延素子出力の総和をとる総和加算器とから構成される
ものである。ここで先のマスキングのモデルは各周波数
毎に加算され、各周波数における許容ノイズスペクトル
として求められる。
【0073】次に、上記許容ノイズスペクトルは、減算
器904に伝送される。ここで、当該減算器904に
は、ブロックフローティング係数算出回路908で求め
られたブロックフローティング係数が、畳込み演算の出
力との位相を合わせる為の遅延回路909を介して供給
されている。ここで求められているブロックフローティ
ング係数は、この図9の例においても、時間と周波数に
細分化した小ブロック内の絶対値の最大値を代表として
いるが、エネルギーの平均を持って代表値としても同様
の効果が得られる。この減算器904で上記許容ノイズ
スペクトルとブロックフローティング係数との減算演算
が行われることで、ブロックフローティング係数で正規
化したノイズ許容量が得られ、割付回路905へ伝送さ
れる。
【0074】上記割付回路905では、各周波数毎に求
められた上述のノイズ許容量が時間と周波数に細分化し
たビット割当の為の小ブロックに割付けられる。この割
付回路905の出力は、出力端子906を介し、図2に
おける適応ビット割当符号化回路210、211、21
2に出力される。この図9の例においても、この割り付
けに際しては、小ブロック内に該当するノイズ許容量の
内、最小のレベルをもって該小ブロックのノイズ許容量
としているが、該当ノイズ許容量の平均を求めるように
しても良い。
【0075】次に、図10と同様に示す図11を用いて
各スペクトル毎にマスクモデルを設定し、このモデルに
依存したビット配分の効果について説明する。量子化の
効率を考慮し、特定の帯域に分けて量子化するものとす
ると、該帯域内のパワーないしはエネルギに依存したビ
ットの配分を考える際、帯域内のピークのパワーないし
エネルギに注目した場合、図11における(a),
(b)は同一のパワーないしエネルギを持つと判断さ
れ、略同一のビットが配分される。一方、帯域内の総エ
ネルギあるいは平均エネルギに注目すると、図11にお
ける(a)の方がより多いビットの配分となる。しかし
ながら、図11における(a)の場合、同図(b)の場
合と比較して、明らかにノイズ状であり、マスキング効
果は、(a)の場合の方が高いと考えられる。従って、
図11においてはむしろ、(b)の方がより多いビット
配分とした方が良好な結果が得られる場合も生じる。
【0076】したがって、本実施例においては、各スペ
クトル毎に設定したマスクモデルに対して畳込み演算或
いは総加算を実施、即ち、図11中の斜線で示される部
分の許容ノイズスペクトルを求めることによって図11
(a)よりも(b)の場合により多くのビット配分がな
されるようにし、良好な結果を得ている。このことは例
えば、文献「トーンによるマスキング対ノイズ帯域」("
Masking by tones vsnoise bands", R.H. Ehmer , J. A
coust. Soc. Am., 31, 1253,(1959))に述べられてい
るような、マスクする音が純音とノイズの場合とでは、
マスキング効果の及ぶ範囲は殆ど変わらないが、2純音
による唸りが生じないために、ノイズの場合の方がマス
キング効果が高い、と言った聴覚的特性に基づき、モデ
ル化を行なったものである。
【0077】なお、この実施例では、MDCTの結果得
られるスペクトルは100Hz以下の低域において、高
々、数本程度しか得られないものと仮定した。このよう
な場合には、計算によって得られた低域側の各スペクト
ルには、それよりも高域の周波数に相当するような信号
も多く混在するため、低域側には十分多くのビット数を
割り当てる必要がある。このため、近似的には、各ブロ
ックの信号成分の大きさに基づいて割り当てられるビッ
トは、低域側ほど多く割り当てられるようにしてよい。
しかし、スペクトルを求める区間をもっと長くとり、例
えば、100Hz以下のスペクトルを十分に密に得るこ
とができる高能率符号化装置であれば、人間の耳の感度
が低い、例えば50Hz以下に相当するスペクトルに対
する、信号の大きさに依存するビットの割当が、それ以
上の帯域の信号に対するビットの割当より少なくなるよ
うにしてもよい。
【0078】以上説明したようなシステムでは、メイン
情報として直交変換出力スペクトルをサブ情報により処
理したデータとサブ情報としてブロックフローティング
の状態を示すスケールファクタ、語長を示すワードレン
グスが得られ、エンコーダからデコーダに送られる。
【0079】図12は図1におけるATCデコーダ7
3、即ち、上述のごとく高能率符号化された信号を再び
復号化するための復号回路を示している。
【0080】この図12において、各帯域の量子化され
たMDCT係数、即ち、図2における出力端子213、
214、215の出力信号と等価のデータは、入力端子
107に与えられ、使用されたブロックサイズ情報、即
ち、図2における出力端子216、217、218の出
力信号と等価のデータは、入力端子108に与えられ
る。適応ビット割当復号化回路106では適応ビット割
当情報を用いてビット割当を解除する。次に逆直交変換
(IMDCT)回路103、104、105では周波数
軸上の信号が時間軸上の信号に変換される。これら各逆
直交変換回路103、104、105からの部分帯域の
時間軸上信号は、帯域合成フィルタ(IQMF)回路1
02、101により、全帯域信号に復号化される。
【0081】なお、本発明は上記実施例のみに限定され
るものではなく、例えば、記録再生媒体と信号圧縮装置
あるいは伸張装置と、さらには、信号圧縮装置と伸張装
置とは一体化されている必要はなく、記録媒体を介せず
に、その間をデータ転送用回線や光ケーブル,光或いは
電波による通信等で結ぶ事も可能である。更に例えば、
オーデイオPCM信号のみならず、ディジタル音声(ス
ピーチ)信号やディジタルビデオ信号等の信号処理装置
にも適用可能である。
【0082】また、本発明の記録媒体は、上記ディジタ
ル信号処理装置により圧縮されたデータを記録すること
で、記録容量の有効利用が図れる。また、本発明の記録
媒体としては、上述した光ディスクのみならず、磁気デ
ィスク、ICメモリ及びそのメモリを内蔵するカード
や、磁気テープ等の各種記録媒体とすることもできる。
【0083】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明のディジタル信号処理方法及び装置においては、入力
信号を周波数について変換したそれぞれ毎に、マスキン
グについてのモデルを設定し、このモデルを畳込み演算
ないしは総加算することによって許容ノイズスペクトル
を求め、この値を時間と周波数について細分化した小ブ
ロックに対しビット割当を行うようにしており、本発明
におけるスペクトル毎のモデルに注目したビット配分の
手法によれば、倍音を多く含むような入力信号に対し、
聴覚的にも望ましいビットの配分の手法を実現でき、し
たがって、聴感上、音質の勝れた高能率な圧縮、伸張を
行うことができる。
【0084】また、本発明のディジタル信号処理方法及
び装置で圧縮したデータを記録する記録媒体としての例
えばディスクは、従来のものよりも記憶容量の有効利用
が図れることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ディジタル信号処理装置の一実施例とし
ての圧縮データの記録再生装置(ディスク記録再生装
置)の構成例を示すブロック回路図である。
【図2】本実施例のビットレート圧縮符号化に使用可能
な高能率圧縮符号化エンコーダの一具体例を示すブロッ
ク回路図である。
【図3】ビット圧縮の際の直交変換ブロックの構造を表
す図である。
【図4】直交変換ブロックサイズを決定する回路の構成
例を示すブロック回路図である。
【図5】時間的に隣接する直交変換ブロックの時間的長
さの変化と直交変換時に用いるウィンドウ形状の関係を
示す図である。
【図6】直交変換時に用いるウィンドウの形状の詳細例
を示す図である。
【図7】ビット配分演算機能を実現する畳込み演算を利
用した構成例を示すブロック回路図である。
【図8】畳込み演算を利用する際のスペクトル毎のマス
クモデルの例を示す図である。
【図9】ビット配分演算機能を実現する単純加算を利用
した構成例を示すブロック回路図である。
【図10】単純加算を利用する際のスペクトル毎のマス
クモデルの例を示す図である。
【図11】スペクトル毎のマスキングモデルに依存した
ビット配分の有用性を説明するための図である。
【図12】実施例のビットレート圧縮符号化に使用可能
な高能率圧縮符号化デコーダの一具体例を示すブロック
回路図である。
【符号の説明】
1 光磁気ディスク 53 光学ヘッド 54 磁気ヘッド 56 サーボ制御回路 57 システムコントローラ 61、75 LPF 62 A/D変換器 63 ATCエンコーダ 64、72 メモリ 65 エンコーダ 66 磁気ヘッド駆動回路 71 デコーダ 73 ATCデコーダ 74 D/A変換器 101、102 帯域合成フィルタ(IQMF) 103、104、105 逆直交変換回路(IMDC
T) 106 適応ビット割当復号化回路 210、202 帯域分割フィルタ 203、204、205 直交変換回路(MDCT) 206、207、208 ブロック決定回路 209 ビット配分算出回路 210、211、212 適応ビット割当符号化回路 404、405、406 パワー算出回路 407 メモリ 408 変化分抽出回路 409 パワー比較回路 410 ブロックサイズ1次決定回路 411 ブロックサイズ修正回路 412、413、414 ディレイ回路 415 ウィンドウ形状決定回路 702、902 マスクパターン生成回路 703 畳込みフィルタ回路 704 引き算器 705 関数発生器 706 割り算器 707、904 減算器 708、905 割り付け回路 710、907 マスクモデル表保持回路 711、908 ブロックフローティング係数算出回路 712、909 遅延回路 903 総加算演算器

Claims (46)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディジタル信号を情報圧縮して記録若し
    くは伝送及び/又は再生若しくは受信して伸張するディ
    ジタル信号処理方法において、 入力信号のスペクトル毎にマスクモデルを生成するマス
    クモデル生成工程と、 上記マスクモデル生成工程で生成したマスクモデルを全
    ての周波数について畳込み演算し、許容ノイズスペクト
    ルを求める許容ノイズスペクトル演算工程と、 上記許容ノイズスペクトル演算工程で求めた許容ノイズ
    スペクトルを時間と周波数について細分化した小ブロッ
    クに分配し、圧縮のためのビット割当を行うビット割当
    工程とを有することを特徴とするディジタル信号処理方
    法。
  2. 【請求項2】 ディジタル信号を情報圧縮して記録若し
    くは伝送及び/又は再生若しくは受信して伸張するディ
    ジタル信号処理方法において、 ディジタル信号に対するビット割当のための時間と周波
    数について細分化した小ブロック内の信号を、当該小ブ
    ロック内の代表値によって正規化し、且つ、上記入力信
    号のスペクトル毎にマスクモデルを生成するマスクモデ
    ル生成工程と、 上記マスクモデル生成工程で生成したマスクモデルを全
    ての周波数について畳込み演算し、許容ノイズスペクト
    ルを求める許容ノイズスペクトル演算工程と、 上記許容ノイズスペクトル演算工程で求めた許容ノイズ
    スペクトルを時間と周波数について細分化した小ブロッ
    クに分配し、圧縮のためのビット割当を行うビット割当
    工程とを有することを特徴とするディジタル信号処理方
    法。
  3. 【請求項3】 ディジタル信号を情報圧縮して記録若し
    くは伝送及び/又は再生若しくは受信して伸張するディ
    ジタル信号処理方法において、 ディジタル信号に対する圧縮のためのビット割当に使用
    できる全ビットを入力信号を時間と周波数について細分
    化した小ブロック内の信号の大きさに依存して割り当て
    る際のビット割当分と、入力信号のスペクトル毎に、マ
    スクモデルを生成するマスクモデル生成工程と、 上記マスクモデル生成工程で生成したマスクモデルを全
    ての周波数について畳込み演算し、許容ノイズスペクト
    ルを求める許容ノイズスペクトル演算工程と、 上記許容ノイズスペクトル演算工程で求めた許容ノイズ
    スペクトルを、時間と周波数について細分化した小ブロ
    ックに分配して圧縮のためのビット割当を行うビット割
    当分に分割使用し、そのうちの各小ブロック内の信号の
    大きさに依存したビット割当を、該当する小ブロックの
    対応する帯域に応じて重み付けして割り当てるビット割
    当工程とを有することを特徴とするディジタル信号処理
    方法。
  4. 【請求項4】 上記小ブロック内の信号を大きさの順に
    単数及び/又は複数個抽出する際には、該当する小ブロ
    ックの対応する帯域に応じて重み付して求めることを特
    徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に
    記載のディジタル信号処理方法。
  5. 【請求項5】 入力信号に適応してその処理ブロックの
    長さを可変とし、当該処理ブロックの入力信号の変化及
    び外の処理ブロックの入力信号の変化、及び/又はパワ
    ー、或いはエネルギ又はピーク情報を基に、当該処理ブ
    ロックの長さを決定する処理ブロック長決定工程を設け
    ることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいず
    れか1項に記載のディジタル信号処理方法。
  6. 【請求項6】 入力信号に適応してその処理ブロックの
    長さを可変とし、当該処理ブロックの入力信号の変化及
    び時間的に処理ブロックの最大より長い時間幅の入力信
    号により得られる入力信号の変化情報を基に当該処理ブ
    ロックの長さを決定する処理ブロック長決定工程を設け
    ることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいず
    れか1項に記載のディジタル信号処理方法。
  7. 【請求項7】 入力信号に適応してその処理ブロックの
    長さを可変とし、当該処理ブロックの入力信号の変化及
    び外の処理ブロックの入力信号の変化、及び/又はパワ
    ー、或いはエネルギ又はピーク情報を基に、該当処理ブ
    ロックの長さを決定する機能、及び、入力信号に適応し
    てその処理ブロックの長さを可変とし、当該処理ブロッ
    クの入力信号の変化及び時間的に処理ブロックの最大よ
    り長い時間幅の入力信号により得られる入力信号の変化
    情報を基に当該処理ブロックの長さを決定する機能を、
    合わせもつ処理ブロック長決定工程を設けることを特徴
    とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記
    載のディジタル信号処理方法。
  8. 【請求項8】 上記処理ブロック長決定工程は、処理ブ
    ロックの長さを決定する要素の決定に関与する割合を固
    定、或いは入力信号に適応した割合及び/又は所定の割
    合で併用若しくは単独で使用することを特徴とする請求
    項7記載のディジタル信号処理方法。
  9. 【請求項9】 入力信号はオーディオ信号であり、高域
    程、少なくとも大部分の量子化雑音の発生をコントロー
    ルするブロックの周波数幅を広くしてゆくことを特徴と
    する請求項1から請求項8のうちのいずれか1項に記載
    のディジタル信号処理方法。
  10. 【請求項10】 時間軸信号から周波数軸上の複数の帯
    域への分割に直交変換を用いる直交変換工程及び/又は
    周波数軸上の複数帯域から時間軸信号への変換に逆直交
    変換を用いる逆直交変換工程と、 上記直交変換における直交変換サイズの可変と共に当該
    直交変換時に使用する窓関数の形状も変化させる直交変
    換サイズ及び窓関数形状可変工程とを設けることを特徴
    とする請求項9記載のディジタル信号処理方法。
  11. 【請求項11】 上記時間軸信号から周波数軸上の複数
    の帯域への分割の際には、先ず複数の帯域に分割し、当
    該分割された帯域毎に複数のサンプルからなるブロック
    を形成し、各帯域のブロック毎に直交変換を行い係数デ
    ータを得、及び/又は、上記周波数軸上の複数帯域から
    時間軸信号への変換の際には、周波数軸上の複数帯域か
    ら時間軸信号への変換に各帯域のブロック毎に逆直交変
    換を行い、各逆直交変換出力を合成して時間軸上の合成
    信号を得ることを特徴とする請求項10記載のディジタ
    ル信号処理方法。
  12. 【請求項12】 直交変換前の時間軸信号から周波数軸
    上の複数の帯域への分割における分割周波数幅及び/又
    は逆直交変換後の周波数軸上の複数の帯域から時間軸信
    号への合成における複数の帯域からの合成周波数幅を、
    略高域程広くすることを特徴とする請求項11記載のデ
    ィジタル信号処理方法。
  13. 【請求項13】 前記分割周波数幅及び/又は前記合成
    周波数幅を最低域の連続した2帯域で同一とすることを
    特徴とする請求項12記載のディジタル信号処理方法。
  14. 【請求項14】 上記ビット割当の際には、略信号通過
    帯域以上の帯域の信号成分に対する圧縮符号のメイン情
    報及び/又はサブ情報の割り当てを阻止することを特徴
    とする請求項13記載のディジタル信号処理方法。
  15. 【請求項15】 前記複数の帯域への分割及び/又は前
    記複数の帯域からなる時間軸上の信号への変換にはクワ
    ドラチャ・ミラー・フィルタを用いることを特徴とする
    請求項11から請求項14のうちのいずれか1項に記載
    のディジタル信号処理方法。
  16. 【請求項16】 直交変換として変更離散コサイン変換
    を用いることを特徴とする請求項10から請求項15の
    うちのいずれか1項に記載のディジタル信号処理方法。
  17. 【請求項17】 上記処理ブロックの入力信号の変化を
    基に処理ブロックの時間的長さを決定する際に、その境
    界値を入力信号の振幅、周波数に応じて可変とすること
    を特徴とする請求項5から請求項7のうちのいずれか1
    項に記載のディジタル信号処理方法。
  18. 【請求項18】 上記処理ブロックの入力信号の変化を
    基に処理ブロックの時間的長さを決定する境界値が入力
    信号の振幅、周波数に応じて複数の階段状の値をとるこ
    とを特徴とする請求項17記載のディジタル信号処理方
    法。
  19. 【請求項19】 上記処理ブロック長決定工程では、上
    記外の処理ブロックの信号が前記処理ブロックの信号に
    及ぼす聴覚上の特性を周波数軸上のスペクトル及び/又
    は直交変換係数のエネルギ及び/又はパワー又はピーク
    情報を用いて計算し、当該処理ブロックの時間的長さの
    決定を行うことを特徴とする請求項5又は7記載のディ
    ジタル信号処理方法。
  20. 【請求項20】 上記外の処理ブロックの信号が前記処
    理ブロックの信号に及ぼす聴覚上の特性を計算する際に
    用いる周波数軸上のスペクトル及び/又は直交変換係数
    を、圧縮のためのビットの割当及び/又はブロックフロ
    ーティングに用いる直交変換後の時間軸上のスペクトル
    及び/又は直交変換係数と共用することを特徴とする請
    求項19記載のディジタル信号処理方法。
  21. 【請求項21】 請求項17記載のディジタル信号処理
    方法及び請求項19記載のディジタル信号処理方法の機
    能を合わせもつことを特徴とするディジタル信号処理方
    法。
  22. 【請求項22】 上記処理ブロックの入力信号の変化を
    基に処理ブロックの時間的長さを決定する際には、入力
    信号の周期的変化、及び/又は繰り返しのパルス又は周
    期的特徴を基にした判断を行うことを特徴とする請求項
    17記載のディジタル信号処理方法。
  23. 【請求項23】 請求項1から請求項22のうちのいず
    れか1項に記載のディジタル信号処理方法によって圧縮
    した圧縮データを記録してなることを特徴とする記録媒
    体。
  24. 【請求項24】 ディジタル信号を情報圧縮して記録若
    しくは伝送及び/又は再生若しくは受信して伸張するデ
    ィジタル信号処理装置において、 入力信号のスペクトル毎にマスクモデルを生成するマス
    クモデル生成手段と、 上記マスクモデル生成手段で生成したマスクモデルを全
    ての周波数について畳込み演算し、許容ノイズスペクト
    ルを求める許容ノイズスペクトル演算手段と、 上記許容ノイズスペクトル演算手段で求めた許容ノイズ
    スペクトルを時間と周波数について細分化した小ブロッ
    クに分配し、圧縮のためのビット割当を行うビット割当
    手段とを有することを特徴とするディジタル信号処理装
    置。
  25. 【請求項25】 ディジタル信号を情報圧縮して記録若
    しくは伝送及び/又は再生若しくは受信して伸張するデ
    ィジタル信号処理装置において、 ディジタル信号に対するビット割当のための時間と周波
    数について細分化した小ブロック内の信号を、当該小ブ
    ロック内の代表値によって正規化し、且つ、上記入力信
    号のスペクトル毎にマスクモデルを生成するマスクモデ
    ル生成手段と、 上記マスクモデル生成手段で生成したマスクモデルを全
    ての周波数について畳込み演算し、許容ノイズスペクト
    ルを求める許容ノイズスペクトル演算手段と、 上記許容ノイズスペクトル演算手段で求めた許容ノイズ
    スペクトルを時間と周波数について細分化した小ブロッ
    クに分配し、圧縮のためのビット割当を行うビット割当
    手段とを有することを特徴とするディジタル信号処理装
    置。
  26. 【請求項26】 ディジタル信号を情報圧縮して記録若
    しくは伝送及び/又は再生若しくは受信して伸張するデ
    ィジタル信号処理装置において、 ディジタル信号に対する圧縮のためのビット割当に使用
    できる全ビットを入力信号を時間と周波数について細分
    化した小ブロック内の信号の大きさに依存して割り当て
    る際のビット割当分と、入力信号のスペクトル毎に、マ
    スクモデルを生成するマスクモデル生成手段と、 上記マスクモデル生成手段で生成したマスクモデルを全
    ての周波数について畳込み演算し、許容ノイズスペクト
    ルを求める許容ノイズスペクトル演算手段と、 上記許容ノイズスペクトル演算手段で求めた許容ノイズ
    スペクトルを、時間と周波数について細分化した小ブロ
    ックに分配して圧縮のためのビット割当を行うビット割
    当分に分割使用し、そのうちの各小ブロック内の信号の
    大きさに依存したビット割当を、該当する小ブロックの
    対応する帯域に応じて重み付けして割り当てるビット割
    当手段とを有することを特徴とするディジタル信号処理
    装置。
  27. 【請求項27】 上記小ブロック内の信号を大きさの順
    に単数及び/又は複数個抽出する際には、該当する小ブ
    ロックの対応する帯域に応じて重み付して求めることを
    特徴とする請求項24から請求項26のうちのいずれか
    1項に記載のディジタル信号処理装置。
  28. 【請求項28】 入力信号に適応してその処理ブロック
    の長さを可変とし、当該処理ブロックの入力信号の変化
    及び外の処理ブロックの入力信号の変化、及び/又はパ
    ワー、或いはエネルギ又はピーク情報を基に、当該処理
    ブロックの長さを決定する処理ブロック長決定手段を設
    けることを特徴とする請求項24から請求項27のうち
    のいずれか1項に記載のディジタル信号処理装置。
  29. 【請求項29】 入力信号に適応してその処理ブロック
    の長さを可変とし、当該処理ブロックの入力信号の変化
    及び時間的に処理ブロックの最大より長い時間幅の入力
    信号により得られる入力信号の変化情報を基に当該処理
    ブロックの長さを決定する処理ブロック長決定手段を設
    けることを特徴とする請求項24から請求項27のうち
    のいずれか1項に記載のディジタル信号処理装置。
  30. 【請求項30】 入力信号に適応してその処理ブロック
    の長さを可変とし、当該処理ブロックの入力信号の変化
    及び外の処理ブロックの入力信号の変化、及び/又はパ
    ワー、或いはエネルギ又はピーク情報を基に、該当処理
    ブロックの長さを決定する機能、及び、入力信号に適応
    してその処理ブロックの長さを可変とし、当該処理ブロ
    ックの入力信号の変化及び時間的に処理ブロックの最大
    より長い時間幅の入力信号により得られる入力信号の変
    化情報を基に当該処理ブロックの長さを決定する機能
    を、合わせもつ処理ブロック長決定手段を設けることを
    特徴とする請求項24から請求項27のうちのいずれか
    1項に記載のディジタル信号処理装置。
  31. 【請求項31】 上記処理ブロック長決定手段は、処理
    ブロックの長さを決定する要素の決定に関与する割合を
    固定、或いは入力信号に適応した割合及び/又は所定の
    割合で併用若しくは単独で使用することを特徴とする請
    求項30記載のディジタル信号処理装置。
  32. 【請求項32】 入力信号はオーディオ信号であり、高
    域程、少なくとも大部分の量子化雑音の発生をコントロ
    ールするブロックの周波数幅を広くしてゆくことを特徴
    とする請求項24から請求項31のうちのいずれか1項
    に記載のディジタル信号処理装置。
  33. 【請求項33】 時間軸信号から周波数軸上の複数の帯
    域への分割に直交変換を用いる直交変換手段及び/又は
    周波数軸上の複数帯域から時間軸信号への変換に逆直交
    変換を用いる逆直交変換手段と、 上記直交変換における直交変換サイズの可変と共に当該
    直交変換時に使用する窓関数の形状も変化させる直交変
    換サイズ及び窓関数形状可変手段とを設けることを特徴
    とする請求項32記載のディジタル信号処理装置。
  34. 【請求項34】 上記時間軸信号から周波数軸上の複数
    の帯域への分割の際には、先ず複数の帯域に分割し、当
    該分割された帯域毎に複数のサンプルからなるブロック
    を形成し、各帯域のブロック毎に直交変換を行い係数デ
    ータを得、及び/又は、上記周波数軸上の複数帯域から
    時間軸信号への変換の際には、周波数軸上の複数帯域か
    ら時間軸信号への変換に各帯域のブロック毎に逆直交変
    換を行い、各逆直交変換出力を合成して時間軸上の合成
    信号を得ることを特徴とする請求項33記載のディジタ
    ル信号処理装置。
  35. 【請求項35】 直交変換前の時間軸信号から周波数軸
    上の複数の帯域への分割における分割周波数幅及び/又
    は逆直交変換後の周波数軸上の複数の帯域から時間軸信
    号への合成における複数の帯域からの合成周波数幅を、
    略高域程広くすることを特徴とする請求項34記載のデ
    ィジタル信号処理装置。
  36. 【請求項36】 前記分割周波数幅及び/又は前記合成
    周波数幅を最低域の連続した2帯域で同一とすることを
    特徴とする請求項35記載のディジタル信号処理装置。
  37. 【請求項37】 上記ビット割当の際には、略信号通過
    帯域以上の帯域の信号成分に対する圧縮符号のメイン情
    報及び/又はサブ情報の割り当てを阻止することを特徴
    とする請求項36記載のディジタル信号処理装置。
  38. 【請求項38】 前記複数の帯域への分割及び/又は前
    記複数の帯域からなる時間軸上の信号への変換にはクワ
    ドラチャ・ミラー・フィルタを用いることを特徴とする
    請求項34から請求項37のうちのいずれか1項に記載
    のディジタル信号処理装置。
  39. 【請求項39】 直交変換として変更離散コサイン変換
    を用いることを特徴とする請求項33から請求項38の
    うちのいずれか1項に記載のディジタル信号処理装置。
  40. 【請求項40】 上記処理ブロックの入力信号の変化を
    基に処理ブロックの時間的長さを決定する際に、その境
    界値を入力信号の振幅、周波数に応じて可変とすること
    を特徴とする請求項28から請求項30のうちのいずれ
    か1項に記載のディジタル信号処理装置。
  41. 【請求項41】 上記処理ブロックの入力信号の変化を
    基に処理ブロックの時間的長さを決定する境界値が入力
    信号の振幅、周波数に応じて複数の階段状の値をとるこ
    とを特徴とする請求項40記載のディジタル信号処理装
    置。
  42. 【請求項42】 上記処理ブロック長決定手段では、上
    記外の処理ブロックの信号が前記処理ブロックの信号に
    及ぼす聴覚上の特性を周波数軸上のスペクトル及び/又
    は直交変換係数のエネルギ及び/又はパワー又はピーク
    情報を用いて計算し、当該処理ブロックの時間的長さの
    決定を行うことを特徴とする請求項28又は30記載の
    ディジタル信号処理装置。
  43. 【請求項43】 上記外の処理ブロックの信号が前記処
    理ブロックの信号に及ぼす聴覚上の特性を計算する際に
    用いる周波数軸上のスペクトル及び/又は直交変換係数
    を、圧縮のためのビットの割当及び/又はブロックフロ
    ーティングに用いる直交変換後の時間軸上のスペクトル
    及び/又は直交変換係数と共用することを特徴とする請
    求項42記載のディジタル信号処理装置。
  44. 【請求項44】 請求項40記載のディジタル信号処理
    装置及び請求項42記載のディジタル信号処理装置の機
    能を合わせもつことを特徴とするディジタル信号処理装
    置。
  45. 【請求項45】 上記処理ブロックの入力信号の変化を
    基に処理ブロックの時間的長さを決定する際には、入力
    信号の周期的変化、及び/又は繰り返しのパルス又は周
    期的特徴を基にした判断を行うことを特徴とする請求項
    40記載のディジタル信号処理装置。
  46. 【請求項46】 請求項24から請求項45のうちのい
    ずれか1項に記載のディジタル信号処理装置によって圧
    縮した圧縮データを記録してなることを特徴とする記録
    媒体。
JP2247794A 1994-02-21 1994-02-21 ディジタル信号処理方法及び装置、並びに記録媒体 Pending JPH07231259A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2247794A JPH07231259A (ja) 1994-02-21 1994-02-21 ディジタル信号処理方法及び装置、並びに記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2247794A JPH07231259A (ja) 1994-02-21 1994-02-21 ディジタル信号処理方法及び装置、並びに記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07231259A true JPH07231259A (ja) 1995-08-29

Family

ID=12083807

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2247794A Pending JPH07231259A (ja) 1994-02-21 1994-02-21 ディジタル信号処理方法及び装置、並びに記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07231259A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100276788B1 (ko) 디지탈 신호 처리 장치와 방법 및 기록 매체
JP3123286B2 (ja) ディジタル信号処理装置又は方法、及び記録媒体
JP3173218B2 (ja) 圧縮データ記録方法及び装置、圧縮データ再生方法、並びに記録媒体
JP3123290B2 (ja) 圧縮データ記録装置及び方法、圧縮データ再生方法、記録媒体
JP3186307B2 (ja) 圧縮データ記録装置及び方法
EP0963055B1 (en) Method and apparatus for transforming coded information signals
JP3531177B2 (ja) 圧縮データ記録装置及び方法、圧縮データ再生方法
JP3200851B2 (ja) ディジタル信号処理装置,ディジタル信号処理方法及びデータ記録媒体
US5608713A (en) Bit allocation of digital audio signal blocks by non-linear processing
JP3175446B2 (ja) 情報圧縮方法及び装置、圧縮情報伸張方法及び装置、圧縮情報記録/伝送装置、圧縮情報再生装置、圧縮情報受信装置、並びに記録媒体
JPH08162964A (ja) 情報圧縮装置及び方法、情報伸張装置及び方法、並びに記録媒体
JP4470304B2 (ja) 圧縮データ記録装置、記録方法、圧縮データ記録再生装置、記録再生方法および記録媒体
JP3334374B2 (ja) ディジタル信号圧縮方法及び装置
JP3304717B2 (ja) ディジタル信号圧縮方法及び装置
JP3175456B2 (ja) ディジタル信号処理装置
JP3186489B2 (ja) ディジタル信号処理方法及び装置
JP3477735B2 (ja) 圧縮データ変換装置及び方法
JP3561923B2 (ja) ディジタル信号処理装置
JPH06338861A (ja) ディジタル信号処理装置及び方法、並びに記録媒体
JP3334375B2 (ja) ディジタル信号圧縮方法及び装置
JPH07231259A (ja) ディジタル信号処理方法及び装置、並びに記録媒体
JP3552239B2 (ja) 圧縮データ記録装置及び方法、並びに圧縮データ再生方法
JP4123632B2 (ja) 情報符号化方法及び装置、並びにプログラム供給媒体
JPH0590973A (ja) 信号処理方法及び圧縮データ記録再生装置
JPH0541024A (ja) 圧縮データ記録再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020319