JPH07229775A - 電磁流量計 - Google Patents

電磁流量計

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JPH07229775A
JPH07229775A JP2238194A JP2238194A JPH07229775A JP H07229775 A JPH07229775 A JP H07229775A JP 2238194 A JP2238194 A JP 2238194A JP 2238194 A JP2238194 A JP 2238194A JP H07229775 A JPH07229775 A JP H07229775A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低消費電力で高周波励磁を行うことができる
ように改良した電磁流量計を提供するにある。 【構成】 直流の励磁電源の両端に切換信号により開閉
が制御されるスイッチ素子とコンデンサとが直列に接続
されこのコンデンサの両端から参照抵抗を介して励磁コ
イルにエネルギーを付与する励磁回路と、先の励磁コイ
ルから測定流体に磁場が付与されて発生する信号電圧を
受信する前置増幅器と、LRモードとLCRモードを切
り換える先の切換信号を出力する切換信号発生器と、先
の参照抵抗の両端に発生する電圧の正負を判別するコン
パレータと、先の切換信号が入力されこのコンパレータ
の出力のうちLRモードの電圧を抑制した参照電圧を出
力するゲート手段と、先の参照電圧と先の切換信号を用
いて先の前置増幅器の出力電圧を同期整流する同期整流
回路と、この同期整流回路の出力を用いて信号処理をし
て先の測定流体の流量に対応する流量信号を出力するよ
うにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁場を測定流体に印加
して発生する起電力から測定流体の流量を計測する電磁
流量計に係り、特に低消費電力で高周波励磁を行うこと
ができるように改良した電磁流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電磁流量計としては、各種の形式
のものがあるが、このようなもののうち矩形波で励磁す
るものの1例として図8に示す構成の電磁流量計ががあ
る。以下,この図8を用いてその概要を説明する。
【0003】10は測定流体Qを流す絶縁性の円筒状の
パイプである。励磁コイル11a、11bには、励磁回
路12Aから励磁電流Ifが流され、これにより磁場B
が発生され、測定流体Qに印加される。
【0004】この励磁回路12Aにはタイミング回路1
3Aから励磁電流Ifを例えば矩形波状に切り換えるタ
イミング信号ST1が印加されるが、このタイミング回
路13Aはマイクロプロセッサ(CPU)14からのタ
イミング信号ST2により制御される。
【0005】一方、測定流体Qが流れることにより発生
した電圧は、パイプ10に固定され測定流体Qに接した
検出電極15a、15bで検出される。この検出電極1
5a、15bで検出された電圧eS1、eS2は,それぞれ
高入力インピーダンスを持つ増幅器Q1とQ2の入力端
に印加される。
【0006】増幅器Q1とQ2の出力は、それぞれ差動
増幅器Q3に印加されてこれ等の差が演算されて出力電
圧eS0として出力される。これ等の増幅器Q1とQ2、
差動増幅器Q3により入力回路16が構成されている。
【0007】出力電圧eS0は、そのまま或いは反転増幅
器Q4を介してサンプル・ホールド回路17に出力され
る。サンプル・ホールド回路17は、スイッチSW1
SW2 ホールド用のコンデンサC1、増幅器Q5などか
ら構成されている。
【0008】出力電圧eS0はスイッチSW1の一端に、
或いは反転増幅器Q4を介してスイッチSW2の一端に
それぞれ接続され、スイッチSW1、SW2の他端はコン
デンサC1を介して共通電位点COMに接続されると共
に増幅器Q5の入力端に接続されている。
【0009】そして、これ等のスイッチSW1、SW2
マイクロプロセッサ14から出力される低周波の励磁電
流Ifに同期したタイミング信号ST3によりその開閉が
制御されて、サンプリングされる。
【0010】さらに、増幅器Q5の出力電圧は、マイク
ロプロセッサ14から出力される低周波の励磁電流If
に同期したタイミング信号ST4により変換のタイミン
グが制御されるアナログ/デジタル変換器18によりデ
ジタル信号に変換されてマイクロプロセッサ14に出力
される。
【0011】マイクロプロセッサ14は、入力されたこ
のデジタル信号を用いて内蔵されるプログラムを用いて
流量演算を実行し、得られた流量信号を出力回路19を
介して出力端20に出力する。
【0012】次に、図9に示す波形図を用いて図8に示
す電磁流量計の動作について説明する。図9(a)に示
すような矩形状の波形を持つ励磁電流Ifを励磁コイル
11a、11bに流すと、測定流体の流量に比例した信
号電圧eS0が差動増幅器Q3の出力端に出力電圧eS0
して出力される。
【0013】この出力電圧eS0は、マイクロプロセッサ
14から出力される励磁電流Ifに同期したタイミング
信号ST3(図9(b))により、励磁電流Ifが切り換
わる直前でサンプリングされてアナログ/デジタル変換
器18に出力される。
【0014】アナログ/デジタル変換器18はマイクロ
プロセッサ14から出力されるタイミング信号ST
4(図9(c))により、タイミング信号ST3(図9
(b))と同じ繰り返し周期で、変換時間Tcでデジタ
ル信号に変換されて、マイクロプロセッサ14に出力さ
れる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような電磁流量計は、励磁電流を励磁コイルに連続的に
流すので消費電力が大きくなり、しかも低周波側で増大
するフローノイズの影響を低減するために高周波励磁を
行うにはさらに消費電力が増大する。したがって、例え
ば2本の伝送線で共用して負荷側から回路電力を供給す
ると共に検出器側から負荷側に信号の伝送を行う2線式
の電磁流量計を高周波励磁で実現することが難しくなる
という問題がある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の課題を
解決するための構成として、直流の励磁電源の両端に切
換信号により開閉が制御されるスイッチ素子とコンデン
サとが直列に接続されこのコンデンサの両端から参照抵
抗を介して励磁コイルにエネルギーを付与する励磁回路
と、先の励磁コイルから測定流体に磁場が付与されて発
生する信号電圧を受信する前置増幅器と、LRモードと
LCRモードを切り換える先の切換信号を出力する切換
信号発生器と、先の参照抵抗の両端に発生する電圧の正
負を判別するコンパレータと、先の切換信号が入力され
このコンパレータの出力のうちLRモードの電圧を抑制
した参照電圧を出力するゲート手段と、先の参照電圧と
先の切換信号を用いて先の前置増幅器の出力電圧を同期
整流する同期整流回路と、この同期整流回路の出力を用
いて信号処理をして先の測定流体の流量に対応する流量
信号を出力するようにしたものである。
【0017】
【作 用】励磁回路は直流の励磁電源の両端に切換信号
により開閉が制御されるスイッチ素子とコンデンサとが
直列に接続されこのコンデンサの両端から参照抵抗を介
して励磁コイルにエネルギーを付与する。
【0018】一方、前置増幅器は先の励磁コイルから測
定流体に磁場が付与されて発生する信号電圧を受信す
る。そして、切換信号発生器はLRモードとLCRモー
ドを切り換える先の切換信号を出力する。
【0019】コンパレータは先の参照抵抗の両端に発生
する電圧の正負を判別する。ゲート手段は先の切換信号
が入力されこのコンパレータの出力のうちLRモードの
電圧を抑制した参照電圧を出力する。
【0020】同期整流回路は、先の参照電圧と先の切換
信号を用いて先の前置増幅器の出力電圧を同期整流し、
この後、この同期整流回路の出力を用いて信号処理をし
て先の測定流体の流量に対応する流量信号を出力する。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について図を用いて説
明する。図1は本発明の1実施例の構成を示すブロック
図である。なお、図8に示す従来の電磁流量計と同一の
機能を有する部分には同一の符号を付して適宜にその説
明を省略する。
【0022】測定流体Qを流す絶縁性の円筒状のパイプ
10には測定流体Qに接した検出電極15a、15bが
固定されている。そして、この測定流体Qには励磁コイ
ル11a、11bから磁場Bが印加されている。
【0023】励磁電源Ebはその電源端T1、T2に印加
され、これらの電源端T1、T2の間にはスイッチ素子S
3とコンデンサC2とが直列に接続されている。そし
て、このコンデンサC2の間には参照抵抗Rrを介して励
磁コイル11aと11bが直列に接続されている。参照
抵抗Rrと励磁コイル11aとの接続点は共通電位点C
OMに接続されている。そして、励磁回路EXCは、励
磁電源Eb、スイッチ素子SW3、コンデンサC 2、およ
び参照抵抗Rrなどで構成されている。
【0024】スイッチ素子SW3は切換信号発生器21
から出力される切換信号ST5によりその開閉が制御され
る。参照抵抗Rrの両端に発生した電圧Vr1は、反転入
力端(−)が共通電位点COMに接続されたコンパレー
タ22の非反転入力端(+)に出力される。
【0025】ゲート23の入力端には、コンパレータ2
2の出力電圧Vr2と、切換信号ST5をインバータ24で
反転した反転切換信号<ST5>とが印加され、その出力
端T 3に参照電圧Vr3として出力される。
【0026】一方、検出電極15a、15bに発生した
信号電圧eS1、eS2はそれぞれ増幅器Q1、Q2に出力さ
れこれ等は差動増幅器Q3に入力されてその出力端に信
号電圧eS3として出力される。これらの増幅器Q1
2、差動増幅器Q3などで前置増幅器PAMを構成して
いる。
【0027】マルチプレクサ25は、スイッチ素子SW
4、SW5、SW6などから構成され、スイッチ素子SW4
の共通切換端は参照電圧Vr3により、スイッチ素子SW
5の共通切換端は参照電圧Vr3をインバータ26で反転
された反転参照電圧<Vr3>により、スイッチ素子SW
6は切換信号ST5によりそれぞれ切り換えられる。
【0028】各スイッチ素子の共通切換端は、非反転増
幅器27の非反転入力端(+)に接続されると共にスイ
ッチ素子SW4、SW5、およびSW6のそれぞれの切換
端bに接続されている。
【0029】また、スイッチ素子SW4の切換端aには
信号電圧eS3が、スイッチ素子SW5の切換端aには反
転増幅器28を介して反転信号電圧<eS3>が、スイッ
チ素子SW6の切換端aには共通電位点COMの電位が
それぞれ印加されている。
【0030】非反転増幅器27の出力端に得られる信号
電圧eS4は抵抗RL1とコンデンサC L1で構成された低域
濾波器29で濾波されて非反転増幅器30を介してアナ
ログ/デジタル変換器31に出力される。これらのマル
チプレクサ25、非反転増幅器27、反転増幅器28、
低域濾波器29、非反転増幅器30などで同期整流回路
SRFを構成している。
【0031】このアナログ/デジタル変換器31で信号
電圧eS4に対応するデジタル信号に変換され次の信号処
理回路32で信号処理がなされて流量信号QSとして出
力端33に出力される。
【0032】次に、以上のように構成された実施例の動
作について図3に示す各部の波形図、図2に示す各モー
ドの等価回路図、図4に示す各モードの特性図などを用
いて説明する。
【0033】切換信号発生器21からスイッチ素子SW
3に切換信号ST5が送出され、これにより図3(a)に
示すようにスイッチ素子SW3が期間TLRだけオンにな
る。この期間TLRをLRモードといい、その等価回路は
図2(a)に示され、この等価回路にしたがって励磁電
源Ebから励磁電流Iexが図3(c)に示すように流れ
る。
【0034】このときに流れる励磁電流Iexは Iex=Eb[1−exp(−Rft/Lf)]/Rf (1) となる。Rf、Lfはそれぞれ励磁コイル11a、11b
の抵抗とインダクタンスを示す。
【0035】ここで、励磁電流IexがIex=I0になる
時間t0は、 t0=−(Lf/Rf)ln[1−(Iexf/Eb)] (2) となる。
【0036】この時間t0は回路時定数TC=Lf/Rf
対して−ln[1−(Iexf/Eb)]倍になるので、
励磁電源Ebを大きくすることにより時間t0を小さくす
ることができる。これを図示すると、図4(a)に示す
ようになる。横軸はIexf/Eb、縦軸は−ln[1−
(Iexf/Eb)]を示している。
【0037】なお、このLRモードの期間では、切換信
号ST5により同期整流回路SFRのスイッチ素子SW6
が共通電位点COMにその電位が固定されるので、非反
転増幅器27の出力端には信号電圧eS4(図3(f))
は現れない。
【0038】次に、切換信号ST5によりスイッチ素子S
3がオフに切り換えられ、図3(a)に示す期間TLCR
のLCRモードになると、その等価回路は図2(b)に
示すようになり、コンデンサC2に蓄積された電荷によ
り励磁コイル11a、11bに励磁電流Iexが流れる。
【0039】この励磁電流Iexは、図3(c)に示すよ
うに振動しながら減衰する。この減衰時定数TdはTd
2Lf/Rfであり、LRモードの2倍の時定数となる。
しかも、この減衰時定数Tdは(1−1/e)倍なる時
間で振幅値は63.2%となる。この減衰の様子は図4
(b)に示す通りである。
【0040】図4(b)から判るように、減衰率を3T
dとすれば、95%の減衰率で、LRモードの時定数に
対する比率をRateとすれば、 Rate=(LCRモードの時定数/LRモードの時定
数)=(3Td/TC)=6 となり、LCRモードの時定数はLRモードの時定数に
比べて6倍の時定数を持つこととなる。
【0041】このLCRモードで励磁コイル11a、1
1bに流れる励磁電流Iexにより発生する磁場により発
生する信号電圧eS1、eS2が、前置増幅器PAMに入力
され、その出力端に信号電圧eS3(図3(e))として
出力される。
【0042】一方、この励磁電流Iexにより参照抵抗R
rの両端に発生した電圧Vr1がコンパレータ22に出力
されて振動波形のうち正の波形に対応する部分だけ矩形
波状に出力され、さらにゲート23で図3(b)に示す
反転切換信号<ST5>によりこの正の波形のうちLRモ
ードに対応する期間が抑圧されてゲート23の出力端に
は図3(d)に示すような波形の参照電圧Vr3が得られ
る。
【0043】同期整流回路SRFのスイッチ素子SW4
とSW5には、参照電圧Vr3(図3(d))と反転参照
電圧<Vr3>がそれぞれ印加されるが、これらのスイッ
チ素子は相補的に動作するので、信号電圧eS3(図3
(e))とこれを反転した反転信号電圧<eS3>は、こ
れらの参照電圧により同期整流されて非反転増幅器27
の出力端に信号電圧eS4(図3(f))として出力され
る。
【0044】低域濾波器29はこの信号電圧eS4を濾波
して非反転増幅器30を介してアナログ/デジタル変換
器31に出力し、ここでデジタル信号に変換され次の信
号処理回路32で信号処理がなされて流量信号QSとし
て出力端33に出力される。
【0045】LCRモードでは励磁電流Iexを減衰振動
させるが、このときの条件はRf 2<4Lf/C2となる。
このときに発生する信号電圧は、同期整流回路SFRで
同期整流するので、測定流体中に流れる渦電流、ワンタ
ーンノイズなどの90°成分はキャンセルされ出力端3
3に現れない。
【0046】また、このLCRモードにおける振動周波
数fは、 f=[(1/Lf2)−(Rf/2Lf21/2/2π で表わされるが、この周波数値を大きくすることにより
高周波で励磁(例えば75Hz以上)することができ、
これによりフローノイズの影響を小さくすることができ
る。
【0047】次に、消費電力について説明する。先ず、
LRモードの時間は(Lf/Rf)の−ln[1−(Iex
f/Eb)]倍である。例えばLf/Rfを0.1に設定
すると、Lf/Rfの1/10の時間であり励磁電流Iex
を立上げることができる。
【0048】一方、LCRモードの時間は、6(Lf
f)であるので。これらのモードの時間差は60倍と
なる。さらに、(Iexf/Eb)を小さくすると、この
比を大きくすることができ、これは低消費電力化に寄与
することとなる。
【0049】換言すれば、信号処理の際には励磁コイル
に供給する電力はないので、このLCRモードの時間を
大きくし、さらにLRモードの時間を小さくすることに
より低消費電力で動作する電磁流量計を実現することが
できる。
【0050】この際の消費電力Pは、 P≒EbmLR/[2(TLCR+TLR)] で示される。但し、Imは励磁電流Iexの最大値であ
る。
【0051】図5は図1に示す励磁回路の変形実施例の
構成を示す。この励磁回路は励磁コイルに正負の励磁電
流を供給して、正負対称の信号電圧が発生するようにし
て、検出電極15a、15bなどに発生する所定極性の
オフセットドリフトの影響を受け難いようにしたもので
ある。
【0052】コンデンサC2の両端には、正励磁電源+
b1と、ダイオードD1と、正の励磁電流+Iex´の流
れる方向とは逆極性でダイオードD3が接続された電界
効果トランジスタで構成されたスイッチ素子SW7とが
並列に接続されている。
【0053】さらに、このコンデンサC2の両端に、負
励磁電源−Eb1と、ダイオードD2と、負の励磁電流−
ex´の流れる方向とは逆極性でダイオードD4が接続
された電界効果トランジスタで構成されたスイッチ素子
SW8とが並列に接続されている。
【0054】 そして、これらのスイッチ素子SW7とス
イッチ素子SW8とは、それぞれ切換信号発生器21か
ら送出される切換信号ST6、ST7でその開閉が制御さ
れ、これに伴って流れる励磁電流±Iex´に起因する参
照電圧Vr4がコンパレータ22の非反転入力端(+)に
出力される。
【0055】次に、図6を用いて図5に示す回路の動作
を説明する。最初に、図6(a)に示す切換信号ST6
そのLRモードの期間の間スイッチ素子SW7をオンと
して励磁コイル11(11aと11bとの直列)に、正
の励磁電流+Iex´を流し、LCRモードの期間の間ス
イッチ素子SW7をオフとする。
【0056】これにより図6(c)に示すようにLRモ
ードでコンデンサC2を充電し、LCRモードでこのコ
ンデンサC2に充電された電荷と励磁コイル11のイン
ダクタンスと抵抗により減衰振動をする。
【0057】次に、図6(b)に示す切換信号ST7はそ
のLRモードの期間の間スイッチ素子SW8をオンとし
て励磁コイル11に負の励磁電流−Iex´を流し、LC
Rモードの期間の間スイッチ素子SW8をオフとする。
【0058】これにより図6(c)に示すようにLRモ
ードでコンデンサC2を逆極性で充電し、LCRモード
でこのコンデンサC2に充電された電荷と励磁コイル1
1のインダクタンスと抵抗により正励磁のときとは逆極
性の減衰振動をする。
【0059】このように、正の励磁と負の励磁とを交互
に繰り返すことにより、検出電極15a、15bに一定
の極性で現れるオフセット電圧の影響を長期的に見ると
キャンセルすることができる。
【0060】なお、図1に示す切換信号発生器21から
送出される切換信号ST6、ST7はスイッチ素子SW7
スイッチ素子SW8にはそれぞれ別々に送出されるが、
インバータ24にはこれらを加算した形で送出される。
【0061】なお、図1に示す構成では、簡単のため磁
束の帰路としてのコアについては、明示していないが、
実際にはコアが使用される。このコアの材質としては周
波数応答が良く、飽和しないでかつ磁気回路遅れのない
軟磁性材料のものものが使用される。
【0062】また、図1に示す構成ではサイン状の振動
をする励磁波形を持つ励磁回路として説明したが、低保
持力Hcで磁束密度が飽和する磁性材料をコアとして用
いれば、矩形波励磁をすることもできる。
【0063】例えば、LCRモードの時間を3T´とす
れば、3T´のときには95%に励磁電流値が減衰す
る。この0.05×Iexなる励磁電流値を与えたときに
磁気回路が飽和するようにすれば、得られる磁束は方形
波となる。この場合に飽和磁束が温度に対して大きい感
度を有するときは、ホール素子などを励磁コイルの近傍
に配置して磁束密度の温度補正をするようにすれば良
い。
【0064】
【発明の効果】以上、実施例と共に具体的に説明したよ
うに本発明によれば、励磁電源から電圧を供給するLR
モードと供給しないLCRモードとを切り換え、LCR
モードでの共振周波数を高く維持した高周波励磁を行な
って信号を検出する構成であるので、低周波励磁で生じ
るフローノイズなどの問題を低消費電力で解決すること
ができ、この結果として、低消費電力が要求される2線
式電磁流量計などの実現が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】図1に示す実施例における各モードの等価回路
図である。
【図3】図1に示す実施例の各部の波形を示す波形図で
ある。
【図4】図1に示す実施例の各モードの特性図である。
【図5】図1に示す実施例を改良した変形実施例の構成
図である。
【図6】図5に示す変形実施例の動作を説明する波形図
である。
【図7】図1に示す実施例のコアの特性を示す特性図で
ある。
【図8】従来の電磁流量計の構成を示すブロック図であ
る。
【図9】図8に示す電磁流量計の動作を説明する波形図
である。
【符号の説明】
10 パイプ 11、11a、11b 励磁コイル 12A 励磁回路 13A タイミング回路 14 マイクロプロセッサ 17 サンプル・ホールド回路 21 切換信号発生器 22 コンパレータ 25 マルチプレクサ 27 非反転増幅器 28 反転増幅器 29 低域濾波器 32 信号処理回路 EXC 励磁回路 PAM 前置増幅器 SRF 同期整流回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直流の励磁電源の両端に切換信号により開
    閉が制御されるスイッチ素子とコンデンサとが直列に接
    続されこのコンデンサの両端から参照抵抗を介して励磁
    コイルにエネルギーを付与する励磁回路と、前記励磁コ
    イルから測定流体に磁場が付与されて発生する信号電圧
    を受信する前置増幅器と、LRモードとLCRモードを
    切り換える前記切換信号を出力する切換信号発生器と、
    前記参照抵抗の両端に発生する電圧の正負を判別するコ
    ンパレータと、前記切換信号が入力されこのコンパレー
    タの出力のうちLRモードの電圧を抑制した参照電圧を
    出力するゲート手段と、前記参照電圧と前記切換信号を
    用いて前記前置増幅器の出力電圧を同期整流する同期整
    流回路と、この同期整流回路の出力を用いて信号処理を
    して前記測定流体の流量に対応する流量信号を出力する
    ことを特徴とする電磁流量計。
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