JPH07229704A

JPH07229704A - 移動量検出器

Info

Publication number: JPH07229704A
Application number: JP2394294A
Authority: JP
Inventors: Hitoshi Oyama; 仁尾山
Original assignee: Sumitomo Electric Industries Ltd
Current assignee: Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date: 1994-02-22
Filing date: 1994-02-22
Publication date: 1995-08-29

Abstract

(57)【要約】【目的】磁石の高精度な位置決めと、磁石の確実な支
持を可能にする移動量検出器を提供する。【構成】ピストンロッド４は、円筒支持キャップ５を
有している。この円筒支持キャップ５の内側には、リン
グ状の磁石６が設けられている。この磁石６の左側に
は、テーパ面６ａが形成されており、このテーパ面６ａ
に支持用Ｏリング７が配置されている。この支持用Ｏリ
ング７の弾性力によって、磁石６がピストン１の端面１
ａに押し付けられ、磁石６が位置決めされて支持され
る。また、磁石６の外周が円筒支持キャップ５の内周に
接触しており、この接触によって、リング状の磁石６の
半径方向で、この磁石６が位置決めされている。さら
に、支持用Ｏリング７の弾性力は、磁石６のテーパ面６
ａを外側から押さえ込む。これにより、磁石６と円筒支
持キャップ５間のガタを吸収し、半径方向での位置決め
精度を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、検出対象に磁石を設
けておき、この磁石の磁界に基づいて、この検出対象の
移動量を検出する移動量検出器に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の移動量検出器としては、例えば
特願平５−４８０３４号に記載されたものがある。この
移動量検出器は、ブレーキやサスペンションのストロー
クの検出に利用され、図８に示すようにシリンダ１０１
内を移動するピストン１０２の位置を検出する。このピ
ストン１０２には、リング状の磁石１０３が固定されて
いる。また、このピストン１０２の移動経路に沿って、
第１および第２磁気抵抗素子１０４，１０５が配設され
ている。これらの磁気抵抗素子１０４，１０５は、それ
ぞれが素子内にフルブリッジを持つタイプであり、セン
サケース１０６に内蔵され、モールド樹脂１０７によっ
て固定されている。また、このセンサケース１０６に
は、各磁気抵抗素子１０４，１０５にそれぞれのコネク
タ１０８を介して接続された回路基板１０９が内蔵され
ている。この回路基板１０９は、これらの磁気抵抗素子
１０４，１０５に５Ｖの電圧を供給し、また該各素子の
電圧出力に基づいてピストン１０２の移動量を求める演
算回路を持つ。

【０００３】また、別の例としては、特願平５−２２９
１４６号に記載されたものがある。ここでは、図９に示
すように磁石１０３の移動経路に沿って、長形の磁性体
１１０を設けており、磁気抵抗素子１０４は、磁石１０
３の磁界を磁性体１１０を通して検出する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の検
出器の検出精度を高めるためには、磁石の位置決めを高
精度で行わねばならず、かつ確実な支持を必要とする。

【０００５】一方、磁石は、脆いので、ヘアラックや割
れを起こすことが度々ある。特に、応力が集中するピス
トンに固定すると、このような不都合を生じ易い。

【０００６】そこで、この発明の課題は、磁石の高精度
な位置決めと、磁石の確実な支持を可能にする移動量検
出器を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、特許請求の範囲の請求項１の記載によれば、移動す
るピストンと、ピストンに設けられた磁石と、ピストン
の移動経路に沿って配置され、磁石の磁界を検出する感
磁素子とを備え、感磁素子の出力に基づき、ピストンの
移動量を検出する移動量検出器において、ピストンに
は、このピストンの軸方向と直交し、かつ相互に対向す
る２つの端面を形成し、これらの端面の間には、磁石と
弾性体を重ね合わせて挟み込んでいる。

【０００８】また、請求項２の記載によれば、移動する
ピストンと、ピストンに設けられた磁石と、ピストンの
移動経路に沿って配置された磁性体と、磁石の磁界を磁
性体を通して検出する感磁素子とを備え、感磁素子の出
力に基づき、ピストンの移動量を検出する移動量検出器
において、ピストンには、このピストンの軸方向と直交
し、かつ相互に対向する２つの端面を形成し、これらの
端面の間には、磁石と弾性体を重ね合わせて挟み込んで
いる。

【０００９】これらの移動量検出器においては、請求項
３に記載されているように、磁石と弾性体が挟み込まれ
た２つの端面の間に、合成樹脂を充填する。

【００１０】また、これらの移動量検出器においては、
請求項４に記載されているように、ピストンの端面に、
筒状の支持体を設け、この支持体によって、磁石を覆っ
ている。

【００１１】さらに、これらの移動量検出器において
は、請求項５に記載されているように、磁石は、リング
状であって、このリング状の磁石の外周が筒状の支持体
の内周に密接する。

【００１２】また、これらの移動量検出器においては、
請求項６に記載されているように、磁石は、リング状で
あって、支持体は、ピストンの端面に対向する端面を有
し、これらの端面の間には、リング状の磁石とＯリング
を重ね合わせて挟み込む。

【００１３】請求項７に記載されているように、このリ
ング状の磁石は、テーパ面を有し、このテーパ面にＯリ
ングを重ね合わせる。

【００１４】

【作用】上記請求項１の移動量検出器では、ピストンに
は、相互に対向する２つの端面を形成し、これらの端面
の間には、磁石と弾性体を重ね合わせて挟み込んでい
る。このため、弾性体の弾性力によって、磁石が一方の
端面に押し付けられて支持される。この磁石は、弾性体
の弾性力によって押し付けられるだけなので、ピストン
に集中した応力を避けることができ、この磁石のヘアク
ラックや割れが防止される。

【００１５】また、上記請求項２の移動検出器では、磁
性体を磁石の移動経路に沿って配置しており、感磁素子
は、磁性体を通して磁石の磁界を検出している。この様
な構成であっても、上記請求項１の移動検出器と同様
に、ピストンに２つの端面を形成して、これらの端面の
間に磁石と磁性体を重ね合せて挾み込めば、同様の作用
並びに効果が得られる。

【００１６】上記請求項３によれば、磁石と弾性体が挟
み込まれた２つの端面の間に、合成樹脂を充填する。こ
の合成樹脂は、磁石のズレの防止と、耐衝撃性の向上と
いう役目を果たす。

【００１７】上記請求項４によれば、筒状の支持体によ
って、磁石を覆っているので、磁石が保護される。

【００１８】上記請求項５によれば、磁石は、リング状
であって、この磁石の外周が筒状の支持体の内周に密接
する。この場合、筒状の支持体によって、磁石が位置決
めされる。

【００１９】上記請求項６によれば、ピストンの端面と
支持体の端面の間に、リング状の磁石とＯリングを重ね
合わせて挟み込む。この場合、Ｏリングの弾性力によっ
て、リング状の磁石が一方の端面に押し付けられて支持
され、ピストンに集中した応力を避けることができる。

【００２０】上記請求項７によれば、このリング状の磁
石は、テーパ面を有し、このテーパ面にＯリングを重ね
合わせる。この場合、リング状の磁石のテーパ面は、Ｏ
リングの弾性力を受けて、この弾性力を適宜に分散す
る。このため、Ｏリングの弾性力によって、リング状の
磁石が支持されるだけでなく、このリング状の磁石がＯ
リングの略中央に位置決めされる。

【００２１】

【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面を参照し
て説明する。

【００２２】図１は、この発明の移動量検出器の第１実
施例を示している。ここに示すピストン１は、図８に示
す移動量検出器のピストン１０２の代わりに適用され、
シリンダ１０１内を移動して、その位置を検出される。
また、このピストン１の移動経路に沿って、各磁気抵抗
素子１０４、１０５を配置しても良いし、図９に示すよ
うに長形の磁性体１１０をピストン１の移動経路に沿っ
て配置し、磁気抵抗素子１０４を磁性体１１０の一端に
設けても構わない。

【００２３】図１おいて、ピストン１の外周には、溝２
が形成されており、この溝２に気密用Ｏリング３が嵌め
込まれている。このピストン１の左端には、ピストンロ
ッド４が接続されている。このピストンロッド４は、円
筒支持キャップ５を有している。この円筒支持キャップ
５の縁は、ピストン１の端面１ａに密接し、この円筒支
持キャップ５の内側の底の端面５ａがピストン１の端面
１ａに対向する。

【００２４】この円筒支持キャップ５の内側には、リン
グ状の磁石６が設けられている。この磁石６の左側に
は、テーパ面６ａが形成されており、このテーパ面６ａ
に支持用Ｏリング７が配置されている。この支持用Ｏリ
ング７は、例えばゴム製であって、弾性を有する。この
支持用Ｏリング７の弾性力によって、磁石６がピストン
１の端面１ａに押し付けられ、磁石６が支持される。

【００２５】ここで、磁石６は、円筒支持キャップ５に
よって覆われている。また、磁石６は、支持用Ｏリング
７の弾性力によって押さえられるだけなので、ピストン
１に集中した応力を直接受けずに済む。このため、磁石
６は、破損し難く、ヘアクラックや割れを発生し難い。
しかも、磁石６が破損したとしても、磁石６が離脱する
ことはなく、元の形状を維持し続ける。

【００２６】一方、磁石６がピストン１の端面１ａに押
し付けられるので、軸方向で、この磁石６の位置決めが
高精度に行われる。また、磁石６の外周が円筒支持キャ
ップ５の内周に接触しており、この接触によって、リン
グ状の磁石６の半径方向で（軸方向と直交する方向）、
この磁石６が位置決めされる。さらに、支持用Ｏリング
７の弾性力は、磁石６のテーパ面６ａによって受けられ
るので、この磁石６が外側から押さえ込まれる。これに
より、磁石６の外周と円筒支持キャップ５の内周の加工
誤差に基づく、磁石６と円筒支持キャップ５間のガタを
吸収し、半径方向での位置決め精度を向上させている。

【００２７】なお、磁石６のテーパ面６ａと円筒支持キ
ャップ５の端面５ａの離間距離、支持用Ｏリング７の太
さ、支持用Ｏリング７の弾性力等を適宜に設定して、磁
石６が端面１ａに押し付けられる力を調整できる。

【００２８】図２は、第１実施例の移動量検出器の変形
例を示している。この変形例では、円筒支持キャップ５
の内側に、シリコン樹脂８を充填している。このシリコ
ン樹脂８は、磁石６のズレの防止と、耐衝撃性の向上と
いう役目を果たす。

【００２９】図３は、第１実施例の移動量検出器の他の
変形例を示している。ここでは、円筒支持キャップ５の
代わりに、円筒支持キャップ９を用いている。この円筒
支持キャップ９は、磁石６を完全に覆っておらず、磁石
６の保護を必要としないときに利用される。

【００３０】図４は、第１実施例の移動量検出器の別の
変形例を示している。ここでは、リング状の磁石１１を
ピストン１の軸１ｂに嵌め込み、この磁石１１の左側の
テーパ面１１ａに支持用Ｏリング１２を配置している。
リング状の磁石１１の内周がピストン１の軸１ｂに接触
して、半径方向で、この磁石６の位置決めが行われる。
また、支持用Ｏリング１２は、磁石１１のテーパ面１１
ａを内側から押して、磁石１１とピストン１の軸１ｂ間
のガタを吸収し、半径方向での位置決め精度を向上させ
ている。

【００３１】図５は、この発明の移動量検出器の第２実
施例を示している。この第２実施例の移動量検出器で
は、ピストンロッド２１に鍔２２を設けており、この鍔
２２の端面２２ａがピストン１の端面１ａに対向してい
る。リング状の磁石２３は、ピストン１の軸１ｂに嵌め
込まれ、これにより半径方向での位置決めを行ってい
る。

【００３２】磁石２３と鍔２２の端面２２ａ間には、支
持用Ｏリング２４が介在している。この支持用Ｏリング
２４の弾性力によって、磁石２３をピストン１の端面１
ａに押し付け、軸方向での位置決めを行っている。

【００３３】図６は、第２実施例の変形例を示してい
る。この変形例では、支持用Ｏリング２４の代わりに、
ウェーブワッシャー２５を利用している。このウェーブ
ワッシャー２５は、金属製あるいは合成樹脂製であり、
支持用Ｏリング２４よりも大きな弾性力を得ることがで
きる。

【００３４】このウェーブワッシャー２５と同様に、大
きな弾性力を得られるものとしては、コイルバネがあ
る。

【００３５】図７は、第２実施例の他の変形例を示して
いる。ここでは、支持用Ｏリング２４の代わりに、リン
グ状の発泡性合成樹脂２６を利用している。この発泡性
合成樹脂２６によって、支持用Ｏリング２４よりも小さ
な弾性力を得ることができる。この発泡性樹脂２６の左
右の面、あるいは一方の面に接着剤を塗布しても構わな
い。

【００３６】

【効果】以上説明したように、この発明の移動量検出器
によれば、弾性体の弾性力によって、磁石を一方の端面
に押し付けて支持している。これにより、この磁石を高
精度で位置決めして、この検出器の検出精度を高めるこ
とができる。

【００３７】また、この磁石は、弾性力によって押さえ
られるだけなので、ピストンに集中した応力を避けるこ
とができる。さらに、この磁石を筒状の支持体によって
保護している。これにより、磁石のヘアクラックや割れ
が防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の移動量検出器の第１実施例を示す図

【図２】第１実施例の移動量検出器の変形例を示す図

【図３】第１実施例の移動量検出器の他の変形例を示す
図

【図４】第１実施例の移動量検出器の別の変形例を示す
図

【図５】この発明の移動量検出器の第２実施例を示す図

【図６】第２実施例の移動量検出器の変形例を示す図

【図７】第２実施例の移動量検出器の他の変形例を示す
図

【図８】従来の移動量検出器を例示する図

【図９】従来の移動量検出器の他の例を示す図

【符号の説明】

１ピストン４，２１ピストンロッド５，９円筒支持キャップ６，１１，２３磁石７，１２，２４支持用Ｏリング８シリコン樹脂２２鍔２５ウェーブワッシャー２６発泡性合成樹脂

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】移動するピストンと、ピストンに設けら
れた磁石と、ピストンの移動経路に沿って配置され、磁
石の磁界を検出する感磁素子とを備え、感磁素子の出力
に基づき、ピストンの移動量を検出する移動量検出器に
おいて、ピストンには、このピストンの軸方向と直交し、かつ相
互に対向する２つの端面を形成し、これらの端面の間に
は、磁石と弾性体を重ね合わせて挟み込んだ移動量検出
器。
【請求項２】移動するピストンと、ピストンに設けら
れた磁石と、ピストンの移動経路に沿って配置された磁
性体と、磁石の磁界を磁性体を通して検出する感磁素子
とを備え、感磁素子の出力に基づき、ピストンの移動量
を検出する移動量検出器において、ピストンには、このピストンの軸方向と直交し、かつ相
互に対向する２つの端面を形成し、これらの端面の間に
は、磁石と弾性体を重ね合わせて挟み込んだ移動量検出
器。
【請求項３】磁石と弾性体が挟み込まれた２つの端面
の間に、合成樹脂を充填した請求項１または２に記載の
移動量検出器。
【請求項４】ピストンの端面に、筒状の支持体を設
け、この支持体によって、磁石を覆う請求項１乃至３の
いずれかに記載の移動量検出器。
【請求項５】磁石は、リング状であって、このリング
状の磁石の外周が筒状の支持体の内周に密接する請求項
４に記載の移動量検出器。
【請求項６】磁石は、リング状であって、支持体は、
ピストンの端面に対向する端面を有し、これらの端面の
間には、リング状の磁石とＯリングを重ね合わせて挟み
込んだ請求項４に記載の移動量検出器。
【請求項７】リング状の磁石は、テーパ面を有し、こ
のテーパ面にＯリングを重ね合わせる請求項６に記載の
移動量検出器。