JPH0722959Y2 - 超音波受波器アレイ - Google Patents

超音波受波器アレイ

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JPH0722959Y2
JPH0722959Y2 JP6862689U JP6862689U JPH0722959Y2 JP H0722959 Y2 JPH0722959 Y2 JP H0722959Y2 JP 6862689 U JP6862689 U JP 6862689U JP 6862689 U JP6862689 U JP 6862689U JP H0722959 Y2 JPH0722959 Y2 JP H0722959Y2
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信裕 谷
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  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案の超音波受波器アレイ、特にSSBL方式(Super
Short Base Line方式)の水中位置計測用の超音波受波
器アレイの構造に関するものである。
[従来の技術] 第2図は例えば特公昭58-51477号公報に示された従来の
超音波受波器アレイを示す断面図である。図において、
1は超音波振動子である圧電振動子で、その音響放射面
の半径は水等の音場媒質における音波の波長の約1/10以
下の大きさに形成されている。2は音場媒質の固有音響
インピーダンスより小なるキルクゴムのバッフル材、3
は圧電振動子21及びバッフル材2を覆うモールドゴム、
4は圧電振動子1を埋設状態に支持する支持板、5は支
持板4と一体の収納用耐圧容器、6は収納用耐圧容器5
内に収納されている前置増幅器、7は前置増幅器6に接
続され、収納用耐圧容器5外に引き出されているケーブ
ルである。
支持板4に埋設状態に支持されている圧電振動子1はλ
/2(λ:対象周波数における波長)の間隔で4行、4列
に配置され、圧電振動子1の表面である音響放射面以外
は支持板4に取り付けられたバッフル材2により覆われ
ている。圧電振動子1を覆う以外のバッフル材2の表面
とこれと同一平面上にある圧電振動子1の音響放射面と
は支持板4に周縁が固着されたモールドゴム3によって
覆われている。
従来の超音波受波器アレイは上記のように構成され、キ
ルクゴムをバッフル材2としていると共に、圧電振動子
1の音響放射面が波長の約1/10以下としているので、有
限バッフルの影響が小さく、相互放射インピーダンスの
影響も小さい。したがって複数の圧電振動子1は単一指
向性を示し、感度のばらつきも小さくなり、媒質内の超
音波情報をひずみなく送受できる。
[考案が解決しようとする課題] しかしながら、上記構成の超音波受波器アレイでは、キ
ルクゴムでバッフル材2を形成し、圧電振動子1を覆う
以外バッフル材2の表面と圧電振動子1の音響放射面と
を支持板4に周縁が固着されたモールドゴム3によって
覆うようにしているから、対象周波数が高周波の場合
で、モールドゴム3の最大外径が400mm以下であれば、
製造技術的に問題なく製品化ができるが、対象周波数が
10KHz以下で、圧電振動子21を覆う以外のバッフル材2
の表面と圧電振動子1の音響放射面とで構成される受波
面の最大外径が600mm以上となる場合にはその大きさの
一体成型キルクゴムからなるバッフル材2が必要であ
り、それに伴いバッフル材2を構成するキルクゴムの吸
水を防ぐため、ゴムモールド3は最大外径が600mm以上
の面積のものを一体でモールドし、且つ装置の精度を確
保するために0.5mm以下の平面度でモールドする必要が
生じてくる。
しかし、今日の製造技術では、最大外径が600mm以上の
ゴムモールド3を0.5mm以下の平面度を確保して一体に
モールドすることは困難であった。また、最大外径が60
0mm以上となるとゴムモールド3が固着され、圧電振動
子1が装着される支持板4の平面度も確保することが困
難となり、更には前置増幅器6を内蔵するタイプの超音
波受波器アレイの場合には、前置増幅器6を内蔵する収
納用耐圧容器5は支持板4を有して一体に鋳造され、収
納用耐圧容器5の口径が600mm近い大きなものとなる
と、加工時に歪みが生じ、必要な精度が得られないとい
う難点があった。このため、受波面の最大外径が600mm
以上となると、キルクゴムのバッフル材2、ゴムモール
ド3のモールド型費用及び支持板4、収納用耐圧容器5
の素材製作費が高くなり、これらの部材について必要な
精度を確保するための加工費も高くなって、製品コスト
が非常に高くなるという問題点があった。
この考案は前記従来技術が持っていた問題点のうち、対
象周波数が10KHz以下の場合に生じていたバッフル材及
びゴムモールドのモールド型費用の上昇、支持板及び収
納用耐圧容器の素材費用の上昇並びこれらの部材の加工
費の上昇の点について解決した超音波受波器アレイを提
供するものである。
[課題を解決するための手段] この考案は前記問題点を解決するために、超音波受波器
アレイにおいて、円形支持板に複数の超音波振動子をそ
の音響放射面が円形支持板表面から突出するように埋設
状態に支持させ、円形支持板の表面にバッフル材を音響
放射面と同一平面となるように固着して音響放射面とバ
ッフル材表面とからなる第1の受波面を形成し、円形支
持板の外周に一表面にバッフル材が固着された複数の扇
形の分割支持板をリング状に組み立てて固着してリング
状のバッフル材表面からなる第2の受波面を形成し、第
1の受波面の外周側に位置する超音波振動子から第2の
受波面の外周縁までの寸法を音響の波長の長さ以上とす
るように構成したものである。
[作用] この考案によれば、以上のように超音波受波器アレイを
構成したので、対象周波数が10KHz以下で受波面の最大
外径が600mm以上となっても、音源からの音波を単一の
指向性をもって受波する超音波振動子の音響放射面とバ
ッフル材表面とからなる第1の受波面の外径は対象周波
数が10KHz以上の場合の最大外径の大きさ、例えば400mm
以下で済むから、バッフル材、モールドゴムのモールド
型の製作や支持板、収納用耐圧容器の鋳造製作について
製造技術的に問題なく製作でき、音源以外の余計な音波
を受波して反射・収納し、第1受波面に余計な音波がい
かないように遮断する機能を有する第2の受波面は一表
面にバッフル材が固着された複数の扇形の分割支持板を
連結してリング状に組み立てられたものとしているか
ら、個々の分割支持板は小さく済み、バッフル材及び分
割支持板の製造も製造技術的に問題なく、安価に製作で
きることとなった。従って、第1受波面と第2受波面と
で構成される超音波受波器アレイの製造に際しての製造
技術的な問題はなく、加工費の必要もないので安価に製
作できることとなった。
[実施例] 第1図はこの考案の一実施例を示す断面図、第3図は超
音波受波器アレイの平面図、第4図は超音波受波器アレ
イの垂直指向性特性を示す図である。図において、11は
超音波振動子である圧電振動子で、その音響放射面の半
径は音場媒質における音波の波長の約1/10以下の大きさ
に形成されている。12は音響媒質の固有音響インピーダ
ンスより小なる値のキルクゴムのバッフル材、13は圧電
振動子11及びバッフル材12を覆うモールドゴム、14は圧
電振動子11を埋設状態に支持する厚肉の円形支持板、15
は円形支持板14と一体の収納用耐圧容器、16は収納用耐
圧容器15内に収納されている前置増幅器、17は前置増幅
器16に接続され、収納用耐圧容器15外に引き出されてい
るケーブルである。円形支持板14にその表面から音響放
射面が突出するように、埋設状態に支持されている圧電
振動子11はλ/2の間隔で4行、4列に配置され、圧電振
動子1の音響放射面以外は円形支持板14に取り付けられ
たバッフル材12により覆われている。そして、圧電振動
子11の音響放射面と円形支持板14に取り付けられ、音響
放射面と同一平面となるバッフル材12の表面とで第1の
受波面20が形成されており、第1の受波面20の外径はこ
の実施例では500mmである。圧電振動子11を覆う以外の
バッフル材12の表面とこれと同一平面上にある圧電振動
子11の音響放射面とは円形支持板14に周縁が固着された
モールドゴム13によって覆われている。
21は第1の受波面20の周囲に設けられたリング状の第2
の受波面である。22は第2の受波面21を形成するため
の、内側縁に取付片23が立設されて、且つ両端縁に連結
片24が立設された4個の扇形をした分割支持板、25は各
分割支持板22の表面にボルト26で固着されたキルクゴム
の扇形をしたバッフル材である。27は各分割支持板22の
取付片23を支持板14に固定する固定ネジ、28a,28bは分
割支持板22の連結片24を連結する締着具であるボルトと
ナットである。29は各分割支持板22に固着されたバッフ
ル材25を覆っているモールドゴムである。
第2の受波面21の組み立ては、4個の分割支持板22の連
結片24をそれぞれボルト28aとナット28bで連結してリン
グ状に組み立て、各分割支持板22の取付片23をボルト26
で第1の受波面20の支持板14に固着して行われる。こう
して、リング状のバッフル材25の表面からなる第2の受
波面21が形成される。この第2の受波面21の外径はこの
実施例では900mmである。また、第1の受波面20の外周
側に位置する圧電振動子11から第2の受波面22の外周縁
までの寸法は音波の波長λの長さ以上とされ、この実施
例では対象周波数を7.5KHzとして設計されている。
上記のように構成された超音波受波器アレイは超音波振
動子11の音響放射面とバッフル材12の表面とからなる第
1の受波面20は音源からの音波を単一の指向性をもって
受波し、第1の受波面20を取り巻くようにリング状に形
成されたバッフル材25の表面からなる第2の受波面21は
音源以外の余計の音波を受波して反射・吸収し、第1の
受波面21に余計な音波がいかないように遮断する機能を
有し、第3図に示すように全体として垂直指向特性を良
好なものとしている。
かかる第1の受波面20の外径は、対象周波数が7.5KHzで
あっても、その最大外径は例えば500mmで済むから、キ
ルクゴムのバッフル材12、バッフル材12を覆うモールド
ゴム13を作るモールド型の製作、支持板14、支持板14と
一体の収納用耐圧容器の鋳造製作については、製造技術
的にもコストの点でも問題なく製作できる。
また、第2の受波器21の外径は900mmとなっても、第1
の受波面20を取り巻くリング状をしており、バッフル材
25が固着された4個の分割支持板22を連結して組み立て
たものとしているから、個々の分割支持板22は小さくて
済み、バッフル材25及び分割支持板22の製作についても
製造技術的に問題なく安価に製作できる。従って、第1
の受波面20と第2の受波面21とで構成される超音波受波
器アレイの製造に際しての製造技術的な問題はなく、別
途加工の必要もない。しかも、第2の受波面21を形成す
る組立もボルト28aとナット28bの連結、固定ネジ27の固
定であるため、組立代も安くて済み、全体として製造技
術的な問題もなく、安価に製作できるものである。
なお、上述した実施例では第2の受波面21を構成するた
めの分割支持板22は4個としているが、対象周波数に対
応して適宜の個数とすることが望ましい。
[考案の効果] 以上詳細に説明したように、この考案によれば、音源か
らの音波を単一の指向性をもって受波する超音波振動子
の音響放射面とバッフル材表面とからなる第1の受波面
と、音源以外の音波を受波して反射・吸収し、第1の受
波面に不必要な音波がいかないように遮断するバッフル
材表面からなる第2の受波面とに分割し、外径が大きく
なる第2の受波面を更に分割して形成するようにしたの
で、対象周波数が10KHz以下で受波面の最大外径が製造
技術的に問題ある大きさであっても、第1の受波面の最
大外径は、対象周波数が10KHz以上のものと同様な大き
さで済むため、第1の受波面を製造技術的に問題なく製
作でき、第2の受波面はリング状で、しかも分割された
ものを組み立てて形成されるため、各分割された受波面
は第1の受波面よりも小さく、製造技術的に問題がな
く、組み立ても容易で安価であり、全体として、製造技
術的な問題を解決し、製造コストも大幅に軽減されると
いう効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の一実施例を示す断面図、第2図は従
来の超音波受波器アレイを示す断面図、第3図は超音波
受波器アレイの平面図、第4図は超音波受波器アレイの
垂直指向性特性を示す図である。 11……圧電振動子(超音波振動子)、12……バッフル
材、14……円形支持板、20……第1の受波面、21……第
2の受波面、22……分割支持板、25……バッフル材、26
……固定ネジ(固定手段)、28a……ボルト(連結手
段)、28b……ナット(連結手段)。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚肉の円形支持板に半径が音波の波長の約
    1/10以下の音響放射面を有する複数の超音波振動子を音
    波の波長の約1/2間隔で該音響放射面が円形支持板表面
    から突出するように埋設状態に支持させ、円形支持板の
    表面に音響媒質の固有音響インピーダンスより小さな値
    の材質で構成されたバッフル材を音響放射面と同一平面
    となるように固着し、音響放射面とバッフル材表面とか
    らなる第1の受波面を形成し、 円形支持板の外周に一表面にバッフル材が固着された複
    数の扇形の分割支持板をリング状に組み立てて固着し、
    リング状のバッフル材表面からなる第2の受波面を形成
    し、 第1受波面の外周側に位置する超音波振動子から第2受
    波面の外周縁までの寸法を音波の波長の長さ以上とした
    ことを特徴とする超音波受波器アレイ。
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