JPH07229094A - 抗菌性を有する紙 - Google Patents

抗菌性を有する紙

Info

Publication number
JPH07229094A
JPH07229094A JP18451793A JP18451793A JPH07229094A JP H07229094 A JPH07229094 A JP H07229094A JP 18451793 A JP18451793 A JP 18451793A JP 18451793 A JP18451793 A JP 18451793A JP H07229094 A JPH07229094 A JP H07229094A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
group
chemical
formula
antibacterial
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP18451793A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3274546B2 (ja
Inventor
Tadao Yabuhara
忠男 薮原
Emiko Daimon
恵美子 大門
Koji Mori
浩司 森
Akihiro Murakami
昭弘 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Otsuka Chemical Co Ltd filed Critical Otsuka Chemical Co Ltd
Priority to JP18451793A priority Critical patent/JP3274546B2/ja
Publication of JPH07229094A publication Critical patent/JPH07229094A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3274546B2 publication Critical patent/JP3274546B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全で、簡略な工程で製造でき、しかも強い
抗菌性を有する紙を提供する。 【構成】 非架橋性ビニルモノマーから誘導される構成
単位と一般式化1で表わされる構成単位を含むビニル系
共重合体を有効成分とするポリマーを紙基材の表面に付
着させ、或いは紙基材の内部に含有させることにより得
られる抗菌性を有する紙。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗菌性を有する紙に関
し、細菌による劣化のない紙を提供すると共に、例えば
不織布に用いてフイルター部材に、ウエツトテイツシユ
に用いて汚れを拭い去る用途に、或いは食品梱包用紙に
用いて鮮度保持に、その他、抗菌性を必要とする種々の
分野において広範囲に利用できるものである。
【0002】
【従来の技術】紙は各種セルロース繊維や添加剤により
構成されており、細菌や真菌等に汚染されやすい。その
結果、紙の劣化、環境汚染さらには人体への悪影響など
が問題となつている。そこで、これらの防止対策が研究
されている。また、紙は容易に焼却可能な材料であり、
梱包材料や輸送容器材料としても用いられているが、こ
れに抗菌性を付与することによつて食品包装用途や医療
廃棄物輸送用容器等の様々な分野に利用可能な極めて有
用性の高い材料を得ることができる。そのために紙に抗
菌性を付与する研究もなされている。
【0003】これまでに提案されてきた抗菌性を有する
紙として、例えば抗菌性金属をゼオライトに担持させた
もの(特開平4−73294号)がある。しかし、この
ものは金属イオンが経時的に着色する恐れがあり、色調
が重要な用途等への使用にあたつては問題がある。ま
た、ゼオライト自体は紙基材への接着性が殆どないた
め、一旦ステーブルフアイバー等に織り込んだ後、原料
パルプと混抄して用いなければならないほど、複雑な工
程を要するものである。更には、抗菌性能も十分満足の
できるものではなかつた。
【0004】また、水に容易に分散する製紙用繊維と水
不溶性のカルボキシメチル化パルプを混抄してなる清掃
物品(特開平1−168999号)も提案されている。
しかし、このものも上記特開平4−73294号のもの
と同様、混抄に複雑な工程を要するうえ、抗菌力も弱い
という欠点があつた。更に、キチンまたは/及びキトサ
ンを担持させてなる紙が特開平2−127596号に提
案されている。この方法ではキチン等の酸性水溶液を紙
基材に接触させた後に更にアルカリ処理せねばならない
という工程上の複雑さがあり、抗菌性についても十分と
はいえない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安全
で、簡略な工程で製造でき、しかも強い抗菌性を有する
紙を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は非架橋性ビニル
モノマーから誘導される構成単位と一般式化1で表わさ
れる構成単位を含むビニル系共重合体を有効成分とする
ポリマーを紙基材の表面に付着させ、或いは紙基材の内
部に含有させてなる抗菌性を有する紙に係る。
【0007】
【化5】
【0008】〔式中R1は水素原子又はメチル基を、A
はフエニレン基を、R2は炭素数1〜2のアルキレン基
を、Bは第4級アンモニウム塩またはベタイン型化合物
を含有する基を示し、Aは置換基を含んでいてもよ
い。〕
【0009】本発明の該ビニル系共重合体において一般
式(1)のBとしては例えば下記構造式(2)〜(4)
で表される基を挙げることができる。
【0010】
【化6】
【0011】
【化7】
【0012】
【化8】
【0013】〔式中、X, Yはアニオンで同一又は異な
つていてもよく、X, Yがそれぞれ1価のアニオン或い
は(X, Y)が2価のアニオン1個であつてもよい。R
3は炭素数6〜18のアルキル基、R4は炭素数2〜10のア
ルキレン基、R5〜R8は同一又は異なつていてもよく、
炭素数1〜3のアルキル基、R9は炭素数1〜3のアル
キレン基を示し、いずれも置換基を含んでいてもよ
い。〕
【0014】以下、上記ビニル系共重合体を単に本発明
の有効成分と称することがある。本発明の有効成分は広
範囲にわたつて強力な抗菌スペクトルを有し、溶媒可溶
で、紙を構成する基材への接着力が強く、且つ、皮膜を
形成し易いという利点がある。本発明の有効成分を抗菌
剤として紙基材の表面に付着させ、或いは紙基材の内部
に含有させれば、抗菌剤の溶出や剥離の少ない、長期間
にわたつて優れた抗菌性を持続することのできる紙を得
ることができる。しかも、本発明の有効成分は高分子化
合物であるから紙基材本来の物性を損なうことがなく、
また無色透明であるので色調にも影響を与えることもな
い。更に、本発明の有効成分はマウス急性経口毒性5,00
0mg/kg以上と極めて安全な化合物であるうえ、皮膚刺
激性もなく、人体に対しても安心して使用することがで
きる。
【0015】一般式(1)において、R3のアルキル基
は炭素数が6〜18の範囲のものが用いられるが、抗菌力
の観点から、8〜14がより好ましい。尚、アニオンにつ
いては特に限定されず、例えば、塩素イオン、臭素イオ
ン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、酢酸イオン、メチ
ル硫酸イオン、ベンゼルスルホン酸イオン、クロルベン
ゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオンなど
の1価の陰イオン、硫酸イオン、メチルリン酸イオンな
どの2価の陰イオンを挙げることができる。共重合体の
数平均分子量Mnは5,000〜5,000,000、好ましくは10,00
0〜2,000,000、Mw/Mn=1.1〜7.0(Mwは重量平均分
子量)が望ましい。
【0016】該共重合体に於いて構成単位(1)の比率
は、0.1〜90モル%、好ましくは5〜60モル%である。
【0017】該共重合体は例えば特開平4−34250
4号に示された方法で製造できる。即ち、まずクロロ
(C1〜2アルキル)スチレン類と共重合可能な非架橋性
ビニルモノマーとを共重合させて、共重合体となし、次
いでこのクロロアルキル基のクロル(塩素)原子を前記
の第4級アンモニウム塩またはベタイン型化合物で置換
することにより製造される。また予め、クロロアルキル
スチレン類の塩素原子を第4級アンモニウム塩またはベ
タイン型化合物で置換した後、共重合可能な非架橋性ビ
ニルモノマーと共重合させて製造することもできる。
【0018】本発明で使用されるクロロ(C1〜2アルキ
ル)スチレン類としては、p−クロロメチルスチレンが
好適であるが、他の置換基を有するクロロ(C1〜2アル
キル)スチレン誘導体であつてもよい。
【0019】非架橋性ビニルモノマーとしては例えば、
スチレン、p−メチルスチレン等のスチレン系モノマ
ー;アクリル酸エチル、アクリル酸ラウリル等のアクリ
ル酸エステル系モノマー;メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸
エステル系モノマー;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニ
ルエステル系モノマー;N−メチルアクリルアミド、N
−エチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミ
ド、N−エチルメタクリルアミド等のN−アルキル置換
(メタ)アクリルアミド;アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等のニトリル系モノマー等が挙げられるが、
クロロメチルスチレン類と共重合可能なモノマーであれ
ば、前記モノマーに限定されない。これらの単量体は、
単独でまたは2種以上混合して用いることが可能であ
る。
【0020】クロロアルキルスチレン、非架橋性共重合
ビニルモノマーの共重合に当たつての仕込みモル比は、
1〜60:40〜99程度が好ましい。
【0021】共重合の方法としては、従来公知の塊状重
合、溶液重合、懸濁重合等を用いることができる。
【0022】尚、化合物(1)のアニオンについては、
公知の手法に従つて、望ましいタイプのものを得ること
ができる。例えば、あらかじめクロロアルキルスチレン
類と第四級アンモニウム塩またはベタイン型化合物とを
反応させた段階で、あるいは、最終化合物とした該共重
合体の段階で、それぞれの化合物を可溶性溶媒に溶解し
たのち、希望アニオンを含有する塩を加え、反応後、濃
縮、乾燥、精製する方法等によつて、アニオンを交換す
ることができる。
【0023】該共重合体はクロロアルキルスチレン類と
非架橋性ビニルモノマーとのコポリマーを原料としてい
るため、クロロアルキルスチレン類のホモポリマーを原
料としたものに比べ、以下の点で優れている。
【0024】即ち、前記コポリマーを用いて第4級アン
モニウム塩またはベタイン型化合物を導入した場合は、
前記ホモポリマーを用いた場合に比べ、未反応クロロア
ルキル残基が少ないため、物性の安定性と、人体に対す
る安全性に優れている。その上、クロロアルキルスチレ
ン類よりも安価な非架橋性ビニルモノマーを用いて共重
合することにより、製造コストの低下を図ることができ
る。本発明において上記ビニル系共重合体は被膜を形成
しやすく、かつ、接着力が大きい。
【0025】本発明の有効成分を紙基材に担持させる方
法としては、浸漬、噴霧、あるいは塗布等の既知の手段
を用いて行うことができる。その際に使用する処理液に
は、本発明の有効成分の単独溶液を用いてもよいし、或
いは紙表面への付着性を高めるために例えばロジン、カ
ルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、オキシ
プロピルセルロース、オキシエチルセルロース、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ワツクスエマ
ルジヨン、澱粉、膠、酢酸ビニル共重合体、ジメチルシ
ロキサン系コーテイング剤、メチルハイドロジエンポリ
シロキサン系コーテイング剤、メチルトリクロロシロキ
サン系コーテイング剤、シランカツプリング剤、フツ素
樹脂系コーテイング剤等をあわせて用いてもよい。
【0026】また、本発明の有効成分と市販の抗菌剤等
を混合して使用することもできる。混合使用できる抗菌
剤等としては特に限定されず、例えば、塩化ベンザルコ
ニウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、3−
(トリメトキシシリル)−プロピルオクタデシルジメチ
ルアンモニウムクロライド、2−(4−チアゾリル)ベ
ンゾイミダゾール、2−(カルボメトキシアミノ)ベン
ゾイミダゾール、及びN−(フルオロジクロロメチルチ
オ)フタルイミドなどを挙げることができる。
【0027】処理液に用いる溶媒としては本発明の有効
成分を溶解するものであれば特に制限されないが、安全
性の観点から水、エタノールおよびこれらの混合溶媒が
好ましい。例えばエタノール/水混合溶媒の場合は容量
費で5〜80/95〜20程度の混合割合で使用できる。処理
液中の本発明の有効成分の溶液濃度としては0.1〜2.0w
/v%が好適である。
【0028】本発明に用いることのできる紙基材として
は、特に限定されず、例えばトウヒ、モミ、マツ、カラ
マツなどの針葉樹繊維、ポプラ、カバ、ブナ、ヤナギ、
ユーカリ、ニレなどの広葉樹繊維、亜麻、大麻、黄麻、
コウゾ、ミツマタ、ガンピなどの靭皮繊維、芭蕪、アバ
カなどの葉繊維、稲わら、麦わらなどの稲科繊維、綿な
どの種毛繊維や、竹、アシ、エスパルト等の植物繊維、
及び合成繊維混抄紙、無繊維紙、不織布等を挙げること
ができる。
【0029】
【実施例】次に本発明を実施例により説明する。
【0030】実施例1 常法の溶液重合により、p−クロロメチルスチレン(C
MSと略す)45.9g(0.30モル)とスチレン(STと略
す)72.8g(0.70モル)との共重合反応を行うことによ
り、白色ポリマーが生成した。反応混合溶液を冷却後、
デカンテーシヨンにより、該白色ポリマーを取り出し、
次に、テトラヒドロフラン/メタノール系で再沈殿を3
回くりかえし、未反応モノマーを除去、精製した。該精
製ポリマーを一昼夜、加熱減圧乾燥したところ、白色粉
末状のポリマー(PCSと略す)99.4g(収率91.3%)
が得られた。該PCSについて、1H−NMR、IR、
CHN分析、全ハロゲン定量(酸素フラスコ燃焼法)お
よびGPC分析(標準物質ポリスチン)を行つたとこ
ろ、分子量Mn=15.0万、多分散度Mw/Mn=1.6、CM
S/STのモル比=3/7であつた。
【0031】攪拌機、還流コンデンサー、温度計及び滴
下ロートをつけた 200ml 四ツ口フラスコにベンゼン 50
ml 及びエタノールアミン(和光純薬工業、試薬1級、
以下EAと略す)6.1g(0.1モル)を仕込んだ後、攪拌
下、金属ナトリウム 2.5g(0.11モル)を徐々に加え
た。添加後、5〜10℃で5時間反応させた。
【0032】反応終了後、ベンゼンを除去し、上記で得
られたPCS 98.0g(CMSに対して0.090当量)及び
テトラハイドロフラン100mlを加え、還流下、24時間反
応させた。反応後、得られたポリマー(以下、PCS−
EAと略す)はアセトン/メタノールで再沈殿後、洗
浄、乾燥した。収量92.5g(EAに対する収率83.1
%)。
【0033】次に、PCS−EA 92.5g(CMSに対し
て0.083当量)に40%ホルマリン溶液20g(HCHOに対
して0.27モル)及びギ酸 20g(0.43モル)を加え、60〜
80℃で8時間反応させた。得られたポリマー(以下PC
S−DAと略す)はアセトン/メタノール系で再沈殿、
洗浄、乾燥した。収量87.7g、PCS−EAに対する収
率89.0%。
【0034】該PCS−DA 87.7g(CMSに対して0.
074当量)、ラウリルブロマイド(LBと略す) 21.2g
(0.085モル)及びエチルアルコール 100mlを500mlナス
型フラスコに入れて90℃、24時間反応させ、ポリマー
(以下PCS−TAと略す)93.1gを得た。対PCS−
DA収率90.5%。
【0035】PCS−TAはPCSと同様の分析によ
り、分子量Mn=20.0万、多分散度Mw/Mn=1.9、四級
化度=30.0%であつた。結果を表1及び表2に示す。
【0036】実施例2 実施例1で得られたPCS 40.3g(CMSに対して0.03
7当量)にテトラクロロエチレンを加え、撹拌下に、N
−メチル−N−ドデシルアミン 11.1g(0.056モル)を
滴下、4時間還流後、苛性カリ水溶液とメタノール混合
液中に、反応混合物を入れ、遊離アミンが検出されなく
なるまでメタノールで洗浄した。生成したポリマー(以
下PCS−AAと略す)の収量42.5g、収率91.9%(対
PCS)であつた。
【0037】次に該ポリマー PCS−AA 42.5g(C
MSに対して0.036当量)とモノクロロ酢酸メチル 5.5g
(0.051モル)をテトラクロロエチレン溶液中、撹拌
下、4時間還流した。次に、この混合溶液に1−NのN
aOH水溶液を加え、アルカリ性にした後、濾過、メタ
ノールで洗浄した。加熱減圧乾燥後、白色粉末状のポリ
マー(PCT−BTと略す)が41.9g(対PCS−AA
収率94.1%)得られた。尚、PCS−BTはオレンジ−
II法による比色定量によつて定量した。
【0038】また、実施例1と同様の分析により分子量
Mn=23.4万、多分散度Mw/Mn=2.0、四級化度=30.0
%であつた。結果を表1及び表2に示す。
【0039】実施例3 N,N,N',N'−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン
(以下TMHと略す)27.5g(0.16モル)をアセトニト
リル 50mlに溶解し室温で撹拌下これにLB 10.0g(0.0
4モル)を滴下、引き続いて70℃で3時間加熱した。次
に反応液を室温まで冷却し、生じた白色沈殿を濾過する
と、N,N,N',N'−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキ
サン−N,N'−ジラウリルジブロマイドが0.13g(対L
B副生率 1.0%)副生していた。濾液を減圧下で濃縮し
大部分のTMHを留去し、生じた白色ペースト状残渣を
ヘキサン 40mlで洗浄し、デカンテーシヨンによりヘキ
サン層を分離すると未反応TMHが完全に除去され、白
色ワツクス状物質が得られた。このものを真空ポンプで
減圧乾燥するとN,N,N',N'−テトラメチル−1,6−ジ
アミノヘキサン−N−ラウリルブロマイド(以下TML
−C6と略す)が15.6g生成していた(耐LB収率92.5
%)。
【0040】TML−C6 15.6g(37ミリモル)をアセ
トン 200mlに溶解し室温で撹拌下これに4−クロルメチ
ルスチレン 5.2g(34ミリモル)を滴下した。次に50℃
で17時間加熱すると白色結晶が析出してきた。反応液を
室温まで冷却し生じた白色結晶を濾過して単離し冷アセ
トンで洗浄後乾燥するとN,N,N',N'−テトラメチル
−N−ラウリル−N'−(4−ビニル)ベンジルヘキサ
メチレンジアンモニウムブロマイドクロライド(TML
S−C6と略す)が17.2g(対CMS収率88.2%)が生成
していた。
【0041】上記TMLS−C6 17.2g(30ミリモル)
とスチレン 7.3g(70ミリモル)をメタノール 10mlに溶
解しこれにAIBN 50mg(0.3ミリモル)をメタノール
2mlに溶解した液を加えた。この混合物を窒素雰囲気
下で65℃で22時間撹拌すると粘稠溶液となつた。反応液
を多量の水中に投入して重合反応を停止し生じた白色重
合体を濾過して単離し、減圧乾燥することにより白色ポ
リマーを得た。メタノールに再溶解後、水中に投入する
操作を2回繰り返して精製、乾燥することにより白色粉
末状ポリマー(OBAQと略す)を23.2g(収率94.8
%)を得た。
【0042】OBAQはIR、1H−NMR及びCHN
分析より、TMLS−C6とスチレンとの共重合体であ
ることを確認した。尚、GPC分析の結果からポリスチ
レンを標準物質として、分子量Mn=15.8万、多分散度
Mw/Mn=4.1であつた。コロイド滴定法と全ハロゲン
定量(酸素フラスコ燃焼法)から、第四級アンモニウム
塩の含有量を定量したところ、34.5%であつた。結果を
表1及び表2に示す。
【0043】実施例4 実施例3で得られた化合物OBAQ 15.1g(10ミリ当
量)をメタノール/水=1/4の混合溶媒2l中に溶解
後、無水酢酸ソーダ 49.2g(0.60モル)を加え、室温で
24時間、撹拌を続けた。この溶液を濃縮した後、真空ポ
ンプで室温下に、減圧乾燥したところ、白色粉末状混合
物が得られた。該白色粉末状混合物にクロロホルム 300
mlを加え、ナトリウム塩を濾別した後、クロロホルム溶
液を濃縮し、析出した白色粉末を、一昼夜、加熱減圧乾
燥したところ、白色粉末ポリマー(OBAAと略す)が
13.0g(8.9ミリ当量)生成していた(OBAQに対する
OBAAの収率89%)。実施例3と同様の分析を実施し
た結果を表1及び表2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】比較例1〜2 市販抗菌剤 塩化ベンザルコニウム(BACと略す)を
比較例1、市販抗菌剤銀含有ゼオライト系化合物(Ag
−Zと略す)を比較例2とした。尚、比較例2は、次の
実施例5で加工紙を調製する際に、重合度1700の完全ケ
ン化PVA水溶液中で使用した。
【0047】実施例5(抗菌性を有する紙の調製) 表1及び2の4化合物、PCS−TA,PCS−BT,
OBAQ及びOBAAを夫々別々に、エタノール/水=
2/8の混合溶媒に0.2w/w%(2,000ppm)濃度になる
ように4種類の抗菌剤溶液を調製した。次に坪量20g/m
2の和紙約40gづつを取つて精秤し、前記、抗菌剤溶液 1
000ml中に浸した。ポリエチレン製の手袋をして、この
和紙を軽く絞り、再び該溶液に浸す操作を合計3回繰り
返した。最後に、全体の重量が125gになるように絞つ
て、60℃で一昼夜減圧乾燥した。この和紙中の抗菌性化
合物含有量は、乾燥和紙g当たり約3mgであつた。これ
らの抗菌性を有する紙(加工紙と略す)は1回、水洗、
乾燥後、次の抗菌試験に使用した。
【0048】表1及び2の4化合物の代りに比較例1及
び2の殺菌剤を用いた他は、実施例5の方法に準じて操
作し、比較例1及び2の加工紙を得た。
【0049】試験例1(加工紙の抗菌試験) 供試菌としてEscherichia coli K12 OUT8401を
用い、ブイヨン培地で37℃、一夜間前培養した後、滅菌
リン酸緩衝生理食塩水で希釈し、1ml中の菌数が約106c
ells/mlとなるように調製、これを試験用菌体懸濁液
(菌体懸濁液と略す)とした。次に、実施例5で得られ
た加工紙を夫々約2cm×3cmの大きさ(約0.012g)に切
り取り、4cm立方体の蓋付きプラスチツクスの箱(箱と
略す)に入れ、前記、菌体懸濁液0.1mlを加え、25℃で
培養した。培養開始後、0、0.5、1.0、3.0時間後、加
工紙を箱から取り出し、Tween−80 0.2%を加えた滅
菌生理食塩水 10ml中にて菌体を洗い出した。この菌体
含有生理食塩水を10倍段階希釈した後、夫々0.1mlを取
り、残存生菌数を常法により、平板培養法でコロニーカ
ウントした。尚、加工紙無添加の菌体懸濁液についても
同様の試験を行い、対照(Control)とした。結果を表
3に示す。
【0050】
【表3】 表中<10表示は測定限界によるもので生菌数の不検出を
示す。
【0051】試験例2(表1の化合物の兎皮膚刺激性試
験) ニユージーランドホワイト種雌性兎を用いて、表1の化
合物の皮膚一次刺激性を調べた。予め乳鉢内で0.5gの被
験物質に0.5mlの注射用蒸留水を加えペースト状にし、そ
の全量を回収しリント布に塗布した。一方、動物の背部
被毛を刈毛し、アイランドスキンの少ない3匹の動物を
選抜した。試験開始約24時間前に動物の背部被毛を刈毛
し、除毛剤で除毛した。試験部位として各動物当たり脊
椎中線の左右それぞれ2カ所ずつ計4カ所を設けた。被
験物質は2.5×2.5cm2のリント布に均一に塗布し、それ
らを絆創膏を用いて試験部位の皮膚に閉塞貼付した。対
照として0.5mlの注射用蒸留水を塗布したリント布のみ
を同様に貼付した。リント布の貼付は試験部位毎の感受
性の差を考慮し、動物毎に無作為に選んだ。暴露時間は
4時間とし、暴露終了時に、皮膚に残存した被験物質は
微温湯を浸した脱脂綿で軽く拭き取ることにより除去し
た。
【0052】暴露終了後の試験部位における皮膚反応
は、OECDの皮膚刺激性の評価基準[表4]に従つて
評価した。観察時間は暴露終了後30分及び暴露後1日か
ら皮膚反応の消失するまでとし、最長14日後まで観察し
た。結果を表5に示した。
【0053】
【表4】紅斑及び痂皮の形成 紅斑なし……………………………………………………………………………0 非常に軽度の紅斑(かろうじて識別できる)…………………………………1 はつきりした紅斑…………………………………………………………………2 中等度ないし高度紅斑……………………………………………………………3 高度紅斑(beet redness)からわずかな痂皮の形成(深部損傷)まで……4浮腫の形成 浮腫なし……………………………………………………………………………0 非常に軽度の浮腫(かろうじて識別できる)…………………………………1 軽度浮腫(はつきりした膨隆による明確な縁が識別できる)………………2 中等度浮腫(約1mmの膨隆)……………………………………………………3 高度浮腫(1mmの膨隆と暴露範囲を越えた広がり)…………………………4
【0054】
【表5】
【0055】表5中、Aは紅斑及び痂皮を、Bは浮腫を
示す。表5の結果より、本発明化合物は皮膚刺激性がな
いことがわかる。従つて、本発明の抗菌性を有する紙は
安心して使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 昭弘 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚化 学株式会社徳島研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非架橋性ビニルモノマーから誘導される
    構成単位と一般式化1で表わされる構成単位を含むビニ
    ル系共重合体を有効成分とするポリマーを紙基材の表面
    に付着させ、或いは紙基材の内部に含有させてなる抗菌
    性を有する紙。 【化1】 〔式中R1は水素原子又はメチル基を、Aはフエニレン
    基を、R2は炭素数1〜2のアルキレン基を、Bは第4
    級アンモニウム塩またはベタイン型化合物を含有する基
    を示し、Aは置換基を含んでいてもよい。〕
  2. 【請求項2】 化合物(1)においてBが一般式化2〜
    化4で表わされる基である請求項1の抗菌性を有する
    紙。 【化2】 【化3】 【化4】 〔式中、X, Yはアニオンで同一又は異なつていてもよ
    く、X, Yがそれぞれ1価のアニオン或いは(X, Y)
    が2価のアニオン1個であつてもよい。R3は炭素数6
    〜18のアルキル基、R4は炭素数2〜10のアルキレン
    基、R5〜R8は同一又は異なつていてもよく、炭素数1
    〜3のアルキル基、R9は炭素数1〜3のアルキレン基
    を示し、いずれも置換基を含んでいてもよい。〕
JP18451793A 1993-06-28 1993-06-28 抗菌性を有する紙 Expired - Fee Related JP3274546B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18451793A JP3274546B2 (ja) 1993-06-28 1993-06-28 抗菌性を有する紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18451793A JP3274546B2 (ja) 1993-06-28 1993-06-28 抗菌性を有する紙

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07229094A true JPH07229094A (ja) 1995-08-29
JP3274546B2 JP3274546B2 (ja) 2002-04-15

Family

ID=16154587

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18451793A Expired - Fee Related JP3274546B2 (ja) 1993-06-28 1993-06-28 抗菌性を有する紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3274546B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3274546B2 (ja) 2002-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102131836B (zh) 抗菌聚合物及涂料
US5142010A (en) Polymeric biocidal agents
US5358688A (en) Antimicrobial quaternary ammonium group-containing polymers, compositions thereof, and monomers used to produce said polymers
CN102712700B (zh) 具有广谱抗菌活性的作为涂布剂的壳聚糖水凝胶衍生物
JP2661241B2 (ja) エチレン共重合体を有効成分とする殺菌剤および殺菌性樹脂組成物
EP0024107B1 (en) A pressure-sensitive adhesive containing iodine
US5104649A (en) Surface-functionalized biocidal polymers
EP1830639B1 (en) Antimicrobial and antiviral product
CA1208844A (en) Polymers, preparation and use
US20110200655A1 (en) Systems and methods that kill infectious agents (bacteria) without the use of a systemic anti-biotic
Grigoras Natural and synthetic polymeric antimicrobials with quaternary ammonium moieties: a review
CN106832347B (zh) 一种安全高效持久抗菌纳米水凝胶及其制备方法
US4532128A (en) Quaternary ammonium group-containing polymers having antimicrobial activity
US20070224161A1 (en) Compositions and methods for making and using acyclic N-halamine-based biocidal polymeric materials and articles
JPH10500148A (ja) ブロック及びグラフトコポリマー並びにそれに関連する方法
WO2005067878A1 (en) Polysaccharide alcohol antiseptic gel
JP2006507111A (ja) 殺生物性を得るための光重合による表面処理法
US10633551B2 (en) Antimicrobial solution
Floros et al. Antimicrobial activity of amphiphilic triazole-linked polymers derived from renewable sources
CN111544310A (zh) 一种无刺激抗菌消毒湿巾及其制备方法
CZ286597B6 (cs) Antiseptický polymer, bavlněná tkanina s jeho obsahem a jeho použití včetně způsobů ochrany podkladu a kapalného prostředí
JPS5814405B2 (ja) 抗菌性材料
WO1983001002A1 (en) Quaternary ammonium group-containing polymers having antimicrobial activity
JP3274546B2 (ja) 抗菌性を有する紙
US20120330209A1 (en) Non-leaching Antimicrobial Wound Dressing

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees