JP2006507111A - 殺生物性を得るための光重合による表面処理法 - Google Patents
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Abstract
Description
より具体的に言えば、本発明は、殺生物作用を持つ基を有するコポリマーを固体支持体上で光重合および共有結合グラフトさせることによる表面処理法に関する。
本発明は、あらゆるタイプの製品または装置、とりわけ、織物、床仕上げ材、特に共同体用の衛生具、医療用の機器および装置の製造に用い得る固体支持体の処理に関する。
本明細書において、「殺生物作用」とは、すなわち、任意の抗微生物作用または防腐作用、すなわち、抗菌作用(すなわち殺菌性および/または静菌性)、防カビ性、抗酵母性、およびとりわけ特に有害で病原性を有することさえあるあらゆる種類の微生物に対する抗微生物性を意味すると考えられる。
− Aは、
− RはHまたはCH3を表し;
− Bは、直鎖もしくは分岐C0−C5アルキレン鎖、またはアリーレンもしくはアリールアルキレン基を表し;
− 同一または異なるR1およびR2は、それぞれC1−C5アルキル鎖を表し;
− R3は、C8−C20アルキル鎖またはアリールもしくはアリールアルキル基を表し;
− X−はアニオンを表す)
に対応し、第4級アンモニウムの比率は1モル/kgより大きい。
このような理由で、これらの殺生物性ポリマーは、コーティングされる固体支持体表面に単に堆積され、該表面では、これらのポリマーは物理化学的相互作用により表面に吸着して比較的強力な付着力を得るに過ぎない。
または第4級アンモニウム基を有するモノマー存在下の支持体上での電子衝撃により、繊維織物支持体上にグラフトされる。
この殺菌性モノマーは、特定の式R−(A)nを有し、Aは、実施形態では酸性またはスルホン酸塩の基であり、請求項1では他の酸性基(カルボン酸、硫酸、リン酸およびホスホン酸)まで広げている。
− 殺菌性モノマーと紫外線感受性モノマーとを紫外線処理下に共重合させてコポリマーを合成するステップ、
− 例えば、紫外線処理、コロナ、プラズマ、電子衝撃などの種々の物理的処理によりポリマーでコーティングされる支持体をあらかじめ活性化するステップ、および
− 活性支持体上に予め作製したコポリマー溶液を付着させ、次いで、特に紫外線により新たに物理的グラフト処理を行うステップ。
本発明の別の目的は、実施が簡単で費用がかからないと同時に、機械的動作および環境条件に対する抵抗性に関して改善されたコーティング特性を提供し、より特定的には、できる限りの大きなコーティング厚が得られる、固体支持体表面に殺生物性コポリマーをグラフトする方法を提供することである。
ン)光重合を用いて、任意のタイプの固体支持体上に、特に第4級アンモニウム基を有する殺生物性ポリマーをグラフトし得ることを発見した。
(a) 固体支持体を、以下の
1− 殺生物性基を有する少なくとも1種のモノマー、
2− アクリレート、エポキシもしくはビニルエーテルモノマーまたはオリゴマーから選択される単官能、2官能もしくは多官能モノマーまたはオリゴマーを含む、殺生物性モノマーと共重合可能な少なくとも1種の化合物、
3− ラジカルおよび/またはカチオン光重合開始剤から選択される少なくとも1種の光重合開始剤、および
4− 支持体上の少なくとも1種のグラフト剤
を含有する製剤と接触させるステップ、ならびに
(b) 固体支持体に接触している製剤を紫外線に暴露して、光共重合および得られたコポリマーの共有結合グラフトを達成するステップ
を実施する。
(a1) 固体支持体を、光重合開始剤とグラフト剤とを含有する第1の部分的製剤と接触させるサブステップ、および
(a2) 乾燥後に、殺生物性モノマーと共重合可能な化合物とを含有する第2の部分的製剤を加えるサブステップ
を実施する。
がって、紫外線照射中の支持体上での重合およびグラフト反応の改善に役立つ。
より詳細に言えば、ステップ(2)の後で、以下のステップ:
(3) 支持体をオーブン中100〜180℃の温度で乾燥させて熱重合により重合を行うステップ
を実施する。
光重合を開始させる化合物は、ラジカル光重合開始剤であってもカチオン光重合開始剤であってもよい。同様に、2種の個々のラジカル光重合開始剤とカチオン光重合開始剤とを利用するハイブリッド機構を用いてもよい。ラジカル光重合開始剤とカチオン光重合開始剤のどちらを選択するかは、殺生物性モノマーと、共重合可能な化合物、すなわち、共重合可能な化合物が含む試薬基とを、それらがラジカル的に活性化され得るか、カチオン的に活性化され得るかに従って選択することによって決まる。特に、製剤がそれぞれラジカル的およびカチオン的に光共重合可能である2タイプの共重合可能な化合物を含む場合には、2タイプの個々のラジカル光重合開始剤およびカチオン光重合開始剤が用いられる。
−Zは、
Aは
Bは、直鎖もしくは分岐C1−C5アルキレン鎖、またはアリーレンもしくはアリールアルキレン基を表す)
− または
CnH2n−1(OH)2‐B‐
− または
HO‐(B‐O)a‐B‐
(式中、Bは上記に示されている意味を有し、nは1〜20でよく、aは0〜3でよい)の中から選択される1価のラジカルを表し;
− W+は、N+窒素カチオン、P+リン、または、R3で置換されるか、AもしくはBに直接結合した窒素原子を含むQ+飽和もしくは不飽和複素環を表し、同様に、4級化窒素に加えて1個以上の同一もしくは異なるヘテロ原子を含むことが可能であり;
− 同一または異なるR1およびR2は、それぞれ、C1−C5アルキル鎖またはアリール基を表し;
− R3は、C3−C20アルキル鎖、またはアリールもしくはアリールアルキル基を表し;
− X−は、アニオン、特にハロゲン化物を表す]。
Zが
Zが、
CnH2n−1(OH)2‐B‐
HO‐(B‐O)a‐B‐
を表す上記式(I)の殺生物性モノマーは、カチオン光重合により共重合するように構成されており、したがって、カチオン光重合開始剤の存在を必要とする。
− R3は、C8−C16アルキル鎖、アリールまたはアリールアルキル基を表し;
− X−は、アニオン、特にハロゲン化物を表す)
のモノマーを用いると有利であろう。
− X−はアニオンを表し;
− 同一または異なるR1およびR2はそれぞれ、C1−C5アルキル鎖、またはアリール基を表し;
− R3は、C3−C20アルキル鎖、またはアリール基を表す)
の殺生物性モノマーを用いると有利であろう。
殺生物性モノマーと共重合可能なモノマーまたはオリゴマーとの共重合から得られる殺生物性ポリマーを支持体上で重合、グラフトするためには、グラフト剤を利用する必要があり、グラフト剤は、支持体上で直接グラフトするためのグラフト重合開始剤か、支持体上で間接的にグラフト反応させるためのカップリング剤のいずれかでよい。「グラフト重合開始剤」とは、殺微生物モノマーと共重合可能なモノマーまたはオリゴマーとの共重合から生じた殺微生物ポリマーと支持体との直接共有化学結合が達成され得る活性中心を支持体上に形成し得る化合物を意味すると解釈される。「カップリング剤」とは、一方では、支持体が担持する化学官能基にカップリング剤が反応して支持体と殺生物性ポリマーとの間に中間共有化学結合を形成し、他方では、カップリング剤の重付加または重縮合により、製剤に含まれている殺生物性モノマーおよび共重合可能な化合物とのコポリマーを形成し得る化合物を意味すると解釈される。
A. グラフト重合開始剤
これらのグラフト重合開始剤は、もっぱらラジカル的に活性化され得るので、ラジカル光重合開始剤、殺生物性モノマー、およびラジカル光重合可能な化合物の存在を必要とする。
1. 有機過酸化化合物、特に:
− ペルオキシエステル、特に、1−ジメチル−3−ヒドロキシブチルペルオキシデカノエート、γ−クミルペルオキシデカノエート、γ−クミルペルオキシヘプタノエート、t−アミル−ペルオキシデカノエート、2,5−ジメチル2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−アミルペルオキシアセテート、t−ブチルペルベンゾエート、t−アミルペルベンゾエート;
− ヒドロペルオキシド、特に、t−ブチルヒドロペルオキシド、アミルヒドロペルオキシド;
− ペルオキシアセタール、特に、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ジ(t−アミルペルオキシ)−シクロヘキサン、エチル−3,3−ジ(t−ブチルペルオキシ)−ブチレート;ペルオキシジカーボネート、例えば、ジ(n−プロピル)ペルオキシジカーボネート、ジ(sec−ブチル)ペルオキシジカーボネートおよびジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート;
− 過酸化ジアシル、特に、過酸化ベンゾイル、過酸化尿素、過酸化ラウロイル、過酸化デカノイル。
3. 以下の化合物との混合物中で用いられる上記有機または無機過酸化化合物:
− Ag+、V2+、Ti2+、Co2+、Cu+、Fe2+、Ce2+、Na+およびK+の塩から選択される化合物、特に、
・ Ag+、V2+、Ti2+、Co2+、Ce2+、Cu+、Fe2+の硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、炭酸塩、過塩素酸塩、もしくは
・ 亜硫酸塩、ヒドロ亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ナトリウム硫化物もしくはカリウム硫化物、
− または、還元性有機化合物、特に、グルコース、レブロース、ソルボース、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、アミン、アルコール、第3級ジアミン、メルカプタン、有機金属化合物。
カップリング剤は、支持体と殺生物性ポリマーコーティングとの間に化学結合を形成することにより作用する。
1. (a)殺生物性モノマーおよび共重合可能な化合物とラジカル的またはカチオン的に共重合し得る試薬基と、(b)支持体の基と共有結合し得る試薬基とを有するシラン系カップリング剤。
R′nSiX′(4−n) (A)
[式中、
− R′は、ラジカル的またはカチオン的に光重合可能な有機ラジカル、特にラジカル光重合用のビニルおよびメタクリロイル基(ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリルオキシデシルトリエトキシシラン)、またはカチオン光重合用のエポキシ基、(β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)およびメルカプト(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン))であり、
− X′は、ヒドロキシル基、または支持体との化学結合を可能にするように容易に加水分解できる別の基、特に、メトキシ、エトキシまたはクロリド基である]
に対応し得る。
− チタネート、例えば、i−プロポキシチタントリステアレート、チタンテトラステアレート、i−プロポキシチタントリラウレート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリス(ドデシルベンゼン)スルホニルチタネート、ネオ−アルコキシトリス[ジオクチルピロホスフェート]チタネート、
− ホスフェート、例えば、(エチル−)、(ブチル−)、(ヘキシル−)、(オクチル−)、(3,7−ジメチル−6−オクテニル−)、(2−メタクリロイオキシ)イソプロピル−)、(6−(メルカプトヘキシル)−)、(6−クロロヘキシル−)ホスフェート、
− ジルコネート、例えば、i−プロポキシジルコニウムトリステアレート、ジルコニウムテトラステアレート、i−プロポキシジルコニウムトリラウレート、ネオ−アルコキシトリス[ドデシルベンゼンスルホニル]ジルコネート、
− クロメート、アルミネート、ジルコ−アルミネート、コバルト塩などであるが、このリストは包括的なものではない。
A1は有機ラジカルであり、
R4は水素またはメチルであり、
n1は1〜6の整数である)
の単官能(n1=1)もしくは多官能(n1=2〜6)アクリレートモノマーまたはオリゴマーを含む。
これらの共重合可能な式(II)のアクリレート系化合物は、ラジカル光重合による共重合を要求するので、製剤中にラジカル光重合開始剤が存在することが必要である。
n2は1〜3の整数であり、
R5は有機ラジカルのラジカルである)
に対応する、単官能(n2=1)、2官能(n2=2)もしくは3官能(n2=3)エポキシモノマーまたはオリゴマーを含む。
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ユニオン・カーバイド社(Union Carbide Corp. )から市販されているCyracure(登録商標)UVR6105および6110)、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキセンカルボキシレート(ERL−4221)、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート(ユニオン・カーバイド社から市販されているCyracure(登録商標)UVR6128)、オクタデシレンオキシド、エピコールヒドリン(epichorhydrine)、スチレンオキシド、ビニルシクロヘキセンオキシド、グリシドール、グリシジルメタクリレート、ビスフェノールA ジグリシジルエーテル(シェル・ケミカル社(Shell Chemical Co )から市販されているEPON(登録商標)828,825,1004,1010)、ビニルシクロヘキセンジオキシド(ユニオン・カーバイド社から市販されているERL−4206)、ビス(2,3−エポキシシクロペンチルエーテル)(ユニオン・カーバイド社から市販されているERL−0400)、エポキシ修飾ポリプロピレングリコール(ユニオン・カーバイド社から市販されているERL−4050およびERL−4052)、ジペンテンジオキシド(ERL−4269)、ポリブタジエンエポキシド(エフエムシー社(FMC Corp. )から市販されているOxiron(商品名)2001)、エポキシ含有シリコン処理樹脂、難燃性エポキシ樹脂(ダウ・ケミカル社(Dow Chemical Co.))、フェノールホルムアルデヒドノボラックの1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(ダウ・ケミカル社から市販されているDEN−431およびDEN−438)、ビニルシクロヘキセンモノオキシド1,2−エポキシヘキサデカン(ユニオン・カーバイド社から市販されているUVR−6216)、アルキル(C8−C12)グリシジルエーテル(HELOXY(登録商標)Modifier 7および8、シェル・ケミカル社)、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(HELOXY(登録商標)Modifier 68)、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテル、ポリグリコールジエポキシド(それぞれシェル・ケミカル社から市販されているHELOXY Modifier 67,68,107,44,48,84,32)、ビスフェノールF ジエポキシド(チバ・ガイギー社(Ciba-Geigy Corp.)から市販されているEPN−1138およびGY−281)、ならびにグリシジルアクリレートおよびメタクリレート。
R6‐(O‐CH=CH2)1または2 (IV)
(式中、R6は有機誘導体のラジカルである)
に対応するビニルエーテルモノマーまたはオリゴマーを含む。
上記共重合可能な式(III)のエポキシ系または式(IV)のビニルエーテル系化合物は、カチオン光重合機構を要求するので、カチオン光重合開始剤の存在を必要とする。
包含する。
1つの好ましい実施形態において、製剤は、全体を100%として以下の重量比の種々の成分、すなわち:
(1) 5〜95%、好ましくは5〜50%の殺生物性モノマー、
(2) 5〜95%、好ましくは10〜75%の共重合可能な化合物、
(3) 1〜10%の光重合開始剤、および
(4) 0.01〜10%のグラフト剤
を含む。
− 水酸基を有する化合物、
− 別の重合可能な、無水物系化合物もしくはその誘導体、スチレン系化合物もしくはそ
の誘導体、またはシアノアクリレート系化合物、
− 柔軟剤、分解防止剤、難燃剤、染色剤、可塑化剤、感触改良剤、接着剤から選択される添加剤、
− 特に粘度を低下させるために用いられる反応性または非反応性溶媒
から選択される添加成分を含む。
より具体的に言えば、以下の添加成分が挙げられる:
− 反応性または非反応性溶媒として、一般式(II)に対応するアクリレートもしくはメタクリレートモノマー、アルコール、水または他の溶媒の1種、
− 水酸基を有する成分として、アルコール、ポリオキシアルキレングリコールのモノアルキルエーテル、アルキレングリコールのモノアルキルエーテル、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,18−ジヒドロキシオクタデカン、3−クロロ−1,2−プロパンジオール、ポリヒドロキシアルカン(グリセリン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、ソルビトール)ならびに水酸基を有するポリマー、例えば、ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンジ−またはトリオール、ポリテトラヒドロフラン、ヒドロキシプロピルおよびヒドロキシエチルアクリレートならびにメタクリレートと他のラジカル重合可能なモノマーとのコポリマー、加水分解により形成された対応物の水酸基を有するコポリマー、OH対応物を有するポリビニルアセタール樹脂、修飾セルロースポリマー、ポリエステル、ポリラクトン、ポリカプロラクトン、鎖末端に水酸基を有するポリアルカジエン、
− 他の重合可能な化合物として、シアノアクリレート接着剤:ジエチル3,3′−(1,4−フェニレン)ビス(2−シアノアクリレート)、エチル3−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)−2−シアノアクリレート、エチル2−シアノアクリレート、3−(5−(2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−フリル)−2−エチルシアノアクリレート、3−(5−(2−クロロフェニル)−2−フリル)−2−エチルシアノアクリレート、3−(5−(3−クロロフェニル)−2−フリル)−2−エチルシアノアクリレート、3−(5−(4−クロロフェニル)−2−フリル)−2−エチルシアノアクリレート、3−(5−ブロモ−2−フリル)−2−シアノアクリレート、3−(5−(4−アミノスルホニル)フェニル)−2−フリル)−2−シアノアクリレート;無水物:2,3−ジブロモマレイン酸無水物、無水マレイン酸、2−エチル−3−プロピルアクリル酸無水物;スチレン誘導体:スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン。
− 好ましくは有機過酸化化合物またはセリウム塩 Ce4+を包含する少なくとも1種のグラフト重合開始剤、および
− 少なくとも1種のラジカル光重合開始剤
を含む。
− 少なくとも1種のカチオンまたはラジカル光重合開始剤、および
− 少なくとも1種のシラン系カップリング剤
を含む。
同様に、本発明の目的は、本発明の方法によって得られる、表面に殺生物性を示すポリマーがグラフトされた固体支持体である。
さらに特定的には、固体支持体は、合成または天然の糸または繊維をベースとする繊維織物または不織布有機材料から選択される。
グラフト剤は、支持体のタイプに応じて選択し得る:
・ 水酸基を有する支持体(ガラス、セルロース、木材)に関しては、製剤がラジカル光重合開始剤を含む場合には、グラフト剤として、金属塩、特にセリウム塩などのグラフト重合開始剤を用いればよく、製剤がカチオン光重合開始剤とカチオン的な光重合を示す成分とを含む場合には、カップリング剤として、特にシラン系化合物などのカップリング剤を用いればよい。
・ ポリエステル、ポリウレタン、セロファン、ポリエチレンおよびポリプロピレン支持体上でのグラフトに関しては、硝酸銀/過酸化尿素の組合せまたは過硫酸アンモニウムなどのグラフト重合開始剤を用い得る。
・ ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレングリコールおよびゼラチンなどの親水性ポリマーに関しては、過酸化物、過硫酸塩、レドックス酸化/還元対などのグラフト重合開始剤、またはシラン系化合物などのカップリング剤を用いればよい。
・ エチレンビニルアセテートコポリマーなどの支持体に関しては、グラフト重合開始剤として、エチレンエチルアクリレートコポリマー、過酸化ベンゾイル、t−ブチルヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシドおよび硫酸第1鉄アンモニウムを用い得る。一般に、グラフト剤は、光重合製剤に溶けにくいものでなければならないと同時に、グラフトを促進し、単重合プロセスの速度を低下させるために、使用する支持体に対する良好な親和性を有していなければならない。
・ シリカを加えたポリエステル/スチレンコポリマー樹脂をベースとするゲルコートなどの異なる性質の材料を含む複合支持体に関しては、2種のグラフト剤、すなわち、カップリング剤とグラフト重合開始剤とを合わせて用いると有利であり得る。
1.1 メタクリロイルエチルジメチルオクチルアンモニウムブロミドの合成
10mlのエタノールに、4.71g(0.03モル)のジメチルアミノエチルメタクリレートと、5.79g(0.03モル)の臭化オクチルを加える。次いで、この溶液を、油浴中60℃で48時間攪拌する。Br−イオンの用量で、この反応時間後に達成された転化率が99%であることが分る。次いで、この混合物を室温に冷まし、エチルエーテル中で沈殿させる。次いで、得られた沈殿物を濾過し、エーテルで数回洗浄する。
10mlのエタノールに、4.71g(0.03モル)のジメチルアミノエチルメタクリレートと7.2g(0.03モル)のヨウ化オクチルを加える。次いで、この溶液を油浴中60℃で48時間攪拌する。I−イオンの用量で、この反応時間後に達成された転化率が99.1%であることが分る。次いで、この混合物を室温に冷まし、エチルエーテル中に沈殿させる。次いで、得られた沈殿物を濾過し、エーテルで数回洗浄する。
10〜15mlのエタノールに、4.68gのジメチルアミノプロピルメタクリルアミドと6.63gの臭化デシルを溶解し、混合物を強攪拌下に72時間60℃に維持する。Br−イオンの用量を用いて測定した反応収率は約98%であり、これは満足すべきものであると考えられる。次いで、回転式濃縮機を用いて溶媒を除去すると、得られた第4級塩は帯黄色の粘稠液であり、これはそのまま製剤中で利用し得る。
1.4 その他のジメチルアミノエチルメタクリレート4級塩の合成。対イオンの変更。
冷却装置を備え付けた250ml容の二口丸底フラスコに、54gの2[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]エタノールおよび99.7gの臭化ドデシルを導入する。油浴中、磁気攪拌機で溶液をホモジナイズする。次いで、溶液を64℃で21時間加熱する。得られた転化率は99%である。溶液を冷却して、わずかに黄色を帯びた固体生成物を得る。
ニトロメタン中、1モルのジデシルメチルアミンと1モルの3−クロロ−1,2−プロパンジオールとを還流下に60時間攪拌しながら反応させる。次いで、回転式濃縮機を用いて溶媒を真空下に除去する。第4級塩は、粘性の高い黄褐色残留物の形態である。
反応は全部一緒に(en masse)実施した。4.31g(0.028モル)の塩化メチルスチレンを10.49g(0.028モル)のトリオクチルホスフィンに加える。磁気攪拌機を用いて、混合物を50℃で5時間攪拌する。1時間後に4級塩が形成され始め、黄色沈殿物として現われる。
反応は全部一緒に実施した。2.22g(0.02モル)の3−クロロ−1,2−プロパンジオールを7.4g(0.02モル)のトリオクチルホスフィンに加えた。磁気攪拌機を用いて、混合物を130℃で92時間攪拌する。2相系は均質になり始め、電量分析により、4級化の収率は96.4%であると判明する。このようにして形成された第4級塩は透明な粘稠液として現われる。
実験室規模で後述の製剤の光重合を実施するために、100Wの水銀灯と、赤外線を除去して360〜500nmの波長で試料を照射し得るフィルターとを備えたEFOS社製のNovacure(登録商標)N2001−A1装置を用いた。この装置には直径3mmのデュアルヘッドライトガイドが内蔵されている。リアルタイムで光重合プロセスを進め、反応エンタルピーを測定し、誘導時間を決定するために、Novacure(登録商標)装置をパーキン・エルマー社(Perkin Elmer)から市販されているDSC Pyris(登録商標)1に連結し得る。より大きな寸法の試料上で実施する光重合には、コンベア付きFusion UVF−300装置を用いた。
2種の異なる方法で殺生物性モノマーのグラフトを実施した。
2.1.1. 1ステップ処理
15%の不飽和殺生物性モノマーと、5%の共重合可能な化合物(例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート)と、0.5%のグラフト重合開始剤 Ce(NO3)6(NH4)2(硝酸セリウムアンモニウム)と、5%のラジカル光重合開始剤であるIrgacure(登録商標)DW819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド)と、40%の脱塩水と、34.5%のエタノールとを含有する溶液を調製する。この溶液0.5gに2×2cmの織物試料を浸漬する。含浸後、280〜500nmの範囲の光を放射する紫外線ランプを用いて200mW/cm2の光度で織物試料の両面を10秒間照射し、乾燥キャビネット中100℃で10分間乾燥させる。この方法は、パディング法で織物を含浸することにより工業的規模で実施し得る。吸収される製剤の量は、織物の綿含有量に応じて、80〜180g/cm2の範囲である(PE/綿混紡織物では80g/cm2、純綿では180g/cm2)。次いでこの織物を、構成成分の反応性に応じて100〜1000mW/cm2の強度とした、280〜500nmの範囲の光を放射する2つの紫外線源の間を10〜40m/分の速度で通過させ、トンネル式オーブン中100〜180℃で乾燥させる。反応は、光重合開始剤の紫外線分解で始まり、次いで光重合、最後にトンネル式オーブン通過中に熱的に完了する。
実験室規模では、5%のラジカル光重合開始剤 Irgacure(登録商標)DW819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド)と、0.5%のグラフト重合開始剤 Ce(NO3)6(NH4)2とを含有する水溶液0.5gに2×2cmの織物試料を浸す。次いで、該織物試料を乾燥キャビネット中100℃で10分間乾燥させてから、15%の不飽和殺生物性モノマーと、5%のポリエチレングリコールジアクリレートと、45%の水と、35%のエタノールとを含有する第2溶液に浸す。次いで、該織物の両面を、280〜500nmの範囲の光を放射する紫外線ランプを用いて200mW/cm2の光度で10秒間照射し、次いで、乾燥キャビネット中100℃で乾燥させる。
− 機能性ポリシロキサンエマルションなどの柔軟剤、
− ビニルポリアセテート分散液などの仕上げ剤、
− フルオロカーボン樹脂エマルションなどの難燃剤、および
− アクリルコポリマーエマルションなどの感触・体積改良剤
を含有し得る。
(ホモポリマーを除去するために)60℃で1時間エタノール洗浄した後、織物について後方散乱X線分析と電子走査顕微鏡検査とを組み合わせて解析すると、6.57重量%の臭素含有量を示す。臭化物イオン(対イオン)が存在するということは、表面に第4級アンモニウムカチオンが存在することを間接的に示している。
たホモポリマーの第4級アンモニウムにより生じたR3基に起因する2950〜2850cm−1のメチレン基の特性を示す吸収帯が実施例2よりはるかに濃く観察される。
TAG分析の結果、1ステップで処理した試料の温度T0は343℃であるのに対し、2ステップでグラフトした試料の場合、この値はもっと低く、すなわち332℃である。グラフト率が増加すると、この温度T0は低下する。
2.2 PVCプレート上での処理およびグラフト
2×2cm2のPVC上に光重合可能な化合物の混合物からなる薄相を堆積させるが、この混合物は、20%のメタクリロイルエチルジメチルヘキサデシルアンモニウムテトラフルオロボレートと、共重合可能な前記化合物として41%の3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(Cyracure(登録商標)UVR 6105)と、カチオン光重合開始剤として5%のトリアリールスルホニウムアンチモネート(Cyracure(登録商標)UVI 6974)と、殺菌性化合物の溶媒として10%の1,4−ブタンジオールと、その他の共重合可能な化合物として20%のテトラプロピレングリコールジアクリレートと、ラジカル光重合開始剤として3%のIrgacure(登録商標)2020(80%の1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンと20%のフェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシドとの混合物)と、還元性有機化合物として0.5%過酸化ベンゾイルおよび0.5%のジメチルフェニルアミンで形成されたレドックス対の形態のグラフト重合開始剤とを含む。これに、1000mW/cm2の強度で20秒間照射する。得られたコーティングは、X線試験で分るように、表面上に形成された共有結合のために支持体に化学結合している。
Mは、殺菌性モノマーまたは上記共重合可能なアクリレート化合物を表す。
さらに、カチオン光重合開始剤は、上記の共重合可能なエポキシ系化合物の重合を促進する。
この場合には、ラジカル/カチオンハイブリッド機構により光重合を実施する。製剤は、上記共重合可能な化合物として45%のビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート(Cyracure UVR 6128)と、20%のメタクリロイルエチルジメチルテトラデシルアンモニウムテトラフルオロボレートと、カチオン光重合開始剤として2%のトリアリールスルホニウムアンチモネート(Cyracure
UVI 6974)と、上記その他の共重合可能な化合物として30%のポリエチレングリコールジメタクリレートと、ラジカル光重合開始剤として2%のジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド(Darocur TPO)と、カップリング剤として1%のビニルトリメトキシシランとを含む。この混合物2gを100cm2の表面上に堆積させ、500mW/cm2の強度で20秒間照射する。
[角形磁器上でのグラフト]
ここで利用した磁器プレートの上層は、以下の組成の無機化学的構造を有する:SiO2 55.3%、Al2O3 8.3%、MgO 2.1%、K2O 3.8%、CaO
8.5%、ZnO 11.9%、ZrO2 7.4%。したがって、上層は有意な比率でシリカを含む。
25cm2の角形磁器上に、34%の3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(Cyracure(登録商標)UVR 6105)と、カチオンプライマーとして1%のトリアリールスルホニウムアンチモネート(Cyracure(登録商標)UVI 6974)と、42%のテトラエチレングリコールジアクリレートと、10%のメタクリロイルプロピルジメチルヘキサデシルアンモニウムテトラフルオロボレートと、3%のラジカル光重合開始剤(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド(Darocur(登録商標)TPO)と、カップリング剤として10%の3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートとを含む製剤1gを堆積させる。これに、500mW/cm2の強度で20秒間紫外線を照射する。殺菌性ポリマーフィルムが角形磁器の表面にグラフトされ、洗浄後にも剥がれない。
紫外線技術による木材の処理は、ラジカル機構またはカチオン機構により実施し得る。
2.4.1 一例として、基剤は以下を含み得る:上記共重合可能な化合物として50%のポリウレタンアクリレート(BASF社製のLaromer(登録商標)UA 19T)と、他の上記共重合可能な化合物として25%のトリプロピレングリコールジアクリレートと、19%のメタクリロイルエチルジメチルドデシルアンモニウムブロミドと、ラジカル光重合開始剤として5%のIrgacure(登録商標)2020(チバ・ガイギー社)と、グラフト重合開始剤として1%の3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート。
共重合可能なエポキシ化合物の重合の開始は以下の反応図式に従って実施される:
2.5 ガラス上での殺菌処理およびグラフト
3%の3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートと、5%のラジカル光重合開始剤 (2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド(Darocur(登録商標)TPO)と、10%のメタクリロイルエチルジメチルドデシルアンモニウムブロミドと、82%のエポキシアクリレート(BASF社製のLaromer(登録商標)8986)とを含有する感光性製剤0.5gをガラスプレートに塗布する。これに、500mW/cm2の強度で10秒間照射を実施する。形成された表層は、カップリング剤(3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート)を用いて、殺菌性モノマーと、重合可能な化合物と、ガラスプレート表面に存在するシラノールとの間に形成された共有結合のために、支持体に対する良好な接着性を示す。この作用機構は、木材プレートやセラミックプレートの処理で示されたものと類似している。
10%のメタクリロイルエチルジメチルオクチルアンモニウムブロミドと、82%のポリエチレングリコールジアクリレートと、2%の3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートと、4%のラジカル光重合開始剤(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド(Darocur(登録商標)TPO)と、0.5%のオクタン酸コバルトおよび1.5%の過酸化メチルエチルケトンから形成された有機媒質中で作用するレドックス対とを含む感光性製剤0.2gを、5×5cmの「ゲルコート」(シリカを加え、スチレンで網状化したイソフタル酸系ポリエステル樹脂)プレートに塗布する。これに、1000mW/cm2の強度で20秒間照射を実施する。この場合も同様に、形成された表層は、レドックスのグラフト重合開始剤の作用下に形成された活性中心により、殺菌性モノマーと、重合可能な化合物と、ゲルコートプレート表面との間に形成された共有結合のために支持体に対する良好な接着性を示す。この作用機構は、PVCプレートの処理で示されたものに類似している。その一部として、カップリング剤は、無機物に属する表面ヒドロキシルまたはポリエステル鎖末端に存在する電荷に作用する。
2系列の試料を試験した:
− 1. 織物(綿/ポリエステル混紡)
・ 1.1 処理前(参照)
・ 1.2 実施例2.1の処理後
・ 1.3 処理および洗浄後
− 2. ガラスプレート
・ 2.1 無処理(参照)
・ 2.2 実施例2.5の処理後
・ 2.3 処理および洗浄後。
試験した試料(グラフトしたガラスプレートおよび織物)に関して、特に、病院内で蔓延する感染症(院内疾患)の原因であるとして周知の黄色ブドウ球菌に対する良好な殺生物活性が認められる。48時間後、処理および洗浄後の試料では、グラフトした織物およびガラス上の膜の表面上にコロニーは計数されない。処理および洗浄された織物は、もはや拡散による抗菌活性を有してはいないが、コロニー数は実質的にゼロなので、グラフトされた殺生物性ポリマーに起因する、接触による活性は極めて高い。同様に、48時間後の真菌類の増殖に関しても接触による良好な効果が立証されている(約4logの減少)。
Claims (22)
- 固体支持体上in situで殺生物性コポリマーの光共重合および共有結合グラフトを実施する、固体支持体の表面処理法であって、以下のステップ:
(a) 固体支持体と、
1− 殺生物性基を有する少なくとも1種のモノマー、
2− アクリレート、エポキシもしくはビニルエーテルモノマーまたはオリゴマーから選択される単官能、2官能もしくは多官能モノマーまたはオリゴマーを含んでなる、前記殺生物性モノマーと共重合可能な少なくとも1種の化合物、
3− ラジカル光重合開始剤およびカチオン光重合開始剤から選択される少なくとも1種の光重合開始剤、および
4− 前記支持体上の少なくとも1種のグラフト剤
を含んでなる製剤と
を接触させるステップ、および
(b) 前記固体支持体と接触している前記製剤を紫外線に暴露することによって、光共重合および得られたコポリマーの共有結合グラフトを達成するステップ
を実施する方法。 - ステップ(a)において、前記製剤を前記支持体と接触させるために、以下の2つの連続サブステップ:
(a1) 前記固体支持体と、前記光重合開始剤および前記グラフト剤を含有する第1の部分的製剤とを接触させるサブステップ、および
(a2) 乾燥後に、前記殺生物性モノマーおよび前記共重合可能な化合物を含有する第2の部分的製剤を加えるサブステップ
を実施する、請求項1に記載の方法。 - 前記殺生物性モノマーが、式(I):
− Zは、
Rは−HまたはCH3を表し、
Aは、
Bは、直鎖または分岐C1−C5アルキレン鎖またはアリーレンもしくはアリールアルキレン基を表す)
または
CnH2n−1(OH)2‐B‐
または
HO‐(B‐O)a‐B‐
(ここで、nは1〜20の整数を表し、
aは0〜3の整数を表し、
Bは上記の意味を有する)
から選択される1価のラジカルを表し、
− W+は、N+窒素カチオン、P+リンカチオン、またはR3で置換されるか、直接AまたはBに結合した窒素原子を有すると共に、4級化窒素に加えて1個以上の同一または異なるヘテロ原子を含み得る飽和または不飽和のQ+複素環カチオンを表し、
− 同一または異なるR1およびR2は、それぞれ、C1−C5アルキル鎖またはアリール基を表し、
− R3は、C3−C20アルキル鎖またはアリールもしくはアリールアルキル基を表し、
− X−はアニオンを表す]
に対応する第4級塩の基を有するモノマーを含んでなる、請求項1または2に記載の方法。 - 前記グラフト剤が、好ましくは以下の化合物:
・ 場合により、還元性有機化合物、特にアミンとの混合物、またはAg+、V2+、Ti2+、Co2+、Ce2+、Cu+、Fe2+、Na+およびK+の金属塩との混合物中の有機および無機過酸化化合物、および
・ 最大の酸化状態のセリウム塩およびバナジウム塩、Ce4+およびV5+
から選択されるグラフト重合開始剤を含んでなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。 - 前記グラフト剤が、好ましくは:
・ (a)前記殺菌性モノマーおよび前記共重合可能な化合物とラジカル的またはカチオン的に光重合可能な活性基と、(b)前記支持体の基と共有結合し得る基とを有するシラン系化合物、および
・ 有機金属塩化合物
から選択されるカップリング剤を含んでなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。 - 前記共重合可能な化合物が、以下の一般式(IV):
R6‐(O‐CH=CH2)1または2 (IV)
(式中、R6は有機ラジカルである)
に対応するビニルエーテルモノマーまたはオリゴマーを含んでなる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。 - 前記光重合開始剤が、好ましくはカルボニル、窒素、リンまたは硫黄基で置換される少なくとも1つのフェニル環を有する有機化合物を含むラジカル光重合開始剤を含んでなる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
- 前記光重合開始剤が、好ましくはアリールスルホニウム塩またはアリールヨードニウム塩から選択されるカチオン光重合開始剤を含んでなる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
- 前記製剤が、それぞれラジカル光重合開始剤およびカチオン光重合開始剤である少なくとも2種の光重合開始剤を含んでなる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
- 前記製剤が、全体を100%として以下の重量比の異なる構成成分、すなわち:
(1) 5〜95%、好ましくは5〜50%の前記殺生物性モノマー、
(2) 5〜95%、好ましくは10〜75%の前記共重合可能な化合物、
(3) 1〜10%の前記光重合開始剤、および
(4) 0.01〜10%の前記グラフト剤
を含んでなる、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。 - ステップ(2)において、280〜500nmの波長を有する10〜5000mW/cm2、好ましくは100〜1000mW/cm2の強度の紫外線を照射し、好ましくは、赤外線を有効に排除するフィルターおよび360〜500nmの波長を有する照射を用いる、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
- 前記支持体が、天然または合成有機材料、好ましくは、プラスチック系材料、または多糖類などの天然ポリマーをベースとする材料で構成される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
- 前記支持体が、合成または天然の糸または繊維をベースとする繊維織物または不織布の有機材料から選択される、請求項16に記載の方法。
- 前記固体支持体が、有機材料、好ましくはセラミック材料またはガラスで構成される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
- 前記製剤が:
− 好ましくは、有機過酸化化合物またはセリウム塩Ce4+を含んでなる少なくとも1種のグラフト重合開始剤と、
− 少なくとも1種の前記ラジカル光重合開始剤と
を含んでなる、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。 - 前記製剤が:
− 少なくとも1種の前記カチオン光重合開始剤またはラジカル光重合開始剤と、
− 少なくとも1種の前記シラン系カップリング剤と
を含んでなる、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。 - 前記製剤が、少なくとも1種の前記共重合可能な2官能または多官能化合物を含んでなり、得られる前記殺生物性グラフトコポリマーが網状である、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法により得られる、殺生物性を示すポリマーが表面にグラフトされた固体支持体。
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