JPH07228980A - 表面加工方法および表面加工装置 - Google Patents

表面加工方法および表面加工装置

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JPH07228980A
JPH07228980A JP2253194A JP2253194A JPH07228980A JP H07228980 A JPH07228980 A JP H07228980A JP 2253194 A JP2253194 A JP 2253194A JP 2253194 A JP2253194 A JP 2253194A JP H07228980 A JPH07228980 A JP H07228980A
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JP
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surface processing
processing method
heating
modifier
roll
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JP2253194A
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Katsuyuki Hattori
克之 服部
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単に表面の強度あるいは硬度を改良できる
とともに、表面の寸法精度も十分に高くできる表面加工
方法および表面加工装置を提供する。 【構成】 高速回転するワーク55の内部55aに表面
加工装置1を挿入し、電極先端部13aとワーク55と
の間にプラズマ放電させるとワーク55の一部(溶融部
分101)が溶融する。ノズル15からは酸化アルミニ
ウム、銅およびチタンの粉末を浮遊させたアルゴンガス
が噴射され、溶融部分101にはこれらの粉末が付着し
て内部に浸入する。このことによりワーク55の表面に
酸化アルミニウム、銅および金属チタンの粒子が分散し
た複合体層が形成されることになる。この複合体層は直
ちにロール29によりロールがけされ、表面精度は溶融
前と同等またはそれ以上となる。またこの塑性変形によ
り、溶融前の結晶状態よりもきわめて緻密な結晶状態と
なるため、より一層硬度の高いものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種材料の表面加工方法
および表面加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】各種材料の性能、例えば強度、硬度ある
いは耐薬品性等を改善するために、その結晶状態を変え
たり、改質剤を添加する等の処理が普通に行われてい
る。その処理は、材料の製造時に所定の処理を行うこと
により初めて目的の性能が達成される。
【0003】しかし、用途によっては、わざわざ材料の
全体を改質する必要はなく、既に存在する材料の表面の
み改質すれば十分な場合がある。例えば、自動車エンジ
ンのシリンダや金型などである。この方法の一つとし
て、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面をプラ
ズマ放電やレーザによって溶融させ、そこに銅とチタン
カーバイドとの混合粉体を溶かし込むことにより表面に
硬化層を形成する方法が検討されている。
【0004】また、加熱した表面に樹脂を吹き付けて樹
脂コートすることにより、耐薬品性等を改良する方法が
存在する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の方法で
は、一旦表面を溶融させ粉体を混合させた後、冷却して
いるため、表面硬度は確かに向上するが、表面の形状が
溶融混合により凸凹となり非常に粗いものとなってしま
った。これを再度寸法的に精度の高い表面にしようとす
ると切削を行うことになる。しかし、上述した加工によ
り表面の硬度は極めて高いものとなっているので、その
切削自体も時間のかかる非効率なものとならざるを得な
かった。
【0006】後者の方法でも、表面形状が凸凹となり非
常に粗いものとなることには変わりはなかった。また切
削自体も困難な樹脂もあり、樹脂コート全体が剥がれる
恐れもあった。本発明は、簡単に表面の状態を改質でき
るとともに、表面の寸法精度も十分に高くできる表面加
工方法および表面加工装置を提供することを目的として
なされた。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】請求項1記載の
表面加工方法は、被加工材の表面を加熱して溶融すると
ともに、セラミックスと金属とを含む改質剤を付着した
後、直ちに塑性変形加工することにより所望の寸法精度
とすることを特徴とする。
【0008】請求項15記載の表面加工方法は、被加工
材の表面を加熱するとともに、プラスチックスを含む改
質剤を付着した後、直ちに塑性変形加工することにより
所望の寸法精度とすることを特徴とする。上記請求項
1,15において、塑性変形加工としてはロールがけ、
バニシング加工等が挙げられる。これらは加工法あるい
は加工装置として簡便であり、精度も高いので好まし
い。
【0009】また、上記加熱は、プラズマ放電、レーザ
照射、電子ビームあるいはイオンプレーティング等によ
る加熱が挙げられる。これらは加熱法あるいは加熱装置
として、比較的簡便であり、狭い部分を加熱できるので
好ましい。セラミックスと金属とを含む改質剤の内、金
属としては銅、チタン、水銀、金、銀、アルミニウム、
イットリウム、ベリリウム、鉄、ニッケル、ジルコニウ
ム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロ
ム、モリブデン、タングステン等が挙げられる。セラミ
ックスとしては酸化アルミニウム等の酸化物、あるいは
炭化ホウ素、炭化珪素等の炭化物、窒化チタン等の窒化
物が挙げられる。特にチタン、ジルコニウム、ハフニウ
ム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデ
ンあるいはタングステンの各炭化物がとりわけ溶融金属
に濡れがよいので好ましい。改質剤として、セラミック
スと金属とを含むものとするのは、主に、金属がセラミ
ックスを覆い、被加工材に対する濡れが改善され、被加
工材内に浸入し易くなるからである。
【0010】セラミックスと金属との組合せは、銅、酸
化アルミニウムおよびチタンの組合せが一層硬度が向上
するので好ましく、この銅、酸化アルミニウムおよびチ
タンの組合せの改質剤に対しては、被加工材としてアル
ミニウムまたはアルミニウム合金を用いることが好まし
い。
【0011】改質剤の形態としては、粉末状、あるいは
液状等が挙げられる。液状としては、ペースト状、溶液
状等が挙げられる。粉末状の改質剤はセラミックスや金
属をそのまま粉体としたものを用いればよいが、液状の
改質剤は有機溶剤や無機溶剤にセラミックスや金属を分
散あるいは溶解させて用いればよい。
【0012】また被加工材としてはアルミニウムまたは
アルミニウム合金、鉄、炭素鋼、等の各種金属や合金ば
かりでなく、プラスチックスやガラス等も挙げられる。
請求項15記載の表面加工方法は、被加工材の表面を加
熱するとともに、プラスチックスを含む改質剤を付着し
た後、直ちに塑性変形加工することにより所望の寸法精
度とすることを特徴とする。プラスチックスとしては、
フッ素樹脂(商品名テフロン等)、ナイロン、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等が挙げられる。フッ素樹脂は主
に焼付け防止性を与えるため、ナイロン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンは主に耐薬品性を与えるためであ
る。
【0013】請求項16記載の表面加工装置は、被加工
材の表面を加熱する加熱手段と、上記加熱手段の近傍に
設けられ上記加熱手段により加熱された個所に塑性変形
加工を行う塑性変形加工手段と、を備えたことを特徴と
する。
【0014】請求項17記載の表面加工装置は、請求項
16記載の構成に更に、上記加熱手段の近傍に設けられ
上記加熱手段により加熱された個所に、上記塑性変形加
工手段による加工の前に、改質剤を付着する改質剤付着
手段を備えたことを特徴とする。
【0015】請求項16,17において、塑性変形加工
手段としては、ロールあるいはバニシングロール等が挙
げられる。加熱手段としては、プラズマ放電装置、イオ
ンプレーティング装置、レーザ照射装置あるいは電子ビ
ーム照射装置等が挙げられる。改質剤付着手段としては
粉体であれば気体に分散して吹き付ける装置、ペースト
あるいは溶液であればそのまま吹き付ける装置等が挙げ
られる。
【0016】請求項1記載の表面加工方法は、被加工材
の表面を加熱して溶融するとともに、セラミックスと金
属とを含む改質剤を付着している。この付着により、被
加工材の表面に改質剤が混合され、被加工材と改質剤と
の混合層を表面に形成することができる。更に、その直
後に塑性変形加工する。この時まだ混合層は溶融あるい
は半溶融状態にあるため、被加工材の表面は簡単に加工
され、所望の寸法精度とすることができる。その後、混
合層が冷却すれば、十分に強度あるいは硬度が高く、か
つ寸法精度の高い表面が形成されることになる。
【0017】請求項15記載の表面加工方法は、被加工
材の表面を加熱するとともに、プラスチックスを含む改
質剤を付着している。この付着により、被加工材の表面
にプラスチックスコートが形成される。更に、その直後
に塑性変形加工する。この時まだプラスチックスコート
層は溶融あるいは半溶融状態にあるため、被加工材の表
面は簡単に加工され、所望の寸法精度とすることができ
る。その後、プラスチックスコート層が冷却すれば、耐
薬品性等の性能が高く、かつ寸法精度の高い表面が形成
されることになる。
【0018】請求項16記載の表面加工装置は、加熱手
段の近傍に塑性変形加工手段が設けられているため、加
熱手段により加熱された個所に直ちに塑性変形加工を行
うことができる。したがって、表面を高精度に整えるこ
とができ、更に表面が金属の場合は硬度を上げることが
できる。更に、この装置の傍らから加熱または溶融部分
に改質剤を付着すれば、上記表面加工方法を実現するこ
とができる。
【0019】請求項17記載の表面加工装置は、請求項
16記載の表面加工装置の作用と共に、更に改質剤付着
手段を備えているので、被加工材が金属で改質剤がセラ
ミックスと金属とを含む場合は一層表面の硬度を改良で
き、プラスチックスを含む改質剤の場合は、表面を高精
度に整えることができプラスチックスに応じた耐薬品性
等を改良できる。この装置により上記表面加工方法を実
現することができる。
【0020】請求項16,17記載の表面加工装置で
は、塑性変形加工手段としてロールを用いれば、容易に
表面を高精度に整え、更に金属の場合は硬度を上げるこ
とができる。また上記各請求項において、加熱または加
熱手段として、プラズマ放電装置あるいはイオンプレー
ティング装置であれば、導電体の被加工材には電極を向
けるのみで所望の個所を加熱または溶融させることがで
きる。レーザ照射装置あるいは電子ビーム照射装置であ
れば、導電体、非導電体といったことにかかわらず、い
かなる被加工材にもそのレーザ光や電子ビームを向ける
のみで所望の個所を加熱または溶融させることができ
る。
【0021】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面と共に説明す
る。 [実施例1]図2は実施例1の外観を概略的に表し、図
1はその中心軸での部分端面を表す。
【0022】表面加工装置1は、本体フレーム3を中心
として、その先側から基側にかけて、加熱手段および改
質剤付着手段としての電極ノズル部5、塑性変形加工手
段としてのロール部7、および導入部9を備えている。
電極ノズル部5は、図4に示すごとく円盤状をなしてい
る。図3の要部拡大図に示すごとく、その円盤状基板1
1の内部には径方向に電極13が配置されている。電極
13の先端部13aは基板11の周面から外部に突出
し、更にその周囲にはノズル15が配置されている。本
体フレーム3内には混合気体通路17が設けられてい
る。この混合気体通路17は導入部9から炭酸ガスやア
ルゴンガス等の不活性ガスと粉体との混合物をノズル1
5まで導き、ノズル15先端の開口部15aから混合物
を噴出させる。尚、混合気体通路17内には、スペーサ
を兼ねたスタティクミキサ18a,18bが設けられて
いる。このスタティクミキサ18a,18bにより、混
合気体は撹拌され、ガスと粉体に分離せずにノズル15
まで到達できる。
【0023】電極13は円盤状基板11内の混合気体通
路17の中心にスペーサ19により支持されている。後
端部13bはスペーサ21に当接している。この電極1
3の先端部13aの突出量は、スペーサ21を介してボ
ルト23の螺入量により調節される。また、電極13の
側面には閉塞板25が当接し、更にその反対側からワイ
ヤ導入管27が当接することにより、電極13は円盤状
基板11の内部に固定される。尚、閉塞板25は、ワイ
ヤ導入管27の反対側から円盤状基板11に螺合され固
定されている。
【0024】ロール部7は、ロール29、ロールフレー
ム31、調整用ハウジング33および調整用ロックナッ
ト35を備えている。ロール29は4つ設けられ、それ
ぞれロールフレーム31に1/4周毎に回転自在に取り
付けられている。尚、ロール29のワーク(被加工材)
と当接する部分は、図5に示すごとく、本体フレーム3
の軸方向(進行方向)Sに対して、内側に約1.5゜傾
斜している。これは、ロール29に対してワークから急
激に負荷が加わらないようにして、ロール29を保護し
たり、ワークに対する加工精度を上げたりするためであ
る。
【0025】ロールフレーム31は筒状をなし、調整用
ハウジング33および調整用ロックナット35により軸
方向の移動を規制され、本体フレーム3の所定の位置に
配置されている。本体フレーム3の断差部3aに接する
リング状スペーサ3bとロールフレーム31の断差部3
1aとの間に配置された圧縮ばね37により、ロールフ
レーム31は常に調整用ハウジング33側に付勢されて
いる。調整用ロックナット35は本体フレーム3に対す
る螺合位置を調整することにより、調整用ハウジング3
3を介してロールフレーム31の位置を調整可能として
いる。
【0026】尚、ロールフレーム31と調整用ハウジン
グ33との間にベアリング33aを配置して、ロールフ
レーム31を調整用ハウジング33側に付勢された状態
でも調整用ハウジング33に対して回転可能としてもよ
い。このようにして、加工作業時にはロールフレーム3
1を図示しないモータにより自動的に回転させると、そ
の先端に設けられたロール29は、本体フレーム3の先
端に設けられた本体マンドレル39の周囲を回転するこ
とになる。ただし実施例1では導入部本体9a以外は一
体となって回転する。
【0027】導入部9は本体フレーム3内に設けられた
混合気体通路17、冷媒通路41およびワイヤ導入管2
7内の導線43にそれぞれ混合気体、冷媒および高電圧
を供給する部分であり、外部の図示しない混合気体供給
装置、冷媒供給装置および高電圧電源45に接続されて
いる。尚、冷媒としてはここでは水を用いている。
【0028】上記構成の表面加工装置1は、図6のごと
くNC装置またはMC(マシニングセンタ)のテーブル
51上にテールストック53に支持されて配置される。
ワーク55はチャック装置57により回転自在に支持さ
れ、モータ59の回転により高速回転する。コントロー
ラ61はテールストック53のX方向およびZ方向の移
動、テールストック53内のモータの回転およびモータ
59の回転を制御すると共に、混合気体通路17、冷媒
通路41および導線43への混合気体および冷媒の流量
や電源のオン/オフをコントロールしている。ワーク5
5はアルミニウムまたはアルミニウム合金から構成され
ている。前述したごとく、表面加工装置1は、導入部本
体9aがテールストック53に把持されて、導入部本体
9a以外がすべてテールストック53内のモータにより
回転される。勿論、前述したごとくロールフレーム31
のみが回転する構成としてもよい。
【0029】例えば、次のようにコントロールされる。
シリンダ状のワーク55がチャック装置57に支持され
ているものとする。まず図7に示すごとく、ワーク55
を高速回転させ、その内部55aに表面加工装置1を挿
入して行く。その際、高電圧電源45から電極13に通
電される。このことにより、電極先端部13aと接地側
であるワーク55との間にプラズマ放電が生じ、電極先
端部13a周辺のワーク55の一部(溶融部分101)
が溶融する。ノズル15へは、コントローラ61により
アルゴンガス(あるいは炭酸ガス)中に酸化アルミニウ
ム、銅およびチタンの粉末を浮遊させた状態、即ち気体
と粉末との混合状態にしたものが送出されている。した
がって、ワーク55の溶融部分101には酸化アルミニ
ウム、銅およびチタンの混合粉末が付着して内部に浸入
する。このことにより、ワーク55の表面に、アルミニ
ウム合金中に酸化アルミニウム、銅およびチタンの粒子
が分散した複合体層102が形成されることになる。
【0030】この複合体層102は直ちにロール29に
よりロールがけあるいはバニシング加工される。この複
合体層102が形成された当初は溶融された状態で粉体
が付着されているので表面精度はきわめて粗くなってい
るが、ロールがけあるいはバニシング加工されることに
より、表面精度は溶融前と同等またはそれ以上となる。
更に、冷却後の上記複合体層102はきわめて硬度が高
いものであることから、当然にワーク55の表面硬度は
上昇している。更に塑性変形により、溶融前の結晶状態
よりもきわめて緻密な結晶状態となっているため、複合
体層102は、より一層硬度の高いものとなっている。
尚、ロール29の表面には冷媒通路41より冷媒、この
場合は水が導入されるので、溶融したワーク55の一部
がロール29に付着することが防止できる。
【0031】このようにアルミニウム合金の溶融部分1
01に酸化アルミニウム、銅およびチタンの粒子を分散
させて複合体層102を形成した後、直ちに、ロールが
けしているため寸法精度がきわめて高いものとなると共
に、単に複合体を構成したのに留まらない高硬度の表面
加工を実現することができる。
【0032】ここでロールフレーム31のみ回転可能と
し、本体マンドレル39の断面形状を多角形状とすれ
ば、ロール29は本体マンドレル39の周囲を回転しつ
つ、本体マンドレル表面39aに角部で押されることに
より、ワーク55の方向にも周期的に変位させることが
できる。このことにより、ピーニング効果を生じさせ、
一層の硬度向上をさせることができる。
【0033】上記実施例ではワーク55が導電体であっ
たため、プラズマ放電により加熱・溶融させたが、この
他、もっと導電性が低い物質あるいは非導電体でも部分
的溶融が可能な方法として、レーザ照射や電子ビーム照
射により加熱・溶融させる方法がある。装置としては、
レーザの場合は、本体フレーム3や円盤状基板11内に
レーザ発振装置を設けたり、表面加工装置1の外部にレ
ーザ発振装置を設けて、ノズル15まで導けばよい。電
子ビームについても同様である。 [実施例2]図8に実施例2としてNC装置またはMC
に取り付けられる表面加工装置のレーザ照射装置の例を
示す。図9はその先端部分のみの左側面図である。本レ
ーザ照射装置71は外部に設けられた図示しないCO2
レーザ出力装置からのレーザ光をワーク55の加工部位
まで導くとともに、その加工部位に同時にセラミックス
と金属との粉体を吹き付けるものである。
【0034】レーザ照射装置71の本体73は略Z字状
をなし、レーザ光の経路に、導入管73aと、レーザ保
護チューブ73bと、加熱手段および改質剤付着手段と
してのビームベンダ部73cとを有する。レーザ光は、
導入管73aから導入され、レーザ保護チューブ73b
を介して、ビームベンダ部73cまで導かれ、集光レン
ズ73dを通り、更にビームベンダ部73cのノズル7
3eを貫通してワーク55に照射している。また本体7
3には前述した混合気体のための導入路75がノズル7
3eに合流するように設けられ、外部から供給される混
合気体をノズル73eからワーク55に向けて噴射して
る。尚、導入路75の途中には噴射力を高めるためのオ
リフィス75aが設けられている。
【0035】このレーザ照射装置71に、図1に示した
ロール部7を組み合わせることにより、レーザ光で図7
のようにワーク55の所望の位置を溶融し、そこに上記
粉体を吹き付けることができる。この場合はワーク55
がプラスチックスやガラスのような非導電体でも処理す
ることが可能となる。 [実施例3]図10にイオンプレーティング処理により
ワーク55を溶融し、粉体を吹き付ける表面加工装置の
実施例3を示す。
【0036】本実施例の表面加工装置201は、本体フ
レーム203を中心として、その先側から基側にかけ
て、加熱手段および改質剤付着手段としてのイオン噴射
部205、塑性変形加工手段としてのロール部207お
よび導入部209を備えている。
【0037】イオン噴射部205は、鍔付円筒状をなし
ている。図11の要部拡大図に示すごとく、イオン噴射
部本体205dの内部には混合気体流路205aおよび
イオン流路205bが設けられ、イオン流路205b内
には電極205cが設けられている。また本体フレーム
203内にはガイド管211が設けられ、このガイド管
211内を挿通している導線213が電極205cに電
気的に接続されている。導線213は外部の図示しない
イオンプレーティング用高圧電源に接続されている。ま
た混合気体流路205aとイオン流路205bとは先端
方向の合流点P1で合流し、後述するロール部207の
先端の周面に1/4周毎に設けられた4つの噴射ノズル
215に連続することにより、混合気体とイオン流とが
一緒になって、噴射ノズル215から外部に噴射され
る。
【0038】ロール部207は、噴射ノズル215、ロ
ール229、ロールフレーム231、調整用ハウジング
233および調整用ロックナット235を備えている。
噴射ノズル215およびロール229は各4つ設けられ
ている。ロール229は、1/4周毎に設けられた4つ
の噴射ノズル215の間に1/4周毎に回転自在に取り
付けられている。尚、ロール229のワーク55と当接
する部分は、本体フレーム203の軸に対して、内側に
約1.5゜傾斜している。この理由は実施例1で述べた
通りである。
【0039】ロールフレーム231は筒状をなし、調整
用ハウジング233および調整用ロックナット235に
より軸方向の移動を規制され、本体フレーム203の所
定の位置に配置されている。本体フレーム203の断差
部203aとロールフレーム231の断差部231aと
の間に配置された圧縮ばね237により、ロールフレー
ム231は常に調整用ハウジング233側に付勢されて
いる。調整用ロックナット235は本体フレーム203
に対する螺合位置を調整することにより、調整用ハウジ
ング233を介してロールフレーム231の位置を調整
可能としている。
【0040】導入部209は本体フレーム203内に設
けられた混合気体通路217に混合気体を供給し、ガイ
ド管211に導線213およびイオンプレーティングに
必要なアルゴンガスを供給している部分であり、外部の
図示しない混合気体供給装置およびイオンプレーティン
グ装置に接続されている。また、ロールフレーム231
にはロール229を冷却するための冷媒が冷媒流路23
1bから供給されている。勿論、図1のように導入部2
09から本体フレーム203を介して冷媒を供給しても
よい。
【0041】上記構成の表面加工装置201は、実施例
1と同様にNC装置またはMCに配置されて加工に使用
される。加工に際しては、導入部209以外の部分が回
転するとともに、イオンプレーティング装置からの高電
圧が電極205cに印加され、アルゴンガスがガイド管
211内に送り出される。電極205cではイオン噴射
部本体205dとの間で放電がなされることにより、ア
ルゴンガスが高温のイオン状態となり、それが噴出点J
1から合流点P1に向けて噴出する。合流点P1では混合
気体通路217を流れてきた粉体に接触して高温のイオ
ンを含む混合気体となって噴射ノズル215から外部に
噴出する。このことにより、噴射ノズル215に対向し
ているワーク55の一部が溶融する。ワーク55の溶融
部分101には混合気体中の酸化アルミニウム、銅およ
びチタンの混合粉末が付着して内部に浸入する。
【0042】このことにより、ワーク55の表面に、ア
ルミニウムまたはアルミニウム合金中に酸化アルミニウ
ム、銅およびチタンの粒子が分散した複合体層102が
形成されることになる。この複合体層102は直ちにロ
ール229によりロールがけまたはバニシング加工され
る。以後の作用効果は実施例1と同様である。
【0043】上記各実施例では、ワーク55がアルミニ
ウムまたはアルミニウム合金の場合には、混合される粉
体としては上述した酸化アルミニウム、銅およびチタン
の組合せが好ましい。各実施例で改質剤としては、酸化
アルミニウム、銅およびチタンの組合せを用いたが、単
にプラスチックスでコートするのであれば、フッ素樹脂
(商品名テフロン等)、ナイロン、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等が用いられ、ワーク55は少なくとも溶融
する以前の状態までに加熱されればよい。勿論、溶融状
態まで加熱してもよい。
【0044】ワーク55は金属の例を示したが、プラス
チックス、ガラス、セラミックスでもよい。
【0045】
【発明の効果】請求項1記載の表面加工方法は、被加工
材と改質剤との混合層が表面に形成された直後、混合層
がまだ溶融あるいは半溶融状態にある時に、塑性変形加
工されるので、被加工材の表面は簡単に加工され、所望
の寸法精度とすることができる。冷却後には、被加工材
に、高強度あるいは高硬度で、かつ寸法精度の高い表面
が形成される。
【0046】請求項15記載の表面加工方法は、被加工
材の表面にプラスチックスコートが形成され、その直後
に塑性変形加工する。この時まだプラスチックスコート
層は溶融あるいは半溶融状態にあるため、被加工材の表
面は簡単に加工され、所望の寸法精度とすることができ
る。その後、プラスチックスコート層が冷却すれば、耐
薬品性等の性能が高く、かつ寸法精度の高い表面が形成
されることになる。
【0047】請求項1または15において、特に、塑性
変形加工としてはロールがけまたはバニシング加工を用
いれば、簡便であり精度も高い。また、加熱も、プラズ
マ放電、レーザ照射、電子ビームあるいはイオンプレー
ティングによれば、比較的簡便であり、比較的狭い所望
部分のみ加熱することも可能である。
【0048】請求項1において、改質剤としては、特
に、被加工材がアルミニウムあるいはアルミニウム合金
の場合に、酸化アルミニウム、銅およびチタンの組合せ
が一層高硬度となる。請求項16記載の表面加工装置
は、加熱手段の近傍に塑性変形加工手段が設けられてい
るため、加熱手段により加熱された個所に直ちに塑性変
形加工を行うことができる。したがって、表面を高精度
に整えることができ、更に表面が金属の場合は硬度を上
げることができる。更に、この装置の傍らから加熱また
は溶融部分に改質剤を付着させれば、上記表面加工方法
を実現することができる。 請求項17記載の表面加工
装置は、請求項16記載の表面加工装置の作用と共に、
更に改質剤付着手段を備えているので、被加工材が金属
で改質剤がセラミックスと金属とを含む場合は一層表面
の硬度を改良でき、プラスチックスを含む改質剤の場合
は、表面を高精度に整えることができプラスチックスに
応じた耐薬品性等を改良できる。この装置により上記表
面加工方法を実現することができる。
【0049】請求項16,17記載の表面加工装置で
は、塑性変形加工手段としてロールまたバニシングロー
ルを用いれば、容易に表面を高精度に整え、更に金属の
場合は硬度を上げることができる。また加熱手段とし
て、プラズマ放電装置あるいはイオンプレーティング装
置であれば、導電体の被加工材には電極を向けるのみで
所望の個所を加熱または溶融させることができる。レー
ザ照射装置あるいは電子ビーム照射装置であれば、導電
体、非導電体といったことにかかわらず、いかなる被加
工材にもそのレーザ光や電子ビームを向けるのみで所望
の個所を加熱または溶融させることができる。この装置
により上記表面加工方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の表面加工装置の断面図である。
【図2】 その外観概略説明図である。
【図3】 図1の要部拡大図である。
【図4】 電極ノズル部周辺の説明図である。
【図5】 ロール周辺の説明図である。
【図6】 実施例1の表面加工装置を備えたNC装置ま
たはMCの説明図である。
【図7】 実施例1の表面加工装置による加工時の要部
説明図である。
【図8】 実施例2のレーザ照射装置の端面図である。
【図9】 その先端部分のみの左側面図である。
【図10】 実施例3の表面加工装置の断面図である。
【図11】 図10の要部拡大図である。
【図12】 その先端部分のみの左側面図である。
【符号の説明】
1…表面加工装置 5…電極ノズル部 7…
ロール部 9…導入部 13…電極 15…
ノズル 17…混合気体通路 29…ロール 31
…ロールフレーム 39…本体マンドレル 41…冷媒通路 43
…導線 45…高電圧電源 71…レーザ照射装置 73
c…ビームベンダ部 73e…ノズル 101…溶融部分 201
…表面加工装置 205…イオン噴射部 205a…混合気体流路 205b…イオン流路 205c…電極 20
7…ロール部 215…噴射ノズル 217…混合気体通路 22
9…ロール 231…ロールフレーム 239…本体マンドレル

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工材の表面を加熱して溶融するとと
    もに、セラミックスと金属とを含む改質剤を付着した
    後、直ちに塑性変形加工することにより所望の寸法精度
    とすることを特徴とする表面加工方法。
  2. 【請求項2】 上記塑性変形加工がロールがけである請
    求項1記載の表面加工方法。
  3. 【請求項3】 上記塑性変形加工がバニシング加工であ
    る請求項1記載の表面加工方法。
  4. 【請求項4】 上記加熱が、プラズマ放電による加熱で
    ある請求項1〜3のいずれか記載の表面加工方法。
  5. 【請求項5】 上記加熱が、レーザ照射による加熱であ
    る請求項1〜3のいずれか記載の表面加工方法。
  6. 【請求項6】 上記加熱が、イオンプレーティングによ
    る加熱である請求項1〜3のいずれか記載の表面加工方
    法。
  7. 【請求項7】 上記セラミックスが金属酸化物である請
    求項1〜6のいずれか記載の表面加工方法。
  8. 【請求項8】 上記金属酸化物が酸化アルミニウムであ
    る請求項7記載の表面加工方法。
  9. 【請求項9】 上記セラミックスがチタンカーバイトで
    ある請求項1〜6のいずれか記載の表面加工方法。
  10. 【請求項10】 上記金属が銅である請求項1〜9のい
    ずれか記載の表面加工方法。
  11. 【請求項11】 上記金属がチタンである請求項1〜9
    のいずれか記載の表面加工方法。
  12. 【請求項12】 上記改質剤が酸化アルミニウム、チタ
    ンおよび銅を含む請求項1〜6のいずれか記載の表面加
    工方法。
  13. 【請求項13】 上記被加工材がアルミニウムまたはア
    ルミニウム合金である請求項1〜12のいずれか記載の
    表面加工方法。
  14. 【請求項14】 上記被加工材がプラスチックスである
    請求項1〜12のいずれか記載の表面加工方法。
  15. 【請求項15】 被加工材の表面を加熱するとともに、
    プラスチックスを含む改質剤を付着した後、直ちに塑性
    変形加工することにより所望の寸法精度とすることを特
    徴とする表面加工方法。
  16. 【請求項16】 被加工材の表面を加熱する加熱手段
    と、 上記加熱手段の近傍に設けられ上記加熱手段により加熱
    された個所に塑性変形加工を行う塑性変形加工手段と、 を備えたことを特徴とする表面加工装置。
  17. 【請求項17】 更に、上記加熱手段の近傍に設けられ
    上記加熱手段により加熱された個所に、上記塑性変形加
    工手段による加工の前に、改質剤を付着する改質剤付着
    手段を備えたことを特徴とする請求項16記載の表面加
    工装置。
  18. 【請求項18】 上記塑性変形加工手段がロールである
    請求項16または17記載の表面加工装置。
  19. 【請求項19】 上記加熱手段が、プラズマ放電装置で
    ある請求項16〜18のいずれか記載の表面加工装置。
  20. 【請求項20】 上記加熱手段が、レーザ照射装置であ
    る請求項16〜18のいずれか記載の表面加工装置。
  21. 【請求項21】 上記加熱手段が、イオンプレーティン
    グ装置である請求項16〜18のいずれか記載の表面加
    工装置。
  22. 【請求項22】 上記改質剤が、粉末状である請求項1
    〜15のいずれか記載の表面加工方法。
  23. 【請求項23】 上記改質剤が、液状である請求項1〜
    15のいずれか記載の表面加工方法。
  24. 【請求項24】 上記改質剤付着手段が、粉末状の改質
    剤を気体に分散させて上記加熱手段により加熱された個
    所に吹き付けて付着させる手段である請求項17〜21
    のいずれか記載の表面加工装置。
  25. 【請求項25】 上記改質剤付着手段が、液状の改質剤
    を、上記加熱手段により加熱された個所に吹き付けて付
    着させる手段である請求項17〜21のいずれか記載の
    表面加工装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013234382A (ja) * 2012-05-10 2013-11-21 Korea Atomic Energy Research Inst レーザーを用いた金属素材の酸化物分散強化方法

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