JPH07228750A - 高ニトリル含有樹脂組成物 - Google Patents

高ニトリル含有樹脂組成物

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JPH07228750A
JPH07228750A JP3925994A JP3925994A JPH07228750A JP H07228750 A JPH07228750 A JP H07228750A JP 3925994 A JP3925994 A JP 3925994A JP 3925994 A JP3925994 A JP 3925994A JP H07228750 A JPH07228750 A JP H07228750A
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vinyl
weight
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graft
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JP3925994A
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Yasuhiko Takami
康彦 高見
Eiji Ueda
英二 上田
Hideo Kasahara
秀夫 笠原
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 剛性、耐衝撃性、耐薬品性、熱安定性、耐光
性、耐熱性のバランスに優れた樹脂組成物を提供する。 【構成】 (A)シアン化ビニル化合物及び芳香族ビニ
ル化合物がゴム質重合体にグラフトしたグラフト共重合
体であり、ゴム質重合体が30〜95重量%、シアン化
ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物の合計が5〜70
重量%であって、かつシアン化ビニル化合物/(シアン
化ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物)の重量の割合
が0.30〜0.95であるグラフト共重合体5〜50
重量部と、(B)メタクリロニトリル40〜95重量%
と、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メ
タ)アクリル酸エステル化合物の中から選ばれるビニル
化合物1種以上5〜60重量%とが共重合したビニル共
重合体50〜95重量部、よりなる(A)+(B)が1
00重量部となる樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は剛性、耐衝撃性、耐薬品
性、耐光性、熱安定性、耐熱性のバランスに優れた高ニ
トリル含有樹脂組成物に関し、熱安定性が優れているこ
とから、リサイクルを考えた場合においても好適な高ニ
トリル含有樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ABS樹脂に代表されるゴム補強樹脂は
耐衝撃性、引張強度等の機械的物性に優れ、かつ成形加
工が容易であることから自動車部品、家電製品、机や椅
子等の家具、雑貨等に広く賞用されている。近年にな
り、ABS樹脂には、その用途に応じた耐薬品性、耐光
性等の機能が要求されるようになってきた。例えば、家
具等においては家庭用洗剤や化粧品、整髪料に代表され
る薬品に対しての耐薬品性が要求されており、蛍光灯、
日光等による変色は商品の価値を下げることになる。当
然ながら、これらの機能を付与することで樹脂の剛性、
耐衝撃性、耐熱性等を下げることは本意ではない。
【0003】ABS樹脂において、耐薬品性を高めるた
めの方法としては、アクリロニトリル含有量を高める事
がよく知られている。また、アクリロニトリル含有量を
高めることは剛性、耐衝撃性、耐光性を向上させること
にもなる。特開平2−284906号公報に見られるよ
うに、アクリロニトリル含有量を高めることで、耐薬品
性等を改良した樹脂が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらアクリロ
ニトリル含有量を高めると熱安定性が非常に悪くなり、
押出しや成形時に熱による樹脂の焼けやゲル化を生じて
しまう。同時に熱安定性が悪いことはリサイクル性が悪
いことにつながり、今後、樹脂のリサイクル化が活発に
なっていく中、これらの問題を克服したバランスに優れ
る樹脂の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらの問
題を克服するため鋭意研究した結果、メタクリロニトリ
ルを共重合した樹脂組成物が上記の問題を解決する樹脂
であることを突き止め、本発明に至った。すなわち、
(A)シアン化ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物が
ゴム質重合体にグラフトしたグラフト共重合体であっ
て、ゴム質重合体が30〜95重量%、シアン化ビニル
化合物及び芳香族ビニル化合物の合計が5〜70重量%
であり、かつシアン化ビニル化合物/(シアン化ビニル
化合物及び芳香族ビニル化合物)の重量の割合が0.3
0〜0.95であるグラフト共重合体5〜50重量部、
(B)メタクリロニトリル40〜95重量%と、芳香族
ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリ
ル酸エステル化合物の中から選ばれるビニル化合物1種
以上5〜60重量%とが共重合したビニル共重合体50
〜95重量部、よりなり、(A)+(B)が100重量
部である樹脂組成物、が上記の問題を解決する樹脂であ
る。
【0006】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
で用いられるゴム質重合体はガラス転移点が0℃以下、
好ましくは−20℃以下のものがよく、具体的にはポリ
ブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合ゴム等のジエン系ゴム、
ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリア
クリル酸ブチル等のアクリル系ゴム、ポリイソプレン、
ポリクロロプレン、エチレン−プロピレンゴム、エチレ
ン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム、スチレン−
ブタジエンブロック共重合ゴム、スチレン−イソプレン
共重合ゴム等のブロック共重合体及びそれらの水素添加
物等を使用することができる。好ましくはポリブタジエ
ン、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリ
ル−ブタジエン共重合ゴムが挙げられる。
【0007】グラフト共重合体(A)におけるゴム質重
合体の割合は、30〜95重量%の範囲であるが、耐衝
撃性と加工性のバランスの点で好ましい範囲は40〜8
0重量%の範囲であり、更に好ましくは50〜70重量
%の範囲である。グラフト共重合体(A)におけるシア
ン化ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物の合計は5〜
70重量%であることが必要である。5重量%より少な
い場合、マトリックスとの相溶性が低下するためゴム質
重合体が凝集し、樹脂の表面光沢が悪くなるとともに熱
安定性が悪くなる。70重量%より高い場合、樹脂の耐
衝撃性が低下する。グラフト成分の好ましい範囲は30
〜60重量%、更に好ましくは35〜50重量%の範囲
である。
【0008】グラフト共重合体(A)中のシアン化ビニ
ル化合物/(シアン化ビニル化合物及び芳香族ビニル化
合物)の重量の割合は0.30〜0.95であることが
必要である。この割合が0.30未満の場合には、十分
な耐薬品性が得られず、また、0.95を越える場合に
は、シアン化ビニル化合物同士の環化反応、架橋反応が
高温加工時に進行してしまう。好ましい範囲は0.35
〜0.90、更に好ましくは0.35〜0.80の範囲
である。
【0009】グラフト共重合体(A)中のゴム質重合体
とグラフト成分の割合は、重合よって生成した重合体を
アセトンに溶解させ、不溶分を遠心分離機によって分
離、除去することによって測定することができる。アセ
トンに溶解する成分は重合反応した共重合体のうちグラ
フト反応しなかった成分(非グラフト重合体)であり、
アセトン不溶分からゴム質重合体の量を差し引いた値が
グラフト成分の値として定義される。
【0010】グラフト共重合体(A)に用いられるシア
ン化ビニル化合物はメタクリロニトリル、アクリロニト
リル、α−クロロアクリロニトリル等が挙げられる。こ
れらは、1種、または2種以上の混合物であっても良
い。特に好ましくはアクリロニトリル、メタクリロニト
リル、及びアクリロニトリルとメタクリロニトリルの混
合物である。グラフト共重合体(A)及びビニル共重合
体(B)に用いられる芳香族ビニル化合物としては、ス
チレン、α−メチルスチレン等のα−アルキルスチレ
ン、p−メチルスチレン等の核置換アルキルスチレン、
ハロゲン化スチレン、ビニル置換ナフタリン等がある。
これらは、1種または2種以上の混合物でもよい。好ま
しくはスチレン、α−メチルスチレン、及びスチレンと
α−メチルスチレンの混合物である。
【0011】また、グラフト共重合体(A)中には本発
明の目的を阻害しない範囲でアクリロニトリルやメタク
リロニトリル等のシアン化ビニル化合物、スチレン、α
−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物と共重合しう
るモノマーを入れてもよい。このモノマーとしては、例
えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、ブチルメタクリレート等が挙げられる。ビニ
ル共重合体(B)で用いられる(メタ)アクリル酸エス
テル化合物としてはメチルアクリレート、エチルアクリ
レート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等が挙げ
られる。好ましくはブチルアクリレート、メチルアクリ
レートである。
【0012】ビニル共重合体(B)中のメタクリロニト
リルの割合は40〜95重量%の範囲であることが必要
である。40重量%未満の場合には十分な耐薬品性が得
られない。また、95重量%を越える場合、シアン化ビ
ニル同士の環化反応のため着色が著しく、また、高温で
の加工時には解重合をひき起こし、分解ガスが発生す
る。より好ましくは50〜90重量%の範囲である。ビ
ニル共重合体(B)として特に好ましいのはメタクリロ
ニトリル−スチレン共重合体、メタクリロニトリル−ア
クリロニトリル−スチレン共重合体である。
【0013】ビニル共重合体(B)の中には、グラフト
共重合体(A)を製造する際に生成した非グラフト成分
が含まれていてもよい。ただし、このグラフト共重合体
(A)に由来する非グラフト成分の組成及び含有量は、
これがビニル共重合体(B)に含有された場合でも、全
体としてビニル共重合体(B)のメタクリロニトリルが
全モノマーの40〜95重量%の範囲内になることが必
要である。ビニル共重合体(B)の好ましい分子量は、
メチルエチルケトンを溶媒として用い、0.5重量%の
ポリマー濃度で30℃における溶液の還元粘度が0.2
5〜0.8の範囲にあるものである。0.25より低い
と樹脂組成物は非常に脆くなり、0.8より高いと樹脂
の流動性、成形加工性が著しく悪くなる。なお、還元粘
度の測定はキャノンフェンスケ型粘度管で測定したメチ
ルエチルケトン溶媒の落下時間と樹脂溶液の落下時間を
次の式に代入して求めた。
【0014】
【式1】
【0015】グラフト共重合体(A)とビニル共重合体
(B)の混合比率(重量比)は(A)/(B)=5/9
5〜50/50の範囲であることが必要である。(A)
が5重量部以下の時は耐衝撃性に劣り、50重量部より
高い場合は、剛性が著しく低くなる。本発明におけるグ
ラフト共重合体(A)はゴム質重合体の存在下でシアン
化ビニル化合物、芳香族ビニル化合物を、水、乳化剤、
開始剤、連鎖移動剤、pH調整剤等を用いた公知の乳化
重合法によってグラフト重合させた後、得られたラテッ
クスを公知の方法によって塩析、脱水、乾燥することに
よって得られる。
【0016】本発明におけるビニル共重合体(B)の製
造方法は特に限定されないが、従来公知の塊状重合、乳
化重合、溶液重合、懸濁重合等によって製造することが
できる。本発明において、グラフト共重合体とビニル共
重合体を同時に一段で重合しても何ら差し支えはない。
つまり、グラフト共重合体(A)を重合する際、非グラ
フト重合体が発明の範囲内のビニル共重合体であれば、
この樹脂は本発明の樹脂組成物と見なすことができる。
【0017】グラフト共重合体(A)とビニル共重合体
(B)を混合する方法は特に限定されない。通常の方
法、例えば、押出機、ニーダー、ロールミキサー、バン
バリーミキサー等の装置を用いた混練により得ることが
できる。この際、必要に応じて、本発明の目的とする特
徴を阻害しない範囲で、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外
線吸収剤、難燃剤、顔料、染料、滑剤、漂白剤等の添加
剤や、ガラス繊維、炭素繊維、充填剤等の補強剤を添加
することができる。
【0018】
【実施例】以下の実施例及び比較例は、本発明を更に具
体的に説明するためのものであり、本発明は以下の例に
により何ら限定されるものではない。なお、以下で
「部」というのは「重量部」を意味するものとする。 (グラフト共重合体の製造方法)ポリブタジエンゴムラ
テックス(重量平均粒子径0.3μm)40部に、脱イ
オン水100部、ロジン酸カリウム1.5部を加え、気
相部を窒素で置換した後、70℃に昇温した。続いて、
アクリロニトリル24部、スチレン36部、キュメンハ
イドロパーオキサイド0.1部、ターシャリードデシル
メルプタン0.5部よりなる単量体混合液と、脱イオン
水50部にナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレー
ト0.1部、硫酸第一鉄0.005部、エチレンジアミ
ンテトラ酢酸2ナトリウム塩0.03部を溶解してなる
水溶液を7時間にわたり添加し、70℃の重合温度で反
応を完結させ、グラフト共重合体(A−1)ラテックス
を得た。
【0019】グラフト共重合体(A−1)ラテックスを
凍結塩析し、濾過して得られた白色ポリマーを乾燥した
もののアセトン不溶分は62重量%、アセトン可溶分は
38重量%であった。このアセトン不溶分の組成を赤外
分光光度計により測定したところ、ゴム質重合体の含有
量は65重量%、グラフト成分の含有量は35重量%と
なった。また、アセトン可溶分のアクリロニトリル含有
量は赤外分光光度計により、39%であった。単量体混
合液をメタクリロニトリル36部、スチレン24部、タ
ーシャリードデシルメルプタン0.2部にした以外はグ
ラフト共重合体(A−1)と同様の重合方法をとり、グ
ラフト共重合体(A−2)を得た。赤外分光光度計によ
り求めたアセトン不溶分のゴム質重合体、グラフト成分
の含有量はそれぞれ61、39重量%であり、アセトン
可溶分のメタクリロニトリル含有量は60%であった。
【0020】(ビニル共重合体の製造法)脱イオン水1
00部にロジン酸カリウム1.0部を加え、気相部を窒
素で置換した後、70℃に昇温した。続いて、メタクリ
ロニトリル60部、スチレン40部、ターシャリードデ
シルメルプタン0.25部、キュメンハイドロパーオキ
サイド0.15部よりなる単量体混合液と、脱イオン水
50部にナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート
0.15部、硫酸第一鉄0.0075部、エチレンジア
ミンテトラ酢酸2ナトリウム塩0.045部を溶解して
なる水溶液を8時間にわたり添加し、70℃の重合温度
で反応を完結させ、ビニル共重合体(B−1)ラテック
スを得た。得られたビニル共重合体(B−1)ラテック
スを凍結塩析、濾過、乾燥した樹脂の還元粘度は0.4
5であった.赤外分光光度計で測定したメタクリロニト
リル含有量は59%であった。
【0021】単量体混合液をメタクリロニトリル80
部、スチレン20部、キュメンハイドロパーオキサイド
0.3部にし、水溶液をナトリウムホルムアルデヒドス
ルホキシレート0.3部、硫酸第一鉄0.015部、エ
チレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩0.09部に
した以外はビニル共重合体(B−1)と同様の重合方法
をとり、ビニル共重合体(B−2)を得た。赤外分光光
度計により求めたメタクリロニトリル含有量は77%、
還元粘度は0.40であった。
【0022】単量体混合液をメタクリロニトリル70
部、スチレン25部、ブチルアクリレート5部、キュメ
ンハイドロパーオキサイド0.2部、ターシャリードデ
シルメルプタン0.15部にし、水溶液をナトリウムホ
ルムアルデヒドスルホキシレート0.2部、硫酸第一鉄
0.01部、エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム
塩0.06部とした以外はビニル共重合体(B−1)と
同様の重合方法をとり、ビニル共重合体(B−3)を得
た。赤外分光光度計により求めたメタクリロニトリル含
有量は67%、還元粘度は0.52であった。
【0023】単量体混合液をアクリロニトリル30部、
スチレン70部、キュメンハイドロパーオキサイド0.
1部、ターシャリードデシルメルプタン1.5部にし、
水溶液をナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート
0.1部、硫酸第一鉄0.005部、エチレンジアミン
テトラ酢酸2ナトリウム塩0.03部にした以外はビニ
ル共重合体(B−1)と同様の重合方法をとり、ビニル
共重合体(B−4)を得た。赤外分光光度計により求め
たアクリロニトリル含有量は28%、還元粘度は0.4
2であった。
【0024】単量体混合液をアクリロニトリル40部、
スチレン60部、キュメンハイドロパーオキサイド0.
1部、ターシャリードデシルメルプタン1.2部にし、
水溶液をナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート
0.1部、硫酸第一鉄0.005部、エチレンジアミン
テトラ酢酸2ナトリウム塩0.03部にした以外はビニ
ル共重合体(B−1)と同様の重合方法をとり、ビニル
共重合体(B−5)を得た。赤外分光光度計により求め
たアクリロニトリル含有量は38%、還元粘度は0.4
0であった。
【0025】単量体混合液をアクリロニトリル60部、
スチレン40部、ターシャリードデシルメルプタン1.
2部にした以外はビニル共重合体(B−1)と同様の重
合方法をとり、ビニル共重合体(B−6)を得た。赤外
分光光度計により求めたアクリロニトリル含有量は55
%、還元粘度は0.38であった。
【0026】グラフト共重合体(A−1、2)ラテック
スとビニル共重合体(B−1〜6)を表1の樹脂組成に
なるようにラテックスブレンドを行い、酸化防止剤1部
を添加後60℃に加熱し、硫酸アルミニウム1部を撹拌
しながら加え、ラテックスを凝固させた。凝固物を水
洗、乾燥し、白色フレーク状の樹脂組成物を得た。
【0027】ポリブタジエンゴムラテックス(重量平均
粒子径0.3μm)18部に、脱イオン水100部、ロ
ジン酸カリウム1.2部を加え、気相部を窒素置換した
後、70℃に昇温した。続いて、メタクリロニトリル5
7部、スチレン25部、キュメンハイドロパーオキサイ
ド0.3部、ターシャリードデシルメルプタン0.3部
よりなる単量体混合液と、脱イオン水50部にナトリウ
ムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部、硫酸第
一鉄0.015部、エチレンジアミンテトラ酢酸2ナト
リウム塩0.09部を溶解してなる水溶液を7時間にわ
たり添加し、70℃の重合温度で反応を完結させ、グラ
フト共重合体(A−3)ラテックスを得た。
【0028】グラフト共重合体(A−3)ラテックスを
凍結塩析し、濾過して得られた白色ポリマーを乾燥した
もののアセトン不溶分は25重量%、アセトン可溶分は
75重量%であった。このアセトン不溶分の組成を赤外
分光光度計により測定したところ、ゴム質重合体の含有
量は72重量%、グラフト成分の含有量は25重量%と
なった。また、アセトン可溶分のメタクリロニトリル含
有量は赤外分光光度計により68%であり、還元粘度は
0.50であった。
【0029】グラフト共重合体(A−3)ラテックスに
酸化防止剤1部を添加後60℃に加熱し、硫酸アルミニ
ウム1部を撹拌しながら加え、ラテックスを凝固させ
た。凝固物を水洗、乾燥し、白色フレーク状の樹脂組成
物を得た。このようにして得られた白色フレーク状の樹
脂組成物をシリンダー温度240℃に設定された2軸押
出機で混練造粒した。その後、240℃の成形温度で物
性測定用の試験片を射出成形により得た。物性測定結果
を表2に示す。
【0030】(測定法) 剛性(FM):ASTM D−790に基づく。 IZOD衝撃試験:ASTM D−256に基づ
く。 耐薬品性:圧縮成形し80℃で24Hrアニールし
たサンプル(幅12.7mm、厚さ1mm)に200g
の荷重を掛け、たわみ部分にトルエンを染み込ませたガ
ーゼを置き、破断する時間を測定した。 熱安定性:280℃のメルトインデクサー中で樹脂
を30分滞留させ、ゲル状化を確認した。 耐光性:キセノンウェザーメーターで300時間照
射後の試験片のΔEを測定した。 耐熱性(HDT):ASTM D−648に基づ
く。 表2に示すように本発明で規定する条件を満たさない樹
脂組成物は、剛性、耐衝撃性、耐薬品性、熱安定性、耐
光性、耐熱性のいずれかが劣り、本発明の樹脂組成物が
従来の問題を解決するものである事がわかる。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明により、剛性、耐衝撃性、耐薬品
性、熱安定性、耐光性、耐熱性の物性バランスに優れた
樹脂を製造できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)シアン化ビニル化合物及び芳香族
    ビニル化合物がゴム質重合体にグラフトしたグラフト共
    重合体であって、ゴム質重合体が30〜95重量%、シ
    アン化ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物の合計が5
    〜70重量%であり、かつシアン化ビニル化合物/(シ
    アン化ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物)の重量の
    割合が0.30〜0.95であるグラフト共重合体5〜
    50重量部、 (B)メタクリロニトリル40〜95重量%と、芳香族
    ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリ
    ル酸エステル化合物の中から選ばれるビニル化合物1種
    以上5〜60重量%とが共重合したビニル共重合体50
    〜95重量部、よりなり、(A)+(B)が100重量
    部である樹脂組成物。
JP3925994A 1994-02-15 1994-02-15 高ニトリル含有樹脂組成物 Withdrawn JPH07228750A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007135852A1 (ja) * 2006-05-19 2007-11-29 Umg Abs, Ltd. 熱可塑性樹脂組成物および複合成形品

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WO2007135852A1 (ja) * 2006-05-19 2007-11-29 Umg Abs, Ltd. 熱可塑性樹脂組成物および複合成形品
US8147977B2 (en) 2006-05-19 2012-04-03 Umg Abs, Ltd. Thermoplastic resin composition and composite molded product

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