JPH07228698A - ポリアリーレンスルフィドの製造方法 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィドの製造方法

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JPH07228698A
JPH07228698A JP6044892A JP4489294A JPH07228698A JP H07228698 A JPH07228698 A JP H07228698A JP 6044892 A JP6044892 A JP 6044892A JP 4489294 A JP4489294 A JP 4489294A JP H07228698 A JPH07228698 A JP H07228698A
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義成 小山
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 反応物を蒸留により脱水するに際し、蒸留塔
のトレイの目詰まりを防止して、連続的に脱水すること
が可能であり、かつ、高分子量で高品質のPASを得る
ことのできるPASの製造方法を提供する。 【構成】 (a)非プロトン性有機溶媒と、水酸化リチ
ウムまたはN−メチルアミノ酪酸リチウム(LMAB)
とが存在する系に、液状または気体状のイオウ化合物を
投入し、(b)得られた反応物から脱水し、(c)硫黄
分の調整後、ジハロゲン化芳香族化合物を投入し、重縮
合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアリーレンスルフ
ィド(PAS)の製造方法に関する。さらに詳しくは電
気、電子分野、高剛性材料分野で特に有用な高分子量の
ポリアリーレンスルフィドを高品質で安価に製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアリーレンスルフィド樹脂(PAS
樹脂)、中でも特にポリフェニレンスルフィド樹脂(P
PS樹脂)は、機械的強度、耐熱性等に優れると共に、
特に高い剛性を有するエンジニアリング樹脂として知ら
れており、電子・電気機器部品の素材や各種の高剛性材
料として有用である。このような高分子量のPASの製
造方法として、有機極性溶媒、含水水酸化ナトリウム、
アミノカルボン酸アルカリ金属塩からなる混合物を蒸留
等により脱水し得られる脱水混合物と、ハロゲン化リチ
ウムと、ジハロゲン芳香族化合物とを混合させて反応さ
せることにより、高分子量のPASを得ることを内容と
するもの(特開平2−180928号公報)が開示され
ている。これは、その当時PAS製造に用いられていた
アルカリ金属硫化物中の結晶水を除去することの困難さ
に鑑みてなされたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記製造方法
において脱水されるべき混合物はスラリー状態のもので
あり、このようなスラリー状態のものに加熱して蒸留操
作を施す場合、一回毎に操作をわけて行なう回分式の場
合は問題はないが、蒸留塔に連続して混合物を供給し沸
点差を利用して塔頂より水蒸気を抜き出す連続式プロセ
スにおいては、スラリー中の固体成分が蒸留塔のトレイ
に貯まり、トレイの目詰まりを招集し運転不能の状態に
陥ってしまうという問題があった。本発明は、上記問題
点に鑑みなされたものであり、反応物を蒸留により脱水
するに際し、蒸留塔のトレイの目詰まりを防止して、連
続的に脱水することが可能であり、かつ、高分子量で高
品質のPASを得ることのできるPASの製造方法を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明によれば、(a)非プロトン性有機溶媒と、水酸
化リチウム(LiOH)またはN−メチルアミノ酪酸リ
チウム(LMAB)とが存在する系に、液状または気体
状のイオウ化合物を投入する工程、(b)得られた反応
物から脱水する工程、および(c)硫黄分の調整後、ジ
ハロゲン化芳香族化合物を投入し、重縮合させる工程、
を含むことを特徴とするポリアリーレンスルフィド(P
AS)の製造方法が提供される。また、この製造方法の
好ましい態様として前記非プロトン性有機溶媒が、N−
メチル−2−ピロリドンであることを特徴とするポリア
リーレンスルフィドの製造方法が提供される。また、前
記液体状または気体状のイオウ化合物が硫化水素である
ポリアリーレンスルフィドの製造方法が提供される。ま
た、前記ジハロゲン化芳香族化合物が、パラジクロロベ
ンゼン(PDCB)を50モル%以上含むものであるこ
とを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方法が
提供される。また、前記前記工程(a)において、イオ
ウ化合物を投入後、さらに非水酸化リチウムの固体状物
を分離することを特徴とするポリアリーレンスルフィド
の製造方法が提供される。
【0005】以下、本発明のポリアリーレンスルフィド
の製造方法を各工程ごとに具体的に説明する。 1.非プロトン性有機溶媒と、水酸化リチウム(LiO
H)またはLMABとが存在する系に、液状または気体
状のイオウ化合物を投入する工程(a)
【0006】(1)非プロトン性有機溶媒 本発明に用いられる非プロトン性有機溶媒としては、一
般に、非プロトン性の極性有機化合物(たとえば、アミ
ド化合物,ラクタム化合物,尿素化合物,有機イオウ化
合物,環式有機リン化合物等)を、単独溶媒として、ま
たは、混合溶媒として、好適に使用することができる。
【0007】これらの非プロトン性の極性有機化合物の
うち、前記アミド化合物としては、たとえば、N,N−
ジメチルホルムアミド,N,N−ジエチルホルムアミ
ド,N,N−ジメチルアセトアミド,N,N−ジエチル
アセトアミド,N,N−ジプロピルアセトアミド,N,
N−ジメチル安息香酸アミドなとを挙げることができ
る。
【0008】また、前記ラクタム化合物としては、たと
えば、カプロラクタム,N−メチルカプロラクタム,N
−エチルカプロラクタム,N−イソプロピルカプロラク
タム,N−イソブチルカプロラクタム,N−ノルマルプ
ロピルカプロラクタム,N−ノルマルブチルカプロラク
タム,N−シクロヘキシルカプロラクタム等のN−アル
キルカプロラクタム類,N−メチル−2−ピロリドン
(NMP),N−エチル−2−ピロリドン,N−イソプ
ロピル−2−ピロリドン,N−イソブチル−2−ピロリ
ドン,N−ノルマルプロピル−2−ピロリドン,N−ノ
ルマルブチル−2−ピロリドン,N−シクロヘキシル−
2−ピロリドン,N−メチル−3−メチル−2−ピロリ
ドン,N−エチル−3−メチル−2−ピロリドン,N−
メチル−3,4,5−トリメチル−2−ピロリドン,N
−メチル−2−ピペリドン,N−エチル−2−ピペリド
ン,N−イソプロピル−2−ピペリドン,N−メチル−
6−メチル−2−ピペリドン,N−メチル−3−エチル
−2−ピペリドンなどを挙げることができる。
【0009】また、前記尿素化合物としては、たとえ
ば、テトラメチル尿素,N,N’−ジメチルエチレン尿
素,N,N’−ジメチルプロピレン尿素などを挙げるこ
とができる。
【0010】さらに、前記有機イオウ化合物としては、
たとえば、ジメチルスルホキシド,ジエチルスルホキシ
ド,ジフェニルスルホン,1−メチル−1−オキソスル
ホラン,1−エチル−1−オキソスルホラン,1−フェ
ニル−1−オキソスルホランなどを、また、前記環式有
機リン化合物としては、たとえば、1−メチル−1−オ
キソホスホラン,1−ノルマルプロピル−1−オキソホ
スホラン,1−フェニル−1−オキソホスホランなどを
挙げることができる。
【0011】これら各種の非プロトン性極性有機化合物
は、それぞれ一種単独で、または二種以上を混合して、
さらには、本発明の目的に支障のない他の溶媒成分と混
合して、前記非プロトン性有機溶媒として使用すること
ができる。
【0012】前記各種の非プロトン性有機溶媒の中で
も、好ましいのはN−アルキルカプロラクタム及びN−
アルキルピロリドンであり、特に好ましいのはN−メチ
ル−2−ピロリドンである。
【0013】(2)LiOHまたLMABの存在する系
の調製 非プロトン性有機溶媒と、水酸化リチウム(LiOH)
またはN−メチルアミノ酪酸リチウム(LMAB)とが
存在する系とは、塩化リチウム(LiCl)と、非プロ
トン性有機溶媒とが、または塩化リチウムと、非プロト
ン性有機溶媒および水とが存在する場に、水酸化ナトリ
ウム(NaOH)等を投入することによって得られる系
を意味する。以下、これらの調製方法を具体的に示す。
【0014】LiOHの存在する系 反応液中にLiClとして存在しているLiイオンを回
収するため系内にアルカリ金属の水酸化物やアルカリ土
類金属の水酸化物たとえば水酸化ナトリウム,水酸化カ
リウム,水酸化マグネシウム等を投入する。中でも水酸
化ナトリウムが好ましい。その投入量は、リチウムイオ
ン1モルに対し、水酸基が0.90〜1.1モル、好ま
しくは0.95〜1.05モルになるようにする。1.
1モルを超えると非水酸化リチウム沈澱物中にアルカリ
金属系イオウ化合物またはアルカリ土類金属系イオウ化
合物が多量に混入する。また0.90未満の場合リチウ
ムのロスになる。この場合の反応温度は、特に制限はな
いが、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水
酸化物を水溶液状で投入する場合、通常室温〜230
℃、好ましくは65〜150℃であり、固体状で投入す
る場合には、通常60〜230℃、好ましくは90〜1
50℃である。反応温度が低い場合、溶解度が低く、反
応速度が著しく遅くなる。反応温度が高い場合NMPの
沸点以上になり、加圧下で行わなければならずプロセス
的に不利になる。また、反応時間は、特に制限はない。
【0015】LMABの存在する系 この場合は、塩化リチウムとリチウムを除く(非リチウ
ム系の)アルカリ金属水酸化物とを反応させ、非リチウ
ム系のアルカリ金属酸化物を水溶液として供給して行う
ので、この反応は前記非プロトン性有機溶媒と水との混
合溶媒系中で実施する。
【0016】この非リチウム系のアルカリ金属水酸化物
としては、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化
ルビジウム,水酸化セシウムまたはこれらの一種又は二
種以上の混合物を挙げることができる。これらの中で
も、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましく、
特に、水酸化ナトリウムが好ましい。なお、これら水酸
化ナトリウム等の非リチウム系のアルカリ金属水酸化物
は、純粋なものに限らず、通常の工業用のものでも好適
に使用することができる。
【0017】なお、反応時の組成は、非プロトン性極性
溶媒としてNMP、非リチウム系のアルカリ金属の水酸
化物としてNaOHを用いた場合、NMP/NaOH=
1.05〜30(モル比)とし、好ましくは、1.20
〜6.0(モル比)である。また、LiCl/NaOH
=1.00〜5(モル比)とし、好ましくは、1.00
〜1.5(モル比)である。さらに、水/NMP=1.
6〜16(モル比)とし、好ましくは、2.8〜8.3
(モル比)である。
【0018】反応温度および反応時間については、通常
80℃〜200℃で、0.1〜10時間程度が好まし
い。
【0019】(3)液状または気体状のイオウ化合物の
投入 本発明に用いられる液状又は気体状のイオウ化合物とし
ては、特に制限はないが、硫化水素を好適に用いること
ができる。硫化水素を用いる場合、その吹き込む際の圧
力は、常圧でも加圧してもよい。吹き込み時間として
は、特に制限はなく、通常は10〜180分程度とする
ことが好ましい。吹き込み速度も特に制限はなく、通常
は10〜1000cc/分程度とすることが好ましい。
また、硫化水素の吹き込み方法も特に制限はなく、たと
えばN−メチル−2−ピロリドン中に水酸化リチウムお
よび、アルカリ金属塩化物またはアルカリ土類金属塩化
物が含有された混合物を攪拌、たとえば、500mlガ
ラス製セパラブルフラスコ中で、攪拌翼としてディスク
タービン翼を用い、300〜700rpmにて攪拌しな
がら、その中へ気体状の硫化水素をバブリングする等の
通常用いられる方法を用いることができる。この場合、
水が存在していてもよい。
【0020】このように液状又は気体状のイオウ化合物
を投入することにより、系内に固体状で存在していた水
酸化リチウムは系内の液体部分に溶解し、非水酸化リチ
ウム固体状物のみが系内に固体状で残留する。
【0021】つぎに、固体状で残留した非水酸化リチウ
ム固体状物、たとえばアルカリ金属塩化物またはアルカ
リ土類金属塩化物、を分離してもよい。この場合、たと
えば、ガラス製フィルターG4を用いた濾過や遠心分離
等の公知の方法を用いることができる。濾過等を行うに
あたっては、減圧下で行ってもよい。分離する際の温度
としては、特に制限はないが、通常は、20〜150℃
の範囲から選択するのが好ましい。
【0022】2.得られた反応物から脱水する工程
(b) 本発明に用いられる脱水操作としては特に制限はない
が、例えば、下記の操作を挙げることができる。 (1)温度 NMP−水の気液平衡関係により決定されるが通常13
0℃〜205℃が好ましい。窒素(N2)を同時に吹き
込むことにより130℃以下でも可能である。さらに減
圧下で行なえばもっと温度を下げることもできる。 (2)水分量の許容範囲 吸収したH2S と等モルの水が発生するが、高分子量の
PASを製造するためには可能な限り脱水することが好
ましい。 (3)時期 脱水の時期はPDCBを投入する前ならいつでもよい。
2S の吹込みと同時に行なうと、単位操作に要する機
器を減少させることができる等の点で好ましい。
【0023】3.硫黄分の調整後、ジハロゲン化芳香族
化合物を投入し、重縮合させる工程(c) この工程では、まず、上述の工程で得られた反応液から
脱イオウ操作、たとえば脱硫化水素操作によって硫黄分
を調整する。すなわち、後述するジクロロ芳香族化合物
の反応を行わせるためには、系内に存在する硫黄/リチ
ウム比を1/2(S原子/Li原子モル比)以下にする
ことが好ましく、1/2にコントロールすることがさら
に好ましい。1/2より大きい場合、反応が進行しにく
いためPAS樹脂の生成が困難となる。コントロールす
る方法としては特に制限はないが、たとえばアルカリ金
属塩化物またはアルカリ土類金属塩化物を分離するため
に吹き込んだ硫黄化合物、たとえば、硫化水素を、アル
カリ金属塩化物またはアルカリ土類金属塩化物の分離
後、系内の液体部分に窒素バブリング等を施し除去する
ことにより、系内に存在する硫黄の合計量を調節するこ
とができる。この場合、加温してもよい。また、水酸化
リチウムやN−メチルアミノ酪酸リチウム(LMAB)
等のリチウム塩を系内に加えることによりコントロール
してもよい。
【0024】次に、系内にジクロロ芳香族化合物を投入
して、反応させることによりPAS樹脂を製造する。
【0025】本発明に用いられるジクロロ芳香族化合物
としては、特に制限はないが、たとえばパラジクロロベ
ンゼンを50モル%以上含むものを好適に用いることが
できる。
【0026】反応容器としては、たとえば、1リットル
のステンレス製オートクレーブ(攪拌翼として、パドル
翼を備え、回転数300〜700rpm)を挙げること
ができる。重合温度としては、220〜260℃が好ま
しく、重合時間としては1〜6時間が好ましい。ジクロ
ロ芳香族化合物の投入量としては、ジクロロ芳香族化合
物/系内に存在する硫黄=0.9〜1.2(モル比)の
範囲から選択することが好ましく、0.95〜1.15
がさらに好ましい。後処理としては、通常用いられる方
法で行なえばよい。たとえば、冷却後沈澱物を遠心分離
やろ過等により分離し、得られたポリマーを加温また室
温下有機溶剤、水等で洗浄を繰り返し精製することがで
きる。かかる洗浄はポリマーを固体状のまま行なっても
よいし、あるいは液体にしていわゆる溶融洗浄を行なっ
てもよい。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。 実施例1 錯体合成工程 撹拌翼のついた500mlガラス製セパラブルフラスコ
にN−メチル−2−ピロリドン267.30g(2.7
mol)及びN−メチルアミノ酪酸リチウム(LMA
B)173.25(1.5mol)を入れ、昇温し13
0℃に保った。LMABが溶解したことを確認後、純度
99.9%の硫化水素を気体状態で流量計により500
ml/min.の流量で吹き込んだ。吹き込みノズルの
先端にはスパージャーを取り付た。また、硫化水素吹き
込みと同時に生成する水を脱水する目的で窒素ガスを気
相部に300ml/min.で吹き込んだ。セパラブル
フラスコより留出するべーパーをコンデンサーで冷却
し、凝縮液の量と組成をガスクロマトグラフィーにより
分析した。その結果H2O 15.8g(0.88mo
l),NMP 23.0g(0 .23mol)であっ
た。本条件で60min.吹き込んだ後に溶液中の硫黄
量を定量したところ、硫黄源/LMAB=0.65(モ
ル比)であった。 重合工程 上記合成した錯体を全量1リットルステンレス製オート
クレーブに移し、さらにLMAB=57.75g(0.
5mol)、NMP89.1g(0.9mol)、PD
CB143.3g(0.975mol)を加え、220
℃まで昇温し、3時間予備重合を行なった。予備重合終
了後更に温度を260℃まで昇温し、3時間重合した。
重合終了後反応系を冷却し、得られた固形物を水および
アセトンで順次洗浄し、乾燥を行なうことによりポリア
リーレンスルフィドを得た。このポリアリーレンスルフ
ィドをα−クロルナフタレンに0.4g/dlの濃度に
なるように溶解し、206℃の温度でウベローデ粘度計
を使用して粘度測定を行なった。その結果、このポリア
リーレンスルフィドの溶融粘度ηinhは、0.29であ
った。
【0028】実施例2 錯体合成工程 実験設備および原料仕込み量等は実施例1と同様にし
た。ただし、ここでは脱水を目的とした窒素の吹き込み
は行わず、代わりに錯体の合成温度を上げ錯体合成と同
時に生成する水が系外に排出されるように、合成温度を
180℃にして行なった。セパラブルフラスコより留出
するべーパーをコンデンサーで冷却し、凝縮液の量と組
成をガスクロマトグラフィーにより分析した。その結果
2O 12.1g(0.67mol),NMP 1
3.0g(0.13mol)であった。本条件下、硫化
水素を500ml/min.の流量で、60min.吹
き込んだ後に溶液中の硫黄量を定量したところ、硫黄源
/LMAB=0.56(mol比)であった。 重合工程 上記合成した錯体を全量1リットルステンレス製オート
クレーブに移し、さらにLMAB=25.64g(0.
22mol)、NMP39.2g(0.40mol)、
PDCB123.5g(0.84mol)を加え、22
0℃まで昇温し、3時間予備重合を行なった。予備重合
終了後更に温度を260℃まで昇温し、3時間重合し
た。重合終了後反応系を冷却し、得られた固形物を水お
よびアセトンで順次洗浄し、乾燥を行なうことによりポ
リアリーレンスルフィドを得た。このポリアリーレンス
ルフィドをα−クロルナフタレンに0.4g/dlの濃
度になるように溶解し、206℃の温度でウベローデ粘
度計を使用して粘度測定を行なった。その結果、このポ
リアリーレンスルフィドの溶融粘度ηinhは、0.25
であった。
【0029】比較例1 錯体合成工程 撹拌翼のついた500mlガラス製セパラブルフラスコ
にN−メチル−2−ピロリドン267.30g(2.7
mol)及びN−メチルアミノ酪酸リチウム(LMA
B)173.25(1.5mol)を入れ、昇温し13
0℃に保った。N−メチルアミノ酪酸リチウムが溶解し
たことを確認後、純度99.9%の硫化水素を気体状態
で流量計により430ml/min.の流量で吹き込ん
だ。吹き込みノズルの先端にはスパージャーを取り付け
た。錯体合成反応速度の測定結果より、130℃におい
ては硫化水素の吹き込み速度を430ml/min.以
下にすれば、吹き込んだ硫化水素は溶液中の硫黄濃度が
ある値まで(硫黄源/N−メチルアミノ酪酸リチウム=
0.75(mol比))はすべて吸収されることが明ら
かになった。すなわち、重合に必要な硫黄源/N−メチ
ルアミノ酪酸リチウム=0.5(モル比)となるまで3
9min.吹き込むことで、原料錯体を調整できた。し
かしこの場合、錯体合成槽を開放系にしていても、錯体
合成により生成する水は気液平衡関係より、系外に流出
されることはない。 重合工程 上記合成した錯体を全量1リットルステンレス製オート
クレーブに移し、さらにPDCB110.3g(0.7
5mol)を加え、220℃まで昇温し、3時間予備重
合を行なった。予備重合終了後更に温度を260℃まで
昇温し、3時間重合した。重合終了後反応系を冷却し、
得られた固形物を水およびアセトンで順次洗浄し、乾燥
を行なうことによりポリアリーレンスルフィドを得た。
このポリアリーレンスルフィドをα−クロルナフタレン
に0.4g/dlの濃度になるように溶解し、206℃
の温度でウベローデ粘度計を使用して粘度測定を行なっ
た。その結果、このポリアリーレンスルフィドの溶融粘
度ηinhは、0.19であった。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明のポリアリー
レンスルフィドの製造方法によって、反応物を蒸留によ
り脱水するに際し、蒸留塔のトレイの目詰まりを防止す
ることができるため、脱水操作を連続的に行うことがで
きる。また、高分子量で高品質のPASを得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリアリーレンスルフィドの製造方法
の工程を模式的に示すフローチャート図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)非プロトン性有機溶媒と、水酸化
    リチウム(LiOH)またはN−メチルアミノ酪酸リチ
    ウム(LMAB)とが存在する系に、液状または気体状
    のイオウ化合物を投入する工程、(b)得られた反応物
    から脱水する工程、および(c)硫黄分の調整後、ジハ
    ロゲン化芳香族化合物を投入し、重縮合させる工程、を
    含むことを特徴とするポリアリーレンスルフィド(PA
    S)の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記非プロトン性有機溶媒が、N−メチ
    ル−2−ピロリドンであることを特徴とする請求項1記
    載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記液状または気体状のイオウ化合物が
    硫化水素である請求項1または2記載のポリアリーレン
    スルフィドの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ジハロゲン化芳香族化合物が、パラ
    ジクロロベンゼン(PDCB)を50モル%以上含むも
    のであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
    記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記工程(a)において、イオウ化合物
    を投入後、さらに非水酸化リチウムの固体状物を分離す
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の
    ポリアリーレンスルフィドの製造方法。
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