JPH07228667A - 型内被覆成形用被覆組成物 - Google Patents

型内被覆成形用被覆組成物

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JPH07228667A
JPH07228667A JP6021012A JP2101294A JPH07228667A JP H07228667 A JPH07228667 A JP H07228667A JP 6021012 A JP6021012 A JP 6021012A JP 2101294 A JP2101294 A JP 2101294A JP H07228667 A JPH07228667 A JP H07228667A
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JP
Japan
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coating
molding
parts
epoxy resin
mold
Prior art date
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Application number
JP6021012A
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English (en)
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Natsuki Morishita
夏樹 森下
Toshimitsu Tsuji
敏充 辻
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 型内被覆成形方法により、耐衝撃性、密着性
に優れた被覆層を有する被覆成形品を得ることを可能と
する型内被覆成形用被覆組成物を提供する。 【構成】 成形型内において成形材料上に被覆層を形成
する型内被覆成形法において被覆用材料として用いられ
る熱硬化性樹脂組成物であり、エポキシ樹脂及び含窒素
系エポキシ樹脂硬化剤またはポリカルボン酸もしくはポ
リメルカプタンを主成分とし、必要に応じて、ポリイソ
シアネートもしくはブロックイソシアネートを、または
エポキシ樹脂、含窒素系エポキシ樹脂硬化剤、ポリカル
ボン酸もしくはポリメルカプタンと化学反応性を有する
シランカップリング剤、りん片状無機充填剤、モース硬
度5以上の鉱物からなる無機充填剤または無機着色顔料
等を含有させてなる型内被覆成形用被覆組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形型内において成形
材料上に被覆層を形成する型内被覆成形法において被覆
材料として用いられる型内被覆成形用被覆組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、熱硬化性材料よりなる成形品が、
金属部品等の代替部材として工業部品等に非常に広く用
いられている。中でも、ガラス繊維で強化されたシート
・モールディング・コンパウンド(以下、SMCと略
す)又はバルク・モールディング・コンパウンド(以
下、BMCと略す)が汎用されている。
【0003】しかしながら、SMC又はBMCを成形型
内で加熱・加圧により成形して得られた成形品では、表
面に、気孔、微小亀裂、ひけまたは起伏などの表面欠陥
が発生しがちであった。このような表面欠陥が存在して
いる場合、成形品に通常の方法による塗装を行っても、
十分な塗膜を形成することは難しい。
【0004】従って、上記のような表面欠陥を隠ぺいす
るための方法として、いわゆる型内被覆成形方法が提案
されている。例えば、特公平4−33252号には、圧
縮成形中に、成形圧力を越える注入圧で被覆材料を注入
し、硬化させることにより、成形品表面に被覆層を形成
する方法が開示されている。
【0005】また、これらの成形方法に用いられる型内
被覆成形用被覆組成物としては、例えば、特開平1−1
26316には、ウレタンアクリレート及びエポキシア
クリレートを主成分とし、無機充填剤を用いた型内被覆
成形用被覆組成物が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
な通常の型内被覆成形用被覆組成物を用いて型内被覆成
形法により被覆されて形成された被膜は、耐衝撃性が劣
るという欠点があった。
【0007】本発明は上記欠点を改良するものであり、
型内被覆成形法において、耐衝撃性及び密着性において
良好な被覆層を有する被覆成形体を製造するための型内
被覆成形用被覆組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1〜10に記載の
本発明の型内被覆成形用被覆組成物は、上記課題を解決
することにおいて共通するものであり、成形型内におい
て成形材料上に被覆層を形成する型内被覆成形法におい
て被覆用材料として用いられる熱硬化性樹脂組成物であ
る型内被覆成形用被覆組成物を提供するものであり、そ
れぞれ、下記の構成を備えることを特徴とする。
【0009】請求項1の発明の型内被覆成形用被覆組成
物は、エポキシ樹脂及び含窒素系エポキシ樹脂硬化剤を
主成分とすることを特徴とし、そのことにより上記目的
が達成される。
【0010】請求項2の発明の型内被覆成形用被覆組成
物は、エポキシ樹脂と、ポリカルボン酸またはポリメル
カプタンとを主成分とすることを特徴とし、そのことに
より上記目的が達成される。
【0011】請求項3の発明の型内被覆成形用被覆組成
物は、エポキシ樹脂及び含窒素系エポキシ樹脂硬化剤を
主成分とし、かつ、ポリイソシアネートまたはブロック
イソシアネートを含有することを特徴とし、そのことに
より上記目的が達成される。
【0012】請求項4の発明の型内被覆成形用被覆組成
物は、エポキシ樹脂と、ポリカルボン酸またはポリメル
カプタンとを主成分とし、かつ、ポリイソシアネートま
たはブロックイソシアネートを含有することを特徴と
し、そのことにより上記目的が達成される。
【0013】請求項5の発明の型内被覆成形用被覆組成
物は、:エポキシ樹脂、:含窒素系エポキシ樹脂硬
化剤、:又はと化学反応性を有する官能基を持つ
シランカップリング剤、及び:りん片状無機充填剤を
含有することを特徴とし、そのことにより上記目的が達
成される。
【0014】請求項6の発明の型内被覆成形用被覆組成
物は、エポキシ樹脂、ポリカルボン酸又はポリメル
カプタン、:又はと化学反応性を有する官能基を
持つシランカップリング剤、及び:りん片状無機充填
剤を含有することを特徴とし、そのことにより上記目的
が達成される。
【0015】請求項7の発明の型内被覆成形用被覆組成
物は、:エポキシ樹脂、:含窒素系エポキシ樹脂硬
化剤、:又はと化学反応性を有する官能基を持つ
シランカップリング剤、及び:モース硬度5以上の鉱
物からなる無機充填剤を含有することを特徴とし、その
ことにより上記目的が達成される。
【0016】請求項8の発明の型内被覆成形用被覆組成
物は、:エポキシ樹脂、:ポリカルボン酸又はポリ
メルカプタン、:又はと化学反応性を有する官能
基を持つシランカップリング剤、及び:モース硬度5
以上の鉱物からなる無機充填剤を含有することを特徴と
し、そのことにより上記目的が達成される。
【0017】請求項9の発明の型内被覆成形用被覆組成
物は、:エポキシ樹脂、:含窒素系エポキシ樹脂硬
化剤、:又はと化学反応性を有する官能基を持つ
シランカップリング剤、及び:無機着色顔料を含有す
ることを特徴とし、そのことにより上記目的が達成され
る。
【0018】請求項10の発明の型内被覆成形用被覆組
成物は、:エポキシ樹脂、:ポリカルボン酸又はポ
リメルカプタン、:又はと化学反応性を有する官
能基を持つシランカップリング剤、及び:無機着色顔
料を含有することを特徴とし、そのことにより上記目的
が達成される。
【0019】以下、本発明(請求項1〜10の発明)を
詳細に説明する。エポキシ樹脂 本発明の型内被覆成形用被覆組成物中に用いるエポキシ
樹脂としては、公知慣用のものが用いられる。例えば、
エピクロルヒドリンおよびビスフェノールAから製造さ
れるビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピクロルヒド
リンおよびビスフェノールFから製造されるビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリンおよびビス
フェノールADから製造されるビスフェノールAD型エ
ポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールAから製造される臭
素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボ
ラックまたはオルトクレゾールノボラックをグリシジル
エーテル化して製造されるノボラック型エポキシ樹脂、
各種アミンとエピクロルヒドリンを反応させて得られる
グリシジルアミン型エポキシ樹脂(テトラグリシジルメ
タキシレンジアミン、テトラグリシジル- 1, 3- ビス
アミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジルジアミ
ノジフェニルメタン、トリグリシジル- p-アミノフェ
ノール、トリグリシジル- m- アミノフェノール、ジグ
リシジルアニリン、ジグリシジルオルトトルイジンな
ど)などが用いられる。
【0020】なかでも、価格及び各種性能のバランスに
おいて優れるため、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が
好適に用いられる。また、樹脂骨格中にエーテル結合を
持つ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のグリシジル
エーテル型エポキシ樹脂は、特に硬化樹脂の靱性に優れ
ることにより、好適に本発明に用いられる。
【0021】上記エポキシ樹脂の分子量は、数平均分子
量として1000以下であることが好ましい。分子量が
1000を超えると、樹脂の粘度が大きくなるため、各
種配合材料の混合等の作業が難しくなりがちであるとい
う欠点を有する。
【0022】また、上記エポキシ樹脂のエポキシ当量
は、100以上、250以下、であることが好ましい。
小さすぎる場合には耐衝撃性、密着性が悪くなりやすい
という欠点を有し、逆に大きすぎる場合には樹脂の粘度
が大きくなるため、各種配合材料の混合等の作業が難し
くなりがちであるという欠点を有する。
【0023】含窒素系エポキシ樹脂硬化剤 本発明に用いる含窒素系エポキシ樹脂硬化剤とは、分子
内に窒素原子を持ち、その作用によりエポキシ樹脂を硬
化させることのできる化合物を意味するが、一般的には
アミン及びアミドに分類され、細かくは、それぞれ1級
〜3級に分類され、またさらに、その中でさらに官能基
数(アミノ基、アミド基)により分類され、その何れも
が使用可能である。
【0024】本発明においては、上記含窒素系エポキシ
樹脂硬化剤のなかで、1級アミンを複数持つもの(以
下、ポリアミンと略す)、3級アミノ基を持つイミダゾ
ール系化合物(以下、イミダゾール系化合物と略す)、
及び、1級アミド基を複数持つ化合物(以下、ポリ1級
アミドと略す)が、反応性に優れるため、好適に用いら
れる。
【0025】上記ポリアミンはさらに、アミノ基の数に
より、ジアミン、トリアミン、テトラアミン、ペンタア
ミン等に分類され、さらにその骨格により、鎖状脂肪族
アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミンに分類される
が、価格及び各種性能の点で、鎖状脂肪族ジアミン、環
状脂肪族ジアミン、芳香族ジアミン、芳香族トリアミン
が好ましく用いられる。
【0026】鎖状脂肪族ジアミンとしては例えば、エチ
レンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテ
トラミン、テトラエチレンペンタミン、1, 3- ジアミ
ノプロパン、1, 4- ジアミノブタン、1, 5- ジアミ
ノペンタン、1, 6- ジアミノヘキサン、1, 7- ジア
ミノヘプタン、1, 8- ジアミノオクタン、1, 9-ジ
アミノノナン、1, 10- ジアミノデカン、1, 11-
ジアミノウンデカン、1, 12- ジアミノドデカン、
1, 2- ジアミノ- 2- メチルプロパン等があり、環状
脂肪族ジアミンとしては例えば、イソホロンジアミン、
メンセンジアミン等があり、芳香族ジアミン、トリアミ
ンとしては、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグア
ナミン、アクリログアナミン、パラミン、アミドール、
m- フェニレンジアミン、p, p'-ジアミノジフェニル
メタン、ジアミノジフェニルスルフォン等がある。
【0027】上記ポリ1級アミドとしては通常、1級ア
ミド基を2個持つものが好適に用いられ、具体的には、
アジパミド、オルトフタラミド、イソフタラミド、テレ
フタラミド等が挙げられる。
【0028】上記イミダゾール系化合物としては、従来
公知のイミダゾール及びその誘導体が用いられる、即
ち、具体的には、2- メチルイミダゾール、2- ウンデ
シルイミダゾール、2- ヘプデシルイミダゾール、2-
フェニルイミダゾール等の2位置換体、2- エチル- 4
- メチルイミダゾール、2- フェニル- 4- メチルイミ
ダゾール等の2, 4位置換体、1- シアノエチル- 2-
メチルイミダゾール、1- シアノエチル- 2- エチル-
4- メチルイミダゾール、1- シアノエチル- 2- ウン
デシルイミダゾール、1- シアノエチル- 2- フェニル
- 4, 5- ジ(シアノエトキシメチル)イミダゾール等
の1位シアノエチル化物、1- シアノエチル- 2- ウン
デシルイミダゾリウム・ トリメリテート、1- シアノエ
チル- 2-フェニルイミダゾリウム・ トリメリテート等
のトリメリット酸塩、2- メチルイミダゾリウム・ イソ
シアヌレート、2- フェニルイミダゾリウム・ イソシア
ヌレート等のイソシアヌル酸塩、2, 4- ジアミノ- 6
- {2- メチルイミダゾリル- (1)}- エチル- S-
トリアジン、2, 4- ジアミノ- 6- {2- エチル-4-
メチルイミダゾリル- (1)}- エチル- S- トリア
ジン、2, 4- ジアミノ- 6- {2- ウンデシルイミダ
ゾリル- (1)}- エチル- S- トリアジン等のトリア
ジン化物、2- フェニル- 4, 5- ジヒドロキシメチル
イミダゾール等の4, 5位ヒドロキシメチル化置換体等
に分類され、これらの何れにも属さないその他のものと
して、1- ドデシル- 2- メチル- 3- ベンジルイミダ
ゾリウム・ クロライド、1, 3- ジベンジル- 2- メチ
ルイミダゾリウム・ クロライド、1- ベンジル- 2- メ
チルイミダゾール等がある。
【0029】上記した様な含窒素系エポキシ樹脂硬化剤
の中で、直鎖脂肪族ジアミン、及び、イミダゾール系化
合物の2位置換体又は2,4位置換体が、反応性、硬化
物物性、価格において特に優れるため、好適に用いられ
る。
【0030】ポリカルボン酸 本発明に用いるポリカルボン酸は、カルボキシル基その
ものを持つもの以外に、ポリカルボン酸の金属塩や無水
物等のように、容易に水和、または水分子とイオン交換
等によりポリカルボン酸になるものを含む。
【0031】上記カルボキシル基そのものを持つポリカ
ルボン酸とは、分子内に複数のカルボキシル基を持つ化
合物を意味するが、大別して脂肪族カルボン酸と芳香族
ポリカルボン酸とに分けられ、ジカルボン酸が汎用的に
用いられる。脂肪族ポリカルボン酸としてはセバチン
酸、アジピン酸、コハク酸などが用いられ、また、芳香
族ポリカルボン酸としてはフタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸等が用いられる。
【0032】上記ポリカルボン酸の無水物としては、具
体的には例えば、無水マレイン酸、ドデセニル無水コハ
ク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物
等の脂肪族無水カルボン酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメ
チレンテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテト
ラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボ
ン酸無水物等の脂環式ポリカルボン酸無水物、無水ピロ
メリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メ
チルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ
無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水
トリメリット酸、無水コハク酸、無水フタル酸等の芳香
族カルボン酸、無水ヘット酸、テトラブロモ無水フタル
酸等のハロゲン系ポリカルボン酸無水物等が用いられ
る。
【0033】上記ポリカルボン酸の金属塩としては具体
的には例えば、アジピン酸ジナトリウム、フタル酸ジカ
リウムなどが用いられる。上述したポリカルボン酸のな
かでも、特に、カルボキシル基そのものを持つジカルボ
ン酸またはジカルボン酸無水物が、反応性に優れるため
良好に用いられ、中でも、脂環式のジカルボン酸無水物
が、価格と、各種性能とのバランスにおいて優れるた
め、好適に用いられる。
【0034】ポリメルカプタン 本発明に用いるポリメルカプタンとは、分子内に複数の
メルカプト基を持つものを意味し、公知慣用のものが用
いられる。例えば、1, 2- プロパンジチオール、1,
3- プロパンジチオール、1, 4- ブタンジチオール、
1, 6- ヘキサンジチオール、1, 10- デカンジチオ
ール、2, 3- メルカプト- 1- プロパノール、ジ(-
2- メルカプトエチル)エーテル、ペンタエリスリトー
ルテトラ(メルカプトアセテート)、ペンタエリスリト
ールテトラ(- 3- メルカプトプロピオネート)、トリ
メチロールプロパントリ(メルカプトアセテート)等が
ある。
【0035】中でも、比較的低分子量のものが、取り扱
い性が良好であるので好適に用いられる。具体的には
1, 2- プロパンジチオール、1, 3- プロパンジチオ
ール、1, 4- ブタンジチオール、1, 6- ヘキサンジ
チオールなどが好ましく用いられる。
【0036】ポリイソシアネート 請求項3,4の発明に用いられるポリイソシアネートと
しては、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、1, 3- ビス(イソシアナトメチル)シ
クロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネー
ト、1, 3- ビス(2イソシアネート- 2- プロピル)
ベンゼンなどが用いられる。
【0037】ブロックイソシアネート 請求項3,4の発明に用いられるブロックイソシアネー
トとは、公知慣用の各種ポリイソシアネートを各種のブ
ロック化合物でブロックしたものを意味し、汎用的には
ジイソシアネートをブロックしたものを用いる。即ち、
ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメチ
レン- 4- 4’ジイソシアネート、ポリメチレンポリフ
ェニルポリイソシアネートなどのポリイソシアネートを
フェノール、キシレノールなどのフェノール性OH基を
持つもの或はメチルチルケトオキシム(MEK)の様な
オキシム類などによりブロックしたものを用いることが
できる。
【0038】シランカップリング剤 請求項5〜10の発明に用いる、エポキシ樹脂又は含窒
素系エポキシ樹脂硬化剤と化学反応性を有する官能基を
持つシランカップリング剤としては、エポキシ樹脂と化
学反応性を有するアミノ基、或はメルカプト基を持つシ
ランカップリング剤、及び、含窒素系エポキシ樹脂硬化
剤と化学反応性を有するグリシジル基を持つシランカッ
プリング剤が使用可能である。
【0039】請求項5〜10の発明に用いる、エポキシ
樹脂又はポリカルボン酸もしくはポリメルカプタンと化
学反応性を有する官能基を持つシランカップリング剤と
しては、エポキシ樹脂と化学反応性を有するアミノ基、
或はメルカプト基を持つシランカップリング剤、及び、
ポリカルボン酸又はポリメルカプタンと化学反応性を有
するグリシジル基を持つシランカップリング剤が使用可
能である。
【0040】上記グリシジル基を持つシランカップリン
グ剤とは、加水分解性アルコキシルシラン及びグリシジ
ル基を持つ化合物を意味する。具体的には例えば、トリ
アルコキシルシラン化合物として、β- (3, 4- エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等、ジアルコ
キシルシラン化合物として、(3- グリシドキシプロピ
ル)メチルジエトキシシラン、3- グリシドキシプロピ
ルメチルジイソプロペノキシシラン等、モノアルコキシ
ルシラン化合物として、3- グリシドキシプロピルジメ
チルエトキシシラン等が用いられる。中でも、トリアル
コキシルシラン化合物が、分散性改良効果に優れるた
め、好適に用いられる。
【0041】上記アミノ基を持つシランカップリング剤
とは、加水分解性アルコキシルシラン及びアミノ基を持
つ化合物を意味する。具体的には例えば、トリアルコキ
シルシラン化合物として、4- アミノブチルトリエトキ
シシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルト
リメトキシシラン、N- (2- アミノメチル)- 3-ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N- (2- アミノエ
チル)- 3- アミノプロピルトリス- (2- エチルヘキ
ソキシ)シラン、6- (アミノヘキシルアミノプロピ
ル)トリメトキシシラン、p- アミノフェニルトリメト
キシシラン、アミノフェニルトリエトキシシラン、3-
(1- アミノプロポキシ)- 3, 3- ジメチル- 1- プ
ロペニルトリメトキシシラン、3- アミノプロピルトリ
ス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、3- アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、ω- アミノウンデシルトリ
メトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルジエチレ
ントリアミン、3- アミノプロピルトリエトキシシラン
等があり、ジアルコキシルシラン化合物として、N-
(2- アミノエチル)- 3- アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン等があり、モノアルコキシルシラン化合物
として、4- アミノブチルジメチルメトキシシラン、3
- アミノプロピルジメチルエトキシシラン等がある。中
でも、トリアルコキシルシラン化合物が、分散性改良効
果に優れるため、好適に用いられる。
【0042】上記メルカプト基を持つシランカップリン
グ剤とは、加水分解性アルコキシルシラン及びメルカプ
ト基を持つ化合物を意味する。具体的には例えば、トリ
アルコキシルシラン化合物として、3- メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン、3- メルカプトプロピルトリ
エトキシシラン等があり、ジアルコキシルシラン化合物
として、(メルカプトメチル)メチルジエトキシシラ
ン、3- メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等
があり、モノアルコキシルシラン化合物としてメルカプ
トメチルジメチルエトキシシラン等が用いられる。中で
も、トリアルコキシルシラン化合物が、分散性改良効果
に優れるため、好適に用いられる。
【0043】熱硬化性樹脂 また、本発明の型内被覆成形用被覆組成物には、熱硬化
性樹脂として、エポキシ樹脂の他に、ウレタン系熱硬化
性樹脂(ポリオール及びポリイソシアネート)、不飽和
ポリエステル、エポキシアクリレート、ウレタンアクリ
レートなどを必要に応じて適当量併用することができ
る。
【0044】低収縮剤 また、本発明の型内被覆成形用被覆組成物には、低収縮
剤として、ポリ酢酸ビニル、ポリメチル(メタ)アクリ
レート、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、
酢酸ビニルースチレン共重合体、ポリブタジエン、飽和
ポリエステル類、飽和ポリエーテル類などのような熱可
塑性樹脂を必要に応じて適当量用いることができる。
【0045】りん片状無機充填剤 請求項5,6の発明に用いるりん片状無機充填剤とは、
その長径と短径の比であるアスペクト比の大きい無機充
填剤粉末を意味する。そのアスペクト比としては、1.
5〜10000であることが好適であり、より好適には
3〜1000である。アスペクト比が小さい場合には充
分な密着性改良効果が得にくいという欠点を有し、また
逆にアスペクト比が大きすぎる場合には被覆用組成物の
粘度が高くなって型内において充分な流動性を得にくく
なるという欠点を有する。
【0046】また、上記りん片状無機充填剤の粒径(長
径)としては、0.05μm〜1mmのものが好適であ
り、より好適には0.5μm〜200μmである。粒径
が小さすぎる場合には型内被覆成形用被覆組成物の粘度
が高くなりすぎて型内における流動性が不足し易く、成
形品表面全面を被覆することが難しくなるという欠点を
有し、また逆に粒径が大きすぎる場合には被膜の光沢が
低下しやすいという欠点を有する。
【0047】上記のようなりん片状無機充填剤の好適な
例としては、タルク、パイロフィライト、カオリン又は
マイカ等の無機充填剤が挙げられ、価格や各性能の点で
タルク或はマイカがより好適に用いられる。これらのり
ん片状無機充填剤の使用量としては、樹脂分100重量
部に対し、1〜100重量部が好ましく、より好ましく
は5〜70重量部である。使用量が少なすぎる場合には
充分な被膜の基材との密着性改良効果が得にくく、逆に
多すぎる場合には型内被覆成形用被覆組成物の粘度が高
くなりすぎるために型内被覆成形用被覆組成物の型内に
おける流動性が不足し易く、成形品表面全面を被覆する
ことが難しくなるという欠点を有する。
【0048】なお、ここで、上記樹脂分とは、エポキシ
樹脂、エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂
の他に、含窒素系エポキシ樹脂硬化剤、ポリカルボン
酸、ポリメルカプタン、ポリイソシアネート、ブロック
イソシアネート、各種シランカップリング剤などの様に
化学反応して樹脂となり得る成分の総量を意味する。
【0049】モース硬度5以上の鉱物からなる無機充填
請求項7,8の発明に用いるモース硬度5以上の鉱物か
らなる無機充填剤とは、モース硬度5以上である鉱物を
原料とし、これを粉砕し、必要に応じて精製、表面処理
されて得られるものである。ここで、モース硬度5以上
の鉱物とは、具体的には、以下の様なものがある。:け
い灰石(wollastonite、モース硬度5)、方沸石(anal
cite、モース硬度5)、うろこ鉄鉱(lepidocrocite、
モース硬度5)、針鉄鉱(goethite、モース硬度5〜
5.5)、紅ひニッケル鉱(niccolite 、モース硬度5
〜5.5)、パイロクロール(モース硬度5〜5.
5)、マイクロライト(モース硬度5〜5.5)、ダト
ーライト(datolite、モース硬度5〜5.5)、ソーダ
沸石(natrolite 、モース硬度5〜5.5)、輝コバル
ト鉱(cobaltite 、モース硬度5.5)、ハウスマンナ
イト(hausmannite 、モース硬度5.5)、灰チタン石
(perovskite、モース硬度5.5)、硬マンガン鉱(ps
ilomelane 、モース硬度5.5)、閃ウラン鉱(uranin
ite 、モース硬度5〜6)、トルコ石(turquois、モー
ス硬度5〜6)、単斜がん火輝石(clinoenstatite、モ
ース硬度5〜6)、単斜鉄けい石(clinoferrosilite、
モース硬度5〜6)、ピジョン輝石(pigeonite 、モー
ス硬度5〜6)、チタン鉄鉱(ilmenite、モース硬度5
〜6)、硫ひ鉄鉱(arsenopyrite、モース硬度5.5〜
6)、赤鉄鉱(hematite、モース硬度6)、透輝石(di
opside、モース硬度5.5〜6.5)、ヘデン輝石(he
denbergite、モース硬度5.5〜6.5)、オージャイ
ト(augite、モース硬度5.5〜6.5)、コルンバイ
ト(モース硬度6)、タンタライト(モース硬度6〜
6.5)、アナタース(anatase 、モース硬度5.5〜
6)、ブルッカイト(brookite、モース硬度5.5〜
6)、ヒューム石(humite、モース硬度6)、紅れん石
(piedmontite 、モース硬度6)、ローソナイト(laws
onite 、モース硬度6)、パンペリアイト(pumpellyit
e 、モース硬度6)、がん火輝石(enstatite 、モース
硬度6)、しそ輝石(hypersthene 、 モース硬度6)、
鉄けい石(ferrosilite 、モース硬度6)、エジル輝石
(aegirine、 モース硬度6)、エジリンオージャイト
(aegirineー augite、モース硬度6)、ひすい輝石(ja
deite 、モース硬度6.5)、オンファス輝石(omphac
ite、モース硬度5〜6)、リシア輝石(spodumen、モ
ース硬度6.5)、ばら輝石(rhodonite 、モース硬度
6)、直閃石(anthophyllite 、モース硬度6)、カミ
ングトン閃石(cummingtonite 、モース硬度6)、グリ
ュネ閃石(grunnerite、 モース硬度6)、透閃石(trem
olite 、モース硬度5〜6)、アクチノ閃石(actinoli
te、モース硬度5〜6)、普通角閃石(hornblende、モ
ース硬度6)、アルカリ角閃石(alkali amphiboles 、
モース硬度6)、ルチル(rutil 、モース硬度6〜6.
5)、はり長石(sanidine、モース硬度6)、正長石
(orthoclase、モース硬度6)、微斜カリ長石(microc
line、モース硬度6)、曹長石(albite、モース硬度
6)、灰長石(anorthite 、モース硬度6)、かすみ石
(nepheline 、モース硬度6)、黄鉄鉱(pyrite、モー
ス硬度6〜6.5)、赤鉄鉱(marcasite 、モース硬度
6〜6.5)、小藤石(kotoite 、モース硬度6.
5)、硬緑泥石(chloritoid、モース硬度6.5)、褐
れん石(allanite、モース硬度6.5)、マグネシウム
かんらん石(forsterite、モース硬度6.5)、鉄かん
らん石(fayalite、モース硬度6.5)、錫石(cassit
erite 、モース硬度6〜7)、ダイアスポア(diaspor
e、モース硬度6.5〜7)、石英(quartz、モース硬
度7)、鱗けい石(tridymite 、モース硬度7)、方け
い石(cristobarite、モース硬度7)、コーサイト(co
esite 、モース硬度8)、オパール(opal、蛋白石、モ
ース硬度5.5〜6.5)、ベスビアナイト(vesuvian
ite 、モース硬度7)、方ほう石(boracite、モース硬
度7)、緑れん石(epidote 、モース硬度7)、コーデ
ィエライト(cordierite、モース硬度7)、ダンビュラ
イト(danburite 、モース硬度7)、電気石(tourmali
ne、モース硬度7)、けい線石(sillimanite 、 モース
硬度7)、ざくろ石(pyralspite、モース硬度7〜7.
5)、ざくろ石(grandite、モース硬度7〜7.5)、
ジルコン(zircon、モース硬度7.5)、紅柱石(anda
lusite、モース硬度7.5)、ムライト(mullite 、モ
ース硬度7.5)、十字石(staurolite、モース硬度
7.5)、緑柱石(beryl 、モース硬度7.5〜8)、
黄玉(topaz 、モース硬度8)、金緑石(chrysoberyl
、モース硬度8.5)、鋼玉(corundum、モース硬度
9)、ガラス球(モース硬度5〜7)、中空ガラス球
(モース硬度5〜7)、ダイヤモンド(モース硬度1
0):これらの、珪酸塩、金属(水)酸化物などを中心
とした天然又は人工の鉱物又はそれを処理、精製或は加
工したもの、およびそれらの混合物が本発明に用いられ
る。モース硬度5未満の軟らかい充填剤を用いた場合に
は成形される被膜の硬度を向上させることが困難であ
る。
【0050】また、上記モース硬度5以上の充填剤の添
加量としては樹脂分100重量部に対して3〜100部
配合されるのが好ましく、より好適には5〜80部であ
る。上記充填剤の添加量が少なすぎる場合には、被膜硬
度の改善効果を得ることが困難になり、また逆に、多す
ぎる場合には、充填剤を樹脂および単量体の中に均一に
分散させることが困難になり、また粘度が高くなりすぎ
るため型内被覆時の流動が悪くなり被覆するべき表面全
体へ展開することが困難になる。
【0051】また、上記モース硬度5以上の鉱物からな
る無機充填剤の粒径としては、0.05μm〜1mmの
ものが好適であり、より好適には0.5μm〜200μ
mである。粒径が小さすぎる場合には型内被覆成形用被
覆組成物の粘度が高くなりすぎて型内における流動性が
不足し易く、成形品表面全面を被覆することが難しくな
るという欠点を有し、また逆に粒径が大きすぎる場合に
は被膜の光沢が低下しやすいという欠点を有する。
【0052】上記のようなモース硬度5以上の鉱物から
なる無機充填剤のうち、好適な例としては、上述の官能
基を有するシランカップリング剤による分散性改良効果
が特に大きく、また安価であるという理由により、ウォ
ラストナイト、石英、ガラス、ルチル等の粉末が挙げら
れ、中でも石英、ガラス等が好ましく用いられる。
【0053】無機着色顔料 請求項9,10の発明に用いる無機着色顔料とは、従来
公知のものが用いられる。例えば、酸化チタン、チタン
イエロー、ハンザイエロー、モリブデートオレンジ、黄
鉛、ジスアゾイエロー、クロムグリーン、クロムパーミ
リオン、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、マー
キュリーレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化鉄
(ベンガラ)、酸化鉄イエロー、鉄黒、アルミフレー
ク、ニッケル粉、金粉、銀粉等各種公知慣用のものが用
いられる。
【0054】また、上記無機着色顔料の粒径としては、
0.05μm〜1mmのものが好適であり、より好適に
は0.5μm〜200μmである。粒径が小さすぎる場
合には型内被覆成形用被覆組成物の粘度が高くなりすぎ
て型内における流動性が不足し易く、成形品表面全面を
被覆することが難しくなるという欠点を有し、また逆に
粒径が大きすぎる場合には被膜の光沢が低下しやすいと
いう欠点を有する。
【0055】上記のような無機着色顔料のうち、本発明
の効果が大きい例としては、酸化チタン、酸化鉄、チタ
ンイエロー、鉄黒、コバルトブルー等が挙げられ、中で
も特に効果の大きいものとして酸化チタン、チタンイエ
ロー、酸化鉄が挙げられる。これらの無機着色顔料の使
用量としては、樹脂分100重量部に対し、5〜120
重量部が好ましく、より好ましくは10〜90重量部で
ある。使用量が少なすぎる場合には充分な被膜の基材と
の密着性改良効果が得にくく、逆に多すぎる場合には型
内被覆成形用被覆組成物の粘度が高くなりすぎるために
型内被覆成形用被覆組成物の型内における流動性が不足
し易く、成形品表面全面を被覆することが難しくなると
いう欠点を有する。
【0056】配合割合 本発明の型内被覆用材料において、用いるエポキシ系成
分(エポキシ樹脂、含窒素系エポキシ樹脂硬化剤、ポリ
カルボン酸、ポリメルカプタンの総量)の量としては、
樹脂分のうち50重量%以上であることが好適であり、
より好適には70重量%以上である。用いる量が少ない
場合には、被膜の耐衝撃性、密着性が低くなり易いとい
う欠点を有する。
【0057】ここで、上記樹脂分とは、エポキシ樹脂、
エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂の他
に、含窒素系エポキシ樹脂硬化剤、ポリカルボン酸、ポ
リメルカプタンなどの様に化学反応して樹脂となり得る
成分の総量を意味する。
【0058】また、本発明の型内被覆成形用被覆組成物
に上記熱可塑性樹脂を用いる場合には、その量として
は、樹脂分のうち0.1〜15重量%であることが好適
であり、より好適には0.3〜10重量%である。用い
る量が多すぎる場合には、型内被覆用組成物の粘度が高
くなるため、型内被覆成形用被覆組成物注入時に充分な
流動性が得られにくいという欠点を有し、また逆に、少
なすぎる場合には充分な収縮改良効果が得られにくいと
いう欠点を有する。
【0059】本発明において、含窒素系エポキシ樹脂硬
化剤を用いる量としては、用いるエポキシ樹脂の種類や
含窒素系エポキシ樹脂硬化剤の種類によって異なり、理
論的には、エポキシ樹脂のエポキシ基濃度及び含窒素系
エポキシ樹脂硬化剤の活性水素量から計算されるが、お
よそ、好適には、エポキシ樹脂100重量部に対して
0.5〜35重量部であり、より好適には1〜25重量
部である。用いる量が多すぎる場合、或は少なすぎる場
合には、型内被覆成形用被覆組成物が充分に硬化せず、
固体の被膜が得られにくくなるという欠点を有する。
【0060】特に、含窒素系エポキシ樹脂硬化剤とし
て、ポリアミンを用いる場合には、およそ、好適には、
エポキシ樹脂100重量部に対して5〜35重量部であ
り、より好適には10〜25重量部である。用いる量が
多すぎる場合、或は少なすぎる場合には、型内被覆成形
用被覆組成物が充分に硬化せず、固体の被膜が得られに
くくなるという欠点を有する。
【0061】また特に、含窒素系エポキシ樹脂硬化剤と
して、イミダゾール系化合物を用いる場合には、およ
そ、好適には、エポキシ樹脂100重量部に対して0.
5〜5重量部が好適であり、より好適には1〜3重量部
である。用いる量が多すぎる場合、或は少なすぎる場合
には、型内被覆成形用被覆組成物が充分に硬化せず、固
体の被膜が得られにくくなるという欠点を有する。
【0062】本発明において、ポリメルカプタンの使用
量としては、用いるエポキシ樹脂の種類やポリメルカプ
タンの種類によって異なり、理論的には、エポキシ樹脂
のエポキシ基濃度及びポリメルカプタンのメルカプト基
濃度から計算されるが、およそ、好適には、エポキシ樹
脂100重量部に対して40〜100重量部であり、よ
り好適には50〜70重量部である。用いる量が多すぎ
る場合、或は少なすぎる場合には、型内被覆成形用被覆
組成物が充分に硬化せず、固体の被膜が得られにくくな
るという欠点を有する。
【0063】本発明において、ポリカルボン酸の使用量
としては、用いるエポキシ樹脂の種類やポリカルボン酸
の種類によって異なり、理論的には、エポキシ樹脂のエ
ポキシ基濃度及びポリカルボン酸のカルボキシル基濃度
から計算されるが、およそ、エポキシ樹脂100重量部
に対して30〜70重量部が好適であり、より好適には
40〜60重量部である。用いる量が多すぎる場合、或
は少なすぎる場合には、型内被覆成形用被覆組成物が充
分に硬化せず、固体の被膜が得られにくくなるという欠
点を有する。
【0064】請求項3,4の発明において、上記ポリイ
ソシアネート及びブロックイソシアネートの用いる量と
しては、用いるエポキシ樹脂の種及び、ポリイソシアネ
ート、ブロックイソシアネートの種によって異なるが、
エポキシ樹脂100重量部に対して2〜20重量部が好
適であり、より好適には3〜12重量部である。用いる
量が少なすぎる場合には充分な耐衝撃性の改良効果が得
られず、逆に多すぎる場合には、被覆材料が充分に硬化
せず、固体の被膜が得られにくくなるという欠点を有す
る。
【0065】上記請求項5〜10の発明において、グリ
シジル基を持つシランカップリング剤、アミノ基を持つ
シランカップリング剤、メルカプト基を持つシランカッ
プリング剤の使用量としては、用いるエポキシ樹脂の
種、シランカップリング剤の種、無機充填剤の種やこれ
らの量によって異なるが、エポキシ樹脂100重量部に
対して0.5〜10重量部が好適であり、より好適には
1〜5重量部である。用いる量が多すぎる場合には、型
内被覆成形用被覆組成物が充分に硬化せず、固体の被膜
が得られにくくなるという欠点を有する。また、用いる
量が少ない場合には、被膜の耐衝撃性、密着性が低くな
り易いという欠点を有する。
【0066】また、請求項5,6の発明の型内被覆成形
用被覆組成物には、目的及び用途に応じて、上記りん片
状無機充填剤以外の無機充填剤をも加えることができ
る。例えば、この形状がりん片状でない、以下の各種無
機充填剤、すなわち、グラファイトなどの元素鉱物、岩
塩、カリ岩塩などのハロゲン化鉱物、炭酸カルシウムな
どの炭酸塩鉱物、カルノー石などのバナジン酸塩鉱物、
重晶石(硫酸バリウム)、石膏(硫酸カルシウム)など
の硫酸塩鉱物、ほう砂などのほう酸塩鉱物、雲母、葉ろ
う石、カオリン、長石などのけい酸塩鉱物、水酸化アル
ミニウムなどの金属(水)酸化物、などを中心とした天
然又は人工の鉱物又はそれを処理、精製或は加工したも
の、およびそれらの混合物が用いられる。
【0067】また、請求項7,8の発明の型内被覆成形
用被覆組成物には、目的及び用途に応じて、上記モース
硬度5以上の鉱物からなる無機充填剤以外の無機充填剤
をも加えることができる。具体的には例えば、以下のよ
うなものがある。すなわち、グラファイトなどの元素鉱
物、岩塩、カリ岩塩などのハロゲン化鉱物、炭酸カルシ
ウムなどの炭酸塩鉱物、カルノー石などのバナジン酸塩
鉱物、重晶石(硫酸バリウム)、石膏(硫酸カルシウ
ム)などの硫酸塩鉱物、ほう砂などのほう酸塩鉱物、雲
母、葉ろう石、カオリン、長石などのけい酸塩鉱物、水
酸化アルミニウムなどの金属(水)酸化物、などを中心
とした天然又は人工の鉱物又はそれを処理、精製或は加
工したもの、およびそれらの混合物が用いられる。
【0068】なお、上記りん片状無機充填剤を、請求項
1〜4及び7〜10の発明の発明の型内被覆成形用被覆
組成物に必要に応じて適当量配合させてもよい。また、
上記モース硬度5以上の鉱物からなる無機充填剤や、上
記それ以外の鉱物よりなる無機充填剤を、請求項1〜6
及び請求項9,10に記載の発明の型内被覆成形用被覆
組成物に必要に応じて適当量配合させてもよい。
【0069】また、本発明の型内被覆成形用被覆組成物
には必要に応じて着色顔料を適当量用いることができ
る。この着色顔料としては、従来公知のものが用いられ
る。例えば、酸化チタン、ベンジンイエロー、アンスラ
キノンイエロー、チタンイエロー、ハンザイエロー、モ
リブデートオレンジ、黄鉛、ジスアゾイエロー、ベンジ
ンオレンジ、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼン
ダ、ナフトールバイオレット、クロムグリーン、フタロ
シアニングリーン、アルカリブルー、コバルトブルー、
フタロシアニンブルー、酸化鉄(ベンガラ)、銅アゾブ
ラウン、アニリンブラック、カーボンブラック、鉄黒、
アルミフレーク、ニッケル粉、金粉、銀粉等各種公知慣
用のものが用いられる。
【0070】なお、請求項9,10に記載の発明では、
上記のように無機着色顔料が必須成分として配合されて
いるが、請求項9,10に記載の発明では、上記無機着
色顔料以外に、上述したような着色顔料を適当量併用す
ることができる。
【0071】もっとも、上述した着色顔料のうち、カー
ボンブラックは本来無機顔料に分類されることもある
が、カーボンブラックでは、顔料表面が非極性であるた
め、請求項9,10に記載の無機着色顔料による効果を
十分に発揮しないため、便宜上、無機着色顔料以外の着
色顔料に分類することとする。
【0072】また、請求項1〜4の発明の型内被覆成形
用被覆組成物を着色層として用いる場合には、用いる着
色顔料の添加量としては、樹脂分100重量部に対し
て、5〜120重量部とすることが好ましく、より好ま
しくは10〜90重量部である。また、無機充填剤の添
加量としては、上記樹脂分100重量部に対し、0〜1
00重量部とすることが好ましく、より好ましくは0〜
80重量部とされる。さらに、上記着色顔料及び無機充
填剤の総量としての無機成分の合計は、樹脂分100重
量部に対し、好ましくは30〜120重量部、より好ま
しくは50〜100重量部とされる。無機充填剤及び着
色顔料の添加量が少なくすぎる場合には、充分な被膜の
隠ぺい性が得らにくいという欠点を有し、逆に多すぎる
場合には、組成物の粘度が高くなるため、型内被覆成形
用被覆組成物の注入時に充分な流動性が得られにくいと
いう欠点を有する。
【0073】また、請求項1〜4の発明の型内被覆成形
用被覆組成物を、透明感のあるトップコート層とする場
合においても、必要に応じて上記着色顔料及び無機充填
剤が添加される。この場合には、用いる着色顔料の添加
量としては、樹脂分100重量部に対して、0〜20重
量部とするのが好ましく、より好ましくは0〜10重量
部である。また、用いる無機充填剤の添加量としては、
樹脂分100重量部に対し、0〜30重量部とすること
が好ましく、より好ましくは0〜20重量部とされる。
さらに、上記着色顔料及び無機充填剤の合計、すなわち
無機成分の合計は、樹脂分100重量部に対し0〜30
重量部とすることが好ましく、より好ましくは0〜20
重量部とされる。上記無機成分の使用量が多すぎる場合
には、得られた被膜の透明性が低下し易いという欠点を
有する。
【0074】請求項5,6の発明の型内被覆成形用被覆
組成物を着色層として用いる場合には、用いる着色顔料
の添加量としては樹脂分100重量部に対して、5〜1
20重量部とすることが好ましく、より好ましくは10
〜90重量部である。また、無機充填材の添加量として
は、りん片状無機充填剤、その他の無機充填剤の和とし
て、樹脂分100重量部に対して、1〜100重量部と
することが好ましく、より好ましくは5〜80重量部で
ある。また、着色顔料、無機充填剤の総量として、30
〜120重量部添加されるのが好ましく、より好ましく
は50〜100重量部となる様に調節される。無機充填
剤、着色顔料の添加量が、少なすぎる場合には充分な被
膜の隠ぺい性が得られにくいという欠点を有し、逆に多
すぎる場合には、組成物の粘度が高くなるため、型内被
覆成形用被覆組成物の注入時に充分な流動性が得られに
くいという欠点を有する。
【0075】また、請求項5,6の発明の型内被覆成形
用被覆組成物を、透明感のあるトップコート層とする場
合においても、必要に応じて上記着色顔料、無機充填剤
を用いることができるが、この場合には、用いる着色顔
料の添加量としては樹脂分100重量部に対して、0〜
20重量部とするのが好ましく、より好ましくは0〜1
0重量部である。また、用いる無機充填剤の添加量とし
ては、りん片状無機充填剤、その他の無機充填材の和と
して、樹脂分100重量部に対して、1〜30重量部と
するのが好ましく、より好ましくは5〜20重量部であ
る。また、着色顔料及び無機充填剤の和として、樹脂分
100重量部に対し1〜30重量部とするのが好まし
く、より好ましくは5〜20重量部である。用いる量が
多すぎる場合には、被膜の透明性が低下しやすいという
欠点を有する。
【0076】請求項7,8の発明の型内被覆成形用被覆
組成物を着色層として用いる場合には、型内被覆用組成
物に用いる着色顔料の添加量としては樹脂分100重量
部に対して、5〜120重量部とすることが好ましく、
より好ましくは10〜90重量部である。また、無機充
填剤の添加量としては、モース硬度5以上の鉱物からな
る無機充填剤、その他の無機充填剤の和として、樹脂分
100重量部に対して、3〜100重量部とすることが
好ましく、より好ましくは5〜80重量部である。ま
た、着色顔料、無機充填剤の総量として、30〜120
重量部添加されるのが好ましく、より好ましくは50〜
100重量部となる様に調節される。無機充填剤、着色
顔料の添加量が、少なすぎる場合には充分な被膜の隠ぺ
い性が得られにくいという欠点を有し、逆に多すぎる場
合には、型内被覆成形用被覆組成物の粘度が高くなるた
め、型内被覆成形用被覆組成物注入時に充分な流動性が
得られにくいという欠点を有する。
【0077】また、請求項7,8の発明の型内被覆成形
用被覆組成物を、透明感のあるトップコート層とする場
合においても、必要に応じて上記着色顔料、無機充填剤
を用いることができるが、この場合には、用いる着色顔
料の添加量としては樹脂分100重量部に対して、0〜
20重量部とするのが好ましく、より好ましくは0〜1
0重量部である。また、用いる無機充填剤の添加量とし
ては、モース硬度5以上の鉱物からなる無機充填剤、そ
の他の無機充填剤の和として、樹脂分100重量部に対
して、3〜30重量部とするのが好ましく、より好まし
くは5〜20重量部である。また、着色顔料及び無機充
填剤の和として、樹脂分100重量部に対し3〜30重
量部とするのが好ましく、より好ましくは5〜20重量
部である。用いる量が多すぎる場合には、被膜の透明性
が低下しやすいという欠点を有する。
【0078】請求項9,10の発明において、各型内被
覆成形用被覆組成物を着色層として用いる場合には、各
型内被覆成形用被覆組成物に用いる着色顔料の添加量と
しては、無機顔料及び無機顔料以外の顔料の和として、
樹脂分100重量部に対して、5〜120重量部とする
ことが好ましく、より好ましくは10〜90重量部であ
る。また、無機充填剤の添加量としては樹脂分100重
量部に対して、0〜100重量部とすることが好まし
く、より好ましくは0〜80重量部である。また、着色
顔料、無機充填剤の総量として30〜120重量部添加
されるのが好ましく、より好ましくは50〜100重量
部となる様に調節される。無機充填剤、着色顔料の添加
量が、少なすぎる場合には充分な被膜の隠ぺい性が得ら
れにくいという欠点を有し、逆に多すぎる場合には、型
内被覆成形用被覆組成物の粘度が高くなるため、型内被
覆用組成物注入時に充分な流動性が得られにくいという
欠点を有する。
【0079】また、請求項9,10の発明の型内被覆成
形用被覆組成物を、透明感のあるトップコート層として
用いる場合の着色顔料の配合割合は、樹脂分100重量
部に対して5〜20重量とするのが好ましく、より好ま
しくは5〜10重量部である。また、用いる無機充填剤
の量としては、樹脂分100重量部に対して0〜30重
量部が好ましく、より好ましくは0〜20重量部であ
る。また、着色顔料及び無機充填剤の合計量として、樹
脂分100重量部に対して5〜30重量部とするのが好
ましく、より好ましくは5〜20重量部である。用いる
量が多すぎる場合には被膜の透明性が低下し易いという
欠点を有する。
【0080】また、請求項1〜10の発明の型内被覆成
形用被覆組成物には、補強材として、各種補強繊維、す
なわちガラス繊維、炭素繊維などを必要に応じて適当量
加えることができる。またさらに本発明の型内被覆成形
用被覆組成物には、必要に応じて、スチレン、アルファ
メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、
ジアリルフタレート、各種アクリレートモノマー、各種
メタクリレートモノマーなどの重合性単量体、ジメチル
アニリン、ナフテン酸コバルトなどの公知の硬化促進
剤、パラベンゾキノンなどの重合禁止剤、アゾ系染料や
アントラキノン系、インジゴイド系、スチルベン系など
の染料、カーボンブラックなどの導電性付与剤、乳化
剤、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類、脂肪族燐酸塩、
レシチンなどの離型剤などを用途、目的に応じて適当量
加えることができる。
【0081】上記のような各種配合材料を用いて、本発
明の型内被覆成形用被覆組成物は得られるが、その組成
物の性状としては、1000ポイズ以下の粘度に調整さ
れることが好ましい。1000ポイズ以上の粘度になる
と、型内における流動性が悪くなり易いという欠点を有
する。
【0082】好ましい配合例 上記の様な各種配合材料を用いて、本発明の型内被覆成
形用被覆組成物は得られるが、請求項1の発明の型内被
覆成形用被覆組成物としては、具体的には例えば、重量
部で(以下、部は重量部を意味する。)、エポキシ樹脂
70〜95部、ポリアミン5〜20部、ポリスチレン、
ポリ酢酸ビニルなどの熱可塑性樹脂0〜5部を加えて1
00部とし、これに対して、酸化チタン、酸化鉄、カー
ボンブラック、チタンイエローなどの着色顔料10〜8
0部、及び炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の充
填剤粉末0〜70部からなる無機成分合計60〜90部
を加えたものが、好適に用いられる。
【0083】また、請求項2の発明の型内被覆成形用被
覆組成物としては、具体的には例えば、エポキシ樹脂5
5〜90部、ポリカルボン酸またはポリメルカプタン2
0〜45部、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニルなどの熱可
塑性樹脂0〜5部を加えて100部とし、これに対し
て、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、チタンイ
エローなどの着色顔料10〜80部、及び炭酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム等の充填剤粉末0〜70部から
なる無機成分合計60〜90部を加えたものが、好適に
用いられる。
【0084】請求項3の発明の型内被覆成形用被覆組成
物としては、具体的には例えば、エポキシ樹脂60〜9
0部、ポリアミン5〜20部、ポリイソシアネートまた
はブロックイソシアネート3〜12部、ポリメチルメタ
クリレート、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニルなどの熱可
塑性樹脂0〜5部を加えて100部とし、これに、酸化
チタン、酸化鉄、カーボンブラック、チタンイエローな
どの着色顔料10〜80部、及び炭酸カルシウム、水酸
化アルミニウム等の充填剤粉末0〜70部からなる無機
成分合計60〜90部を加えたものが、好適に用いられ
る。
【0085】また、請求項4の発明の型内被覆成形用被
覆組成物としては、具体的には例えば、エポキシ樹脂5
0〜75部、ポリカルボン酸無水物またはポリメルカプ
タン20〜40部、ポリイソシアネートまたはブロック
イソシアネート3〜12部、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニルなどの熱可塑性樹脂
0〜5部を加えて100部とし、これに、酸化チタン、
酸化鉄、カーボンブラック、チタンイエローなどの着色
顔料10〜80部、及び炭酸カルシウム、水酸化アルミ
ニウム等の充填剤粉末0〜70部からなる無機成分合計
60〜90部を加えたものが、好適に用いられる。
【0086】請求項5の発明の型内被覆成形用被覆組成
物としては、具体的には例えば、ポリアミンを用いた場
合には、エポキシ樹脂70〜95部、ポリアミン5〜2
0部、グリシジル基を持つシランカップリング剤、アミ
ノ基を有するシランカップリング剤又はメルカプト基を
有するシランカップリング剤1〜5部、ポリメチルメタ
クリレート、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニルなどの熱可
塑性樹脂0〜5部を加えて100部とし、これに対し
て、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、チタンイ
エローなどの着色顔料10〜80部、タルク、マイカな
どのりん片状無機充填剤5〜70部、炭酸カルシウム、
水酸化アルミニウム等の充填剤粉末0〜70部からなる
無機成分合計60〜90部を加えたものが、好適に用い
られる。
【0087】また例えば、イミダゾール系化合物を用い
た場合には、エポキシ樹脂84〜97部、イミダゾール
系化合物1〜3部、グリシジル基を持つシランカップリ
ング剤、アミノ基を有するシランカップリング剤又はメ
ルカプト基を有するシランカップリング剤1〜5部、ポ
リメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニ
ルなどの熱可塑性樹脂0〜5部を加えて100部とし、
これに対して、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラッ
ク、チタンイエローなどの着色顔料10〜80部、タル
ク、マイカなどのりん片状無機充填剤5〜70部、炭酸
カルシウム、水酸化アルミニウム等の充填剤粉末0〜7
0部からなる無機成分合計60〜90部を加えたもの
が、好適に用いられる。
【0088】また、請求項6の発明の型内被覆成形用被
覆組成物としては、例えば、エポキシ樹脂60〜75
部、ポリカルボン酸又はポリメルカプタン20〜45
部、グリシジル基を持つシランカップリング剤、アミノ
基を有するシランカップリング剤又はメルカプト基を有
するシランカップリング剤1〜5部、ポリメチルメタク
リレート、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニルなどの熱可塑
性樹脂0〜5部を加えて100部とし、これに対して、
酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、チタンイエロ
ーなどの着色顔料10〜80部、タルク、マイカなどの
りん片状無機充填剤5〜70部、炭酸カルシウム、水酸
化アルミニウム等の充填剤粉末0〜70部からなる無機
成分合計60〜90部を加えたものが、好適に用いられ
る。
【0089】請求項7の発明の型内被覆成形用被覆組成
物としては、具体的には例えば、ポリアミンを用いた場
合には、エポキシ樹脂70〜95部、ポリアミン5〜2
0部、グリシジル基を持つシランカップリング剤、アミ
ノ基を有するシランカップリング剤又はメルカプト基を
有するシランカップリング剤1〜5部、ポリメチルメタ
クリレート、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニルなどの熱可
塑性樹脂0〜5部を加えて100部とし、これに対し
て、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、チタンイ
エローなどの着色顔料10〜80部、モース硬度5以上
の鉱物からなる無機充填剤5〜70部、炭酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム等の充填剤粉末0〜70部から
なる無機成分合計60〜90部を加えたものが、好適に
用いられる。
【0090】また例えば、イミダゾール系化合物を用い
た場合には、エポキシ樹脂84〜97部、イミダゾール
系化合物1〜3部、グリシジル基を持つシランカップリ
ング剤、アミノ基を有するシランカップリング剤又はメ
ルカプト基を有するシランカップリング剤1〜5部、ポ
リメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニ
ルなどの熱可塑性樹脂0〜5部を加えて100部とし、
これに対して、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラッ
ク、チタンイエローなどの着色顔料10〜80部、タル
ク、マイカなどのりん片状無機充填剤5〜70部、炭酸
カルシウム、水酸化アルミニウム等の充填剤粉末0〜7
0部からなる無機成分合計60〜90部を加えたもの
が、好適に用いられる。
【0091】また、請求項8の発明の型内被覆成形用被
覆組成物としては、例えば、エポキシ樹脂60〜75
部、ポリカルボン酸又はポリメルカプタン20〜45
部、グリシジル基を持つシランカップリング剤、アミノ
基を有するシランカップリング剤又はメルカプト基を有
するシランカップリング剤1〜5部、ポリメチルメタク
リレート、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニルなどの熱可塑
性樹脂0〜5部を加えて100部とし、これに対して、
酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、チタンイエロ
ーなどの着色顔料10〜80部、モース硬度5以上の鉱
物からなる無機充填剤5〜70部、炭酸カルシウム、水
酸化アルミニウム等の充填剤粉末0〜70部からなる無
機成分合計10〜100部を加えたものが、好適に用い
られる。
【0092】請求項9の発明の型内被覆成形用被覆組成
物としては、具体的には例えば、ポリアミンを用いた場
合には、エポキシ樹脂70〜95部、ポリアミン5〜2
0部、グリシジル基を持つシランカップリング剤、アミ
ノ基を有するシランカップリング剤又はメルカプト基を
有するシランカップリング剤1〜5部、ポリメチルメタ
クリレート、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑
性樹脂0〜5部を加えて100部とし、これに対して、
酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、チタンイエロ
ー等の着色顔料10〜80部、炭酸カルシウム、水酸化
アルミニウム等の充填剤粉末0〜70部からなる無機成
分合計60〜90部を加えたものが、好適に用いられ
る。
【0093】また例えば、イミダゾール系化合物を用い
た場合には、エポキシ樹脂84〜97部、イミダゾール
系化合物1〜3部、グリシジル基を持つシランカップリ
ング剤、アミノ基を有するシランカップリング剤又はメ
ルカプト基を有するシランカップリング剤1〜5部、ポ
リメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニ
ル等の熱可塑性樹脂0〜5部を加えて100部とし、こ
れに対して、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、
チタンイエロー等の着色顔料10〜80部、炭酸カルシ
ウム、水酸化アルミニウム等の充填剤粉末0〜70部か
らなる無機成分合計60〜90部を加えたものが、好適
に用いられる。
【0094】また、請求項10の発明の型内被覆成形用
被覆組成物としては、例えば、エポキシ樹脂60〜75
部、ポリカルボン酸又はポリメルカプタン20〜45
部、グリシジル基を持つシランカップリング剤、アミノ
基を有するシランカップリング剤又はメルカプト基を有
するシランカップリング剤1〜5部、ポリメチルメタク
リレート、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性
樹脂0〜5部を加えて100部とし、これに対して、酸
化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、チタンイエロー
等の着色顔料10〜80部、炭酸カルシウム、水酸化ア
ルミニウム等の充填剤粉末0〜70部からなる無機成分
合計60〜90部を加えたものが、好適に用いられる。
【0095】ここで、請求項1〜4の発明の型内被覆成
形用被覆組成物を透明トップコート層として用いる場合
には、樹脂分100部に対し、着色顔料0〜8部及び炭
酸カルシウムや水酸化アルミニウム等の無機充填剤0〜
10部からなる無機成分の合計は0〜15部とすること
が好ましい。
【0096】また、請求項5,6の発明の型内被覆成形
用被覆組成物を透明感のあるトップコート層に用いる場
合には、樹脂分100部に対して、着色剤0〜8部、り
ん片状無機充填剤5〜10部及び炭酸カルシウムや水酸
化アルミニウム等の無機充填剤0〜10部からなる無機
成分の合計は、5〜15部とすることが好ましい。
【0097】また、請求項7,8の発明の型内被覆成形
用被覆組成物を透明感のあるトップコート層にもちいる
場合には、樹脂分100部に対して、着色剤0〜8部、
モース硬度5以上の鉱物からなる無機充填剤5〜10部
及び炭酸カルシウムや水酸化アルミニウム等の無機充填
剤0〜10部からなる無機成分の合計は、5〜15部と
することが好ましい。
【0098】また、請求項9,10の発明の型内被覆成
形用被覆組成物を透明感のあるトップコート層に用いる
場合には、樹脂分100部に対して、着色剤5〜8部、
及び炭酸カルシウムや水酸化アルミニウム等の無機充填
剤0〜10部からなる無機成分の合計は、5〜15部と
することが好ましい。
【0099】また、本発明の型内被覆成形用被覆組成物
を用いる被覆成形において、成形材料として用いる材料
としては、SMC、BMC等の熱硬化性樹脂材料の他
に、射出成形に用いる熱可塑性樹脂材料等、従来公知の
プレス成形、射出成形等に用いられている各種成形材料
が使用可能である。
【0100】中でも、プレス成形用熱硬化性樹脂組成物
が好ましく用いられ、具体的に例えば、熱硬化性樹脂と
して不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリレート
(ビニルエステル)樹脂、ウレタンアクリレート樹脂な
どが用いられ、必要に応じて各種充填剤、補強材、添加
剤等を加えることができ、従来公知の方法により、SM
C或はBMC等の形態を持つ熱硬化性樹脂組成物として
用いることができる。より具体的には、例えば、不飽和
ポリエステル樹脂液(スチレン濃度30〜60%)70
〜100重量部にポリスチレン樹脂等のスチレン溶液
(スチレン濃度約30〜60%)0〜30部を加えて1
00重量部とし、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウ
ム、ガラス粉末等の充填剤100〜300部、ターシャ
リーブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物
0.5〜3部、酸化マグネシウム等の増粘剤0.5〜3
部、ステアリン酸亜鉛等の離型剤0.5〜5部程度を混
練し、ガラス繊維等の補強材10〜100部に含浸して
SMC或はBMCの形態としたものが、好適に用いられ
る。
【0101】このようにして得られた型内被覆成形用被
覆組成物及び成形材料は、従来公知の型内被覆成形に用
いることができる。例えば130〜160℃に加熱され
た成形金型内にSMCを入れて40〜120kg/cm
2 の圧力で30秒〜5分間加圧成形した後金型をわずか
に開いて型内被覆用組成物を注入し、次いで5〜120
kg/cm2 、130〜160℃で30秒〜5分間再加
熱再加圧することにより、成形されたSMCの表面全体
に型内被覆用組成物を展延し、硬化させて被膜を形成さ
せるという方法がある。
【0102】上記成形方法に用いる型内被覆成形用被覆
組成物は、1000ポイズ以下の粘度に調整されている
ことが好ましい。粘度が高すぎる場合には、型内におけ
る流動性が悪くなり易いという欠点を有する。
【0103】また、特公平4−33252に開示されて
いるように、SMCを130〜160℃、40〜120
kg/cm2 で数十秒〜数分間加圧成形した後圧力を1
0〜30kg/cm2 に減圧した状態で高圧注入機を用
いて100〜300kg/cm2 の高圧で型内被覆成形
用被覆組成物を型内に注入し再び30〜100kg/c
2 に増圧して型内被覆成形用被覆組成物を展延硬化さ
せるという方法もあり、これらの型内被覆方法に本発明
の型内被覆成形用被覆組成物を用いれば、容易に耐衝撃
性、密着性、硬度の良好な被覆体を形成することができ
る。
【0104】上記成形方法に用いる型内被覆成形用被覆
組成物は、500ポイズ以下の粘度に調整されているこ
とが好ましい。粘度が高すぎる場合には、注入機への負
担が大きくなって、注入機が故障を起こし易いという欠
点を有する。
【0105】
【作用】従来の型内被覆成形用被覆組成物より得られる
被膜は、耐衝撃性、硬度が劣るという欠点があった。し
かしながら、本発明の熱硬化性樹脂組成物に含有される
エポキシ樹脂は、その樹脂の特性として、非常に靱性が
あるものであり、耐衝撃性の良好なものである。また、
硬化収縮も少ないため、硬化時の残留応力も少なく、こ
のことによっても耐衝撃性が改良される。また、基材と
の界面における残留応力も少なくなるため、密着性が改
良される。
【0106】また、ビスフェノールA型等のグリシジル
エーテル型のエポキシ樹脂を用いた場合には、その樹脂
骨格中にエーテル結合が存在するため、そのことによっ
ても靱性が良好となり、耐衝撃性が良好となる。
【0107】また、含窒素系エポキシ樹脂硬化剤として
ポリアミンを用いた場合には、アミノ基がエポキシ樹脂
末端のグリシジル基と反応して、R1 NHCH2 CH
(OH)R2 (R1 :ポリアミン残基、R2 :エポキ
シ樹脂残基)の形の3次元架橋構造を作り、樹脂は硬化
して、良好な硬化被膜が得られる。
【0108】また、含窒素系エポキシ樹脂硬化剤として
イミダゾール系化合物を用いた場合には、イミダゾール
系化合物が、エポキシ樹脂末端のグリシジル基の開環重
合の触媒となり、RCH2 CH(CH3 )OCH(CH
3 )(CH2 R)O− (R:エポキシ樹脂残基)の形
の3次元架橋構造を作り、樹脂は硬化して、良好な硬化
被膜が得られる。このとき、上記のようにエポキシ樹脂
の架橋構造はポリエーテル結合となるため、硬化樹脂
は、このことによっても優れた靱性を持ち、その結果、
耐衝撃性が良好になる。
【0109】また、ポリカルボン酸を用いた場合には、
カルボキシル基がエポキシ樹脂末端のグリシジル基と反
応して、R1 COOCH2 CH(OH)R2 (R1
ポリカルボン酸残基、R2 :エポキシ樹脂残基)の形の
3次元架橋構造を作り、樹脂は硬化して、良好な硬化被
膜が得られる。
【0110】また、ポリメルカプタンを用いた場合に
は、メルカプト基がエポキシ樹脂末端のグリシジル基と
反応して、R1 SCH2 CH(OH)R2 (R1 :ポ
リメルカプタン残基、R2 :エポキシ樹脂残基)の形の
3次元架橋構造を作り、樹脂は硬化して、良好な硬化被
膜が得られる。このとき、上記のようにエポキシ樹脂の
架橋構造はチオエーテル構造となるため、硬化樹脂は、
このことによっても優れた靱性を持ち、その結果、耐衝
撃性が良好になる。
【0111】また、請求項3,4の発明において用い
る、ポリイソシアネートまたはブロックイソシアネート
はさらに、硬化したエポキシ樹脂に残存する水酸基に反
応してウレタン結合を形成し、主鎖のエポキシ樹脂間を
ウレタン架橋する作用を持ち、このウレタン架橋により
さらに樹脂の靱性が増し、耐衝撃性が改良される。これ
らの作用の総合効果により、得られる被膜の耐衝撃性、
密着性は良好なものとなる。
【0112】さらに、請求項5,6の発明において用い
るりん片状無機充填剤は、流動中に配向して横方向に向
いた形で被膜の中に存在するが、この無機充填剤は、硬
化時の横方向即ち基材との界面と水平の方向の収縮を邪
魔するため、被膜の横方向の硬化収縮は小さくなり、こ
のため、基材と被膜の界面の残留応力は少なくなり、よ
って被膜の密着性が改良される。
【0113】また、請求項7,8の発明の熱硬化性樹脂
組成物においては、モース硬度5以上の無機充填剤が含
有されることにより、被膜の硬度が改良される。
【0114】ところで、この様な無機充填剤をエポキシ
系樹脂に用いる場合には、その樹脂中での無機充填剤の
分散性が悪く、硬化被膜においてミクロに観察した際
に、分散不良のために極端に充填剤リッチとなる部分と
樹脂リッチになる部分とが存在し、その充填剤リッチで
ある部分において割れが起こり易く、被膜の耐衝撃性が
低下するという欠点があった。
【0115】しかしながら、請求項5〜10の発明に用
いる、グリシジル基を有するシランカップリング剤は、
グリシジル基が、含窒素系エポキシ樹脂硬化剤、ポリカ
ルボン酸、ポリメルカプタンとの反応を介してエポキシ
樹脂と反応し、かつ、アルコキシル基から加水分解され
て生成するシラノール基が型内被覆用組成物中の無機充
填剤表面の水酸基と反応するため、無機充填剤の型内被
覆用組成物中の分散性が非常に良好になり、そのことに
より、被膜の耐衝撃性は改善される。
【0116】また、本発明に用いる、アミノ基を有する
シランカップリング剤は、アミノ基が、エポキシ樹脂と
反応し、かつ、アルコキシル基から加水分解されて生成
するシラノール基が型内被覆成形用被覆組成物中の無機
充填剤表面の水酸基と反応するため、無機充填剤の型内
被覆成形用被覆組成物中の分散性が非常に良好になり、
そのことにより、被膜の耐衝撃性は改善される。
【0117】また、本発明に用いる、メルカプト基を有
するシランカップリング剤は、メルカプト基が、エポキ
シ樹脂と反応し、かつ、アルコキシル基から加水分解さ
れて生成するシラノール基が型内被覆成形用被覆組成物
中の無機充填剤表面の水酸基と反応するため、無機充填
剤の型内被覆成形用被覆組成物中の分散性が非常に良好
になり、そのことにより、被膜の耐衝撃性は改善され
る。
【0118】しかしながら、本発明に用いる、グリシジ
ル基を有するシランカップリング剤は、グリシジル基
が、含窒素系エポキシ樹脂硬化剤、ポリカルボン酸、ポ
リメルカプタンとの反応を介してエポキシ樹脂と反応
し、かつ、アルコキシル基から加水分解されて生成する
シラノール基が型内被覆成形用被覆組成物中の無機充填
剤表面の水酸基と反応するため、無機充填剤の型内被覆
成形用被覆組成物中の分散性が非常に良好になり、その
ことにより、被膜の耐衝撃性は改善される。
【0119】また、本発明に用いる、アミノ基を有する
シランカップリング剤は、アミノ基が、エポキシ樹脂と
反応し、かつ、アルコキシル基から加水分解されて生成
するシラノール基が型内被覆成形用被覆組成物中の無機
充填剤表面の水酸基と反応するため、無機充填剤の型内
被覆成形用被覆組成物中の分散性が非常に良好になり、
そのことにより、被膜の耐衝撃性は改善される。
【0120】また、本発明に用いる、メルカプト基を有
するシランカップリング剤は、メルカプト基が、エポキ
シ樹脂と反応し、かつ、アルコキシル基から加水分解さ
れて生成するシラノール基が型内被覆成形用被覆組成物
中の無機充填剤表面の水酸基と反応するため、無機充填
剤の型内被覆成形用被覆組成物中の分散性が非常に良好
になり、そのことにより、被膜の耐衝撃性は改善され
る。
【0121】ところで、無機着色顔料をエポキシ系樹脂
に用いる場合には、その樹脂中での分散性が悪く、その
ため、被膜の光沢が低下するという欠点があった。しか
しながら、請求項9,10の発明に用いる、グリシジル
基を有するシランカップリング剤は、グリシジル基が、
含窒素系エポキシ樹脂硬化剤、ポリカルボン酸、ポリメ
ルカプタン、イミダゾール系化合物との反応を介してエ
ポキシ樹脂と反応し、かつ、アルコキシル基から加水分
解されて生成するシラノール基が型内被覆用組成物中の
無機着色顔料表面の水酸基と反応するため、無機着色顔
料の分散性が非常に良好になり、そのことにより、被膜
の光沢は改善される。
【0122】また、請求項9,10の発明に用いる、ア
ミノ基を有するシランカップリング剤は、アミノ基が、
エポキシ樹脂と反応し、かつ、アルコキシル基から加水
分解されて生成するシラノール基が型内被覆成形用被覆
組成物中の無機着色顔料表面の水酸基と反応するため、
無機着色顔料の型内被覆成形用被覆組成物中の分散性が
非常に良好になり、そのことにより、被膜の光沢は改善
される。
【0123】また、請求項9,10の発明に用いる、メ
ルカプト基を有するシランカップリング剤は、メルカプ
ト基が、エポキシ樹脂と反応し、かつ、アルコキシル基
から加水分解されて生成するシラノール基が型内被覆成
形用被覆組成物中の無機着色顔料表面の水酸基と反応す
るため、無機着色顔料の型内被覆成形用被覆組成物中の
分散性が非常に良好になり、そのことにより、被膜の光
沢は改善される。
【0124】この様な、各作用の総合的な効果により、
本発明の型内被覆成形用被覆組成物から得られる被膜
は、耐衝撃性、光沢及び密着性の良好なものとなる。
【0125】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。以
下、特に断らない限り、部とは重量部を意味する。
【0126】なお、各成形材料、被覆材料として用いた
各樹脂、各化合物の略称が共通のものは全て同じ製法で
得られ、同じ特性を有する同一のものである。
【0127】A.請求項1,2の発明の実施例 1.成形材料の調製 成形材料としては以下のものを用いた。 (1)不飽和ポリエステル樹脂液(イソフタル酸系の不
飽和ポリエステル樹脂をスチレンに溶解したもの、スチ
レン濃度40重量%、以下、UPと略す)70部 (2)ポリスチレン樹脂液(重量平均分子量約9万5千
のポリスチレン樹脂を、スチレンに溶解したもの、スチ
レン濃度65重量%、以下、PStと略す)30部 (3)炭酸カルシウム粉末(NS−100:日東粉化社
製、以下、CaCO3 と略す)120部 (4)硬化剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾエ
ート、以下、TBPBと略す)1部 (5)増粘剤(酸化マグネシウム粉末、キョーワマグ1
50:協和化学工業社製)1部 (6)内部離型剤(ステアリン酸亜鉛:堺化学工業社
製)3部 (7)ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製のロービン
グ:ER4630LBD166Wを長さ25mmに切断し
たもの、以下、GFと略す)70部 上記配合材料のうち(1)〜(6)の配合材料を混合、
充分に混練を行った後、SMC製造装置により(7)の
ガラス繊維に含浸させ、SMCを得た。
【0128】2.型内被覆材料の調製 型内被覆材料の配合材料としては以下のものを用いた。 (1)エポキシ樹脂1(GY250、ビスフェノールA
タイプのエポキシ樹脂、数平均分子量約370、エポキ
シ当量180〜190、日本チバガイギー社製、以下、
EP1と略す) (2)エポキシ樹脂2(EPN1139、フェノールノ
ボラックタイプのエポキシ樹脂、日本チバガイギー社
製、数平均分子量約700、エポキシ当量172〜17
9、以下、EP2と略す) (3)エポキシ樹脂3(MY720、グリシジルアミン
タイプのエポキシ樹脂、日本チバガイギー社製、数平均
分子量約500、エポキシ当量118〜133、以下、
EP3と略す) (4)ジエチレントリアミン(以下、DTAと略す) (5)テトラエチレンペンタミン(以下、TEPAと略
す) (6)トリメチロールプロパントリ(メルカプトアセテ
ート)(以下、TMPMAと略す) (7)1,3−ジメルカプトプロパン(以下、DMPと
略す) (8)メチルテトラヒドロ無水フタル酸(以下、MTP
Aと略す) (9)アジピン酸(以下、ADAと略す) (10)2−エチル−4−メチルイミダゾール(以下、
2E4MZと略す) (11)2−フェニルイミダゾール(以下、2PZと略
す) (12)不飽和ポリエステル樹脂液(イソフタル酸系の
不飽和ポリエステル樹脂をスチレンに溶解したもの、ス
チレン濃度40重量%、以下、UPと略す) (13)エポキシアクリレート樹脂液(ビスフェノール
A型エポキシ樹脂の両末端をメタクリル酸エステル化し
たもの(数平均分子量約1200)をスチレンに溶解し
たもの、スチレン濃度30重量%、以下、EAcと略
す) (14)ウレタンアクリレート樹脂(ポリエチレングリ
コールの両末端にトリレンジイソシアネートを付加さ
せ、さらにその両末端に2ヒドロキシエチルメタクリレ
ートを付加させたもの(数平均分子量約900)をスチ
レンに溶解したもの、スチレン濃度30重量%、以下、
UAcと略す) (15)開始剤(TBPB:ターシャリーブチルパーオ
キシベンゾエート) (16)炭酸カルシウム(NS−100:日東粉化社
製、以下、CaCO3 と略す) (17)白色着色顔料(酸化チタン、SR−1、平均粒
径約0.2μm、堺化学工業社製、以下Tiと略す) を以下の配合表に従い混合、充分に攪拌し、型内被覆材
料を得た。
【0129】3.成形方法 このようにして得られたSMC及び被覆材料を、以下の
ように成形した。上型を150℃、下型を150℃に加
熱した30cm×30cmの正方形の平板の金型内に上
記SMCを約700gチャージし(これは約4ミリの厚
みに相当する)、100kg/cm2の圧力で100秒
間加圧成形した後金型をわずかに開いて上記被覆材料を
10ml注入し、再び金型を閉めて80kg/cm2
300秒間再加熱再加圧することにより、成形されたS
MCの表面全体に被覆材料を展延し、硬化させて被膜を
形成させた。その後型を開いて脱型し、表面を厚み約1
00μの被膜で被覆された成形品を得た。
【0130】4.評価方法 この様にして得られた成形品について、JIS−K−5
400「塗料一般試験方法」6.13.3「耐衝撃性」
に従い、衝撃変形試験を行った。即ち、受け型の上に試
験片を置き、その上に撃ち型を置き、その上に500g
のおもりを落下させる方法で評価を行った。おもりを落
とす高さは、5cmから5cm間隔で最高60cmとし
た。おもりを撃ち型の上に落下させた後に被膜表面のひ
び割れ有無を目視にて観察した。試験は各高さにおいて
5回ずつ行い、そのうち4回以上ひび割れ無しとなる最
高の高さを測定した。
【0131】また、この成形品の表面にカッターナイフ
を用いて2mm間隔で11本の素地に達する直線を平行
に引き、さらにそれに直交する11本の直線を2mm間
隔で引いてできた碁盤目状の部分に粘着テープ(積水化
学工業社製、セロテープ)を貼り付けた後、引き剥し、
碁盤目のますの残存数を調べることにより被覆層の密着
性を評価した(碁盤目密着試験)。
【0132】上記耐衝撃性及び密着性の評価結果を表1
〜3に記す。以下に各実施例を説明する。請求項1の発
明に関するものは実施例1〜6である。請求項2の発明
に関するものは実施例7〜12である。
【0133】5.実施例1〜12 以下の表1に従い、被覆材料を調製し、上記成形方法に
より作製した試験片を上記評価方法により評価した。そ
の結果、得られた被覆成形品は良好な耐衝撃性、密着性
を示した。
【0134】6.比較例1〜4 以下の表2に従い、被覆材料を調製し、上記成形方法に
より作製した試験片を上記評価方法により評価した。そ
の結果、得られた被覆成形品は耐衝撃性、密着性が低い
ものであった。
【0135】
【表1】
【0136】
【表2】
【0137】B.請求項3,4に記載の発明の実施例 1.成形材料の調製 成形材料としては、〔A.請求項1,2に記載の発明の
実施例〕で用意したSMCを用いた。
【0138】2.型内被覆材料の調製 型内被覆材料の配合材料としては以下のものを用いた。 (1)エポキシ樹脂1(実施例1〜12で用いたものと
同じEP1) (2)エポキシ樹脂2(実施例1〜12で用いたものと
同じEP2) (3)エポキシ樹脂3(実施例1〜12で用いたものと
同じEP3) (4)ジエチレントリアミン(DTA) (5)テトラエチレンペンタミン(TEPA) (6)トリメチロールプロパントリ(メルカプトアセテ
ート)(TMPMA) (7)1,3−ジメルカプトプロパン(DMP) (8)メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTPA) (9)アジピン酸(ADA) (10)2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4
MZ) (11)2−フェニルイミダゾール(2PZ) (12)トリレンジイソシアネート(以下、TDIと略
す) (13)ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HD
Iと略す) (14)ブロックイソシアネート1(トリレンジイソシ
アネートのフェノール付加物、以下、BI1と略す) (15)ブロックイソシアネート2(ヘキサメチレンジ
イソシアネートのメチルエチルケトオキシム付加物、以
下、BI2と略す) (16)不飽和ポリエステル樹脂液(以下、UPと略
す) (17)エポキシアクリレート樹脂液(EAc) (18)ウレタンアクリレート樹脂(UAc) (19)開始剤(TBPB:ターシャリーブチルパーオ
キシベンゾエート) (20)炭酸カルシウム(CaCO3 ) (21)白色着色顔料(Ti) を以下の配合表に従い混合、充分に攪拌し、型内被覆材
料を得た。
【0139】3.成形方法 被覆層付き成形品を得る成形方法は、〔A.請求項1,
2に記載の発明の実施例〕における成形方法と同様にし
て行った。
【0140】4.評価方法 評価方法については、〔A.請求項1,2に記載の発明
の実施例〕についての評価方法と同様にして行った。
【0141】以下、各実施例を説明する。請求項3に記
載の発明に関する実施例は、実施例21〜23、30〜
35、42〜44である。請求項4に記載の発明に関す
る実施例は、実施例24〜29及び36〜41である。
【0142】5.実施例21〜44 以下の表3,4に従い、被覆材料を調製し、上記成形方
法により作製した試験片を上記試験方法により評価し
た。その結果、得られた被覆成形品は良好な耐衝撃性及
び密着性を示した。
【0143】6.比較例21〜32 以下の表5に従い、被覆材料を調製し、上記成形方法に
より作製した試験片を上記試験方法により評価した。そ
の結果、得られた被覆成形品は、密着性は良好であった
が、耐衝撃性が低いものであった。
【0144】
【表3】
【0145】
【表4】
【0146】
【表5】
【0147】C.請求項5,6に記載の発明の実施例 1.成形材料の調製 成形材料は、〔A.請求項1,2に記載の発明の実施
例〕で用意したSMCを用いた。
【0148】2.型内被覆材料の調製 型内被覆材料の配合材料としては以下のものを用いた。 (1)エポキシ樹脂1(EP1) (2)エポキシ樹脂2(EP2) (3)エポキシ樹脂3(EP3) (4)ジエチレントリアミン(DTA) (5)テトラエチレンペンタミン(TEPA) (6)トリメチロールプロパントリ(メルカプトアセテ
ート)(TMPMA) (7)1,3−ジメルカプトプロパン(DMP) (8)メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTPA) (9)アジピン酸(ADA) (10)2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4
MZ) (11)2−フェニルイミダゾール(2PZ) (12)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(以下、GPSと略す) (13)(γ−グリシドキシプロピル)メチルジエトキ
シシラン(以下、GMESと略す) (14)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(以
下、APSと略す) (15)p−アミノフェニルトリメトキシシラン(以
下、APHSと略す) (16)γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
(以下、MPSと略す) (17)(メルカプトメチル)メチルジエトキシシラン
(以下、MMESと略す) (18)タルク(りん片状、アスペクト比約30、丸尾
カルシウム社製:商品名LMP) (19)雲母(りん片状、アスペクト比約30、大阪マ
イカ工業社製:商品名マイカパウダー) (20)カオリン(りん片状、アスペクト比約2、丸尾
カルシウム社製:商品名HAカオリン) (21)不飽和ポリエステル樹脂液(UP) (22)エポキシアクリレート樹脂液(EAc) (23)ウレタンアクリレート樹脂(UAc) (24)開始剤(TBPB) (25)炭酸カルシウム(CaCO3 ) (26)白色着色顔料(Ti) を以下の配合表に従い混合、充分に攪拌し、型内被覆材
料を得た。
【0149】3.成形方法 〔A.請求項1,2に記載の発明の実施例〕における成
形方法を採用した。
【0150】4.評価方法 上記のようにして得た被覆層付き成形品について、
〔A.請求項1,2に記載の発明の実施例〕の場合と同
様に、耐衝撃性を評価した。また、得られた被覆層付き
形成品の被覆層の密着性を、上記碁盤目密着試験により
評価し、初期密着性評価とした。
【0151】さらに、得られた被覆層付き成形品から、
10cm×10cmの試験片を切り出し、プログラム式
オーブンにて、80℃×5時間→23℃×1時間→−3
0℃×5時間→23℃×1時間→を1サイクルとし、こ
の冷熱サイクルを10サイクル連続で繰り返した。冷熱
繰り返し試験終了後の試験片について、上記と同様に碁
盤目密着試験を行い、2次密着性を評価した。
【0152】上記のようにして得られた結果を、下記の
表6〜10に示す。以下、各実施例を説明する。請求項
5に記載の発明の実施例は、実施例51〜62及び87
〜98である。請求項6に記載の発明の実施例は、実施
例63〜86である。
【0153】5.実施例51〜98 以下の表6〜9に従い、被覆材料を調製し、上記成形方
法により作製した試験片を上記試験方法により評価し
た。その結果、得られた被覆成形品は良好な耐衝撃性、
密着性を示した。
【0154】6.比較例51〜62 以下の表10に従い、被覆材料を調製し、上記成形方法
により作製した試験片を上記試験方法により評価した。
その結果、得られた被覆成形品は耐衝撃性が低いもので
あった。
【0155】
【表6】
【0156】
【表7】
【0157】
【表8】
【0158】
【表9】
【0159】
【表10】
【0160】D.請求項7,8に記載の発明の実施例 1.成形材料の調製 成形材料としては、〔A.請求項1,2に記載の発明の
実施例〕で用意したSMCを用いた。
【0161】2.型内被覆材料の調製 型内被覆材料の配合材料としては以下のものを用いた。 (1)エポキシ樹脂1(EP1) (2)エポキシ樹脂2(EP2) (3)エポキシ樹脂3(EP3) (4)ジエチレントリアミン(DTA) (5)テトラエチレンペンタミン(TEPA) (6)トリメチロールプロパントリ(メルカプトアセテ
ート)(TMPMA) (7)1,3−ジメルカプトプロパン(DMP) (8)メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTPA) (9)アジピン酸(ADA) (10)2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4
MZ) (11)2−フェニルイミダゾール(2PZ) (12)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(GPS) (13)(γ−グリシドキシプロピル)メチルジエトキ
シシラン(GMES) (14)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(AP
S) (15)p−アミノフェニルトリメトキシシラン(AP
HS) (16)γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
(MPS) (17)(メルカプトメチル)メチルジエトキシシラン
(MMES) (18)珪石(モース硬度7、K1クレー:丸尾カルシ
ウム社製、シリカ含有率98. 4重量%) (19)長石(モース硬度6、NCクレー:富士タルク
工業社製) (20)けい灰石(モース硬度5、ウォラストナイトV
M−8N:林化成社製、以下、WOLと略す) (21)不飽和ポリエステル樹脂液(UP) (22)エポキシアクリレート樹脂液(EAc) (23)ウレタンアクリレート樹脂(UAc) (24)開始剤(TBPB) (25)炭酸カルシウム(CaCO3 ) (26)白色着色顔料(Ti) を以下の配合表に従い混合、充分に攪拌し、型内被覆材
料を得た。
【0162】3.成形方法 〔A.請求項1,2に記載の発明の実施例〕で行った成
形方法を採用し、被覆層付き成形品を得た。
【0163】4.評価方法 〔A.請求項1,2に記載の発明の実施例〕の評価方法
における耐衝撃性試験と同様にして、被覆層付き成形品
の耐衝撃性を評価した。また、〔A.請求項1,2に記
載の発明の実施例〕で行った碁盤目密着試験により、被
覆層の密着性を評価した。
【0164】さらに、得られた被覆層付き成形品におい
て、JIS−K5400「塗料一般試験方法」6.14
「鉛筆引っかき試験」に準じて鉛筆硬度により被覆層の
硬度を評価した(鉛筆硬度試験)。
【0165】上記評価結果を、下記の表11〜15に示
す。なお、請求項7に記載の発明の実施例は、実施例1
01〜112及び137〜148である。また、請求項
8に記載の発明の実施例は、実施例113〜136であ
る。
【0166】5.実施例101〜148 以下の表11〜14に従い、被覆材料を調製し、上記成
形方法により作製した試験片を上記試験方法により評価
した。その結果、得られた被覆成形品は良好な耐衝撃
性、密着性、硬度を示した。
【0167】6.比較例101〜112 以下の表15に従い、被覆材料を調製し、上記成形方法
により作製した試験片を上記試験方法により評価した。
その結果、得られた被覆成形品は耐衝撃性が低いもので
あった。
【0168】
【表11】
【0169】
【表12】
【0170】
【表13】
【0171】
【表14】
【0172】
【表15】
【0173】E.請求項9,10に記載の発明の実施例 1.成形材料の調製 成形材料としては、〔A.請求項1,2に記載の発明の
実施例〕で用意したSMCを用いた。
【0174】2.型内被覆材料の調製 型内被覆材料の配合材料としては以下のものを用いた。 (1)エポキシ樹脂1(EP1) (2)エポキシ樹脂2(EP2) (3)エポキシ樹脂3(EP3) (4)ジエチレントリアミン(DTA) (5)テトラエチレンペンタミン(TEPA) (6)トリメチロールプロパントリ(メルカプトアセテ
ート)(TMPMA) (7)1,3−ジメルカプトプロパン(DMP) (8)メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTPA) (9)アジピン酸(ADA) (10)2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4
MZ) (11)2−フェニルイミダゾール(2PZ) (12)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(GPS) (13)(γ−グリシドキシプロピル)メチルジエトキ
シシラン(GMES) (14)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(AP
S) (15)p−アミノフェニルトリメトキシシラン(AP
HS) (16)γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
(MPS) (17)(メルカプトメチル)メチルジエトキシシラン
(MMES) (18)白色着色顔料(Ti) (19)チタンイエロー(平均粒径約1μm、大日製化
社製:商品名イエロー#9121、以下、TYと略す) (20)ベンガラ(平均粒径約0.1μm、戸田工業社
製:商品名100ED、以下、Feと略す) (21)不飽和ポリエステル樹脂液(UP) (22)エポキシアクリレート樹脂液(EAc) (23)ウレタンアクリレート樹脂(UAc) (24)開始剤(TBPB) (25)炭酸カルシウム(CaCO3 ) を以下の配合表に従い混合、充分に攪拌し、型内被覆材
料を得た。
【0175】3.成形方法 成形方法については、〔A.請求項1,2に記載の発明
の実施例〕で行った成形方法を採用し、被覆層付き成形
品を得た。
【0176】4.評価方法 上記のようにして得た被覆層付き成形品について、
〔A.請求項1,2に記載の発明の実施例〕で行った耐
衝撃性試験を行い、耐衝撃性を評価した。
【0177】また、JIS−K−5400「塗料一般試
験方法」6.7「60度鏡面光沢度」に従い、光沢値を
光沢計(堀場製作所製、グロスチェッカIG−300)
にて測定した。さらに、得られた被覆層成形品につき、
前述した碁盤目密着試験を行い、被覆層の初期密着性を
評価した。
【0178】上記各評価結果を、下記の表16〜22に
示す。なお、請求項9に記載の発明の実施例は、実施例
151〜162、187〜198である。請求項10に
記載の発明の実施例は、実施例163〜186である。
【0179】5.実施例151〜198 以下の表16〜19に従い、被覆材料を調製し、上記成
形方法により作製した試験片を上記試験方法により評価
した。その結果、得られた被覆成形品は良好な耐衝撃
性、光沢、初期密着性を示した。なお、酸化チタンはモ
ース硬度6の鉱物よりなる無機充填剤としても機能する
ので、酸化チタンを含有した被覆層は、その硬度がより
一層高められる。
【0180】6.比較例151〜162 以下の表20に従い、被覆材料を調製し、上記成形方法
により作製した試験片を上記試験方法により評価した。
その結果、得られた被覆成形品は光沢が低いものであっ
た。
【0181】7.比較例163〜166 以下の表21に従い、被覆材料を調製し、上記成形方法
により作製した試験片を上記試験方法及びD.請求項
7,8に記載の発明の実施例で行った鉛筆硬度試験の方
法により評価した。その結果、得られた被覆成形品は耐
衝撃性、光沢、硬度及び初期密着性すら低いものであっ
た。
【0182】8.比較例167〜178 以下の表22に従い、被覆材料を調製し、上記成形方法
により作成した試験片を上記比較例163〜166の試
験方法及びC.請求項5,6に記載の発明の実施例で行
った2次密着性を評価の評価方法により評価した。その
結果、得られた被覆成形品は耐衝撃性、光沢、硬度及び
2次密着性が低いものであった。
【0183】
【表16】
【0184】
【表17】
【0185】
【表18】
【0186】
【表19】
【0187】
【表20】
【0188】
【表21】
【0189】
【表22】
【0190】
【発明の効果】以上のように、本発明の型内被覆成形用
被覆組成物では、靱性が高く、耐衝撃性に優れ、硬化収
縮が少なく硬化時の残留応力の少ないエポキシ樹脂を含
有している。従って、被覆成形品の耐衝撃性を効果的に
高め得る。また、成形品基材との界面における残留応力
も少なくなるため、被覆層の密着性が高められる。
【0191】よって、本発明の型内被覆成形用被覆組成
物を被覆材料として用いることにより、被覆層の密着性
に優れた耐衝撃性の高い被覆成形品を提供することが可
能となる。
【0192】また、請求項3,4に記載の発明では、ポ
リイソシアネートまたはブロックイソシアネートが、硬
化したエポキシ樹脂と反応し、架橋を形成する作用を果
たすため、より一層被覆層の耐衝撃性及び密着性が高め
られる。
【0193】請求項5,6の発明では、りん片状無機充
填剤が被覆層の横方向の硬化収縮を抑制するため、被覆
層の密着性をより効果的に高め得る。
【0194】請求項7,8に記載の発明では、モース硬
度5以上の上記無機充填剤が含有されているため、被覆
層の硬度が高められる。従って、被覆層の耐衝撃性を効
果的に高めることが可能となる。
【0195】また、請求項5〜10に記載の発明では、
グリシジル基を有するシランカップリング剤が含有され
ているため、該シランカップリング剤の作用により、無
機充填剤の型内被覆成形用組成物中の分散性が高めら
れ、それによって被覆層の耐衝撃性が高められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3/00 NKT 5/09 NKZ 5/16 5/29 5/37 NLB 5/54 NLC C09D 175/04 PHP // B29K 63:00 105:06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形型内において成形材料上に被覆層を
    形成する型内被覆成形法において被覆用材料として用い
    られる熱硬化性樹脂組成物であって、エポキシ樹脂及び
    含窒素系エポキシ樹脂硬化剤を主成分とすることを特徴
    とする型内被覆成形用被覆組成物。
  2. 【請求項2】 成形型内において成形材料上に被覆層を
    形成する型内被覆成形法において被覆用材料として用い
    られる熱硬化性樹脂組成物であって、エポキシ樹脂と、
    ポリカルボン酸またはポリメルカプタンとを主成分とす
    ることを特徴とする型内被覆成形用被覆組成物。
  3. 【請求項3】 成形型内において成形材料上に被覆層を
    形成する型内被覆成形法において被覆用材料として用い
    られる熱硬化性樹脂組成物であって、エポキシ樹脂及び
    含窒素系エポキシ樹脂硬化剤を主成分とし、かつ、ポリ
    イソシアネートまたはブロックイソシアネートを含有す
    ることを特徴とする型内被覆成形用被覆組成物。
  4. 【請求項4】 成形型内において成形材料上に被覆層を
    形成する型内被覆成形法において被覆用材料として用い
    られる熱硬化性樹脂組成物であって、エポキシ樹脂と、
    ポリカルボン酸またはポリメルカプタンとを主成分と
    し、かつ、ポリイソシアネートまたはブロックイソシア
    ネートを含有することを特徴とする型内被覆成形用被覆
    組成物。
  5. 【請求項5】 成形型内において成形材料上に被覆層を
    形成する型内被覆成形法において被覆用材料として用い
    られる熱硬化性樹脂組成物であって、:エポキシ樹
    脂、:含窒素系エポキシ樹脂硬化剤、:又はと
    化学反応性を有する官能基を持つシランカップリング
    剤、及び:りん片状無機充填剤を含有することを特徴
    とする型内被覆成形用被覆組成物。
  6. 【請求項6】 成形型内において成形材料上に被覆層を
    形成する型内被覆成形法において被覆用材料として用い
    られる熱硬化性樹脂組成物であって、:エポキシ樹
    脂、:ポリカルボン酸又はポリメルカプタン、:
    又はと化学反応性を有する官能基を持つシランカップ
    リング剤、及び:りん片状無機充填剤を含有すること
    を特徴とする型内被覆成形用被覆組成物。
  7. 【請求項7】 成形型内において成形材料上に被覆層を
    形成する型内被覆成形法において被覆用材料として用い
    られる熱硬化性樹脂組成物であって、:エポキシ樹
    脂、:含窒素系エポキシ樹脂硬化剤、:又はと
    化学反応性を有する官能基を持つシランカップリング
    剤、及び:モース硬度5以上の鉱物からなる無機充填
    剤を含有することを特徴とする型内被覆成形用被覆組成
    物。
  8. 【請求項8】 成形型内において成形材料上に被覆層を
    形成する型内被覆成形法において被覆用材料として用い
    られる熱硬化性樹脂組成物であって、:エポキシ樹
    脂、:ポリカルボン酸又はポリメルカプタン、:
    又はと化学反応性を有する官能基を持つシランカップ
    リング剤、及び:モース硬度5以上の鉱物からなる無
    機充填剤を含有することを特徴とする型内被覆成形用被
    覆組成物。
  9. 【請求項9】 成形型内において成形材料上に被覆層を
    形成する型内被覆成形法において被覆用材料として用い
    られる熱硬化性樹脂組成物であって、:エポキシ樹
    脂、:含窒素系エポキシ樹脂硬化剤、:又はと
    化学反応性を有する官能基を持つシランカップリング
    剤、及び:無機着色顔料を含有することを特徴とする
    型内被覆成形用被覆組成物。
  10. 【請求項10】 成形型内において成形材料上に被覆層
    を形成する型内被覆成形法において被覆用材料として用
    いられる熱硬化性樹脂組成物であって、:エポキシ樹
    脂、:ポリカルボン酸又はポリメルカプタン、:
    又はと化学反応性を有する官能基を持つシランカップ
    リング剤、及び:無機着色顔料を含有することを特徴
    とする型内被覆成形用被覆組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014505755A (ja) * 2010-12-20 2014-03-06 クレープヒェミー・エム・ゲー・ベッカー・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディートゲゼルシャフト 耐摩耗性フィラーを含有する反応性ポリウレタン組成物
JPWO2014192969A1 (ja) * 2013-05-29 2017-02-23 東レ・ダウコーニング株式会社 半導体装置および半導体素子封止用硬化性シリコーン組成物

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