JPH07228616A - 吸水性樹脂およびその製造方法 - Google Patents

吸水性樹脂およびその製造方法

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JPH07228616A
JPH07228616A JP2029494A JP2029494A JPH07228616A JP H07228616 A JPH07228616 A JP H07228616A JP 2029494 A JP2029494 A JP 2029494A JP 2029494 A JP2029494 A JP 2029494A JP H07228616 A JPH07228616 A JP H07228616A
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water
polyvinyl alcohol
monomer
absorbent resin
acid group
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JP2029494A
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Kunihiko Ishizaki
邦彦 石▲崎▼
Yoshihiro Motono
佳宏 本野
Nobuyuki Harada
信幸 原田
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F20/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride, ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F20/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms, Derivatives thereof
    • C08F20/04Acids, Metal salts or ammonium salts thereof

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Abstract

(57)【要約】 【目的】親水性樹脂の共存下で単量体を重合し吸水性樹
脂を得る方法において、高グラフト率で用いた親水性樹
脂の溶出も少なく本質上低水可溶分であり、吸水倍率、
耐熱性や安全性にも優れた吸水性樹脂を安価に得る。 【構成】部分中和の酸基含有重合性単量体を必須とする
単量体成分を、酸基含有重合性単量体に対して2〜10
重量%の量で鹸化度90〜50モル%のポリビニルアル
コールおよび架橋剤の存在下、単量体成分の濃度31重
量%以上で重合した後、更に150℃以上で加熱乾燥す
ることを特徴とする吸水性樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸水性樹脂およびその
製造方法に関するものである。更に詳しくは、高グラフ
ト率で低水可溶分であり、吸水倍率、耐熱性や安全性に
も優れた吸水性樹脂およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、大量の水を吸ってゲル化する吸水
性樹脂が開発され、紙おむつ、生理用ナプキン等の衛材
分野、農林業分野、土木分野、食品分野などに幅広く利
用されている。
【0003】そこで、これら吸水性樹脂として多くが開
発され、例えば、澱粉−アクリロニトリルグラフト重合
体の加水分解物(米国特許3661815号)、澱粉−
アクリル酸グラフト重合体(米国特許4076663
号)、ポリアクリル酸部分中和物架橋体(米国特許46
54039号,同4286082号)、酢酸ビニル−ア
クリル酸エステル共重合体の鹸化物(米国特許4124
748号)、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体
(米国特許4389513号)、アクリロニトリル共重
合体の加水分解物(米国特許3935099号)、アク
リルアミド重合体あるいは共重合体の加水分解物(米国
特許3959569号)、2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸とアクリル酸との共重合架橋体
(欧州特許068189号)、カチオン性モノマーの架
橋重合体、2−スルホメチルメタクリレートの架橋体の
などの各種・重合系吸水性樹脂や、カルボキシメチルセ
ルロース塩架橋体(米国特許4650716号,同46
89408号,欧州特許0538904号)、カルボキ
シアルキルスターチ架橋体(米国特許5079354
号)、澱粉架橋体(英国特許1550614号,米国特
許4483950号)などの各種・天然物後架橋系吸水
性樹脂が知られているが、優れた諸物性などの面から重
合系吸水性樹脂が主流である。
【0004】現在、かかる重合系吸水性樹脂に望まれて
いる特性としては、高吸水倍率、耐塩性、低水可溶分、
高吸水速度、高ゲル強度などがあり、これら諸特性を改
善するために、不飽和単量体を重合させ吸水性樹脂を製
造する際に特定の親水性樹脂を存在させる方法や、得ら
れた吸水性樹脂の表面近傍を更に架橋する方法が知られ
ている。また、吸水性樹脂の製造に用いられるモノマー
や架橋剤は、粘度や分散・溶解性が低く作業性が悪いた
め、重合時のモノマーに特定の親水性樹脂を存在させる
ことによる重合工程の改善方法もよく行われている。
【0005】即ち、モノマーの増粘剤,グラフト重合,
架橋などを目的として特定親水性樹脂存在下に単量体を
重合することで吸水性樹脂の諸物性や重合工程を改良す
る方法として、完全中和の(メタ)アクリル酸塩をポリ
ビニルアルコール存在下で重合する方法(特公昭62−
921号,米国特許4320040号)、未中和の(メ
タ)アクリル酸塩をポリビニルアルコール存在下で重合
した後に中和する方法(特公昭61−33846号)、
カルボキシル基含有ポリビニルアルコールの存在下で部
分中和(メタ)アクリル酸塩を重合する方法(特開昭6
2−270607号)、ポリビニルアルコールやカルボ
キシメチルセルロースなどの分散剤存在下に重合する方
法(特開平1−146902号,米国特許483322
2号)、水溶性高分子や水溶性界面活性剤の存在下に重
合する方法(特開昭57−167307号)、アミロー
ス存在下に重合する方法(特開昭54−37188
号)、ウロン酸(塩)の存在下に重合する方法(特開昭
56−5138号)、キトサンなどの存在下に重合を行
う方法(特開昭61−94655号)、メチルセルロー
ス存在下に重合を行う方法(特開昭58−154708
号)、澱粉やセルロースの存在下に重合を行う方法(特
公昭53−46199号および特公昭53−46200
号,米国特許4076663号)、末端変性ポリエチレ
ン(ポリプロピレン)グリコール存在下に重合を行う方
法(特開平3−163119号,特開平3−20313
号,特開平1−165615号,米国特許501189
2号,同5041496号)、天然物および末端変性ポ
リエチレン(ポリプロピレン)グリコール存在下に重合
を行う方法(特開平5−239156号)、吸水性樹脂
の存在下に重合する方法(特開平3−52903号,特
開平4−227705号)、水溶性多価アルコール存在
下に重合する方法(特開昭55−84304号,特開昭
55−108407号)などが知られている。
【0006】しかし、何れの方法にも、用いる親水性樹
脂の価格,安定的入手,取扱い,増粘効果,安全性,保
存や腐敗などの親水性樹脂自身の諸問題や、親水性樹脂
の耐熱性が低く白色の吸水性樹脂を得るために特別な乾
燥装置が必要(特公昭55−21041号)などの多く
の諸問題を伴う上に、得られた吸水性樹脂が着色した
り、親水性樹脂の膨潤規制で吸水倍率が低下したり、耐
熱性や耐久性が低下する場合が見られた。しかも、かか
る手法でグラフトを目的としても、親水性樹脂へのグラ
フト率は低くかったり/不均一であったりするため、得
られた吸水性樹脂中には、単量体の重合によって副生す
る未架橋のポリマー以外に、重合時に存在せしめた非グ
ラフトの親水性樹脂の溶出も見られ、トータルの水可溶
分がかえって増加するなどの問題があった。そこで、近
年、グラフト重合によらず、高ゲル強度,高倍率,低水
可溶分の3要素を満たした吸水性樹脂の製造方法(米国
特許4654039号)も提案されているが、かかる物
性を達成するためには低モノマー濃度や低温での重合が
必要であり、残存モノマーの増加や生産性の低下などが
見られる場合もあった。
【0007】また、重合後の吸水性樹脂の表面近傍を更
に架橋することで、吸水性樹脂の諸物性を改良する方法
も多く提案されている。例えば、架橋剤として、多価ア
ルコールを用いる方法(特開昭58−180233号,
特開昭61−16903号)、多価グリシジル化合物、
多価イソシアネート化合物、多価アジリジン化合物、多
価アミンを用いる方法(特開昭59−189103
号)、アルキレンカーボネートを用いる方法(DE−4
020780C)、グリオキサールを用いる方法(特開
昭52−117393号)、多価金属塩を用いる方法
(特開昭51−136588号,特開昭61−2572
35号,特開昭62−7745号)、シランカップリン
グ剤を用いる方法(特開昭61−211305号,特開
昭61−252212号,特開昭61−264006
号)、過酸化物ラジカル開始剤を用いる方法(特開昭6
3−99211号)、特定構造の特殊グリシジル化合物
を用いる方法(特開昭62−50305号,特開昭61
−213206号,特開昭63−199205号,特開
昭63−118308号,特開平4−87638号,特
開平1−201312号,特開昭61−293228
号)、エポキシ化合物とヒドロキシ化合物を用いる方法
(特開平2−132103号)などが知られている。ま
た、架橋方法としても、吸水性樹脂を溶媒中に分散させ
表面架橋する方法(特開昭56−131608号,特開
昭57−44627号,特開昭58−42602号,特
開昭58−117222号)や、不活性無機粉末を用い
る方法(特開昭60−163956号,特開昭60−2
55814号)、架橋剤を添加した後に水蒸気と接触さ
せる方法(特開平1−113406号)、特定湿度条件
下で加熱する方法(特界平1−297430号)、水と
多価アルコールの混合溶媒を用いる方法(特開昭63−
270741号,特開昭64−56707号,特開平1
−292004号)、水とエーテル化合物の混合溶媒を
用いる方法(特開2−153903号)、有機モノカル
ボン酸塩やラクタムなどを用いる方法(欧州特許055
5692号)など、が提案されている。
【0008】しかし、何れの方法も、上記した親水性樹
脂の共存下で得られた吸水性樹脂の表面近傍を更に架橋
しようとすると、表面に添加した架橋剤のみならず、吸
水性樹脂内部に均一に存在する親水性樹脂の官能基も変
化し反応するため、表面架橋後の吸水性樹脂に着色や劣
化が見られたり、また、表面架橋のコントロールが困難
であったりするのが現状であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記現状に鑑
みなされたものである。従って、本発明の目的は、親水
性樹脂の共存下で吸水性樹脂を得る方法において、用い
た親水性樹脂の溶出も少なく、水可溶分が少なく、吸水
倍率、耐熱性や安全性にも優れた吸水性樹脂を安価に得
ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的を達
成すべく鋭意検討を行った結果、本発明者らは特定ポリ
ビニルアルコールを特定条件下で吸水性樹脂の製造方法
に用いると、簡便な手法で上記問題を解決することを見
い出し本発明を完成させた。
【0011】即ち、本発明は、部分中和の酸基含有重合
性単量体を必須とする単量体成分を、酸基含有重合性単
量体に対して2〜10重量%の量で鹸化度90〜50モ
ル%のポリビニルアルコールおよび架橋剤の存在下、単
量体成分の濃度31重量%以上で重合した後、更に15
0℃以上で加熱乾燥することを特徴とする吸水性樹脂の
製造方法に関するものである。
【0012】また、本発明は、ポリビニルアルコールを
酸基含有重合性単量体に対して2〜10重量%存在下さ
せ、酸基含有重合性単量体を必須とする単量体成分およ
び架橋剤を重合して得られた吸水性樹脂であって、酸基
含有重合体の水可溶分量が6重量%以下,ポリビニルア
ルコールの溶出量が用いたポリビニルアルコ−ルに対し
て35重量%以下,生理食塩水の吸水倍率が40(g/
g)以上である吸水性樹脂に関するものである。
【0013】以下、本発明を更に詳しく説明する。
【0014】本発明において用いられる酸基含有重合性
単量体としては、吸水性樹脂の製造に用いられる親水性
の酸基含有重合性単量体が広く例示され、例えば、アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、
β−アクリロイルオキシプロピオン酸、フマール酸、ク
ロトン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸、スチレンス
ルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンス
ルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン
酸、スルホエトキシポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレートなどの酸基含有の親水性重合性単量体
およびその塩が挙げられる。これらの中では、アクリル
酸(塩)、メタクリル酸(塩)、β−アクリロイルオキ
シプロピオン酸(塩)、2−(メタ)アクリロイルエタ
ンスルホン酸(塩)、2−(メタ)アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸(塩)からなる群から選ば
れた1種または2種以上が好ましく、アクリル酸(塩)
がより好ましい。なお、これらの酸基含有重合性単量体
の種類や使用量は、目的とする吸水性樹脂に応じて適宜
決定されるが、通常、全単量体中で50〜100モル
%、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは9
0〜100モル%の範囲である。
【0015】また、これら酸基含有重合性単量体の酸基
は諸物性の面から必須に部分中和され、好ましくは20
〜90モル%中和、より好ましくは50〜80モル%中
和に調整され、該中和には炭酸(水素)塩、アルカリ金
属の水酸化物、アンモニア、有機アミンなどの公知の塩
基性物質が用いられる。酸基含有重合性単量体が未中和
或いは完全中和であると、本発明に必須の部分鹸化ポリ
ビニルアルコールを用いた効果が表れ難く、部分鹸化ポ
リビニルアルコールへのグラフト率の低下や水可溶分の
大幅な増加、ゲル強度の低下、残存モノマーの増加、表
面架橋効果の低下などの諸物性の低下が見られる。な
お、部分中和であっても中和率50モル%未満の酸基含
有重合性単量体を用いる場合、高吸水倍率や皮膚刺激性
などの面から、重合中または重合後の酸基を中和率50
モル%以上になるように後中和することが好ましい。
【0016】これら酸基含有重合性単量体はその他、ノ
ニオン性の重合性単量体やカチオン性の重合性単量体、
疎水性の重合性単量体と併用してもよく、その使用量
は、好ましくは全単量体に対して0〜50モル%の範囲
である。
【0017】併用されるノニオン性の重合性単量体とし
て、例えば、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N
−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル
(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)ア
クリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミ
ド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポ
リエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、ビニルピリ
ジン、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルピペリ
ジン、N−アクリロイルピロリジンなどのノニオン性の
親水性重合性単量体が挙げられ、また、併用されるカチ
オン性の重合性単量体として、例えば、N,N−ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチ
ルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメ
チルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドおよびその
四級塩などのカチオン性の親水性重合性単量体などを挙
げられ、更に、併用できる疎水性重合性単量体として、
例えば、スチレン、塩化ビニル、ブタジエン、イソブテ
ン、エチレン、プロピレン、ステアリル(メタ)アクリ
レート、ラウリル(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。また、親水性重合性単量体として、メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニ
ルなどの様に重合体後の官能基の加水分解によって、親
水性樹脂を形成する親水性重合性単量体を用いてもよ
い。なお、これら併用できる親水性重合性単量体の中で
は、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ートおよびその四級塩、アクリルアミドからなる1種ま
たは2種以上の親水性重合性単量体が好ましい。
【0018】本発明において上記酸基含有重合性単量体
と共に必須に用いられる部分鹸化ポリビニルアルコール
はその鹸化度が、50〜90モル%、好ましくは60〜
85モル%、より好ましくは70〜83モル%の範囲内
である。ポリビニルアルコールの鹸化度が高いとポリビ
ニルアルコールの溶出率は低減しやすいが、得られた吸
水性樹脂の黄土色への着色,吸水倍率の低下,水可溶分
の増加など見られ、ポリビニルアルコールの鹸化度が低
過ぎても、モノマーへの溶解性が低い。また、かかる部
分鹸化ポリビニルアルコールの重合度は広く用いられる
が、通常300〜3000、より好ましくは500〜2
500、更に好ましくは1000〜2000の範囲であ
る。重合度が300より低いと、グラフト率の低下によ
るポリビニルアルコールの溶出や吸水倍率の低下などが
見られ、重合度が3000より高くても重合の不均一な
どが見られる場合がある。かかる特定ポリビニルアルコ
ールを本願発明の特定条件で使用することで、高吸水倍
率,高グラフト率による低いポリビニルアルコール溶出
率,酸基含有重合体の低可溶分の3条件を備えた吸水性
樹脂が得られる。
【0019】また、部分鹸化ポリビニルアルコールの使
用量としては必須に酸基含有重合性単量体100重量部
に対して2〜10重量部、より好ましくは2.5〜8重
量部である。部分鹸化ポリビニルアルコールの使用量が
2重量部より少ないと、重合時のモノマーの粘度が低く
取扱性・作業性が悪いのみならず、得られる吸水性樹脂
の諸物性の面でも本発明の効果が表れ難い。また、部分
鹸化ポリビニルアルコールの使用量が10重量部を越え
る場合、吸水倍率の低下などが見られる場合もあり、コ
スト的にも不利である。
【0020】本発明において、架橋構造を有する吸水性
樹脂を得る方法としては、必須に架橋剤を上記酸基含有
重合性単量体を必須とする単量体成分に添加して重合を
行なう。また、その際に重合時のラジカル自己架橋や放
射線架橋などの公知の吸水性樹脂を得るための架橋方法
を併用してもよい。
【0021】用いられる架橋剤としては、重合時に架橋
構造を形成させられるものであれば制限なく用いること
ができ、例えば、複数の重合性不飽和基を有する架橋
剤,グリシジルアクリレート様に重合性不飽和基と高反
応性基を合わせ持つ架橋剤,(ポリ)エチレングリコー
ルジグリジルエーテルなどの様に複数の高反応性基を持
つ架橋剤,塩化アルミニウムなどの多価金属塩の様なイ
オン性の架橋剤が例示され併用も制限ないが、複数の重
合性不飽和基を有する架橋剤が諸物性の面で最も好まし
い。用いられる複数の重合性不飽和基を有する架橋剤と
して、例えば、N,N´−メチレンビスアクリルアミ
ド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(β−アクリロイルオキシ
プロピオネート)、ポリエチレングリコールジ(β−ア
クリロイルオキシプロピオネート)、(メタ)アリロキ
シアルカン、グリセリンアクリレートメタクリレートな
どの1種または2種以上が例示される。なお、架橋剤の
使用量は、架橋剤の種類や目的とする吸水性樹脂に応じ
て適宜決定されるが、酸基含有重合性単量体に対して通
常、0.005〜10モル%、好ましくは0.01〜1
モル%、より好ましくは0.05〜0.5モル%であ
る。
【0022】また、得られる吸水性樹脂の諸物性の面な
どから、本発明の単量体成分は溶液で重合され、好まし
くは、水溶液や水を主とした水性液とされる。その際、
単量体成分の濃度は必須に31重量%以上であり、好ま
しくは33重量%以上〜飽和濃度、より好ましくは36
重量%〜飽和濃度の範囲である。濃度が31重量%未満
ではグラフト率の低下によるポリビニルアルコールの溶
出が見られ、また、飽和濃度を越えると、吸水倍率の低
下や水可溶分の増加などが見られる。
【0023】また、上記部分鹸化ポリビニルアルコール
以外の各種親水性高分子や、界面活性剤、連鎖移動剤な
どを、重合前や重合中に添加してもよい。これらの添加
物は、米国特許4076663号,同4286082
号,同4833222号,同5149750号や、欧州
特許03729831号,同0454497号,同04
96594号などに記載されている。
【0024】本発明において、上記ポリビニルアルコー
ル存在下で単量体成分を重合する方法としては、例え
ば、ラジカル重合開始剤による重合、電子線重合などの
放射線重合、光増感剤による紫外線重合など公知の重合
方法が特に制限なく用いられが、性能の優れた吸水性樹
脂を得るためには、ラジカル重合開始剤による重合が好
ましい。 かかるラジカル重合法としては、各種水溶液
重合、逆相懸濁重合、逆相乳化重合などの公知の重合方
法が広く用いられるが、逆相懸濁重合または水溶液重合
が特に好ましい。尚、重合の際、連続重合,半回分式重
合,回分式重合の区別や、減圧,加圧,常圧の区別は特
に問わないし、更に、重合時に繊維基材などを共存させ
てもよい。なお、かかる重合方法は、米国特許4625
001号,同4769427号,同4873299号,
同4093776号,同4367323号,同4446
261号,同4683274号,同4690996号,
同4721647号,同4738867号,同4748
076号などに例示されている。 本発明で重合に用い
られるラジカル重合開始剤としては、過硫酸ナトリウ
ム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、
2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩
などの公知の重合開始剤が広く用いられ、また、これら
重合開始剤と亜硫酸(水素)塩やL−アスコルビン酸な
どの還元剤の併用や、重合時の紫外線,放射線などの併
用も制限はない。尚、これらラジカル重合開始剤は重合
系に一括添加してもよいし、逐次添加してもよいが、そ
の使用量は全単量体に対して、通常0.001〜2モル
%、好ましくは0.01〜1モル%の範囲である。
【0025】本発明の吸水性樹脂の製造方法では、上記
ポリビニルアルコールを用いた諸物性の向上効果を発揮
するため、重合により得られたゲル状重合体を必須に加
熱乾燥が行われる。本発明で用いられる加熱乾燥方法と
しては、熱風乾燥、加熱蒸気による乾燥、赤外線乾燥や
マイクロ波乾燥、減圧乾燥、ドラムドライヤー乾燥、疎
水性有機溶剤中での共沸脱水などの吸水性樹脂の製造に
用いられる公知の乾燥方法が制限なく適用可能であり、
これらの乾燥方法によって、重合後のゲル状重合体を固
形分80%以上、更には90%以上まで加熱乾燥するこ
とが好ましい。なお、本発明における乾燥温度は、諸物
性の面から、必須に150℃以上、好ましくは150〜
200℃の範囲である。かかる乾燥温度を外れると上記
ポリビニルアルコールを用いても諸物性の低下や残存モ
ノマーの増加が見られる場合があり、特に、重合後の加
熱乾燥温度が低すぎるとグラフト率の低下が見られ、得
られた吸水性樹脂の吸水倍率は極めて低い。
【0026】以上の様にして得られた吸水性樹脂はその
まま用いてもよいが、更に粉砕や造粒、分級などを行っ
て粒度を調整してもよいし、シート状、繊維状、フィル
ム状などに加工してもよい。例えば、衛材向けの粒子状
吸水性樹脂を目的とする場合、平均粒子径10〜200
0μm、更に好ましくは100〜1000μm、最も好
ましくは200〜600μm程度に調製される。また、
乾燥前の重合体や乾燥後の吸水性樹脂に対して、還元
剤、不活性無機物、酸化剤、酸化防止剤、界面活性剤な
どの各種添加剤を添加して、その諸物性を改善してもよ
い。なお、かかる吸水性樹脂への添加剤は、米国特許4
179367号,同4500670号,同469371
3号,同4929717号,同4959060号,同4
972019号や、欧州特許0001706号,同00
09977号などに例示されている。 更に、上記方法
により得られた本発明の吸水性樹脂は、更に好適に粒子
の表面近傍の後架橋が可能である。本発明において、表
面近傍を架橋する方法としては公知の表面架橋方法が制
限なく用いられるが、通常、乾燥前の重合体や得られた
吸水性樹脂の表面近傍に、重合体や吸水性樹脂の官能基
と反応しうる表面架橋剤を更に添加して行われる。
【0027】用いられる表面架橋剤としては、例えば、
(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)エチレングリ
コール、(ポリ)グリセリンなどの多価アルコール類、
(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテルなど
の多価エポキシ化合物;(ポリ)エチレンイミンなどの
多価アミン化合物;1,3−ジオキソラン−2−オン,
4−メチル−1.3−ジオキソラン−2−オン,4,6
−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オンなどの各種
アルキレンカーボネート化合物;アルミニウム塩などの
多価金属塩;その他、多価アルデヒド化合物;多価イソ
シアネート化合物;多価オキサゾリン化合物;ハロエポ
キシ化合物;多価アジリジン化合物や、これらの官能基
を合わせ持った化合物も例示することができる。
【0028】なお、これら吸水性樹脂の表面架橋方法は
詳しくは、米国特許4043952号,同405108
6号,同4340706号,同4497930号,同4
507438号,同4541871号,同455809
1号,同4587308号,同4666983号,同4
727097号,同4735987号,同473447
8号,同4755560号,同4771105号,同4
783510号,同4798861号,同480657
8号,同500296号,同5115011号,同52
44735号などの各種米国特許や、欧州特許0317
106号,同0349240号,同0514724号,
同0555692号や、独特許4020780号など多
くの文献に記載されている。
【0029】本発明の吸水性樹脂の近傍を架橋する際、
諸物性の面から、前記表面架橋剤を本発明の吸水性樹脂
に添加後、更に加熱処理することが好ましい。加熱温度
は好ましくは100〜300℃、更に好ましくは130
〜250℃、更により好ましくは150〜220℃の範
囲である。本発明の吸水性樹脂は、通常用いられている
澱粉など天然物グラフト系の吸水性樹脂に比べ、表面架
橋のコントロールや加熱処理時の耐熱性などの諸物性に
おいても優れており、表面架橋によって、より吸水特性
の優れた吸水性樹脂を得ることができる。
【0030】また、本発明は新規な吸水性樹脂をも提供
するものである。
【0031】従来、高吸水倍率,低可溶分の吸水性樹脂
については、未架橋の酸基含有重合体の溶出量に着目し
た特開昭62−54751号,特開昭63−21902
号,特開昭63−68026号などで提案されている。
また、市販の吸水性樹脂において最も低可溶分の吸水性
樹脂として、ポリビニルアルコール(3〜5%)/アク
リル酸グラフト重合体では、吸水倍率37倍で酸基含有
重合体の溶出量が3%程度のものが知られているが、か
かる吸水性樹脂では別途、ポリビニルアルコールの70
%程度が溶出することが確認され、従来何等着目されな
かったグラフト主鎖の溶出も吸収物品で実使用する際に
悪影響を及ぼすことが確認された。
【0032】そこで、かかる問題を解決するために、本
発明の上記吸水性樹脂の製造方法において、使用するポ
リビニルアルコールの重合度を1000〜2000,同
鹸化度を70〜83モル%,重合性架橋剤が複数の重合
性不飽和基を有し、且つ酸基含有重合性単量体に対して
0.05〜0.5モル%とすることによって、新規な吸
水性樹脂、即ち、ポリビニルアルコールを酸基含有重合
性単量体に対して2〜10重量%存在下させ、酸基含有
重合性単量体を必須とする単量体成分および架橋剤を重
合して得られた吸水性樹脂であって、酸基含有重合体の
水可溶分量が6重量%以下,ポリビニルアルコールの溶
出量が用いたポリビニルアルコ−ルに対して35重量%
以下,生理食塩水の吸水倍率が40(g/g)以上であ
る吸水性樹脂を得ることが可能である。
【0033】かかる吸水性樹脂は高吸水倍率であり、し
かも、高い生分解性や安全性を示すポリビニルアルコー
ルを用いている上、そのポリビニルアルコールの溶出量
も市販品の半分以下と従来になく少なく、本質上低可溶
分の吸水性樹脂である。よって、従来のグラフト系吸水
性樹脂に見られたグラフト主鎖の溶出も殆どなく、高吸
水倍率・低可溶分・高グラフト率の新規な吸水性樹脂と
して、各種用途に広く好適に使用される。
【0034】
【発明の効果】以上、本発明の吸水性樹脂およびその製
造方法は、製造時のモノマーの取扱やコストにも優れて
いる上に、得られた吸水性樹脂の吸水倍率、水可溶分、
グラフト率、耐熱性や安全性などの諸物性においても優
れている。この様にして得られた吸水性樹脂は、使い捨
てオムツやナプキンなどの衛生材料に好適であり、更
に、食品用、土木、農業などの分野に幅広く利用でき
る。
【0035】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、
本発明の範囲がこれらの実施例にのみ限定されるもので
はない。尚、実施例に記載の諸物性は下記の試験方法に
よって測定した値を示す。
【0036】(1)吸水倍率 吸水性樹脂0.2gを不織布製のティーバッグ式袋(4
0*150mm)に均一に入れ、0.9重量%塩化ナト
リウム水溶液中に浸漬した。1時間後にティーバッグ式
袋を5秒引き上げ、更に24枚重ねのトイレットペーパ
ー(57mm*50mm,19g/m2)上で10秒間
水切りを行った後、ティーバッグ式袋の重量を測定し、
以下の式で吸水倍率を算出した。
【0037】
【数1】
【0038】(2)水可溶分 吸水性樹脂500mgを1Lのイオン交換水中に膨潤・
分散させ16時間攪拌した後、膨潤ゲルを濾過・分離し
て得られた濾液を0.1規定水酸化ナトリウムで滴定し
た後、0.1規定塩酸で逆滴定することで、濾液に溶解
・溶出した酸基含有重合体の量(水可溶分量)を求め
た。
【0039】(3)ポリビニルアルコール溶出率 酸塩基滴定にかからない溶出ポリビニルアルコールにつ
いては、(2)において得られた濾液50gをエバポレ
ターで濃縮乾固した後、1ml溶離液に溶かし、更にG
PC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で分
析することで定量した。
【0040】(4)吸引力 表面架橋の評価は、吸水性樹脂の吸引力によった。即
ち、人工尿20g(尿素1.9重量%,塩化ナトリウム
0.8重量%,塩化カルシム0.1重量%,硫酸マグネ
シウム0.1重量%を含むイオン交換水)を、トイレッ
トペーパー(55mm*75mm*16枚重ね)を置い
たシャーレに注ぐ。次いで、1gの表面架橋された吸水
性樹脂粉末をシャーレの中心部に落し、湿潤したトイレ
ットペーパーを介して吸水性樹脂を膨潤させる。10分
経過後、膨潤したゲルの重量(g)を測定して、吸水性
樹脂の吸引力(g/g)とする。
【0041】(実施例1)中和率75モル%で濃度37
%の部分中和アクリル酸ナトリウム塩の水溶液5500
gに、内部架橋剤としてトリメチロールプロパントリア
クリレート4.76g(対単量体0.07モル%),お
よび部分鹸化ポリビニルアルコール(鹸化度78.5〜
81.5,重合度1700)を71.2g(対単量体固
形分3.5重量%)を溶解させることで単量体(1)を
調整した。
【0042】次いで、該単量体(1)を内容積10Lで
シグマ型羽根を2本有するジャケット付きステンレス製
双腕型ねつか機(ニーダー)に蓋をつけた反応器中で窒
素置換した後、ニーダーのブレードを攪拌しながら、重
合開始剤として過硫酸アンモニウム0.05モル%とL
−アスコルビン酸0.005モル%を添加した所、1分
後に重合が開始した。60分間重合後に、得られた約2
mm径に細分化された含水ゲル状重合体を取り出し、1
50℃の熱風で60分間加熱乾燥した。最後に、含水率
7%以下となった乾燥物を振動ミルを用いて粉砕し、J
IS−Z8801標準篩850μm通過物を分級するこ
とで、不定形で実質白色の吸水性樹脂(1)を得た。
【0043】(実施例2)実施例1において、単量体に
溶解させる部分鹸化ポリビニルアルコールの重合度を2
000にする以外は同様に行うことで単量体(2)を調
整した。以下、単量体(2)について、実施例1と同様
の操作を行うことで実質白色の吸水性樹脂(2)を得
た。
【0044】(実施例3)実施例1において、単量体に
溶解させる部分鹸化ポリビニルアルコールの鹸化度を8
6.5〜89.0にする以外は同様に行うことで単量体
(3)を調整した。以下、単量体(3)について、実施
例1と同様の操作を行うことで実質白色の吸水性樹脂
(3)を得た。
【0045】(実施例4)実施例1において、単量体に
溶解させる部分鹸化ポリビニルアルコールの鹸化度を8
6.5〜89.0し、且つ重合度を500にする以外は
同様に行うことで単量体(4)を調整した。以下、単量
体(4)について、実施例1と同様の操作を行うことで
実質白色の吸水性樹脂(4)を得た。
【0046】(実施例5)実施例1において、単量体に
溶解させるトリメチロールプロパントリアクリレートの
量を13.60g(対単量体0.2モル%)とすること
で単量体(5)を調整した。以下、単量体(5)につい
て、実施例1と同様の操作を行うことで実質白色の吸水
性樹脂(5)を得た。
【0047】(実施例6)実施例1において、単量体に
溶解させる部分鹸化ポリビニルアルコールの量を10
1.8g(対単量体固形分5重量%)とすることで単量
体(5)を調整した。以下、単量体(5)について、実
施例1と同様の重合操作を行った後、得られた細分化さ
れた含水ゲル状重合体を170℃の熱風で60分間加熱
乾燥した後、含水率7%以下となった乾燥物を振動ミル
を用いて粉砕し、JIS−Z8801標準篩850μm
通過物を分級することで実質白色の吸水性樹脂(5)を
得た。
【0048】(実施例7)実施例1で得られた吸水性樹
脂(1)100gに、グリセリン0.5g,水2g,エ
タノール8gを混合した後、195℃で30分間加熱処
理することで表面架橋を行い、吸収力16.5で実質白
色の吸水性樹脂(7)を得た。
【0049】(比較例1)実施例1において、部分鹸化
ポリビニルアルコールに代えて完全鹸化ポリビニルアル
コール(鹸化度97.0〜98.5,重合度1700)
を71.2g(対単量体3.5重量%)溶解させること
で比較単量体(1)を得た。なお、部分鹸化物は即座に
溶解したのに対して、完全鹸化物を溶解させるのに加熱
下2時間を要した。以下、比較単量体(1)について、
実施例1と同様に行うことで比較吸水性樹脂(1)を得
た。表1から明らかな様に、比較吸水性樹脂(1)は吸
水倍率が大幅に低く、しかも、黄土色で耐熱性に乏しか
った。
【0050】(比較例2)実施例1において、部分鹸化
ポリビニルアルコールに代えて完全鹸化ポリビニルアル
コール(鹸化度98.5以上,重合度500)を71.
2g(対単量体3.5重量%)溶解させることで比較単
量体(1)を得た。なお、部分鹸化物は即座に溶解した
のに対して、完全鹸化物を溶解させるのに加熱下2時間
を要した。以下、比較単量体(2)について、実施例1
と同様に行うことで比較吸水性樹脂(2)を得た。表1
から明らかな様に、比較吸水性樹脂(2)は吸水倍率が
大幅に低く、しかも、黄土色で耐熱性に乏しかった。
【0051】(比較例3)実施例1において、中和率7
5モル%で濃度37%の部分中和アクリル酸ナトリム塩
の水溶液5500gに代えて、中和率100モル%で濃
度37%の完全中和アクリル酸ナトリウム塩5500g
を用いることで、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート(0.07モル%)および部分鹸化ポリビニルアル
コール(3.5重量%)を含む比較単量体(2)を得
た。以下、比較単量体(2)について、実施例1と同様
に行うことで比較吸水性樹脂(2)を得た。表1から明
らかな様に、比較吸水性樹脂(2)は水可溶分が非常に
多かった。
【0052】(比較例4)実施例1において、重合後の
含水ゲル状重合体の乾燥温度を90℃に変える以外は同
様に行うことで、比較吸水性樹脂(4)を得た。表1か
ら明らかな様に、比較吸水性樹脂(4)は吸水倍率が非
常に低かった。
【0053】(比較例5)実施例1において、部分鹸化
ポリビニルアルコールを用いないことで比較単量体
(5)を得た。以下、比較単量体(5)について、実施
例1と同様に行うことで比較吸水性樹脂(5)を得た。
部分鹸化ポリビニルアルコールを用いないモノマーは粘
度が7cp以下と低いため取扱が困難であり、また、表
1から明らかな様に、比較吸水性樹脂(5)はやや水可
溶分が多かった。
【0054】(比較例6)実施例1において、部分鹸化
ポリビニルアルコールの使用量を0.1g(0.005
重量%)とする以外は同様に行うことで比較単量体
(5)を得た。以下、比較単量体(6)について、実施
例1と同様に行うことで比較吸水性樹脂(6)を得た。
【0055】(比較例7)実施例1において、単量体
(1)5500gに更にイオン交換水2640gを加え
ることで濃度25%の比較単量体(7)を得た。以下、
比較単量体(7)について、実施例1と同様に行うこと
で比較吸水性樹脂(7)を得た。表1から明らかな様
に、比較吸水性樹脂(7)は水可溶分が非常に多かっ
た。
【0056】(比較例8)比較例1で得られた比較吸水
性樹脂(1)に対して、実施例4と同様に表面架橋を行
うことで、比較吸水性樹脂(8)を得た。表1から明ら
かな様に、比較吸水性樹脂(8)は吸水倍率や吸引力が
15.6と大幅に低く、しかも、茶褐色で耐熱性に乏し
かった。
【0057】表1で明らかな様に、本発明の吸水性樹脂
は、安価で安全で生分解性の高いポリビニルアルコール
を用いて得られた、高吸水倍率,高グラフト率で低水可
溶分,高い耐熱性を示す吸水性樹脂である。
【0058】
【表1】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部分中和の酸基含有重合性単量体を必須
    とする単量体成分を、酸基含有重合性単量体に対して2
    〜10重量%の量で鹸化度90〜50モル%のポリビニ
    ルアルコールおよび架橋剤の存在下、単量体成分の濃度
    31重量%以上で重合した後、更に150℃以上で加熱
    乾燥することを特徴とする吸水性樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコールの鹸化度が70〜
    83モル%である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリビニルアルコールの重合度が100
    0〜2000である請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 架橋剤が複数の重合性不飽和基を有し、
    且つ酸基含有重合性単量体に対して0.05〜0.5モ
    ル%である請求項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 加熱乾燥後の吸水性樹脂の表面近傍を更
    に架橋することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリビニルアルコールを酸基含有重合性
    単量体に対して2〜10重量%存在下させ、酸基含有重
    合性単量体を必須とする単量体成分および架橋剤を重合
    して得られた吸水性樹脂であって、酸基含有重合体の水
    可溶分量が6重量%以下,ポリビニルアルコールの溶出
    量が用いたポリビニルアルコ−ルに対して35重量%以
    下,生理食塩水の吸水倍率が40(g/g)以上である
    吸水性樹脂。
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