JPH07228229A - 車両の後輪制動力制御装置 - Google Patents

車両の後輪制動力制御装置

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Publication number
JPH07228229A
JPH07228229A JP2077194A JP2077194A JPH07228229A JP H07228229 A JPH07228229 A JP H07228229A JP 2077194 A JP2077194 A JP 2077194A JP 2077194 A JP2077194 A JP 2077194A JP H07228229 A JPH07228229 A JP H07228229A
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JP
Japan
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pressure
valve
wheel
rear wheel
braking force
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JP2077194A
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English (en)
Inventor
Takao Morita
隆夫 森田
Tsutomu Matsukawa
勉 松川
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブレーキペダル踏力が大きく増大した場合で
の後輪ロックを防止しつつ、制動性能及び制動安定性を
向上できる後輪制動力制御装置を安価に提供する。 【構成】 後輪ロック傾向が生じると、コントローラ7
1の制御下で遮断弁91、92が閉動作して後輪ホイー
ルシリンダ圧の増大を阻止する。スリップ率が大きい場
合、減圧弁64が開作動して、ホイールシリンダ553
に加わっているブレーキ液圧がバランスピストン機構2
00を介してリザーブタンク53’側に逃げ、これに伴
うピストン202移動によりホイールシリンダ554へ
の印加圧力も低下する。ロック傾向が解除されると、遮
断弁が開動作してホイールシリンダ圧が増大する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、前輪制動力と後輪制動
力との配分を制御する車両の後輪制動力制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】車両のブレーキ装置は、ドライバによる
ブレーキペダルの踏み込み操作に応じてマスタシリンダ
で発生したブレーキ液圧(以下、マスタシリンダ圧とい
う)を4輪のホイールシリンダに伝達して各輪に制動力
を加えるようになっている。このブレーキ装置を搭載し
た車両の走行中に、ブレーキペダル操作により各輪に大
きい制動力が加わると、車両の減速度が大きくなって後
輪荷重が減少し、このため後輪の接地性が低下する。そ
して、この状況下で、マスタシリンダ液圧を前輪と後輪
のホイールシリンダへ同一配分すると、後輪が先にロッ
クして車両の制動安定性が悪くなる。
【0003】後輪先ロックによる制動不安定化を解消す
るため、従来、プロポーショニングバルブ(PCV)を
ブレーキ装置に組み込むことが知られている。PCV
は、制動力が小さいときはマスタシリンダ圧をそのまま
後輪のホイールシリンダに伝達する一方、マスタシリン
ダ圧が設定圧力以上になると後輪のホイールシリンダへ
伝達される液圧の上昇率を下げるように機能する。
【0004】すなわち、PCVをブレーキ装置に組み込
んだ場合、後輪制動力は、PCVへの入力液圧が設定圧
力以下である小制動力領域では前輪制動力の増大につれ
て大きい割合で増大する一方、PCVへの入力液圧が設
定圧力を越える大制動力領域では前輪制動力の増大につ
れて小さい割合で増大する。そして、従来のブレーキ装
置の制動力配分特性は、制動時に4輪が同時にロックす
るような制動力配分(理想制動力配分)に比べて後輪へ
の制動力配分が小さくなるように設定され、これにより
後輪先ロックによる制動安定性の悪化を防止している。
このため、所要の総合制動力を発生する際に、前輪側の
制動力負担が増大することがある。前輪制動力に負担を
かけすぎると、前輪ブレーキ装置のブレーキパッドの摩
耗を増大させるだけでなく発熱量が増大するためブレー
キパッドの摩擦係数が急激に減少するフェード現象や、
ブレーキ液温度の上昇によるペーパロック現象が発生し
やすくなり、更に、制動時のノーズダイブの発生を招来
して制動安定性が悪化する。その一方で、後輪側の制動
力負担を増大させると、後輪がロックしやすくなる。
【0005】そこで、マスタシリンダ圧を後輪ホイール
シリンダに伝える流路に設けたプロポーショニングバル
ブをバイパスする流路に第1の開閉弁を設けると共に、
ホイールシリンダとプロポーショニングバルブ間の流路
に常閉の第2の開閉弁を介してアキュムレータを接続し
てなる後輪制動力制御装置が、特開平5−147521
号公報に提案されている。
【0006】この提案装置では、マスタシリンダ圧検出
手段により検出されたマスタシリンダ圧が設定圧力より
も低ければ、制御手段の制御下で第1の開閉弁が開かれ
て後輪への制動力配分が高められる。一方、マスタシリ
ンダ圧が設定圧力以上になると、第1の開閉弁が閉じら
れて後輪の早期ロックが防止される。また、後輪のロッ
ク限界の高さに影響する制動条件を検出する制動条件検
出手段の検出出力から後輪のロック限界が判定され、後
輪のロック限界の高低に応じて設定圧力が増減される。
従って、ロック限界が低い制動条件下では設定圧力が低
下してプロポーショニングバルブが早期に作動する。更
に、スリップ率算出手段により算出された後輪のスリッ
プ率が所定値以上になると第2の開閉弁が開かれ、後輪
のホイールシリンダ圧がアキュムレータに逃げ、これに
より後輪ロックが防止される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記提案装置は、プロ
ポーショニングバルブの作用を有効または無効に切換制
御して前後輪制動力配分を制御するとともに減圧弁を設
けてロックを防止できるものとなっている。しかしなが
ら、減圧時にもマスタシリンダとホイールシリンダは連
通されているため、ペダル踏力を大きく増大させた場合
には、後輪制動力が過大になって後輪がロックすること
がある。また、各後輪毎に減圧弁を設けているためコス
ト高になる。更に、コスト低減のため単純に減圧弁を統
合した場合には、左右後輪間に制動力差を付与すること
ができなくなり、又、油圧失陥時の安全性が低下する。
【0008】そこで、本発明は、ブレーキペダル踏力の
増大時においても後輪ロックを確実に防止でき、左右後
輪間に制動力差を付与できる、車両の後輪制動力制御装
置を安価に提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の後輪制動力制御
装置は、マスタシリンダと左右後輪のホイールシリンダ
とを接続する流路にそれぞれ設けられマスタシリンダ圧
の上昇度合に対するホイールシリンダ圧の上昇度合を小
さくする作動の開始点が可変設定される左右の可変プロ
ポーショニングバルブ手段と、上記可変プロポーショニ
ングバルブ手段と上記マスタシリンダとを接続する流路
に設けられ通常は開状態にある遮断弁と、シリンダ内に
摺動自在に配されたピストンにより隔成された一対のシ
リンダ室を有するバランスピストンを有するとともに一
方の上記シリンダ室とリザーバとの間の流路に介装され
た減圧弁を有し同減圧弁の開時には上記バランスピスト
ンの作用で左右のホイールシリンダ圧をバランスさせな
がら減圧するとともに上記減圧弁の閉時には上記ピスト
ンの移動が禁止されるように構成された減圧機構と、上
記各可変プロポーショニングバルブの作動開始点を独立
に設定すると共に、上記後輪のロック傾向を検知すると
上記遮断弁を閉じて上記減圧弁を開き、ロック傾向から
の回復時には上記減圧弁を閉じ上記遮断弁を開くように
構成された制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】好ましくは、上記制御手段は、上記車両の
旋回状態に応じて左右後輪間にホイールシリンダ圧差が
生じるよう上記各可変プロポーショニングバルブ手段の
作動開始点を独立に可変設定するとともに、最初の減圧
以降は制動終了時まで上記各プロポーショニングバルブ
の作動開始点を最低点に保持するように構成される。好
ましくは、上記制御手段は、後輪の減速度が所定値以上
になると上記遮断弁を閉じると共に上記後輪の加速度が
所定値以上になると上記遮断弁を開き、上記後輪のスリ
ップが所定値以上になると上記減圧弁を開くように構成
される。
【0011】
【作用】後輪のロック傾向が検知されなければ、制御手
段の制御下で、遮断弁が開状態にされると共に減圧機構
の減圧弁が閉じられる。減圧弁が閉じているとバランス
ピストンは移動不能であり、従って、左右後輪側の可変
プロポーショニングバルブを別個独立に作動または非作
動状態にすることができる。可変プロポーショニングバ
ルブが非作動状態にあれば、その圧力制御作用が無効に
されて後輪制動力配分が高くなり、制動性能が向上する
一方で、同バルブが作動すると、その作用によりマスタ
シリンダ圧の増大に伴うホイールシリンダ圧の上昇度合
が減少し、後輪制動力配分が減少して制動安定性が向上
する。
【0012】後輪のロック傾向が検知されると、遮断弁
が閉じられると共に減圧弁が開かれる。遮断弁が閉じる
ことにより、後輪ホイールシリンダへのマスタシリンダ
圧供給が遮断され、これにより後輪の更なるロック傾向
の増大が緩和される。また、減圧弁が開くと、バランス
ピストンの作用で左右後輪のホイールシリンダ圧はバラ
ンスしつつ減少し、これにより後輪のロックが防止され
る。
【0013】そして、ロック傾向からの回復時には、減
圧弁が閉じられると共に遮断弁が開き、後輪制動力が増
大し、後輪制動力が適正化される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例による後輪制動力制
御装置を装備したブレーキ装置について説明する。図1
に示すように、ブレーキ装置は、前輪駆動(FF)車に
適用されるX配管式のもので、ブレーキペダル51を備
え、ブレーキ51の踏み力を倍力装置52を介して増幅
した後、タンデムのマスタシリンダ53に伝達するよう
になっている。マスタシリンダ53は、ブレーキペダル
51の踏み込み量に応じたブレーキ液圧を発生するため
の2つの液圧発生部(図示略)を備えている。一方の液
圧発生部は、配管54を介して左前輪のホイールシリン
ダ551に接続されると共に、配管54の途中から分岐
した配管56を介して右後輪のホイールシリンダ554
に接続され、配管56には遮断弁92とPCV572が
設けられている。又、他方の液圧発生部は、配管58を
介して右前輪のホイールシリンダ552に接続されると
共に、配管58の途中から分岐した配管59を介して左
後輪のホイールシリンダ553に接続され、配管59に
は遮断弁91とPCV571が設けられている。
【0015】遮断弁91、92は、後輪ホイールシリン
ダ553、554へのブレーキ液圧供給を選択的に遮断す
るためのもので、例えば常開型電磁開閉弁からなり、P
CV571、572の上流側に配されている。PCV57
1及び572は、制動力が小さいときはマスタシリンダ圧
をそのまま後輪のホイールシリンダに伝達する一方、マ
スタシリンダ圧が設定圧力(閉圧力)以上になるとマス
タシリンダ圧の上昇率に対する後輪ホイールシリンダ圧
の上昇率を下げるように機能する従来公知のプロポーシ
ョニングバルブである。
【0016】配管59上においてPCV571の上流側
と下流側との間にはバイパス管60が設けられ、同様
に、配管56上においてPCV572の上流側と下流側
との間にはバイパス管61が設けられている。バイパス
管60、61には、例えば常閉型電磁開閉弁からなるP
CVバイパスバルブ62、63が夫々設けられ、バルブ
62、63によりPCV571、572の圧力制御作用を
選択的に有効または無効とするようにしている。即ち、
PCVバイパスバルブ62又は63を開けておくと、マ
スタシリンダ53からの液圧は、PCV571又は572
をバイパスしてホイールシリンダ553又は554に供給
されるため、PCV571又は572は機能しない。一
方、PCVバイパスバルブ62又は63を閉じると、P
CV571又は572が機能する。
【0017】本実施例では、PCVバイパスバルブ6
2、63を閉じるべき設定圧力に対応する目標車輪減速
度(マスタシリンダ圧の上昇度合に対するホイールシリ
ンダ圧の上昇度合を小さくする作動の開始点)の各々を
独立に可変設定するようにし、これによりPCV57
1、572が作動を開始するマスタシリンダ圧を変化させ
て、後輪への制動力配分を制御可能としている。詳しく
は、本実施例装置は、図2に斜線で示した領域で後輪制
動力を制御可能とし、理想制動力配分曲線Bに沿って制
動力配分を行う場合よりも高い制動力を後輪に発生可能
としている。
【0018】又、図2中、直線aと直線bとからなる折
れ線Cは、PCVバイパスバルブ62、63を閉状態に
保持した場合の制動力配分を示す。なお、直線aで表さ
れる折れ線Cの立ち上がり部分は、従来装置の制動力配
分特性を表す折れ線の立ち上がり部分に比べて急勾配に
なっているが、これは前輪用のホイールシリンダ55
1、552の受圧面積に対する後輪用のホイールシリンダ
553、554の受圧面積の大きさを、50:50程度と
従来に比べて大きくしたことにより達成される。又、折
れ点および折れ点以降での制動力配分特性は、PCV5
71、572の構成上の設定により実現している。
【0019】図1に示すように、後輪制動力制御装置
は、バランスピストン機構200と減圧弁64とを含む
減圧機構を更に備えている。バランスピストン機構20
0は、シリンダ201とこの内部に摺動自在に配された
ピストン202とを有し、シリンダ201とピストン2
02とにより第1及び第2シリンダ室203、204が
画成されている。第1シリンダ室203内には、ピスト
ン202を第2シリンダ室204側に常時付勢するスプ
リング205が配され、通常、ピストン202は、第2
シリンダ室204内に配されピストン202の第2シリ
ンダ室側への移動を規制するストッパ206に当接して
いる。
【0020】バランスピストン機構200には、その第
1シリンダ室203側に第1及び第2ポート203a、
203bが形成され、また、第2シリンダ室204側に
第3ポート204aが形成されている。第1ポート20
3aは、左右後輪のホイールシリンダ553、554に共
通の減圧弁64が開状態のとき、該減圧弁64を介し
て、リザーバとしてのリザーブタンク53’に連通する
ようになっている。又、第2ポート203bは、ホイー
ルシリンダ553側から第1シリンダ室203側への流
通のみを許容するチェック弁210を介して、PCV5
71の下流側において配管59に連通している。更に、
第3ポート204aはPCV572の下流側において配
管56に連通している。
【0021】減圧機構は、減圧弁64の開弁時にはバラ
ンスピストン機構200の作用で左右後輪のホイールシ
リンダ圧をバランスさせながら減圧させる一方、減圧弁
64の閉弁時にはピストン202の移動を禁止するよう
になっている。後輪制動力制御装置は、PCVバイパス
バルブ62、63、減圧弁64および遮断弁91、92
の開閉作動を制御するための制御手段としての、マイク
ロコンピュータ及びその周辺回路により構成されるコン
トローラ71と、該コントローラ71に接続した各種セ
ンサとを更に備えている。参照符号81は、ブレーキペ
ダル51の踏込み操作の有無を検出するためのブレーキ
ペダルスイッチを示し、82は、ステアリングホイール
の操舵角HANを検出するためのハンドル角センサ82
を示す。又、参照符号83は、車体に加わる前後加速度
を検出するための前後Gセンサを示し、84及び85
は、左右後輪の車輪速度を検出するための車輪速センサ
を表す。
【0022】以下、図1に示した後輪制動力制御装置の
作動を説明する。コントローラ71は、例えば、車両の
イグニッションキーがオン操作されると、図3ないし図
6に示す後輪制動力制御ルーチンの実行を開始する。な
お、本ルーチンの一部は左右後輪の各々について別個独
立に実行されるが、図示の簡略化のため、図3〜図6に
は各輪についての制御手順を区別せずに示してある。
【0023】この制御ルーチンにおいて、コントローラ
71は、装置各部を初期化するための初期設定を行い
(ステップS2)、次に、ブレーキペダルスイッチ81
がオンであるか否かを、即ち、ブレーキペダル51が踏
まれたか否かを判別する(ステップS4)。そして、ス
テップS4での判別結果が肯定であればフラグBの値を
「1」に設定する一方(ステップS6)、判別結果が否
定であればフラグBの値を「0」に設定する(ステップ
S8)。
【0024】次に、コントローラ71は、ハンドル角セ
ンサ出力HAN、前後Gセンサ出力GXおよび左右後輪
の車輪速センサ出力RLV、RRVを順次読み込み(ス
テップS10、S12、S14)、前回及び今回処理サ
イクルでの車輪速センサ出力に基づき左右後輪の車輪加
速度RLG、RRGを算出する(ステップS16)。ス
テップS18では、フラグBの値が「1」であるか否か
が、即ち、ステップS4でブレーキペダル51の踏込み
が検出されたか否かが判別される。この判別結果が肯定
であれば、ステップS16で算出した車輪加速度RL
G、RRGの各々に基づいて、各輪の車輪減速度が所定
値(例えば1.4G)以下であるか否かが、即ち、各輪
にロック傾向があるか否かが更に判別され(ステップS
20)、この判別結果が肯定であれば、フラグGはロッ
ク傾向を表す値「1」に設定される(ステップS2
2)。
【0025】そして、ステップS20で減速度が所定値
以下ではないと判別され、或いは、ステップS22での
フラグ設定が終了すると、ステップS16で算出した車
輪加速度RLG、RRGの各々に基づいて、各輪の車輪
加速度が所定値(例えば1.4G)以上であるか否か
が、即ち、各輪がロック傾向解除状態にあるか否かが判
別され(ステップS24)、この判別結果が肯定であれ
ばフラグGがロック傾向解除状態を表す値「0」に設定
される(ステップS26)。
【0026】次に、コントローラ71は、ステップS1
4で読み込んだ左右後輪の車輪速度RLV、RRVに基
づいて目標車体速度VXを求める(ステップS28)。
この目標車体速度VXは、例えば、両車輪速度RLV、
RRVのうちの大きい方の値を目標車体速度VXとして
単に選択することにより求めても良く、或いは、従来公
知の推定車体速決定方法により求めても良い。
【0027】次に、ステップS28で求めた目標車体速
度VXが、後輪制動力制御が実質的に適用される車速領
域の下限を表す所定車速(例えば6km/h)以上であ
るか否かが判別され(ステップS30)、この判別結果
が肯定であればフラグMの値が「1」に設定され(ステ
ップS32)、そうでなければフラグMの値が「0」に
設定される(ステップS34)。
【0028】次に、ステップS10で読み込まれたハン
ドル角HANとステップS28で求めた目標車体速度V
Xと基づいて、車体に加わる旋回加速度YGが従来公知
の手順で算出される(ステップS36)。更に、図2の
折れ線Cの折れ点に対応する目標減速度(例えば約0.
4G)が設定される(ステップS38)。この目標減速
度の設定では、ステップS36で算出した旋回加速度Y
Gが考慮され、旋回外輪側の目標減速度は旋回内輪側の
それよりも大きい値に設定される。これは、旋回度合が
急になるほど荷重が外輪側へ移動して外輪の方が内輪よ
りもロックしにくくなるからである。
【0029】次に、コントローラ71は、ステップS1
4で読み込んだ車輪速度RLV、RRVとステップS2
8で算出した目標車体速度VXとに基づいて、左後輪側
および右後輪側でのスリップ率(VX−RLV)/VX
および(VX−RRV)/VXを順次算出し(ステップ
S40、S42)、両算出値のうちの大きい方を選択し
(ステップS44)、更に、ステップS44で選択した
スリップ率が所定スリップ率(例えば15%)以上であ
るか否かを判別する(ステップS46)。そして、この
判別結果が肯定であればフラグFの値を「1」に設定す
る(ステップS48)。
【0030】次に、フラグBの値が「1」であるか否か
が判別され(ステップS50)、この判別結果が肯定で
あればフラグMの値が「1」であるか否かが判別される
(ステップS52)。そして、ステップS50又はS5
2での判別結果が否定、すなわちブレーキペダル51が
踏込操作されていないか、或いは目標車体速度VXが実
質的な後輪制動力制御が適用される車速領域外であれ
ば、後輪制動力制御装置を通常作動状態へ復帰させる。
即ち、フラグL、フラグGおよびフラグFの値が「0」
に順次設定され(ステップS54、S56、S58)、
減圧弁64の開弁時間Tが値「0」に設定され(ステッ
プS60)、バイパス弁62、63および減圧弁64が
順次閉弁され(ステップS62、S64)、更に、遮断
弁91、92が開弁される(ステップS66)。
【0031】一方、ステップS50およびS52での判
別結果の双方が肯定、即ち、実質的な後輪制動力制御が
適用される車速領域内での車両走行中にブレーキペダル
51の踏込操作が行われていると判別すると、コントロ
ーラ71は、ステップS16で算出した車輪加速度RL
G、RRGの各々に基づいて、各輪の車輪減速度が、ス
テップS38で設定した目標減速度以下であるか否かを
判別する(ステップS68)。
【0032】制動開始直後であってマスタシリンダ圧が
さほど増大していない等の理由で、ステップS68での
判別結果が肯定であれば、コントローラ71は、フラグ
Lの値が「0」であるか否かを判別する(ステップS7
0)。この判別時点以前において車輪減速度が目標減速
度に到達しておらず、従って、フラグLは初期値「0」
に設定されたままであれば、ステップS70での判別結
果は肯定になる。この場合、フラグFの値が「0」であ
るか否かが更に判別される(ステップS72)。今回処
理サイクルのステップS6においてスリップ率が所定ス
リップ率以上ではないと判別され、従ってフラグFの値
が「0」であれば、コントローラ71は、バイパスバル
ブ62又は63に例えばハイレベルの制御出力を送出し
て同バルブを開状態に維持する(ステップS74)。
【0033】この様に、バイパスバルブ62又は63が
開状態に維持された場合、バイパス管60又は61が開
かれて、マスタシリンダ53からのブレーキ液圧が後輪
ホイールシリンダ533又は534に供給され、PCV5
71又は572を介してブレーキ液圧が供給される場合に
比べて、ホイールシリンダ533又は534は大きい制動
力を発生する。
【0034】次に、コントローラ71は、フラグGの値
が「0」であるか否かを判別する(ステップS76)。
今回処理サイクルのステップS20において車輪減速度
が所定値以下ではないと判別され、従ってフラグGの値
が「0」であれば、ステップS76での判別結果が肯定
になる。この場合、コントローラ71は、遮断弁91又
は92に例えばローレベルの制御出力を送出して同バル
ブを開状態に維持し(ステップS78)、次に、フラグ
Fの値が「1」であるか否かを判別する(ステップS8
0)。今回処理サイクルのステップS46においてスリ
ップ率が所定スリップ率以上ではないと判別され、フラ
グFの値が「0」であれば、ステップS80での判別結
果は否定になる。この場合、本ルーチンは上記ステップ
S4に戻り、ブレーキペダルの踏込操作が継続している
限り、ステップS4以降の一連の処理が繰り返し実行さ
れる。この間、通常は、ブレーキペダルの踏込操作によ
りマスタシリンダ圧が増大する。
【0035】その後の処理サイクルのステップS68に
おいて、車輪減速度が目標減速度以下ではないと判別す
ると、コントローラ71は、フラグLの値を「1」に設
定し(ステップS82)、バイパスバルブ62又は63
に例えばローレベルの制御出力を送出して同バルブ62
又は63を閉じる(ステップS84)。この結果、マス
タシリンダ13からのブレーキ液圧がPCV571又は
572を介してホイールシリンダ553又は554に供給
され、PCV571又は572のブレーキ液圧上昇率抑制
機能が奏されて、バイパス管60又は61を介してブレ
ーキ液圧供給がなされる場合に比べて後輪制動力が抑制
される。
【0036】次に、コントローラ71は、フラグGの値
が「0」であるか否かを判別し(ステップS76)、こ
の判別結果が肯定であれば遮断弁91又は92を開状態
に維持する(ステップS78)。そして、次のステップ
S80でフラグFの値が「1」でないと判別されると、
本ルーチンは上記ステップS4に戻る。そして、ステッ
プS4以降の処理が実行されるが、上記処理サイクルの
ステップS82でフラグLの値が「1」に設定されたこ
とから、バイパスバルブ62又は63は閉弁状態に維持
される。
【0037】その後、車輪減速度が所定値以下であって
車輪がロックするおそれがあるとステップS20で判別
され、従って、ステップS22でフラグGの値が「1」
に設定されると、ステップS76での判別結果が否定に
なり、次のステップS86で遮断弁91又は92に例え
ばハイレベルの制御出力が送出されて同バルブが閉じら
れる。この結果、遮断弁91又は92が配された配管5
9又は56を介する後輪ホイールシリンダ553又は5
54へのマスタシリンダ液圧の供給が遮断される。これ
により、後輪制動力の増大が阻止されて後輪ロック防止
機能が奏される。そして、次のステップS80でフラグ
Fの値が「1」でないと判別されると、本ルーチンは上
記ステップS4に戻る。
【0038】また、スリップ率が所定スリップ率以上で
あるとステップS46で判別され、従って、ステップS
48でフラグFの値が「1」に設定されると、ステップ
S80での判別結果が肯定になる。この場合、コントロ
ーラ71は、図示しない減圧時間計時用のタイマに所定
減圧時間(開弁時間T)をセットしてタイマをスタート
させ、この所定減圧時間が経過したか否かを判別する
(ステップS88)。なお、所定減圧時間は、一定値
(例えば50ミリ秒)でも良く、或いは、車輪減速度
(実際減速度)と公知の算出式から算出される予測減速
度との偏差として求められるロック度合などに応じて可
変設定しても良い。
【0039】所定減圧時間が未だ経過していないとステ
ップS88で判別すると、コントローラ71は、バイパ
スバルブ62、63を閉弁状態に維持し(ステップS9
0)、次いで、常閉型電磁弁からなる減圧弁64に例え
ばハイレベルの制御出力を送出して減圧弁64を開く
(ステップS92)。そして、フラグLの値が「0」に
リセットされ(ステップS94)、本ルーチンはステッ
プS4に戻る。
【0040】減圧弁64が開状態になって、バランスピ
ストン機構200の第1シリンダ室203が減圧弁64
を介して低圧のリザーブタンク53’に連通すると、左
後輪のホイールシリンダ553に供給されている高圧の
ブレーキ液が、チェック弁210、第1シリンダ室20
3及び減圧弁64を介してリザーブタンク53’側に排
出され、これにより、ホイールシリンダ553に加わる
ブレーキ液圧が低下する。又、第1シリンダ室203で
の圧力低下に伴って第1シリンダ室203と第2シリン
ダ室204間に生じる差圧により、ピストン202がス
プリング205のばね力に抗してシリンダ201内で図
1中左側に移動し、従って、第2シリンダ室204の容
積が増大し、右後輪のホイールシリンダ554に供給さ
れている高圧のブレーキ液が第2シリンダ室204に流
入し、これにより、ホイールシリンダ554に加わるブ
レーキ液圧が低下する。
【0041】その後、車輪減速度が所定値以下であって
スリップ率が所定スリップ以上であるような制動状態が
続く限り、所定減圧時間にわたって減圧弁64が開弁状
態に維持される。そして、所定減圧時間の経過がステッ
プS88で判別すると、コントローラ71は、減圧弁6
4に例えばローレベルの制御出力を送出して減圧弁64
を閉じ(ステップS96)、フラグFの値を「0」にリ
セットする(ステップS98)。結果として、所定減圧
時間にわたってバランスピストン機構200及び減圧弁
64により左右後輪のホイールシリンダ圧が減じられ
る。
【0042】以上のように、減圧弁64が開制御される
と共にバイパスバルブ62、63が閉状態にされると、
ホイールシリンダ553又は554内の圧力が直接または
間接的にリザーブタンク53’内に吸収されるため、P
CV571、572の下流の圧力は一旦下がった後PCV
571、572の作用により上昇し、以後、ブレーキ圧の
上昇に対してはPCV571、572の作用で定まる特性
で液圧が上昇する。この様に、後輪がロックするおそれ
がある場合には、PCVバイパスバルブ571、572の
下流の圧力が減少するので、後輪の初期ロックを未然に
防止できる。なお、上述の減圧動作は、スリップ率が所
定スリップ率以上であれば、後輪ロック傾向(G=0)
の有無と無関係に実行される。
【0043】その後、コントローラ71は、上記ステッ
プS4以降の処理を繰り返し実行する。これにより、ス
リップ発生のおそれがない場合(F=0)には、車輪減
速度と目標減速度との大小関係に応じてバイパスバルブ
62、63が開閉制御されて後輪制動力配分が適正化さ
れる。又、ロック傾向(G=1)が一旦検出された後
は、ロック傾向からの回復(G=0)が判別されない限
り、遮断弁91、92および減圧弁64が閉弁状態に維
持されてホイールシリンダ圧が保持される。このため、
制動効率が向上する。そして、或る処理サイクルのステ
ップS24でロック傾向からの回復が判別されてフラグ
Gの値が「0」にリセットされると(ステップS2
6)、同処理サイクルのステップS76の判別結果が肯
定になる。この場合、遮断弁91又は92が開弁され
て、ホイールシリンダ圧が増大し、制動効率の向上が図
られる。一方、スリップ率が大きい場合(F=1)に
は、減圧動作が行われて後輪制動力配分が減少し、後輪
ロック防止が図られる。
【0044】その後の処理サイクルのステップS4にお
いてブレーキペダルスイッチのオフ動作が検出されてス
テップS8でフラグBの値が「0」にリセットされる
と、同処理サイクルのステップS50での判別結果が否
定になる。この場合、コントローラ71の制御下で、後
輪制動力制御装置は通常作動状態へ復帰し(ステップS
54〜S66)、本制御ルーチンはステップS4へ戻
る。
【0045】以上を要約すれば、本制御装置は、PCV
571、572、バイパスバルブ62、63、減圧機構6
4、200および遮断弁91、92を協調制御するもの
で、これにより、後輪制動力(圧力)が、図7に実線で
示すように、減圧、保持あるいは増圧制御される。この
結果、ブレーキペダル踏力が大きく増大した場合にも、
図7に破線で示すように後輪車輪速度が急減して後輪ロ
ックに至るようなことがない。従って、図1の後輪制動
力制御装置を車両に搭載すると、アンチスキッドブレー
キシステム(ABS)を搭載しなくとも、低μ路におい
ても車両の操縦安定性が確保される。又、本装置は、後
二輪ABSに比べて低コストである。
【0046】なお、ホイールシリンダ圧の減圧は、PC
V571、572の下流側で行われるので、減圧に伴う振
動がブレーキペダル51に生じることはない。又、PC
V571とバランスピストン機構200の第1シリンダ
室203との間にチェック弁210を設けたので、第1
シリンダ室内圧と第2シリンダ室内圧とに差が生じて
も、この差圧によりピストン202がシリンダ201内
で移動することがない。従って、旋回外輪側と旋回内輪
側とで異なる値に設定するという車両旋回時における目
標減速度の設定が、ピストン移動に伴うブレーキ液圧変
化に起因して無効になることはない。すなわち、ステッ
プS36における旋回加速度補正により、バイパスバル
ブ62、63の、旋回外輪に対応する一方は、より高い
車輪減速度において閉動作し、旋回内輪に対応する他方
は、より低い車輪減速度で閉動作することになる。
【0047】また、減圧弁64が故障して閉弁不能にな
った場合にも、ピストン202がフルストローク位置に
達した後は一方のブレーキ系統において制動力を発生で
き、フェールセーフ機能が担保される。本発明は、上記
実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例え
ば、前記実施例において説明したX配管式のブレーキ装
置に代えて、一般にFR車に使用される前後配管式のブ
レーキ装置に適用しても良い。又、図1に示す常閉型バ
イパスバルブ62、63に代えて、常開型バイパスバル
ブを用いても良い。又、プロポーショニングバルブおよ
びセンサも実施例のものに限定されない。
【0048】上記実施例では、ブレーキペダル踏込操作
の完了を判別したときに後輪制動力制御装置を通常作動
状態へ単に復帰させるようにしたが、ブレーキペダル踏
込操作の完了時に、バイパスバルブ62、63及び減圧
弁64を一定時間にわたって開作動させるようにしても
良い。この場合、ホイールシリンダ553、554がバイ
パス回路60、61を介してブレーキ操作の終了により
低圧になった管路59、56の、PCVよりも上流側に
連通し、又、バランスピストン機構200の第1シリン
ダ室203が減圧弁64を介して低圧のリザーブタンク
53’に連通すると共に、第2シリンダ室204が配管
56の上流側に連通する。これにより、両シリンダ室内
圧が低下し、バランスピストン機構のピストン202が
スプリング205のばね力により第2シリンダ室側に付
勢されてストッパ206に当接するに至り、又、第1シ
リンダ室203にリザーブタンク53’からブレーキ液
が供給されることになる。
【0049】また、上記実施例では、PCV571、5
72の作動開始点としての目標減速度を、車両の旋回状
態に応じて左右後輪間にホイールシリンダ圧差が生じる
ように独立に可変設定するようにしたが、これに加え
て、最初の減圧以降は制動終了時まで各PCVの作動開
始点を最低点に保持し、これにより後輪制動力をより適
正なものにしても良い。
【0050】
【発明の効果】上述のように、本発明の後輪制動力制御
装置は、マスタシリンダと左右後輪のホイールシリンダ
とを接続する流路にそれぞれ設けられマスタシリンダ圧
の上昇度合に対するホイールシリンダ圧の上昇度合を小
さくする作動の開始点が可変設定される左右の可変プロ
ポーショニングバルブ手段と、この可変プロポーショニ
ングバルブ手段とマスタシリンダとを接続する流路に設
けられ通常は開状態にある遮断弁と、シリンダ内に摺動
自在に配されたピストンにより隔成された一対のシリン
ダ室を有するバランスピストンを有するとともに一方の
シリンダ室とリザーバとの間の流路に介装された減圧弁
を有し同減圧弁の開時にはバランスピストンの作用で左
右のホイールシリンダ圧をバランスさせながら減圧する
とともに減圧弁の閉時にはピストンの移動が禁止される
ように構成された減圧機構と、各可変プロポーショニン
グバルブの作動開始点を独立に設定すると共に、後輪の
ロック傾向を検知すると遮断弁を閉じて減圧弁を開き、
ロック傾向からの回復時には減圧弁を閉じ遮断弁を開く
ように構成された制御手段とを備えるので、ブレーキペ
ダル踏力の増大時においても後輪ロックを確実に防止で
き、左右後輪間に制動力差を付与でき、しかも装置コス
トを低減できる。
【0051】また、車両の旋回状態に応じて左右後輪間
にホイールシリンダ圧差が生じるよう各可変プロポーシ
ョニングバルブ手段の作動開始点を独立に可変設定する
とともに、最初の減圧以降は制動終了時まで各プロポー
ショニングバルブの作動開始点を最低点に保持するよう
に制御手段を構成した本発明の好適態様によれば、プロ
ポーショニングバルブのブレーキ圧力抑制作用が良好に
奏されて、後輪制動力が適正化され、これにより後輪ロ
ック防止が図られる。
【0052】また、後輪の減速度が所定値以上になると
遮断弁を閉じると共に後輪の加速度が所定値以上になる
と遮断弁を開き、後輪のスリップが所定値以上になると
減圧弁を開くように制御手段を構成した本発明の好適態
様によれば、後輪ロック傾向が生じたときに後輪制動力
を適正に減少させることができ、また、ロック傾向から
回復したときには後輪制動力を適正に増大させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による後輪制動力制御装置を
装備したブレーキ装置を示す概略図である。
【図2】前後輪の制動力配分を示す図である。
【図3】図1のコントローラが実行する後輪制動力制御
手順の一部を示すフローチャートである。
【図4】後輪制動力制御手順の、図3に続く別の一部を
示すフローチャートである。
【図5】後輪制動力制御手順の、図4に続く別の一部を
示すフローチャートである。
【図6】後輪制動力制御手順の、図5に続く残部を示す
フローチャートである。
【図7】図1の後輪制動力制御装置を作動させた場合
の、前後輪のホイールシリンダ圧力および車輪速度の制
動開始時からの時間的変化を例示するグラフである。
【符号の説明】
53 マスタシリンダ 53’ リザーブタンク(リザーバ) 551、552、553、554 ホイールシリンダ 571、572 プロポーショニングバルブ(PCV) 60、61 バイパス管 62、63 PCVバイパスバルブ 64 減圧弁 71 コントローラ 81 ブレーキペダルスイッチ 82 前後Gセンサ 83、84 車輪速センサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスタシリンダと左右後輪のホイールシ
    リンダとを接続する流路にそれぞれ設けられマスタシリ
    ンダ圧の上昇度合に対するホイールシリンダ圧の上昇度
    合を小さくする作動の開始点が可変設定される左右の可
    変プロポーショニングバルブ手段と、 上記可変プロポーショニングバルブ手段と上記マスタシ
    リンダとを接続する流路に設けられ通常は開状態にある
    遮断弁と、 シリンダ内に摺動自在に配されたピストンにより隔成さ
    れた一対のシリンダ室を有するバランスピストンを有す
    るとともに一方の上記シリンダ室とリザーバとの間の流
    路に介装された減圧弁を有し同減圧弁の開時には上記バ
    ランスピストンの作用で左右のホイールシリンダ圧をバ
    ランスさせながら減圧するとともに上記減圧弁の閉時に
    は上記ピストンの移動が禁止されるように構成された減
    圧機構と、 上記各可変プロポーショニングバルブの作動開始点を独
    立に設定すると共に、上記後輪のロック傾向を検知する
    と上記遮断弁を閉じて上記減圧弁を開き、ロック傾向か
    らの回復時には上記減圧弁を閉じ上記遮断弁を開くよう
    に構成された制御手段とを備えることを特徴とする、車
    両の後輪制動力制御装置。
  2. 【請求項2】 上記制御手段は、上記車両の旋回状態に
    応じて左右後輪間にホイールシリンダ圧差が生じるよう
    上記各可変プロポーショニングバルブ手段の作動開始点
    を独立に可変設定するとともに、最初の減圧以降は制動
    終了時まで上記各プロポーショニングバルブの作動開始
    点を最低点に保持するように構成されることを特徴とす
    る請求項1の車両の後輪制動力制御装置。
  3. 【請求項3】 上記制御手段は、後輪の減速度が所定値
    以上になると上記遮断弁を閉じると共に上記後輪の加速
    度が所定値以上になると上記遮断弁を開き、上記後輪の
    スリップが所定値以上になると上記減圧弁を開くように
    構成されることを特徴とする請求項1の車両の後輪制動
    力制御装置。
JP2077194A 1994-02-18 1994-02-18 車両の後輪制動力制御装置 Withdrawn JPH07228229A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998006609A1 (fr) * 1996-08-14 1998-02-19 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Dispositif pour reguler la puissance de freinage
KR100426734B1 (ko) * 2000-01-24 2004-04-13 주식회사 만도 전자제어식 제동제어방법

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WO1998006609A1 (fr) * 1996-08-14 1998-02-19 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Dispositif pour reguler la puissance de freinage
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