JPH0722821A - 共振器 - Google Patents

共振器

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JPH0722821A
JPH0722821A JP19200093A JP19200093A JPH0722821A JP H0722821 A JPH0722821 A JP H0722821A JP 19200093 A JP19200093 A JP 19200093A JP 19200093 A JP19200093 A JP 19200093A JP H0722821 A JPH0722821 A JP H0722821A
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pattern electrode
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pattern
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Toshimi Kaneko
子 敏 己 金
Masahiko Kawaguchi
口 正 彦 川
Katsuji Matsuda
田 勝 治 松
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Qが高く、高精度で、かつ小型の共振器を得
る。 【構成】 共振器10は、2つの誘電体基板20,30
を含む。第1の誘電体基板20の両面に、アース電極と
渦巻状のパターン電極24を形成する。パターン電極2
4の幅を、一端から中央部に向かうにしたがって小さく
なるように形成する。パターン電極24の面積S1と中
央部のパターン電極が形成されていない部分の面積S2
との面積比S2/S1を0.15以上にする。パターン
電極24の一端から間隔を隔てて、取出し電極26を引
き出す。第2の誘電体基板30にシールド電極32を形
成し、接着剤層28で誘電体基板20,30を接着す
る。保護層34,36を形成し、端子電極38a,38
b,38cと取出し端子電極40を形成する。端子電極
38aをパターン電極24,アース電極,シールド電極
32を接続し、取出し端子電極40を取出し電極26に
接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は共振器に関し、特にた
とえば、1/4波長の共振器に関する。
【0002】
【従来の技術】図19〜22はこの発明の背景となる従
来の共振器の例を示す図解図である。図19に示す共振
器は、誘電体同軸共振器である。この共振器は、円筒状
の誘電体1を含み、その一端面を除く部分に電極2が形
成されている。また、図20に示す共振器は、誘電体基
板3を含み、その一方面のほぼ全面にアース電極(図示
せず)が形成される。そして、誘電体基板3の他方面に
は、アース電極と対向するようにして、直線状のパター
ン電極4が形成される。このパターン電極4の一端は、
誘電体基板3の端面を介してアース電極に接続される。
これらの誘電体基板3,アース電極およびパターン電極
4で、マイクロストリップラインが形成される。
【0003】図21に示す共振器は、ボビン5を含み、
ボビン5の外周面に螺旋状の溝が形成されている。そし
て、ボビン5の溝に同軸ケーブルなどの導線6が巻回さ
れ、導線6の一端が端子7に接続される。導線6が巻回
されたボビン5は、金属ケースで覆われる。この共振器
の原理は、遠端開放型の1/4波長同軸共振器である。
また、図22に示す共振器は、図20の共振器と同様
に、誘電体基板3を含む。そして、誘電体基板の一方面
のほぼ全面に、アース電極(図示せず)が形成される。
さらに、誘電体基板3の他方面上には、アース電極と対
向して、渦巻状のパターン電極8が形成される。このパ
ターン電極8の一端は、誘電体基板3の端面を介してア
ース電極に接続される。さらに、パターン電極8の一端
から間隔を隔てて、取出し電極9が引き出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図19に示す共振器の
長さおよび図20に示す共振器のパターン電極の長さL
は、次に示す数1で示される。
【0005】
【数1】
【0006】ここで、λは波長であり、εreは誘電体の
実効誘電率である。数1からわかるように、これらの共
振器を小型化するためには、高誘電率の誘電体材料を使
用することが考えられる。しかしながら、その温度特性
から誘電体材料の比誘電率をあまり大きくすることがで
きず、比誘電率εr =100程度が限度である。この比
誘電率が、そのまま実効誘電率εreに置き換えられると
して、1GHzの共振器を形成すると、上式からL=
7.5mmと非常に長くなる。そのため、共振器の小型
化が困難である。
【0007】また、共振器を使用するに際して、外部回
路とのインピーダンス整合をとることが望ましい。とこ
ろが、誘電体同軸共振器やマイクロストリップライン共
振器では、誘電体の比誘電率や寸法および各電極の寸法
などによって特性インピーダンスが決定されるため、外
部回路との整合がとれない場合がある。そのため、イン
ピーダンス調整用のLC部品を取り付けたり、トリミン
グ工程を入れたりして、外部回路とのインピーダンス整
合をとる必要がある。
【0008】図21に示す共振器では、同軸ケーブルな
どを螺旋状に巻回することによって、単位長さ当たりの
インダクタンスとキャパシタンスとを大きくして波長短
縮を行い、軸方向の長さを短くして小型化したものであ
る。しかしながら、同軸ケーブルなどを螺旋状に巻回し
ているため占有面積が大きくなり、またコイルに発生し
た静電容量を利用しているため小型化しにくいなどの問
題がある。さらに、導線,ボビン,金属ケースなどを組
み立てているため、製造がめんどうであり、コストダウ
ンが困難である。
【0009】図22に示す共振器では、パターン電極が
渦巻状に形成されているため、隣接するパターン電極間
で磁束が影響しあって、電流が流れにくくなる。そのた
め、実質的な抵抗が大きくなり、Qが低下する。また、
渦巻状のパターン電極を用いた共振器では、共振周波数
が低くなると、その構造上パターン電極のライン幅を細
くして巻数を増やす必要があり、さらに抵抗が大きくな
ってQが低下するという問題があった。
【0010】それゆえに、この発明の主たる目的は、Q
の高い共振器を提供することである。また、この発明の
別の目的は、Qが高く、高精度で、かつ小型の共振器を
提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、誘電体基板
と、誘電体基板の一方面上に面状に形成されるアース電
極と、誘電体基板の他方面上にアース電極と対向して形
成され、その一端がアース電極に接続される線状のパタ
ーン電極とを含み、パターン電極の幅をその一端から他
端に向かうにしたがって小さくなるようにした、共振器
である。また、この発明は、誘電体基板と、誘電体基板
の一方面上に面状に形成されるアース電極と、誘電体基
板の他方面上にアース電極と対向して形成され、その一
端がアース電極に接続される渦巻状のパターン電極と、
パターン電極の一端と間隔を隔ててパターン電極から引
き出される取出し電極とを含み、パターン電極の面積を
S1とし、パターン電極の渦巻きの中央部のパターン電
極が形成されていない部分の面積をS2としたとき、面
積比S2/S1を0.15以上にした、共振器である。
この共振器において、パターン電極の幅をその一端から
他端に向かうにしたがって小さくなるようにすることが
望ましい。
【0012】
【作用】アース電極と線状のパターン電極とからなる共
振器では、パターン電極の電流分布はアース端子との接
続部分が大きく、先端に向かうにしたがって電流分布が
小さくなる。したがって、電流分布の大きい部分のパタ
ーン電極幅を大きくし、電流分布の小さい部分のパター
ン電極幅を小さくすることによって、電流分布に対応し
た抵抗を得ることができる。
【0013】また、アース電極と渦巻状のパターン電極
とからなる共振器では、パターン電極の面積S1とパタ
ーン電極が形成されていない部分の面積S2との比S2
/S1を0.15以上にすることによって、Qの高い共
振器を得られることがわかった。さらに、この共振器に
おいても、パターン電極とアース電極との接続部に近い
部分のパターン電極幅を大きくし、パターン電極の先端
に向かうにしたがってその幅を小さくすることによっ
て、電流分布に対応した抵抗を得ることができる。
【0014】
【発明の効果】この発明によれば、パターン電極の幅を
変えることによって、電流分布に対応した抵抗を得るこ
とができ、共振器のQを高くすることができる。また、
渦巻状のパターン電極を有する共振器において、面積比
S2/S1を0.15以上にすることによって、Qの高
い共振器を得られることがわかった。さらに、パターン
電極幅を変えることによって、電流分布に対応した抵抗
を得ることができ、面積比S2/S1による効果と合わ
せて、高いQを有する共振器を得ることができる。しか
も、この共振器は、パターン電極が渦巻状であるため、
直線状のパターン電極を有する共振器に比べて小型化す
ることができる。
【0015】また、渦巻状のパターン電極を有する共振
器では、取出し電極の位置を変えることにより、インピ
ーダンスを調整することができる。したがって、所望の
インピーダンスを得ることができ、外部回路とのインピ
ーダンス整合をとるために、他のLC部品などを使用す
る必要がない。しかも、エッチングなどの方法を用い
て、各電極の寸法を正確に形成することができるため、
精度の高い共振器を得ることができる。さらに、1枚の
誘電体基板に複数の電極パターンを正確に形成すること
ができるため、共振器の量産が可能であり、コストダウ
ンを図ることができる。
【0016】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
【0017】
【実施例】図1はこの発明の一実施例を示す斜視図であ
る。共振器10は、誘電体基板12を含む。誘電体基板
12は、たとえば誘電体セラミックで矩形板状に形成さ
れる。誘電体基板12の一方面上には、その全面にアー
ス電極14が形成される。さらに、誘電体基板12の他
方面上には、1つの辺から対向する辺に向かって、パタ
ーン電極16が形成される。そして、誘電体基板12の
1つの側面に接続電極18が形成され、この接続電極1
8によって、パターン電極16の一端がアース電極14
に接続される。パターン電極16は、接続電極18に接
続された部分から先端に向かって、その幅が段階的に小
さくなるように形成される。この実施例では、3段階に
電極幅を変化させてある。アース電極14,パターン電
極16および接続電極18などは、たとえば薄膜工法お
よびエッチングによって高精度に形成される。
【0018】この共振器10は、パターン電極16に一
端がアース電極14に接続されているため、1/4波長
のマイクロストリップ共振器となる。したがって、波長
をλとしたとき、パターン電極16の長さはλ/4とな
る。マイクロストリップ共振器では、図2に示すよう
に、接続電極に接続されたパターン電極の一端側の電流
分布が大きく、他端側の電流分布が小さい。そのため、
電流分布の大きい部分のパターン電極幅を大きくするこ
とによって、実質的な抵抗を小さくすることができる。
それにより、同一幅のパターン電極を有する共振器に比
べて、共振器10のQを高くすることができる。
【0019】実験例として、図1に示す共振器10と図
20に示す従来の共振器とのQを測定した。従来の共振
器としては、パターン電極の長さが7.0mm,パター
ン電極幅が0.2mmのものを使用した。また、図1に
示す共振器としては、パターン電極の長さを7.0mm
とし、接続電極と接続した部分から2.0mmまでのパ
ターン電極幅を0.3mm,接続電極と接続した部分か
ら2.0mm〜5.0mmまでのパターン電極幅を0.
2mm,接続電極と接続した部分から5.0mm〜7.
0mmまでのパターン電極幅を0.1mmとしたものを
使用した。そして、これらの共振器のQを測定した。そ
の結果、パターン電極幅が一定の共振器のQは62であ
ったのに対し、パターン電極幅を変えた共振器のQは7
5であった。このように、パターン電極の総面積は同じ
であるにもかかわらず、パターン電極幅を変えた共振器
のQは、パターン電極幅が一定の共振器に比べて約20
%の向上がみられた。
【0020】図3はこの発明の他の実施例を示す平面図
であり、図4はその断面図解図であり、図5はその分解
斜視図である。この共振器10は、矩形板状の第1の誘
電体基板20を含む。第1の誘電体基板20としては、
たとえば比誘電率が70以上の高誘電率を有するものが
用いられる。第1の誘電体基板20は図6,図7および
図8に示され、第1の誘電体基板20の一方面上のほぼ
全面にアース電極22が形成される。さらに、第1の誘
電体基板20の他方面上には、アース電極22に対向し
てパターン電極24が形成される。パターン電極24
は、第1の誘電体基板20の1つの辺から中心方向に向
かって、一定幅の渦巻状に形成される。このとき、パタ
ーン電極24の面積をS1,渦巻きの中心部のパターン
電極が形成されていない部分の面積をS2としたとき、
面積比S2/S1が0.15以上となるように形成され
る。
【0021】さらに、パターン電極24から誘電体基板
20の端部に向かって、取出し電極26が引き出され
る。取出し電極26は、誘電体基板20の辺に引き出さ
れたパターン電極24の一端から所定の間隔を隔てて形
成される。これらのパターン電極24および取出し電極
26上には、ポリイミド層などの接着剤層28が形成さ
れる。この接着剤層28上には、第2の誘電体基板30
が形成される。第2の誘電体基板30としては、たとえ
ば第1の誘電体基板より低い比誘電率を有するものが用
いられる。第2の誘電体基板30は図9,図10および
図11に示され、第2の誘電体基板30上のほぼ全面に
シールド電極32が形成される。そして、アース電極2
2およびシールド電極32を覆うようにして、保護層3
4,36が形成される。このとき、保護層34,36
は、取出し電極26の引き出された方向を除いて、アー
ス電極22およびシールド電極32の端部が露出するよ
うに形成される。
【0022】この共振器10の側面には、3つの端子電
極38a,38b,38cが形成される。これらの端子
電極38a,38b,38cは、取出し電極26が引き
出されていない側面に形成される。そして、1つの端子
電極38aによって、パターン電極24,アース電極2
2およびシールド電極32が接続される。また、他の端
子電極38b,38cは、それぞれアース電極22およ
びシールド電極32に接続される。さらに、共振器10
の取出し電極26が引き出された側面には、取出し端子
電極40が形成される。この取出し端子電極40は、取
出し電極26に接続される。この共振器10のインピー
ダンスは、端子電極38aに接続されたパターン電極2
4の一端と取出し電極26との間隔によって決定され
る。
【0023】このような共振器10では、波長をλ,実
効誘電率をεre,補正値をkとしたとき、パターン電極
24の長さLは次に示す数2で表される。また、実効誘
電率εreは、数3および数4で表される。
【0024】
【数2】
【0025】
【数3】
【0026】
【数4】
【0027】ここで、εr は第1の誘電体基板20の比
誘電率、Wはパターン電極24の幅、tは第1の誘電体
基板20の厚みであり、補正値kはパターン電極24の
曲げ回数(巻数)および第2の誘電体基板30の比誘電
率とその厚みに対応した値である。ここで、比誘電率と
厚みを一定とした場合、この補正値kは、図12に示す
パターン電極24の90°曲げ回数との関係を示すグラ
フから求められる。
【0028】この共振器10を作製するには、第1の誘
電体基板20が準備される。この第1の誘電体基板20
に、薄膜工法およびエッチングなどの方法を用いて、ア
ース電極22およびパターン電極24が形成される。さ
らに、第2の誘電体基板30に、薄膜工法によって、シ
ールド電極32が形成される。そして、第1の誘電体基
板20のアース電極22および第2の誘電体基板30の
シールド電極32の上に、ガラスまたは樹脂を用いて保
護層34,36が形成される。さらに、第1の誘電体基
板20のパターン電極24形成面に熱可塑性ポリイミド
を印刷あるいは塗布し、第2の誘電体基板30を貼り合
わせて加熱圧着する。そののち、端子電極38a,38
b,38cおよび取出し端子電極40を形成し、共振器
10が作製される。
【0029】この共振器10では、コンデンサパターン
が形成されていないが、図13に示す等価回路を有す
る。これは、この共振器10の構造がストリップライン
構造であるために、パターン電極24とアース電極22
との間に静電容量が形成されるためである。また、パタ
ーン電極24とシールド電極32との間にも静電容量が
形成されるが、主として比誘電率の大きい第1の誘電体
基板20を挟んだアース電極22との間に静電容量が形
成される。この静電容量は、第1の誘電体基板20の厚
みを変えることにより変化させることができ、それによ
って共振周波数を変えることができる。また、第1の誘
電体基板20の比誘電率やパターン電極24の幅を変え
ることによっても、静電容量を変えることができる。実
験によれば、第1の誘電体基板20の比誘電率や厚みま
たはパターン電極24の面積を調整することにより、共
振器10の適用可能周波数を1GHz〜5GHzに調整
することができた。
【0030】この共振器10では、面積比S2/S1を
0.15以上にすることによって、Qを高めることがで
きる。たとえば1GHzの共振周波数において、面積比
S2/S1とQとの関係を測定し、図14に示した。こ
こでは、実用上Qが50以上必要であることから、面積
比S2/S1を0.15以上にすることが適当であると
した。このグラフから、面積比S2/S1が0.15未
満となったとき、共振器のQが急激に劣化していること
がわかる。このグラフは共振周波数1GHzにおけるも
のであるが、それ以上の共振周波数のものでも対応す
る。また、この共振器10では、パターン電極24の一
端と取出し電極26との間隔を調整することにより、そ
のインピーダンスを調整することができるため、容易に
外部回路とのインピーダンス整合をとることができる。
【0031】渦巻状のパターン電極を有する共振器につ
いて、パターン電極幅を変えて面積比S2/S1を0.
15未満にした場合、パターン電極幅を一定にして面積
比S2/S1を0.15以上にした場合、およびパター
ン電極幅を一定にして面積比S2/S1を0.15未満
にした場合について実験した。そのために、共振器10
の平面寸法1.6×1.6mm、第1の誘電体基板20
および第2の誘電体基板30の厚み600μm,第1の
誘電体基板20の比誘電率εr =100,第2の誘電体
基板30の比誘電率εr =21.5,パターン電極24
の全長6.2mmの共振器を作製した。このような共振
器において、パターン電極24の一端からの長さを1:
2:2:1の割合に分割し、それぞれの部分の幅を1.
25:1.0:0.75:0.5の割合となるように形
成した。また、面積比S2/S1を0.15とし、パタ
ーン電極幅を一定にして共振器を形成した。この共振器
では、パターン電極の形成されていない部分の面積S2
を大きくするために、渦巻状のパターン電極の隣接する
部分の間隔を100μm以下にした。さらに、従来例と
して、面積比S2/S1を0.15未満とし、パターン
電極幅を一定にして共振器を形成した。これらの共振器
について、2GHzの共振周波数でQを測定し、図15
および図16に示した。これらの図からわかるように、
パターン電極の幅を変えた共振器のQは約80であり、
面積比0.15でパターン電極幅一定の共振器のQは約
70であり、従来の共振器のQは約65であった。
【0032】さらに、渦巻状のパターン電極を有する共
振器10において、図17に示すように、パターン電極
24の幅を、端子電極38aとの接続部分から離れるに
したがって小さくなるように形成し、かつ面積比S2/
S1を0.15以上にすれば、さらに共振器のQを高め
ることができる。このような共振器10では、面積比S
2/S1を0.15以上にしたことによる効果と、パタ
ーン電極24の幅を変化させたことによる効果とが合わ
さって、よりQの高い共振器を得ることができる。
【0033】実験例として、図17に示す構造で2GH
zの共振周波数を有する共振器を作製し、その周波数特
性を測定して、図18に示した。さらに、従来例とし
て、面積比S2/S1が0.15未満でパターン電極幅
が一定の共振器の周波数特性を点線で示した。図18か
らわかるように、面積比S2/S1を0.15以上に
し、パターン電極幅を変化させた共振器は、2GHzに
共振点のピークがあり、従来例の共振器に比べて、立ち
上がりと立ち下がりとが急峻な特性を示している。しか
も、その他の周波数域では、平坦な特性を示している。
これらの共振器のQを測定したところ、この発明の共振
器のQは約97であったのに対して、従来例の共振器の
Qは約65であった。
【0034】この発明の共振器では、第1の誘電体基板
20の材料として、その比誘電率が70以上のものが用
いられているが、これは比誘電率を小さくするとパター
ン電極24の全長Lが長くなるためである。パターン電
極24の全長が長くなると、パターン電極24の巻数が
増加する。そのため、パターン電極の形成されていない
部分の面積S2を確保できなくなり、Qが劣化してしま
う。また、面積S2を確保しようとすると、共振器が大
型化してしまう。したがって、十分なQを確保し、しか
も小型の共振器を得るためには、第1の誘電体基板20
の材料として比誘電率が70以上のものが必要となる。
【0035】また、パターン電極から引き出される取出
し電極の形成位置を変えることにより、共振器のインピ
ーダンスを調整することができ、外部回路とのインピー
ダンス整合をとることができる。したがって、インピー
ダンス整合をとるために、他のLC部品などを使用する
必要がない。しかも、エッチングなどの方法を用いて、
各電極の寸法を正確に形成することができるため、精度
の高い共振器を得ることができる。たとえば、各電極を
厚膜工法やめっきなどによって形成すると、電極の寸法
精度が±10〜20μmであるのに対し、薄膜工法およ
びエッチングによって形成すると、寸法精度を±2〜3
μmにすることができる。また、寸法精度を高くするこ
とによって、共振周波数のばらつきを1.0%以下にす
ることができた。さらに、1枚の誘電体基板に複数の電
極パターンを正確に形成することができるため、量産が
可能であり、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】マイクロストリップライン共振器の電流分布を
示す図解図である。
【図3】この発明の他の実施例を示す平面図である。
【図4】図3に示す共振器の断面図である。
【図5】図3に示す共振器の分解斜視図である。
【図6】図3に示す共振器の第1の誘電体基板を示す平
面図である。
【図7】図6に示す第1の誘電体基板の側面図である。
【図8】図6に示す第1の誘電体基板の裏面図である。
【図9】図3に示す共振器の第2の誘電体基板を示す平
面図である。
【図10】図9に示す第2の誘電体基板の側面図であ
る。
【図11】図9に示す第2の誘電体基板の裏面図であ
る。
【図12】図3に示す共振器のパターン電極の90°曲
げ回数と補正値kとの関係を示すグラフである。
【図13】図3に示す共振器の等価回路図である。
【図14】図3に示す共振器のパターン電極の面積S1
とパターン電極が形成されていない部分の面積S2との
面積比S2/S1と共振器のQとの関係を示すグラフで
ある。
【図15】パターン電極の幅が一定の渦巻状のパターン
電極を有する共振器において、面積比S2/S1が0.
15以上のものと面積比S2/S1が0.15未満のも
のとの共振周波数とQとの関係を示すグラフである。
【図16】面積比S2/S1が0.15未満の渦巻状の
パターン電極を有する共振器において、パターン電極の
幅を変えたものとパターン電極の幅が一定のものとの共
振周波数とQとの関係を示すグラフである。
【図17】この発明のさらに他の実施例を示す分解斜視
図である。
【図18】図17に示す共振器と従来の共振器との周波
数特性を示すグラフである。
【図19】この発明の背景となる従来の共振器を示す図
解図である。
【図20】従来の共振器の他の例を示す平面図である。
【図21】従来の共振器のさらに他の例を示す図解図で
ある。
【図22】従来の共振器の別の例を示す平面図である。
【符号の説明】
10 共振器 12 誘電体基板 14 アース電極 16 パターン電極 18 接続電極 20 第1の誘電体基板 22 アース電極 24 パターン電極 26 取出し電極 30 第2の誘電体基板 32 シールド電極 38a,38b,38c 端子電極 40 取出し端子電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基板、前記誘電体基板の一方面上
    に面状に形成されるアース電極、および前記誘電体基板
    の他方面上に前記アース電極と対向して形成され、その
    一端が前記アース電極に接続される線状のパターン電極
    を含み、 前記パターン電極の幅をその一端から他端に向かうにし
    たがって小さくなるようにした、共振器。
  2. 【請求項2】 誘電体基板、 前記誘電体基板の一方面上に面状に形成されるアース電
    極、 前記誘電体基板の他方面上に前記アース電極と対向して
    形成され、その一端が前記アース電極に接続される渦巻
    状のパターン電極、および前記パターン電極の一端と間
    隔を隔てて前記パターン電極から引き出される取出し電
    極を含み、 前記パターン電極の面積をS1とし、前記パターン電極
    の渦巻きの中央部の前記パターン電極が形成されていな
    い部分の面積をS2としたとき、面積比S2/S1を
    0.15以上にした、共振器。
  3. 【請求項3】 前記パターン電極の幅をその一端から他
    端に向かうにしたがって小さくなるようにした、請求項
    2の共振器。
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