JPH07227047A - オルタネータ制御装置 - Google Patents

オルタネータ制御装置

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JPH07227047A
JPH07227047A JP6014578A JP1457894A JPH07227047A JP H07227047 A JPH07227047 A JP H07227047A JP 6014578 A JP6014578 A JP 6014578A JP 1457894 A JP1457894 A JP 1457894A JP H07227047 A JPH07227047 A JP H07227047A
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battery temperature
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Hiroshi Ninomiya
洋 二宮
Tetsushi Hosogai
徹志 細貝
Keisuke Ogata
啓介 緒方
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成でオルタネータによるバッテリー
の充電状態を適正に制御する。 【構成】 エンジンの吸気温度を検出する吸気温度検出
手段12と、この吸気温度検出手段12の検出値に基づ
いてバッテリー温度を推定するバッテリー温度推定手段
15と、車速検出手段14等からなる運転状態検出手段
と、この運転状態検出手段の検出値に基づいて上記バッ
テリー温度推定手段15において推定されたバッテリー
温度を補正する推定値補正手段15と、この推定値補正
手段15により補正されたバッテリー温度の推定値に基
づいて上記目標電圧を設定する目標電圧設定手段17と
を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両等に搭載されたオ
ルタネータ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開昭62−7339号公
報に示されるように、バッテリー温度を検出する温度検
出手段を設け、この温度検出手段の検出値と、発電機
(オルタネータ)からバッテリーに供給される充電電流
を検出する充電電流検出器の検出値とに応じて発電機の
発電電圧を制御することにより、バッテリー温度が高い
状態において、満充電状態のバッテリーにオルタネータ
から過大な充電電流が流れて過充電状態となるのを防止
することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の充電制御装
置では、温度変化に起因してバッテリー特性が変化し、
高温時にオルタネータから過電流が流れてバッテリーが
過充電状態となったり、充電電流の受入れ性能の低い低
温時にバッテリーに充電不足が生じたりするのを防止で
きるという利点を有する反面、バッテリー温度を検出す
る温度検出手段を新たに設ける必要があるので、構造が
複雑になるという問題がある。
【0004】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、簡単な構成でオルタネータによるバ
ッテリーの充電状態を適正に制御することができるオル
タネータ制御装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
バッテリーが目標電圧となるようにオルタネータの出力
電圧をフィードバック制御するオルタネータ制御装置に
おいて、エンジンの吸気温度を検出する吸気温度検出手
段と、この吸気温度検出手段の検出値に基づいてバッテ
リー温度を推定するバッテリー温度推定手段と、車両の
運転状態を検出する運転状態検出手段と、この運転状態
検出手段の検出値に基づいて上記バッテリー温度の推定
値を補正する推定値補正手段と、この推定値補正手段に
より補正されたバッテリー温度の推定値に基づいて上記
目標電圧を設定する目標電圧設定手段とを設けたもので
ある。
【0006】請求項2に係る発明は、上記請求項1記載
のオルタネータ制御装置において、車速を検出する車速
検出手段を設け、この車速検出手段の検出値に基づいて
バッテリー温度の推定値を補正するように構成したもの
である。
【0007】請求項3に係る発明は、上記請求項2記載
のオルタネータ制御装置において、車速検出手段の検出
値に応じて車速が低速域にあることが確認された場合
に、バッテリー温度の推定値を低下方向に補正するとと
もに、車速の増大に伴って上記補正値を上昇方向に変化
させるように構成したものである。
【0008】請求項4に係る発明は、上記請求項1ない
し3のいずれかに記載のオルタネータ制御装置におい
て、バッテリーをエンジンルーム内に配設するととも
に、吸気温度検出手段をエアークリーナ内に配設したも
のである。
【0009】請求項5に係る発明は、上記請求項1ない
し4のいずれかに記載のオルタネータ制御装置におい
て、エンジンの冷却水温度を検出する水温検出手段を設
け、この水温検出手段の検出値に基づいてバッテリー温
度の推定値を補正するように構成したものである。
【0010】
【作用】上記請求項1記載の発明によれば、吸気温度検
出手段の検出値に基づいてバッテリー温度が推定される
とともに、このバッテリー温度の推定値が車両の走行状
態に応じて補正されることにより、最終的なバッテリー
温度の推定値が求められる。そして、上記最終的な推定
値に基づいて設定された目標電圧に応じてオルタネータ
の出力電圧が制御されることになる。
【0011】上記請求項2記載の発明によれば、吸気温
度検出手段の検出値に基づいてバッテリー温度が推定さ
れるとともに、このバッテリー温度の推定値が車速に応
じて補正されることにより、最終的なバッテリー温度の
推定値が求められる。そして、上記最終的な推定値に基
づいて設定された目標電圧に応じてオルタネータの出力
電圧が制御されることになる。
【0012】上記請求項3記載の発明によれば、低車速
時には、吸気温度に基づいて推定されたバッテリー温度
の推定値が低下方向に補正されることにより、エンジン
から伝達される熱の影響によって吸気温度検出手段の設
置部が高温状態となることに起因するバッテリー温度の
推定誤差が適正に修正される。また、高車速時には、上
記推定値が上昇方向に補正されることにより、車速の増
大に応じて走行風が増加するとともに、上記吸気通路内
に導入される空気量が増加することにより、上記吸気温
度検出手段の設置部がバッテリーの設置部よりも顕著に
冷却されることに起因するバッテリー温度の推定誤差が
適正に修正されることになる。
【0013】上記請求項4記載の発明によれば、吸気温
度検出手段が吸気通路の先端部に位置するエアクリーナ
内に配設されているため、エンジンから上記吸気温度検
出手段の設置部に伝達される熱量が少なく、上記バッテ
リー温度の推定値に大きな誤差が生じることが防止され
ることになる。
【0014】上記請求項5記載の発明によれば、冷却水
温度に応じてバッテリー温度の推定値が補正されること
により、エンジン負荷が著しく大きくなる車両の登坂時
等に、高温状態となったエンジンの熱影響を受けてバッ
テリーが加熱されることに起因するバッテリー温度の推
定誤差が適正に修正されることになる。
【0015】
【実施例】図1および図2は、本発明に係るオルタネー
タ制御装置の実施例を示している。このオルタネータ制
御装置は、エンジン1のクランク軸によって駆動される
オルタネータ2と、このオルタネータ2の作動状態を制
御するコントロールユニット3と、このコントロールユ
ニット3および車両に搭載された電気負荷4等に電流を
供給するバッテリー5と、イグニッションキースイッチ
6のON時に接続状態となるメインリレー7と、上記オ
ルタネータ制御装置の故障発生時に点灯されるワーニン
グランプ8とを有している。
【0016】上記オルタネータ2は、ステータコイル9
と、フィールドコイル10と、三相全波整流器11とを
有し、上記フィールドコイル10が巻線されたロータコ
アが回転することにより、ステータコイル9において発
生した交流電流が上記電気負荷4およびバッテリー5に
供給されるように構成されている。また、上記フィール
ドコイル10に流れる電流が上記コントロールユニット
3によって制御されることにより、オルタネータ2の出
力電圧がフィードバック制御されるようになっている。
【0017】上記コントロールユニット3は、エンジン
の吸気温度を検出する吸気温度検出手段12の検出信号
と、エンジンの冷却水温度を検出する水温検出手段13
の検出信号と、車両の走行速度を検出する車速検出手段
14の検出信号とに応じ、バッテリー5が目標電圧とな
るようにオルタネータ2の出力電圧を制御するように構
成されている。
【0018】すなわち、上記コントロールユニット3に
は、吸気温度検出手段12の検出値に基づいてバッテリ
ー5の温度を設定するバッテリー温度推定手段15と、
水温検出手段13および車速検出手段14の検出値に基
づいて上記バッテリー温度の推定値を補正する推定値補
正手段16と、この推定値補正手段16によって補正さ
れたバッテリー温度の推定値に基づき、バッテリー5の
充電時にその目標電圧を設定する目標電圧設定手段17
とが設けられている。
【0019】また、上記コントロールユニット3には、
上記バッテリー5の出力電圧に基づいてバッテリー電圧
を検出するバッテリー電圧検出手段18と、このバッテ
リー電圧の検出値と上記目標電圧とに基づいてオルタネ
ータ2の出力電圧をフィードバック制御するフィードバ
ック制御手段19とが設けられている。
【0020】そして、上記バッテリー温度推定手段15
において推定されたバッテリー温度の推定値を推定値補
正手段16で補正することによって最終的なバッテリー
温度の推定値を求めるとともに、上記目標電圧設定手段
17において、後述する目標電圧の設定テーブルから、
上記最終的なバッテリー温度の推定値に対応する目標電
圧を読出して設定し、この値に基づいて上記出力電圧の
フィードバック制御を実行するようになっている。
【0021】上記吸気温度検出手段12は、エンジン1
の吸気通路20に設けられたエアクリーナ21内に配設
された温度センサからなっている。また、上記バッテリ
ー5は、エンジンルーム内の側方部に配設されている。
【0022】上記コントロールユニット3において実行
されるフィードバック制御を図3に示すフローチャート
に基づいて説明する。上記制御動作がスタートすると、
まずステップS1において、上記バッテリー電圧Vsの
検出値を入力した後、ステップS2において、バッテリ
ー5を充電する際の目標電圧Veを設定する目標電圧の
設定制御を実行する。次いでステップS3において、上
記バッテリー電圧Vsと目標電圧Veの設定値とを比較
してバッテリー電圧Vsが目標電圧Veよりも大きいか
否かを判定する。
【0023】上記判定の結果、バッテリー電圧Vsが目
標電圧Veよりも大きいことが確認された場合には、ス
テップS4において、上記オルタネータ2のフィールド
コイル10に供給される電流値のデューティ制御に使用
した前回のデューティ制御値Fd´から予め設定された
所定量ddを減算することにより、今回のデューティ制
御に使用するデューティ制御値Fdを算出する。そし
て、ステップS5において、上記デューティ制御値Fd
に対応した制御信号を出力することにより、バッテリー
電圧Vsを目標電圧Veに一致させるフィードバック制
御を実行する。
【0024】また、上記ステップS3でNOと判定さ
れ、バッテリー電圧Vsが目標電圧Ve以下であること
が確認された場合には、ステップS6において、前回の
デューティ制御値Fd´に予め設定された所定量ddを
加算することにより、今回のデューティ制御に使用する
デューティ制御値Fdを算出した後、上記ステップS5
に移行する。
【0025】次に、上記ステップS2において実行され
る目標電圧Vsの設定制御を図4に示すフローチャート
に基づいて説明する。上記制御動作がスタートすると、
ステップS11において、上記吸気温度検出手段12の
検出値に基づいて推定されたバッテリー温度の推定値T
hを入力する。例えば、上記吸気温度検出手段12によ
って検出された吸気温度をバッテリー温度の推定値Th
として入力した後、ステップS12において、上記吸気
温度検出手段12の検出値が正常範囲内であるか否かを
判別する等によって吸気温度検出手段12の故障の有無
を検出する。
【0026】上記ステップS12でNOと判定され、吸
気温度検出手段12に故障が生じていないことが確認さ
れた場合には、ステップS13において、上記車速Sp
の検出値を入力した後、ステップS14において、上記
バッテリー温度の推定値Thを上記車速Spに基づいて
補正するための第1補正値dTaを設定する。すなわ
ち、図5に示す車速Spと、上記第1補正値dTaとの
対応テーブルから、上記車速Spの検出値に対応するバ
ッテリー温度の第1補正値dTaを読出して設定する。
【0027】上記対応テーブルは、予め行った実験に基
づいて設定したものであり、車速が所定値A以下の低車
速域において上記バッテリー温度の第1補正値dTaが
マイナスの値に設定されるとともに、車速の増大に伴っ
て次第に上記第1補正値dTaがプラスの値に変化し、
かつ車速が所定値Bとなった高車速域において上記第1
補正値dTaが一定値となるように設定されている。
【0028】上記のように低車速域において上記第1補
正値dTaがマイナスの値となるのは、低車速時には走
行風量が少なく、その冷却作用が低いので吸気通路20
のエアクリーナ21内に配設された吸気温度検出手段1
2にエンジン1から伝達される熱によって高温状態とな
り易いのに対し、エンジン1から離れた位置に配設され
たバッテリー5には上記熱の影響がそれ程大きくなく、
吸気温度がバッテリー温度よりも高温状態となるからで
ある。
【0029】また、車速Spが増大するのに伴って上記
第1補正値dTaを上昇方向に変化させるように設定し
たのは、車速Spの増大に応じて走行風量が増加すると
ともに、上記吸気通路20内に導入される空気量が増加
することにより、上記吸気温度検出手段12の設置部が
バッテリー5の設置部よりも顕著に冷却され、吸気温度
がバッテリー温度よりも低温状態となり易いためであ
る。
【0030】次に、ステップ15において、前回の制御
時に求めたバッテリー温度の第1補正値dTa´に、1
よりも小さい値に設定された所定の係数αを掛け合わせ
た値と、上記ステップS14で設定された今回の第1補
正値dTaに、(1−α)を掛け合わせた値とを加算す
ることにより、上記第1補正値dTaに、なまし処理を
施す。
【0031】また、ステップS16において、冷却水温
Twの検出値を入力した後、ステップS17において、
上記バッテリー温度の推定値Thを上記冷却水温Twに
基づいて補正するための第2補正値dTbを設定する。
すなわち、図6に示す車冷却水温Twと、第2補正値d
Tbとの対応テーブルから、上記冷却水温Twに対応す
るバッテリー温度の第2補正値dTbを読出して設定す
る。この第2補正値dTbは、エンジン1の温度が80
°C等の所定温度C以上に上昇した場合に、バッテリー
5の設置部の雰囲気温度が上昇することを考慮し、上記
冷却水温度Twが増大するのに伴って次第に大きな値と
なるように設定されている。
【0032】その後、ステップS18において、上記バ
ッテリー温度の推定値Thに、車速Spに対応する第1
補正値dTaと、冷却水温Twに対応する第2補正値d
Tbとを加算することにより、運転状態に応じた上記推
定値Thの補正を行って最終的なバッテリー温度の推定
値Thabを求める。次いで、ステップS19におい
て、図7に示すバッテリー温度Tと、目標電圧Veとの
対応テーブルから、上記最終的なバッテリー温度の推定
値Thabに対応するバッテリー5の目標電圧Veを設
定する。この目標電圧Veは、予め設定された上限値D
と下限値Eとの間において、バッテリー温度Tが増大す
るのに伴い、次第に小さな値となるように設定されてい
る。
【0033】また、上記ステップS12でYESと判定
されて吸気温度検出手段12に故障が生じたことが確認
された場合には、上記吸気温度に基づいてバッテリー温
度を推定することが不可能であるため、目標電圧Veの
上限値Dと下限値Eとの中間値Fに対応するバッテリー
温度Gをバッテリー温度の推定値Thabとして設定す
るとともに、ステップS20において、上記ワーニング
ランプ8を点灯させる制御信号を出力した後、上記ステ
ップS19に移行する。
【0034】このように上記吸気温度検出手段12の検
出値に基づいてバッテリー温度の推定値Thを求めるよ
うに構成したため、別体の温度検出手段を設けることな
く、エンジンの各種制御を実行するために設けられた吸
気温度検出手段12を用いて上記バッテリー温度を検出
することができる。
【0035】そして、上記バッテリー温度の推定値Th
を、車両に設けられた通常の車速検出手段14によって
検出された車速Spに基づいて補正することにより、こ
の車速Spの変化に応じて上記吸気温度検出手段12の
検出値と、実際のバッテリー温度との間に生じる温度差
をなくすように構成したため、正確に推定されたバッテ
リー温度に基づいて上記目標電圧Veを設定し、この目
標電圧Veに応じて上記オルタネータ2の出力電圧を適
正にフィードック制御することができる。
【0036】すなわち、上記車速検出手段14によって
検出された車速Spが予め設定された基準値A以下の場
合に、マイナスの値に設定された第1補正値dTaに基
づいて上記バッテリー温度の推定値Thを低下方向に補
正するように構成したため、上記吸気温度検出手段12
の設置部が吸気通路20を介して伝達されるエンジン1
の熱の影響を受けることに起因する推定誤差の発生を防
止し、上記バッテリー温度を正確に推定することができ
る。
【0037】また、車速Spが増大するのに伴って上記
推定値Thの第1補正値dTaを上昇方向に変化させる
ように構成したため、高車速時に走行風が増加するとと
もに、上記吸気通路20内に導入される空気量が増加す
ることにより、上記吸気温度検出手段12の設置部がバ
ッテリー5の設置部よりも顕著に冷却されることに起因
する推定誤差の発生を防止し、最終的なバッテリー温度
の推定値Thabを正確に求めることができる。
【0038】そして、上記バッテリー温度の推定値Th
abが低い場合には、目標電圧Veを高い値に設定する
ことにより、充電電流の受入れ性能の低いバッテリー5
の低温時に、充電不足が生じるのを効果的に防止するこ
とができる。また、上記バッテリー温度の推定値Tha
bが高い場合には、目標電圧Veを低い値に設定するこ
とにより、充電電流の受入れ性能の高いバッテリー5の
高温時に、過充電が行われるのを確実に防止することが
できる。
【0039】また、上記実施例では、吸気温度検出手段
12をエンジン1から離れた位置に配設されたエアクリ
ーナ21内に配設したため、上記エンジン1から伝達さ
れる熱の影響が上記吸気温度検出手段12の設置部に顕
著に及ぶことを効果的に防止し、上記吸気温度検出手段
12をエンジン1に近接した位置に配設した場合に比べ
てバッテリー温度を正確に推定することができる。
【0040】また、上記のように車速検出手段14の検
出値に基づいてバッテリー温度の推定値を補正するとと
もに、冷却水温度検出手段13の検出値に基づいてバッ
テリー温度の推定値を補正するように構成した場合に
は、エンジン負荷が著しく大きくなる車両の登坂時等
に、エンジン1が高温状態となることに起因する上記バ
ッテリー温度の推定誤差なくし、バッテリー温度を正確
に推定することができる。
【0041】すなわち、上記登坂時等にエンジン1が高
温状態となると、その熱影響を受けてバッテリー5の設
置部が高温に加熱されるのに対し、上記冷却水温検出手
段13の設置部は、吸気通路20内に導入される吸気に
より冷却されてその温度の上昇率が低いため、実際のバ
ッテリー温度が、上記吸気温度に基づいて推定されるバ
ッテリー温度の推定値Thによりも高くなる傾向があ
る。このため、上記冷却水温度検出手段13の検出値に
基づく上記補正を実行することにより、上記温度差を適
正に修正してバッテリー温度を正確に推定することがで
きる。
【0042】なお、上記実施例に示すように、車速検出
手段14の検出値に基づく補正と、冷却水温度検出手段
13の検出値に基づく補正とを同時に実行するようにし
た構成に代え、上記両補正のいずれか一方のみを実行す
るように構成してもよい。また、上記補正に代え、ある
いは上記補正とともに、エンジン回転数を検出する回転
数検出手段の検出値に基づいて上記バッテリー温度の推
定値の補正を行うように構成してもよい。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明は、吸気温度を検出する吸気温度検出手段の検出値に
基づいてバッテリー温度を推定するように構成したた
め、別体の温度検出手段を設けることなく、既存の吸気
温度検出手段を用いて上記バッテリー温度を推定するこ
とができる。そして、上記バッテリー温度の推定値を車
両の運転状態応じて補正することにより、上記吸気温度
検出手段の検出値と、実際のバッテリー温度との間に生
じる温度差をなくすように構成したため、バッテリー温
度を正確に推定することができる。
【0044】したがって、オルタネータからバッテリー
に出力される出力電圧のフィードバック制御をバッテリ
ー温度に応じて適正に実行し、バッテリー温度の推定値
が低い場合には、目標電圧を高い値に設定することによ
り、充電電流の受入れ性能の低い低温時に、充電不足が
生じるのを効果的に防止できるとともに、上記バッテリ
ー温度の推定値が高い場合には、目標電圧を低い値に設
定することにより、充電電流の受入れ性能の高い高温時
に、過充電が行われるのを確実に防止できるという利点
がある。
【0045】また、請求項2に係る発明は、車速検出手
段によって検出された車速に応じ、上記吸気温度検出手
段の検出値に基づいて推定されたバッテリー温度の推定
値を補正するように構成したため、車速の変化に応じて
変化する上記吸気温度検出手段の検出値と、実際のバッ
テリー温度との間の温度差を適正に修正することができ
る。したがって、バッテリー温度を正確に推定し、この
バッテリー温度の推定値に基づいてバッテリーの目標電
圧を適正に設定することができる。
【0046】また請求項3に係る発明は、低車速時に上
記バッテリー温度の推定値を低下方向に補正するように
構成したため、上記吸気温度検出手段の設置部が吸気通
路を介して伝達されるエンジンの熱の影響を受けること
に起因する推定誤差の発生を防止し、上記バッテリー温
度を正確に推定することができる。また、車速が増大す
るのに伴って上記推定値の補正値を上昇方向に変化させ
るように構成したため、高車速時に走行風が増加すると
ともに、上記吸気通路内に導入される空気量が増加する
ことにより、上記吸気温度検出手段の設置部がバッテリ
ーの設置部よりも顕著に冷却されることに起因する推定
誤差の発生を防止し、上記バッテリー温度を正確に推定
することができる。
【0047】また、請求項4に係る発明は、吸気温度検
出手段をエンジンから離れた位置に配設されたエアクリ
ーナ内に配設したため、上記エンジンから伝達される熱
の影響が上記吸気温度検出手段の設置部に顕著に及ぶこ
とを効果的に防止し、上記吸気温度検出手段をエンジン
に近接位置に配設した場合に比べてバッテリー温度を正
確に推定し、このバッテリー温度の推定値に基づいてバ
ッテリーの目標電圧を適正に設定できるという利点があ
る。
【0048】また、請求項5に係る発明は、冷却水温度
検出手段の検出値に基づいてバッテリー温度の推定値を
補正するように構成したため、エンジン負荷が著しく大
きくなる車両の登坂時等に、エンジンが高温状態となる
ことに起因する上記バッテリー温度の推定誤差なくして
バッテリー温度を正確に推定し、このバッテリー温度の
推定値に基づいてバッテリーの目標電圧を適正に設定す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るオルタネータ制御装置の実施例を
示す回路図である。
【図2】上記オルタネータ制御装置が設置された車両の
斜視図である。
【図3】オルタネータのフィードバック制御動作を示す
フローチャートである。
【図4】目標電圧の設定動作を示すフローチャートであ
る。
【図5】バッテリー温度の第1補正値と車速との対応関
係を示すグラフである。
【図6】バッテリー温度の第2補正値と冷却水温度との
対応関係を示すグラフである。
【図7】バッテリー温度と目標電圧との対応関係を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 オルタネータ 5 バッテリー 12 吸気温度検出手段 13 冷却水温度検出手段 14 車速検出手段 15 バッテリー温度推定手段 16 推定値補正手段 17 目標電圧設定手段 18 バッテリー電圧検出手段 19 フィードバック制御手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バッテリーが目標電圧となるようにオル
    タネータの出力電圧をフィードバック制御するオルタネ
    ータ制御装置において、エンジンの吸気温度を検出する
    吸気温度検出手段と、この吸気温度検出手段の検出値に
    基づいてバッテリー温度を推定するバッテリー温度推定
    手段と、車両の運転状態を検出する運転状態検出手段
    と、この運転状態検出手段の検出値に基づいて上記バッ
    テリー温度の推定値を補正する推定値補正手段と、この
    推定値補正手段により補正されたバッテリー温度の推定
    値に基づいて上記目標電圧を設定する目標電圧設定手段
    とを設けたことを特徴とするオルタネータ制御装置。
  2. 【請求項2】 車速を検出する車速検出手段を設け、こ
    の車速検出手段の検出値に基づいてバッテリー温度の推
    定値を補正するように構成したことを特徴とする請求項
    1記載のオルタネータ制御装置。
  3. 【請求項3】 車速検出手段の検出値に応じて車速が低
    速域にあることが確認された場合に、バッテリー温度の
    推定値を低下方向に補正するとともに、車速の増大に伴
    って上記補正値を上昇方向に変化させるように構成した
    ことを特徴とする請求項2記載のオルタネータ制御装
    置。
  4. 【請求項4】 バッテリーをエンジンルーム内に配設す
    るとともに、吸気温度検出手段をエアークリーナ内に配
    設したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
    記載のオルタネータ制御装置。
  5. 【請求項5】 エンジンの冷却水温度を検出する水温検
    出手段を設け、この水温検出手段の検出値に基づいてバ
    ッテリー温度の推定値を補正するように構成したことを
    特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のオルタ
    ネータ制御装置。
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