JPH07226371A - 基板冷却装置 - Google Patents

基板冷却装置

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JPH07226371A
JPH07226371A JP3918294A JP3918294A JPH07226371A JP H07226371 A JPH07226371 A JP H07226371A JP 3918294 A JP3918294 A JP 3918294A JP 3918294 A JP3918294 A JP 3918294A JP H07226371 A JPH07226371 A JP H07226371A
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Masao Tsuji
雅夫 辻
Yoshihiro Koyama
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 応答性を低下させることなく基板面内を均一
に冷却することができる基板冷却装置を提供する。 【構成】 基板載置プレート2に形成された作動液収容
室20内には、所定温度で蒸発する作動液22が封入さ
れている。作動液22中から作動液収容室20の天井面
にわたって、毛管現象を起こす下部ウィック26と上部
ウィック28が配設されている。基板Wが基板載置プレ
ート2に載置されると、上部ウィック28まで上昇され
た作動液22が蒸発し、潜熱を吸収して基板載置プレー
ト2を冷却する。結果、基板Wが冷却される。そして、
作動液22が気化して蒸気空間24に滞留している蒸気
は、冷却配管40によって凝縮液化される。この冷却作
用は、基板Wが作動液22の沸点にほぼ一致するまで行
なわれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体ウェハ、フォト
マスク用のガラス基板、液晶表示装置用のガラス基板、
光磁気ディスク用の基板などを所定温度に冷却するため
の基板冷却装置に係り、特に基板を基板載置プレートに
載置または近接載置して冷却する基板冷却装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の装置として、例えば、実
開昭63−46840号公報に示すようなものがある。
この基板冷却装置は、貯水タンクにおいて冷却温度調整
手段によって所定温度に調整された冷媒を基板載置プレ
ート内に配設された流路に循環させることによって、基
板載置プレートを冷却し、結果、その上に載置された基
板を所定温度に冷却するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種の基板冷却装置
は、例えば、フォトレジスト液の塗布前において、加熱
しつつHMDS(Hexamethyl Disilazane)液蒸気にて密
着強化処理を行った基板を、常温まで冷却する冷却処
理、あるいは、フォトレジスト液の薄膜を形成されて、
これを硬化させるために200℃程度に加熱処理された
基板を、20〜25℃程度に迅速に冷却する冷却処理に
用いられる。これらの冷却処理において、基板面内の温
度分布の均一性は、例えば前者では後工程であるフォト
レジスト液塗布処理時における膜厚分布の均一性に影響
し、後者においては後工程である露光・現像工程での解
像度に影響を及ぼすので、基板面内における温度分布は
1℃未満の幅に収まる程度の均一性が要求される。
【0004】しかしながら、従来の基板冷却装置では、
基板載置プレート内に配設された冷媒の流路によって温
度差ができ、基板面内における温度分布が不均一になる
という問題点がある。
【0005】そこで、均一性を高めるために、基板載置
プレートを厚くして熱容量を大きくし、冷媒の流路によ
って発生した温度差が基板載置面に与える影響を小さく
することが考えられるが、その場合、流路を循環する冷
媒による基板載置面の吸熱に時間がかかって応答性が低
下するという問題点がある。
【0006】また、冷媒を蓄積しておくタンクと、ここ
で冷媒を所定の冷却温度に調整するための温度センサや
ヒータなどの冷却温度調整手段とを必要とするので、装
置が複雑化し、大型化するという問題点がある。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、応答性を低下させることなく基板面内
を均一に冷却することができ、かつ、装置を簡単化、小
型化することができる基板冷却装置を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、本発明に係る基板冷却装置は、被処理基板を基板載
置プレートに載置または近接載置して、前記被処理基板
を所定温度に冷却する基板冷却装置において、前記基板
載置プレート内に、所定温度で蒸発する作動液を収容し
た作動液収容室を形成し、かつ、前記作動液が気化して
発生した蒸気を滞留する蒸気空間を前記作動液収容室に
形成し、前記作動液収容室内の作動液中から天井面にわ
たって毛管現象を呈する毛管構造体を配設するととも
に、前記蒸気空間に滞留する蒸気を冷却するための冷却
手段を前記作動液収容室に付設してあることを特徴とす
るものである。
【0009】
【作用】本発明の作用は次のとおりである。すなわち、
毛管構造体の毛管作用によって作動液収容室の天井面に
まで上昇した作動液は、基板載置プレートに載置または
近接載置された基板の下方に相当する流体収容室の天井
面からの熱によって蒸発し、潜熱を吸収して基板載置プ
レートを冷却する。結果、基板を冷却することができ
る。このとき、作動液収容室の天井面のうち、他の部分
と比べて温度が高い箇所では、作動液の気化の反応が他
の部分に比べて活発に起こり、基板載置プレートの温度
分布が均一になるように作用し、基板を均一に冷却する
ことができる。蒸発した作動液は、蒸気空間に滞留し、
冷却手段で冷却されることによって液化される。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。
【0011】<第1実施例>図1は、本発明に係る基板
冷却装置の第1実施例を示す縦断面図、図2は、要部の
一部切欠斜視図であり、図3は、基板載置プレートの横
断面図である。特に図3(a)は基板載置プレートの上
部断面図、(b)は基板載置プレートの底部断面図を示
す。
【0012】図中、符号1は、処理環境を維持するため
の処理室であり、処理室1の内部には、アルミニウム製
で平面視円形の基板載置プレート2が設けられている。
基板載置プレート2には、上面からみて正三角形の各頂
点部分に貫通孔3が位置するように形成されている。各
貫通孔3には、基板支持ピン4が昇降可能に挿通されて
おり、基板支持ピン4は、支持部材5に一体的に取り付
けられている。支持部材5は、エアシリンダ6のロッド
に連結されており、エアシリンダ6のロッドを伸縮させ
ることにより基板支持ピン4が基板載置プレート2に対
して昇降するように構成されている。
【0013】基板載置プレート2の上面には、所定箇所
に凹部7が形成されている。この凹部7には、凹部7の
深さよりもやや大径のセラミック製のボール8が嵌入さ
れ、この上に載置された基板Wと基板載置プレート2の
上面との間隔を微小間隔に保つように構成されている。
これにより、基板載置プレート2は、近接載置された基
板Wからの輻射熱を均一に受けることができる。
【0014】基板載置プレート2内には、作動液収容室
20としての空間が形成されており、作動液収容室20
の底部から天井面との間には、毛管現象を呈する複数本
の下部ウィック26と上部ウィック28とからなる毛管
構造体30が配設されている。下部ウィック26は、細
かい網目を有するシート状の金属材料を円柱状に密に丸
めて形成されている。上部ウィック28はグラスウール
からなり、天井面全体に広がっている。なお、下部ウィ
ック26は、上部ウィック28の全面にわたって均一に
作動液を供給できるように、多数本を密接に配設するこ
とが好ましい。
【0015】前記作動液収容室20内には、作動液22
が適宜の量だけ所定圧力で封入されている。そして、作
動液収容室20に封入された作動液22の液面から作動
液収容室20の天井面までの空間は、作動液22の蒸気
が滞留する蒸気空間24となる。ここでは、一例とし
て、フレオン11(メタン系のクロロフルオロカーボ
ン:CCl3F )が1気圧の圧力で封入されている。フレオ
ン11の沸点は、1気圧の状態では24℃であるので、
基板載置プレート2に載置される基板Wの設定冷却温度
は、24℃になる。
【0016】基板載置プレート2の底部には、冷却配管
40が屈曲して付設されている。この冷却配管40に
は、作動液22の沸点よりも低い温度に調整された冷媒
が流通される。なお、この冷却配管40は、本発明にお
ける冷却手段に相当する。
【0017】次に、上記の如く構成された基板冷却装置
による基板の冷却処理について説明する。
【0018】エアシリンダ6を伸長駆動すると基板支持
ピン4が基板載置プレート2の上面から突出し、つづい
て図示しない基板搬送機構が熱処理直後の基板Wを支持
した状態で処理室1内に進入する。基板搬送機構は、基
板Wを突出している基板支持ピン4に載置し、処理室1
内から退避する。そして、エアシリンダ6が収縮駆動さ
れることにより基板Wは、ボール8に支持されて基板載
置プレート2に近接載置される。
【0019】基板載置プレート2の基板載置面は、基板
Wからの輻射熱を受けて熱せられ、その熱は基板載置プ
レート2の内部の作動液収容室20の天井面へ伝わり、
毛管現象によって作動液収容室20の天井面にまで吸い
上げられている作動液22を蒸発させる。かかる作動液
の蒸発により、基板載置プレート2は潜熱を吸収されて
冷却されるので、結果、基板Wが冷却される。そして、
気化して蒸気となった作動液22は、蒸気空間24に滞
留する。この蒸気空間24は、基板載置プレート2の底
部に付設された冷却配管40によって冷却されているの
で、滞留している蒸気は蒸発潜熱を放出して凝縮する。
この冷却作用は、基板載置プレート2の温度、すなわ
ち、基板Wの温度が作動液22の沸点にほぼ一致するま
で続く。
【0020】上記の作動液22の蒸発は、基板載置プレ
ート2の天井面の温度分布に応じて起こる。すなわち、
基板載置プレート2の温度が高い部分では作動液22が
活発に蒸発して潜熱を吸収し、その部分を集中的に冷却
するから、基板載置プレート2の基板載置面をその全面
にわたって均一に冷却することができる。
【0021】また、冷却作用は、基板載置プレート2が
作動液22の沸点である24℃にほぼ一致するまで自ず
と行なわれるので、設定冷却温度の制御を温度制御手段
などを用いて行なう必要がなく、また冷却配管40内の
冷媒の温度も、作動液22の沸点よりも低温であればさ
ほど厳密に制御する必要がない。
【0022】なお、本実施例では、毛管構造体30をグ
ラスウールからなる上部ウィック28と網状の下部ウィ
ック26とで構成したが、グラスウールを作動液22中
から作動液収容室20の天井面に充填するように構成し
てもよい。
【0023】<第2実施例>図4は、本発明に係る基板
冷却装置の第2実施例を示す縦断面図、図5は、要部の
一部切欠斜視図である。
【0024】基板載置プレート2は、フッ化樹脂などの
断熱材料からなる断熱プレート22を挟むように設けら
れた上部プレート21 と下部プレート23 から構成され
ている。上部プレート21 には、ヒートパイプ100の
円柱形状に応じた底部開口の縦穴が多数形成され、断熱
プレート22 には、これに応じた貫通縦穴が形成されて
いる。下部プレート23 には、上部開口の縦穴が形成さ
れるとともに、縦穴の底部と下部プレート23 の底面と
の間には、冷媒が流通される冷却配管40が形成されて
いる。前記プレートの縦穴には、ヒートパイプ100が
挿入されている。
【0025】ヒートパイプ100は、銅やニッケルなど
の熱伝導率が大きな材料からなる中空円柱状の容器10
1 の内壁に毛管構造体30を内張りしたものである。
この内部には、作動液22が適宜の量だけ所定圧力で封
入されている。この場合、ヒートパイプ100は、作動
液収容室に相当し、この内部の作動液22の液面から上
方の空間は、蒸気空間に相当する。
【0026】なお、ヒートパイプ100の内壁には、毛
管構造体30を内張りする代わりに、毛管作用を起こす
ように内壁に多数の細い溝等を加工して毛管構造体30
としてもよい。
【0027】上記以外については、第1実施例と同様の
構成であるので、同符号を付すことで説明は省略する。
【0028】基板載置プレート2の基板載置面に近接載
置された基板Wからの輻射熱は、基上部プレート21
熱し、ヒートパイプ100の上部に伝熱するとともに、
毛管構造体30の上部に毛管現象で上昇している作動液
22を蒸発させる。このときヒートパイプ100の上部
は、潜熱を吸収されて冷却されるので、上部プレート2
1 が冷却され、結果、基板Wが冷却される。蒸気となっ
た作動液22は、蒸気空間24を下方に流れ、冷却配管
40によって冷却されて液化される。
【0029】冷却配管40を流通する冷媒の温度が作動
液22の沸点温度、すなわち、基板Wの冷却設定温度に
くらべて極端に低い場合には、冷却配管40によって基
板Wが直接冷却されて、基板Wが所望の冷却設定温度よ
りも低い温度まで冷却されてしまうという不都合が生じ
ることがあるが、本実施例においては、断熱プレート2
2 を設けているので、冷却配管40と基板Wとの間に直
接的に熱移動は行なわれないから、かかる不都合は生じ
ない。
【0030】上記第1,第2実施例では、ボール8によ
り基板Wを基板載置プレート2に近接載置するように構
成しているが、基板Wを基板載置プレート2に直接載置
して支持するように構成してもよい。
【0031】また、上記第1,第2実施例では、基板W
を基板載置プレート2に載置するために、基板支持ピン
4を昇降するように構成しているが、基板支持ピン4を
昇降することなく基板載置プレート2を昇降することに
よって基板Wを載置するようにしてもよい。
【0032】また、作動液としては、例えば、ヒートパ
イプ用作動液として使用されるフレオン11、フレオン
113(エタン系のクロロフルオロカーボン:CCl2F-CC
lF2)、ペンタン、エタノール、水、アンモニアなどが
使用可能であり、適宜、冷却しようとする温度に応じた
沸点をもった作動液を採用する。その作動液を作動液収
容室に減圧または加圧状態で封入することにより、作動
液の沸点を変位させ、所望の冷却温度に合わせるように
してもよい。
【0033】また、毛管構造体としては、銅、ステンレ
ス鋼、ニッケル等のスクリーン、フェルト、フォームメ
タル等や、多孔性の焼結金属や、発泡ポリウレタンや、
繊維などが使用可能である。
【0034】また、作動液に触れる部材は、作動液と反
応して非凝縮性ガスを発生して液化を妨げ、冷却効果が
低下することがあるので、作動液に応じた適合材料によ
って構成することが好ましい。例えば、作動液がアンモ
ニアの場合は、アルミニウム、炭素、鋼、ニッケル、ス
テンレス鋼などを使用するのが好ましい。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、作動液の加熱に伴う気化による潜熱吸収を利
用して基板を冷却するので、基板載置プレートの熱容量
を大きくする必要がなく、温度が高い部分ほど効果的に
冷却でき、基板載置プレートに載置された基板面内の温
度の不均一の発生を抑制するように冷却できる。結果、
応答性を低下させることなく基板面内を均一に冷却で
き、装置も小型化できる。さらに、冷却温度は、作動液
およびその封入圧によって調整されているので、冷却温
度調整手段を必要とせず、装置の構成を簡単化すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る基板冷却装置の縦断面図であ
る。
【図2】第1実施例に係る基板冷却装置の要部の一部切
欠斜視図である。
【図3】第1実施例に係る基板冷却装置の基板載置プレ
ートの横断面図である。
【図4】第2実施例に係る基板冷却装置の基板載置プレ
ートの縦断面図である。
【図5】第2実施例に係る基板冷却装置の要部の一部切
欠斜視図である。
【符号の説明】
2 … 基板載置プレート 21 … 上部プレート 22 … 断熱プレート 23 … 下部プレート 20 … 作動液収容室 22 … 作動液 24 … 蒸気空間 26 … 下部ウィック 28 … 上部ウィック 30 … 毛管構造体 40 … 冷却配管(冷却手段) 100 … ヒートパイプ(作動液収容室) 1001 … 容器 W … 基板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理基板を基板載置プレートに載置ま
    たは近接載置して、前記被処理基板を所定温度に冷却す
    る基板冷却装置において、 前記基板載置プレート内に、所定温度で蒸発する作動液
    を収容した作動液収容室を形成し、かつ、前記作動液が
    気化して発生した蒸気を滞留する蒸気空間を前記作動液
    収容室に形成し、前記作動液収容室内の作動液中から天
    井面にわたって毛管現象を呈する毛管構造体を配設する
    とともに、前記蒸気空間に滞留する蒸気を冷却するため
    の冷却手段を前記作動液収容室に付設してあることを特
    徴とする基板冷却装置。
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