JPH0722616B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents

パチンコ遊技機

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JPH0722616B2
JPH0722616B2 JP13415886A JP13415886A JPH0722616B2 JP H0722616 B2 JPH0722616 B2 JP H0722616B2 JP 13415886 A JP13415886 A JP 13415886A JP 13415886 A JP13415886 A JP 13415886A JP H0722616 B2 JPH0722616 B2 JP H0722616B2
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prize ball
balls
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吉平 新山
広司 伊東
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株式会社ソフイア
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、パチンコ遊技機における賞品球排出装置及
び入賞球処理装置とその周辺部の構成に利用して効果的
な技術に関する。
[従来技術] 従来のパチンコ遊技機における賞品球排出装置は揺動可
能な球鞘ケースを用いたものが一般的であり、第16図
(A)に示すように集合棚10の出口部に揺動可能に配設
された入賞球分離器140によって入賞球を一個ずつ分離
して、その分離された球の重みで回転されるレバー141
の動きが球鞘ケースに物理的に伝達されることで傾動さ
れて賞品球を排出する。
そして、賞品球排出が終了し球鞘ケースが元に戻ると、
その動きが入賞球分離器140に伝えられて回動され、次
の入賞球を受け入れるようになっていた。
上記従来の遊技機では、既に発生した入賞球が集合棚10
上に有る状態で、遊技が打止めになると、第16図(A)
のごとく入賞球分離器140が集合棚10上の入賞球を待機
させた状態で固定されるようになっていた。そこで、遊
技店の係員が、入賞球分離器140より排出された入賞球
を誘導する入賞球誘導樋142の途中に設けられた流路切
換えレバー143を第16図(B)のごとく回動させて、流
路を変更させてから、入賞分離器140を手動で揺動させ
て入賞球を外部へ排出させるようになっている。これに
よって、球鞘ケースを作動させることなく集合棚10上の
入賞球をすべて抜き取ることができる。
[発明が解決しようとする問題点] 上記構成においては、入賞球の抜取り作業が面倒である
と共に遊技店の係員が打止め時に流路切換レバー143を
操作して入賞球を抜き取った後、切換レバーを元に戻す
のを忘れてしまうと、その遊技機が他の遊技客のために
開放された場合に、遊技によって発生した入賞球がレバ
ー141の側に向かわずにそのまま外部へ排出されてしま
う。その結果遊技客が多大の不利益を被るおそれがあっ
た。
また、打止め時の係員による操作が正しく行なわれたと
しても、従来の構成では打止め時に入賞球分離器140に
よって入賞球が一つ取り込まれてしまっておりレバー14
1の先端で待機している。そのため、貯留タンクへの球
の補給が行なわれて打止め状態が解除されると一回だけ
賞品球が排出されてしまうという不都合があった。
[発明の目的] そこで、この発明は、簡単な操作で集合棚に残っている
入賞球のみを外部へ排出させることができるとともに、
打止め時の作業の後の初期状態への復帰を忘れてしまっ
たり、既に取り込まれた入賞球によって打止め状態解除
後に賞品球排出装置が動作されてしまうといった不都合
を回避できるようなパチンコ遊技機を提供することを目
的とする。
[問題を解決するための手段] 上記問題点を解決するためこの発明は、電気的駆動源を
有し賞品球を排出可能な賞品球排出装置を備えたパチン
コ遊技機において、入賞球を検出し一個宛流下可能な入
賞球処理装置を、入賞球集合棚の流出口に臨ませ、上記
入賞球処理装置における入賞球検出信号に基づいて上記
賞品球排出装置を一回動作させて所定数の賞品球の排出
を行ない、その賞品球排出終了信号に基づいて上記入賞
球処理装置を作動させて入賞球を一個宛流下させ、次の
入賞球を受け入れ可能な状態にさせるようにするととも
に、例えば手動で操作可能な記憶排出スイッチのような
強制排出指令手段を設け、この記憶排出スイッチがオン
された場合には上記賞品球排出装置を作動させることな
く入賞球処理装置を作動させて入賞球を排出させるよう
にするものである。
[作用] 上記した手段によれば、記憶排出スイッチを押すだけで
賞品球排出装置を作動させることなく入賞球処理装置内
の入賞球が外部へ排出されるようになるので、入賞球処
理装置に取り込まれた入賞球が内部に残ってしまうとい
うようなことがない。
[実施例] 第1図は本発明に係るパチンコ遊技機の裏機構の構成例
を示す。
裏機構盤1の上部には予備球の貯留タンク2が配設さ
れ、この貯留タンク2の一端には内部の予備球を自作用
的に整列させて誘導する案内樋11が接続されている。案
内樋11は2条の通路を有してゆるやかに傾斜され、かつ
途中に振り子式の球ナラシ3と押圧式の球ナラシ4とが
設けられており、これによって、予備球は案内樋11を流
下する間に2列に整列される。
そして、上記案内樋11の流下端部に、ストッパ式の賞品
球排出装置20(第4図参照)が、配設してある。パチン
コ遊技機100(第2図参照)の前面の遊技盤内に設けら
れた入賞口へ入賞した打球が、裏面に回収されて集合棚
10によって一箇所に集められ、入賞球処理装置40によっ
て一個ずつ分離されて入賞球検出器91によって検出さ
れ、その結果排出指令信号が形成される。すると、賞品
球排出装置20が一回だけ作動されて所定数(例えば13
個)の賞品球が排出される。入賞球処理装置40によって
分離、検出された入賞球は導出樋12を通って遊技機後方
の回収樋(図示省略)に排出される。賞品球排出装置20
による賞品球排出が終了すると、その排出終了信号を受
けて入賞球処理装置40が次の入賞球の分離、検出を行な
う。
一方、賞品球排出装置20によって排出された賞品球は、
賞品球導出樋13を通って供給口14より遊技機前面の供給
皿101(第2図参照)に流出される。供給皿101が一杯に
なると、賞品球は分流樋15を通って遊技機前面下方の受
け皿102に排出される。受け皿102が一杯になると、分流
樋15の途中に設けられたオーバフロー検出器92によって
検出され、例えば打球発射装置103の駆動を停止させる
ようになっている。
オーバフロー検出器92によって受け皿のオーバフロー状
態が検出されたときこれを遊技者に報知するため、オー
バフロー表示器113が遊技機の前面に設けられている。
遊技機100の前面には、上記オーバーフロー表示器113の
他に、入賞球の発生に応じて賞品球が排出される度ごと
に点灯される賞球ランプ111、貯留タンク2が空になっ
たときや排出された賞品球が予め定められた数に達した
場合に点灯される完了ランプ112、ピアノ線等の挿入に
より故意に賞品球排出装置20を作動させるような不正が
あった場合に点灯もしくは点滅される不正警告表示ラン
プ114、賞品球排出装置等における球詰まりや排出用ソ
レノイド、排出センサ等が故障した場合に点灯もしくは
点滅される動作不良表示ランプ115、一個の入賞球に対
応して払い出される賞品球数を表示する賞球数表示器11
6、打球発射装置103の発射モータが駆動されている間点
灯されるパイロットランプ117のような各種表示装置が
配設されている。上記賞球数表示器116は、例えば3種
類の賞球数が記述された透明板とその後方にそれぞれ配
設された3個のランプとからなり、設定器(後述)によ
って設定された賞球数に対応したランプが選択的に点灯
されることにより表示が行なわれる。
105は、遊技盤に打ち込まれた打球のうち、入賞口へ入
賞しなかった打球を遊技盤背部へ回収するためのアウト
穴、93は貯留タンク2内に予備球がなくなったとき、こ
れを検出するための球不足検出器である。
また、上記賞品球排出装置20の下方には、賞品球導出樋
13と並行して球抜樋16が設けられ、球抜き樋16の入口す
なわち賞品球導出樋13との分岐点には、切替えゲートを
有する球抜き装置60が配設されている。この球抜き装置
60は、遊技機の保持枠104の前面に形成された操作穴106
より、ピンもしくはワイヤのような工具を挿入すること
によってゲードを作動させることができるようになって
いる。そして切替えゲートが球抜き樋16側に切り換えら
れると、球抜きスイッチ84がオンされるようになってい
る。
従来の球鞘ケースを用いたパチンコ遊技機では、球抜き
用のゲートが賞品球排出装置20の上流側に配設されてい
たので、球抜きを行なっても途中に球が残ってしまった
が、この実施例では球抜き装置60が賞品球排出装置20の
下流側にあるので、すべての球を抜くことができ、パチ
ンコ店のデータの集計が正確に行なえる。
球抜き樋16の下端は、アウト穴105より回収されたアウ
ト球を誘導するアウト球導出樋17と合流され、パチンコ
店の島設備下方に配設された回収樋(図示省略)に向か
って回収球を流出するようになっている。
さらに、裏機構盤1には、上記賞品球排出装置20やオー
バフロー検出器92からの検出信号による打球発射停止、
各種表示装置の駆動などパチンコ遊技機全体の電気的な
制御を行なうための制御装置200及び遊技盤前面の各種
変動入賞装置や可変表示型補助遊技装置等に内蔵された
検出器からの信号に基づいてそれらの遊技動作を制御す
る遊技内容制御装置210が設けられている。
パチンコ遊技機の分野では、遊技内容の単調化による遊
技客離れを防止するため、遊技内容や意匠的な構成の異
なる新しい遊技盤と交換することが行なわれるが、その
場合にも遊技盤を除くパチンコ遊技機本体や裏機構盤は
ほとんど同一である。しかるに、そのような不変部分に
ついてもその寿命に達する以前に遊技盤と一緒に交換し
てしまうことは非常に不経済である。
上記実施例では、遊技盤の交換に際して遊技盤とその遊
技内容制御装置210のみ交換すれば良いような構成にさ
れている。つまり、遊技内容制御装置210は着脱可能な
遊技盤の裏面に固定されており、賞品球排出装置20や入
賞球処理装置40及びそれらの制御装置200は、予備球貯
留タンク2や各種誘導樋10〜17とともに遊技機本体と一
体の裏機構盤1に固定されている。従って、遊技盤を交
換する場合にも、本体及び裏機構盤の大部分はそのまま
残し、継続して使用することができるようになり非常に
経済的である。
制御装置200の外面には、賞品球排出装置20における一
回の排出動作に伴う排出球数を設定するため、ディップ
スイッチ等からなる賞球数設定器81,82が取り付けられ
ている。また、裏機構盤1の上部には、打止め時や故障
時に、賞品球排出装置20を作動させることなく集合棚10
上の入賞球を排出させるためのマニュアルスイッチ(以
下記憶排出スイッチと称する)83が設けられている。つ
まり、この記憶排出スイッチ83は、後述の賞品球排出装
置20内の排出センサ25に代わって、擬似排出終了信号を
与えるものである。
第3図に、予備球の貯留タンク2と案内樋11および賞品
球排出装置20の構造とその接続状態を示す。
貯留タンク2は、裏機構盤1上部に形成された収納凹部
に載置されるようにして取付けられる。
図示しないが貯留タンク2の底壁の一端(図では左端)
には開口部が形成され、この開口部に臨むように案内樋
11が取り付けられる。案内樋11の底壁には踏板が回動可
能に配設され、貯留タンク2内に予備球がなくなると踏
板が上昇する。これを球不足検出器93が検出して球補給
要求信号を形成する。
案内樋11の途中には分流壁11aが設けられ、流下する球
を2条に分離、整列させる。球ナラシ3は案内樋11の上
部に形成された支持部11bに、ピン3aにて垂下され、案
内樋11上を上下に重なり合って流下して来る球をくずし
て整列させる。球ナラシ4は、案内樋11の両側に固定さ
れた支持片4aに、ピン4bにて回動可能に支承され、案内
樋11上を流下する球の重なりを防止する。
さらに、上記案内樋11の途中、望ましくは賞品球排出装
置20の直前には、ピン4bを支点として回動可能な流下制
御部材7が設けてある。この流下制御部材7の先端折曲
片は2つに分割され、図中破線イのように回動されたと
き各折曲片7c,7dが、2条の誘導経路に対応して案内樋1
1の上壁に形成された長孔11c,11d内に進入することによ
り、案内樋11内の球の流下を阻止し、賞品球排出装置20
への供給を手動により中断できるようになっている。
これによって、商品球排出装置20の保守点検や故障した
場合の交換作業を容易に行うことができるようになる。
また、上記流下制御部材7の一側には側方へ向かって操
作片7bを突設し、手動による流下制御部材7の回動を容
易に行えるようにしてある。さらに、この操作片7bと案
内樋11の側壁に設けたピン8との間にはスプリング9が
張架され、このスプリング9によって流下制御部材7の
状態を安定に保持できるようになっている。
そして、上記案内樋11の流下端部に、流下経路30を一体
的に有する商品球排出装置20が配設される。この場合、
案内樋11の流下端部の樋側面に係止片11eを設け、また
賞品球排出装置側の流下経路30の始端上部及び下部に前
方へ突出するガイド片30aを設け、このガイド片30aと係
止片11eとによって、案内樋11と流下経路30とを接続で
きるようにしてある。
第4図〜第6図に、賞品球排出装置20の詳細を示す。賞
品球排出装置20は、流下経路30とこの流下経路30内に進
入して球の流下を制御する流下阻止部材22およびその駆
動手段たるソレノイド21が一体的に結合されてなる。
上記流下経路30は、ゆるやかに傾斜した整列樋31と、こ
の整列樋31の流下端部から略垂直下方に延設された調流
樋33と、整列樋31と調流樋33との接続部にあって流下す
る球を約90度方向転換せしめる調整部32と、上記調流樋
33の下端から約45度斜め下方に向かって延設された誘導
樋34と、この誘導樋34の終端から略垂直下方に延設され
た排出樋35とにより構成されている。
誘導樋34と排出樋35の境界部近傍には、流下経路30の外
側壁から一対の支持片36が突出され、この支持片36間に
は、支軸24が横架されている。
また、流下経路30は案内樋11に対応して2条形成されて
おり、2条の流下経路30に対応して、一対の扇状の流下
阻止部材22が上記支軸24を中心として回転自在に装着さ
れている。流下阻止部材22に対応してソレノイド21も一
対設けられている。そして、この流下阻止部材22の先端
部が、上記流下経路30の内壁部に設けられたスリットよ
り進入し、上記誘導樋34内に突出されている。上記流下
阻止部材22の先端後部は、リンク部材23を介して上記ソ
レノイド21のプランジャ21aの先端部に連結されてお
り、プランジャ21aの伸縮に伴なって流下阻止部材22が
支軸24の回りに往復回動され、先端部が誘導樋34内に進
入したり、後退したりするようになっている。これによ
って、球の流下を許容したり阻止したりして、所定数の
排出を行なう。
また、誘導樋34の側壁は外部に膨出されて、収納部37が
形成され、この収納部37には透過型光センサからなる排
出球検出器25が挿入されている。
なお、上記ソレノイド21の上方には、上記ソレノイド21
や排出球検出器25から引き出されたリード線を一箇所に
集中させ、かつ上記制御装置200と接続するための配線
を前方から一括して接続できるようにするためのコネク
タ26が配設されている。そして、上記流下経路30の下端
に、賞品球導出樋13の始端に形成された係合部13aが係
合されて接続が行なわれる。
さらに、流下経路30の入口部の整列樋31の底面には、第
5図に示すごとく、金属板のような導電性シート38が貼
付され、この導電性シート38の一端はフレーム等に接地
されている。これによって、流下球に帯電されていた静
電気を逃して、排出球検出器25の静電破壊を防止するこ
とができる。すなわち、検出器としてマイクロスイッチ
のような機械式のものを使用する方法も考えられるが、
マイクロスイッチは復帰動作が遅いため連続して球が流
下してくるとオン状態になりっぱなしになるおそれがあ
ると共に、チャタリングを起こし易い。また、長期間の
使用により接点不良も生じやすい。そのため、マイクロ
スイッチは賞品球排出装置のように連続した球の検出を
行なう検出器としては適していない。そこで、上記実施
例では、排出球検出器25として光センサを使用してい
る。しかしながら、光センサはICで形成されているため
静電気に弱く、しかも排出球は案内樋11内を流下してく
る間に、樋との摩擦で静電気を帯び、この静電気によっ
てセンサが破損され易くなるという不都合がある。その
不都合を、上記実施例は整列樋31の底面に貼付した導電
性シート38で放電して回避するものである。また、導電
性シート38の材料を選択することにより球と樋との摩擦
力を減らして、球の流れを円滑にさせることもできる。
さらに、上記賞品球排出装置20の流下経路を構成する整
流樋31の上壁及び調流樋33の外壁には、第3図に示すよ
うにそれぞれスリット31a及び33aを設けてある。これに
よって、流下経路に異物等が侵入して賞品球排出装置20
内で球詰まりを起こしたり、円滑な流下が阻害されたよ
うな場合に、このスリット31aまたは33aよりピンなどの
工具を挿入して異物を除去することができる等、メイン
テナンスが容易となる。上記スリット31a及び33aには、
スリットと略同じ大きさの段部39aを有する蓋部材39を
係合させて、ビス等に固定して閉塞するようにしてあ
る。
次に上記のごとく構成された流下経路30と流下制御装置
20の作用を第6図を用いて詳細に説明する。
上記賞品球排出装置20は、流下阻止部材22が第6図に実
線で示すごとく誘導路34内に進入している状態では、流
下経路30内に整列されたパチンコ球Bは、最先端の球B1
が流下阻止部材22の外周面に接触することで停止されて
いる。このとき、誘導樋34内に2個の球B1,B2が、ま
た、調流樋33内に3個の球B3,B4,B5が収納されるよう
に、誘導樋34と調流樋33の寸法が各々決定されている。
しかも、調流樋33内の最上方の球B5は、整列樋31内の球
B6,B7‥\に押されて、テーパ状の調整部32に当接され
るようになっている。調整部32に向かって押圧されるこ
とにより球B5は調整部32から反発力を受けて、その反発
力は球B5およびその下方の球B4,B3‥‥に伝わり、それ
らを下方へ押し上げるように作用する。その結果、流下
阻止部材22が第6図に破線Cで示すごとく誘導樋34内か
ら後退されたとき、調整部32からの反発力および球の自
重によって、調流樋33および誘導樋34内の球B1〜B5は速
やかに流下し始めるようになる。
球B1〜B5が流下すると整列樋31内の球B6,B7‥‥がこれ
に続いて流下を開始する。そして、整列樋31の出口で先
ず調整部32に衝突して流下速度を減じられ、かつ流下方
向が水平方向から垂直方向へ略90゜変換され、調流部33
に入る。そこでは自重による加速が行なわれるため、調
整部32で減速される後続の球との間に球間隔が確保され
るようになる。そのため、例えば球B7を検出した時点で
ソレノイド21を消磁したとき、流下阻止部材22の動作に
遅れがあっても球B7が通過する前に、流下を阻止してや
ることができるようになる。このように球間隔を大きく
することにより、流下阻止部材の制御が容易となる。た
だし、B7を検出してソレノイド21をオフしたときに排出
される賞品球は6個である。
さらに、上記流下経路30は、流下阻止部材22によって球
の流下が阻止されている状態で調流樋32の最上方に位置
する球B5の中心O5が、整列樋31内に整列している球B6,B
7‥‥の中心O6,O7‥‥を結ぶ中心線の延長線より下方に
位置されるように、誘導樋34および調流樋33の寸法が決
定されている。
そのため、待機中の球B6,B7‥‥からB5へ伝わる圧力は
球B5を押し下げるような分力を生じる。これによって、
流下阻止部材22が後退したときに、調流樋33最上方の球
B5が接続の球B6と調流樋33の外側壁33aとの間にはさま
れて、球B1〜B4の流下に追従して流下しようとするのを
妨げられることがない。
誘導樋34の途中に設けられている排出球検出器25は、そ
の検出光軸Fが樋内を流下する球の中心から少し外れた
位置に来るように配設されている。検出光軸Fが球の中
心を通るように位置決めされていると複数個の球が連続
して流下して来た場合、検出信号のパルス間隔が狭くな
って正確な計数が行えなくなるおそれがある。しかるに
この実施例では、上記のごとく、検出光軸Fを球の中心
からずらしたことにより、正確な計数が可能となる。
また、扇形をなす流下阻止部材22の回転面が流下する球
の中心の流下軌跡と一致するように流下阻止部材22が取
付けられ、誘導樋34の上方から下方に向かって樋内に進
入するように移動されて、流下する球を停止させるよう
になっている。そのため、流下する球が停止するとき流
下阻止部材22に働く衝撃力を、流下阻止部材22の回転範
囲を制限するストッパ部(例えば流下阻止部材22が進入
する誘導樋34のスリット端部)で受け止めることができ
るので、容易に停止時に働く衝撃に耐える強度を持たせ
ることができる。
しかも、最下端の球B1は扇形の流下阻止部材22の外周面
に接触して停止されるため、最下端の球B1が流下阻止部
材22の外周面と誘導樋34の壁面との間に食い込むような
形で停止されても、流下阻止部材22が後退される時には
その外周面で球B1を回転させるようにしながら離れてい
く。そのため、比較的小さな力で流下阻止部材22を後退
させることができ、流下阻止部材22と誘導樋34の壁面と
の間に球が挟まれて動かなくなるようなことがなくな
る。
さらに、流下阻止部材22の回転中心と誘導樋34内の最下
端の球B1の中心O1とを結ぶ線が水平になるように配設さ
れている。そのため、流下阻止部材22の端部が球B1の外
周からはずれると直ぐに球B1が流下可能になり、流下阻
止部材22の回転に伴って球B1が少しずり下がってから阻
止力が外され、流下を開始するようなことがない。
また、上記実施例において、調流樋33と誘導樋34とのな
す角度αは0〜90゜の範囲にあればよいが、45゜前後に
設定してやると、調流樋33内で加速された流下球のスピ
ードを大きく減速させることがなく、しかも停止時に流
下阻止部材22にかかる負荷を軽減させることができる。
さらに、上記実施例では、流下阻止部材22によって球の
流下が阻止されている状態で、流下阻止部材22と誘導樋
34内の最下端の球B1との接触点から球の直径分だけ離さ
れた点を通る鉛直線Gと排出樋35の壁面35aとの距離d
が球の半径rよりも小さく、かつr−rcosαよりも大き
くなる(r−rcosα<d<r)ように誘導樋34の終端34
aの位置が決定されている。これによって、流下阻止部
材22が誘導樋34内に進入して球の流下を阻止する際に、
最後に排出される球が流下阻止部材22の端面22aで後押
しされるようにして排出されたとき、誘導樋34の終端34
aまで来ると排出樋35内に流下して流下阻止部材22から
逃げることができる。そのため、最終排出球がいつまで
も誘導樋35内に残って、流下阻止部材22が進入するとき
の妨げとならず、迅速な排出の停止が可能となる。
第7図に入賞球処理装置40の一実施例の詳細を示す。
裏機構蓋1の裏面に設けられた集合棚10は中央に向かっ
て下り傾斜され、中央に流路変換部10Cが設けられてい
る。この流路変換部10Cは、左右の集合棚10A,10Bに段差
を生ぜしめる垂直壁10aと、この垂直壁10aに固定され右
側の集合棚10Aより流下してきた入賞球を前方へ方向転
換せしめるべく前端が円弧状に形成されてなる誘導片10
bと、誘導片10bの下方の集合棚10Aの終端部にて前方へ
緩やかに下り傾斜するように形成されたテーパ部10cと
により構成されている。
上記流路変換部10Cに対応して、集合棚10を覆うように
取り付けられるパネルと一体の保持枠41には球一つが通
過可能な流入口41aが形成され、この流入口41aの一側及
び下辺に沿ってL字状の入賞球案内板42が設けられ、流
入した入賞球は90度方向転換せしめられる。
上記入賞球案内板42の側方に位置するように球処理器43
が支軸44によって揺動可能に取り付けられている。この
球処理器43の上記入賞球案内板42に対向する側には、凹
状をなす球受け部43aが形成されていると共に、その反
対側には錘45が取り付けられ、通常状態において錘45の
取付け側がその重みで下がるようになっている。そし
て、反対側の球受け部43aの下辺が上記入賞球案内板42
の下面に当接してそれ以上の回転が阻止され、バランス
が保たれる。この状態で第8図(A)のように入賞球案
内板42上から球受け部43aに入賞球が流下してくると、
球の重みによって球処理器43が時計回り方向へ回転する
ように、錘45の重さが決定されている。流入した球の重
みによって回転した球処理器43は下辺が保持枠41に当接
することにより停止される。
球処理器43には、この停止状態で上記入賞球案内板42に
対向する位置に阻止片43bが突設されている。これによ
って、2以上の入賞球が連続して発生した場合に、2番
目以降の入賞球は第8図(B)のように阻止片43bによ
って流下が阻止されて、入賞球案内板42上で待機させら
れる。また、その取付け位置は制限されないが、例えば
球処理器43の上部に、検知片43cが設けられていると共
に、この検知片43cに対応して保持枠41には、一対の投
光器及び受光器を対向配設してなる光センサのようなセ
ーフセンサ91が取り付けられている。
さらに、上記球処理器43の側方にはソレノイド46が配設
されており、球受け部43aに入賞球が流入することによ
って回動された球処理器43の球受け部下辺に対向する位
置に、上記ソレノイド46のプランジャ46a先端に固着さ
れたストッパ47が臨むようにされている。このソレノイ
ド46は、消磁状態においてプランジャ先端のストッパ47
が、スプリング48によって下方へ引き下げられ、球受け
部43aに保持されて下方の入賞球導出樋12に向かって流
下しようとしている入賞球に当接してその流下を阻止す
るようにされる(第8図(B)参照)。そして、ソレノ
イド46が励磁されるとプランジャ46aが収納してストッ
パ47が上昇され、球受け部43a内に保持されていた入賞
球が導出樋12へ向かって流下する。なお、ストッパ47に
は操作片47aが突設されており、玉詰まりやソレノイド
の故障時等において、パチンコ店の係員が手動でストッ
パ47を移動させて入賞球を排出できるようにされてい
る。
ソレノイド46は例えば商品球排出装置20における排出終
了信号を受けて作動されるようにされる。ソレノイド46
が励磁されて入賞球が流下させられると、球処理器43が
錘45の重みによって反時計回り方向に回動されて、阻止
片43bが上昇する。そのため連続して発生し入賞球案内
板42上で待機させられていた次の入賞球が球受け部43a
内に流入し、再び球処理器43が時計回り方向に回動され
る。このようにして、上記動作を繰り返すことにより、
短時間に発生した多量の入賞球が速やかに分離検出さ
れ、処理される。
前述したように商品球排出装置20として、ソレノイドに
よって流下阻止部材22を流下経路30内に進入させたり後
退させたりして賞品球の排出を制御するストッパ式のも
のを使用した場合、単に入賞球導出樋の途中にセーフセ
ンサを取り付けて入賞球を検出し、それを電気的に記憶
しておくことにより、高速の排出制御を行なわせること
も可能である。
これに対し、上記実施例の入賞球処理装置40では、球処
理器43によって入賞球を一個ずつ分離して検出している
ので、前の入賞球と次の入賞球との検出間隔を必要かつ
充分にとれる。そのため、連続して発生した入賞球をよ
り正確に検出することができる。なお、球鞘ケース方式
の賞品球排出装置を用いた従来の遊技機においても入賞
球を一個ずつ分離して賞品球の排出制御を行なっている
が、従来の入賞球処理装置では、分離された入賞球でレ
バーを動かしてその動きで球鞘ケースのストッパを外し
て傾動させて排出させ、さらにこの球鞘ケースの傾動を
物理的に球処理器に伝えて、次の入賞球の流下を許容さ
せるようになっているため、上記実施例の入賞球処理装
置に比べて応答速度が遅く、短時間に多量に発生する入
賞球の処理には不向きである。
また、上記実施例の入賞球処理装置40では、賞品球排出
装置20における排出終了を確認してからソレノイド46を
作動させて前の入賞球を排出し、次の入賞球の検出に進
むように制御できるので、入賞球が発生したのに賞品球
が払い出されないといったような、遊技客と遊技店との
間で生じるトラブルを防止することができる。つまり、
賞品球の排出がなければ入賞球はストッパのところに残
っているので、そこを見れば遊技客の主張が正しいか否
かすぐに分かる。しかも、入賞球と賞品球の排出が一対
一の関係にあり、排出が停止している間は入賞球の処理
も中断され、かつ未排出に係る入賞球は待機させられて
いるため、停電対策が不要となる。つまり、入賞球を予
め検出してメモリやカウンタに電気的記憶させておくよ
うにすると、停電時に記憶数が消滅されてしまわないよ
うにするため電池によるバックアップ等の停電対策が必
要であるが、上記実施例の入賞球処理装置を使用すると
その必要性がなくなる。
しかして、上記のようなソレノイド46を有する入賞球処
理装置40にあっては、遊技の打止め時に貯留タンク1が
空になって賞品球の排出が中止されるとソレノイド46の
駆動も中断されるため、集合棚10A,10B上に既に入賞し
ている入賞球が残ってしまう。そのため、その状態のま
まで打止め状態になった遊技機を次の遊技客のために開
放すべく貯留タンク1に予備球の補給を行なうと、その
時点で前の遊技客が残した入賞球に対する賞品球の払出
しが行なわれてしまい、次の遊技客に不当な利益を与え
てしまうことになる。
そこで、上記実施例では、裏機構板1の上部に、手動に
よって操作可能な記憶排出スイッチ83を設けてあり、こ
の記憶排出スイッチ83を一回操作すると、ソレノイド46
が一回励磁されて、ストッパ47が上昇され待機されてい
た入賞球が排出され、次の入賞球の分離がなされる。し
かして、このとき、球処理器43の揺動を検出するセーフ
センサ91の検出信号は無視される。つまり、記憶排出ス
イッチ83を操作すると入賞球のみ排出され、賞品球排出
装置20による排出は実行されないようになっている。
従って、打止めによって遊技が終了したならば、パチン
コ店の係員が上記記憶排出スイッチ83を操作して入賞球
処理装置40を作動させてやれば、賞品球を排出されるこ
となく集合棚10A,10B上に残っている入賞球をすべて排
出してやることができる。
強制排出指令手段は上記手動式の記憶排出スイッチ83に
限定されるものではなく、強制排出指令信号を出力でき
るものであればどのようなものでもよい。
第9図には、上記記憶排出スイッチ83を操作した場合の
遊技機内部の制御信号のタイミングの一例を示す。すな
わち、記憶排出スイッチ83がオンされると、賞球ランプ
111を点灯させるとともに、セーフソレノイド46を100m
秒間駆動させる。すると、入賞球が一つ排出され、残入
賞球数が一つ減る。これを繰り返すことにより残入賞球
数が“0"になると、球処理器43への入賞球の流入がなく
なるので、入賞球検出器91からの検出信号も制御装置20
0に入って来なくなる。そこで、制御装置200は、その後
記憶排出スイッチ83が操作されても賞球ランプ111の点
灯やセーフソレノイド46の駆動は行なわない。記憶排出
スイッチ83を操作しても賞球ランプ111が点灯しなくな
ったことにより、係員は残っている入賞球がなくなった
ことを知ることができる。
上記のように、この実施例では賞品球排出装置20からの
排出終了信号がなくても、記憶排出スイッチ83からの信
号を擬似排出終了として入賞球処理装置40内のソレノイ
ド46を駆動させて、入賞球を排出することができるの
で、打止め時に貯留タンク1が空になって賞品球排出装
置20が排出動作ができない状態であっても入賞球処理装
置40を動作させることができる。
さらに、上記実施例においては、入賞球の検出を、球処
理器43の回動の検出という間接的な方法で行なっている
ため、パチンコ球に帯電した静電気によるセーフセンサ
91の誤動作が防止される。つまり、上記実施例の場合、
入賞球の通過経路にセンサ91を臨ませておくことにより
直接入賞球を検出することも可能であるが、そのように
するとセンサが入賞球に帯電した静電気により誤動作さ
れるおそれがあるが、間接的に検出することによりセン
サの誤動作を防止することができる。
なお、上記実施例では、入賞球処理装置を第7図のごと
く構成したのに対して、右側の集合棚10Aに傾斜角αと
して6〜8゜の角度を与え、左側の集合棚10Bには傾斜
角βとして14〜16゜の角度を与えて左右の集合棚10Aと1
0Bを流下する入賞球の速度を異ならしめると共に、垂直
壁10aの高さhを12mm以上に設定している。これによっ
て、複数個の入賞球が発生して左右から同時に入賞球が
流下して来ても流路変換部10Cでの球詰まりを未然に防
止できるようになっている。
次に、上記賞品球排出装置20を制御して所定数の賞品球
の排出や打球発射装置103等の制御を行う制御装置200の
一実施例について、第10図を用いて説明する。
この実施例では、賞品球排出装置20等の制御をCPU(マ
イクロコンピュータ)200′を用いて行なうようになっ
ている。
CPU200′には、前記実施例における賞球数設定器81,82
や記憶排出スイッチ83、球抜きスイッチ84、セーフセン
サ91、オーバフロー検出器92、球不足検出器93が入力さ
れる。賞球数設定器81,82を設けることにより、賞品球
数の異なる機種(パチンコ機)を制御できる。
また、CPU200′には、賞品球排出装置20の流下経路30の
途中に設けられた一対の排出球検出器(以下排出センサ
と称する)25からの排出球検出信号が、入力されるよう
になっている。
さらに、CPU200′には、図示しないパチンコ店の集中管
理装置からの打止め指令信号が入力される。
CPU200′は、内部に読出し専用メモリたるROM201および
随時読出し書き込み可能なメモリたるRAM202を有してい
る。このうち、ROM201には、賞品球排出装置20等の制御
を行うためCPU200′が実行すべきプログラムおよびセー
フソレノイド46の駆動時間やウェイト時間(排出間隔)
のような固定データを記憶する。
一方、RAM202は上記排出センサ25からの排出球検出信号
に基づいて、各流下経路30から排出された球の累積数等
を記憶するメモリ領域や各流下経路の排出球数を設定し
たり、ソフトタイマを構成するレジスタ領域およびCPU2
00′の作業領域(ワークエリア)を提供している。
さらに、CPU200′には、ドライバ220を介して、賞品球
排出装置20内の一対のソレノイド(以下排出ソレノイド
と称する)21や入賞球処理装置40内のソレノイド(以下
セーフソレノイドと称する)46、さらに、賞球ランプ11
1、完了ランプ112、オーバーフローランプ113や不正警
告表示ランプ114、動作不良表示ランプ115、賞球数表示
器116、パイロットランプ117等の表示装置(いずれも第
2図参照)およびスピーカ120、打球発射装置103などが
接続されている。CPU200′はROM201内のプログラムに従
って、上記設定器や各種検出器及びスイッチからの信号
に基づいて賞品球排出装置20や各種表示ランプ、打球発
射装置103などを駆動するようになっている。
CPU200′の主たる処理は、オーバーフロー処理,タンク
処理,球抜き処理,入賞球検出処理,賞品球排出処理で
ある。ただし、処理の手順は、上記順序に限定されず、
いずれの処理から実行するようにしてもよい。上記処理
をタイマ割込みなどにより繰返し実行することによって
パチンコ遊技機の制御が行なわれる。
ここで、オーバーフロー処理は、オーバーフロー検出器
92からの検出信号を検知して、例えば、オーバーフロー
ランプ113を所定の時間(10〜20秒)点灯もしくは点滅
させ、それでもオーバーフロー状態が解除されていない
場合には、打球発射装置103による発射動作を停止させ
ることを内容とする。これによって、賞品球導出樋13内
が賞品球排出装置20の近くまで賞品球で満たされて、排
出動作に悪影響を及ぼすのを回避することができる。
タンク処理は、貯留タンク2が空になって玉不足検出器
93がオフされたことを検知すると、例えば、球の補給要
求を集中管理室に送ると共に完了ランプ112を点灯さ
せ、これと同時にもしくはその後賞品球排出装置20内の
排出センサ25の信号に基づいて玉無し状態を検知する
と、打球発射装置103を停止させる。球補給要求信号が
集中管理室に送られると、集中管理質からの指令によっ
て、タンク上方の補給装置(図示省略)が作動されて、
貯留タンク2への補給が行なわれる。この実施例では、
玉不足検出器93からの信号によってタンクの玉有り状態
が検出されても直ちに賞品球の排出を再開させず、第11
図に示すように例えば2秒のディレイ時間tdを経過する
のを待ってから再開させるようになっている。ディレイ
時間を入れたのは、タンクへの補給がなされてから案内
樋11が予備球で満たされるまでの時間差を考慮したもの
で、これによって賞品球排出装置20における空排出が防
止される。
球抜き処理は、球抜装置60の切替ゲートが球抜樋16の入
口を開いて賞品球導出樋13の入口を閉鎖する方向に切り
替えられたことを、球抜きスイッチ84からの信号に基づ
いて検知すると、賞品球排出装置20内のソレノイド21を
作動させて、2条の流下経路30を通して連続的に予備球
を排出させて、貯留タンク2を空にするものである。
入賞球検出処理と賞品球排出装置は、相互に関連し複雑
になるので、第12図に詳細な処理手順を示し、以下これ
に基づいて説明する。
電源投入または割込み発生により処理が開始されると、
先ず入賞球を検知する前に、入賞球数を記憶するセーフ
メモリや各種レジスタ類の初期設定を行なった後(ルー
チンR1)、賞品球排出装置20における各流下経路ごとの
一回の排出球数(以下排出基数と称する)の決定を行な
う(ルーチンR2)。
前記実施例の遊技機においては、排出球数の設定のため
ディップスイッチからなる賞球数設定器81,82が設けら
れている。そこで、CPU200′はこれらのスイッチ81,82
のオン,オフ状態の組み合わせに応じて、例えば次表の
ように排出基数1と2を決定すると共に、合計の賞品球
数を遊技機前面の表示器116に表示させる。ここでは、
一例として合計の賞品球数を11個、13個、15個のいずれ
かに設定する場合が示されている。
上記表1において排出ソレノイド1側とは、2条の流下
経路のうち取付け基板に近い側の経路に設けられたソレ
ノイドを指し、上記表1においては排出ソレノイド1側
の排出基数の方が常に排出ソレノイド2側よりも大きく
なるように決定されている。このような関係に設定して
いるのは、流下経路を2条とした場合、貯留タンク2か
ら案内樋11を通って賞品球排出装置20へ向かって流下す
る球の流れが基板に近い側の流下経路の方が円滑であ
り、遠い側の方は常に球が不足がちになり易いことが実
験的に明らかになったからである。そこで、表1のよう
に常に排出ソレノイド1側の排出基数を大きくしておく
ことにより、2条の流下経路に対する球の供給のバラン
スを図ることが可能となる。
なお、第3図に示した賞品球排出装置20により、設定さ
れたn個の賞品球を排出させる場合、排出センサ25の取
付け位置の下流側に、流下阻止部材22によって阻止され
ている球が一つあり、排出センサ25が一つ前の球を検出
している状態で次の排出指令を待つことになる。そのた
め、実際の制御では、設定数nよりも「1」少ないn−
1個目の球を排出センサが検出した時点で流下阻止部材
22を作動させるソレノイド21に対する制御信号を変化さ
せてやる必要がある。
上記排出基数設定処理(ルーチンR2)が終了すると、2
秒間のアイドルタイムの経過を待って(ルーチンR3)、
次のルーチンへ進み、セーフセンサが一定時間オンされ
ているか否か判定するR4)。ここで、ノオ(否)と判定
されると、次のルーチンR5でセーフセンサの出力の立上
りがあったか否か判定し、ノオならばそのままルーチン
R7へ進む。一方、上記ルーチンR4とルーチンR5のいずれ
かにおいてイエスつまりセーフ球有りと判定されると、
ルーチンR6へ進んでCPU内のセーフメモリの記憶を
「1」だけ増やしてからルーチンR7へ進む。
ルーチンR7では処理番号の入るレジスタ内の番号が
「1」になっているか否か判定し、イエスならば符号A
で示される排出球検出処理へジャンプする。しかして、
処理番号レジスタはルーチンR1での初期設定で「0」に
リセットされているため、ルーチンR7での最初の判定で
はノオとなって、次のルーチンR8へ進む。ここでは、処
理番号レジスタ内の番号が「2」であるか否か判定し、
イエスならば符号Bで示される後処理へジャンプするこ
とになるが、最初の判定ではルーチンR7と同様にノオと
なって、ルーチンR9へ進む。
ルーチンR9ではセーフメモリの記憶が「0」でないか判
定し、ノオすなわち入賞記憶が「0」のときは上記ルー
チンR5へ戻る。しかして、ルーチンR6で入賞記憶がイン
クリメントされてからルーチンR9へ来た場合にはイエス
と判定されて、ルーチンR11〜R15からなる一連の処理へ
移行する。
すなわち、入賞記憶があると先ずルーチンR11でセーフ
ランプを点灯させてから、ルーチンR12で排出レジスタ
1にルーチンR2で決定した排出基数1(表1参照)を、
またルーチンR13で排出レジスタ2に排出基数2をそれ
ぞれロードする。それから、ルーチンR14で排出ソレノ
イド1と2をオンさせてから、ルーチンR15で処理番号
レジスタに「1」をセットして、ルーチンR5へ復帰す
る。そして、再び上記処理を繰り返すわけであるが、今
度は処理番号レジスタが「1」にセットされているた
め、ルーチンR7でイエスと判定されて排出球検出処理A
へジャンプする。
この排出球検出処理Aでは、先ず排出センサ1の出力の
立上りがあったか否か判定し(ルーチンR2)、ノオなら
ばそのままルーチンR25へ進み、排出センサ2の出力の
立上りがあったか否か判定する。しかして、ルーチンR2
1でセンサ出力の立上りが検知されるとルーチンR22へ進
み、ここで排出レジスタの内容を「1」だけ減算してか
ら、次のルーチンR23で排出レジスタの値が「0」にな
ったか否か判定する。ここで、イエスと判定されると排
出ソレノイドをオフさせる(R24)が、排出開始直後は
ルーチンR23でノオと判定され、ルーチンR25へ進む。
ルーチンR25〜28では排出系2について、上記排出系1
に関する処理(ルーチンR21〜R24)と同様の処理を実行
してから、ルーチンR29へ進む。ルーチンR29では、排出
レジスタ1と2の値の和が「0」か否か判定し、ノオす
なわち「0」になっていない場合には、ルーチンR5へ復
帰して、再び上記手順を踏む。しかして、ルーチンR29
でイエスつまり賞品球排出装置において所定数の賞品球
の排出が終了したと判定されると、ルーチンR31へ進
み、先ずセーフソレノイドをオンさせる。これによって
入賞球処理装置において次の入賞球の取り込みが可能と
なる。セーフソレノイドをオンさせた後は、ルーチンR3
2でセーフソレノイド用のタイマ(例えば100ms)を、ま
たルーチンR33でウェイト時間用のタイマ(例えば600m
s)をそれぞれセットしてから、ルーチンR34で処理番号
レジスタの内容を「2」に変更し、ルーチンR5へ復帰す
る。
すると、今度はルーチンR7から後処理Bへジャンプし、
先ずルーチンR41でセーフタイマがタイムアツプしたか
判定し、ノオならばそのまま、またイエスならばセーフ
ソレノイドをオフして(ルーチンR42)から、ルーチンR
43へ進む。ルーチンR43ではウェイトタイマがタイムア
ップしたか否か判定し、ノオならばそのままルーチンR5
へ戻って再び上記処理を繰返し、イエスならばルーチン
R44でセーフメモリの入賞記憶を「1」だけ減算してか
ら処理番号レジスタを「0」にリセットしてルーチンR5
へ復帰する(ルーチンR45)。
第13図には、上記手順にしたがって入賞球処理及び賞品
球排出処理が実行された場合の各種信号のタイミングが
示されている。
つまり、セーフセンサの出力の立上りを受けてセーフメ
モリの入賞記憶が「1」になり、セーフランプが点灯さ
れかつ排出ソレノイド1と2がオン状態にされる。する
と、賞品球の排出が開始されて、排出センサ1と2の出
力が排出球ごとに変化し、所定数(表1の基数−1)に
達した時点でソレノイドの消磁指令が発せられ、対応す
る排出ソレノイドがオフされるとともにセーフランプが
オフされる。また、これとともにセーフソレノイドがお
よそ100m秒間だけオンされて入賞球が排出され、次の入
賞球の受け入れが可能となる。一方、セーフソレノイド
のオンと同時に排出ウェイトタイマがオンされ、これが
タイムアップするまで(600ms)次の賞品球の排出開始
が待たされることになる。
セーフソレノイド用タイマの設定時間が100msとされて
いることにより、セーフソレノイド46によって駆動され
るストッパ47が100msの間上昇されて、このストッパ47
によって阻止されていた入賞球が確実に排出され、かつ
次に入賞球処理装置40に流入した入賞球を待機させるた
めの態勢へ速やかに移行することができる。
また、排出ウェイトタイマの設定時間が600msとされて
いることにより、排出終了後案内樋11内の球の状態が安
定してから次の排出へ移ることができ、排出の正確さが
保証される。
さらに、上記実施例のパチンコ遊技機においては、賞品
球排出装置20内の排出ソレノイド21の駆動回路に特別な
工夫が加えられている。すなわち、第13図に示すよう
に、電源電圧端子VAと接地点との間に接続される各種表
示ランプLや排出ソレノイド21、セーフソレノイド46
は、それらと直列に接続されたスイッチ・トランジスタ
Tr1,Tr2,Tr3等をオン・オフさせることによって駆動さ
れるようになっているが、上記実施例では、排出ソレノ
イド21と並列に、電源電圧のピーク値よりも高い例えば
24Vのようなツェーナ電圧を有するツェーナダイオードD
zが接続されている。
そのため、上記電源電圧端子VAにAC24Vの交流を全波整
流した電圧が印加された場合、トランジスタTr2をオフ
させると通常は第15図(A)のようにソレノイドが完全
に消磁されるまでにt1時間要していたものが、ツェーナ
ダイオードDzがソレノイドのコイルと並列に接続されて
いると、これがエネルギ強制放出手段として作用して、
ソレノイドの消磁時間が短縮される。つまり、第15図
(A)と(B)の斜線の部分の面積S1とS2とが等しくな
るような時間t2がツェーナダイオードDzを入れた場合の
消磁時間となる。これによって、ツェーナ電圧が24Vの
場合、ツェーナダイオードを入れない場合に比べて消磁
時間がおよそ2分の1になりその分賞品球排出装置20に
おける流下阻止部材22の応答速度が早くなる。
なお、第14図においてツェーナダイオードDzと直列に逆
方向接続されているダイオードD1はソレノイドの逆起電
力からトランジスタTr2を保持するためのもので、セー
フソレノイド46のスイッチ・トランジスタTr3にも同様
の保護ダイオードD2が設けられている。ただし、セーフ
ソレノイド46は排出ソレノイド21に比べてそれほど早い
応答性を必要としないため、ツェーナダイオードDzは不
要としてある。
なお前記実施例では、セーフセンサ(入賞球検出器)91
を作動させる検知片43cを揺動可能な球処理器43に設
け、この球処理器43の揺動を検出することで間接的に入
賞球の検出を行なっているが、それに限定されず、入賞
球を直接検出するセンサもしくはマイクロスイッチを設
けるようにしてもよい。
[効果] 以上説明したようにこの発明は、電気的駆動源を有し賞
品球を排出可能な賞品球排出装置を備えたパチンコ遊技
機において、入賞球を検出し一個宛流下可能な入賞球処
理装置を、入賞球集合棚の流出口に臨ませ、上記入賞球
処理装置における入賞球検出信号に基づいて上記賞品球
排出装置を一回動作させて所定数の賞品球の排出を行な
い、その賞品球排出終了信号に基づいて上記入賞球処理
装置を作動させて入賞球を一個宛流下させ、次の入賞球
を受け入れ可能な状態にさせるようにするとともに、例
えば手動で操作可能な記憶排出スイッチのような強制排
出指令手段を設け、この記憶排出スイッチがオンされた
場合には上記賞品球排出装置を作動させることなく入賞
球処理装置を作動させて入賞球を排出させるようにした
ので、記憶排出スイッチを押すだけで賞品球排出装置を
作動させることなく入賞球処理装置内の入賞球が外部へ
排出されるようになるという作用により簡単な操作で集
合棚に残っている入賞球のみを外部へ排出させることが
できるという効果がある。しかも入賞球処理装置に取り
込まれた入賞球が内部に残ってしまうというようなこと
がないという作用により、打止め時の作業の後の初期状
態への復帰を忘れてしまったり、既に取り込まれた入賞
球によって打止め状態解除後に賞品球排出装置が動作さ
れてしまうといった不都合を回避できるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係るパチンコ遊技機の裏機構盤全体
の構成例を示す背面図、 第2図は、本発明に係るパチンコ遊技機の概略正面図、 第3図は、予備球の貯留タンク、案内樋及び賞品球排出
装置の構成例を示す斜視図、 第4図は賞品球排出装置の構成例を示す斜視図、 第5図は、その賞品球排出装置の流下経路の断面状態を
示す斜視図、 第6図は、賞品球排出装置の作用を示す作用説明図、 第7図は入賞球処理装置の構成例を示す斜視図、 第8図(A),(B)は、その入賞球処理装置の作用を
示す作用説明図、 第9図は、記憶排出スイッチを操作したときの賞球ラン
プおよびセーフソレノイドの作動タイミングを示すタイ
ミングチャート、 第10図は、パチンコ遊技機の制御システムの一例を示す
ブロック図、 第11図は、貯留タンクへの補給を行なうタンク処理にお
けるタイミングを示すタイミングチャート、 第12図はCPUによる入賞球検出処理及び賞品球排出処理
の手順の一例を示すフローチャート、 第13図は、その手順に従った処理のタイミングチャー
ト、 第14図は、各種ランプ及びソレノイドの駆動回路の一例
を示す回路説明図、 第15図(A),(B)は、従来とこの発明の実施例にお
けるソレノイド駆動回路によるソレノイドの遮断時の特
性の相違を示す説明図、 第16図(A),(B)は、従来の入賞球処理装置の構成
例を示す概略正面図及び要部拡大斜視図である。 1……裏機構盤、2……貯留タンク、10……集合棚、11
……案内樋、12……入賞球導出樋、13……賞品球導出
樋、20……賞品球排出装置、22……流下阻止部材、25…
…排出センサ、30……流下経路、40……入賞球処理装
置、43……球処理器、45……ウェイト、46……セーフソ
レノイド、47……ストッパ、91……入賞球検出器(セー
フセンサ)、92……オーバーフロー検出器、60……球抜
き装置、100……パチンコ遊技機、101……供給皿、102
……受け皿、103……打球発射装置、200……制御装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気的駆動源を有し賞品球を排出可能な賞
    品球排出装置と、 遊技盤の裏面に装着され遊技部に設けられている入賞口
    へ入賞した打球を集合させる入賞球集合棚と、 この入賞球集合棚の流出口に臨むように配置され集合さ
    れた入賞球を検出し一個宛流下可能な入賞球処理装置
    と、 該入賞球処理装置を強制的に作動させるための強制排出
    指令手段とを備え、 上記入賞球処理装置における入賞球球検出に基づいて上
    記賞品球排出装置を作動させて所定数の賞品球の排出を
    行ない、その賞品球排出終了信号に基づいて上記入賞球
    処理装置を作動させて次の入賞球を受入れ可能な状態に
    するとともに、上記強制排出指令手段からの排出指令が
    あった場合には上記賞品球排出装置を作動させることな
    く上記入賞球処理装置を作動させて貯留されている入賞
    球を排出させるようにしたことを特徴とするパチンコ遊
    技機。
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