JP2615389C - - Google Patents

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JP2615389C
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株式会社ソフィア
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 この発明は、遊技領域内に打ち込まれた遊技球が所定の入賞領域に入賞するこ
とにより、遊技者に賞品球が与えられるようにされた弾球遊技機に利用して有効
な技術に関し、特に遊技領域内に設けられた入賞口によって付与される賞品球の
数が異なるようにされた弾球遊技機に利用して有効な技術に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、弾球遊技機としてのパチンコ遊技機には、遊技盤上に、特定入賞口とし
ての始動入賞口、電気的遊技装置としての可変表示装置、変動入賞装置および複
数の一般入賞口等を配設し、始動入賞口に遊技球が入賞すると可変表示装置の表
示を変動させると共に、その停止時の表示が予め定められた特定の組み合わせに
揃うと、所謂特別遊技状態となって変動入賞装置を所要時間又は所要個数の遊技
球が入賞するまで開成する動作を繰り返して行うように構成されたものが知られ ていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上記のような従来のパチンコ遊技機は、遊技球が始動入賞口に
入賞しない限り可変表示装置の変動表示がなされないため、特別遊技状態を得る
機会に恵まれない。従って、始動入賞口に遊技球が入賞する回数が少ないと遊技
者の楽しみが減少して興趣を損なうことになりかねない。 【0004】 一方、始動入賞口に遊技球が入り易いようにしてその入賞ごとに所要数(例え
ば、13個)の賞品球を払い出すようにすると、回収球数よりも賞品球数の方が
多くなってしまいパチンコ店の経営が困難になるという問題点があった。 【0005】 本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするとこ
ろは、始動入賞口(特定入賞口)に遊技球が入り易くしても、遊技店が多大な不
利益を蒙ることなく、健全な経営を行うことができるような弾球遊技機を提供す
ることにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】 そこでこの発明は、遊技領域を有する遊技盤(100)と、上記遊技盤に設け
られた特定入賞口(107,108)と、上記特定入賞口への遊技球の検出に基
づいて作動する電気的遊技装置(可変表示装置104)と、上記電気的遊技装置
が予め定めた特別遊技状態となったことを条件に遊技者にとって有利に開放制御
される変動入賞装置(105)とを有する弾球遊技機において、上記変動入賞装
置に遊技球が入賞した場合には、所要数の賞品球を払い出し、上記特定入賞口に
遊技球が入賞した場合には、上記所要数の賞品球の略1/2若しくは略1/3の
賞品球を上記所要数の賞品球の払い出しに優先して払い出すように構成した。 【0007】 【作用】 本発明によれば、特定入賞口に遊技球が入賞すると、変動入賞装置に遊技球が 入賞した場合に払い出される賞品球数の略1/2若しくは略1/3の賞品球が払
い出される。 このため、特定入賞口に遊技球が入り易いように釘調節等を行ったとしても、
遊技店が多大な不利益を被ることが少なくなり、また、遊技者にとっても特定入
賞口に遊技球が入賞する機会が増えるため、興趣を高めることができる。 【0008】 【実施例】 図2は、本発明が適用される弾球遊技機としてのパチンコ遊技機の前面の構成
例を示すもので、遊技盤100の前面には、下部の操作ダイヤル101により駆
動される打球発射装置102によって発射された打球を遊技盤100の上方部ま
で案内するガイドレール103が配設され、遊技盤1前面のガイドレール103
とガラス板とによって囲まれた空間に遊技領域が構成されている。 【0009】 そして、この遊技領域の中央には、補助遊技装置としての可変表示装置104
が、またその下方には通常は遊技領域の一部を成しているが、可変表示装置10
4における特定態様の発生により入賞領域に変換する変動入賞装置105が設け
られている。 【0010】 上記可変表示装置104の両側方には、それぞれ第1の特定入賞口107が、
また、上記可変表示装置104と変動入賞装置105との間には第2の特定入賞
口108が設けてある。このうち第1の特定入賞口107は、本実施例では、遊
技盤100を貫通する凹部を有するいわゆる飛込み型入賞装置からなり、その凹
部をもって特定入賞口107としている。この貫通凹部の開口すなわち遊技盤面
と同一面に存する特定入賞口107は、前面から見て、球の直径の約2倍程度の
径を有する半円筒状をなすように形成されており、その底部の奥には入賞球の導
出穴(図示せず)が設けてある。第2の特定入賞口108は遊技領域内に上向き
に開口した入賞チャッカーと呼ばれる入賞具からなる。 【0011】 可変表示装置104の上方には、いわゆる“天”,“天の左”,“天の右”の
3 つの入賞口を有する入賞具106が設けられている。また、第1の特定入賞口1
07の斜め下方外側には、それぞれチューリップ式打球入賞装置109が配置さ
れている。 【0012】 また、遊技盤1の下部には、上方から落下してくる途中で上記各入賞領域10
6,107,108,109等に入賞できなかった打球を遊技盤の後方へ回収す
るアウト穴110が設けられている。さらに、遊技盤100の表面の適宜位置に
は、上方より落下してくる打球の方向を無作為に変更させる多数の障害釘111
や打球の流下速度および方向を制御する転動誘導部材112が遊技領域の縦中心
線に対してほぼ対称的に設けられている。 【0013】 遊技盤100の中心両側部には、可変表示装置104の可変表示動作停止によ
り特定態様が発生したときなどに点滅あるいは点灯される表示装置121が設け
られている。また、遊技盤100の上部には、天の入賞口106やチューリップ
式打球入賞装置109等の入賞口へ打球が入賞したときに一時的に点灯される賞
球ランプ122や所定数の入賞球がすべて払い出されたとき遊技の終了を報知す
る完了ランプ123および賞品球排出装置により一回に排出されるべき賞品球数
を表示する賞球数表示器124が配設されている。この賞球数表示器124は、
一対のセグメント型表示器からなり、一方は例えば「13」のような通常排出時
の2ケタの賞品球数(11〜15個)の表示を行なえ、他方は例えば「5」のよ
うな特定入賞球に対し排出される少ない個数の賞品球数の表示を行なえるように
してある。 【0014】 さらに、上記構成の遊技盤1を保持するパチンコ遊技機の保持枠113の上部
には、打球発射装置の操作ダイヤル101を操作したときに点灯されるパイロッ
トランプ125および遊技客による不正がなされたり、賞品球排出装置における
不良動作時に点灯される不良警告表示器126が設けられている。また、保持枠
113の下部に取り付けられた開閉パネル114には、打球発射装置に供給され
る打球を保留する供給皿115が取り付けられ、その下方には供給皿から溢れた 賞品球を貯留するための受皿116が設けられている。上記保持枠113の側部
(図では左側)には、特定入賞口への入賞によって駆動された可変表示装置10
4を停止させるための可変表示停止手段117が設けられている。 【0015】 上記のごとく構成されたパチンコ遊技機は、打球発射装置102によって遊技
領域内に打ち込まれた打球が特定入賞口107または108に入賞すると、可変
表示装置104の表示手段が駆動され、4つの表示窓に各々表示されている数字
がそれぞれ変化される。そして、遊技者が保持枠113に設けられている可変表
示停止手段117を押すか、タイマによって設定された時間が経過することによ
って可変表示が停止され、そのとき表示されている数字が所定の組合せに一致す
ることによって特定態様が発生される。 特定態様が発生すると、変動入賞装置105が開状態に変換されてそこへの入
賞確率がゼロから非常に高い状態(特別遊技状態)に移行される。その結果、比
較的短い時間内に多数の入賞球が発生し、多くの賞品球が遊技者に与えられるよ
うになる。 【0016】 変動入賞装置105は、両側部にそれぞれ一般入賞口105aを有していると
ともに、特定態様発生時に開成される受口内には一般入賞領域と特別条件構成領
域とを有する。そして、変動入賞装置105の背部には、受口に入賞した打球を
検出する入賞検出器とともに、上記特別条件構成領域に入賞した打球を検出する
特別条件検出器が設けられており、受口が開いている間に、特別条件構成領域に
打球が入賞すると再び受口が開成され、これを最高10回繰り返すことにより、
大当りと呼ばれる特別遊技状態が終了するようになっている。受口は一度開成さ
れると、一定時間(例えば30秒)または所定入賞球数(10個)に達するまで
連続して開かれるようにされている。 【0017】 図1は、図2に示すような構成のパチンコ遊技機に本発明を適用した場合の裏
機構の構成の一実施例を示す。 裏機構盤1の上部には予備球の貯留タンク2が配設され、この貯留タンク2の 一端には内部の予備球を自作用的に整列させて誘導する案内樋11が接続されて
いる。案内樋11は2条の通路を有してゆるやかに傾斜され、かつ途中に振り子
式の球ナラシ3と押圧式の球ナラシ4とが設けられており、これによって、予備
球は案内樋11を流下する間に2列に整列される。 【0018】 そして、上記案内樋11の流下端部に、ストッパ式の賞品球排出装置20が、
配設してある。パチンコ遊技機の前面の遊技盤内に設けられた入賞口へ入賞した
打球が、裏面に回収されて集合棚10によって一箇所に集められ、入賞球処理装
置40によって一個ずつ分離されて入賞球検出器91によって検出され、その結
果排出指令信号が形成される。すると、賞品球排出装置20が一回だけ作動され
て所定数(例えば13個)の賞品球が排出される。入賞球処理装置40によって
分離、検出された入賞球は導出樋12を通って遊技機後方の回収樋(図示省略)
に排出される。賞品球排出装置20による賞品球排出が終了すると、その排出終
了信号を受けて入賞球処理装置40が次の入賞球の分離、検出を行なう。 【0019】 一方、賞品球排出装置20によって排出された賞品球は、賞品球導出樋13を
通って供給口118より遊技機前面の供給皿115(図2参照)に流出される。
供給皿115が一杯になると、賞品球は分流樋15を通って遊技機前面下方の受
け皿116に排出される。受け皿116が一杯になると、分流樋15の途中に設
けられたオーバフロー検出器92によって検出され、例えば打球発射装置102
の駆動を停止させるようになっているとともに、オーバフロー検出器92によっ
て受け皿のオーバフロー状態が検出されたときこれを遊技者に報知するため、オ
ーバフロー表示器127が遊技機の前面に設けられている。 93は貯留タンク2内に予備球がなくなったとき、これを検出するための球不
足検出器である。 【0020】 また、上記賞品球排出装置20の下方には、賞品球導出樋13と並行して球抜
き樋16が設けられ、球抜き樋16の入口すなわち賞品球導出樋13との分岐点
には、切替えゲートを有する球抜き装置60が配設されている。この球抜き装置 60は、遊技機の保持枠113の前面に形成された操作穴119より、ピンもし
くはワイヤのような工具を挿入することによってゲートを作動させることができ
るようになっている。そして切替えゲートが球抜き樋16側に切り換えられると
、球抜きスイッチ84がオンされるようになっている。 従来の球鞘ケースを用いたパチンコ遊技機では、球抜き用のゲートが賞品球排
出装置20の上流側に配設されていたので、球抜きを行なっても途中に球が残っ
てしまったが、この実施例では球抜き装置60が賞品球排出装置20の下流側に
あるので、すべての球を抜くことができ、パチンコ店のデータの集計が正確に行
なえる。 【0021】 球抜き樋16の下端は、アウト穴110より回収されたアウト球を誘導するア
ウト球導出樋17と合流され、パチンコ店の島設備下方に配設された回収樋(図
示省略)に向かって回収球を流出するようになっている。 さらに、裏機構盤1には、上記賞品球排出装置20やオーバフロー検出器92
からの検出信号による打球発射停止、各種表示装置の駆動などパチンコ遊技機全
体の電気的な制御を行なうための制御装置200及び遊技盤前面の各種変動入賞
装置や可変表示型補助遊技装置等に内蔵された検出器からの信号に基づいてそれ
らの遊技動作を制御する遊技内容制御装置210が設けられている。 【0022】 制御装置200の外面には、賞品球排出装置20における一回の排出動作に伴
う排出球数を設定するため、ディップスイッチ等からなる賞球数設定器80,8
1,82が取り付けられている。この賞球数設定器80〜82により、遊技盤の
種類に応じて賞品球数の設定を行なえるとともに、特定入賞球に対する賞品球数
の設定をも行なえるようになっている。また、裏機構盤1の上部には、打止め時
や故障時に、賞品球排出装置20を作動させることなく集合棚10上の入賞球を
排出させるためのマニュアルスイッチ(以下記憶排出スイッチと称する)83が
設けられている。この記憶排出スイッチ83は、後述の賞品球排出装置20内の
排出センサ25に代わって、擬似排出終了信号を与えるものである。 【0023】 さらに、この実施例では、特定入賞口107および108に入賞した打球を、
他の一般入賞口106や109などに入賞した打球と区別して検出できるように
するため、特定入賞球集合樋18が設けられており、左右の特定入賞口107に
入賞した打球はそれぞれ誘導樋19a,19bによって特定入賞球集合樋18上
に流下される。また、特定入賞口108へ入賞した打球は直接上記特定入賞球集
合樋18上に流出されるようになっている。そして、この特定入賞球集合樋18
の流出部18aには入賞球検出手段としての特定入賞検出器94が配設され、流
出部18aの下端は、前記集合樋10の上方に開口されている。つまり、特定入
賞球集合樋18によって集合され、特定入賞検出器94により検出された入賞球
は集合樋10上に流下して、他の一般入賞口へ入賞した打球と共に入賞球処理装
置40へ誘導されて一個ずつ分離され、内部に設けられた入賞球検出手段として
の入賞球検出器91によって検出されるようになっている。 【0024】 図3には、裏機構盤における上記特定入賞球集合樋18と集合樋10との関係
を示す詳細図が示されている。集合樋10は、少なくとも玉一個分の間隔を有し
て、遊技盤100の裏面を覆うように取り付けられており、左右両端には側壁が
、また下部には中央に向かってゆるやかに下り傾斜した案内棚10aが形成され
ている。案内棚10aの終端に入賞球処理装置40(図1参照)が揺動可能に配
設され、案内棚10aによって誘導されて来た入賞球を一個ずつ分離する。 図中、斜線(ハッチング)で示されている部分1A〜1Mは、遊技盤100を
貫通するように形成された貫通孔である。このうち貫通孔1A〜1Cは、遊技盤
100の前面に設けられた天の入賞具106内の3つの入賞口に対応して設けら
れた入賞球の玉出口であり、貫通孔1D,1Eは第1特定入賞口107に、また
貫通孔1Fは第2特定入賞口108に、さらに、貫通孔1G,1Hはチューリッ
プ式入賞装置109に各々対応して設けられた玉出口である。 【0025】 貫通孔1Iは、アウト穴110を構成する玉出口であり、また貫通孔1Jと1
Kは、賞球ランプ21と完了ランプ24を取り付けるために設けられた取付孔で
ある。 比較的面積の大きな貫通孔1Lと1Mは、それぞれ可変表示装置104および
変動入賞装置105を取り付けるために設けられた取付孔である。 そして、遊技盤100の裏面には玉出口1A〜1Cにより流出した入賞球を集
合樋10の側方へ誘導する一対の入賞球導出樋19c,19dが配設されている
。入賞球導出樋19c,19bによって誘導された入賞球は、入賞装置109へ
入賞し貫通孔1G,1Hより流出した入賞球および変動入賞装置105へ入賞し
た遊技球とともに、上記案内棚10a上へ流下され、入賞球処理装置40まで誘
導される。 【0026】 また、一対の第1特定入賞口107に対応してそれぞれ遊技盤100の裏面に
は、入賞球導出樋19aと19bが配設されている。入賞球導出樋19aと19
bにより誘導された入賞球は、第2特定入賞口108の玉出口1Fに対応してそ
こから流出する入賞球を一側方へ誘導すべく設けられた特定入賞球集合樋18上
に流下されるようになっている。この特定入賞球集合樋18の一側に垂直に設け
られた流出部18aの途中には、特定入賞検出器94が取り付けられ、玉出口1
D,1Eおよび1Fから流出した特定入賞球を検出するようになっている。なお
、95で示されているのが前述した変動入賞装置105の受口に入賞したすべて
の遊技球を検出する入賞検出器で、96で示されているのが、受口内の特別条件
構成領域に入賞した球を検出する特別条件検出器である。上記特定入賞球集合樋
18は、変動入賞装置105の背部に取り付けられるとともに、この特定入賞球
集合樋18の上記流出部18aと反対側の一側に変動入賞装置105の駆動源(
ソレノイド)105bが固定されている。 【0027】 図4に、予備球の貯留タンク2と案内樋11および賞品球排出装置20の構造
とその接続状態を示す。 貯留タンク2は、裏機構盤1の上部に形成された収納凹部に載置されるように
して取付けられる。図示しないが貯留タンク2の底壁の一端(図では左端)には
開口部が形成され、この開口部に臨むように案内樋11が取り付けられる。案内
樋11の底壁には踏板が回動可能に配設され、貯留タンク2内に予備球がなくな ると踏板が上昇する。これを球不足検出器93が検出して球補給要求信号を形成
する。 【0028】 案内樋11の途中には分流壁11aが設けられ、流下する球を2条に分離、整
列させる。球ナラシ3は案内樋11の上部に形成された支持部11bに、ピン3
aにて垂下され、案内樋11上を上下に重なり合って流下して来る球をくずして
整列させる。球ナラシ4は、案内樋11の両側に固定された支持片4aに、ピン
4bにて回動可能に支承され、案内樋11上を流下する球の重なりを防止する。 さらに、上記案内樋11の途中、望ましくは賞品球排出装置20の直前には、
ピン4bを支点として回動可能な流下制御部材7が設けてある。この流下制御部
材7の先端折曲片は2つに分割され、図中破線イのように回動されたとき各折曲
片7c,7dが、2条の誘導経路に対応して案内樋11の上壁に形成された長孔
11c,11d内に進入することにより、案内樋11内の球の流下を阻止し、賞
品球排出装置20への供給を手動により中断できるようになっている。 【0029】 これによって、賞品球排出装置20の保守点検や故障した場合の交換作業を容
易に行うことができるようになる。 また、上記流下制御部材7の一側には側方へ向かって操作片7bを突設し、手
動による流下制御部材7の回動を容易に行えるようにしてある。さらに、この操
作片7bと案内樋11の側壁に設けたピン8との間にはスプリング9が張架され
、このスプリング9によって流下制御部材7の状態を安定に保持できるようにな
っている。 そして、上記案内樋11の流下端部に、流下経路30を一体的に有する賞品球
排出装置20が配設される。この場合、案内樋11の流下端部の樋側面に係止片
11eを設け、また賞品球排出装置側の流下経路30の始端上部及び下部に前方
へ突出するガイド片30aを設け、このガイド片30aと係止片11eとによっ
て、案内樋11と流下経路30とを接続できるようにしてある。 【0030】 図5〜図7に、賞品球排出装置20の詳細を示す。賞品球排出装置20は、流 下経路30とこの流下経路30内に進入して球の流下を制御する流下阻止部材2
2およびその駆動手段たるソレノイド21が一体的に結合されてなる。 上記流下経路30は、ゆるやかに傾斜した整列樋31と、この整列樋31の流
下端部から略垂直下方に延設された調流樋33と、整列樋31と調流樋33との
接続部にあって流下する球を約90度方向転換せしめる調整部32と、上記調流
樋33の下端から約45度斜め下方に向かって延設された誘導樋34と、この誘
導樋34の終端から略垂直下方に延設された排出樋35とにより構成されている
。誘導樋34と排出樋35の境界部近傍には、流下経路30の外側壁から一対の
支持片36が突出され、この支持片36間には、支軸24が横架されている。 【0031】 また、流下経路30は案内樋11に対応して2条形成されており、2条の流下
経路30に対応して、一対の扇状の流下阻止部材22が上記支軸24を中心とし
て回転自在に装着されている。流下阻止部材22に対応してソレノイド21も一
対設けられている。そして、この流下阻止部材22の先端部が、上記流下経路3
0の内壁部に設けられたスリットより進入し、上記誘導樋34内に突出されてい
る。上記流下阻止部材22の先端後部は、リンク部材23を介して上記ソレノイ
ド21のプランジャ21aの先端部に連結されており、プランジャ21aの伸縮
に伴なって流下阻止部材22が支軸24の回りに往復回動され、先端部が誘導樋
34内に進入したり、後退したりするようになっている。これによって、球の流
下を許容したり阻止したりして、所定数の排出を行なう。 【0032】 また、誘導樋34の側壁は外部に膨出されて、収納部37が形成され、この収
納部37には透過型光センサからなる排出球検出器25が挿入されている。 なお、上記ソレノイド21の上方には、上記ソレノイド21や排出球検出器2
5から引き出されたリード線を一箇所に集中させ、かつ上記制御装置200と接
続するための配線を前方から一括して接続できるようにするためのコネクタ26
が配設されている。そして、上記流下経路30の下端に、賞品球導出樋13の始
端に形成された係合部13aが係合されて接続が行なわれる。 【0033】 さらに、流下経路30の入口部の整列樋31の底面には、図6に示すごとく、
金属板のような導電性シート38が貼付され、この導電性シート38の一端はフ
レーム等に接地されている。これによって、流下球に帯電されていた静電気を逃
して、排出球検出器25の静電破壊を防止することができる。すなわち、検出器
としてマイクロスイッチのような機械式のものを使用する方法も考えられるが、
マイクロスイッチは復帰動作が遅いため連続して球が流下してくるとオン状態に
なりっぱなしになるおそれがあると共に、チャタリングを起こし易い。また、長
期間の使用により接点不良も生じやすい。そのため、マイクロスイッチは賞品球
排出装置のように連続した球の検出を行なう検出器としては適していない。 【0034】 そこで、上記実施例では、排出球検出器25として光センサを使用している。
しかしながら、光センサはICで形成されているため静電気に弱く、しかも排出
球は案内樋11内を流下してくる間に、樋との摩擦で静電気を帯び、この静電気
によってセンサが破損され易くなるという不都合がある。その不都合を、上記実
施例は整列樋31の底面に貼付した導電性シート38で放電して回避するもので
ある。また、導電性シート38の材料を選択することにより球と樋との摩擦力を
減らして、球の流れを円滑にさせることもできる。 【0035】 さらに、上記賞品球排出装置20の流下経路を構成する整流樋31の上壁及び
調流樋33の外壁には、図4に示すようにそれぞれスリット31a及び33aを
設けてある。これによって、流下経路に異物等が侵入して賞品球排出装置20内
で球詰まりを起こしたり、円滑な流下が阻害されたような場合に、このスリット
31aまたは33aよりピンなどの工具を挿入して異物を除去することができる
等、メインテナンスが容易となる。上記スリット31a及び33aには、スリッ
トと略同じ大きさの段部39aを有する蓋部材39を係合させて、ビス等に固定
して閉塞するようにしてある。 【0036】 次に上記のごとく構成された流下経路30と賞品球排出装置20の作用を図7
を用いて詳細に説明する。 上記賞品球排出装置20は、流下阻止部材22が図6に実線で示すごとく誘導
路34内に進入している状態では、流下経路30内に整列されたパチンコ球Bは
、最先端の球B1が流下阻止部材22の外周面に接触することで停止されている
。このとき、誘導樋34内に2個の球B1,B2が、また、調流樋33内に3個の
球B3,B4,B5が収納されるように、誘導樋34と調流樋33の寸法が各々決
定されている。しかも、調流樋33内の最上方の球B5は、整列樋31内の球B6
,B7・・・に押されて、テーパ状の調整部32に当接されるようになっている
。調整部32に向かって押圧されることにより球B5は調整部32から反発力を
受けて、その反発力は球B5およびその下方の球B4,B3・・・に伝わり、それ
らを下方へ押し上げるように作用する。その結果、流下阻止部材22が図7に破
線Cで示すごとく誘導樋34内から後退されたとき、調整部32からの反発力お
よび球の自重によって、調流樋33および誘導樋34内の球B1〜B5は速やかに
流下し始めるようになる。 【0037】 球B1〜B5が流下すると整列樋31内の球B6,B7・・・がこれに続いて流下
を開始する。そして、整列樋31の出口で先ず調整部32に衝突して流下速度を
減じられ、かつ流下方向が水平方向から垂直方向へ略90°変換され、調流部3
3に入る。そこでは自重による加速が行なわれるため、調整部32で減速される
後続の球との間に球間隔が確保されるようになる。そのため、例えば球B7を検
出した時点でソレノイド21を消磁したとき、流下阻止部材22の動作に遅れが
あっても球B7が通過する前に、流下を阻止してやることができるようになる。
このように球間隔を大きくすることにより、流下阻止部材の制御が容易となる。
ただし、B7を検出してソレノイド21をオフしたときに排出される賞品球は6
個である。 【0038】 さらに、上記流下経路30は、流下阻止部材22によって球の流下が阻止され
ている状態で調流樋32の最上方に位置する球B5の中心O5が、整列樋31内に
整列している球B6,B7・・・の中心O6,O7・・・を結ぶ中心線の延長線より
下方に位置されるように、誘導樋34および調流樋33の寸法が決定されている 。 そのため、待機中の球B6,B7・・・からB5へ伝わる圧力は球B5を押し下げ
るような分力を生じる。これによって、流下阻止部材22が後退したときに、調
流樋33最上方の球B5が後続の球B6と調流樋33の外側壁33aとの間にはさ
まれて球B1〜B4の流下に追従して流下しようとするのを妨げられることがない
。 【0039】 誘導樋34の途中に設けられている排出球検出器25は、その検出光軸Fが樋
内を流下する球の中心から少し外れた位置に来るように配設されている。検出光
軸Fが球の中心を通るように位置決めされていると複数個の球が連続して流下し
て来た場合、検出信号のパルス間隔が狭くなって正確な計数が行えなくなるおそ
れがある。しかるにこの実施例では、上記のごとく、検出光軸Fを球の中心から
ずらしたことにより、正確な計数が可能となる。 また、扇形をなす流下阻止部材22の回転面が流下する球の中心の流下軌跡と
一致するように流下阻止部材22が取付けられ、誘導樋34の上方から下方に向
かって樋内に進入するように移動されて、流下する球を停止させるようになって
いる。そのため、流下する球が停止するとき流下阻止部材22に働く衝撃力を、
流下阻止部材22の回転範囲を制限するストッパ部(例えば流下阻止部材22が
進入する誘導樋34のスリット端部)で受け止めることができるので、容易に停
止時に働く衝撃に耐える強度を持たせることができる。 【0040】 しかも、最下端の球B1は扇形の流下阻止部材22の外周面に接触して停止さ
れるため、最下端の球B1が流下阻止部材22の外周面と誘導樋34の壁面との
間に食い込むような形で停止されても、流下阻止部材22が後退される時にはそ
の外周面で球B1を回転させるようにしながら離れていく。そのため、比較的小
さな力で流下阻止部材22を後退させることができ、流下阻止部材22と誘導樋
34の壁面との間に球が挟まれて動かなくなるようなことがなくなる。 さらに、流下阻止部材22の回転中心と誘導樋34内の最下端の球B1の中心
O1とを結ぶ線が水平になるように配設されている。そのため、流下阻止部材2 2の端部が球B1の外周からはずれると直ぐに球B1が流下可能になり、流下阻止
部材22の回転に伴って球B1が少しずり下がってから阻止力が外され、流下を
開始するようなことがない。 【0041】 また、上記実施例において、調流樋33と誘導樋34とのなす角度αは0〜9
0°の範囲にあればよいが、45°前後に設定してやると、調流樋33内で加速
された流下球のスピードを大きく減速させることがなく、しかも停止時に流下阻
止部材22にかかる負荷を軽減させることができる。 さらに、上記実施例では、流下阻止部材22によって球の流下が阻止されてい
る状態で、流下阻止部材22と誘導樋34内の最下端の球B1との接触点から球
の直径分だけ離された点を通る鉛直線Gと排出樋35の壁面35aとの距離dが
球の半径rよりも小さく、かつr−rcosαよりも大きくなる(r−rcos
α<d<r)ように誘導樋34の終端34aの位置が決定されている。これによ
って、流下阻止部材22が誘導樋34内に進入して球の流下を阻止する際に、最
後に排出される球が流下阻止部材22の端面22aで後押しされるようにして排
出されたとき、誘導樋34の終端34aまで来ると排出樋35内に流下して流下
阻止部材22から逃げることができる。そのため、最終排出球がいつまでも誘導
樋35内に残って、流下阻止部材22が進入するときの妨げとならず、迅速な排
出の停止が可能となる。 【0042】 図8に前記入賞球処理装置40の一実施例の詳細を示す。 裏機構盤1の裏面に設けられた集合棚10は中央に向かって下り傾斜され、中
央に流路変換部10Cが設けられている。この流路変換部10Cは、左右の集合
棚10A,10Bに段差を生ぜしめる垂直壁10aと、この垂直壁10aに固定
され右側の集合棚10Aより流下してきた入賞球を前方へ方向転換せしめるべく
前端が円弧状に形成されてなる誘導片10bと、誘導片10bの下方の集合棚1
0Aの終端部にて前方へ緩やかに下り傾斜するように形成されたテーパ部10c
とにより構成されている。 【0043】 上記流路変換部10Cに対応して、集合棚10を覆うように取り付けられるパ
ネルと一体の保持枠41には球一つが通過可能な流出口41aが形成され、この
流出口41aの一側及び下辺に沿ってL字状の入賞球案内板42が設けられ、流
入した入賞球は90度方向転換せしめられる。 上記入賞球案内板42の側方に位置するように球処理器43が支軸44によっ
て揺動可能に取り付けられている。この球処理器43の上記入賞球案内板42に
対向する側には、凹状をなす球受け部43aが形成されていると共に、その反対
側には錘45が取り付けられ、通常状態において錘45の取付け側がその重みで
下がるようになっている。そして、反対側の球受け部43aの下辺が上記入賞球
案内板42の下面に当接してそれ以上の回転が阻止され、バランスが保たれる。
この状態で図9のように入賞球案内板42上から球受け部43aに入賞球が流下
してくると、球の重みによって球処理器43が時計回り方向へ回転するように、
錘45の重さが決定されている。流入した球の重みによって回転した球処理器4
3は下辺が保持枠41に当接することにより停止される。 【0044】 球処理器43には、この停止状態で上記入賞球案内板42に対向する位置に阻
止片43bが突設されている。これによって、2以上の入賞球が連続して発生し
た場合に、2番目以降の入賞球は図10のように阻止片43bによって流下が阻
止されて、入賞球案内板42上で待機させられる。また、その取付け位置は制限
されないが、例えば球処理器43の上部に、検知片43cが設けられていると共
に、この検知片43cに対応して保持枠41には、一対の投光器及び受光器を対
向配設してなる光センサのようなセーフセンサ91が取り付けられている。 【0045】 さらに、上記球処理器43の側方にはソレノイド46が配設されており、球受
け部43aに入賞球が流入することによって回動された球処理器43の球受け部
下辺に対向する位置に、上記ソレノイド46のプランジャ46a先端に固着され
たストッパ47が臨むようにされている。このソレノイド46は、消磁状態にお
いてプランジャ先端のストッパ47が、スプリング48によって下方へ引き下げ
られ、球受け部43aに保持されて下方の入賞球導出樋12に向かって流下しよ うとしている入賞球に当接してその流下を阻止するようにされる(図10参照)
。そして、ソレノイド46が励磁されるとプランジャ46aが収縮してストッパ
47が上昇され、球受け部43a内に保持されていた入賞球が導出樋12へ向か
って流下する。なお、ストッパ47には操作片47aが突設されており、球詰ま
りやソレノイドの故障時等において、パチンコ店の係員が手動でストッパ47を
移動させて入賞球を排出できるようにされている。 【0046】 ソレノイド46は例えば賞品球排出装置20における排出終了信号を受けて作
動されるようにされる。ソレノイド46が励磁されて入賞球が流下させられると
、球処理器43が錘45の重みによって反時計回り方向に回動されて、阻止片4
3bが上昇する。そのため連続して発生し入賞球案内板42上で待機させられて
いた次の入賞球が球受け部43a内に流入し、再び球処理器43が時計回り方向
に回転される。このようにして、上記動作を繰り返すことにより、短時間に発生
した多量の入賞球が速やかに分離検出され、処理される。 前述したように賞品球排出装置20として、ソレノイドによって流下阻止部材
22を流下経路30内に進入させたり後退させたりして賞品球の排出を制御する
ストッパ式のものを使用した場合、単に入賞球導出樋の途中にセーフセンサを取
り付けて入賞球を検出し、それを電気的に記憶しておくことにより、高速の排出
制御を行なわせることも可能である。 【0047】 これに対し、上記実施例の入賞球処理装置40では、球処理器43によって入
賞球を一個ずつ分離して検出しているので、前の入賞球と次の入賞球との検出間
隔を必要かつ充分にとれる。そのため、連続して発生した入賞球をより正確に検
出することができる。なお、球鞘ケース方式の賞品球排出装置を用いた従来の遊
技機においても入賞球を一個ずつ分離して賞品球の排出制御を行なっているが、
従来の入賞球処理装置では、分離された入賞球でレバーを動かしてその動きで球
鞘ケースのストッパを外して傾動させて排出させ、さらにこの球鞘ケースの傾動
を物理的に球処理器に伝えて、次の入賞球の流下を許容させるようになっている
ため、上記実施例の入賞球処理装置に比べて応答速度が遅く、短時間に多量に発 生する入賞球の処理には不向きである。 【0048】 また、上記実施例の入賞球処理装置40では、賞品球排出装置20における排
出終了を確認してからソレノイド46を作動させて前の入賞球を排出し、次の入
賞球の検出に進むように制御できるので、入賞球が発生したのに賞品球が払い出
されないといったような、遊技客と遊技店との間で生じるトラブルを防止するこ
とができる。つまり、賞品球の排出がなければ入賞球はストッパのところに残っ
ているので、そこを見れば遊技客の主張が正しいか否かすぐに分かる。しかも、
入賞球と賞品球の排出が一対一の関係にあり、排出が停止している間は入賞球の
処理も中断され、かつ未排出に係る入賞球は待機させられているため、停電対策
が不要となる。つまり、入賞球を予め検出してメモリやカウンタに電気的記憶さ
せておくようにすると、停電時に記憶数が消滅されてしまわないようにするため
電池によるバックアップ等の停電対策が必要であるが、上記実施例の入賞球処理
装置を使用するとその必要性がなくなる。 【0049】 さらに、上記実施例においては、入賞球の検出を、球処理器43の回動の検出
という間接的な方法で行なっているため、パチンコ球に帯電した静電気によるセ
ーフセンサ91の誤動作が防止される。つまり、上記実施例の場合、入賞球の通
過経路にセンサ91を臨ませておくことにより直接入賞球を検出することも可能
であるが、そのようにするとセンサが入賞球に帯電した静電気により誤動作され
るおそれがあるが、間接的に検出することによりセンサの誤動作を防止すること
ができる。 なお、上記実施例では、入賞球処理装置を図8のごとく構成したのに対応して
、右側の集合棚10Aに傾斜角αとして6〜8°の角度を与え、左側の集合棚1
0Bには傾斜角βとして14〜16°の角度を与えて左右の集合棚10Aと10
Bを流下する入賞球の速度を異ならしめると共に、垂直壁10aの高さhを12
mm以上に設定している。これによって、複数個の入賞球が発生して左右から同時
に入賞球が流下して来ても流路変換部10Cでの球詰まりを未然に防止できるよ
うになっている。 【0050】 次に、入賞球検出器91や特定入賞球検出器94からの検出信号に基づいて、
上記賞品球排出装置20を制御して所定数の賞品球の排出や打球発射装置102
等の制御を行う制御装置200の一実施例について、図11を用いて説明する。 この実施例では、賞品球排出装置20等の制御をCPU(マイクロコンピュー
タ)200’を用いて行なうようになっている。 CPU200’には、前記実施例における賞球数設定器80,81,82や記
憶排出スイッチ83、球抜きスイッチ84、入賞球検出器91(以下、セーフセ
ンサ1と称する)、オーバフロー検出器92、球不足検出器93、特定入賞検出
器94(以下、セーフセンサ2と称する)からの検出信号が入力される。賞球数
設定器80,81,82が設けられていることにより、賞品球数の異なる機種(
パチンコ機)を制御できるとともに、本発明の目的とする特定入賞口とそれ以外
の入賞口への入賞に対する賞品球数の異なる排出制御が可能となる。 【0051】 また、CPU200’には、賞品球排出装置20の流下経路30の途中に設け
られた一対の排出球検出器(以下排出センサと称する)25からの排出球検出信
号が、入力されるようになっている。 さらに、CPU200’には、図示しないパチンコ店の集中管理装置からの打
止め指令信号が入力される。 CPU200’は、内部に読出し専用メモリたるROM201および随時読出
し書き込み可能なメモリたるRAM202を有している。このうち、ROM20
1には、賞品球排出装置20等の制御を行うためCPU200’が実行すべきプ
ログラムおよびセーフソレノイド46の駆動時間やウェイト時間(排出間隔)の
ような固定データを記憶する。 【0052】 一方、RAM202は上記排出センサ25からの排出球検出信号に基づいて、
各流下経路30から排出された球の累積数等を記憶するメモリ領域や各流下経路
の排出球数を設定したり、ソフトタイマを構成するレジスタ領域およびCPU2
00’の作業領域(ワークエリア)を提供している。 さらに、CPU200’には、ドライバ220を介して、賞品球排出装置20
内の一対のソレノイド(以下排出ソレノイドと称する)21や入賞球処理装置4
0内のソレノイド(以下セーフソレノイドと称する)46、さらに、賞球ランプ
122、完了ランプ123や賞球数表示器124、パイロットランプ125、不
良警告表示ランプ126等の表示装置(いずれも図2参照)および打球発射装置
102などが接続されている。CPU200’はROM201内のプログラムに
従って、上記設定器や各種検出器及びスイッチからの信号に基づいて賞品球排出
装置20や各種表示ランプ、打球発射装置102などを駆動するようになってい
る。 【0053】 CPU200’の主たる処理は、オーバーフロー処理,タンク処理,球抜き処
理,入賞球検出処理,賞品球排出処理である。ただし、処理の手順は、上記順序
に限定されず、いずれの処理から実行するようにしてもよい。上記処理をタイマ
割込みなどにより繰返し実行することによってパチンコ遊技機の制御が行なわれ
る。 ここで、オーバーフロー処理は、オーバーフロー検出器92からの検出信号を
検知して、例えば、オーバーフローランプ127を所定の時間(10〜20秒)
点灯もしくは点滅させ、それでもオーバーフロー状態が解除されていない場合に
は、打球発射装置102による発射動作を停止させることを内容とする。これに
よって、賞品球導出樋13内が賞品球排出装置20の近くまで賞品球で満たされ
て、排出動作に悪影響を及ぼすのを回避することができる。 【0054】 タンク処理は、貯留タンク2が空になって球不足検出器93がオフされたこと
を検知すると、例えば、球の補給要求を集中管理室に送ると共に完了ランプ11
2を点灯させ、これと同時にもしくはその後賞品球排出装置20内の排出センサ
25の信号に基づいて球無し状態を検知すると、打球発射装置102を停止させ
る。球補給要求信号が集中管理室に送られると、集中管理室からの指令によって
、タンク上方の補給装置(図示省略)が作動されて、貯留タンク2への補給が行
なわれる。 球抜き処理は、球抜装置60の切替ゲートが球抜樋16の入口を開いて賞品球
導出樋13の入口を閉鎖する方向に切り替えられたことを、球抜きスイッチ84
からの信号に基づいて検知すると、賞品球排出装置20内のソレノイド21を作
動させて、2条の流下経路30を通して連続的に予備球を排出させて、貯留タン
ク2を空にするものである。 【0055】 入賞球検出処理と賞品球排出処理は、相互に関連し複雑になるので、図12〜
図15に詳細な処理手順を示し、以下これに基づいて説明する。 電源投入または割込み発生により処理が開始されると、先ず入賞球を検知する
前に、セーフセンサ1,2に対応して各々の入賞球数を記憶するセーフメモリ1
,2や各種レジスタおよびフラグ類の初期設定を行なった後(ルーチンR1)、
賞球数設定器1,2,3のオン、オフ状態を読み込んで賞品球排出装置20にお
ける各流下経路ごとの一回の排出球数(以下排出基数と称する)の決定を行なう
(ルーチンR2)。 前記実施例の遊技機(図1参照)においては、排出球数の設定のためディップ
スイッチからなる賞球数設定器80,81,82が設けられている。そこで、C
PU200’はこれらのスイッチ80,81,82のオン(“1”),オフ(“
0”)状態の組み合わせに応じて、例えば次表のように通常排出時のソレノイド
1側と2側の排出基数1と2を設定すると共に、特定入賞球に対する小排出時の
賞品球数となる排出基数3を設定する。ここでは、一例として通常排出時の賞品
球数を11個、13個、15個のいずれかに、また小排出時の賞品球数を3個、
5個、6個、7個のいずれかに設定する場合が示されている。 この場合、通常排出時の賞品球数を15個(13個、11個)と設定するとと
もに、小排出時の賞品球数を7個(6個、5個)と設定すれば、少なくとも変動
入賞装置105に遊技球が入賞した場合の賞品球数の略1/2賞品球の払い出し
が、特定入賞口107、108に遊技球が入賞した場合に対して行われることと
なる。 更に、通常排出時の賞品球数を15個(11個)と設定するとともに、小排出
時の賞品球数を6個(3個)と設定すれば、少なくとも変動入賞装置105に遊 技球が入賞した場合の賞品球数の略1/3の賞品球の払い出しが特定入賞口10
7、108に遊技球が入賞した場合に対して行われることとなる。 【0056】 【表1】 上記表1において排出ソレノイド1側とは、2条の流下経路のうち取付け基板
に近い側の経路に設けられたソレノイドを指し、上記表1においては排出ソレノ
イド1側の排出基数の方が常に排出ソレノイド2側よりも大きくなるように決定
されている。このような関係に設定しているのは、流下経路を2条とした場合、
貯留タンク2から案内樋11を通って賞品球排出装置20へ向かって流下する球
の流れが基板に近い側の流下経路の方が円滑であり、遠い側の方は常に球が不足
がちになり易いからである。そこで、表1のように常に排出ソレノイド1側の排
出基数を大きくしておくことにより、2条の流下経路に対する球の供給のバラン
スを図ることが可能となる。 【0057】 なお、図3に示した賞品球排出装置20により、設定されたn個の賞品球を排
出させる場合、排出センサ25の取付け位置の下流側に、流下阻止部材22によ
って阻止されている球が一つあり、排出センサ25が一つ前の球を検出している
状態で次の排出指令を待つことになる。そのため、実際の制御では、設定数nよ
りも「1」少ないn−1個目の球を排出センサが検出した時点で流下阻止部材2
2を作動させるソレノイド21に対する制御信号を変化させてやる必要がある。 上記排出基数設定処理(ルーチンR2)が終了すると、2秒間のアイドルタイ
ムの経過を待って(ルーチンR3)、次のルーチンへ進み、セーフセンサ1が一
定時間オンされているか否か判定する(ルーチンR4)。ここで、ノオ(否)と
判定されると、次のルーチンR5でセーフセンサ1の出力の立上りがあったか否
か判定し、ノオならばそのままルーチンR7へ進む。 【0058】 一方、上記ルーチンR4とルーチンR5のいずれかにおいてイエスつまり入賞
球有りと判定されると、ルーチンR6へ進んでCPU内のセーフメモリ1の記憶
を「1」だけ増やしてからルーチンR7へ進む。ルーチンR7ではセーフセンサ
2の出力の立上りがあったか否か判定し、ノオならばそのままルーチンR9へ進
み、イエスならばルーチンR8でセーフメモリ2の記憶を「1」だけ増やしてか
らルーチンR9へ進む。 ルーチンR9では処理番号の入るレジスタ内の番号が「1」になっているか否
か判定し、イエスならば符号Aで示される排出球検出処理へジャンプする。しか
して、処理番号レジスタはルーチンR1での初期設定で「0」にリセットされて
いるため、ルーチンR9での最初の判定ではノオとなって、次のルーチンR10
へ進む。ここでは、処理番号レジスタ内の番号が「2」であるか否か判定し、イ
エスならば符号Bで示される後処理へジャンプすることになるが、最初の判定で
はルーチンR9と同様にノオとなって、ルーチンR11へ進む。 【0059】 ルーチンR11ではセーフメモリ1の記憶が「0」でないか判定し、ノオすな
わち入賞記憶が「0」のときは上記ルーチンR5へ戻る。しかして、ルーチンR
6で入賞記憶がインクリメントされてからルーチンR11へ来た場合にはイエス
と判定されて、ルーチンR12へ移行する。 ルーチンR12では、セーフメモリ2の記憶が「0」でないか判定し、入賞記
憶が「0」のときはルーチンR13〜R16からなる一連の通常排出処理へ移行
する。 すなわち、先ずルーチンR13で賞球数表示器124のうち通常排出数を表示
する表示器L1を駆動し、ルーチンR2で設定した排出基数1と2の合計数を表 示させてから、ルーチンR14で排出レジスタ1に排出基数1(表1参照)を、
またルーチンR15で排出レジスタ2に排出基数2をそれぞれロードする。それ
から、ルーチンR16で排出ソレノイド1と2をオンさせてから、ルーチンR2
6で処理番号レジスタに「1」をセットして、ルーチンR5へ復帰する。 【0060】 一方、上記ルーチンR12でイエスつまりセーフメモリ2の入賞記憶ありと判
定すると、ルーチンR17〜R25からなる小排出処理へ移行する。すなわち、
先ずルーチンR17で小排出フラグに“1”をセットして小排出処理に移ったこ
とを明記してから、賞球数表示器124のうち小排出数を表示する表示器L2を
駆動してルーチンR2で設定した特定入賞球に対する賞品球数を表示させる。こ
こで、前の排出が通常排出であった場合には、表示器L1を消灯してから表示器
L2を点灯させる。つまり、表示器L1とL2はいずれか一方が点灯され、同時に
点灯されることはない。 表示器L2点灯後、ルーチンR19へ進んで反転フラグが“0”になっている
か否か判定し、“0”ならばルーチンR20へ進み、反転フラグを“1”に変更
してから、ルーチンR21で排出レジスタ1に排出基数3を設定する。しかる後
、ルーチンR22で排出ソレノイド1をオンした後、ルーチンR26へ移行して
処理番号を1に変更してルーチンR5へ戻る。 【0061】 しかして、ルーチンR19で反転フラグが“0”でないと判定すると、ルーチ
ンR23へ移行して反転フラグを“0”に変更してから、排出レジスタ2に排出
基数3を設定(ルーチンR24)した後、排出ソレノイド2をオン(ルーチンR
25)して、ルーチンR26へ進む。 このように小排出処理では、反転フラグの状態(1or0)に応じて、排出数は
同じであるが駆動する排出ソレノイドを変えている。しかも、排出ソレノイドを
駆動する度に反転フラグを変更つまり反転させている。そのため、賞品球排出装
置20内の2条の流下経路30に対応した2つの排出ソレノイド1と2が交互に
駆動されるようになる。その結果、小排出の際に案内樋11内の2条の通路の一
方からのみ賞品球が供給されるのを回避することができる。すなわち、案内樋1 1内の通路の一方のみ球が頻繁に流れると入口の近くで球が石垣状に重なって球
詰まりを生じさせ易いが、上記フローに従うとそのような球詰まりを防止するこ
とができる。 【0062】 ルーチンR26からルーチンR5へ戻ると再び上記処理R5〜R8を繰り返す
わけであるが、今度は処理番号レジスタが「1」にセットされているため、ルー
チンR9でイエスと判定されて排出球検出処理A(図15参照)へジャンプする
。この排出球検出処理Aでは、先ず排出センサ1の出力の立上りがあったか否か
判定し(ルーチンR31)、ノオならばそのままルーチンR35へ進み、排出セ
ンサ2の出力の立上りがあったか否か判定する。しかして、ルーチンR31でセ
ンサ出力の立上りが検知されるとルーチンR32へ進み、ここで排出レジスタの
内容を「1」だけ減算してから、次のルーチンR33で排出レジスタの値が「0
」になったか否か判定する。ここで、イエスと判定されると排出ソレノイドをオ
フさせる(ルーチンR34)が、排出開始直後はルーチンR33でノオと判定さ
れ、ルーチンR35へ進む。 【0063】 ルーチンR35〜38では排出系2について、上記排出系1に関する処理(ル
ーチンR31〜R34)と同様の処理を実行してから、ルーチンR39へ進む。
ルーチンR39では、排出レジスタ1と2の値の和が「0」か否か判定し、ノオ
すなわち「0」になっていない場合には、ルーチンR5へ復帰して、再び上記手
順を踏む。しかして、ルーチンR39でイエスつまり賞品球排出装置において所
定数の賞品球の排出が終了したと判定されると、ルーチンR41へ進み、先ずセ
ーフソレノイドをオンさせる。これによって入賞球処理装置において次の入賞球
の取り込みが可能となる。セーフソレノイドをオンさせた後は、ルーチンR42
でセーフソレノイド用のタイマ(例えば100ms)を、またルーチンR43でウ
ェイト時間用のタイマ(例えば600ms)をそれぞれセットしてから、ルーチン
R44で処理番号レジスタの内容を「2」に変更し、ルーチンR5へ復帰する。 【0064】 すると、今度はルーチンR10から後処理Bへジャンプし、先ずルーチンR5 1でセーフタイマがタイムアツプしたか判定し、ノオならばそのまま、またイエ
スならばセーフソレノイドをオフして(ルーチンR52)から、ルーチンR53
へ進む。ルーチンR53ではウェイトタイマがタイムアップしたか否か判定し、
ノオならばそのままルーチンR5へ戻って再び上記処理を繰返し、イエスならば
ルーチンR54でセーフメモリの入賞記憶を「1」だけ減算する。そして、ルー
チンR55で小排出フラグが“1”か否か判定し、“0”ならそのままルーチン
R58へ、また“1”なら、ルーチンR56でセーフメモリ2を「1」だけ減算
し、ルーチンR57で小排出フラグを“0”にリセットしてからルーチンR58
へ進み、処理番号レジスタを「0」にリセットしてルーチンR5へ復帰する。 【0065】 以上説明したように上記実施例においては、特定入賞口107または108へ
入賞し、特定入賞球集合樋18上に流下して特定入賞検出器94によって検出さ
れた入賞球は、集合樋10上に流下して入賞球処理装置40に入り、その中で再
び入賞球検出器91によって検出されるようになっている。しかして、特定入賞
検出器94によって検出された特定入賞球が入賞球処理装置40に入る前に、そ
れ以前に発生した一般入賞球があればそれによって賞品球排出装置20が作動さ
れるときに小排出を優先的に実行させるようになっている。 このように小排出が通常排出よりも優先して実行されるようにしておけば、遊
技者は特定入賞口107や108への入賞だから賞品球が少ないと納得すること
ができる。逆に小排出が通常排出よりも優先されておらず、特定入賞口への入賞
があってからかなり時間を経過したところで小排出が実行されるようになってい
ると、小排出と特定入賞口への入賞との関係が理解しにくいので、遊技客は故障
により賞品球が少なくなったと勘違いしてトラブルの原因となるおそれがあるが
、上記実施例ではそのような誤認が少くなる。しかも、上記実施例では遊技盤前
面の賞球数表示器124で賞球数の表示を逐次切り替えて表示するようにしてい
るので、さらに誤認によるトラブルの発生が少なくなる。 【0066】 次に、本発明の第2の実施例を図16〜図21を用いて説明する。 図16は、第1の実施例の遊技機における裏機構盤の構成例を示す図1に対応 するもので、図1の実施例と異なるのは、特定入賞口107および108へ入賞
した打球を集合させる特定入賞球集合樋18の流下端部が、一般入賞口106等
へ入賞した打球を集合させる集合樋10の内側に開口されておらず、入賞球処理
装置40にて一個ずつ分離、検出された後の一般入賞球を流下させる入賞球導出
樋12に合流されている点である(図1におけるX−Xに沿った断面を示す図1
7参照)。その他の構成は第1実施例と同じである(図4〜図11参照)。 従って、第1の実施例では検出器94によって検出された特定入賞球が再び検
出器91によって検出されるようになっているのに対し、第2の実施例では、特
定入賞球は一般入賞球とは別個にしかも一回だけ検出されて、そのまま機外排出
されるようになる。 ただし、この実施例においても特定入賞球検出器94からの検出信号に基づい
て、特定入賞球に対する小排出を優先的に処理するようになっている。 【0067】 図18〜図21に、第2の実施例におけるセーフ球処理および賞品球排出処理
の手順の一例を示す。 この実施例のフローは、ルーチンR1〜R10まで、図12に示した第1の実
施例のフローと同様である。すなわち、電源投入または割込み発生により処理が
開始されると、先ず入賞球を検知する前に、セーフセンサ1,2に対応して入賞
球数を記憶するセーフメモリ1,2や各種レジスタおよびグラフ類の初期設定を
行なった後(ルーチンR1)、賞球数設定器1,2,3のオン、オフ状態を読み
込んで賞品球排出装置20における各流下経路ごとの排出基数の設定を行なう(
ルーチンR2)。 【0068】 それから、2秒間のアイドルタイムの経過を待って(ルーチンR3)、次のル
ーチンへ進み、セーフセンサ1が一定時間オンされているか否か判定する(ルー
チンR4)。ここで、ノオ(否)と判定されると、次のルーチンR5でセーフセ
ンサ1の出力の立上りがあったか否か判定し、ノオならばそのままルーチンR7
へ進む。一方、上記ルーチンR4とルーチンR5のいずれかにおいてイエスつま
り入賞球有りと判定されると、ルーチンR6へ進んでCPU内のセーフメモリ1 の記憶を「1」だけ増やしてからルーチンR7へ進む。ルーチンR7ではセーフ
センサ2の出力の立上りがあったか否か判定し、ノオならばそのままルーチンR
9へ進み、イエスならばルーチンR8でセーフメモリ2の記憶を「1」だけ増や
してからルーチンR9へ進む。 【0069】 ルーチンR9では処理番号が「1」になっているか否か判定し、イエスならば
符号Aで示される排出球検出処理へジャンプする。しかして、処理番号レジスタ
はルーチンR1での初期設定で「0」にリセットされているため、ルーチンR9
での最初の判定ではノオとなって、次のルーチンR10へ進む。ここでは、処理
番号レジスタ内の番号が「2」であるか否か判定し、イエスならば符号Bで示さ
れる後処理へジャンプすることになるが、最初の判定ではルーチンR9と同様に
ノオとなって、ルーチンR11へ進む。 ルーチンR11ではセーフメモリ2の記憶が「0」でないか判定し、ノオすな
わち入賞記憶が「0」のときはルーチンR12へ進む。しかして、ルーチンR8
で入賞記憶がインクリメントされてからルーチンR11へ来た場合にはイエスと
判定されて、ルーチンR17〜R25からなる一連の小排出処理へ移行する。 【0070】 すなわち、先ずルーチンR17で小排出フラグに“1”をセットして小排出処
理に移ったことを明記してから、賞球数表示器124のうち小排出数を表示する
表示器L2を駆動してルーチンR2で設定した特定入賞球に対する賞品球数を表
示させる。表示器L2点灯後、ルーチンR19へ進んで反転フラグが“0”なら
ばルーチンR20へ進み、反転フラグを“1”に変更してから、ルーチンR21
で排出レジスタ1に排出基数3を設定する。しかる後、ルーチンR22で排出ソ
レノイド1をオンした後、ルーチンR26へ移行して処理番号を1に変更してル
ーチンR5へ戻る。 しかして、ルーチンR19で反転フラグが“0”でないと判定すると、ルーチ
ンR23へ移行して反転フラグを“0”に変更してから、排出レジスタ2に排出
基数3を設定(ルーチンR24)した後、排出ソレノイド2をオン(ルーチンR
25)して、ルーチンR26へ進む。 【0071】 このように小排出処理では、反転フラグの状態(1or0)に応じて、排出数は
同じであるが駆動する排出ソレノイドを変えている。しかも、排出ソレノイドを
駆動する度に反転フラグを変更つまり反転させている。そのため、賞品球排出装
置20内の2条の流下経路30に対応した2つの排出ソレノイド1と2が交互に
駆動されるようになる。その結果、案内樋11内の2条の通路の一方からのみ小
排出のための賞品球が供給されるのを回避することができる。 一方、ルーチンR11でノオつまり特定入賞記憶なしと判定すると、ルーチン
R12へ移行する。ルーチンR12では、セーフメモリ1の記憶が「0」でない
か判定し、入賞記憶があるときはルーチンR13〜R16からなる一連の通常排
出処理へ移行する。 【0072】 すなわち、先ずルーチンR13で賞球数表示器124のうち通常排出数を表示
する表示器L1を駆動し、ルーチンR2で設定した排出基数1と2の合計数を表
示させてから、ルーチンR14で排出レジスタ1に排出基数1(表1参照)を、
またルーチンR15で排出レジスタ2に排出基数2をそれぞれロードする。それ
から、ルーチンR16で排出ソレノイド1と2をオンさせてから、ルーチンR2
6で処理番号レジスタに「1」をセットして、ルーチンR5へ復帰する。 ルーチンR26からルーチンR5へ戻ると再び上記処理R5〜R8を繰り返す
わけであるが、今度は処理番号レジスタが「1」にセットされているためルーチ
ンR9でイエスと判定されて排出球検出処理A(図21参照)へジャンプする。 【0073】 この排出球検出処理Aでは、先ず排出センサ1の出力の立上りがあったか否か
判定し(ルーチンR31)、ノオならばそのままルーチンR35へ進み、排出セ
ンサ2の出力の立上りがあったか否か判定する。しかして、ルーチンR31でセ
ンサ出力の立上りが検知されるとルーチンR32へ進み、ここで排出レジスタ1
の内容を「1」だけ減算してから、次のルーチンR33で排出レジスタ1の値が
「0」になったか否か判定する。ここで、イエスと判定されると排出ソレノイド
をオフさせる(ルーチンR34)が、排出開始直後はルーチンR33でノオと判 定され、ルーチンR35へ進む。 ルーチンR35〜38では、排出系2について上記排出系1に関する処理(ル
ーチンR31〜R34)と同様の処理を実行してから、ルーチンR39へ進む。 【0074】 ルーチンR39では、排出レジスタ1と2の値の和が「0」か否か判定し、ノ
オすなわち「0」になっていない場合には、ルーチンR5へ復帰して、再び上記
手順を踏む。しかして、ルーチンR39でイエスつまり賞品球排出装置20にお
いて所定数の賞品球の排出が終了したと判定されると、ルーチンR41へ進み、
小排出フラグが“1”になっているか否か判定し、“1”ならそのままルーチン
R44へジャンプし、“0”ならルーチンR42でセーフソレノイドをオンさせ
る。これによって通常排出時には入賞球処理装置40において次の入賞球の取り
込みが可能となるとともに、小排出時には排出が終了しても入賞球処理装置40
は動作されないようになる。ルーチンR42でセーフソレノイド用のタイマを、
またルーチンR44ではウェイト時間用のタイマをそれぞれセットしてから、ル
ーチンR45で処理番号レジスタの内容を「2」に変更し、ルーチンR5へ復帰
する。 【0075】 すると、今度はルーチンR10から後処理Bへジャンプし、先ずルーチンR5
1でセーフタイマがタイムアツプしたか判定し、ノオならばそのまま、またイエ
スならばセーフソレノイドをオフして(ルーチンR52)から、ルーチンR53
へ進む。ルーチンR53ではウェイトタイマがタイムアップしたか否か判定し、
ノオならばそのままルーチンR5へ戻って再び上記処理を繰返し、イエスならば
ルーチンR54で小排出フラグが“1”か否か判定し、“0”ならルーチンR5
5でセーフメモリの入賞記憶を「1」だけ減算する。また“1”なら、ルーチン
R56でセーフメモリ2を「1」だけ減算し、ルーチンR57で小排出フラグを
“0”にリセットしてからルーチンR58へ進み、処理番号レジスタを「0」に
リセットしてルーチンR5へ復帰する。 【0076】 以上説明したように第2実施例においては、特定入賞口107または108へ 入賞した打球は特定入賞検出器94によって、また一般入賞口へ入賞した打球は
、入賞球処理装置40内の入賞球検出器91によって各々別個に検出されるよう
になっており、特定入賞球が検出されると、その前に一般入賞球が発生して入賞
球処理装置40の入口に待機していても特定入賞球に対する小排出が優先的に実
行される。そして、小排出が終了しても入賞球処理装置40は動作されず、既に
通常入賞球が入賞球処理装置40に取り込まれていれば、それに対する通常排出
が終了してから、入賞球処理装置40における次の入賞球の取り込みが行なわれ
る。従って、通常排出と小排出とが速やかに進行し、かつ遊技客による賞品球数
に対する誤認が防止される。 【0077】 なお、上記実施例では、本発明を可変表示型の補助遊技装置を備えたパチンコ
遊技機に適用したものについて説明したが、それに限定されるものでなく、非常
に入賞確率が低く設定された特別入賞口に入賞すること(第1条件)により特別
遊技の権利を発生させ、この権利発生中に特定入賞口へ入賞すること(第2条件
)により、変動入賞装置を開放させるようにしたパチンコ遊技機についても適用
することができ、これによって特定入賞口への入賞率を高くしても遊技店の利益
が損なわれず、しかも遊技者にとっては特定入賞口への再度の入賞による権利消
滅に対する不安が低減されるようにすることができる。 また、上記実施例では、特定入賞口への入賞に対してのみ他の入賞口よりも少
ない賞品球を与えているが、特定の入賞口への入賞に対して他の入賞口よりも多
い賞品球を与えたり、賞品球の異なる3種類以上の入賞口を遊技部内に有するパ
チンコ遊技機にも適用することができる。 さらに、例えば制御手段を、図1や図16に示されているように賞品球排出装
置等の制御を行なう制御装置(200)と、変動入賞装置等を制御する遊技内容
制御装置(210)とで構成した場合、賞品球排出装置により排出すべき賞品球
数を、上記遊技内容制御装置(210)が制御装置(200)に与えて排出数保
持手段としての排出レジスタに設定するようにしてもよい。 【0078】 【発明の効果】 以上説明したように本発明は、遊技領域を有する遊技盤と、上記遊技盤に設け
られた特定入賞口と、上記特定入賞口への遊技球の検出に基づいて作動する電気
的遊技装置と、上記電気的遊技装置が予め定めた特別遊技状態となったことを条
件に遊技者にとって有利に開放制御される変動入賞装置とを有する弾球遊技機に
おいて、上記変動入賞装置に遊技球が入賞した場合には、所要数の賞品球を払い
出し、上記特定入賞口に遊技球が入賞した場合には、上記所要数の賞品球の略1
/2若しくは略1/3の賞品球を上記所要数の賞品球の払い出しに優先して払い
出すように構成したので、特定入賞口に遊技球が入賞すると、変動入賞装置に遊
技球が入賞した場合に払い出される賞品球数の略1/2若しくは略1/3の賞品
球が払い出されるので、特定入賞口に遊技球が入り易いように釘調節等を行った
としても、回収球数よりも賞品球数の方が多くなって遊技店が多大な不利益を被
ることが少なくなり、また、遊技者にとっても特定入賞口に遊技球が入賞する機
会が増えるため、興趣を高めることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明に係るパチンコ遊技機の裏機構盤全体の一実施例を示す背面図、 【図2】 本発明が適用されるパチンコ遊技機の前面の構成例を示す正面図、 【図3】 遊技部が構成されている遊技盤の裏面の構成例を示す背面図、 【図4】 予備球の貯留タンク、案内樋及び賞品球排出装置の構成例を示す斜視図、 【図5】 賞品球排出装置の構成例を示す斜視図、 【図6】 その賞品球排出装置の流下経路の断面状態を示す斜視図、 【図7】 賞品球排出装置の作用を示す作用説明図、 【図8】 入賞球処理装置の構成例を示す斜視図、 【図9】 その入賞球処理装置の作用を示す作用説明図、 【図10】 同じく入賞球処理装置の作用を示す作用説明図、 【図11】 パチンコ遊技機の制御システムの一例を示すブロック図、 【図12】 CPUによる入賞球検出処理及び賞品球排出処理の手順の一例を示すフローチ
ャート、 【図13】 CPUによる入賞球検出処理及び賞品球排出処理の手順の一例を示すフローチ
ャートで、図12のフローチャートの符号Dの続きを示す。 【図14】 CPUによる入賞球検出処理及び賞品球排出処理の手順の一例を示すフローチ
ャートで、図12のフローチャートの符号Bの続きを示す。 【図15】 CPUによる入賞球検出処理及び賞品球排出処理の手順の一例を示すフローチ
ャートで、図12のフローチャートの符号Aの続きを示す。 【図16】 本発明に係るパチンコ遊技機の裏機構盤の第2の実施例を示す背面図、 【図17】 図16におけるX−X線に沿った断面図、 【図18】 第2の実施例におけるCPUによる入賞球検出処理及び賞品球排出処理の手順
の一例を示すフローチャート、 【図19】 第2の実施例におけるCPUによる入賞球検出処理及び賞品球排出処理の手順
の一例を示すフローチャートで、図18のフローチャートの符号Eの続きを示す 。 【図20】 第2の実施例におけるCPUによる入賞球検出処理及び賞品球排出処理の手順
の一例を示すフローチャートで、図18のフローチャートの符号Bの続きを示す
。 【図21】 第2の実施例におけるCPUによる入賞球検出処理及び賞品球排出処理の手順
の一例を示すフローチャートで、図18のフローチャートの符号Aの続きを示す
ものである。 【符号の説明】 20 賞品球排出装置 40 入賞球処理装置 100 遊技盤 104 可変表示装置(電気的遊技装置) 105 変動入賞装置 107,108 特定入賞口 106,109 一般入賞口 200 制御装置(制御手段)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 遊技領域を有する遊技盤と、 上記遊技盤に設けられた特定入賞口と、 上記特定入賞口への遊技球の検出に基づいて作動する電気的遊技装置と、上記
    電気的遊技装置が予め定めた特別遊技状態となったことを条件に遊技者にとって
    有利に開放制御される変動入賞装置と、 を有する弾球遊技機において、 上記変動入賞装置に遊技球が入賞した場合には、所要数の賞品球を払い出し、
    上記特定入賞口に遊技球が入賞した場合には、上記所要数の賞品球の略1/2若
    しくは略1/3の賞品球を上記所要数の賞品球の払い出しに優先して払い出すよ
    うにしたことを特徴とする弾球遊技機。

Family

ID=

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