JPH0722490U

JPH0722490U - 電磁調理器用の保護シート

Info

Publication number: JPH0722490U
Application number: JP6408093U
Authority: JP
Inventors: 昭文山本
Original assignee: ニチワ電機株式会社
Priority date: 1993-08-10
Filing date: 1993-11-30
Publication date: 1995-04-21

Abstract

(57)【要約】【目的】本体(1) の上面にセラミック板(C) が設けられ
且つ電磁式加熱ユニット(U) が内蔵された電磁調理器の
前記セラミック板(C) の損傷を、簡単な構成により防止
できるようにすること。【構成】電磁式加熱ユニット(U) が内蔵された電磁調理
器の本体(1) の上面に設けられたセラミック板(C) に載
置するシート体(2) であって、クッション性及び耐熱性
に富む素材からなり且つセラミック板(C) に略一致する
大きさに設定され、前記シート体(2) の上面を被加熱容
器が滑り易い素材で構成したこと。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【利用分野】

本考案は、電磁調理器、特に、鍋等の被加熱容器の載置面にセラミック板を使用する電磁調理器用のセラミック板保護シートに関するものである。

【０００２】

【従来技術およびその問題点】

この種電磁調理器は、図１及び図２に示すように、本体(1) の上面における被加熱容器(M) の載置面にセラミック板(C) が埋め込まれ、このセラミック板(C) の下方近傍に電磁式加熱ユニット(U) が配設された構成となっている。この電磁調理器では、前記セラミック板(C) 上に、導電性を有する金属製鍋等の被加熱容器(M) を載置し、この状態で電磁式加熱ユニット(U) を動作させる。この電磁式加熱ユニット(U) は、電磁波を発する構造の装置であり、この電磁式加熱ユニット(U) の動作によって被加熱容器(M) の構成壁に電流が発生し、この電流によるジュール熱によって被加熱容器(M) を発熱させ、これに収容した被調理物を加熱するものである。

【０００３】このため、この電磁調理器における被加熱容器(M) の載置面は、被加熱容器(M ) で発生する熱が本体(1) 側へ伝達されるのを防止し且つ電磁式加熱ユニット(U ) の磁力線の透過の障害とならないことが要求されるが、これら必要条件を満たすものとして、前記セラミック板(C) が採用されている。そして、このセラミック板(C) は、天板(11)に装着した取付枠(12)によって保持され、更に、このセラミック板(C) をがたつきなく取付枠(12)に固定し且この固定部をシールする必要性から、このセラミック板(C) の外周面と取付枠(12)との間に十分な耐熱性を有するシリコン樹脂等の充填材(S) が介在されている。尚、セラミック板(C) の上面における電磁式加熱ユニット(U) を上方に投影した円形の範囲は、この範囲外とは別の色が印刷された載置域表示部(H) となっており、被加熱容器(M) を電磁式加熱ユニット(U) の直上に位置させるための目印となっている。

【０００４】ところが、上記構成の電磁調理器では、被加熱容器(M) の底壁がセラミック板 (C) の上面に直接対接する構成となっている。このセラミック板(C) は、上記熱伝導防止効果を高めるためガラスを主成分とする耐熱結晶素材により形成されて、熱衝撃には十分な強度があり、機械的強度もある程度確保されているものの、調理の際に被加熱容器(M) を操作して被加熱容器(M) がセラミック板(C) 上に衝突した場合、その衝撃の度合いによっては、セラミック板(C) に傷等がつき、あるいは、セラミック板(C) が割れてしまうという問題がある。

【０００５】又、前記セラミック板(C) は、その周囲を充填材(S) によって固定されているから、上記のように損傷したセラミック板(C) を交換のために取り外す際には、前記充填材(S) を切除する必要がある等、その交換が容易ではない。［請求項１の考案について］

【０００６】

【技術的課題】

本考案は、このような点に鑑みてなされたものであり、本体(1) の上面にセラミック板(C) が設けられ且つ電磁式加熱ユニット(U) が内蔵された電磁調理器の前記セラミック板(C) の損傷を、簡単な構成により防止できるようにすることをその課題とする。

【０００７】

【技術的手段】

上記技術的課題を解決するために講じた本考案の技術的手段は、『電磁式加熱ユニット(U) が内蔵された電磁調理器の本体(1) の上面に設けられたセラミック板(C) に載置するシート体(2) であって、クッション性及び耐熱性に富む素材からなり且つセラミック板(C) に略一致する大きさに設定され、前記シート体(2) の上面を被加熱容器が滑り易い素材で構成した』ことである。

【０００８】

【作用】

本考案の上記技術的手段は次のように作用する。この電磁調理器では、シート体(2) がセラミック板(C) 上に取り外し自在に載置され、被加熱容器は、シート体(2) を介してセラミック板(C) と対接することとなるから、セラミック板(C) へのすり傷等が防止され、しかも、調理の際に被加熱容器がセラミック板(C) へ衝突した場合、その衝撃力がこのシート体(2) のクッション性によって吸収される。尚、このシート体(2) は、耐熱性に富む素材であるから、被加熱容器の発熱によって溶融劣化することがない。

【０００９】又、シート体(2) の上面は、被加熱容器が滑り易い素材で構成されているから、このシート体(2) 上では、被加熱容器が摺動され易い。

【００１０】

【効果】

本考案は上記構成であるから次の特有の効果を有する。調理の際に被加熱容器がセラミック板(C) へ衝突した場合でも、その衝撃力がシート体(2) によって吸収されるから、セラミック板(C) の割れ等が防止される。

【００１１】又、シート体(2) 上で被加熱容器が摺動され易いことから、このシート体(2) のずれが防止されると共に、調理の際の被加熱容器の操作性が改善される。尚、このシート体(2) は、セラミック板(C) 上に取り外し自在に載置されているから、これが調理の煮こぼれ等により汚れた場合の洗浄交換が容易である。［請求項２の考案について］

【００１２】

【技術的手段】

この請求項２の考案は、上記請求項１の考案のシート体(2) のずれ防止効果を向上させると共に、被加熱容器の加熱動作を確実にできるようにしたものであり、そのための技術的手段は、『シート体(2) を、クッション性及び耐熱性に富み且つセラミック板(C) の表面に対して滑りにくい特性の合成樹脂製下層(2b)の上面の全域に、被加熱容器が滑り易く且つ耐熱性に富む合成樹脂製上層(2a)を一体的に結合させた構成とし、これら合成樹脂製上層(2a)及び合成樹脂製下層(2b)を、光透過性を有するものとした』ことである。

【００１３】

【作用】

本考案の上記技術的手段は次のように作用する。この電磁調理器では、調理の際に被加熱容器がセラミック板(C) へ衝突した場合でも、その衝撃力がシート体(2) を構成する合成樹脂製下層(2b)のクッション性によって吸収される。尚、このシート体(2) を構成する各合成樹脂は、耐熱性に富むものであることから、被加熱容器からの発熱によって溶融劣化することがない。

【００１４】そして、このシート体(2) の合成樹脂製上層(2a)は、被加熱容器が滑り易い合成樹脂であり、又、合成樹脂製下層(2b)は、セラミック板(C) の表面に対して密着性に富む合成樹脂であることから、このシート体(2) は、セラミック板(C) に密着し、このシート体(2) 上を被加熱容器が摺動し易い。更に、シート体(2) の合成樹脂製上層(2a)及び合成樹脂製下層(2b)は、光透過性を有する。一般的に、セラミック板(C) の上面には、電磁式加熱ユニット(U) に対応させて載置域表示部(H) が設けられていることから、シート体(2) を透して載置域表示部(H) を見ることができ、被加熱容器を電磁式加熱ユニット(U) の直上に位置させることができる。

【００１５】

【効果】

本考案は上記構成であるから次の特有の効果を有する。合成樹脂製下層(2b)が被加熱容器からの衝撃力を吸収するから、セラミック板 (C) の割れ等が防止できる。又、シート体(2) は、セラミック板(C) に対して滑りにくく、このシート体(2 ) 上を被加熱容器が摺動し易いから、このシート体(2) のずれ防止効果が向上すると共に、調理動作が円滑なものとなる。

【００１６】更に、被加熱容器を電磁式加熱ユニット(U) の直上に位置させることができるから、電磁式加熱ユニット(U) による加熱動作が確実なものとなる。［請求項３の考案について］この請求項１の考案は、上記請求項２と同様の効果を発揮せしめるようにした他の構成に関するものであり、そのための技術的手段は、『シート体(2) を、耐熱性に富む基布シート(2d)の上面に、被加熱容器が滑り易く且つ耐熱性に富む表面シート(2c)が重ね合わされた構成とし、前記基布シート(2d)の下面にそのコーナー部を含む複数箇所に滑り止め部材(2e)を具備させ、前記表面シート(2c)に電磁式加熱ユニット(U) に対応する載置域表示部(H) を設けた』ことである。

【００１７】このものでは、基布シート(2d)が、上記請求項２の発明における合成樹脂製下層(2b)と同様に機能する。即ち、基布シート(2c)のクッション性によって被加熱容器のセラミック板(C) への衝撃力が吸収され、このセラミック板(C) の割れ等が防止される。又、滑り止め部材(2e)によってシート体(2) のずれが確実に防止されると共に、表面シート(2c)上では被加熱容器が摺動され易いことから、このシート体(2) のずれ防止効果が向上すると共に、調理動作が円滑なものとなる。尚、基布シート(2d)及び表面シート(2c)は、耐熱性に富むものであるから、被加熱容器の発熱によって溶融劣化することがない。

【００１８】そして、シート体(2) には、電磁式加熱ユニット(U) に対応させて載置域表示部(H) が設けられていることから、被加熱容器を電磁式加熱ユニット(U) の直上に位置させることができ、加熱動作が確実なものとなる。

【００１９】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。［実施例１について］図３から図７に示す実施例１は、既述の請求項１及び請求項２の考案に対応するものであり、シート体(2) の合成樹脂製下層(2b)をシリコン樹脂とし、これの上面に一体結合される合成樹脂製上層(2a)を弗素樹脂としたものであり、このシート体(2) を、セラミック板(C) 上に取り外し自在に載置するようにしたものである。

【００２０】前記シート体(2) は、約２ｍｍ厚のシリコン樹脂シートと、０．１〜０．３ｍｍ厚の弗素樹脂シートを、約２００℃で加熱圧着し、これを後述の取付枠(12)に適合する大きさの矩形状に裁断したものであり、図７に示すように、このシート体(2) の合成樹脂製下層(2b)が前記シリコン樹脂層となり、合成樹脂製上層(2a) が前記弗素樹脂層となる。尚、このシート体(2) は、全体として半透明の乳白色となっている。

【００２１】そして、この実施例で使用される電磁調理器は、図３及び図６に示すように、直方体状の本体(1) の天板(11)に、これの周縁部を残して矩形状開口が設けられ、この開口には、これに一致する大きさの取付枠(12)が嵌入装着されている。この取付枠(12)は、図６に示すように、その上端部から外周側に第１フランジ(13) が突設され、下端部から内周側に第２フランジ(14)が突設された構成となっており、前記第１フランジ(13)が前記開口周縁部に載置されてこの取付枠(12)が天板 (11)に装着されている。尚、前記第１フランジ(13)の基端部は、少し上方に突出した隆起部(13a) となっており、この隆起部(13a) の頂部から後述のセラミック板(C) の上面までの深さは、前記シート体(2) の厚みに略一致させている。

【００２２】又、上記取付枠(12)内には、これと少し余裕をもった大きさに設定された矩形板状のセラミック板(C) が、前記第２フランジ(14)の上面に載置された態様で収容され、従来と同様に、セラミック板(C) と取付枠(12)との間に形成される間隙にシリコン樹脂からなる充填材(S) が介在され、この充填材(S) の上面とセラミック板(C) のそれとが同一面となるように、又は、セラミック板(C) が充填材(S ) よりも１〜２ｍｍ上方に出るように設定されている。

【００２３】尚、前記セラミック板(C) は、従来と同様の素材からなり、この実施例では、板厚が５ｍｍ、左右幅が２７５ｍｍ、奥行き幅が３２５ｍｍのものを使用している。そして、図３に示すように、このセラミック板(C) の中央の円形部分には、他の部分とは相違する色に着色された載置域表示部(H) が設けられ、その大きさは、後述の電磁式加熱ユニット(U) のコイル部(U₁)の外径に略一致させている。

【００２４】更に、上記セラミック板(C) の下方近傍には、図５に示すように、上部に円盤状のコイル部(U₁)が設けられた電磁式加熱ユニット(U) が配置され、前記コイル部(U₁)から電磁波を発するようになっている。尚、この電磁調理器の本体(1) は、鋼板により形成され、前記電磁式加熱ユニット(U) から発する電磁波を遮蔽するようになっている。又、調理面となる天板 (11)は、ステンレス鋼板により形成され、耐食性が高められている。更に、この本体(1) の前面の下半部には、図４及び図５に示すように、操作部(15)が設けられ、この操作部(15)の上方には、グリスフィルター(16)を具備した吸気孔が設けられている。これによって、電磁式加熱ユニット(U) に具備させたファンにより外気を本体(1) 内に吸気し、本体(1) の背面に設けた排気孔(10)から排気させて、電磁式加熱ユニット(U) で発生する熱を放熱させるようになっている。

【００２５】又、この実施例では、被加熱容器(M) として、鋼製のフライパンを使用している。以上に詳説した電磁調理器は、セラミック板(C) 上にシート体(2) を載置した状態で使用されるが、シート体(2) は、取付枠(12)に適合する大きさに設定され、又、隆起部(13a) の頂部から後述のセラミック板(C) の上面までの深さは、前記シート体(2) の厚みに略一致させているから、シート体(2) は、この取付枠(1 2)内に丁度収容されると共に、シート体(2) の上面と隆起部(13a) のそれとがほぼ同一面となっている。

【００２６】そして、この電磁調理器の電磁式加熱ユニット(U) を動作させて調理を行うに際しては、作用の項で既述したように、被加熱容器(M) がセラミック板(C) へ衝突した場合の衝撃力がシート体(2) の合成樹脂製下層(2b)によって吸収されるから、セラミック板(C) の損傷等が防止される。尚、このシート体(2) を構成するシリコン樹脂及び弗素樹脂は、ともに耐熱性に富むものであることから、このシート体(2) が加熱動作中に発熱状態となる被加熱容器(M) の温度で損傷する心配はない。

【００２７】又、シート体(2) は、取付枠(12)内に丁度収容された状態となっているが、合成樹脂製下層(2b)を構成するシリコン樹脂が密着性に富み、又、合成樹脂製上層 (2a)を構成する弗素樹脂が被加熱容器(M) に対して滑り易いものであることから、調理に際して、このシート体(2) 上で被加熱容器(M) を移動させても、シート体(2) がずれて波打った状態になったりせず、しかも、シート体(2) 上で被加熱容器(M) を摺動させ易い。

【００２８】更に、シート体(2) は、半透明の乳白色であるから、セラミック板(C) 上の載置域表示部(H) を、シート体(2) を透して見ることができ、被加熱容器(M) を電磁式加熱ユニット(U) の直上に位置させることができる。尚、この実施例１では、合成樹脂製下層(2b)としてシリコン樹脂を、合成樹脂製上層(2a)として弗素樹脂を使用したが、これ以外の樹脂でも既述の条件を満たすものであれば採用可能である。

【００２９】又、シート体(2) の合成樹脂製下層(2b)を一層のシリコン樹脂からなる構成としているが、これを、２層以上に構成して、合成樹脂製下層(2b)に要求される条件を、各層に分担して持たせるようにしてもよい。例えば、最下面層のみをセラミック板(C) に対して滑りにくい特性の合成樹脂により形成し、これより上方の層を衝撃吸収性に富む合成樹脂により形成した構成としてもよい。

【００３０】更に、この実施例１では、取付枠(12)の上端よりもセラミック板(C) の上面が少し下方に位置する関係となっているが、これを、セラミック板(C) の上面が取付枠(12)より僅かに高くなるように設定してもよい。この場合でも、シート体(2 ) のセラミック板(C) に対する密着性によりずれは発生しない。［実施例２について］この実施例２は、既述の請求項１及び請求項３に対応するものであり、図８に示すように、シート体(2) を構成する一方の基布シート(2d)をガラス繊維製とし、この基布シート(2d)の上面に重ね合わされる他方の表面シート(2c)をガラス繊維製の補強布が内蔵された弗素樹脂製シートとしたものであり、前記基布シート (2d)の下面における４つのコーナー部には、シリコン樹脂製の矩形板状の滑り止め部材(2e)(2e)を設け、このシート体(2) を、実施例１で既述したと同様の本体 (1) に取り外し自在に載置するようにしたものである。

【００３１】前記シート体(2) は、ガラス繊維糸に弗素樹脂をコーティングしたものを約１ｍｍ程度の厚さの布に織り上げてこれを矩形状に裁断して得られる基布シート(2 d)と、上記した構成の約０．２〜０．３ｍｍ程度の厚さの弗素樹脂製シートを前記基布シート(2d)と同様の大きさに裁断して得られる表面シート(2c)とを、図９に示すように、重ね合わせ状態でその周縁部を内側に折り返し、この折り返し部分を縫合して製作されている。そして、このシート体(2) の下面には、前記縫合後、各コーナー部に滑り止め部材(2e)が接着される。

【００３２】尚、このシート体(2) は、上記実施例１のそれと同様の大きさに設定され、又、表面シート体(2c)には、本体(1) 内の電磁式加熱ユニット(U) のコイル部(U₁) に対応させて円形の縫い目が形成されている。これによって、本来印刷等が施しにくい弗素樹脂製の表面シート(2c)に明確に載置域表示部(H) が設けられる。この電磁調理器の使用時には、被加熱容器(M) がセラミック板(C) へ衝突した場合、その衝撃力が基布シート(2d)によって吸収されるから、セラミック板(C) の損傷等が防止される。尚、このシート体(2) を構成する基布シート(2d)及び表面シート(2c)は、ともに耐熱性に富むものであることから、このシート体(2) が被加熱容器(M) の熱により損傷する心配はない。

【００３３】又、基布シート(2d)の下面のコーナー部に設けられる滑り止め部材(2e)(2e)がセラミック板(C) に密着し、表面シート(2c)上を被加熱容器(M) が滑り易いことから、シート体(2) がずれて波打ったりせず、しかも、シート体(2) 上で被加熱容器(M) を移動させ易い。更に、シート体(2) には、電磁式加熱ユニット(U) のコイル部(U₁)に対応する載置域表示部(H) が設けられていることから、これに一致させて被加熱容器(M) を載置すると、この被加熱容器(M) が前記コイル部(U₁)の直上に位置することとなる。［実施例３について］この実施例３は、図１０に示すように、上記実施例２における基布シート(2d) と表面シート(2c)とを取り外し自在に係合できるようにしたものである。

【００３４】基布シート(2d)は、上記実施例２と同様のガラス繊維製の矩形状の布を２枚重ね合わせて、図１１に示すように、その周縁部を内側に折り返し、この折り返し部分を縫合したものであり、他方の表面シート(2c)は、上記実施例２と同様の弗素樹脂シートを２枚重ね合わせて、前記基布シート(2d)と同様に縫合した構成となっている。尚、この基布シート(2d)及び表面シート(2c)の各肉厚は、実施例２における基布シート(2d)及び表面シート(2c)のそれと略一致するように設定されている。

【００３５】そして、上記基布シート(2d)の上面の各コーナー部と、これに対向する表面シート(2c)の下面の各コーナー部とには、平面ファスナー(4a)(4b)がその周縁部を縫合されて固着されており、更に、前記基布シート(2d)の下面の各コーナー部には、実施例２と同様の滑り止め部材(2e)(2e)が接着されている。尚、上記表面シート(2c)には、実施例２と同様の円形の縫い目が形成され、本来印刷等が施しにくい弗素樹脂製の表面シート(2c)に明確に載置域表示部(H) が設けられると共に、この実施例３においては、表面シート(2c)を構成する２枚の弗素樹脂シートがこの縫い目部分でも縫合されて、これらが相互にずれることがない。

【００３６】このものでは、表面シート(2c)の各平面ファスナー(4a)と基布シート(2d)の各平面ファスナー(4b)とを重ね合わせて係合し、これら表面シート(2c)と基布シート(2d)とをシート体(2) とし、これを電磁調理器のセラミック板(C) 上に載置して使用する。このシート体(2) の使用に際しては、上記実施例２と同様の作用を奏する。

【００３７】このシート体(2) では、表面が煮こぼれ等により汚れた場合、表面シート(2c) だけを交換すればよい。尚、上記実施例２及び実施例３における表面シート(2c)の載置域表示部(H) は、ミシン目により形成されているが、これを、他の方法により形成してもよい。又、上記何れの実施例でも、本体(1) は、シート体(2) 用の収容部を設けたものとしているが、これの収容部を設けないものであっても、上記実施例のシート体(2) がそのまま使用できることはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来技術における電磁調理器の斜視図

【図２】これの要部断面図

【図３】本考案実施例１の電磁調理器の上面図

【図４】これの正面図

【図５】これの側面図

【図６】これの要部断面図

【図７】シート体(2) の要部断面図

【図８】実施例２のシート体(2) の斜視図

【図９】これの縫合状態を示す要部断面図

【図１０】実施例３のシート体(2) の説明斜視図

【図１１】これの縫合状態を示す要部断面図

【符号の説明】

(1) ・・・本体 (C) ・・・セラミック板 (U) ・・・電磁式加熱ユニット (H) ・・・載置域表示部 (2) ・・・保護シート (2a)・・・合成樹脂製上層 (2b)・・・合成樹脂製下層 (2c)・・・合成樹脂シート (2d)・・・基布シート (2e)・・・滑り止め部材

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】電磁式加熱ユニット(U) が内蔵された電
磁調理器の本体(1) の上面に設けられたセラミック板
(C) に載置するシート体(2) であって、クッション性及
び耐熱性に富む素材からなり且つセラミック板(C) に略
一致する大きさに設定され、前記シート体(2) の上面を
被加熱容器が滑り易い素材で構成した電磁調理器用の保
護シート。
【請求項２】シート体(2) を、クッション性及び耐熱
性に富み且つセラミック板(C) の表面に対して滑りにく
い特性の合成樹脂製下層(2b)の上面の全域に、被加熱容
器が滑り易く且つ耐熱性に富む合成樹脂製上層(2a)を一
体的に結合させた構成とし、これら合成樹脂製上層(2a)
及び合成樹脂製下層(2b)を、光透過性を有するものとし
た請求項１に記載の電磁調理器用の保護シート。
【請求項３】シート体(2) を、耐熱性に富む基布シー
ト(2d)の上面に、被加熱容器が滑り易く且つ耐熱性に富
む表面シート(2c)が重ね合わされた構成とし、前記基布
シート(2d)の下面にそのコーナー部を含む複数箇所に滑
り止め部材(2e)を具備させ、前記表面シート(2c)に電磁
式加熱ユニット(U) に対応する載置域表示部(H) を設け
た請求項１に記載の電磁調理器用の保護シート。