JPH07224358A - スーパーステンレス鋼クラッドステンレス鋼板 - Google Patents

スーパーステンレス鋼クラッドステンレス鋼板

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Publication number
JPH07224358A
JPH07224358A JP1708594A JP1708594A JPH07224358A JP H07224358 A JPH07224358 A JP H07224358A JP 1708594 A JP1708594 A JP 1708594A JP 1708594 A JP1708594 A JP 1708594A JP H07224358 A JPH07224358 A JP H07224358A
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JP
Japan
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stainless steel
super
clad
base material
rolling
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Application number
JP1708594A
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English (en)
Inventor
Hideaki Yamagishi
英明 山岸
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YAMAKI KOGYO KK
Original Assignee
YAMAKI KOGYO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】合せ材と母材の接合強度が大きく、しかも圧延
性に優れ、更に、捨て材を必要とすることがないなど生
産性が高く、低価格となるスーパーステンレス鋼クラッ
ドステンレス鋼板を提供することにある。 【構成】合せ材であるスーパーステンレス鋼と母材であ
るステンレス鋼とを爆着法により接合したスーパーステ
ンレス鋼クラッドステンレス鋼スラブを熱間及び冷間圧
延して成ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステンレス鋼に高耐食
性を有するスーパーステンレス鋼を被覆したスーパース
テンレス鋼クラッドステンレス鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】日本は、海に囲まれており、従って、湿
度も大きく、環境変化に伴なう金属の腐食は、資源の減
少、腐食による外観の見苦しさなど社会資源の大きな損
失にも繋がるものである。このため、SUS304で代
表されるステンレス鋼は優秀な耐食性、機械的性質、成
形加工並びに低コストであるため広範囲な分野で利用さ
れている。しかし、高温海水などの苛酷な環境下ではM
o含有のSUS316でも激しく腐食されてしまう。従
って、苛酷な環境下では、高価格なNi系合金、純Ti
などが使用されているのが現状である。
【0003】ところで、スーパーステンレス鋼が高耐食
性をゆうするにも拘わらず、外装材に使用されていない
のは、大面積に使用するには高価なためである。又、一
般に、建材としてステンレス鋼を使用する場合には、施
工に際して裏面に普通鋼製の補強材などが位置し、ステ
ンレス鋼と接触することから、電位差による腐食が発生
するという問題があった。
【0004】最近、ステンレス鋼板同士をポリエステル
系、エポキシ系等の接着剤で接着して、二種のステンレ
ス鋼板からなる複合鋼板が提供されているが、この複合
材にあっては、合せ材と母材の熱膨張率が異なるために
経年変化によりずれが生じたり、又、経時変化によって
接着力の劣化が生じたり、更には合せ材、母材の曲げ応
力が異なるために曲げ加工が難しく、溶接加工も不可能
であるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このため、本出願人
は、チタンとステンレス鋼とを爆着法により接合させた
チタンクラッドステンレス鋼スラブのチタン層側に捨て
材を接合させたチタンクラッドステンレス鋼複合材を熱
間圧延後捨て材を除去することにより、酸化や酸素によ
る硬化にともなうチタンの損失がなく、しかも表面が美
麗で、高耐食性を有するチタンクラッドステンレス鋼板
を製造する方法を提案している(特願平5−21404
号等)。しかしながら、この方法では捨て材を必要と
し、部材数が増えて経済的ではない。
【0006】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、合せ材と母
材の接合強度が大きく、しかも圧延性に優れ、さらに捨
て材を必要とすることがなく、生産性が高く、低価格と
なり、建材として好適に採用されるスーパーステンレス
鋼クラッドステンレス鋼板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、合せ
材であるスーパーステンレス鋼と母材であるステンレス
鋼とを爆着法により接合したスーパーステンレス鋼クラ
ッドステンレス鋼スラブを熱間及び冷間圧延して成るこ
とを特徴とするものである。請求項2の発明は、母材で
あるステンレス鋼の両面に合せ材であるスーパーステン
レス鋼を爆着法により接合したスーパーステンレス鋼ク
ラッドステンレス鋼スラブを形成して成ることを特徴と
する。
【0008】請求項3の発明は、合せ材であるスーパー
ステンレス鋼の主要化学組成が、Ni23〜28wt
%、Cr19〜25wt%、Mo5〜7wt%であるこ
とを特徴とする。請求項4の発明は、合せ材であるスー
パーステンレス鋼の主要化学組成が、Cr28〜32w
t%、Mo1.75〜2wt%であることを特徴とす
る。
【0009】
【作用】請求項1の発明にあっては、爆着スラブは界面
近傍部の硬度分布がなだらかなので、以降の熱延、冷延
作業条件が幅広く設定可能で製造条件の範囲が広くな
り、更に圧延時の界面剥離や形状不良に心配がない。
又、捨て材を必要とすることがなく、大気中で熱延可能
で、装置的、経済的に負担が小さくてすむ。しかも、ス
ーパーステンレス鋼は、Ni系合金、純Tiに匹敵した
耐食性を有するにも拘わらず、これら材料に比べると、
低価格であり、又、ステンレス鋼同士をクラッドするの
で、加熱時に界面に脆弱な金属間化合物が形成されない
と共に合せ材、母材とも機械的性質が略同一であり、従
って、冷間及び熱間圧延工程で剥離などの現象が起こる
ことはない。更に、建材として採用する場合には、熱膨
張係数が問題となるが、母材に熱膨張係数の小さなステ
ンレス鋼を使用し、合せ材には高耐食性のステンレス鋼
を使用し、クラッドすることにより耐食性と熱膨張の両
方の問題を解決できるものであり、又、建材としてステ
ンレス鋼を使用する場合には、施工に際して裏面に普通
鋼製の補強材とかが位置して、ステンレス鋼と接する
が、この時に電位差による腐食が発生するという問題が
あり、従来では絶縁材料を挟むとか塗布するなどしなけ
ればならなかったが、表面の合せ材は高耐食性であり、
しかも電位的に貴なステンレス鋼を使用し、裏面の母材
には電位的に卑なステンレス鋼を使用し、クラッドする
ことによって、ステンレス鋼に普通鋼製の補強材を使用
した時に生起されるステンレス鋼と普通鋼との接合面に
生じる電位差よりも遙に小さくできるので、電気化学的
腐食減衰効果を奏することができる。
【0010】請求項2、3及び4の発明にあっては、耐
食性が著しく向上するものである。以下、本発明を詳細
に説明する。本発明にあっては、母材及び合せ材はとも
にステンレス鋼であり、オーステナイト鋼、フェライト
鋼のいずれでも適用可能である。ステンレス鋼の炭素含
有量は0.08wt%以下であるのが好ましい。0.0
8wt%を超えると接合界面に脆化層となる炭化物が形
成されるおそれがある。
【0011】又、合せ材のスーパーステンレス鋼は、種
々の組成のものが採用されるが、この耐食性ステンレス
鋼は、Ni、Crを多量に含有させ、さらにMoを含有
させることにより、耐食性が大幅に向上するものであ
り、高Cr、Mo含有フェライト系ステンレス鋼、高N
i、高Cr、Mo含有オーステナイト系ステンレス鋼な
どのスーパーステンレス鋼が好適に採用される。例え
ば、主要化学組成がCr28〜32wt%、Mo1.7
5〜2wt%であるフェライト系ステンレス鋼とか、主
要化学組成がNi23〜28wt%、Cr19〜25w
t%、Mo5〜7wt%であるオーステナイト系ステン
レス鋼などが採用できる。この場合、Ni、Cr、Mo
の含有量が上記範囲の上限を超えると加工性、圧延性が
低下し、逆に下限を下回ると耐食性が低下する。
【0012】この合せ材であるスーパーステンレス鋼
は、表面が平滑で清浄なものが採用され、母材よりも縦
幅及び横幅が、例えば50mm程度大きいものが好適で
ある。又、スーパーステンレス鋼の厚さは圧延後の製品
厚で50μm以上が好ましい。本発明にあっては、母材
のステンレス鋼と合せ材のスーパーステンレス鋼を爆着
法により接合するのであるが、まず、母材と合せ材のス
ラブをスカーフィング等で平滑に仕上げ、且つスケール
を除去する。強固な界面接合強度を得るために母材のス
テンレス鋼スラブと合せ材のスーパーステンレス鋼とは
一定の間隙を有するように配置する。例えば、1mmで
ある。これを適当な爆速、例えば2000m/sec以
下の爆速を有する爆薬により爆着する。次いで、爆薬の
配置場所にもよるが、合せ材たるスーパーステンレス鋼
の周縁部がステンレス鋼スラブ端部よりはみ出た形状に
なるので、機械的に切断除去して端面形状の優れたスー
パーステンレス鋼クラッドステンレス鋼スラブを製造す
る。尚、本発明にあっては、耐食性を大幅に向上させる
ために、母材のステンレス鋼の両面に合せ材のスーパー
ステンレス鋼を爆着法により接合させてもよい。
【0013】この後、スーパーステンレス鋼クラッドス
テンレス鋼スラブを加熱し、リバースまたはタンデム式
で数段、例えば5スタンドを使用するパススケジュール
で熱間圧延して、スーパーステンレス鋼クラッドステン
レス熱延鋼板を得る。スラブの加熱は、950〜125
0℃で1〜5時間である。950℃以下では、ステンレ
ス鋼が分塊されなく、1250℃以上では結晶粒が粗大
化して粒界がもろくなり、粒界酸化を起こし、この結
果、いわゆる、分塊割れを起こして圧延が不可能となっ
てしまう。
【0014】熱間圧延温度は、900〜1200℃が好
ましい。1200℃以上では結晶粒は粗大化し易く、圧
延によって細粒化するのが難しい。細粒化できないと、
結晶粒界の長さの総和が小さいので、材料の強度を増す
ことができなく、パス回数を重ねて、熱延を続けること
自体が困難となる。900℃以下では、変形抵抗が大き
すぎて圧延機に余分のパワーが求められるだけでなく、
ロール疵その他の欠陥も発生し易くなってしまう。
【0015】熱間圧延された鋼板は、用途によってはそ
のままで使用可能であるが冷間圧延する際には、圧延前
に焼鈍が必要となる。焼鈍は950〜1100℃、10
〜50分である。950℃以下では、熱延時の残留応力
の影響で硬度が高く、強度、耐力が大きすぎ、伸びが小
さすぎるので、冷間圧延に不適当である。又、焼鈍が目
的なので、高温にする必要がなく、1100℃以下で充
分である。
【0016】冷間圧延は、熱間圧延時にスーパーステン
レス鋼及びステンレス鋼表面に生成したスケール除去の
ため、母材のステンレス鋼に適用されるのと同様に、硝
フッ酸系の酸洗液に浸漬後行う。冷間圧延率は製造する
製品の板厚によって当然異なり、パス回数も異なってく
るが、変形抵抗差が製品の反りを生む程大きな冷間圧延
率をとる必要がある場合には、異周速圧延その他上下面
でロールと材料間の摩擦抵抗を変える必要がある。
【0017】この場合、ワークロール自身はできるだけ
小径のロールの方が、圧延率の確保、形状向上、エネル
ギー低減の点で有利である。冷間圧延により鋼板の表面
の平滑さが得られるが、冷間圧延後の鋼板は、用途によ
り焼き鈍し、調質圧延を施してもよい。このようにして
製造したスーパーステンレス鋼クラッドステンレス鋼板
は高耐久性で屋根材、壁材等の外装材として好適に採用
できるものである。
【0018】次に、本発明を実施例に基づいて具体的に
説明する。以下において組成の割合を示す%は重量%で
ある。 (実施例1)化学組成がC:0.03%、Si:1.0
0%、Mn:2.00%、P:0.040%、S:0.
030%、Ni:10.00%、Cr:18.80%、
Fe:Bal.で、厚み30mm、縦2000mm、横
900mmのステンレス鋼スラブをスカーフィングによ
り平滑に仕上げ、且つスケールを除去して母材とした。
【0019】次に、ステンレス鋼スラブと、化学組成が
C:0.008%、Si:0.47%、Mn:0.35
%、P:0.020%、S:0.0009%、Ni:2
4.92%、Cr:23.09%、Mo:5.43%、
N:0.17%、Fe:Bal.で厚み3.0mm、縦
2100mm、横1000mmの合せ材であるスーパー
ステンレス鋼を、間隔が1mmとなるように配置して、
1500m/sec以下の爆速を有する爆薬により爆着
した。
【0020】次いで、合せ材たるスーパーステンレス鋼
のステンレス鋼スラブ端部よりはみ出た周縁部を機械的
に切断除去してスーパーステンレス鋼クラッドステンレ
ス鋼スラブを製造する。この後、スーパーステンレス鋼
クラッドステンレス鋼スラブを1200℃で2時間加熱
し、リバース式で1スタンドを使用して熱間圧延して、
スーパーステンレス鋼クラッドステンレス熱延鋼板を得
た。圧延率は88%であった。
【0021】この後、熱間圧延時に生成したスケール除
去した後、1100で20分間軟化焼鈍処理を行ない、
次いで6ハイの冷間圧延機(ワークロール径200m
m)2スタンドを使用して冷間圧延を行った。圧延油は
鉱物油を使用した。圧延率は75%であった。このよう
にして全圧延率が97%で製品厚みが1.00mmのス
ーパーステンレス鋼クラッドステンレス鋼板を製造し
た。 (実施例2)熱間圧延率を82%とし、冷間圧延率を5
8%とした以外は実施例1と同様にして全圧延率が92
%で製品厚みが2.50mmのスーパーステンレス鋼ク
ラッドステンレス鋼板を製造した。 (実施例3)合せ材として、化学組成がC:0.003
%、Si:0.15%、Mn:0.04%、P:0.0
15%、S:0.015%、Ni:0.18%、Cr:
30.0%、Mo:2.0%、Cu:0.01%、N:
0.007%、Fe:Bal.のスーパーステンレス鋼
を使用した以外は実施例1と同様にして全圧延率が97
%で製品厚みが1.00mmのスーパーステンレス鋼ク
ラッドステンレス鋼板を製造した。 (実施例4)母材として、化学組成がC:0.12%、
Si:0.75%、Mn:1.00%、P:0.040
%、S:0.030%、Cr:17.00%、Fe:B
al.のステンレス鋼スラブを使用した以外は実施例1
と同様にして全圧延率が97%で製品厚みが1.00m
mのスーパーステンレス鋼クラッドステンレス鋼板を製
造した。 (実施例5)合せ材として、化学組成がC:0.003
%、Si:0.15%、Mn:0.04%、P:0.0
15%、S:0.015%、Ni:0.18%、Cr:
30.0%、Mo:2.0%、Cu:0.01%、N:
0.007%、Fe:Bal.のスーパーステンレス鋼
を使用した以外は実施例4と同様にして全圧延率が97
%で製品厚みが1.00mmのスーパーステンレス鋼ク
ラッドステンレス鋼板を製造した。 (実施例6)母材の両面に合せ材を配置して爆着し、熱
間圧延率を89%とした以外は、実施例1と同様にして
全圧延率が97%で製品厚みが1.00mmの両面スー
パーステンレス鋼クラッドステンレス鋼板を製造した。 (実施例7)母材の両面に合せ材を配置して爆着し、熱
間圧延率を84%とし、冷間圧延率を59%とした以外
は、実施例2と同様にして全圧延率が93%で製品厚み
が2.50mmの両面スーパーステンレス鋼クラッドス
テンレス鋼板を製造した。 (実施例8)母材の両面に合せ材を配置して爆着し、熱
間圧延率を89%とした以外は、実施例3と同様にして
全圧延率が97%で製品厚みが1.00mmの両面スー
パーステンレス鋼クラッドステンレス鋼板を製造した。 (実施例9)母材の両面に合せ材を配置して爆着し、熱
間圧延率を89%とした以外は、実施例4と同様にして
全圧延率が97%で製品厚みが1.00mmの両面スー
パーステンレス鋼クラッドステンレス鋼板を製造した。 (実施例10)母材の両面に合せ材を配置して爆着し、
熱間圧延率を89%とした以外は、実施例5と同様にし
て全圧延率が97%で製品厚みが1.00mmの両面ス
ーパーステンレス鋼クラッドステンレス鋼板を製造し
た。 (比較例1)母材として、ステンレス鋼スラブの代わり
に、化学組成がC:0.06%、Si:0.03%、M
n:0.42%、P:0.02%、S:0.02%、F
e:Bal.で、厚さ30mm、縦2000mm、横9
00mmの普通鋼板を使用した以外は実施例1と同様に
して全圧延率が97%で製品厚みが1.00mmのスー
パーステンレス鋼クラッド鋼板を製造した。 (比較例2)母材として、ステンレス鋼スラブの代わり
に、化学組成がC:0.06%、Si:0.03%、M
n:0.42%、P:0.02%、S:0.02%、F
e:Bal.で、厚さ30mm、縦2000mm、横9
00mmの普通鋼板を使用した以外は実施例6と同様に
して全圧延率が97%で製品厚みが1.00mmのスー
パーステンレス鋼クラッド鋼板を製造した。 (比較例3)合せ材として厚さ3.0mm、縦2100
mm、横1000mmのJIS第1種の工業用純チタン
板を使用した以外は実施例1と同様にして全圧延率が9
7%で製品厚みが1.00mmのチタンクラッドステン
レス鋼板を製造した。 (比較例4)母材として、ステンレス鋼スラブの代わり
に、化学組成がC:0.06%、Si:0.03%、M
n:0.42%、P:0.02%、S:0.02%、F
e:Bal.で、厚さ30mm、縦2000mm、横9
00mmの普通鋼板を使用し、合せ材として厚さ3.0
mm、縦2100mm、横1000mmのJIS第1種
の工業用純チタン板を使用した以外は、実施例1と同様
にして全圧延率が97%で製品厚みが1.00mmのチ
タンクラッドステンレス鋼板を製造した。 (比較例5)化学組成がC:0.03%、Si:1.0
0%、Mn:2.00%、P:0.040%、S:0.
030%、Ni:10.00%、Cr:18.80%、
Fe:Bal.で、厚み0.9mm、縦2000mm、
横900mmのステンレス鋼スラブをスカーフィングに
より平滑に仕上げ、且つスケールを除去して母材とし、
化学組成がC:0.008%、Si:0.47%、M
n:0.35%、P:0.020%、S:0.0009
%、Ni:24.92%、Cr:23.09%、Mo:
5.43%、N:0.17%、Fe:Bal.で厚み
0.1mm、縦2100mm、横1000mmのスーパ
ーステンレス鋼を合せ材として、ポリエステル系接着剤
により接合してスーパーステンレス鋼積層ステンレス鋼
板を製造した。 (比較例6)化学組成がC:0.03%、Si:1.0
0%、Mn:2.00%、P:0.040%、S:0.
030%、Ni:10.00%、Cr:18.80%、
Fe:Bal.で、厚み0.9mm、縦2000mm、
横900mmのステンレス鋼スラブをスカーフィングに
より平滑に仕上げ、且つスケールを除去して母材とし、
厚さ0.1mm、縦2100mm、横1000mmのJ
IS第1種の工業用純チタン板を合せ材としてポリエス
テル系接着剤により接合してチタンーステンレス鋼積層
ステンレス鋼板を製造した。
【0022】このようにして製造したスーパーステンレ
ス鋼クラッドステンレス鋼板、スーパーステンレス鋼積
層ステンレス鋼板及びチタンク積層ステンレス鋼板等に
ついて以下の品質を評価した。結果を第2表に示す。 1)外観 外観を目視観察して異常の有無を観察した。
【0023】○:均一な外観 ×:表面欠陥(荒れ、スーパーステンレス鋼層あるいは
チタン層のめくれ、母材のステンレス鋼層の露出等)が
有る場合 2)剥離試験 実施例1乃至10及び比較例1乃至4のクラッド鋼板の
母材と合せ材の接着強度を、熱間圧延後の状態で剪断強
度測定試験により測定した。これは、冷間圧延後の状態
ではクラッド鋼板が薄すぎて測定のための試験片作成が
困難であること、そして母材と合せ材の接合強さは熱間
圧延終了時にほぼ決定されるからである。
【0024】幅25mm、長さ150mm(圧延方向)
のクラッド熱延鋼板を切り出し、長手方向と直角に試験
片の中央部で10mm間隔の切り欠きノッチを2本入れ
る。1本は母材側から合せ材との境界に達する深さまで
切り欠き、もう1本は合せ材側から母材との境界に達す
る深さまで切り欠く。従って、中央部には、幅25m
m、長さ10mm(=250mm2 )の元の状態の接合
面が残る。この試験片を両側から引張り試験機で引張り
速度10mm/分で引張り、剥離する強度を剪断強度と
して測定した。
【0025】比較例5のスーパーステンレス鋼積層ステ
ンレス鋼板及び比較例6のチタン積層ステンレス鋼板に
ついては、幅25mm、長さ150mmの試験片に、同
様にして、母材及び合せ材から接着剤層に達するまでの
切り欠きノッチを2本入れて、同様にして剪断強度を測
定した。そして、剥離した界面を観察した。
【0026】○:母材と合せ材との界面剥離が認められ
ないもの ×:母材と合せ材との界面剥離が認められるもの 3)2回0T曲げ試験 製品の合せ材側が内側になるように0T曲げを行ったの
ち、反対方向、即ち、外側になるように再度0T密着曲
げを施したのち、平板状に戻し断面方向より、母材と合
せ材間の剥離状況を観察した。
【0027】○:試験前に比し何らの異常や劣化の認め
られないもの △:母材と合せ材間に剥離が若干発生しているもの ×:剥離がはっきりと認められる程度のもの 4)塩水浸漬試験 2回0T曲げ試験の観察終了後の試験片を、5%食塩水
(40℃)に3週間浸漬し、端面での剥離進行状況を観
察した。
【0028】○:試験前に比し何らの異常や劣化の認め
られないもの △:母材と合せ材間に剥離が若干発生しているもの ×:剥離がはっきりと認められる程度のもの 5)ヒートサイクルテスト 50×150mmの試験片を、120℃の熱シリコンオ
イル浴浸漬5分→室温まで冷却保持(ブロアーで冷風送
風)5分を1サイクルとする繰り返し試験を1500回
まで行い、母材と合せ材間の膨張率に起因する応力によ
る端面での剥離の有無を観察した。
【0029】○:冷熱サイクル付与後の剥離試験でも初
期と同様に何らの異常や劣化の認められないもの △:曲げ等の加工部位で合せ材の剥離が若干発生してい
るもの ×:クラッド層の剥離がはっきりと認められる程度のも
の 第1表 製造条件 母材 合せ材 接合方法 製品 圧延率( %) 表 裏 厚(mm) 厚(mm) 厚(mm) HR CR TR 実施例1 30 3 - 爆着 1.00 88 75 97 2 30 3 - 爆着 2.50 82 58 92 3 30 3 - 爆着 1.00 88 75 97 4 30 3 - 爆着 1.00 88 75 97 5 30 3 - 爆着 1.00 88 75 97 6 30 3 3 爆着 1.00 89 75 97 7 30 3 3 爆着 2.50 84 59 93 8 30 3 3 爆着 1.00 89 75 97 9 30 3 3 爆着 1.00 89 75 97 10 30 3 3 爆着 1.00 89 75 97 比較例1 30(Fe) 3 - 爆着 1.00 88 75 97 2 30(Fe) 3 3 爆着 1.00 89 75 97 3 30 3(Ti) - 爆着 1.00 88 75 97 4 30(Fe) 3(Ti) - 爆着 1.00 88 75 97 5 0.9 0.1 - 接着剤 1.00 − − − 6 0.9 0.1 (Ti)- 接着剤 1.00 − − − 第2表 品質評価試験 外観 剥離試験 剪断強度 曲げ試験 塩水浸漬 ヒートサイクル (kgf/mm2) 試験 試験 実施例1 ○ ○ 37 ○ ○ ○ 2 ○ ○ 35 ○ ○ ○ 3 ○ ○ 38 ○ ○ ○ 4 ○ ○ 33 ○ △ ○ 5 ○ ○ 36 ○ △ ○ 6 ○ ○ 33 ○ ○ ○ 7 ○ ○ 34 ○ ○ ○ 8 ○ ○ 37 ○ ○ ○ 9 ○ ○ 37 ○ △ ○ 10 ○ ○ 35 ○ △ ○ 比較例1 ○ ○ 35 △ × △ 2 ○ ○ 36 △ △ △ 3 × × 18 × ○ △ 4 × × 22 × × △ 5 ○ × 2 × ○ × 6 ○ × 2 × ○ × 第2表の結果より、比較例1及び2にあっては、塩水浸
漬試験において母材に錆が発生してしまった。又、比較
例3及び4のように合せ材としてチタンを採用した場合
には、熱間圧延工程によりチタン層に酸化膜が形成さ
れ、これが冷間圧延時に破砕されて、表面に無数の細か
い疵を形成してしまっていた。比較例5及び6にあって
は、接着剤では接合強度自体を大きくできないことが判
る。
【0030】一方、本発明の実施例にあっては、全ての
品質に優れ、屋根材、壁材等の外装材として好適に採用
できることが判る。
【0031】
【発明の効果】請求項1にあっては、爆着スラブは界面
近傍部の硬度分布がなだらかなので、以降の熱延、冷延
作業条件が幅広く設定可能で製造条件の範囲が広くな
り、更に圧延時の界面剥離や形状不良に心配がない。
又、捨て材を必要とすることがなく、大気中で熱延可能
で、装置的、経済的に負担が小さくてすむ。しかも、ス
ーパーステンレス鋼は、Ni系合金、純Tiに匹敵した
耐食性を有するにも拘わらず、これら材料に比べると、
低価格であり、又、ステンレス鋼同士をクラッドするの
で、加熱時に界面に脆弱な金属間化合物が形成されない
と共に合せ材、母材とも機械的性質が略同一であり、従
って、冷間及び熱間圧延工程で剥離などの現象が起こる
ことはない。更に、建材として採用する場合には、熱膨
張係数が問題となるが、母材に熱膨張係数の小さなステ
ンレス鋼を使用し、合せ材には高耐食性のステンレス鋼
を使用し、クラッドすることにより耐食性と熱膨張の両
方の問題を解決できるものであり、又、建材としてステ
ンレス鋼を使用する場合には、施工に際して裏面に普通
鋼製の補強材とかが位置して、ステンレス鋼と接する
が、この時に電位差による腐食が発生するという問題が
あり、従来では絶縁材料を挟むとか塗布するなどしなけ
ればならなかったが、表面の合せ材は高耐食性であり、
しかも電位的に貴なステンレス鋼を使用し、裏面の母材
には電位的に卑なステンレス鋼を使用し、クラッドする
ことによって、ステンレス鋼に普通鋼製の補強材を使用
した時に生起されるステンレス鋼と普通鋼の接合面に生
じる電位差よりも遙に小さくできるので、電気化学的腐
食減衰効果を奏することができる。
【0032】請求項2、3及び4の発明にあっては、耐
食性が著しく向上するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/44

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合せ材であるスーパーステンレス鋼と母材
    であるステンレス鋼とを爆着法により接合したスーパー
    ステンレス鋼クラッドステンレス鋼スラブを熱間及び冷
    間圧延して成ることを特徴とするスーパーステンレス鋼
    クラッドステンレス鋼板。
  2. 【請求項2】母材であるステンレス鋼の両面に合せ材で
    あるスーパーステンレス鋼を爆着法により接合してスー
    パーステンレス鋼クラッドステンレス鋼スラブを形成し
    て成ることを特徴とする請求項1記載のスーパーステン
    レス鋼クラッドステンレス鋼板。
  3. 【請求項3】合せ材であるスーパーステンレス鋼の主要
    化学組成が、Ni23〜28wt%、Cr19〜25w
    t%、Mo5〜7wt%であることを特徴とする請求項
    1又は2記載のスーパーステンレス鋼クラッドステンレ
    ス鋼板。
  4. 【請求項4】合せ材であるスーパーステンレス鋼の主要
    化学組成が、Cr28〜32wt%、Mo1.75〜2
    wt%であることを特徴とする請求項1又は2記載のス
    ーパーステンレス鋼クラッドステンレス鋼板。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2492450A3 (en) * 2011-02-22 2014-12-03 General Electric Company Process of forming an explosion-welded gas turbine shroud segment
CN106893831A (zh) * 2017-03-13 2017-06-27 东北大学 一种超级奥氏体不锈钢高温均质化处理方法
CN109332923A (zh) * 2018-09-26 2019-02-15 洛阳双瑞金属复合材料有限公司 一种爆炸焊接用铁素体不锈钢自动拼接方法

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CN106893831A (zh) * 2017-03-13 2017-06-27 东北大学 一种超级奥氏体不锈钢高温均质化处理方法
CN106893831B (zh) * 2017-03-13 2019-02-19 东北大学 一种超级奥氏体不锈钢高温均质化处理方法
CN109332923A (zh) * 2018-09-26 2019-02-15 洛阳双瑞金属复合材料有限公司 一种爆炸焊接用铁素体不锈钢自动拼接方法

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