JPH0716766A - チタンクラッド鋼材 - Google Patents
チタンクラッド鋼材Info
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- JPH0716766A JPH0716766A JP16805893A JP16805893A JPH0716766A JP H0716766 A JPH0716766 A JP H0716766A JP 16805893 A JP16805893 A JP 16805893A JP 16805893 A JP16805893 A JP 16805893A JP H0716766 A JPH0716766 A JP H0716766A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】合わせ材と母材の接合強度が大きく、しかも熱
間圧延性に優れたチタンクラッド鋼材を従来の方法に比
較して容易に且つ安価に提供することにある。 【構成】合わせ材であるチタンと母材である普通鋼とを
爆着法により接合したチタンクラッド普通鋼スラブのチ
タン層側に捨て材を接合させて成る。
間圧延性に優れたチタンクラッド鋼材を従来の方法に比
較して容易に且つ安価に提供することにある。 【構成】合わせ材であるチタンと母材である普通鋼とを
爆着法により接合したチタンクラッド普通鋼スラブのチ
タン層側に捨て材を接合させて成る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱間圧延性に優れたチ
タンクラッド鋼材に関する。
タンクラッド鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術】チタンは耐候性、耐食性に非常に優れた
金属である。日本は、海に囲まれており、従って、湿度
も高く、環境変化に伴なう金属の腐食は、資源の減少、
又、腐食による外観の見苦しさなど社会資源の大きな損
失にも繋がるものである。
金属である。日本は、海に囲まれており、従って、湿度
も高く、環境変化に伴なう金属の腐食は、資源の減少、
又、腐食による外観の見苦しさなど社会資源の大きな損
失にも繋がるものである。
【0003】このため耐食性が良く、軽量で強度にも優
れ、塗装などの表面処理など行わなくてよい、いわゆる
メンテナンスフリーの金属材料であるチタンが屋根材、
外壁材をはじめとして各種の外装材として使用されつつ
あるが、高価格で汎用材料としては採用されていないの
が現状である。一方、普通鋼はコスト的には圧倒的に有
利であるが、チタンに比して耐食性、耐久性が不充分
で、特に長期寿命の求められる外装材としては不適であ
る。
れ、塗装などの表面処理など行わなくてよい、いわゆる
メンテナンスフリーの金属材料であるチタンが屋根材、
外壁材をはじめとして各種の外装材として使用されつつ
あるが、高価格で汎用材料としては採用されていないの
が現状である。一方、普通鋼はコスト的には圧倒的に有
利であるが、チタンに比して耐食性、耐久性が不充分
で、特に長期寿命の求められる外装材としては不適であ
る。
【0004】このような問題を解決するために、チタン
を合わせ材として、母材である普通鋼に接合した複合鋼
板が提案されている。例えば、合せ材のチタンを中間層
としてCuを介して母材の普通鋼に接合した複合鋼板が
提供されている。しかしながら、この複合鋼板の製造に
際しては、合わせ材と中間のCu板と母材の全体をカバ
ー材で覆い、且つカバー材の一部に加熱時の内部残留空
気の抜け孔を設ける必要がある等熱間圧延の準備及び圧
延自体が技術的に難しいという問題があった。
を合わせ材として、母材である普通鋼に接合した複合鋼
板が提案されている。例えば、合せ材のチタンを中間層
としてCuを介して母材の普通鋼に接合した複合鋼板が
提供されている。しかしながら、この複合鋼板の製造に
際しては、合わせ材と中間のCu板と母材の全体をカバ
ー材で覆い、且つカバー材の一部に加熱時の内部残留空
気の抜け孔を設ける必要がある等熱間圧延の準備及び圧
延自体が技術的に難しいという問題があった。
【0005】一方、爆着法によりチタンクラッド鋼材を
製造する方法が考えられ、この方法によれば、合わせ材
と母材の接合界面が冷間で瞬時に形成されるので、炭化
物や窒化物あるいは層状のTi−Fe系金属化合物が形
成されず、清浄な境界を有し、接合強度が大きい複合材
が提供される。この爆着スラブは界面近傍部の硬度分布
がなだらかなので、以降の熱延、冷延作業条件が幅広く
設定可能で製造条件の範囲が広くなり、用途に応じた材
質確保のための熱延及び冷延条件の設定の自由度が大き
く、品質的に優れた特性を確保できる。
製造する方法が考えられ、この方法によれば、合わせ材
と母材の接合界面が冷間で瞬時に形成されるので、炭化
物や窒化物あるいは層状のTi−Fe系金属化合物が形
成されず、清浄な境界を有し、接合強度が大きい複合材
が提供される。この爆着スラブは界面近傍部の硬度分布
がなだらかなので、以降の熱延、冷延作業条件が幅広く
設定可能で製造条件の範囲が広くなり、用途に応じた材
質確保のための熱延及び冷延条件の設定の自由度が大き
く、品質的に優れた特性を確保できる。
【0006】更に、合せ材と母材との界面に生成する金
属間化合物や脆化層による接合強度の低下を回避する方
法として、母材、金属中間層、合わせ材のサンドイッチ
構成により脆化層の形成を抑制し、圧延する方法(特開
昭60−170586号)とか、チタンと母材との間に
接合中間材を介在させ、且つ接合中間材とチタンとの間
隔を規定することにより接合中間材によりチタンと母材
との金属間化合物の生成を回避して圧延する方法(特開
昭63−56370号)、又、チタンにFe系薄金属を
爆着し、このものと母材でコンポジットスラブを組立て
熱間圧延する方法(特開平2−295682号)が提案
されている。
属間化合物や脆化層による接合強度の低下を回避する方
法として、母材、金属中間層、合わせ材のサンドイッチ
構成により脆化層の形成を抑制し、圧延する方法(特開
昭60−170586号)とか、チタンと母材との間に
接合中間材を介在させ、且つ接合中間材とチタンとの間
隔を規定することにより接合中間材によりチタンと母材
との金属間化合物の生成を回避して圧延する方法(特開
昭63−56370号)、又、チタンにFe系薄金属を
爆着し、このものと母材でコンポジットスラブを組立て
熱間圧延する方法(特開平2−295682号)が提案
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、いずれ
の方法にしろ熱間圧延工程は必須だが、母材の鋼にとっ
ては熱間圧延は約900℃以上で行われるのが好まし
い。又、チタンにあっても熱間圧延温度は変態点(約8
80℃)以上が好ましいが、酸化雰囲気下では厚くて硬
い酸化膜が生成してしまう。この酸化膜は下部の酸素含
有硬化層まで含めると、厚さは数100μmにも達して
高価なチタンの損失になるだけでなく、この酸化膜は次
の冷間圧延時に破砕されて微小な粉末となり、この粉末
によりチタン表面に無数の細かい疵を形成してしまうと
いう問題があった。
の方法にしろ熱間圧延工程は必須だが、母材の鋼にとっ
ては熱間圧延は約900℃以上で行われるのが好まし
い。又、チタンにあっても熱間圧延温度は変態点(約8
80℃)以上が好ましいが、酸化雰囲気下では厚くて硬
い酸化膜が生成してしまう。この酸化膜は下部の酸素含
有硬化層まで含めると、厚さは数100μmにも達して
高価なチタンの損失になるだけでなく、この酸化膜は次
の冷間圧延時に破砕されて微小な粉末となり、この粉末
によりチタン表面に無数の細かい疵を形成してしまうと
いう問題があった。
【0008】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、合わせ材と
母材の接合強度が大きく、しかも熱間圧延性に優れたチ
タンクラッド鋼材を従来の方法に比較して容易に且つ安
価に提供することにある。
れたものであり、その目的とするところは、合わせ材と
母材の接合強度が大きく、しかも熱間圧延性に優れたチ
タンクラッド鋼材を従来の方法に比較して容易に且つ安
価に提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の複合材は、合わ
せ材であるチタンと母材である普通鋼とを爆着法により
接合したチタンクラッド普通鋼スラブのチタン層側に捨
て材を接合させて成ることを特徴とするものである。
せ材であるチタンと母材である普通鋼とを爆着法により
接合したチタンクラッド普通鋼スラブのチタン層側に捨
て材を接合させて成ることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】爆着法によりスラブを製造するので、接合界面
が冷間で瞬時に形成され、炭化物や窒化物あるいはTi
−Fe系金属間化合物が形成されず、清浄な境界を有
し、接合強度が大きい。又、爆着スラブは界面近傍部の
硬度分布がなだらかなので、圧延時の界面剥離や形状不
良に心配がなく、品質的に優れた特性を確保できる。更
に、爆着スラブ界面には金属間化合物がなく、冶金的に
密着した組織であり、しかもスラブのチタン層側に捨て
材を接合させているので、熱間圧延に際してチタンが捨
て材により保護され、真空中や減圧下で圧延する必要が
なく、大気中で熱間圧延が可能で、装置的、経済的に負
担が小さくてすむだけでなく、熱間圧延の温度条件を変
形抵抗の小さい高温に設定でき、高圧下率を採用でき、
電力費、ロール寿命及びエネルギーの損失がなく、しか
も、酸化や酸素による硬化に伴うチタンの損失がなくコ
スト面で極めて有利となる。
が冷間で瞬時に形成され、炭化物や窒化物あるいはTi
−Fe系金属間化合物が形成されず、清浄な境界を有
し、接合強度が大きい。又、爆着スラブは界面近傍部の
硬度分布がなだらかなので、圧延時の界面剥離や形状不
良に心配がなく、品質的に優れた特性を確保できる。更
に、爆着スラブ界面には金属間化合物がなく、冶金的に
密着した組織であり、しかもスラブのチタン層側に捨て
材を接合させているので、熱間圧延に際してチタンが捨
て材により保護され、真空中や減圧下で圧延する必要が
なく、大気中で熱間圧延が可能で、装置的、経済的に負
担が小さくてすむだけでなく、熱間圧延の温度条件を変
形抵抗の小さい高温に設定でき、高圧下率を採用でき、
電力費、ロール寿命及びエネルギーの損失がなく、しか
も、酸化や酸素による硬化に伴うチタンの損失がなくコ
スト面で極めて有利となる。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
あっては、母材は普通鋼であるが、炭素含有量は0.0
8重量%以下であるのが好ましい。0.08重量%を超
えるとチタンとの接合界面に脆化層となる炭化物が形成
される傾向にある。又、合わせ材のチタンは表面が平滑
で清浄なものが採用され、母材よりも縦幅及び横幅が、
例えば50mm程度大きいものが好適である。又、チタ
ンの厚さは、母材に対して1/5〜1/20が好まし
い。1/5よりも大きいと、高価なチタンの占める割合
が大きすぎて、クラッド鋼板にしようとする経済的効果
がなく、又、チタンと普通鋼の材質特性の差が緩和され
ず、各種の形状の製品に成形加工しがたくなるものであ
る。逆に、1/20よりも小さいと、熱延時とか成形加
工時に、チタンが局部的に破断し、母材の普通鋼が露出
する恐れがあり、又、目的とする耐食性、耐久性の確保
が困難になる傾向にある。尚、本発明にあっては合わせ
材のチタンは純チタンだけでなく、耐食合金チタン、α
合金チタン、ニアα合金チタン、α−β合金チタン、β
合金チタン等のチタン合金も採用できるものである。
あっては、母材は普通鋼であるが、炭素含有量は0.0
8重量%以下であるのが好ましい。0.08重量%を超
えるとチタンとの接合界面に脆化層となる炭化物が形成
される傾向にある。又、合わせ材のチタンは表面が平滑
で清浄なものが採用され、母材よりも縦幅及び横幅が、
例えば50mm程度大きいものが好適である。又、チタ
ンの厚さは、母材に対して1/5〜1/20が好まし
い。1/5よりも大きいと、高価なチタンの占める割合
が大きすぎて、クラッド鋼板にしようとする経済的効果
がなく、又、チタンと普通鋼の材質特性の差が緩和され
ず、各種の形状の製品に成形加工しがたくなるものであ
る。逆に、1/20よりも小さいと、熱延時とか成形加
工時に、チタンが局部的に破断し、母材の普通鋼が露出
する恐れがあり、又、目的とする耐食性、耐久性の確保
が困難になる傾向にある。尚、本発明にあっては合わせ
材のチタンは純チタンだけでなく、耐食合金チタン、α
合金チタン、ニアα合金チタン、α−β合金チタン、β
合金チタン等のチタン合金も採用できるものである。
【0012】次に、本発明にあっては、母材の普通鋼と
合わせ材のチタンを爆着法により接合するのであるが、
まず、普通鋼スラブをスカーフィング等で平滑に仕上
げ、且つスケールを除去して母材とする。強固な界面接
合強度を得るために普通鋼スラブと合わせ材のチタンと
は一定の間隙を有するように配置する。例えば、1mm
である。これを適当な爆速、例えば2000m/sec
以下の爆速を有する爆薬により爆着する。次いで、爆薬
の配置場所にもよるが、合わせ材たるチタンの周縁部が
普通鋼スラブ端部よりはみ出た形状になるので、機械的
に切断除去して端面形状の優れたチタンクラッド普通鋼
スラブを製造する。この場合、スラブの普通鋼とチタン
層との間に純鉄(炭素含有量0.003%以下)又はN
iを中間材として挿入してスラブ加熱および熱間圧延時
のチタン炭化物の生成を抑制するようにしてもよい。こ
の中間材の厚みは1mm以下が好ましく、例えば、スラ
ブを製造する際に母材たる普通鋼と合わせ材たるチタン
の間に挟んで同時に爆着圧着させればよい。この中間材
により、炭化物が生成しなくなり、金属間化合物はTi
−Fe系のみとなり、接合強度及び耐変形性が著しく向
上する。
合わせ材のチタンを爆着法により接合するのであるが、
まず、普通鋼スラブをスカーフィング等で平滑に仕上
げ、且つスケールを除去して母材とする。強固な界面接
合強度を得るために普通鋼スラブと合わせ材のチタンと
は一定の間隙を有するように配置する。例えば、1mm
である。これを適当な爆速、例えば2000m/sec
以下の爆速を有する爆薬により爆着する。次いで、爆薬
の配置場所にもよるが、合わせ材たるチタンの周縁部が
普通鋼スラブ端部よりはみ出た形状になるので、機械的
に切断除去して端面形状の優れたチタンクラッド普通鋼
スラブを製造する。この場合、スラブの普通鋼とチタン
層との間に純鉄(炭素含有量0.003%以下)又はN
iを中間材として挿入してスラブ加熱および熱間圧延時
のチタン炭化物の生成を抑制するようにしてもよい。こ
の中間材の厚みは1mm以下が好ましく、例えば、スラ
ブを製造する際に母材たる普通鋼と合わせ材たるチタン
の間に挟んで同時に爆着圧着させればよい。この中間材
により、炭化物が生成しなくなり、金属間化合物はTi
−Fe系のみとなり、接合強度及び耐変形性が著しく向
上する。
【0013】このチタンクラッド普通鋼スラブのチタン
層側に捨て材が接合されて本発明のチタンクラッド鋼材
が形成されている。本発明の鋼材は、圧延されてチタン
クラッド普通鋼板が製造されるのであるが、捨て材によ
り、熱間圧延前及び熱間圧延時のチタンへの酸素侵入に
よる酸化膜及び硬化層の生成が確実に阻止でき、大気中
で熱間圧延できるだけでなく、チタンの損失がなくな
る。従って、普通鋼及びチタンのいずれも熱間圧延時の
変形抵抗が低く、容易に圧延できる温度、例えば900
℃以上の圧延温度を採用できる。捨て材としては、普通
鋼とか5%Cr鋼やSi含有低合金鋼、Mn含有低合金
鋼等、あるいはアルミナ系酸化物、水ガラスのようなシ
リカ系酸化物等の酸化物を採用できるが、コスト、除去
性及び作業性の点で普通鋼が好ましい。この捨て材は、
例えば、普通鋼の場合、普通鋼とチタンを爆着法により
接合しておき、この複合材と普通鋼を爆着法により接合
することにより設けてもよく、又、母材の普通鋼、チタ
ン、捨て材の普通鋼を同時に爆着させて設けるようにし
てもよく、更にはチタンの片面に普通鋼をシーム溶接等
により接合しておき、この複合材と母材の普通鋼とを爆
着法により接合するようにして設けてもよい。又、アル
ミナ系酸化物の場合は、チタンクラッド普通鋼スラブの
チタン層側にロール等で塗布し、乾燥して設ければよ
い。又、捨て材の厚みは、熱間圧延後に除去を考慮すれ
ば、圧延終了時に数10μm残存する程度が好ましい。
薄すぎると熱間圧延時下層のチタンが露出して酸化して
しまうおそれがある。
層側に捨て材が接合されて本発明のチタンクラッド鋼材
が形成されている。本発明の鋼材は、圧延されてチタン
クラッド普通鋼板が製造されるのであるが、捨て材によ
り、熱間圧延前及び熱間圧延時のチタンへの酸素侵入に
よる酸化膜及び硬化層の生成が確実に阻止でき、大気中
で熱間圧延できるだけでなく、チタンの損失がなくな
る。従って、普通鋼及びチタンのいずれも熱間圧延時の
変形抵抗が低く、容易に圧延できる温度、例えば900
℃以上の圧延温度を採用できる。捨て材としては、普通
鋼とか5%Cr鋼やSi含有低合金鋼、Mn含有低合金
鋼等、あるいはアルミナ系酸化物、水ガラスのようなシ
リカ系酸化物等の酸化物を採用できるが、コスト、除去
性及び作業性の点で普通鋼が好ましい。この捨て材は、
例えば、普通鋼の場合、普通鋼とチタンを爆着法により
接合しておき、この複合材と普通鋼を爆着法により接合
することにより設けてもよく、又、母材の普通鋼、チタ
ン、捨て材の普通鋼を同時に爆着させて設けるようにし
てもよく、更にはチタンの片面に普通鋼をシーム溶接等
により接合しておき、この複合材と母材の普通鋼とを爆
着法により接合するようにして設けてもよい。又、アル
ミナ系酸化物の場合は、チタンクラッド普通鋼スラブの
チタン層側にロール等で塗布し、乾燥して設ければよ
い。又、捨て材の厚みは、熱間圧延後に除去を考慮すれ
ば、圧延終了時に数10μm残存する程度が好ましい。
薄すぎると熱間圧延時下層のチタンが露出して酸化して
しまうおそれがある。
【0014】本発明の鋼材は、好ましくは800℃〜1
050℃で1〜5時間加熱し、リバースまたはタンデム
式で数段、例えば5スタンドを使用するパススケジュー
ルで熱間圧延される。この場合、製品板厚を本発明の複
合材の1/20以下(全圧延率95%以上)とする場合
には、熱間圧延だけで所望の板厚を得るのが困難である
ので、引き続いて冷間圧延が必要となる。
050℃で1〜5時間加熱し、リバースまたはタンデム
式で数段、例えば5スタンドを使用するパススケジュー
ルで熱間圧延される。この場合、製品板厚を本発明の複
合材の1/20以下(全圧延率95%以上)とする場合
には、熱間圧延だけで所望の板厚を得るのが困難である
ので、引き続いて冷間圧延が必要となる。
【0015】製品板厚が本発明の複合材の1/20以
上、圧延率90〜95%の場合は、冷間圧延は必ずしも
必要でなく、熱間圧延機の能力、製品たる鋼板表面に求
められる平滑さ、鋼板自身の形状によって決められる。
冷間圧延で仕上げた方が、これら特性は良好となるが、
製造コストが上昇するので、適宜選択をすればよい。い
ずれにしても、熱間圧延後、酸化膜を含む捨て材及び母
材たる普通鋼上の酸化膜を除去する。この除去は、酸洗
法等の化学的手段あるいは、研削法等の機械的手段を採
用できる。例えば、捨て材として普通鋼を採用した場合
は、塩酸や硫酸の酸洗液に浸漬してスケールと共に除去
する。
上、圧延率90〜95%の場合は、冷間圧延は必ずしも
必要でなく、熱間圧延機の能力、製品たる鋼板表面に求
められる平滑さ、鋼板自身の形状によって決められる。
冷間圧延で仕上げた方が、これら特性は良好となるが、
製造コストが上昇するので、適宜選択をすればよい。い
ずれにしても、熱間圧延後、酸化膜を含む捨て材及び母
材たる普通鋼上の酸化膜を除去する。この除去は、酸洗
法等の化学的手段あるいは、研削法等の機械的手段を採
用できる。例えば、捨て材として普通鋼を採用した場合
は、塩酸や硫酸の酸洗液に浸漬してスケールと共に除去
する。
【0016】捨て材をスケールと共に除去した後冷間圧
延を行う。冷間圧延率は製造する製品の板厚によって当
然異なり、パス回数も異なってくるが、変形抵抗差が製
品の反りを生む程大きな冷間圧延率をとる必要がある場
合には、異周速圧延その他上下面でロールと材料間の摩
擦抵抗を変える必要がある。
延を行う。冷間圧延率は製造する製品の板厚によって当
然異なり、パス回数も異なってくるが、変形抵抗差が製
品の反りを生む程大きな冷間圧延率をとる必要がある場
合には、異周速圧延その他上下面でロールと材料間の摩
擦抵抗を変える必要がある。
【0017】この場合、ワークロール自身はできるだけ
小径のロールの方が、圧延率の確保、形状向上、エネル
ギー低減の点で有利である。冷間圧延により鋼板の表面
の平滑さが得られるが、冷間圧延後の鋼板は、用途によ
り焼き鈍し、調質圧延を施してもよい。このようにして
本発明の鋼材から製造したチタンクラッド鋼板は、耐
酸、耐海水、耐腐食性ガス等の耐食性及び耐熱性に優れ
る工業材料として、種々の分野に好適に採用できるもの
である。
小径のロールの方が、圧延率の確保、形状向上、エネル
ギー低減の点で有利である。冷間圧延により鋼板の表面
の平滑さが得られるが、冷間圧延後の鋼板は、用途によ
り焼き鈍し、調質圧延を施してもよい。このようにして
本発明の鋼材から製造したチタンクラッド鋼板は、耐
酸、耐海水、耐腐食性ガス等の耐食性及び耐熱性に優れ
る工業材料として、種々の分野に好適に採用できるもの
である。
【0018】次に、本発明を実施例に基づいて具体的に
説明する。以下において成分の割合を示す%は重量%で
ある。 (実施例1)成分がC:0.06%、Si:0.01
%、Mn:0.01%、P:0.002%、S:0.0
01%、Fe:Bal.で、厚さ30mm、縦2000
mm、横900mmの普通鋼スラブをスカーフィングに
より平滑に仕上げ、且つスケールを除去して母材とし
た。
説明する。以下において成分の割合を示す%は重量%で
ある。 (実施例1)成分がC:0.06%、Si:0.01
%、Mn:0.01%、P:0.002%、S:0.0
01%、Fe:Bal.で、厚さ30mm、縦2000
mm、横900mmの普通鋼スラブをスカーフィングに
より平滑に仕上げ、且つスケールを除去して母材とし
た。
【0019】次に、合わせ材である厚さ3.0mm、縦
2100mm、横1000mmのJIS第1種の工業用
純チタン板の片面に同じ大きさで厚さ0.5mmの普通
鋼板をシーム溶接で接合し、このものを普通鋼板を上面
にして上記スラブ上に間隔が1mmとなるように配置し
て、1500m/sec以下の爆速を有する爆薬により
爆着した。
2100mm、横1000mmのJIS第1種の工業用
純チタン板の片面に同じ大きさで厚さ0.5mmの普通
鋼板をシーム溶接で接合し、このものを普通鋼板を上面
にして上記スラブ上に間隔が1mmとなるように配置し
て、1500m/sec以下の爆速を有する爆薬により
爆着した。
【0020】次いで、合わせ材たるチタン板のスラブ端
部よりはみ出た周縁部を機械的に切断除去してチタンク
ラッド鋼材を製造した。 (実施例2)チタンクラッド普通鋼スラブを普通鋼スラ
ブとチタン板との間に中間材として0.1mm厚さの純
鉄板を配置して爆着させて製造した以外は、実施例1と
同様にしてチタンクラッド鋼材を製造した。 (実施例3)チタンクラッド普通鋼スラブを普通鋼スラ
ブとチタン板との間に中間材として0.1mm厚さの純
度99.9%のNi板を配置して爆着させて製造した以
外は、実施例1と同様にしてチタンクラッド鋼材を製造
した。 (実施例4)普通鋼の代わりに、フレーク状の200メ
ッシュ以下のアトマイズ粉100重量部とキシレン60
%、フタル酸アルキド樹脂40%に懸濁させたブロンズ
粉80重量部とトルエン100重量部とを混合させてス
ラリー状のアルミナ系酸化物を調製し、このものをチタ
ン板の片面に塗布し、乾燥させて重量20g/m2 の捨
て材を設けた以外は実施例1と同様にしてチタンクラッ
ド鋼材を製造した。 (比較例1)チタン板の片面に普通鋼板を接合しなかっ
た以外は実施例1と同様にしてチタンクラッド鋼材を製
造した。次に、このようにして製造したチタンクラッド
鋼材の熱間圧延性を評価するために、以下の如き条件で
チタンクラッド鋼板を製造した。 (製造例1)実施例1のチタンクラッド鋼材を900℃
で4時間加熱し、リバース式で1スタンドを使用して熱
間圧延して、チタンクラッド熱延鋼板を得た。圧延率は
80%であった。この場合、普通鋼板の表面にはスケー
ルの生成が認められた。
部よりはみ出た周縁部を機械的に切断除去してチタンク
ラッド鋼材を製造した。 (実施例2)チタンクラッド普通鋼スラブを普通鋼スラ
ブとチタン板との間に中間材として0.1mm厚さの純
鉄板を配置して爆着させて製造した以外は、実施例1と
同様にしてチタンクラッド鋼材を製造した。 (実施例3)チタンクラッド普通鋼スラブを普通鋼スラ
ブとチタン板との間に中間材として0.1mm厚さの純
度99.9%のNi板を配置して爆着させて製造した以
外は、実施例1と同様にしてチタンクラッド鋼材を製造
した。 (実施例4)普通鋼の代わりに、フレーク状の200メ
ッシュ以下のアトマイズ粉100重量部とキシレン60
%、フタル酸アルキド樹脂40%に懸濁させたブロンズ
粉80重量部とトルエン100重量部とを混合させてス
ラリー状のアルミナ系酸化物を調製し、このものをチタ
ン板の片面に塗布し、乾燥させて重量20g/m2 の捨
て材を設けた以外は実施例1と同様にしてチタンクラッ
ド鋼材を製造した。 (比較例1)チタン板の片面に普通鋼板を接合しなかっ
た以外は実施例1と同様にしてチタンクラッド鋼材を製
造した。次に、このようにして製造したチタンクラッド
鋼材の熱間圧延性を評価するために、以下の如き条件で
チタンクラッド鋼板を製造した。 (製造例1)実施例1のチタンクラッド鋼材を900℃
で4時間加熱し、リバース式で1スタンドを使用して熱
間圧延して、チタンクラッド熱延鋼板を得た。圧延率は
80%であった。この場合、普通鋼板の表面にはスケー
ルの生成が認められた。
【0021】この後、40℃の15%塩酸中に浸漬し
て、熱間圧延時に生成したスケールと残存している普通
鋼層を完全に除去して厚さ6.6mmのチタンクラッド
鋼板を製造した。 (製造例2)実施例1のチタンクラッド鋼材を950℃
で5時間加熱し、熱間圧延率を92%とした以外は製造
例1と同様にして厚さ2.5mmのチタンクラッド鋼板
を製造した。 (製造例3)実施例1のチタンクラッド鋼材を950℃
で5時間加熱し、リバース式で1スタンドを使用して熱
間圧延して、チタンクラッド熱延鋼板を得た。圧延率は
80%であった。この場合、普通鋼板の表面にはスケー
ルの生成が認められた。
て、熱間圧延時に生成したスケールと残存している普通
鋼層を完全に除去して厚さ6.6mmのチタンクラッド
鋼板を製造した。 (製造例2)実施例1のチタンクラッド鋼材を950℃
で5時間加熱し、熱間圧延率を92%とした以外は製造
例1と同様にして厚さ2.5mmのチタンクラッド鋼板
を製造した。 (製造例3)実施例1のチタンクラッド鋼材を950℃
で5時間加熱し、リバース式で1スタンドを使用して熱
間圧延して、チタンクラッド熱延鋼板を得た。圧延率は
80%であった。この場合、普通鋼板の表面にはスケー
ルの生成が認められた。
【0022】この後、40℃の15%塩酸中に浸漬し
て、熱間圧延時に生成したスケールと残存している普通
鋼層を完全に除去した。この後、6ハイの冷間圧延機
(ワークロール径200mm)2スタンドを使用して冷
間圧延を行った。圧延油は鉱物油を使用した。圧延率は
80%であった。このようにして全圧延率が96%で製
品厚みが1.3mmのチタンクラッド鋼板を製造した。 (製造例4)熱間圧延率を60%とし、冷間圧延率を8
0%とした以外は製造例3と同様にして全圧延率が92
%で製品厚みが2.5mmのチタンクラッド鋼板を製造
した。 (製造例5)実施例2のチタンクラッド鋼材から製造例
4と同様にして全圧延率が92%で製品厚さが2.6m
mのチタンクラッド鋼板を製造した。 (製造例6)実施例3のチタンクラッド鋼材から、製造
例4と同様にして全圧延率が92%で製品厚さが2.6
mmのチタンクラッド鋼板を製造した。 (製造例7)実施例4のチタンクラッド鋼材から、製造
例4と同様にして全圧延率が92%で製品厚みが2.5
mmのチタンクラッド鋼板を製造した。 (製造例8)比較例1のチタンクラッド鋼材から、熱間
圧延後チタンクラッド熱延鋼板の酸洗時間を4倍として
両面のスケールを完全に除去した以外は、製造例1と同
様にして全圧延率が80%で製品厚さが6.6mmのチ
タンクラッド鋼板を製造した。 (製造例9)比較例1のチタンクラッド鋼材から、熱間
圧延後チタンクラッド熱延鋼板の酸洗時間を4倍として
両面のスケールを完全に除去した後冷間圧延を行った以
外は、製造例4と同様にして全圧延率が92%で製品厚
さが2.3mmのチタンクラッド鋼板を製造した。この
ようにして製造したチタンクラッド普通鋼板について以
下の品質を評価した。結果を第2表に示す。 A.外観 外観を目視観察して異常の有無を観察した。
て、熱間圧延時に生成したスケールと残存している普通
鋼層を完全に除去した。この後、6ハイの冷間圧延機
(ワークロール径200mm)2スタンドを使用して冷
間圧延を行った。圧延油は鉱物油を使用した。圧延率は
80%であった。このようにして全圧延率が96%で製
品厚みが1.3mmのチタンクラッド鋼板を製造した。 (製造例4)熱間圧延率を60%とし、冷間圧延率を8
0%とした以外は製造例3と同様にして全圧延率が92
%で製品厚みが2.5mmのチタンクラッド鋼板を製造
した。 (製造例5)実施例2のチタンクラッド鋼材から製造例
4と同様にして全圧延率が92%で製品厚さが2.6m
mのチタンクラッド鋼板を製造した。 (製造例6)実施例3のチタンクラッド鋼材から、製造
例4と同様にして全圧延率が92%で製品厚さが2.6
mmのチタンクラッド鋼板を製造した。 (製造例7)実施例4のチタンクラッド鋼材から、製造
例4と同様にして全圧延率が92%で製品厚みが2.5
mmのチタンクラッド鋼板を製造した。 (製造例8)比較例1のチタンクラッド鋼材から、熱間
圧延後チタンクラッド熱延鋼板の酸洗時間を4倍として
両面のスケールを完全に除去した以外は、製造例1と同
様にして全圧延率が80%で製品厚さが6.6mmのチ
タンクラッド鋼板を製造した。 (製造例9)比較例1のチタンクラッド鋼材から、熱間
圧延後チタンクラッド熱延鋼板の酸洗時間を4倍として
両面のスケールを完全に除去した後冷間圧延を行った以
外は、製造例4と同様にして全圧延率が92%で製品厚
さが2.3mmのチタンクラッド鋼板を製造した。この
ようにして製造したチタンクラッド普通鋼板について以
下の品質を評価した。結果を第2表に示す。 A.外観 外観を目視観察して異常の有無を観察した。
【0023】◎:均一な外観 ○:略均一な外観 ×:表面欠陥(荒れ、チタン層のめくれ、母材の露出
等)が有る場合B.非接合部の有無 JISG3603に準拠して超音波探傷により非接合部
の有無を調べた。
等)が有る場合B.非接合部の有無 JISG3603に準拠して超音波探傷により非接合部
の有無を調べた。
【0024】○:非接合部が認められなかった △:僅かな非接合部が認められた ×:かなりの非接合部が認められた C.接合部における炭化物の有無 JISG3603に準拠して接合部断面を顕微鏡観察
し、炭化物の析出状況を調べた。
し、炭化物の析出状況を調べた。
【0025】◎:全く炭化物の析出が認められなかった ○:極わずかな炭化物の析出が認められた ×:かなりの炭化物の析出が認められた D.剪断強度(kgf/mm2 ) E.曲げ、曲げ戻し試験 合わせ材を上面にしてポンチ(厚さ10×幅30mm)
で押し込んで試料90°の曲げを加え、次いで母材を上
面にしてポンチで押し込み試料を真っ直ぐに戻す。この
過程で母材と合わせ材の接合面に大きな剪断力が作用す
る。剥離状況を目視観察した。
で押し込んで試料90°の曲げを加え、次いで母材を上
面にしてポンチで押し込み試料を真っ直ぐに戻す。この
過程で母材と合わせ材の接合面に大きな剪断力が作用す
る。剥離状況を目視観察した。
【0026】○:剥離なし ×:剥離発生 F.耐食性及び耐久性試験 評価Eで実施した曲げ試験後のサンプルを30日間、7
0℃、5%の塩水へ浸漬して界面部への塩水の浸透及び
それにともなう剥離の進行の有無を観察した。
0℃、5%の塩水へ浸漬して界面部への塩水の浸透及び
それにともなう剥離の進行の有無を観察した。
【0027】○:剥離が認められなかったもの ×:剥離は認められたもの 又、この場合、切断端面等における母材の錆の発生を観
察した。 ○:錆の発生が認められなかった ×:錆の発生が認められた 第1表 製造条件 母材 合せ材 中間材 捨て材 製品 圧延率( %) 厚(mm) 厚(mm) 種 厚(mm) 厚(mm) HR CR TR 製造例1 30 3 無 Fe 0.5 6.6 80 - 80 2 30 3 無 Fe 0.5 2.5 92 - 92 3 30 3 無 Fe 0.5 1.3 80 80 96 4 30 3 無 Fe 0.5 2.5 60 80 92 5 30 3 有(Fe) Fe 0.5 2.6 60 80 92 6 30 3 有(Ni) Fe 0.5 2.6 60 80 92 7 30 3 無 Al2o3 0.5 2.5 60 80 92 8 O 30 3 無 無 6.4 80 - 80 9 O 30 3 無 無 2.3 60 80 92 第2表 品質評価試験 外観 非接合部 炭化物 剪断強度 曲げ試験 浸漬試験 剥離 錆 製造例1 ○ ○ ○ 30 ○ ○ ○ 2 ○ ○ ○ 33 ○ ○ ○ 3 ◎ ○ ○ 42 ○ ○ ○ 4 ◎ ○ ○ 39 ○ ○ ○ 5 ◎ ○ ○ 48 ○ ○ ○ 6 ◎ ○ ○ 43 ○ ○ × 7 ○ ○ ○ 43 ○ ○ ○ 8 × × ○ 20 × × ○ 9 × △ ○ 25 × × ○ 第2表の結果より、実施例の複合材から製造したチタン
クラッド鋼板は、高温での熱間圧延にも拘わらず、捨て
材によりチタンの酸化が防止されて均一で美麗な外観を
有していた。又、炭化物の生成もなく、接合強度が大き
く、特に、製造例6及び7にあっては、非接合部が全く
形成されなく、接合強度が非常に大きなものとなってい
る。又、製造例4、5並びに製造例6、7から明らかな
ように熱間圧延温度が高い程接合強度が大きくなる傾向
にある。このように本発明の実施例の鋼材から製造した
チタンクラッド鋼板にあっては、全ての品質に優れ、屋
根材、壁材等の外装材として好適に採用できることが判
る。
察した。 ○:錆の発生が認められなかった ×:錆の発生が認められた 第1表 製造条件 母材 合せ材 中間材 捨て材 製品 圧延率( %) 厚(mm) 厚(mm) 種 厚(mm) 厚(mm) HR CR TR 製造例1 30 3 無 Fe 0.5 6.6 80 - 80 2 30 3 無 Fe 0.5 2.5 92 - 92 3 30 3 無 Fe 0.5 1.3 80 80 96 4 30 3 無 Fe 0.5 2.5 60 80 92 5 30 3 有(Fe) Fe 0.5 2.6 60 80 92 6 30 3 有(Ni) Fe 0.5 2.6 60 80 92 7 30 3 無 Al2o3 0.5 2.5 60 80 92 8 O 30 3 無 無 6.4 80 - 80 9 O 30 3 無 無 2.3 60 80 92 第2表 品質評価試験 外観 非接合部 炭化物 剪断強度 曲げ試験 浸漬試験 剥離 錆 製造例1 ○ ○ ○ 30 ○ ○ ○ 2 ○ ○ ○ 33 ○ ○ ○ 3 ◎ ○ ○ 42 ○ ○ ○ 4 ◎ ○ ○ 39 ○ ○ ○ 5 ◎ ○ ○ 48 ○ ○ ○ 6 ◎ ○ ○ 43 ○ ○ × 7 ○ ○ ○ 43 ○ ○ ○ 8 × × ○ 20 × × ○ 9 × △ ○ 25 × × ○ 第2表の結果より、実施例の複合材から製造したチタン
クラッド鋼板は、高温での熱間圧延にも拘わらず、捨て
材によりチタンの酸化が防止されて均一で美麗な外観を
有していた。又、炭化物の生成もなく、接合強度が大き
く、特に、製造例6及び7にあっては、非接合部が全く
形成されなく、接合強度が非常に大きなものとなってい
る。又、製造例4、5並びに製造例6、7から明らかな
ように熱間圧延温度が高い程接合強度が大きくなる傾向
にある。このように本発明の実施例の鋼材から製造した
チタンクラッド鋼板にあっては、全ての品質に優れ、屋
根材、壁材等の外装材として好適に採用できることが判
る。
【0028】これに対して、比較例の鋼材から製造した
チタンクラッド鋼板にあっては、チタン表面に荒れが認
められた。これは、高温での熱間圧延により生成した酸
化膜が原因であり、特に、製造例8及び9にあっては、
酸化膜が冷間圧延により破砕され、チタン表面に無数の
疵を形成させていた。又、これら製造例のものにあって
は、非接合部が存在し、従って、剪断強度が低く、曲げ
試験及び浸漬試験において剥離がみられたのは、熱間圧
延時に生成する酸化膜は硬いが不均一なため圧延荷重が
接合界面に伝達されにくいためであると考えられる。
又、この酸化膜の生成により、第1表から明らかなよう
に製品厚が実施例の複合材から製造したものよりも小さ
くなり、チタンが損失してしまっていることが判る。
チタンクラッド鋼板にあっては、チタン表面に荒れが認
められた。これは、高温での熱間圧延により生成した酸
化膜が原因であり、特に、製造例8及び9にあっては、
酸化膜が冷間圧延により破砕され、チタン表面に無数の
疵を形成させていた。又、これら製造例のものにあって
は、非接合部が存在し、従って、剪断強度が低く、曲げ
試験及び浸漬試験において剥離がみられたのは、熱間圧
延時に生成する酸化膜は硬いが不均一なため圧延荷重が
接合界面に伝達されにくいためであると考えられる。
又、この酸化膜の生成により、第1表から明らかなよう
に製品厚が実施例の複合材から製造したものよりも小さ
くなり、チタンが損失してしまっていることが判る。
【0029】
【発明の効果】本発明にあっては、爆着法により合わせ
材と母材の接合界面が冷間で瞬時に形成されるので、炭
化物や窒化物あるいは層状のTi−Fe系金属化合物が
形成されず、清浄な境界を有し、接合強度が大きくな
る。又、爆着スラブは界面近傍部の硬度分布がなだらか
なので、圧延時の界面剥離や形状不良に心配がなく、品
質的に優れた特性を確保できる。又、爆着スラブ界面に
は金属間化合物がなく、冶金的に密着した組織であり、
しかもスラブのチタン層側に捨て材を接合させているの
で、熱間圧延するに際してチタンが捨て材により保護さ
れ、真空中や減圧下で圧延する必要がなく、大気中で熱
間圧延が可能で、装置的、経済的に負担が小さくてすむ
だけでなく、熱間圧延の温度条件を変形抵抗の小さい高
温に設定でき、高圧下率を採用でき、電力費、ロール寿
命及びエネルギーの損失がなく、しかも、酸化や酸素に
よる硬化に伴うチタンの損失がなくコスト面で極めて有
利となる。
材と母材の接合界面が冷間で瞬時に形成されるので、炭
化物や窒化物あるいは層状のTi−Fe系金属化合物が
形成されず、清浄な境界を有し、接合強度が大きくな
る。又、爆着スラブは界面近傍部の硬度分布がなだらか
なので、圧延時の界面剥離や形状不良に心配がなく、品
質的に優れた特性を確保できる。又、爆着スラブ界面に
は金属間化合物がなく、冶金的に密着した組織であり、
しかもスラブのチタン層側に捨て材を接合させているの
で、熱間圧延するに際してチタンが捨て材により保護さ
れ、真空中や減圧下で圧延する必要がなく、大気中で熱
間圧延が可能で、装置的、経済的に負担が小さくてすむ
だけでなく、熱間圧延の温度条件を変形抵抗の小さい高
温に設定でき、高圧下率を採用でき、電力費、ロール寿
命及びエネルギーの損失がなく、しかも、酸化や酸素に
よる硬化に伴うチタンの損失がなくコスト面で極めて有
利となる。
Claims (3)
- 【請求項1】合わせ材であるチタンと母材である普通鋼
とを爆着法により接合したチタンクラッド普通鋼スラブ
のチタン層側に捨て材を接合させて成ることを特徴とす
るチタンクラッド鋼材。 - 【請求項2】普通鋼とチタン層の間に中間材層を介在さ
せて成ることを特徴とする請求項1記載のチタンクラッ
ド鋼材。 - 【請求項3】捨て材が普通鋼であることを特徴とする請
求項1又は2記載のチタンクラッド鋼材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16805893A JPH0716766A (ja) | 1993-07-07 | 1993-07-07 | チタンクラッド鋼材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16805893A JPH0716766A (ja) | 1993-07-07 | 1993-07-07 | チタンクラッド鋼材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0716766A true JPH0716766A (ja) | 1995-01-20 |
Family
ID=15861051
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16805893A Withdrawn JPH0716766A (ja) | 1993-07-07 | 1993-07-07 | チタンクラッド鋼材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0716766A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010123402A1 (ru) * | 2009-04-21 | 2010-10-28 | Закрытое Акционерное Общество "Завод Нестандартного Оборудования" | Способ изготовления плакированного металлического листа и биметаллическая заготовка |
-
1993
- 1993-07-07 JP JP16805893A patent/JPH0716766A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010123402A1 (ru) * | 2009-04-21 | 2010-10-28 | Закрытое Акционерное Общество "Завод Нестандартного Оборудования" | Способ изготовления плакированного металлического листа и биметаллическая заготовка |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20001003 |