JPH07224217A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物Info
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- JPH07224217A JPH07224217A JP1528894A JP1528894A JPH07224217A JP H07224217 A JPH07224217 A JP H07224217A JP 1528894 A JP1528894 A JP 1528894A JP 1528894 A JP1528894 A JP 1528894A JP H07224217 A JPH07224217 A JP H07224217A
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Abstract
付与した樹脂組成物であって、特に耐熱性、耐衝撃性お
よび優れた熱安定性と帯電防止性を有する芳香族ポリカ
ーボネート樹脂組成物を提供する。 【構成】 (a)芳香族ポリカーボネート樹脂50〜95重
量部、(b)ブロックコポリアミド樹脂2〜40重量部
(c)ポリエステル樹脂2〜50重量部および(d)ス
ピロ環を有する含燐化合物を配合した樹脂組成物であっ
て、(a),(b)および(c)成分の合計100重量
に対して(a)成分を0.01〜1重量部添加した樹脂
組成物。 【効果】 耐熱性、耐衝撃性および優れた熱安定性と帯
電防止性を付与する樹脂組成物であり、電気・電子部
品、自動車部品、機械部品、建築部品、家庭雑貨など幅
広い分野で使用できる。
Description
物に関するものである。本発明の樹脂組成物は優れた耐
熱性、耐衝撃性を有し、さらに優れた熱安定性と帯電防
止性を有する樹脂組成物に関するものであり、永久帯電
防止性を有するため、特に帯電防止性の耐久性を要求さ
れる電気電子機器あるいは、精密機械分野への利用が可
能である。
く、摩擦あるいは磨耗等により容易に帯電し、ごみや埃
を吸着し外観を損ねる。さらに、電気・電子分野では帯
電性に起因するトラブルがしばしば発生し、永久的な帯
電防止性にすぐれた新な材料が要求されている。
する手段として、さまざまな検討が試みられ、一般には
界面活性剤系の帯電防止剤を成形品に塗布したり、ある
いは樹脂材料に帯電防止剤を練り込むことにより成形品
に帯電防止性を付与する方法がある。
間の使用により表面層の帯電防止剤が除かれ帯電防止性
が失われる欠点があった。さらに、摩擦摩耗等によって
も、帯電防止性が失われる欠点があった。
ート樹脂組成物として例えば、ポリエーテルエステル単
位が95〜10重量%であるポリエーテルエステルアミ
ドとポリカーボネート樹脂とからなる樹脂組成物が知ら
れている(特開昭62−623252)。またポリエー
テルエステル単位が90〜10重量%であるポリエーテ
ルエステルアミド、ポリカーボネート樹脂および芳香族
ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体、シ
アン化ビニル単量体およびビスマレイミド系単量体から
選ばれたビニル系単量体の重合体およびゴム質重合体か
らなる樹脂組成物(特開平1−163252)などが知
られている。
る樹脂組成物において帯電防止性はある程度改良される
もののポリカーボネート樹脂成形品の外観不良を起こし
たりすることがあり、未だ十分とはいえない。本発明は
これらの事情に鑑み、帯電性に優れ、特に長期間の使用
においても優れた制電性を維持し、成形品の外観不良の
発生がないポリカーボネート樹脂組成物を提供するもの
である。
に鑑み、種々研究を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂
にブロックコポリアミド樹脂を配合することにより、帯
電防止性の耐久性の改善された材料が可能になり、さら
に、特定の構造を有する燐化合物を配合することにより
熱安定性が向上し、その上芳香族ポリエステルを配合す
ることにより、成形品の外観を改善できることを見いだ
した。
ーボネート樹脂 50〜95重量部、(b)ブロックコ
ポリアミド樹脂を2〜40重量部に(c)ポリエステル
樹脂2〜50重量部および(d)スピロ環構造を有する
含燐化合物を配合してなり、(a)、(b)および
(c)成分の合計100重量部に対し(d)を0.01
〜1重量部添加してなる熱可塑性樹脂組成物に関するも
のである。
ドブロックとポリエーテルブロックおよび/またはポリ
エーテルブロックとから構成され、これらのブロックが
エステル結合またはエステルアミド結合により結合され
たブロックコポリアミド樹脂を使用し、さらにポリエス
テル樹脂を配合することにより帯電防止性の発現を促
し、他の離型剤あるいは摺動性改良剤を添加しても目的
の制電性を損なわず、しかもパール光沢、剥離現象等の
外観不良の現象を改良した。その上スピロ環構造を有す
る含燐化合物を添加することにより従来のものに比べ大
幅に熱安定性を改良したものである。
ポリエステルを主体とする成形材料の耐衝撃性を改良す
る方法として、芳香族ポリエステル(A)、芳香族ポリ
カーボネート樹脂(B)からなり、(A)と(B)との
合計100重量部に対してブロックコポリアミドエラス
トマーを2〜80重量部配合した樹脂組成物が知られて
いる。しかしながら、この発明においては帯電防止性の
問題に関しては何ら考慮されておらず何らの記載もな
い。しかも本発明における必須成分の一つであるスピロ
環構造を有する含燐化合物を配合することについては何
ら記載されていない。
の芳香族ポリカーボネート樹脂とは、芳香族ジヒドロキ
シ又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物をホスゲンま
たは炭酸のジエステルと反応させる事によって作られる
分岐していてもよい熱可塑性ポリカーボネート重合体で
ある。
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビス
フェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジメチルフェニル)プロパン(=テトラメチルビス
フェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジブロモフェニル)プロパン(=テトラブロムビス
フェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジクロロフェニル)プロパン(=テトラクロロビス
フェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−P−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾ
ルシノール、4,4−ジヒドロキシジフェニルなどであ
り、特に、ビスフェノールAが好ましい。
脂を得るには、フロログルシン、4,6−ジメチル−
2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン
−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒド
ロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,
4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニルヘプテン−3、
1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼ
ン、 1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エ
タンなどで示されるポリヒドロキシ化合物、及び3,3
−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール
(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチンビ
スフェノール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノー
ル、5−ブロムイサチンビスフェノールなどのポリヒド
ロキシ化合物を前記ジヒドロキシ化合物の一部、例えば
0.1〜2モル%を使用する。
ドロキシ化合物はmー及p−メチルフェノール、m−及
びp−プロピルフェノール、p−ブロムフェノール、p
−tert−ブチルフェノール及びp−長鎖アルキル置
換フェノールなどが使用される。
25℃におけるメチレンクロライド溶液粘度より換算し
た粘度平均分子量で16000〜30000、好ましく
は17500〜23000の範囲のものが用いられる。
これらはポリエステル樹脂の添加量あるいは分子量によ
りさらに最適な分子量のものが適宜選択される。
的には、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系ジ
ヒドロキシ化合物、特にビスフェノールAを主原料とす
るポリカーボネートが挙げられさらにテトラブロムビス
フェノールA等のハロゲンを含むビスフェノールを使用
することができ、2種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物
を併用して得られるポリカーボネート共重合体、3価以
上のポリヒドロキシ化合物を少量併用して得られる分岐
化ポリカーボネートも挙げることができる。芳香族ポリ
カーボネート樹脂は2種以上の混合物であってもよい。
脂は、通常エンジニアリングプラスチックとして知られ
ているものが用いられる。 なかでも、テレフタル酸ま
たはそのジアルキルエステルと脂肪族グリコール類との
重縮合反応によって得られるポリアルキレンテレフタレ
ート又はこれを主体とした共重合体が好ましく用いられ
る。 このようなポリエステル樹脂としては、例えばポ
リエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテ
レフタレート(PBT)等が好ましく用いられる。
エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメ
チレングリコール、ヘキサメチレングリコール等が用い
られる。これら脂肪族グリコール類は、例えばシクロヘ
キサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、キシレ
ングリコール、2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の
他のジオール類や多価アルコール類と併用することがで
きる。これらジオール類又は多価アルコール類の使用量
は、脂肪族グリコール100重量部に対して40重量部
以下の範囲であることが望ましい。
は、テレフタル酸又はそのジアルキルエステルと共に、
フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジ
フェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリ
メリット酸やそれらのジアルキルエステル等の二塩基
酸、三塩基酸等や、またそれらのジアルキルエステルを
使用することができる。その使用量は、テレフタル酸又
はそのジアルキルエステル100重量部に対して40重
量部以下の範囲であることが好ましい。
脂の数平均分子量としては、20000〜60000の
範囲のものが使用され、さらに25000〜52000
の範囲のものが好適である。
は、ポリアミドブロックとホリエーテルブロックおよび
/またはポリエステルブロックからなり、ポリアミドブ
ロックとポリエーテルブロックおよび/またはポリエス
テルブロックとはエステル結合あるいはエステルアミド
結合を形成される。
は、一般的にポリエーテルエステルアミド樹脂と呼ばれ
ているものを含み、ポリエーテルエステルアミド樹脂は
(a)炭素原子数6以上のアミノカルボン酸またはラク
タム、もしくは炭素原子数6以上のジアミンとジカルボ
ン酸の塩のポリアミドブロックと、(b)数平均分子量
200〜6000のポリ(アルキレンオキシド)グリコールの
ポリエーテルブロックおよび(c)炭素数4〜20のジ
カルボン酸とから構成される樹脂である。
の構成成分であるアミドブロックを構成する(a)炭素
原子数6以上のアミノカルボン酸またはラクタムもしく
は炭素原子数6以上のジアミンおよびジカルボン酸の塩
としては、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント
酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω
−アミノカプリン酸及び11−アミノウンデカン酸、1
2−アミノドデカン酸などのアミノカルボン酸;カプロ
ラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタムおよび
ラウロラクタムなどのラクタム;およびヘキサメチレン
ジアミン−アジピン酸塩、ヘキサメチレンジアミン−セ
バシン酸塩及びヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸
塩などのジアミン−ジカルボン酸の塩が用いられ、特に
カプロラクタム、12−アミノドデカン酸、ヘキサメチ
レンジアミン−アジピン酸塩が好ましく用いられる。
であるエーテルブロックを構成する(b)ポリ(アルキ
レンオキシド)グリコールとしては、ポリエチレングリ
コール、ポリ(1、2−プロピレンオキシド)グリコー
ル、ポリ(1、3−プロピレンオキシド)グリコール、
ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘ
キサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシド
とプロピレンオキシドのブロックまたはランダム共重合
体およびエチレンオキシドとテトラヒドロフランのブロ
ックまたはランダム共重合体などが用いられる。
ポリエチレングリコールが好ましく用いられる。ポリ
(アルキレンオキシド)グリコールの数平均分子量は20
0 〜6000、特に250 〜4000の範囲で用いられ、数平均分
子量が200 未満では得られるブロックコポリアミドの機
械的強度が劣り、数平均分子量が6000を越える場合は、
帯電防止が不足する為好ましくない。
分である(c)炭素原子数4〜20のジカルボン酸として
はテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン
−2、6−ジカルボン酸、ナフタレン−2、7−ジカル
ボン酸、ジフェニル−4、4−ジカルボン酸、ジフェノ
キシエタンジカルボン酸および3−スルホイソフタル酸
ナトリウムのごとき芳香族ジカルボン酸、1、4−シク
ロヘキサンジカルボン酸、1、2−シクロヘキサンジカ
ルボン酸およびジシクロヘキシル−4、4−ジカルボン
酸のごとき脂環族ジカルボン酸およびコハク酸、シュウ
酸、アジピン酸、セバシン酸およびドデカンジ酸(デカ
ンジカルボン酸)のごとき脂肪族ジカルボン酸などが挙
げられ、特にテレフタル酸、イソフタル酸、1、4−シ
クロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸お
よびドデカンジ酸が重合性、色調および物性の点から好
ましく用いられる。上記(b)成分のポリ(アルキレン
オキシド)グリコールおよび(c)成分のジカルボン酸
は通常1:1のモル比で反応に供される。
ポリアミド樹脂は、成形品における帯電防止性を付与す
る観点から選択的に成形品の表面層に偏在させることが
重要である。このためには、使用されるブロックコポリ
アミド樹脂を構成する各セグメントの長さおよび分子量
が特定範囲のものが選択される。
成成分であるポリアミドブロック単位とポリエーテルブ
ロックおよび/またはポリエステルブロック単位との構
成比は、ホリエーテルブロックおよび/またはポリエス
テルプロック単位が、95〜10重量%の範囲で構成さ
れている。ポリエーテルブロックおよび/またはポリエ
ステルブロック単位が95重量%を越える場合は、成形
品表層部にブロックコポリアミド樹脂を偏在させ得る
が、表面硬度が低く傷つき易く、機械的強度も低い。一
方、10重量部未満では帯電防止効果が不十分である。
帯電防止効果を満足させるに必要な量のブロックコポリ
アミド樹脂を添加すると耐熱性、機械的強度が著しく低
下する。
量として50000〜200000、さらには7000
0〜120000の範囲のものが好ましい。このブロッ
クコポリアミド樹脂の分子量が50000よりも低い場
合は、ブロックコポリアミド樹脂の分散性が十分でなく
成形条件などにより成形品の帯電防止性に影響を与える
などの問題が生ずる可能性があり好ましくない。一方2
00000を越えるような高い分子量のものの場合は、
ブロックコポリアミド樹脂を成形品の表層部に偏在させ
ることが困難になり結果として帯電防止性が不十分とな
る。本発明の樹脂組成物において溶融時における芳香族
ポリカーボネート樹脂およびポリエステル樹脂ならびに
ブロックコポリアミド樹脂のそれぞれの溶融粘度差を少
なくするために各々の分子量、組成比等を適宜選択する
ことにより過酷な条件下においても剥離現象がなくより
安定した帯電防止性を示す成形品とすることができる。
しては特に限定されず、例えば(A)(a)アミノカル
ボン酸またはラクタムと(c)ジカルボン酸を反応させ
て両末端がカルボン酸基のポリアミドプレポリマーを作
り、これに(b)ポリ(アルキレンオキシド)グリコー
ルを真空下に反応させる方法、(B)(a)、(b)お
よび(c)の各反応成分を反応槽に仕込み、水の存在下
または非存在下に高温で加圧反応させることにより、カ
ルボン酸末端のポリアミドプレポリマーを生成させ、そ
の後常圧または減圧下に重合を進める方法及び(C)前
記(a)、(b)および(c)の各反応成分を同時に反
応槽に仕込み溶融混合した後高真空下で一挙に重合を進
める方法等の公知の方法を用いることができる。
200℃以上の温度になり酸化劣化や着色を起こす、それ
らを抑制する目的で一般的にフェノール系安定剤が添加
される。本発明おいては、このような安定剤を含有する
ブロックコポリアミド樹脂が好適に使用される。市販品
は通常安定剤を含有するが安定剤を含有しない場合には
フェノール系安定剤を適宜添加して使用するのが好まし
い。
で示されるスピロ環構造を有する含燐化合物が添加され
る。このような特定の化合物を添加することにより熱安
定性がさらに向上する。 (以下余白)
物としては、例えば、旭電化工業(株)の商品名「アデ
カスタブ PEP-36」あるいは、「アデカスタブPEP-24
G」等が挙げられる。このような化合物は、芳香族ポリ
カーボネート樹脂とポリエステル樹脂とのエステル交換
反応に伴う芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量低下を
抑制する効果がある安定剤として知られているものであ
るが、本発明においては、ブロックコポリアミド樹脂と
併用することにより、樹脂組成物の熱安定性をより向上
することができるとともに、耐衝撃性改良剤を添加した
場合でも成形時の耐熱安定性を損なうことがない。
良剤が使用されるが、この耐衝撃性改良剤としては、例
えばポリエテスル系エラストマー、MBS樹脂、MAS
樹脂、アクリル酸エステル系コア−シェルグラフト共重
合体、スチレン系コア−シェルグラフト共重合体、SB
R、SEBS、ポリウレタン系エラストマーなどが例示
される。これらのうち、樹脂成分である芳香族ポリカー
ボネート樹脂、ポリエステル樹脂およびポリアミド樹脂
等との相溶性、耐熱性等々の点から、アクリル酸エステ
ル系コアーシェルグラフト共重合体が特に好適に使用さ
れ、例えば特開平5−222140に記載のアクリル酸
エステル系コアーシェルグラフト共重合体が好適に用い
られる。このアクリル酸エステル系コアーシェルグラフ
ト共重合体は成形品のパール光沢等の外観不良の改善に
卓越した効果をもたらす。本発明において耐衝撃性改良
剤の使用量は、(a),(b),(c)成分の合計10
0重量部に対して1〜30重量部で、より好ましくは3
〜10重量部である。
リカーボネート樹脂50〜95重量部、プロックコポリ
アミド樹脂2〜40重量部およびポリエステル樹脂2〜
50重量部が使用される。(a)芳香族ポリカーボネー
ト樹脂は50〜95重量部の範囲で使用され、95重量
部を越える場合は樹脂組成物の帯電防止性が不足し、5
0重量部未満では耐熱性が劣り好ましくない。
0重量部の範囲で使用され、2重量部未満では帯電防止
性が不足し、40重量部を越えると樹脂組成物が柔軟に
なり過ぎ、機械的強度が劣り好ましくない。
で使用され、2重量部未満では剥離現象の改良効果が不
十分であり、50重量部を越えると耐熱性が不足し好ま
しくない。
は、特に制限は無く、例えば(1)芳香族ポリカーボネ
ート樹脂、ブロックコポリアミド樹脂およびポリエステ
ル樹脂を一括して溶融混練する方法、(2)芳香族ポリ
カーボネート樹脂とブロックコポリアミド樹脂あるいは
芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂をあら
かじめ溶融混練した後、ポリエステル樹脂あるいはブロ
ックコポリアミド樹脂を加えて溶融混練する方法があ
る。
て紫外線吸収剤等の各種安定剤や顔料、染料、滑剤、難
燃剤、離型剤、摺動性改良剤等の添加剤、さらにはガラ
ス繊維、ガラスフレーク、炭素繊維等の強化材あるいは
チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム等のウィスカー
を添加することができる。さらに、本発明の樹脂組成物
は、離型剤あるいは摺動性改良剤等の表面特性の改良剤
を併用しても、目的とする帯電防止効果の低下をきたさ
ない。
して帯電相対値および帯電半減期を調べた。帯電半減期
(以下単に半減期ということあり)は下記の方法により
測定されるが、半減期が短いほど帯電防止性が良好であ
るということができる。帯電防止性の一つの目安として
半減期は60秒以内であることが望ましく、30秒以内
にあることがより望ましい。特に電子、電機分野におい
ては半減期が60秒を越えるような場合にはエラー等が
発生し易くなり好ましくない。
明する。なお、物性評価は以下により行った。
E METER (ADVANTEST製) を使用し測定した。
板成形品を用い、帯電相対値及び帯電半減期について調
べた。帯電相対値及び半減期は、スタティックオネスト
メータを使用し、印荷電圧7KV、印荷時間30秒の条
件で行った。ここで、帯電相対値とは、試料に印荷電圧
を一定時間かけた時の帯電量を表し、半減期とは、印荷
電圧を切った後、相対値が半減するまでの時間を表した
もので、いずれも小さい値になるにつれて、帯電防止性
が良好である。
じ、高荷重の条件で測定を行った。
「ユーピロンE-2000」、以下単に「E-2000」という) 85
重量部に対し、ポリエチレンテレフタレート(PET)
(三菱レイヨン製、商品名「ダイヤペットPA−20
0」、以下単に「PA-200」という) を5重量部添加し、
ブロックコポリアミド (東レ製、商品名「PAS−40
T」安定剤含有)10重量部、およびスピロ環構造を有す
る含燐化合物として、旭電化工業製、商品名「アデカス
タブPEP-36」(以下単に「PEP-36」という) を0.1重量
部添加し、タンブラーで20分ブレンドした後、二軸押
出機で、シリンダー温度260 ℃で押出しペレット化し
た。このペレットを120 ℃で5時間乾燥後、射出成形機
により、シリンダー温度260 ℃で試験片を成形し、物性
評価を行った。その結果を表ー1に示す。
を80重量部とし、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)PA-200を10重量部、ブロックコポリアミド樹脂(PA
S-40T )10重量部、さらにPEP-36を 0.1重量部添加し実
施例1と同様の方法でペレット化し、試験片を作製し、
物性評価を行った。その結果を表−1に示す。
ケム製安定剤イルガノックス1010添加系)10重量部添加
し、実施例1と同様の方法でペレット化し、試験片を作
製し、物性評価を行った。その結果を表−1に示す。
0)10重量部、PAS-40T 30重量部に、PEP-36を 0.1重量
部を添加し実施例1と同様の方法でペレット化し、試験
片を作製し、物性評価を行った。その結果を表−1に示
す。
0)40重量部、PAS-40T 10重量部に、PEP-36 0.1重量部
を添加して実施例1と同様の方法により得たペレットを
使用して試験片を作製し物性評価を行った結果を表−1
に示す。
0)10重量部、PAS-40T 10重量部、アクリル酸系コア/
シェルエラストマー MG-1011(武田薬品工業製 商品名
「スタフィロイド」を5重量部およびPEP-36を 0.1重量
部添加した樹脂組成物を使用し実施例1と同様の方法で
ペレット化し、試験片を作製し、物性評価を行った結果
を表−2に示す。
-1011を10重量部に変更した以外は実施例6と同様にし
た。物性評価を行った結果を表−2に示す。
て旭電化工業製、商品名「アデカスタブPEP-24G 」(旭
電化工業(株)製、以下単に「PEP-24G 」という) を使
用した以外は実施例6と同様に行った。物性評価を表−
2に示す。
成物を使用する以外は、実施例1と同様に行った。評価
結果を表−2に示す。 実施例2と比較すると、半減期
が上昇し、荷重撓み温度の低下、アイゾット衝撃強度の
低下が認められる。外観についてもシルバーストリーク
(銀条)が認められた。
ス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル) ホスファイト) に変
更した以外は実施例2と同様に行った。評価結果を表−
2に示す。実施例2と比較すると、半減期が上昇し、荷
重撓み温度の低下、アイゾット衝撃強度の低下が認めら
れた。
10重量部、PEP-36 0.1重量部を添加し、ポリエステル樹
脂を使用せず、実施例1と同様に行った。その評価結果
を表−2に示す。実施例2と比較すると、半減期が上昇
し、パール光沢が認められた。
ロック/ポリエチレングリコール(数平均分子量100
0)=50/50)の合成 実施例9 カプロラクタム500部(重量部)、数平均分子量10
00のポリエチレングリコール450部(重量部)およ
びテレフタル酸74.7部(重量部)を、N,N' −ヘ
キサメチレンビス(3,5−ジ−tert. −ブチル−4−
ヒドロキシ−ヒドロキシシンナミド)(チバガイギー社
製商品名「イルガノックス1098」)5部(重量部)
と共にヘリカルリボン攪拌翼を備えた重合装置に仕込
み、窒素雰囲気下、260℃で1時間攪拌した後、三酸
化アンチモンを1.0部(重量部)添加した。その後、
減圧下で3時間反応させブロックコポリアミド樹脂を得
た。(A−1という)表−3に示した組成で配合し、実
施例1と同様の方法によりペレット化し、試験片を作製
し物性評価を行った結果を表−3に示す。
ロック/ポリエチレングリコール(数平均分子量400
0)=50/50)の合成 実施例10 数平均分子量4000のポリエチレングリコール484
部(重量部)、テレフタル酸20部(重量部)とした以
外は実施例8と同様にしてブロックコポリアミド樹脂を
得た(A−2という)。表−3に示した組成で配合し、
実施例1と同様の方法によりペレット化し、試験片を作
製し物性評価を行った結果を表−3に示す。
ロック/ポリエチレングリコール(数平均分子量100
0)=95/5)の合成 比較例4 カプロラクタム950部(重量部)、数平均分子量10
00のポリエチレングリコール44.3部(重量部)お
よびテレフタル酸7.3部(重量部)とした以外は実施
例8と同様にしてブロックコポリアミド樹脂を得た(A
−3という)。表−3に示した組成で配合し、実施例1
と同様の方法によりペレット化し、試験片を作製し物性
評価を行った結果を表−3に示す。
ーボネート「H−3000」(三菱ガス化学製、商品名
「ユーピロンH−3000」)とした以外は実施例6と
同様にして物性評価を行った結果を表−4に示す。
ル「PA−500」((三菱レイヨン製、商品名「ダイ
ヤペットPA−500」)とした以外は実施例6と同様
にして物性評価を行った結果を表−4に示す。
ート樹脂の永久帯電防止材料として、熱安定性、耐熱
性、帯電防止性の持続性について良好であり、多くの用
途に使用が可能である。
Claims (7)
- 【請求項1】 (a)芳香族ポリカーボネート樹脂 5
0〜95重量部、(b)ブロックコポリアミド樹脂を2
〜40重量部に(c)ポリエステル樹脂2〜50重量部
および(d)スピロ環構造を有する含燐化合物を配合し
てなり、(a)、(b)および(c)成分の合計100
重量部に対し(d)を0.01〜1重量部添加してなる
熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項2】 (a)芳香族ポリカーボネート樹脂 5
0〜95重量部、(b)ブロックコポリアミド樹脂を2
〜40重量部に(c)ポリエステル樹脂2〜50重量部
及び、(d)スピロ環構造を有する含燐化合物を配合し
てなり(a)、(b)および(c)成分の合計100重
量部に対し(d)を0.01〜1重量部および衝撃改良
剤を1〜30重量部添加してなる熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項3】 前記ブロックコポリアミド樹脂がポリア
ミドブロックとポリエーテルブロックおよび/またはポ
リエステルブロックから構成されたものである請求項1
または2記載の樹脂組成物。 - 【請求項4】 スピロ環構造を有する含燐化合物(d)
が、下記の構造を有する化合物である請求項1または2
記載の樹脂組成物。 【化1】 - 【請求項5】 芳香族ポリカーボネート樹脂が、2、2
ービス(4ーヒドロキシフェニル)プロパンから誘導さ
れたポリカーボネート樹脂、または2、2ービス(4ー
ヒドロキシフェニル)プロパンと他のジヒドロキシ化合
物とのポリカーボネート共重合体である請求項1または
2記載の樹脂組成物。 - 【請求項6】 ポリエステル樹脂が、(A)テレフタル
酸、イソフタル酸、あるいはそのエステル形成性誘導体
と、エチレングリコール、1、4ーブタンジオール、あ
るいはそのエステル形成性誘導体とより得られる重合体
及び共重合体より選ばれたものである請求項1または2
記載の樹脂組成物。 - 【請求項7】 ブロックコポリアミド樹脂が、a)炭素
原子数6以上のアミノカルボン酸またはラクタム、もし
くは炭素原子数6以上のジアミンとジカルボン酸の塩の
ポリアミドブロックと、b)数平均分子量200〜6000の
ポリ(アルキレンオキシド)グリコールのポリエーテル
ブロック、およびc)炭素数4〜20のジカルボン酸と
から構成されてなるポリアミドである請求項1または2
記載の樹脂組成物
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JP01528894A JP3332056B2 (ja) | 1994-02-09 | 1994-02-09 | 熱可塑性樹脂組成物 |
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JPH07224217A true JPH07224217A (ja) | 1995-08-22 |
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JP2003105187A (ja) * | 2001-09-27 | 2003-04-09 | Mitsubishi Engineering Plastics Corp | ポリカーボネート樹脂組成物 |
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- 1994-02-09 JP JP01528894A patent/JP3332056B2/ja not_active Expired - Lifetime
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