JPH07223945A - 骨疾患治療剤 - Google Patents

骨疾患治療剤

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JPH07223945A
JPH07223945A JP6037586A JP3758694A JPH07223945A JP H07223945 A JPH07223945 A JP H07223945A JP 6037586 A JP6037586 A JP 6037586A JP 3758694 A JP3758694 A JP 3758694A JP H07223945 A JPH07223945 A JP H07223945A
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JP
Japan
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bone
reveromycin
test
diseases
fracture
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Application number
JP6037586A
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English (en)
Inventor
Hideyori Tsuda
英資 津田
Shinichi Mochizuki
伸一 望月
Hidetoshi Takahashi
英俊 高橋
Kanji Too
侃二 東尾
Masaji Ise
正司 井瀬
Makoto Yoshihama
誠 吉浜
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Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、一般式(I) 【化1】 (式中R1 及びR2 は水素又はアルキル基を表す。)で
表されるリベロマイシン類またはその塩を有効成分とし
て含有することを特徴とする骨疾患治療剤。 【効果】 骨芽細胞に対し顕著な分化及び石灰化促進活
性を有しており、また破骨細胞に対し、顕著な分化・成
熟抑制活性を有している。骨粗鬆症、高カルシウム血症
等の治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた骨形成促進及び骨
吸収抑制作用を有する骨疾患治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】骨多孔症や骨粗鬆症等は、骨の石灰質と
骨基質とがともに減少することを特徴としている。これ
らの疾患は骨の疼痛を発生し、骨の脆弱化による骨折の
原因となることが知られており、現在、これらの疾患は
高齢人口の増加に伴い社会問題化している。人の骨は絶
えず吸収と再形成を繰り返しており、これらの疾患は骨
組織において、骨芽細胞による骨形成を破骨細胞による
骨吸収が上回ることにより骨組織が脆くなり発生する疾
患であると言われている。又、物理的骨折や疲労骨折等
は骨折部位の修正を行い、修正後は患者自身の治癒力に
任せるといった治療がされているのが現状である。
【0003】現在これらの骨に関わる疾患の治療剤及び
治療期間の短縮を図るものとして臨床では活性型ビタミ
ンD3 、カルシトニン及びその誘導体やエストラジオー
ル等のホルモン製剤、イプリフラボン、カルシウム製剤
等が投与されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらを用い
た治療法には経口投与を行うことができない、或いは効
果の不確実性等の改善されるべき問題があり、これらに
代わる新しい治療剤の開発が望まれていた。本発明は新
規な骨疾患治療剤を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況に鑑み鋭意研究の結果、抗腫瘍剤及び抗菌剤とし
て開発されたリベロマイシン類(特開平4−49296
号及び特開平5−194525号)のうち、特定の化合
物に骨形成促進及び骨吸収抑制作用があることを見出し
た。本発明は、特定のリベロマイシン類に、(1)骨芽
細胞の分化促進及び分化促進による骨の石灰化促進作
用、及び(2)破骨細胞の分化抑制作用があることを見
出し、この化合物を骨疾患治療剤として使用することを
可能とした。
【0006】本発明の骨疾患治療剤は骨芽細胞分化促
進、骨芽細胞分化促進による石灰化の促進、及び破骨細
胞分化抑制作用を有し、ヒト及び動物に対する骨疾患治
療剤として使用される。本発明製剤は骨量減少等の内因
性骨疾患及び物理的骨折等の外因性骨疾患の治療及び治
療期間の短縮を適用とし、具体的には骨粗鬆症、高カル
シウム血症、骨ページェット病、外傷性骨折、疲労骨
折、骨多孔症、骨軟化症、栄養障害、悪性腫瘍、その他
疾病が原因による骨組織の脆弱化及び骨折等の治療及び
治療期間の短縮に用いられる。
【0007】本発明で使用されるリベロマイシン類は下
記一般式(I)
【0008】
【化2】 (式中、R1 及びR2 は水素又はアルキル基を表す。)
で表される化合物及びその生理学的に許され得る塩より
なる。生理学的に許容される塩として、ナトリウム及び
カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム及びカルシ
ウム等のアルカリ土類金属塩、アルミニウムその他の金
属、及びアルキルアミン塩、ピリジン塩等の有機アミン
塩等が挙げられる。
【0009】一般式(I)で表されるリベロマイシン類
の、側鎖R1 及びR2 は水素またはアルキル基を示す。
アルキル基としては、特に炭素数1〜4のアルキル基が
好ましく、このようなアルキル基としてはメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、三級ブチル基が挙げられる。リベロ
マイシン類は、一般式(I)で表される構造中に持つ側
鎖R1 及びR2 に入る水素又はアルキル基により、リベ
ロマイシンA、C、D、及びこれらとはスピロ環部分の
構造が異なるリベロマイシンBとに分けられる。以下に
これらの構造を示す。
【0010】
【化3】
【0011】
【化4】
【0012】
【化5】
【0013】
【化6】
【0014】本発明において上記一般式(I)に包含さ
れるリベロマイシン類にリベロマイシンA,C及びDを
挙げることができる。
【0015】これらのリベロマイシン類の製造法は公知
方法及びそれに準ずる方法、例えば特開平4−4929
6又は特開平5−194525号公報、及びジャーナル
・オブ・アンチバイオティクス(Journal of Antibioti
cs ;45巻、9号、1409−1413頁、1992年
発行)に記載されているリベロマイシン類生産菌を培養
する方法により製造することができる。
【0016】本発明で用いられる骨疾患治療剤は、ヒト
及び動物に対し、医薬として経口的及び非経口的に安全
に投与される。非経口的投与には、例えば静脈注射、筋
肉内注射、皮下注射、腹腔内注射、経皮投与、経肺投
与、経鼻投与、経腸投与、口腔内投与、経粘膜投与等が
挙げられ、これらの製剤が投与される。例えば注射剤、
坐剤、エアゾール剤、経皮吸収テープなどが挙げられ
る。又、経口投与製剤として例えば錠剤(糖衣錠、コー
ティング錠、バッカル錠を含む)、散剤、カプセル剤
(ソフトカプセルを含む)、顆粒剤(コーティングした
物も含む)、丸剤、トローチ剤、液剤、又はこれらの製
剤学的に許容され得る徐放化製剤等が挙げられる。経口
投与用液剤には懸濁剤、乳剤、シロップ剤(ドライシロ
ップを含む)、エリキシル剤などが挙げられる。これら
の製剤は公知の製剤学的製法に準じ、製剤として薬理学
的に許容され得る担体、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、着色
剤等と共に医薬組成物として投与される。これらの製剤
に用いる担体や賦形剤としては、例えば乳糖、ブドウ
糖、白糖、マンニトール、馬鈴薯デンプン、トウモロコ
シデンプン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸
カルシウム、結晶セルロース、カンゾウ末、ゲンチアナ
末など、結合剤としては例えばデンプン、トラガントゴ
ム、ゼラチン、シロップ、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースなど、崩壊剤としては
例えばデンプン、寒天、ゼラチン末、カルボキシメチル
セルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカ
ルシウム、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素
ナトリウム、アルギン酸ナトリウムなど、滑沢剤として
は例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加
植物油、マクロゴールなど、着色剤としては医薬品に添
加することが許容されているものを、それぞれ用いるこ
とができる。錠剤、顆粒剤は必要に応じ白糖、ゼラチ
ン、ヒドロキシプロピルセルロース、精製セラック、ゼ
ラチン、グリセリン、ソルビトール、エチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、フタル酸
セルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロースフタレート、メチルメタクリレート、メタアクリ
ル酸重合体などで被膜しても良いし、2以上の層で被膜
しても良い。さらにエチルセルロースやゼラチンのよう
な物質のカプセルでも良い。又、注射剤を調製する場合
は、主薬に必要に応じpH調整剤、緩衝剤、安定化剤、
可溶化剤などを添加して、常法により各注射剤とする。
【0017】本発明の骨疾患治療剤を患者に投与する場
合、症状の程度、患者の年齢、健康状態、体重などの条
件によって異なり特に限定はされないが、成人1日当た
り約10mg〜10gを経口或いは非経口的に1日1回
若しくはそれ以上投与すれば良い。
【0018】本発明の薬剤の毒性は非常に低く、例えば
本薬剤100mg/kg体重を4週齢(体重100〜1
20g)のWistar系雄ラットに静脈注射した場
合、9日間投与しても毒性を示さず、非常に安全な薬剤
である。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明する。しかしこれらは単に例示するのみであり、本
発明はこれらにより限定されるものではない。
【0020】製造例1:リべロマイシン類の製造方法 ストレプトミセス属に属する放線菌SN−593株(微
工研菌寄第11503号)をグルコース2%、可溶性デ
ンプン1%、肉エキス0.1%、乾燥酵母0.4%、大
豆粉2.5%、食塩0.2%の組成からなる培地に接種
し、前培養液とした。この前培養液1.5リットルを同
組成の培地120リットルを含む200リットル容タン
クに接種し、27℃で117時間にわたり通気攪拌培養
した。この全培養液の瀘液約100リットルを18.5
リットル容量のダイヤイオンHP20に吸着させ、約3
6リットルの30%メタノールで不純物を溶出させた
後、36リットルの100%メタノールで活性成分を溶
出させた。活性成分を含むフラクションを減圧濃縮した
後、2リットルの酸性水(1N塩酸でpH3に調整)を加
え、等量の酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を
減圧濃縮して得られた残渣を少量のクロロホルム:メタ
ノール混合液(2:1)に溶解し、2.2リットル容量
のシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。4.
5リットルのクロロホルム:メタノール混合液(2:
1)で洗浄した後、4.5リットルの100%メタノー
ルで溶出して活性画分を得た。さらに活性画分を減圧濃
縮した後、残渣を少量の20%メタノールに溶解して1
リットル容量のセファデックスLH−20カラムに付
し、1.5リットルの20%メタノールで展開して活性
画分を回収した。活性画分を減圧濃縮した後に凍結乾燥
し、リベロマイシンA、リベロマイシンB、リベロマイ
シンC、及びリベロマイシンDを含む粗精製物約8gを
得た。
【0021】この粗精製物を高速液体クロマトグラフィ
ー(カラム:CAPCELL PAK C18,100mmφ×500mm、
検出:UV240nm)に付し、メタノール:水:1%
アンモニア水(18:81:1)の混合溶媒を用いて、
流速220ml/分で展開してリベロマイシンA、リベ
ロマイシンB、リベロマイシンC、及びリベロマイシン
Dをそれぞれ単一の成分として含むフラクションを回収
した。各フラクションを減圧濃縮し、残った水溶液を1
N塩酸でpH3に調整した後、等量の酢酸エチルで2回抽
出した。酢酸エチル層を減圧濃縮して得られた残渣を凍
結乾燥し、約3gのリベロマイシンA、約12mgのリ
ベロマイシンB、約80mgのリベロマイシンC、及び
約14mgのリベロマイシンDを得た。
【0022】脱スクシニル−リベロマイシンAの製造方
得られたリベロマイシンAを0.5N水酸化カリウム溶
液中で室温にて1時間以上反応させる。この反応液を1N
塩酸でpH3に調整した後酢酸エチルで抽出し、抽出液を
濃縮乾固して目的の脱スクシニル−リベロマイシンAが
得られた。以下に脱スクシニル−リベロマイシンAの構
造式を示す。本化合物は以下に示す実験により、骨疾患
治療効果がないことが確認された。本発明においてはリ
ベロマイシン類の骨疾患治療効果を確認する際の対照と
して用いた。
【0023】
【化7】
【0024】リベロマイシンAナトリウムの製造方法 得られたリベロマイシンAを蒸留水に懸濁させ、これに
1N水酸化ナトリウム溶液を滴下し、pH7〜7.5に調
整し、0.45μm孔径のメンブレンフィルターによる
濾過を行い、凍結乾燥して目的とするリベロマイシンA
ナトリウムが得られた。以下にリベロマイシンAナトリ
ウムの構造式を示す。本化合物は本発明において注射剤
としてリベロマイシン類を投与するための化合物として
用いた。
【0025】
【化8】
【0026】 各成分を混合し、リベロマイシン25mgを含む500
mgの錠剤400個を製造した。
【0027】 各成分を混合した後圧縮成形し、粉砕、整粒して20〜
50メッシュの5%顆粒剤を製造した。
【0028】 製造例4:カプセル剤の製造 リベロマイシンA 5g 乳糖 40g 馬鈴薯澱粉 50g ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.5g ステアリン酸マグネシウム 1.5g ────────────────────────────── 合計 100g 各成分を良く混和し1号カプセルに充填し、300個製
造した。
【0029】 製造例5:注射剤の製造 リベロマイシンAナトリウム 5g 生理食塩水 100ml ────────────────────────────── 合計 5g/100ml 上記のリベロマイシンAナトリウムを生理食塩水に溶解
し、バイアルに充填し、加熱殺菌を行って静注用注射剤
とした。
【0030】
【発明の効果】以下に本発明の骨疾患に対する効果を示
す。
【0031】試験例1:石灰化試験に用いる細胞の調製 in vitroにおける骨形成の試験方法として有用であるラ
ット骨髄間質細胞の石灰化試験(Cell. Tissue. Res. v
ol.254, pp 317-330, 1988: Blood vol.77, pp 1906-1
911,1991) を行うための試料調製を行った。5又は6週
齢の雌SD系ラットの大腿骨より骨髄細胞を採取し、1
5%牛胎児血清、アスコルビン酸 50μg/ml、β−グ
リセロリン酸 10mM、デキサメサゾン 10-8M、ペ
ニシリンGナトリウム 100U/ml、硫酸ストレプト
マイシン 100μg/ml、及びアムホテリシンB 0.
25μg/mlを含むMEM−アルファ培地(核酸含有)4
0mlに懸濁させ、1匹のラットか得られた細胞毎に75
cm2 T−フラスコに播種した。このT−フラスコに播種
した細胞を5%炭酸ガス、湿度100%、37℃に調整
したインキュベーター中で培養した。培養開始2日後
に、培養液を新鮮な上記培養基に交換し、更に培養を行
った。培養開始4から6日後、T−フラスコを0.05
%のトリプシンで処理し、付着細胞、即ち骨髄間質細胞
を得た。骨髄間質細胞を、試験検体を加えた上記培養基
に懸濁させ、96穴マイクロウェル又は24穴マイクロ
ウェルに各々5×103 個/200μl /96ウェル又
は3×104 個/1ml/24ウェル播種した。
【0032】カルシウム沈着試験法 前記試験例1記載の方法に従い、ラット骨髄間質細胞の
培養を行い、石灰化の指標である組織カルシウムの沈着
を試験した。前記試験例1記載の方法に従い得られた各
ウェルのラット骨髄間質細胞を、培養開始1週間後にリ
ン酸塩緩衝生理食塩水で洗浄し、中性ホルマリンで一晩
室温で固定した。固定後、各ウェルを水洗し、ダールの
カルシウム染色(アリザリンレッドS染色)を行った。
各ウェルを再度水洗した後、石灰化組織に沈着した色素
を1Mリン酸−エタノール溶液(1:1)で可溶化し
た。尚、可溶化は96ウェルの場合100μl 、24ウ
ェルの場合1 ml のリン酸−エタノール溶液を用いて実
施した。可溶化後、405nmの吸光度を測定し、カルシ
ウムの沈着を測定した。
【0033】カルシウム沈着試験 I 上記の96ウェルを用いた試験法に従い、リベロマイシ
ン類を添加した培地中で骨髄間質細胞を培養しカルシウ
ム沈着試験を行い、その結果を表1に示した。尚、カル
シウム沈着試験の結果は、405nmの吸光度のコントロ
ール値に対する百分率で示した。
【0034】
【表1】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ サンプル濃度 ( M ) ───────────────────── 5.6 × 10 -7 1.7 × 10 -6 5.1 × 10 -6 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 無添加(Control) 100 ± 10 リベロマイシンA 92 ± 0 119 ± 2 138 ± 10 リベロマイシンB 103 ± 22 72 ± 2 36 ± 7 リベロマイシンC 105 ± 11 122 ± 3 27 ± 6 脱スクシニル-リヘ゛ロマイシン A 93 ± 2 86 ± 4 84 ± 3 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (数値は平均値±標準偏差 (n=3))
【0035】上記表1より、1.7×10-6及び5.1
×10-6MのリベロマイシンA及び1.7×10-6Mの
リベロマイシンCにより、石灰化組織への顕著なカルシ
ウム沈着の促進が観察された。又、リベロマイシンB及
び脱スクシニル−リベロマイシンAによるカルシウム沈
着の促進は観察されなかった。以上の結果から、その部
分構造に、六−六員環スピロケタールとコハク酸部分を
有するリベロマイシン類に明確な石灰化促進活性が存在
することが明らかになった。
【0036】試験例2:カルシウム沈着試験 II 上記の24ウェルを用いた試験法に従い、石灰化促進活
性が観察されたリベロマイシンAを添加した培地中で骨
髄間質細胞を5−10日間培養しカルシウム沈着試験を
行い、その結果を図1に示した。尚、カルシウム沈着試
験の結果は405nmの吸光度で示した。
【0037】図1より、10-6MのリベロマイシンAは
デキサメサゾンによる石灰化(カルシウム沈着)速度を
増し、さらに最大カルシウム沈着量を増大させることが
明らかになった。この結果からも、特定の構造を有する
リベロマイシン類に明確な石灰化促進活性が存在するこ
とが明らかになった。
【0038】試験例3:アルカリフォスファターゼ(A
LP)活性測定 前記試験例1に従いラット骨髄間質細胞の培養を行い、
骨芽細胞の分化の指標となることが知られている組織ア
ルカリフォスファターゼ活性( 組織培養、15巻、15
5−159頁、1989年発行、及びBlood Vol.77, pp
1906-1911(1991)) を試験した。
【0039】前記試験例1記載の方法に従い得た各ウェ
ルのラット骨髄間質細胞を、培養開始一定期間後にリン
酸塩緩衝生理食塩水で洗浄し、中性ホルマリンで一晩4
℃で固定した。固定後、各ウェルを水洗し、アゾ色素法
に従い、2分30秒間アルカリフォスファターゼ染色を
行った。尚、アゾ染色の基質としては、ナフトールAS
−BIリン酸2ナトリウム塩を用い、ジアゾニウム塩と
してはファーストブルーRR塩を用い試験を行った。各
ウェルを再度水洗した後、培養組織に沈着した色素をジ
メチルスルホキシド500μl で可溶化した。可溶化
後、470nmの吸光度を測定し、組織アルカリフォスフ
ァターゼ活性を測定した。尚、このアルカリフォスファ
ターゼ活性試験は24ウェルを用いて実施した。
【0040】アルカリフォスファターゼ活性試験 I 上記の24ウェルを用いた試験法に従い、リベロマイシ
ンAを添加した培地中で骨髄間質細胞を1週間培養し、
組織アルカリフォスファターゼ活性を試験した。尚、こ
の試験は10-8Mのデキサメサゾン存在下及び非存在下
で実施し、その結果を表2に示した。アルカリフォスフ
ァターゼ活性試験の結果は、470nmの吸光度のデキメ
サゾン存在下及び非存在下でのコントロール値に対する
百分率で示した。
【0041】
【表2】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ リベロマイシンA濃度 ( M ) ───────────────────── Control 10 -6 2 × 10 -6 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 10 -8 M デキサメサゾン 100± 1 114± 1 121± 3 *(140± 1) (−) デキサメサゾン 100± 3 121± 0 145± 7 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (数値は平均値±標準偏差 (n=3)) (*はデキサメサゾン非存在下でのコントロール値に対
する、10 -8 Mデキサメサゾン存在下でのコントロー
ル値の百分率値)
【0042】上記表2より、10 -6 及び2×10 -6
のリベロマイシンAにより、デキサメサゾン存在下及び
非存在下で、組織での顕著なアルカリフォスファターゼ
活性の上昇が観察された。既に述べたように、アルカリ
フォスファターゼ活性の上昇は一般に骨芽細胞の分化の
指標と考えられている。従って、上記の結果から、特定
の構造を有するリベロマシシン類の石灰化促進活性は骨
芽細胞の分化の促進により引き起こされていることが明
らかになった。また前記試験例2に示したリベロマイシ
ンAによる石灰化の速さを増す作用もこの結果より明ら
かである。
【0043】試験例4:アルカリフォスファターゼ活性
試験 II 上記の24ウェルを用いた試験法に従い、リベロマイシ
ンAを添加した培地中で骨髄間質細胞を一定期間培養
し、組織アルカリフォスファターゼ活性を試験した。
尚、この試験は10-8Mのデキサメサゾン存在下及び非
存在下で実施し、その結果を表3に示した。アルカリフ
ォスファターゼ活性試験の結果は、470nmの吸光度の
デキメサゾン存在下及び非存在下でのコントロール値に
対する百分率で示した。
【0044】
【表3】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 培養 リベロマイシンA濃度 (M) ──────────────────── 期間 Control 10 -6 2 ×10 -6 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 6日 100 ± 4 131 ± 7 123 ± 4 7日 10 -8 M デキサメサゾン 100 ± 3 129 ± 8 155 ± 6 8日 100 ± 4 116 ± 2 166 ± 2 ──────────────────────────────────── 6日 100 ± 4 123 ± 3 143 ± 2 7日 (−) デキサメサゾン 100 ± 6 105 ± 9 142 ± 5 8日 100 ± 5 103 ± 3 120 ± 6 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (数値は平均値±標準偏差 (n=3))
【0045】上記表3より、各培養期間において、10
-6及び2×10-6MのリベロマイシンAにより、組織で
の顕著なアルカリフォスファターゼ活性の上昇が観察さ
れた。従って、上記の結果から、特定の構造を有するリ
ベロマイシン類の石灰化促進活性は骨芽細胞の分化の促
進により引き起こされていることが明らかになった。
【0046】試験例5:破骨細胞形成試験 骨吸収の抑制を評価するin vitro試験法として有用であ
るラット骨髄細胞からの破骨細胞形成試験法 (蛋白質
核酸 酵素 Vol.34, pp 999-1005 (1989) 及びEndocrin
ology Vol.122, pp 1373-1382(1988)) を用い、リベロ
マイシン類の活性を試験した。
【0047】16日齢のメスSDラットの大腿骨より骨
髄細胞を採取し、10%牛胎児血清、10-8M 活性型
ビタミンD3 ( カルシフェロール) 、100 U/mlペ
ニシリンGナトリウム塩、100μg/ml 硫酸ストレプ
トマイシン、及び0.25μg/ml アンフォテリシンB
(ファンギゾン)を含むMEM−アルファ培地(核酸不
含) に懸濁させ、24穴マイクロウェルに7.5×10
5 個/0.5ml/24ウェル播種した。培養開始3日後
及び5日後に、各ウェルの培養液を試験検体を含む新鮮
な培養液に交換した。培養開始1週間後、各ウェルをリ
ン酸塩緩衝生理食塩水で洗浄し、エタノール−アセトン
溶液(1:1)を用い、室温で1分間固定した。固定終
了後、固定液を捨て、室温で乾燥させた。乾燥後、白血
球酸性フォスファターゼキット(シグマ社製)を用い各
ウェルの細胞の酒石酸耐性酸性フォスファターゼ染色を
行った。染色後、倒立顕微鏡を用い、赤橙色に染色され
た細胞を破骨細胞として計数した。
【0048】破骨細胞形成試験 I 上記試験法に従い、リベロマイシン類を添加した培地中
で骨髄細胞を培養し破骨細胞形成試験を行い、結果を表
4に示した。尚、破骨細胞形成試験の結果は、形成され
た破骨細胞数のコントロール値に対する百分率で示し
た。
【0049】
【表4】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ サンプル濃度 ( M ) ───────────────── 10 -8 10 -7 10 -6 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 無添加(Control) 100 ± 21 リベロマイシンA 26 ± 5 16 ± 5 8 ± 3 リベロマイシンC 84 ± 26 39 ± 13 13 ± 3 脱スクシニル-リヘ゛ロマイシン A 105 ± 26 105 ± 23 100 ± 18 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (数値は平均値±標準偏差 (n=3))
【0050】上記表4より10-8、10-7及び10-6
リベロマイシンAと10-7及び10-6Mリベロマイシン
Cにより、濃度に依存して顕著な破骨細胞形成の抑制が
観察された。脱スクシニル−リベロマイシンAによる破
骨細胞形成の抑制は観察されなかった。以上の結果か
ら、その部分構造にコハク酸部分を有する特定のリベロ
マイシン類に明確な破骨細胞形成抑制活性が存在するこ
とが明らかになった。
【0051】試験例6:破骨細胞形成試験 II 上記試験法に従い、リベロマイシンAを添加した培地中
で骨髄細胞を培養し、又破骨細胞形成を抑制することが
知られているビタミンK2 を対照品として供し、破骨細
胞形成試験を行い、結果を表5に示した。尚、破骨細胞
形成試験の結果は、形成された破骨細胞数のコントロー
ル値に対する百分率で示した。
【0052】
【表5】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ サンプル濃度 (M) ──────────────── 6.3×10 -7 10 -5 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 無添加(Control) 100 ± 30 リベロマイシンA 9 ± 2 4 ± 2 ビタミンK2 98 ± 47 11 ± 2 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (数値は平均値±標準偏差 (n=3))
【0053】上記表5より、6.3×10-7及び10
-5 MのリベロマイシンAにより、リベロマイシン濃度
に依存した顕著な破骨細胞形成の抑制が再現された。ま
た、その抑制活性はビタミンK2 と比較して、より低濃
度で強い活性が観察された。以上の結果から、特定の構
造を有するリベロマイシン類に強い破骨細胞形成抑制活
性が存在することが明らかになった。
【0054】以上の結果より、本発明のリベロマイシン
類は骨疾患治療剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例2のリベロマイシンAによる骨髄間質細
胞の石灰化促進活性の経時変化を表す。
【符号の説明】
○;10-8M デキサメザゾン △;10-8M デキサメザゾン+10-6M リベロマイ
シンA
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東尾 侃二 埼玉県川越市山田1769−10 (72)発明者 井瀬 正司 栃木県下都賀郡石橋町石橋809−3 (72)発明者 吉浜 誠 栃木県宇都宮市江曽島町1400−8

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で表されるリベロマイシン
    類またはその生理的に許され得る塩を有効成分とするこ
    とを特徴とする骨疾患治療剤。 【化1】 (式中、R1 及びR2 は水素又はアルキル基を表す。)
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998001443A1 (en) * 1996-07-09 1998-01-15 Smithkline Beecham S.P.A. Indole derivatives for the treatment of osteoporosis
JP2004075677A (ja) * 2002-06-21 2004-03-11 Toyama Chem Co Ltd 骨欠損治療および骨損傷の治癒促進剤
WO2005005433A1 (ja) * 2003-07-15 2005-01-20 Riken 高カルシウム血症および骨疾患治療剤
US8980587B2 (en) 2010-08-31 2015-03-17 Riken Process for producing reveromycin A or a synthetic intermediate thereof, process for producing compounds containing a spiroketal ring and novel antineoplastics, fungicides and therapeutic agents for bone disorders

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