JPH07223850A - 人工軽量骨材用組成物及び人工軽量骨材の製造方法 - Google Patents
人工軽量骨材用組成物及び人工軽量骨材の製造方法Info
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Abstract
性を発揮する人工軽量骨材を提供することを主な目的と
する。 【構成】石炭灰粉体を主成分とする最外殻層と石炭灰粉
体を主成分とする内芯部から構成され、かつ、上記最外
殻層を形成する粉体の平均粒径に対する上記内芯部を形
成する粉体の平均粒径の比が50%以下である造粒物か
らなることを特徴とする人工軽量骨材用組成物、及び当
該組成物を焼成することを特徴とする人工軽量骨材の製
造方法。
Description
量骨材の製造方法に関する。
伴って石炭の消費量が増大している。従って、石炭灰の
発生量も増加する傾向にあるが、その大部分は埋立て用
として廃棄されている。
原料として用いる試みがなされており、すでに焼結型の
人工軽量骨材が一部で実用化されている。ところが、こ
の人工軽量骨材は軽量化が困難であり、せいぜい比重
1.4程度とするのが限界である。それに対し、最近の
高層建築物に使用されるPC板等は、その超高層化に伴
い、より高い軽量性が要求されている。
での造粒物表面の溶融及びガラス化に起因して造粒物同
士が融着するという問題があるものの、焼結型のものに
比べてより軽量化を図ることができるという点で優れて
いる。従って、石炭灰を用いて発泡型の人工軽量骨材を
得るために、造粒物同士の融着を防ぐ方法が種々提案さ
れている。
石の微粉末を散布して造粒物表面をシリカで被覆するこ
とにより、造粒物同士の融着を防止する方法がある。ま
た、アルミナ等の高融点物質からなる二層構造を有する
造粒物とする方法もある(特開平4−238845
号)。
粒物をロータリーキルン等によって焼成する場合、造粒
物同士の摩耗によって当該被覆層の成分が微粉末となっ
て造粒物中に混入してしまい、焼成後これを選別する必
要が生じる。しかも、これらの摩耗成分は、骨材成分と
全く異なるものであるため、再利用することも困難であ
り、結果として多量の廃棄物の排出をもたらすこととな
る。さらに、被覆層として用いられる高純度のシリカ、
アルミナ等は比較的高価であるため、石炭灰という廃棄
物利用のメリットを十分生かすことができない。
量骨材として用いることは容易ではないが、その一方で
は資源の有効利用、環境保護等の観点からその利用技術
の開発が切望されている。
炭灰を用いて、特に優れた軽量性及び低吸水性を発揮す
る人工軽量骨材を提供することを主な目的とする。
術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、石炭灰を主
成分とする造粒物の内芯部を最外殻層と同成分でかつ最
外殻層よりも細かい微粉で形成させた造粒物を焼成する
場合には、従来では欠点とされていた石炭灰の特性を逆
に利用することによって、造粒物同士の融着を抑制乃至
防止しつつ、内芯部を優先的に発泡させて軽量化を促進
できることを見出し、本発明を完成するに至った。
成物及び人工軽量骨材の製造方法に係るものである。
石炭灰粉体を主成分とする内芯部から構成され、かつ、
上記最外殻層を形成する粉体の平均粒径に対する上記内
芯部を形成する粉体の平均粒径の比が50%以下である
造粒物からなることを特徴とする人工軽量骨材用組成
物。
製造方法において、(i)石炭灰粉体を主成分とする最外
殻層と石炭灰粉体を主成分とする内芯部とから構成さ
れ、かつ、(ii)上記最外殻層を形成する粉体の平均粒径
に対する上記内芯部を形成する粉体の平均粒径の比が5
0%以下である造粒物を焼成することを特徴とする人工
軽量骨材の製造方法。
造粒物の内芯部及び最外殻層として用いる原料は、石炭
の燃焼等によって生成する石炭灰を用いることができ
る。この場合、本発明の効果に悪影響を与えない範囲内
において未燃炭素等の不純物が含まれていても良い。ま
た、必要に応じて頁岩等の粉砕物、ベントナイト等の粉
体を混合して用いることもできる。
に近い形状の粒子のもの、或いは中空構造のもの、中空
部に微細な球形粒子を多数取り込んだ状態にある粗大粒
子など、あらゆる形状のものを使用することができる。
但し、中空構造をもつ石炭灰は、中空部に空気を保持し
ていることから個々の粒子の断熱性を高め、熱に対する
抵抗性を大きくする。従って、内芯部を形成する粉体
は、中空構造をもつ粗大粒子をできるだけ少なくするこ
とが軽量化の点から好ましい。
常15〜150μm程度、好ましくは25〜100μm
とする。15μmを未満の場合には造粒物同士が焼成時
に融着するおそれがある。150μmを超える場合には
焼成が十分に行えなくなるだけでなく、粉体の凝集力が
小さいので造粒時の最外殻層の形成が困難になり、しか
も焼成時に摩耗し易くなるので好ましくない。
未満の超微粉末をできるだけ含んでいないことが好まし
い。従って、最外殻層と用いる石炭灰は、通常原粉をそ
のまま使用すれば良いが、粉体を破壊することなく粗大
粉体のみを分取して最外殻層として使用すれば、熱に対
する抵抗性を高めて融着をより効果的に防止することが
できる。
ために必要に応じてパルプ廃液等をバインダーとして用
いることができる。バインダーの使用量は、上記粉体に
対して通常0.1〜5重量%程度とすれば良い。
平均粒径は、最外殻層を形成する粉体の平均粒径の50
%以下程度、好ましくは10〜40%とする。さらに、
上記粉体中には、粒径75μmを超える粗大粉体を含ん
でいないことが好ましい。上記平均粒径において、最外
殻層を形成する粉体が軟化・溶融して融着を起こさない
最高温度(以下「耐熱温度」という。)で造粒物を焼成
して人工軽量骨材を製造する際に、平均粒径が50%以
下の微粉で内芯部を構成すれば、造粒物は融着すること
なく内芯部のみが軟化して溶融及び発泡させることがで
きる。これに対し、平均粒径が50%を超える場合、融
着を防止する最外殻層の耐熱温度までの加熱では内芯部
を十分に軟化、溶融及び発泡させることができなくなる
ので好ましくない。
を常法に従って微粉化すれば良い。この場合、分級法、
粉砕法等によって行うことができるが、本発明では粒子
の中空構造を破壊することが熱的性質に与える影響がよ
り大きくなることから、粉砕法によるのが好ましい。
る。本発明における基本的な造粒方法としては、最初に
内芯部となるべき粒子を造粒した後、これに最外殻層を
形成させ、所定の粒径に成形する二段階方式、或いは焼
成時に最外殻層を構成する粉体を散布する方法等を採用
することができるが、本発明では二段階方式によるのが
好ましい。以下、二段階方式による場合につき説明す
る。
るべき粒子の造粒を行う。造粒法は、従来より石炭灰の
造粒等に用いられている方法をそのまま適用することが
でき、例えば転動造粒法であるパン型ペレタイザー(皿
型造粒機)等を用いて造粒することができる。内芯部と
なるべき粒子の粒径は、最外殻層の厚さとの合計で最終
的にJIS A 5002の骨材の規格値である20〜5mm又は
15〜5mmのいずれかの粒度範囲になるようにする。
つまり、発泡に伴う体積増加(通常1.1〜1.9倍程
度)、最外殻層を厚さ等によって適宜設定すれば良い。
させる。最外殻層の厚さは、内芯部の大きさにもよるが
通常0.2〜3mm程度、好ましくは0.3〜1mmと
する。0.2mm未満の場合には融着防止の効果が十分
でないばかりでなく、造粒時の一様な厚さの層を形成さ
せることが困難となる。また、3mmを超える場合に
は、焼成時において内芯部への熱伝達が不十分となり、
内芯部が焼成温度に到達できず、発泡させることができ
なくなる。その結果、焼成時の最外殻層の摩耗によりダ
ストが多量に発生し、しかも焼成後の最外殻層の吸水が
多くなるため、骨材の吸水率の上昇を招き、又はすり減
り抵抗性が低下したりして、骨材としての特性が低下す
る。
う。焼成温度は通常1100〜1350℃程度、好まし
くは1150〜1300℃とする。1100℃未満の場
合には内芯部が発泡せず、軽量化を十分に行うことがで
きず、しかも最外殻の焼結が不十分となるために吸水率
が高く摩耗し易い骨材となる。1350℃を超える場合
には最外殻を形成する粉体も溶融して融着するおそれが
あるので好ましくない。焼成雰囲気は通常酸化雰囲気と
すれば良い。
ーストランド法等の公知の焼成方法を採用することがで
きる。但し、シンターストランド法等のように造粒物が
静止状態で焼成帯を通過する焼成方法では造粒物が積層
された状態のままで接触状態にあり、しかも下層の造粒
物に荷重がかかっており、常に拘束状態にあるため、最
外殻層(融着防止層)をもつ造粒物であっても、発泡時
の融着防止効果が十分に発揮されない場合もある。一
方、ロータリーキルン法は、造粒物の最外殻層の融着防
止層のキルン内での摩耗が多少生じるが、造粒時に最外
殻層の融着防止層の厚さを調整すれば、融着の問題はな
く、しかも造粒物が拘束されない状態で焼成できるた
め、発泡による軽量化と融着防止には好適な方法であ
る。
なるに従って加熱され易くなる。そのため、軟化及び溶
融が容易に進むが、石炭灰は特にその特有の粒子構造に
起因して一般の粉体よりも粒径の違いによる影響を大き
く受ける。即ち、石炭灰を粉砕等により粒度調整を行
い、特定の粒度低下まで小さくすれば、原粉に比して熱
に対する抵抗性が低下し、融点が大きく低下し、焼結、
軟化、溶融、発泡温度に有意義な違いが生じる。このた
め、造粒物の内芯部の原料粉末の粒子を小さくし、最外
殻層に内芯部よりも粗い粒子からなる層を形成させ、内
芯部の原料粉末の発泡温度で焼成すれば、粒度の違いに
よる熱に対する抵抗性の差から内芯部において軟化、溶
融と発泡が先行し、焼成物の軽量化を実現することがで
きる。一方、最外殻層を形成する粗い粒子は、同一温度
では焼結段階で止まっており、溶融することなく、造粒
物相互の融着を防止することができる。
造粒物が特定の最外殻層及び内芯部から構成されている
という構造を有する。そして、この造粒物を焼成する本
発明の製造方法によれば、造粒物同士の融着を回避しつ
つ、造粒物の溶融・発泡を促進することができる結果、
特に優れた軽量性及び低吸水性を有する人工軽量骨材を
提供することが可能となる。
等のPC板、断熱材、防音材等の用途に特に有用であ
る。
特徴とするところをより一層明確にする。
原粉を最外殻層の原料粉末として用い、上記原粉を粉砕
して表1に示す平均粒径に調整した微粉末を内芯部用と
して用い、パン型ペレタイザーによる二段階造粒法で造
粒することによって、表1に示す最外殻層を有する造粒
物をそれぞれ得た。次いで、これらを1200℃で焼成
することによって人工軽量骨材を製造した。得られた骨
材の特性を表1に示す。
用粉末をその粒径比率が最外殻層の原料粉末の平均粒径
に対して50〜100%の範囲となるように調整し、実
施例1と同様の方法で造粒して表1に示す造粒物を得
た。次いで、焼成温度1200℃及び1250℃でそれ
ぞれ焼成して人工軽量骨材を製造した。得られた骨材の
特性を表2に示す。
比50%以下の範囲内で最外殻層の粒径を変えて実施し
た。
4〜7では、これを粉砕したものを用い、実施例8〜1
0ではそのままで用いて内芯部をそれぞ造粒した。融着
防止層となる最外殻層用の粉末としては、実施例1と同
じ原粉を分級してその粗粉末の4種を実施例4〜7とし
て、ロットの異なる石炭灰から得た比較的粒径の小さい
粉末3種を実施例8〜10としてそれぞ用いた。造粒方
法及び造粒物の融着防止層の厚さは実施例1と同様にし
た。
た。実施例4〜7では最外殻層の耐熱温度である120
0℃で焼成し、実施例8〜10では最外殻層の耐熱温度
であり且つ内芯部を形成する粉体の発泡温度である12
50℃で焼成した。得られた骨材の特性を表3に示す。
比較例7〜10の内芯部用粉末とし、原粉をそのまま用
いて比較例11〜14の内芯部用粉末とした。また、融
着防止層用の粉末として、上記原料粉末を粒径比率が5
3〜84%の範囲に入るように調整したものを使用し
た。造粒方法、融着防止層の厚さは実施例1と同様にし
た。
耐熱温度である1200℃、比較例11〜14では内芯
部の粉末の発泡温度である1250℃で焼成した。得ら
れた焼成物の特性を表4に示す。
い、その原粉を粉砕して表5に示すような2種類の微粉
を内芯部用の粉体とした。これらを用いて実施例1と同
様の造粒方法により造粒物を製造した。次いで、融着防
止層の耐熱温度である1200℃で焼成した。得られた
骨材の特性を表5に示す。
最外殻層の平均厚さを3.5mm以上有する表6のよう
な造粒物である比較例15〜18を実施例1と同様の造
粒方法により製造した。次いで、融着防止層の耐熱温度
である1200℃で焼成した。得られた骨材の特性を表
6に示す。
される造粒物を用いても本発明範囲外である比較例1〜
18の骨材は、焼成時に融着等が生じるか、或いは焼成
できたとしてもその比重が大であり、かつ吸水率も大き
く、人工軽量骨材としては未だ不十分であることがわか
る。これに対し、特定の最外殻層と内芯部から構成され
る造粒物を焼成する本発明方法によれば、融着等がな
く、軽量性及び低吸水性に優れた人工軽量骨材が得られ
ることがわかる。
Claims (4)
- 【請求項1】石炭灰粉体を主成分とする最外殻層と石炭
灰粉体を主成分とする内芯部から構成され、かつ、上記
最外殻層を形成する粉体の平均粒径に対する上記内芯部
を形成する粉体の平均粒径の比が50%以下である造粒
物からなることを特徴とする人工軽量骨材用組成物。 - 【請求項2】最外殻層を形成する粉体の平均粒径に対す
る上記内芯部を形成する粉体の平均粒径の比が10〜4
0%である請求項1に記載の人工軽量骨材用組成物。 - 【請求項3】最外殻層の厚さが0.2〜3mmである請
求項1又は2に記載の人工軽量骨材用組成物。 - 【請求項4】石炭灰を主原料とする人工軽量骨材の製造
方法において、 (i)石炭灰粉体を主成分とする最外殻層と石炭灰粉体を
主成分とする内芯部とから構成され、かつ、 (ii)上記最外殻層を形成する粉体の平均粒径に対する上
記内芯部を形成する粉体の平均粒径の比が50%以下で
ある造粒物を焼成することを特徴とする人工軽量骨材の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01905094A JP3368365B2 (ja) | 1994-02-16 | 1994-02-16 | 人工軽量骨材用組成物及び人工軽量骨材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP01905094A JP3368365B2 (ja) | 1994-02-16 | 1994-02-16 | 人工軽量骨材用組成物及び人工軽量骨材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07223850A true JPH07223850A (ja) | 1995-08-22 |
JP3368365B2 JP3368365B2 (ja) | 2003-01-20 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01905094A Expired - Fee Related JP3368365B2 (ja) | 1994-02-16 | 1994-02-16 | 人工軽量骨材用組成物及び人工軽量骨材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3368365B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003095716A (ja) * | 2001-09-19 | 2003-04-03 | Ube Ind Ltd | 人工骨材の製造方法 |
JP2017065971A (ja) * | 2015-09-30 | 2017-04-06 | 株式会社タイガーマシン製作所 | 軽量骨材の製造方法 |
-
1994
- 1994-02-16 JP JP01905094A patent/JP3368365B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2003095716A (ja) * | 2001-09-19 | 2003-04-03 | Ube Ind Ltd | 人工骨材の製造方法 |
JP2017065971A (ja) * | 2015-09-30 | 2017-04-06 | 株式会社タイガーマシン製作所 | 軽量骨材の製造方法 |
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---|---|
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