JPH07223532A - 電気自動車の制動制御装置 - Google Patents

電気自動車の制動制御装置

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JPH07223532A
JPH07223532A JP1747094A JP1747094A JPH07223532A JP H07223532 A JPH07223532 A JP H07223532A JP 1747094 A JP1747094 A JP 1747094A JP 1747094 A JP1747094 A JP 1747094A JP H07223532 A JPH07223532 A JP H07223532A
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JP
Japan
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braking force
hydraulic
brake
wear member
control device
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JP1747094A
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Yoshimi Shoji
吉美 正司
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回生制動力優先の制動力配分を採用する場合
であっても、ブレーキパッドとブレーキロータとの擦合
せを早期に獲得可能にする。 【構成】 油圧制動力の作用回数、油圧制動力の延べ作
用時間、パッド30の摩耗、減速度Gの積算値等に基づ
き、パッド30とブレーキロータ28との擦合せが得ら
れたことをECU16が検出する。擦合せが得られたこ
とが検出されるまでは、ECU16は油圧制御バルブ3
2を強制的に開き、マスタシリンダ20において発生し
たマスタシリンダ圧PM/C をパッド30にそのまま作用
させる。擦合せが得られたことが検出された後は、EC
U16は油圧制御バルブ32の開弁値をモータ10の最
大回生制動力相当の値に制御すると共に油圧・回生合計
で要求制動力が得られるよう制動力配分を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回生制動手段及び液圧
制動手段を備える電気自動車に搭載され、液圧制動力及
び回生制動力の配分を制御する制動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両を制動する手段としては、油圧制動
(より一般には液圧制動)が用いられている。油圧制動
機構は、ブレーキマスタシリンダ、油圧配管、ブレーキ
パッド、ブレーキロータ等の部材から構成される。マス
タシリンダは、ブレーキペダルの操作に応じて油圧を発
生させ、油圧配管はマスタシリンダにおいて発生した油
圧をブレーキパッドに伝達する。油圧が伝達されると、
ブレーキパッドは車輪と機構的に連結されたブレーキロ
ータに押し付けられる。これにより、油圧制動力が作用
する。
【0003】このような構造を有する油圧制動機構を用
いる際、特に、車両の出荷時やブレーキパッドの交換時
に、ブレーキパッドとブレーキロータの擦合せが得られ
ていないことが問題となる。すなわち、ブレーキキャリ
パ、パッド、ロータ等の製造公差によって、出荷直後や
交換直後の状態では、ブレーキパッドとブレーキロータ
とが完全には正しく当たらない状態が生じる。このよう
な状態から油圧制動を例えば200回程度繰り返し作用
させると、図8に示されるように、所期の油圧制動力が
実際に得られるようになる。このような状態を擦合せが
得られた状態という。なお、上述の200回程度の制動
は、市街地走行であれば例えば100〜200km程度
の距離に相当している。
【0004】一方、近年では、モータにより車両を駆動
する電気自動車がその低公害性の点から注目されてい
る。電気自動車においては、上述のような油圧制動の
他、回生制動も行うことが可能である。すわなち、車両
走行用のモータから車載のバッテリ等に電力を回生する
ことにより、車両を制動することができる。また、回生
制動の際、制動エネルギーは回生電力としてバッテリに
蓄えられることとなるため、例えば特開昭59−230
856号公報に電動車の制御方法として示されるよう
に、できれば回生制動を油圧制動に優先させて使用する
のが望ましい。
【0005】図9には、回生制動を優先させる制動力配
分の一例が示されている。この図に示される配分におい
ては、操縦者からの要求制動力(すなわちマスタシリン
ダにおける油圧PM/C )が所定値P0 に至るまでは回生
制動力のみが用いられ、所定値P0 を超えると回生制動
力が所定値T0 に固定される一方で油圧制動力が要求制
動力との差を補うため使用され始める。このような制動
力配分は、例えばインバータ等を用いた回生制動トルク
の制御や油圧制御バルブを用いた油圧立ち上がり時点の
制御によって実現することができる。このような方法に
よって実現した場合、上述の所定値P0 及びT0 は、そ
れぞれ、油圧制御バルブの開弁値又はモータの最大回生
制動力(最大回生制動トルク)を示す値となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、回生制
動力優先の配分により電気自動車を制動しようとする場
合、図8に示されるような擦合せの進行が遅くなる。す
なわち、図9に示されるような回生制動力優先の制動力
配分下においては、油圧制動が使用される頻度が少ない
ため、パッドの摩耗が進行せずパッドとロータとの擦合
せの進行が遅くなる。
【0007】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、擦合せが得られて
いない状態では油圧制動力優先の制動力配分に制御し、
擦合せ獲得後は回生制動力優先の制動力配分に切替える
ことを可能にすることにより、パッド、シュー等の摩耗
部材とロータとの擦合せを早期に獲得可能でかつエネル
ギ効率が良好な電気自動車を実現することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明に係る制動制御装置は、摩耗部材とブ
レーキロータの擦合せ状態が、所期の液圧制動力が得ら
れる状態に至ったか否かを判定する擦合せ判定手段と、
上記状態に至ったと判定されるまでは回生制動力に優先
して液圧制動力を作用させ、判定された後は回生制動力
と液圧制動力の和が要求制動力となるよう回生制動力と
液圧制動力の配分を制御する制動力配分手段と、を有す
ることを特徴とする。
【0009】また、本発明は、擦合せ判定手段が、液圧
制動力作用回数、液圧制動力延べ作用時間、摩耗部材の
摩耗及び電気自動車の減速度の積算値のいずれかを摩耗
部材の使用開始時を基準として求め、求めた結果に基づ
き上記状態を検出することを特徴とする。
【0010】更に、本発明は、摩耗部材が装着されたこ
とを検出し擦合せ判定手段に対し摩耗部材の使用開始時
として報知する手段を有することを特徴とする。
【0011】そして、本発明は、摩耗部材が装着された
ことを指示し擦合せ判定手段に対し摩耗部材の使用開始
時として使用者が指令する指令部材を有することを特徴
とする。
【0012】
【作用】本発明に係る制動制御装置においては、まず、
摩耗部材とブレーキロータの擦合せ状態に係る判定が行
われる。例えば電気自動車を出荷した直後やブレーキの
パッドを交換した直後等においては、パッドとブレーキ
ロータの擦合せ状態は、所期の液圧制動力が得られる状
態とはなっていない。このような状態が擦合せ判定手段
によって検出判定されると、制動力配分手段は、回生制
動力に優先して液圧制動力を作用させ、これにより摩耗
部材の摩耗を進行させる。摩耗部材の摩耗が進行する
と、ある時点で、摩耗部材とブレーキロータの擦合せ状
態が所期の液圧制動力が得られる状態となる。所期の液
圧制動力が得られる状態に至ったことが擦合せ判定手段
により検出判定されると、制動力配分手段は、回生制動
力と液圧制動力の和が要求制動力となるよう、回生制動
力と液圧制動力の配分を制御する。例えば、図9に示さ
れるような制動力配分に移行する。従って、本発明にお
いては、電気自動車の出荷直後やパッド交換時等におい
て液圧制動力が回生制動力に優先して使用されることと
なるため、回生制動力優先の制動力配分で常に車両を制
動する場合に比べ、擦合せが早期に得られる。また、擦
合せが得られた後は適宜回生制動力と液圧制動力が配分
されるため、例えば図9に示されるような制動力配分に
よってエネルギ効率の良い電気自動車を実現することが
できる。
【0013】また、本発明においては、擦合せ状態に係
る判定が、液圧制動力の作用回数、液圧制動力延べ作用
時間、摩耗部材の摩耗、電気自動車の減速度の積算値等
に基づき行われる。これらの量は、ブレーキランプの点
灯を示す信号や、マスタシリンダにおける液圧、摩耗部
材の摩耗の程度、電気自動車に加わる減速度等を検出す
ることにより得られるから、上述の作用は比較的簡素な
構成で得られる。
【0014】更に、本発明においては、パッド着脱セン
サあるいはスイッチにより、摩耗部材が装着されたこと
が擦合せ判定手段に対し指示される。擦合せ判定手段
は、摩耗部材が装着されたことを知ると、その時点を基
準として、上述したいずれかのように係る擦合せ判定動
作を開始する。従って、本発明においては、上述した各
量を用いて擦合せ判定を好適に行うことが可能になる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。
【0016】図1には、後述する各実施例に係る制動制
御を実現するのに適する電気自動車のシステム構成が示
されている。この図に示される電気自動車は、交流モー
タ10を駆動源としている。
【0017】交流モータ10はインバータ12を介しバ
ッテリ14から電力の供給を受ける。インバータ12
は、バッテリ14から放電される直流電力を、ECU
(電子制御ユニット)16から供給されるスイッチング
信号に基づき、要求される出力トルクに対応した交流電
力に変換しモータ10に供給する。これにより、モータ
10からは、必要な出力トルクが得られる。モータ10
の出力軸は車輪18に連結されており、モータ10が回
転駆動することにより車両が走行する。
【0018】また、このモータ10からバッテリ14に
電力を回生することができる。すなわち、ECU16か
ら供給されるスイッチング信号に基づきインバータ12
が回生に係る動作を実行すると、モータ10から交流電
力が回生され、インバータ12によって直流電力に変換
された上でこの電力によってバッテリ14が充電され
る。従って、このシステムにおいては、制動力として回
生制動力を優先して用いたほうが、バッテリ14の一充
電当たり走行可能距離を延長できる。
【0019】ECU16は、車両操縦者によるアクセル
ペダルの踏込みを示す信号やブレーキマスタシリンダ2
0における油圧を示す信号に基づき、インバータ12に
スイッチング信号を供給してモータ10の出力トルク
(力行トルク及び回生制動トルク)を制御する。例えば
車両操縦者によってアクセルペダルが踏み込まれた場合
には、ECU16は、図示しない回転数センサによって
検出されるモータ10の回転数等を監視しながら、要求
される出力トルクに対応した交流電力がモータ10に供
給されるようインバータ12にスイッチング信号を供給
し、インバータ12を構成する各スイッチング素子をス
イッチングさせる。逆に、車両操縦者によってブレーキ
ペダル22が踏み込まれマスタシリンダ20において油
圧が発生した場合、油圧配管24のブレーキマスタシリ
ンダ20側の一端に設けられた油圧センサ26により、
ECU16は、マスタシリンダ20における油圧、すな
わちマスタシリンダ圧PM/C を検出する。ECU16
は、マスタシリンダ圧PM/C やモータ回転数等に基づき
必要な回生制動トルクを求め、求めた回生制動トルクを
指令値としてインバータ12のスイッチング動作を制御
する。これにより、モータ10からバッテリ14に電力
が回生され、車両が回生制動される。
【0020】この図に示される電気自動車は、更に、油
圧制動機構を備えている。この図に示される油圧制動機
構は、ブレーキペダル22、マスタシリンダ20、油圧
配管24の他、車輪18に機構的に連結されたブレーキ
ロータ28、この油圧配管24を介して油圧が伝達され
た場合にブレーキロータ28に当接し油圧制動力を発生
させるパッド30、及び油圧配管24上に設けられその
前後の油圧の差が所定値P0 になった時点で開弁する油
圧制御バルブ32が構成されている。
【0021】すなわち、車両操縦者がブレーキペダル2
2を踏み込むとこれに応じたマスタシリンダ圧PM/C
マスタシリンダ20において発生する。発生したマスタ
シリンダ圧PM/C が油圧制御バルブの開弁値P0 を超え
るまでは、すなわちブレーキパッド30側とマスタシリ
ンダ20側の間にP0 を超える差圧が発生するまでは、
油圧制御バルブ32によってマスタシリンダ圧PM/C
伝達が遮断される。マスタシリンダ圧PM/C が油圧制御
バルブ32の開弁値P0 を超えると、パッド30にはP
M/C −P0 という油圧が加わり、これによって車輪18
に油圧制動が加わる。また、ECU16は、油圧制御バ
ルブ32の開弁値P0 やその開閉を制御する。油圧制御
バルブ32は、ECU16が制御することにより、強制
的に開かせることができる。
【0022】従って、この図に示されるシステムにおい
ては、図9に示されるような制動力配分を実現すること
ができる。すなわち、ECU16は、マスタシリンダ圧
M/ C に基づき車両操縦者によって要求されている制動
力を演算し、演算した結果に基づき油圧制御バルブ32
の開弁値P0 やインバータ12の制御によって実現する
回生制動トルクを制御する。このようにすると、油圧制
動力及び回生制動力をECU16が適宜配分することが
可能になる。
【0023】また、図1に示されるシステムにおいて
は、後述する擦合せ獲得のための制御動作を実現すべ
く、各種のセンサやスイッチが設けられている。例えば
バッド30には、当該パッド30が装着されたか否かを
検出するための着脱センサ34が設けられており、ま
た、パッド30を交換した旨を使用者がECU16に知
らしめるためのマニュアルスイッチ36が着脱センサ3
4と並列に設けられている。ECU16には、更に、パ
ッド30の摩耗が所定の程度に至った場合にその旨を示
す信号を出力する摩耗センサ38や、車両の減速度Gを
検出するためのGセンサ40が接続されており、更には
ブレーキペダル22が踏み込まれたことを検出しブレー
キランプを点灯させるためのブレーキスイッチ42が接
続されている。ECU16には、更に、車速情報も入力
される。
【0024】図2には、本発明の第1実施例におけるE
CU16の制御動作の流れが示されている。この図に示
される制御動作は、所定の頻度で繰り返し実行される。
【0025】この実施例においては、まず、ECU16
は着脱センサ34の出力やマニュアルスイッチ36の出
力として入力されるパッド交換信号を読み込み、パッド
30が装着された直後であるか否かを判定する(10
0)。パッド30を装着した直後であると判定された場
合には、ECU16はnに0を設定した上でステップ1
04以降の動作に移行し、パッド30が装着された直後
でないと判定された場合にはステップ102を実行せず
にステップ104以降の動作に移行する。ステップ10
4においては、ECU16は、マスタシリンダ圧PM/C
の検出値を、油圧センサ26から入力する。
【0026】ECU16は、続いて、nが所定値n0
上であるか否かを判定する(106)。所定値n0 は、
例えば200程度の値に設定する。パッド30が装着さ
れた直後においてはn<n0 であるため、ステップ10
6における判定は成立せず、ECU16の動作はステッ
プ108以降に移行する。
【0027】ステップ108においては、ECU16
は、ステップ104において検出したマスタシリンダ圧
M/C の変化量(微分値)ΔPM/C が所定値ΔPref
上であるか否かを判定する。すなわち、前回ステップ1
08を実行したときに比べマスタシリンダ圧PM/C が顕
著に増大しているか否かを判定する。増大していると判
定された場合には、車両操縦者が、ブレーキペダル22
をまさに踏み込んでいるとみなすことができる。そこ
で、ECU16は、ステップ102において初期設定し
たnに1を加算し、その上で油圧制御バルブ32を開く
と共に(112)インバータ12を制御してモータ10
の回生制動トルクを0とする(114)。これにより、
制動力配分は、図3に示されるように油圧のみによって
車両を制動する配分となる。なお、ステップ108の判
定条件が成立していない場合にはステップ110は実行
されない。
【0028】このような動作が繰り返され、ステップ1
06における判定条件が成立するに至ると、すなわちn
≦n0 となると、ECU16は、ステップ116以降の
動作を実行する。すなわち、ステップ102において初
期設定されステップ110において1が加算されるnの
値は、パッド30が装着乃至交換されてから現在までの
油圧制動力の延べ作用回数を表しており、ステップ10
6における判定条件が成立した場合、パッド30とブレ
ーキロータ28との擦合せが所定程度まで進行している
とみなすことができる。そこで、ECU16は、ステッ
プ104において検出したマスタシリンダ圧PM/C に基
づき車両操縦者から要求されている制動力を演算する
(116)。ECU16は、演算した要求制動力を、例
えば図9に示される制動力配分を示すマップを参照しな
がら油圧制動力と回生制動力に配分し(118)、決定
した制動力配分に基づき油圧制御バルブ32の開弁値P
0 を制御すると共に(120)モータ10の回生制動ト
ルクを決定された配分値に制御する(122)。この状
態では、回生制動力が油圧制動力に優先して使用される
こととなるため、バッテリ14に制動エネルギが電力と
して好適に回収される。
【0029】従って、本実施例に係る制動制御を実行し
た場合、パッド30を装着乃至交換した直後においては
専ら油圧制動力のみによって車両が制動されるためパッ
ド30とブレーキロータ28の擦合せが好適に進行し、
比較的早期に所期の制動力が油圧制動機構から得られる
こととなる。また、擦合せが得られた後は図9に示され
る回生制動力優先の制動力配分に制御されるため、エネ
ルギー効率が良くバッテリ14の一充電当たり走行可能
距離が長い電気自動車が得られる。擦合せが得られ制動
力配分内容が切り換えられる際に、ブレーキフィーリン
グの急変を伴うこともない。
【0030】図4には、本発明の第2実施例においてE
CU16によって実行される制動制御動作の流れが示さ
れている。この実施例においては、第1実施例における
ステップ108に代えステップ108Aが実行されてい
る。ステップ108Aは、マスタシリンダ圧PM/C が所
定値Pref 以上であるか否かの判定である。このような
条件に係る判定を実行した場合、車両操縦者がブレーキ
ペダル22を踏み込んでいればステップ110が実行さ
れる。すなわち、第1実施例と異なり車両操縦者がブレ
ーキペダル22を踏み込んでさえいれば1ブレーキ中に
nが何回でも増加することとなる。したがって、この実
施例におけるnは、油圧制動力の延べ作用時間を示して
おり、ステップ106に係る判定は、油圧制動力の延べ
作用時間が所定時間を越えたか否かの判定に相当する。
このようにしても、前述の第1実施例と同様の効果を得
ることができる。
【0031】図5には、本発明の第3実施例においてE
CU16により実行される制動制御の流れが示されてい
る。この実施例においては、ステップ108又は108
Aに代えてステップ108Bが実行されている。
【0032】ステップ108Bにおいては、ECU16
は、ブレーキランプ信号が発生したか否か、すなわち車
両操縦者によってブレーキペダル22が踏み込まれブレ
ーキスイッチオンしたか否かを判定する。この判定の結
果、ブレーキランプ信号が発生しているとされた場合、
ECU16はステップ110を実行する。したがって、
この実施例においても、上述の第2実施例と同様の効果
を得ることができる。
【0033】図6には、本発明の第4実施例においてE
CU16により実行される制動制御の流れが示されてい
る。この実施例においては、ステップ102、106、
108及び110に代えステップ102A、106A、
108C及び110Aが実行されており、さらにステッ
プ106Aにおける判定が成立しない場合にステップ1
08Cに先立ちステップ107が実行される。
【0034】ステップ102Aにおいては、Sに0が初
期設定される。ステップ106Aにおいては、Sが所定
値S0 以上であるか否かが判定され、以上でないと判定
された場合にはステップ107を経てステップ108C
以降の動作に移行し、以上であると判定された場合には
ステップ116以降の動作に移行する。ECU16は、
ステップ107においては、Gセンサ40の出力や車速
情報に基づき、車両に加わる減速度Gを検出する。ステ
ップ108Cにおいては、ECU16は、検出した減速
度Gが所定値Gref 以上であるか否かを判定し、判定の
結果以上であるとされた場合にのみステップ110Aを
実行する。ステップ110Aにおいては、SにGが加算
される。
【0035】したがって、この実施例においては、検出
される減速度Gが所定値Gref 以上である場合にこのG
が変数Sを用いて積算され、さらに積算値Sについてス
テップ106Aに係る判定が行われる。この判定は、パ
ッド30とブレーキロータ28の擦合せが所定の状態に
達したかどうかの判定である。このような動作によって
も、前述の各実施例と同様の効果を得ることができる。
【0036】図7には、本発明の第5実施例においてE
CU16により実行される制動制御の流れが示されてい
る。この実施例においては、ステップ100及び102
Aは実行されず、直ちにステップ104が実行される。
ステップ104実行後は、ECU16は、パッド30の
摩耗が所定の程度に至ったか否かを摩耗センサ38の出
力に基づき判定し、至っていない場合にはステップ11
2及び114を、至っている場合にはステップ116〜
122を、それぞれ実行する。このようにしても、前述
の各実施例と同様の効果が得られる。
【0037】なお、以上の説明は、図1に示されるシス
テム構成に基づき行ったが、本発明は図1に示されるよ
うなシステム構成に限定を要するものではない。また、
各制動制御の流れの細部は変形することが可能である。
加えて、ステップ118において使用するマップは、図
9に示される制動力配分を示すマップに限定されるもの
ではなく、最低限、要求制動力(マスタシリンダ圧P
M/C )が回生制動力と油圧制動力の合計によって実現さ
れるような配分を示す内容であればよい。そして、ステ
ップ118における制動力配分の決定は、マップを用い
て行うのではなく、例えば所定の演算式を用いて行って
も構わない。また、本発明はドラムブレーキにも適用で
きる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
摩耗部材とブレーキロータの擦合せ状態が所期の液圧制
動力が得られる状態に至るまでは液圧制動力優先の制動
力配分に制御され、至った後は所定の制動力配分に制御
されることとなるため、通常時の制動力配分が回生制動
力優先の配分であっても、摩耗部材とブレーキロータの
擦合せを早期に得ることができる。また、擦合せが得ら
れた後は回生制動力優先の制動力配分に制御することが
可能であるため、エネルギー効率が良くバッテリ1充電
当たりの走行可能距離を延長することができる。
【0039】加えて、上述の効果は、比較的簡素な構成
によって実現することができる。すなわち、液圧制動力
作用回数、液圧制動力延べ作用時間、摩耗部材の摩耗、
電気自動車の減速度の積算値等に基づき擦合せ判定を行
うことができ、またこれらの量の起算点となる摩耗部材
の装着時点は着脱センサやマニュアルスイッチ等により
得ることができるため、上述の効果は格別のハードウェ
アの付加を伴うことなく実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施例に係る制動制御を実現可能な
電気自動車のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施例においてECUにより実行
される制動制御の流れを示すフローチャートである。
【図3】パッドとブレーキロータの擦合せが得られてい
ない状態で採用される制動力配分を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例においてECUにより実行
される制動制御の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第3実施例においてECUにより実行
される制動制御の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の第4実施例においてECUにより実行
される制動制御の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第5実施例においてECUにより実行
される制動制御の流れを示すフローチャートである。
【図8】擦合せの進行による液圧制動力の上昇を示す図
である。
【図9】回生制動力優先の制動力配分の一例を示す図で
ある。
【符号の説明】
10 モータ 12 インバータ 14 バッテリ 16 ECU(電子制御ユニット) 18 車輪 20 マスタシリンダ 22 ブレーキペダル 24 油圧配管 26 油圧センサ 28 ブレーキロータ 30 パッド 32 油圧制御バルブ 34 着脱センサ 36 マニュアルスイッチ 38 摩耗センサ 40 Gセンサ 42 ブレーキスイッチ PM/C マスタシリンダ圧 P0 油圧制御バルブの開弁値 T0 最大回生制動力(最大回生制動トルク)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行用モータから電力を回生し搭載に係
    る電気自動車を回生制動する手段と、発生させた液圧に
    より摩耗部材をブレーキロータに押付け上記電気自動車
    を液圧制動する手段と、を備える電気自動車に搭載され
    る制動制御装置において、 摩耗部材とブレーキロータの擦合せ状態が、所期の液圧
    制動力が得られる状態に至ったか否かを判定する擦合せ
    判定手段と、 上記状態に至ったと判定されるまでは回生制動力に優先
    して液圧制動力を作用させ、判定された後は回生制動力
    と液圧制動力の和が要求制動力となるよう回生制動力と
    液圧制動力の配分を制御する制動力配分手段と、 を有することを特徴とする制動制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の制動制御装置において、
    擦合せ判定手段が、液圧制動力作用回数、液圧制動力延
    べ作用時間、摩耗部材の摩耗及び電気自動車の減速度の
    積算値のいずれかを摩耗部材の使用開始時を基準として
    求め、求めた結果に基づき上記状態を検出することを特
    徴とする制動制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の制動制御装置において、
    摩耗部材が装着されたことを検出し擦合せ判定手段に対
    し摩耗部材の使用開始時として報知する手段を有するこ
    とを特徴とする制動制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の制動制御装置において、
    摩耗部材が装着されたことを擦合せ判定手段に対し使用
    者が摩耗部材の使用開始時として指令する指令部材を有
    することを特徴とする制動制御装置。
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