JPH07223023A - 帯状体捲取装置ラッパロール用オンライン研削スリーブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯状体捲取装置ラッパロール用オンライン研
削スリーブを提供する。 【構成】 （１）内筒とリング状砥石ユニットで構成さ
れた研削スリーブについて、砥石ユニットを、内筒スリ
ーブの外側に複数個積重ねて装着することを特徴とす
る。 （２）上記研削スリーブ構造としてリング状砥石ユニッ
ト端面が内筒軸に対し斜めに配置されたことを特徴とす
る。 （３）研削スリーブの別構造として、ラッパロール必要
プロフィールに合わせた内筒スリーブに沿って、研削布
ベルトを傾めに巻き付けることを特徴とする。 【効果】 人手作業レスで効果的なラッパロールオンラ
イン研削ができ、整備費削減可能。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、鋼板等の帯状体の捲取
装置を構成するラッパロールオンライン研削スリーブに
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】鋼板の熱間圧延工程における帯状体の鋼
板を巻き取る捲取装置の概略を図６にて説明する。帯状
体を巻き付けるマンドレル２と、このマンドレル２の周
辺に配設された複数のラッパロール３で構成された捲取
装置において、ピンチロール９を経た帯状体鋼板１０の
先端部は、ラッパロール３や円弧状エプロン８の装置に
て円弧状に保持されながら、マンドレル２の周りを沿わ
せるように誘導され、この先端数巻が、マンドレル２に
巻き付いた段階で、ラッパロール３や円弧状エプロン８
をマンドレル２の外側に退避し、その後はマンドレル２
と圧延機やピンチロール９のみで巻き取りを継続して行
っている。（特公昭５９−１１８２２６号公報参照）。

【０００３】このようにラッパロール３は、帯状体鋼板
１０をマンドレル２外周面に押し付けながら、マンドレ
ル２と同じ方向に回転し巻き取りを行うが、この時ラッ
パロール３への帯状体鋼板１０の先端部の突っ掛けや、
ラッパロール３と帯状体鋼板１０の接触、あるいは冷却
水による腐食等のためにラッパロール３表面が摩耗して
凹凸が著しくなり、ロール表面プロフィールが乱れて、
捲取作業が正常に行えなくなったり、あるいは捲取鋼板
１０の表面に疵が発生するようになる。

【０００４】そこで、ラッパロール３表面のプロフィー
ルの修正が必要になり、従来の人手によるラッパロール
交換作業に対し、研削砥粒を表面に付着させた研削布
を、円形に成形したゴムスリーブに貼付、あるいはゴム
を介して鋼製円筒に接着させた円筒状研削体をマンドレ
ルに外嵌し、これにラッパロール３を圧接し回転させて
ラッパロールの外面をオンラインで研削する方法が特開
昭６０−５６４１９号公報に提案されている。

【０００５】しかし、このような研削体の背面にゴムを
使用する構造では、マンドレルに嵌合する際のマンドレ
ル拡径力で円筒状研削体が円周方向に引っ張られて変形
し割れが生じる。また研削に、円筒状研削体へ加わる力
としてラッパロール３の圧接面では押付力が働き、ラッ
パロール３の非圧接面では回転による遠心力が働き、結
果として円筒状研削体に圧縮力と引張力が交互に作用す
るために、ゴムベースの円筒状研削体が変形し、このた
め研削対象のラッパロール３表面のプロフィールが乱れ
たり、更には研削体自身の破損等のトラブルが生じる。

【０００６】また円筒状研削体の長さや形状が一定のた
め、巻き取り材料に応じてラッパロール外面の所要プロ
フィールや必要研削長さを変えたい時にも容易に対応で
きず研削能力の変更が困難となる。さらに研削作業にて
砥石の一部が欠損した場合、このような方法では円筒状
研削体全部の交換が必要になりコスト的に不利である。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】これに対し本発明は、
円筒状研削体の変形がなく且つ研削範囲の調整が容易で
安価な、マンドレルに装着して使用するオンライン研削
スリーブを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために以下の構成を要旨とするものである。 （１）研削スリーブが、マンドレルの外周に装着固定で
き且つ適当な剛性を有す内筒と、この内筒に外嵌される
リング状の複数の砥石ユニットから構成され、このリン
グ状砥石ユニットは、内筒の軸方向に順次外嵌されてい
ることを特徴とする。さらに研削スリーブは、内筒に端
面が内筒の軸に対し傾斜を有しているリング状砥石ユニ
ットを複数外嵌配置することを特徴とする。 （２）また研削スリーブは、内筒と研削ベルトから構成
され、研削ベルトを、内筒の軸に対し傾斜を有するよう
に内筒の外面に沿って巻き付けてなることを特徴とす
る。

【０００９】

【作用】本発明の研削スリーブおよびその作用について
実施例の図面を参照しながら説明する。図１は、本発明
の一例を示すもので、内筒４に外嵌されるリング状の複
数の砥石ユニット５からなる研削スリーブ１を捲取装置
のマンドレル２に装着し、研削スリーブの外周部にラッ
パロール３を押し付けてオンライン研削を行っている状
況を示す。

【００１０】図２には、本発明の研削スリーブの構造を
示すもので、内筒４に複数のリング状砥石ユニット５が
外嵌されている。内筒４の幅は、ラッパロール３の胴長
以上とし、その内筒の厚みは、装着される捲取装置マン
ドレル２の拡径力で発生する引っ張りの歪みの値が研削
材料の許容歪み値以下になるように剛性を確保できる厚
みとする。

【００１１】リング状砥石ユニット５の円筒の軸方向の
幅は、内筒４の幅を適当に等分した長さとしてよいが、
後述するようにリング状砥石ユニット５の外径を変え
て、研削スリーブのプロフィールを変化させる場合はプ
ロフィールを形成するのに適切な幅を選択する。また、
この例では、リング状砥石ユニット５の両端面は円筒の
軸に対して垂直になっているが、後述するように円筒の
軸に対して傾斜を有するようにしてもよい。

【００１２】リング状砥石ユニット５の厚みは、捲取装
置の捲取コイル最大厚み以内の範囲で選択すればよい
が、極力厚くすることによって本研削スリーブ１の連続
使用可能期間を長く確保できる。

【００１３】砥石の材料については、ラッパロール３材
料や表面硬度に応じ適切な研削能力を有するものを選定
するが、例えばこの時、研削時の回転により生じる遠心
力にて研削材料の破損を防止するための引っ張り強度を
確保できる物性値の材料とする。本実施例ではリング状
砥石ユニット５の外周回転速度を６００ｍ／分以下とし
て選定する。

【００１４】本発明の研削スリーブは、リング状砥石ユ
ニット５を複数外嵌した構造であるため、研削スリーブ
の一部が欠損あるいは局部摩耗した場合でも、リング状
砥石ユニットの該当する部位のみを交換すればよく、砥
石全体を取替える必要はないので、研削スリーブのコス
トを安価にできる効果が得られる。

【００１５】本発明の実施例である図１には、クラウン
形状のプロフィールを有すラッパロールのオンライン研
削作業を示しており、研削スリーブもラッパロールに対
応するプロフィールを有している。一般的にラッパロー
ル３の外面プロフィールは、巻き取り作業の条件によ
り、フラットやテーパーあるいはクラウン形状等の中か
ら適宜選択して使用されているため、ラッパロール３の
所要プロフィールに対応して研削スリーブのプロフィー
ルを選択することになる。従って本発明の実施例では、
クラウン状のプロフィールを有するラッパロールに対応
する例として示しているが、ラッパロールの所要プロフ
ィールがフラットの場合には、研削スリーブのプロフィ
ールもフラットにすることができる。

【００１６】本発明の実施例に示した、クラウン形状付
き研削スリーブのプロフィール設定方法については、リ
ング状砥石ユニット５の外径を、所要の、即ち、研削後
に必要とするラッパロールのプロフィールとなるように
変化させて順次外嵌し、全体としての所要の研削スリー
ブ１のプロフィールとするものである。即ちリング状砥
石ユニット５の外径を変えて外嵌配列することにより研
削スリーブ１のプロフィールを自由に変えられるため、
ラッパロール３を所要のプロフィールに研削できる。

【００１７】図３は、本発明の第二の発明の実施例を示
すもので、研削スリーブのリング状砥石ユニット５の形
状は、その両端面部が内筒４軸に対して同一方向の傾斜
を有すようになっておりそれらが順次内筒４に外嵌され
ている。これにより、リング状砥石ユニット端部の当た
り面が被研削面に対し常にズレて研削面が均一になり、
研削ムラや砥石目詰まりを防ぐことができる。この例に
おけるリング状砥石ユニット端部の傾斜角度は、リング
状砥石ユニット端部の当たり面が被研削面に対し常にズ
レて当たるように十数度程度とする。

【００１８】また図４には、第二の発明の別の実施例と
して、研削スリーブのリング状砥石ユニットの両端面部
が内筒４軸に対し、互いに逆傾斜を有するようにしたも
のが交互に内筒に外嵌されている。この場合も傾斜角度
は十数度程度とする。隣合うリング状砥石ユニットは逆
方向の傾斜パターンにて構成されているので、内筒に外
嵌する際は隣合うリング状砥石ユニットの端面は互いに
密着するように配置される。この例では両端面の傾斜部
で生じる軸方向スラスト力が互いに打ち消し合うため軸
方向移動が少なくなり、研削機能も十分に確保できる。

【００１９】図５は、本発明の研削スリーブ１の別構造
を示すもので、ラッパロールの所要プロフィールに合わ
せた外形形状を有す内筒４と研削ベルト６からなり、こ
の研削ベルト６は内筒４の軸に対し傾斜を有するよう
に、その外面に沿って巻き付けられている。

【００２０】研削ベルトの材質、幅、厚みおよび傾斜角
度は要求される研削能力に応じて適当に選択できる。ま
た研削ベルトは一回巻き付けたものでもよいが、研削ベ
ルトは第一層目の上から、更にこの研削ベルトの巻き付
けを繰り返し、複数の巻き付け層で構成することが望ま
しい。

【００２１】この研削スリーブは、オンラインでの研削
作業後、研削に用いられた表層部の研削ベルトを除去す
ることにより、砥石のドレッシングなしで、継続してオ
ンライン研削作業が実施できかつ研削スリーブの製作コ
ストも安価にできる。

【００２２】

【発明の効果】本発明を適用することにより、研削ムラ
や砥石の目詰まり等の問題無しにラッパロールのオンラ
イン研削作業を安定して効率的に行うことができ、オン
ライン研削作業の狙いである整備コストの削減化及び捲
取品質の向上等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の研削スリーブによる研削状況を表す概
略図。

【図２】クラウン形状を有する研削スリーブの一例を示
す。

【図３】両端面部が同方向に傾斜した砥石ユニットから
なる本発明の研削スリーブの一例を示す。

【図４】両端面部が逆方向に傾斜した砥石ユニットから
なる本発明の研削スリーブの一例を示す。

【図５】研削ベルトを内筒に巻き付けた本発明の研削ス
リーブの一例を示す。

【図６】捲取装置の概略図。

【符号の説明】

１ 研削用スリーブ ２ マンドレル ３ ラッパロール ４ 内筒 ５ リング状砥石ユニット ６ 研削ベルト ７ 油圧シリンダー ８ 円弧状エプロン ９ ピンチロール １０ 帯状体の鋼板

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 帯状体（１０）をラッパロール（３）に
   て案内しながらマンドレル（２）に巻き取る捲取装置の
   ラッパロール（３）表面をオンライン研削するための、
   内筒（４）とその外周に設けた研削材料からなる研削ス
   リーブであって、前記研削スリーブは、内筒（４）にリ
   ング状砥石ユニット（５）を複数外嵌してなることを特
   徴とするラッパロール用オンライン研削スリーブ。
2. 【請求項２】 両端面が内筒（４）の軸に対し傾斜を有
   するリング状砥石ユニットを複数外嵌してなることを特
   徴とする請求項１記載のラッパロール用オンライン研削
   スリーブ。
3. 【請求項３】 帯状体（１０）をラッパロール（３）に
   て案内しながらマンドレル（２）に巻き取る捲取装置の
   ラッパロール（３）表面をオンライン研削するための、
   内筒（４）とその外周に設けた研削材料からなる研削ス
   リーブであって、前記研削スリーブは内筒（４）の外面
   に沿い内筒（４）の軸に対し傾斜を有するように、研削
   ベルト（６）を巻き付けてなることを特徴とするラッパ
   ロール用オンライン研削スリーブ。