JPH07222718A - 角膜上の光反射による眼位の他覚的自動測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 できるだけ測定誤差を少なくして、正確な眼
位を自動的に測定し、これによって医師または看護婦な
どの検査にかける時間を短縮する。 【構成】 ランプ箱１の中の光源による角膜反射をビデ
ヲカメラ３で画像化する。この結果、角膜中心、実際に
は瞳孔中心に角膜反射がくるように、支柱７を回転させ
る。この回転の角度から眼位を計算する。また、光路を
変更するためのハーフミラーの裏蓋をはずして、外部視
標で近在感輻湊のない眼位を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は調節性輻湊を除外して、
眼位を正確に自動測定するための医療用器機である。

【０００２】

【従来の技術】従来、斜視の診断に必要な眼位の測定方
法として、正切スカラ、シノプトフオア（シノプチスコ
ープ）、プリズムバー等を用いるものがある。これらの
方法では手動で視標を移動させることによって眼球を動
かし、光源による角膜上の光反射が瞳孔の中心にきた時
の視標の位置を測定する。この視標の位置を読みとって
眼位（眼球の位置）とする。これらの方法では視標が近
距離にある装置が多い。そのために調節を打ち消すよう
なレンズを用いているが、完全に調節を除去する事は困
難である。したがって、調節性輻湊を伴った眼位を測定
することになるのが欠点である。また、経験を積んだ医
師または視能訓練士が、視標を手で動かして角膜上の光
反射の位置を肉眼で測定する。そのために測定結果にば
らつきが多い。したがって、何回も測定して正しいと思
う結果を感で判断しなければならない。以上の理由で、
これらの測定方法は測定者の主観が入り不正確である上
に測定に時間がかかるのが欠点である。従来の方法で
は、角膜の光反射が瞳孔の中心に来たことで、眼球が正
面を向いていると判断した。しかし、実際には誤差があ
り、しかも個人差がある（カッパ角）。したがって、カ
ッパ角の分だけ測定結果に誤差を生じるのが欠点であ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の測定方法には次
のような欠点がある。 （イ）従来の方法では視標が近距離にある装置が多い。
そのために調節を打ち消すようなレンズを用いている
が、完全に調節を除去する事は困難である。したがっ
て、調節性輻湊を伴った眼位を測定することになるのが
欠点である。 （ロ）従来の方法では経験を積んだ医師または視能訓練
士が、視標を手で動かして角膜上の光反射の位置を肉眼
で測定する。そのために測定結果にばらつきが多い。し
たがって、何回も測定して正しいと思う結果を感で判断
しなければならない。以上の理由で、これらの測定方法
は測定者の主観が入り不正確である上に測定に時間がか
かるのが欠点である。 （ハ）従来の方法では角膜の光反射が瞳孔の中心に来た
ことで、眼球が正面を向いていると判断した。しかし実
際には誤差があり、しかも個人差がある（カッパ角）。
したがって、カッパ角の分だけ測定結果に誤差を生じる
のが欠点である。本発明はこれらの欠点を取り除くため
になされたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】ハーフミラーＡ（１４）
の裏蓋を図の点線で表した位置まで移動することで、遠
距離の外部視標（１９）を注視させる。理想的には５メ
ートル離れた壁面等に外部視標を設置すると良い。この
場合、近距離視標を明視するためのレンズＡ（１３）は
不要となるので、図の点線で表した場所まで移動させ
る。角膜上の光反射は内蔵の赤外線電灯（１１）ではな
く、外部視標のものを用いるので、内蔵の赤外線電灯は
消しておく。内蔵の視標（２０）を照明するための白熱
電灯（１０）も同じ理由で消しておく。この結果、実際
に遠距離の視標を見ることになるので、輻湊は起こらな
い。したがって、輻湊による見かけ上の内斜視を除外し
て、正確な眼位を測定することが出来る。

【０００５】支柱（７）を上下左右に動かし、検査を受
ける眼球の瞳孔の中心が、ビデオカメラの像の中心にく
るように自動的に調整する。また、支柱（７）を回転さ
せ、支柱（７）と鏡筒（４）との接合部で鏡筒を回転さ
せることによって角膜上の光反射を像の中心にくるよう
に自動的に調整する。

【０００６】（イ） 注視線と瞳孔中心線との誤差（カ
ッパ角）の自動測定のための手段を図２と図４を用いて
説明する。この場合は調節性輻湊を無視できるために、
図２のように視標を近距離において測定することができ
る。測定方法は左右眼を１眼づつ測定する。即ち、図２
の光路図のように１眼で視標を注視して、図３の光路図
のように、ビデオカメラによる光反射の像が中心になる
ように、図１の鏡筒を上下に動かし、また眼球の回旋点
を中心に、水平方向と上下方向に回転させる。その結
果、光反射の像が中心になった時の瞳孔の中心を確認す
る。この時の光反射の像と瞳孔の中心との距離をカッパ
角とする。両眼の注視線のずれ（斜視角）の自動測定の
ための手段を図３と図４とで説明する。この場合は調節
性輻湊が無視できないために、図３のように遠距離（５
ｍぐらいが理想である）に置いた視標で測定する。ま
ず、右眼で視標を注視させて視標を動かす。左眼は図２
のような光路図で、角膜上の光反射を得るための赤外線
を照射する。右眼を動かして、左眼の瞳孔中心に光の反
射がきたとき（実際にはカッパ角の補正を行う）の、鏡
筒の動きを、ポテンショメータで検出する。この値が斜
視角である。

【０００５】

【作用】本装置を用いることにより、検査のための時間
を節約することができると共に、正確な眼位測定を行う
ことができる。

【実施例】本装置は測定のための経験が不必要なため
に、看護婦または視能訓練士が患者を本装置の前に座ら
せて、説明をするだけで自動的に検査が終了する。

【発明の効果】発明の効果は次のとうりである。 １．検査に経験が要らない。 ２．検査中は医師がそばにいる必要がない。そのため
に、その間に他の検査を行うことができる。 ３．従来の方法よりも正確に眼位を測定することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本装置全体の斜視図

【符号の説明】

左右対象に同様の装置があるために、左右に箇所に同じ
物がある場合は、右眼球検査用の装置のみに符号をつけ
た。 （１）は電灯を収納するためのランプ箱 （２）は視標を収納するための視標箱 （３）は眼位を検出するためのビデオカメラ （４）は光学系を収納するための鏡筒 （５）は検査を受ける人の顔を固定するための額固定板 （６）は検査を受ける人の顔を固定するための顎固定台 （７）は光学系などを支持するための支柱 （８）は本装置を操作するためのコントロールパネル （９）は眼位を検出するためのビデオカメラのモニター
テレビ

【図２】眼球を固定するための内蔵視標から眼球までの
光路図

【符号の説明】

（１０）は視標を照明する白熱電灯 （１１）は角膜上に光の反射を作るための赤外線電灯 （１２）は検査を受ける眼球 （１３）は調節を打ち消すためのレンズＡ （１４）は光路を変更するためのハーフミラーＡ （１５）はハーフミラーＡの裏蓋 （１６）は光路を変更するためのハーフミラーＢ （１７）はビデオカメラの受像板に像を結ばせるための
レンズＢ （１８）はビデオカメラの受像板 （１９）は外部視標 （２０）は内蔵視標

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光路変換用のミラー（１４）の裏蓋を開
   くと同時に調節打ち消し用レンズＡ（１３）を光路から
   はずす機構を設けた眼位の他覚的自動測定装置。
2. 【請求項２】 支柱（７）の回転、および鏡筒（４）の
   回転により、眼球の回旋点を中心として光学系を水平垂
   直方向に移動して、本装置の光軸と眼軸とを一致させる
   装置を設けた眼位の他覚的自動測定装置。
3. 【請求項３】 デジタル化したビデオカメラの像で、検
   査を受ける眼球の瞳孔の中心と角膜上の光反射との位置
   関係を検出し、自動的に眼球の位置を測定する眼位の他
   覚的自動測定装置。
4. 【請求項４】 角膜上の光反射の位置と瞳孔中心の位置
   とのズレ（カッパ角）を測定し、この値で測定結果を修
   正するプログラムを有する眼位の他覚的自動測定装置。