JPH07220936A - ループ型ヒートパイプを用いた変圧器用冷却構造 - Google Patents

ループ型ヒートパイプを用いた変圧器用冷却構造

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JPH07220936A
JPH07220936A JP3319794A JP3319794A JPH07220936A JP H07220936 A JPH07220936 A JP H07220936A JP 3319794 A JP3319794 A JP 3319794A JP 3319794 A JP3319794 A JP 3319794A JP H07220936 A JPH07220936 A JP H07220936A
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heat pipe
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Katsuo Eguchi
勝夫 江口
Mikiyuki Ono
幹幸 小野
Masataka Mochizuki
正孝 望月
Koichi Masuko
耕一 益子
Yuji Saito
祐士 斎藤
Hitoshi Hasegawa
仁 長谷川
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 気密性および液密性を担保するための構造が
簡素であり、また冷却能力に優れている変圧器の冷却構
造を提供する。 【構成】 変圧器5の内部に、吸熱箇所としての中空構
造の蒸発部14が配置されるとともに、変圧器5よりも
上方に設置された冷水タンク7の内部に、放熱箇所とし
ての中空構造の凝縮部18が配置されている。蒸発部1
4と凝縮部18とが、作動流体蒸気用の蒸気管21と液
相作動流体用の液管22とによって連結されて密閉循環
路23が形成されている。さらにその密閉循環路23の
内部に、真空脱気した後に作動流体24としての凝縮性
流体が封入されてループ型ヒートパイプ13が形成され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、変圧器の発生熱をヒ
ートパイプにより外部に排出して、変圧器の過熱を防止
するための冷却構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】変圧器においては、鉄損失や巻線のジュ
ール損失などにより熱が発生するため、何らかの方法で
冷却して運転温度を設定された温度以下に維持する必要
がある。
【0003】そこで従来、熱応答性に優れるヒートパイ
プを採用して変圧器を冷却することが提案されており、
その一例が特開平5−275245号公報に記載されて
いる。この公報に記載されている構造を簡単に説明する
と、多数本の単管型のヒートパイプを変圧器から上方に
突出させ、その突出部を冷却水タンクに挿入し、その冷
却水を所定の熱交換器に導いて、ここで水と熱交換する
ことにより、変圧器を冷却するとともに温水を得るよう
に構成している。
【0004】したがって変圧器が動作して熱が発生する
と、各ヒートパイプの両端部において温度差が生じ、ヒ
ートパイプ内部の作動流体が変圧器からの発生熱に加熱
されて蒸気となり、温度および圧力の低くなっている冷
水タンク側に配置された端部に向けて流動し、そこで放
熱して凝縮する。放出された熱は冷水タンク内の冷却水
に伝達され、その結果、温水を得ることができる。
【0005】また、放熱することにより液相となった作
動流体は、重力によってヒートパイプコンテナの内壁面
を流下して、ついには蒸発部に還流し、そこで再度加熱
されて前述のサイクルを継続する。その結果、変圧器の
内部温度が次第に低下する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構造では、
熱伝導率が銅の数倍ないし数十倍のヒートパイプを使用
して変圧器から冷却器に熱を与えているので、変圧器の
冷却をニーズに応じて行うことができる。
【0007】しかしながら、上記従来の構造では、多数
本の単管型のヒートパイプを変圧器の上部に突出させて
設けているため、ヒートパイプと変圧器の容器との間お
よび、ヒートパイプと冷却水タンクとの間のシールすべ
き箇所が多くなり、気密性あるいは液密性を保つための
構造が複雑化し、またコスト高になるおそれがあった。
特に、SF6 ガスなどの気体を絶縁体とする変圧器にお
いては、その傾向が顕著であった。
【0008】また、従来の構造では多数本の単管型のヒ
ートパイプを使用しているから、各ヒートパイプでは、
作動流体蒸気の流れ方向と液相作動流体の還流方向とが
反対であって、それらの流れが対向流となるため、熱流
束が大きい場合等には、作動流体蒸気および液相作動流
体が相互に干渉しあってそれぞれの流れが阻害され、熱
輸送特性が低下して冷却能力が低下するおそれがあっ
た。
【0009】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
のであり、冷却能力に優れ、かつ液密性および気密性を
担保する構造が簡素な変圧器の冷却構造を提供すること
を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するために、変圧器の内部に、吸熱箇所としての中
空構造の蒸発部が配置されるとともに、前記変圧器より
も上方に設置された冷水タンクの内部に、放熱箇所とし
ての中空構造の凝縮部が配置され、前記蒸発部と前記凝
縮部とが、作動流体蒸気用の蒸気管と液相作動流体用の
液管とによって連結されて密閉循環路が形成され、さら
にその密閉循環路の内部に、真空脱気した後に作動流体
としての凝縮性流体が封入されてループ型ヒートパイプ
が形成されていることを特徴とするものである。
【0011】またこの発明では、前記変圧器の内部に絶
縁用流体が封入され、かつ温度の上昇した前記絶縁体用
流体を前記蒸発部に導くとともに、前記蒸発部にて冷却
されて温度の下がった前記絶縁用流体を前記変圧器の底
部に導く整流板を、前記変圧器の内部に設けることがで
きる。
【0012】
【作用】この発明によれば、変圧器で生じた熱は、密閉
循環路のうち蒸発部に伝達される。したがって、ループ
型ヒートパイプの内部の作動流体が変圧器で生じた熱に
よって加熱されて蒸気となる。その作動流体蒸気は、冷
水に冷やされて温度・圧力共に低くなっている凝縮部に
向けて蒸気管の内部を流動し、凝縮部で熱を奪われて凝
縮する。放出された熱は冷却水に伝達される。
【0013】一方、放熱して液相となった作動流体は、
重力によって液管の内部を蒸発部に向けて流下し、つい
には蒸発部に還流する。そして、蒸発部において再度加
熱され、以降同様のサイクルが継続される。その結果、
変圧器の内部温度が次第に低下する。このように、作動
流体蒸気と液相作動流体とが、互いに異なる管路を同方
向に向けて流れるので、それぞれが干渉せずに円滑な作
動が確保される。
【0014】また、整流板によって変圧器の内部の絶縁
用流体が、一定方向にかつスムースに循環するため、絶
縁用流体の保持する熱がループ型ヒートパイプの蒸発部
に効率よく伝達される。
【0015】
【実施例】つぎに、この発明の一実施例を図面を参照し
て説明する。図1および図2はこの発明をガス絶縁式の
変圧器に適用するとともに、採取した熱を二次的に利用
するよう構成した例を示す概略図である。金属製の密閉
容器からなる変圧器容器1の内部には、巻線2の取り付
けられた鉄心3が備えられるとともに、絶縁気体4とし
て例えばSF6 ガスが充填されて、変圧器本体5が形成
されている。また、変圧器容器1の内部には鉄心3の側
方および上方を覆う形状の整流板6が取り付けられてい
る。この整流板6は、変圧器容器1の内部の熱に一定方
向の循環流を与えるためのものであり、ここでは一例と
してL字型に屈曲させた金属薄板によって形成されてい
る。
【0016】変圧器本体5の上方には、一例として矩形
断面の金属製の密閉容器から形成された冷却水タンク7
が所定間隔をおいて設置されており、それらの変圧器本
体5と冷却水タンク7とは適宜の手段によって接続され
ている。この冷却水タンク7には、ホンプ8が介設され
た供給管9と戻り管10とが接続されており、これらの
供給管9と戻り管10とはそれぞれ熱交換器11に接続
されている。すなわち、ここに冷却水aを強制循環させ
る循環システム12が形成されている。
【0017】前記変圧器容器1の内部の上方にはループ
型ヒートパイプ13の蒸発部14が絶縁気体4と熱伝達
可能に配置されている。この蒸発部14は鉄心3および
巻線2からの発生熱を効率よく採取する形状が好まし
く、ここでは一例として互いに平行な2本のヘッダ管1
5の間に、フィン16が装着された複数本の蒸発管17
を互いに平行になるように接続し、全体として格子状に
形成されている。そして、2本のヘッダ管15に高低差
を付けた状態、すなわち各蒸発管17が傾斜された状態
(図1において左上がり)で変圧器容器1に適宜の手段
によって取り付けられている。
【0018】一方、冷却水タンク7の内部には凝縮部1
8が設けられている。この凝縮部18は冷却水aと広い
面積で接するよう、蒸発部14とほぼ同様に、互いに平
行な2本のヘッダ管19の間に、複数本の凝縮管20を
互いに平行に接続し、全体として格子状に形成されてい
る。そして、凝縮管20が蒸発部14の蒸発管17と平
行状態に(図1において右下がり)傾斜された状態で変
圧器容器1に適宜の手段によって取り付けられている。
これらの蒸発部14と凝縮部18とは、それぞれのヘッ
ダ管15,19の長さ方向の中央部において、それぞれ
1本の蒸気管21と液管22とによって接続されてい
る。すなわち、ここに円形断面の金属管による密閉循環
路23が形成されている。そして、その密閉循環路23
の内部には、空気などの非凝縮性ガスを脱気した状態で
目的温度内で蒸発・凝縮し、かつ絶縁性の高い例えばフ
ロンなどの流体が作動流体24として封入されていて、
ループ型ヒートパイプ13とされている。
【0019】また、前記蒸気管21と液管22は、変圧
器容器1の上壁面および冷却水タンク7の下壁面をそれ
ぞれ貫通している。その各貫通箇所は冷却水タンク7の
液密性および変圧器本体5の気密性をそれぞれ担保する
よう例えばゴムパッキン等の適宜の手段によってシール
されており、ここにシール部26が形成されている。
【0020】つぎに上記のように構成されたこの発明の
作用を説明する。変圧器本体7を始動させることによっ
て巻線2および鉄心3から熱が放出される。その熱は絶
縁気体4に保持されて変圧器容器1の内部を上方に向け
て流動するが、整流板6に導かれて変圧器容器1の内部
を時計回りに循環する。すなわち絶縁気体4の流れが対
向流とならずにスムースに変圧器容器1の内部を循環す
るため、ループ型ヒートパイプ13の蒸発部14に効率
よく熱が伝達される。
【0021】一方、ループ型ヒートパイプ13の凝縮部
18は冷却水aと接して温度および内部圧力が共に低い
状態になっている。このようにループ型ヒートパイプ1
3の蒸発部14と凝縮部18とで温度差が生じることに
より、蒸発部14のうち低い位置のヘッダ管15内に溜
められていた液相作動流体24が変圧器本体5の発生熱
によって加熱されて蒸気となり、凝縮部18に向けて流
動を開始する。凝縮部18に流入した作動流体蒸気24
は、冷却水タンク7の内部の冷却水aに熱を奪われて凝
縮する。冷却水aが吸熱することにより温水bとなって
戻り管10を経由して熱交換器11まで還流し、そこで
適宜の熱媒体と熱交換する。この熱は室内の暖房などに
利用される。熱交換器11において熱を奪われた温水b
は、冷却水aに戻り、供給管9を経由して冷却水タンク
7の内部に流入し、ループ型ヒートパイプ13の凝縮部
14の冷却の用に供される。
【0022】また、放熱して液相となった作動流体24
は、蒸発部14に向けて傾斜している液管20の内部を
速やかに流下して、ついには蒸発部14に還流する。そ
して、蒸発部14で再び加熱されて蒸気となり、以降同
様の熱輸送サイクルが継続される。すなわち、ループ型
ヒートパイプ13の内部に封入されている作動流体24
が変圧器容器1内部に籠っている熱を潜熱として冷却水
タンク7まで輸送する。したがって、変圧器本体5の内
部が所定温度まで次第に低下する。
【0023】このように、ループ型ヒートパイプを採用
しているため、蒸発部および凝縮部それぞれの熱交換あ
るいは熱伝達面積を可及的に広く構成しても、それらを
接続する蒸気管および液管は最少で各1本であり、その
場合に冷却水タンクおよび変圧器本体に形成されるシー
ル部は僅か4箇所である。したがって、液密性および気
密性を担保するためのシール構造を簡素化することがで
き、またコストの低廉化を図ることができる。
【0024】図3はこの発明の第二実施例を示す図であ
る。ここに示す例は変圧器容器の一部をループ型ヒート
パイプの蒸発部により形成した例である。なお、上記の
実施例と共通する部材には同じ符号を付し、その詳細な
説明を省略する。変圧器容器1の内部には、巻線2が取
り付けられた鉄心3と整流板6が備えられており、さら
に絶縁油27が充填されている。すなわち、この変圧器
本体5は油絶縁形式のものである。この変圧器容器1の
上壁面の一部には、ループ型ヒートパイプ13の蒸発部
14が組み込まれるとともに、液密性を担保するよう固
着されている。このループ型ヒートパイプ13の蒸発部
14は、一例として内部に金属製メッシュから形成され
たウイック28を備え、かつ外面に吸熱フィン29が備
えられた中空平板型の密閉容器から形成されており、蒸
気管21と液管22とによって上方の凝縮部18と連結
している。その凝縮部18は、循環システム12の一機
素である冷却水タンク7の内部に配置されている。ま
た、特に図示しないが液管の中央部には液相作動流体を
一時的に貯溜するリザーバーが介設されており、作動流
体蒸気24の液管22への流入を防止するよう構成され
ている。
【0025】この実施例においても、上記の第一実施例
と同様に作用して変圧器本体5の冷却を行うが、この実
施例によれば変圧器容器1の内部にループ型ヒートパイ
プ13の蒸発部14を挿入する必要がないので、変圧器
本体5をコンパクト化することができる。
【0026】なお、上記の各実施例ではガス絶縁形式の
変圧器および油絶縁形式の変圧器に適用する例とした
が、この発明は上記の実施例に限定されるものではな
く、樹脂モールド形式の変圧器にも適用することができ
る。
【0027】
【発明の効果】以上の説明したようにこの発明は、ルー
プ型ヒートパイプの蒸発部を変圧器の内部に配置すると
ともに、そのループ型ヒートパイプの凝縮部を変圧器に
対して上方に設けられた冷却水タンクの内部に配置した
ので、冷却水タンクおよび変圧器の液密性および気密性
を担保する構造を簡素化することができる。
【0028】また整流板を設ければ、変圧器内部の絶縁
流体の流れが整えられて、ループ型ヒートパイプの蒸発
部に巻線および鉄心から生じる熱が効率よく伝達される
ので、冷却能力の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す概略図である。
【図2】ループ型ヒートパイプを示す図である。
【図3】この発明の第二実施例を示す概略図である。
【符号の説明】
5…変圧器本体、 6…整流板、 7…冷却水タンク、
13…ループ型ヒートパイプ、 14…蒸発部、 1
8…凝縮部、 21…蒸気管、 22…液管、 23…
密閉循環路、 24…作動流体、 27…絶縁油。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 益子 耕一 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 斎藤 祐士 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 長谷川 仁 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変圧器の内部に、吸熱箇所としての中空
    構造の蒸発部が配置されるとともに、前記変圧器よりも
    上方に設置された冷水タンクの内部に、放熱箇所として
    の中空構造の凝縮部が配置され、前記蒸発部と前記凝縮
    部とが、作動流体蒸気用の蒸気管と液相作動流体用の液
    管とによって連結されて密閉循環路が形成され、さらに
    その密閉循環路の内部に、真空脱気した後に作動流体と
    しての凝縮性流体が封入されてループ型ヒートパイプが
    形成されていることを特徴とするループ型ヒートパイプ
    を用いた変圧器用冷却構造。
  2. 【請求項2】 前記変圧器の内部に絶縁用流体が封入さ
    れ、かつ温度の上昇した前記絶縁体用流体を前記蒸発部
    に導くとともに、前記蒸発部にて冷却されて温度の下が
    った前記絶縁用流体を前記変圧器の底部に導く整流板
    が、前記変圧器の内部に設けられていることを特徴とす
    る請求項1記載のループ型ヒートパイプを用いた変圧器
    用冷却構造。
JP3319794A 1994-02-04 1994-02-04 ループ型ヒートパイプを用いた変圧器用冷却構造 Pending JPH07220936A (ja)

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