JPH0722009Y2 - プリント基板用スイッチ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は、プリント基板に装着されるプリント基板用ス
イッチに関するものである。

［背景技術］ 従来、この種のプリント基板用スイッチ（以下単にスイ
ッチと呼ぶ）としては第４図に示すものがあり、このス
イッチは、上面が開口する箱状で内部にスイッチ機構が
収められるボディ１と、このボディ１の開口する上面を
覆うように被嵌されるキャップ２と、キャップ２の上面
から突出しスイッチ機構を駆動する操作ボタン４と、ボ
ディ１の下面から突設され、第５図に示すようにプリン
ト基板６の取付孔10に挿入して半田付けされる接続ピン
３とを備えている。なお、接続ピン３には、取付孔10へ
の挿入力を強くしてプリント基板６から接続ピン３が抜
けないように、上方に行くほどに幅広となった圧入用突
起3aを形成してある。このスイッチはプリント基板６に
他の抵抗等の回路部品と一緒に装着して半田付けし、後
工程にてスイッチを半田付けする手間を省くようにした
ものである。しかし、上述のようにスイッチをプリント
基板６に取着して、他部品と同時にフロー式等の半田槽
にて半田付けするためには、半田に含まれたフラックス
の対策が必要になる。このため、従来例ではスイッチ機
構が収納されたボディ１の下面1aに突起５を突出され、
スイッチの下部の接続ピン３がプリント基板６に挿入さ
れたとき、ボディ１の下面1aとプリント基板６との間に
隙間があくようにして、ボディ１とキャップ２との嵌合
部やボディ１と接続ピン３との間に生じる僅かな亀裂か
らボディ１内にフラックスが入り込み、フラックスが固
まる等してスイッチング不良となることを防止してい
た。しかし、この従来例にあっては第５図に示すように
接続ピン３を折り曲げることなく、真っ直ぐにプリント
基板６に装着する場合は問題を生じないが、第６図に示
すように、設計上の都合等によりどうしてもスイッチを
倒す必要が生じるときなどには問題となる。つまり、ス
イッチのボディ１の側面1bとプリント基板６とが接触し
て、この間にフラックスが入り込み、第４図のボディ１
とキャップ２とを嵌合した部分の継ぎ目９からフラック
スがボディ１内に入り込むものである。したがって、こ
の点を防止するため、第７図に示すようにボディ１の側
面1bにも突起７を設けることが考えられるが、スイッチ
を立てて使用するとき突起７のためにスイッチの占有す
るスペースが大きくなり、小形化が熱望されている現状
に反する等の不便な点が多い欠点を有していた。さらに
他部品にて上述の突起７の代用をするためには、他部品
を取着するための工数が増加して作業性が悪くなる問題
があった。

［考案の目的］ 本考案は上述の点に鑑みて為されたものであり、その目
的とするところは、簡単な接続ピンの形状変更でフラッ
クスがボディ内に入り込むことがないようにしたプリン
ト基板用スイッチを提供することにある。

［考案の開示］ 第１図は本考案の一実施例を示す図であり、従来例と略
同様のスイッチにおいて、操作ボタン４をプリント基板
６と平行方向から操作するように接続ピン３を折り曲げ
てプリント基板６の取付孔10に挿入した状態でボディ１
のプリント基板６側の側面1bとプリント基板６との間に
間隙が生じるように、取付孔10よりも幅広で接続ピン３
の両側に突出する挿入規制片８を接続ピン３の折り曲げ
部と圧入用突起3aとの間に形成してある。ここで、接続
ピン３は第１図（ｄ）に示すように挿入規制片８とボデ
ィ１の底面との間に位置する部分で略直角に折り曲げら
れ、図２に示すようにプリント基板６に実装した際に操
作ボタン４の操作方向をプリント基板６と平行させるよ
うになっている。そして挿入規制片８は操作ボタン４の
押し操作方向と同方向となるように曲げてある。但し、
両側の挿入規制片８の折り曲げ方向は必ずしも第１図
（ｃ）に示すようにすべて同方向にする必要はなく、第
３図に示すように相反する方向に折り曲げるようにして
もよい。

さて第２図は上述の本実施例をプリント基板６に装着し
た場合を示しており、本実施例では、接続ピン３をプリ
ント基板６の取付孔10に挿入した際に、挿入規制片８が
プリント基板６に当接したところで接続ピン３がそれ以
上は深くプリント基板６の取付孔10内に入り込まず、接
続ピン３の折り曲げ位置と突起８の形成位置を適宜に設
定すれば、スイッチの側面とプリント基板６との間にフ
ラックスが継ぎ目９から入り込まないように隙間を設け
ることができる。しかも、挿入規制片８を操作ボタン４
が押し操作方向と同方向に折り曲げてあるので、操作ボ
タン４が操作されたとき、プリント基板６に当接する挿
入規制片８の折り曲げ部で、図中矢印で示す方向からの
力に抗する力を強くして、スイッチ全体が傾くことを防
止できる。

〔考案の効果〕

本考案は上述のように、取付孔よりも幅広の挿入規制片
を接続ピンの折り曲げ部と圧入用突起との間に形成して
あるので、操作ボタンをプリント基板と平行に操作する
ようにスイッチをプリント基板に取り付けた場合に、プ
リント基板とスイッチの側面との間に隙間を設けること
ができ、このため半田付けの際に生じるフラックスがボ
ディとキャップとの嵌合部の継ぎ目からボディ内に入る
ことを防止できる。しかも、このフラックス対策を接続
ピンの形状変更だけで行えるので、ボディなどの成型品
の形状変更を行う必要がなく、成型品を共通化でき、コ
ストを軽減することができる。また、上記挿入規制片を
操作ボタンの操作方向とは反対の方向に折り曲げてある
ので、操作ボタンが操作されたとき、プリント基板に当
接する挿入規制片の折り曲げ部で、操作ボタンを操作す
る力に抗する力を強くすることができ、このためスイッ
チ全体が傾くことを防止でき、しかも操作釦の操作によ
り接続ピンの半田付け部に加わるストレスを防止でき、
電気接続状態の信頼性を高くできる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）〜（ｄ）は本考案の一実施例の接続ピンを
折り曲げない状態の正面図、同上の接続ピンを折り曲げ
ない状態の側面図、接続ピンを折り曲げない状態の底面
図、同上の接続ピンを折り曲げた状態の側面図、第２図
は同上のプリント基板に取付けた状態を示す説明図、第
３図は同上の挿入規制片の折り曲げ方向を代えた場合の
接続ピンを折り曲げない状態の側面図、第４図（ａ），
（ｂ）は従来例の正面図及び側面図、第５図及び第６図
は同上をプリント基板に取り付けた状態を示す説明図、
第７図は他の従来例をプリント基板に取り付けた状態を
示す説明図である。 １はボディ、２はキャップ、３は接続ピン、3aは圧入用
突起、６はプリント基板、８は挿入規制片、10は取り付
け孔である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上面が開口する箱状で内部にスイッチ機構
   が収められるボディと、このボディの開口する上面を覆
   うように被嵌されるキャップと、キャップの上面から突
   出しスイッチ機構を駆動する操作ボタンと、ボディの下
   面から突設されるプリント基板の取付孔に挿入して半田
   付けされる接続ピンとを備え、接続ピンに取付孔への圧
   入用突起を形成し、操作ボタンをプリント基板と平行な
   方向から操作するように、接続ピンを折り曲げてプリン
   ト基板に取り付けられるプリント基板用スイッチにおい
   て、取付孔よりも幅広の挿入規制片を接続ピンの折り曲
   げ部と圧入用突起との間に形成し、上記挿入規制片を操
   作ボタンの押し操作方向と同方向に折り曲げて成ること
   を特徴とするプリント基板用スイッチ。