JPH07219520A - 鍵盤楽器の鍵盤支点構造 - Google Patents

鍵盤楽器の鍵盤支点構造

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JPH07219520A
JPH07219520A JP6030883A JP3088394A JPH07219520A JP H07219520 A JPH07219520 A JP H07219520A JP 6030883 A JP6030883 A JP 6030883A JP 3088394 A JP3088394 A JP 3088394A JP H07219520 A JPH07219520 A JP H07219520A
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JP
Japan
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keyboard
fulcrum
rear direction
fixed
movable
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JP6030883A
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English (en)
Inventor
Shinji Tagaki
伸治 田垣
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鍵盤高さの調整を短時間で容易に且つ精度良
く行うことができる鍵盤楽器の鍵盤支点構造を提供す
る。 【構成】 前後方向に延びる鍵盤3をシーソー様に支持
する鍵盤楽器の鍵盤支点構造であって、鍵盤3の下方に
配置され、鍵盤シャーシ2に固定された支点部材16
と、支点部材16の上面を覆うように配置され、鍵盤3
が載置される載置部22と、支点部材16の前後方向の
一方の側に固定される固定部23と、支点部材16の他
方の側に配置された可動部24とを備え、全体として山
形形状を有する調整部材17と、支点部材16および可
動部24の一方に螺合されるとともに、その回転操作に
より可動部24を前後方向に移動させる調整ねじ18と
を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アコースティックピア
ノや電子ピアノなどの鍵盤楽器の鍵盤支点構造に関し、
特に鍵盤高さの調整機能を備えた鍵盤支点構造に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来の電子ピアノの鍵盤装置を
示すものである。この鍵盤装置では、鍵盤51は、その
中央部がバランスピン52を介してシーソー様に支持さ
れ、バランスピン52は、鍵盤シャーシ53に固定され
た筬中54に立設されている。また、鍵盤シャーシ53
には、ハンマー55の後端部が回動自在に支持され、こ
のハンマー55は、鍵盤51の後端部上面に当接して、
鍵盤51の後部を下方に押圧している。このため、図に
示す離鍵状態では、鍵盤51は、バランスピン52より
も後部側が下降し、後端部下面が鍵盤枕56に当接する
ことによって、下方への移動を規制されるとともに、前
部側が持ち上げられた状態になっている。
【0003】このような電子ピアノなどの鍵盤楽器で
は、離鍵状態における鍵盤前部上面の高さ(以下「鍵盤
高さ」という)を面一にそろえることが、外観を整える
とともに、演奏をスムーズに行うために不可欠である。
このため、部品の製造精度や組立て精度などのばらつき
によって生じた鍵盤高さのばらつきを、組立て後に調整
するようにしており、その調整方法として、上述のよう
な電子ピアノでは、従来一般に、次の2つの方法が採用
されている。 パンチングによる方法 鍵盤の切削による方法
【0004】の方法は、例えば紙製のワッシャ状のパ
ンチング57を、図7に示すように、バランスピン52
に通して鍵盤51と筬中54の間に挟み込み、パンチン
グ57の厚さによって鍵盤高さを調整する方法である。
パンチング57は、数種類の厚さのものがあらかじめ用
意され、これらを適宜、選択し、組み合わせて使用され
る。の方法は、鍵盤51の後端部下面(図のC部)
を、かんな等の適当な手段で削り、鍵盤枕56との当接
高さを変えることによって、鍵盤高さを調整する方法で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の鍵盤高さの調整方法は、の方法では、ワッシャ状の
パンチング57をバランスピン55に通すために、の
方法では、鍵盤51の後端部下面を削るために、いずれ
も鍵盤51を筬中54から完全に取り外して調整作業を
行わなければならず、この取外しおよび取付けをすべて
の鍵盤51について行うだけでも、非常に手間がかかっ
てしまう。また、いずれの方法も、鍵盤51を筬中54
に取り付けた状態で鍵盤高さを直接、確認しながら調整
することができず、パンチング57の組合わせや切削の
度合いを変えながらの試行錯誤による調整になるため、
調整自体にも非常に時間がかかる。
【0006】また、の方法は、数種類の厚さのパンチ
ング57を組み合わせるものであるため、細かな調整が
できず、隣り合う鍵盤間で 0.2mm程度の段差が生じるの
を許容しているのが実情である。の方法では、高い調
整精度を得ることは可能であるが、そのためには何度も
試行錯誤を繰り返さなければならず、時間的な制約か
ら、実際上は、やはりの方法と同程度の調整精度しか
得られていない。
【0007】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであり、鍵盤高さの調整を短時間で容易
に且つ精度良く行うことができる鍵盤楽器の鍵盤支点構
造を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、前後方向に延びる鍵盤をシーソー様に支
持する鍵盤楽器の鍵盤支点構造であって、鍵盤の下方に
配置され、鍵盤シャーシに固定された支点部材と、支点
部材の上面を覆うように配置され、鍵盤が載置される載
置部と、支点部材の前後方向の一方の側に固定される固
定部と、支点部材の他方の側に配置された可動部とを備
え、全体として山形形状を有する調整部材と、支点部材
および可動部の一方に螺合されるとともに、その回転操
作により可動部を前後方向に移動させる調整ねじとを備
えていることを特徴としている。
【0009】この場合、固定部が調整部材の前後方向の
一端部で構成され、支点部材がこの一端部を係止する係
止溝を備えていることが好ましい。
【0010】これらの場合、固定部が、互いに一体に連
結された複数の固定部によって構成されるとともに、載
置部および可動部が、互いに分離された複数の載置部お
よび可動部によってそれぞれ構成されていることが好ま
しい。
【0011】本発明はさらに、前後方向に延びる鍵盤を
シーソー様に支持する鍵盤楽器の鍵盤支点構造であっ
て、鍵盤の下方に配置され、鍵盤シャーシに固定される
とともに、前後方向に貫通する軸孔を有する支点部材
と、支点部材の上面を覆うように配置され、鍵盤が載置
される載置部と、載置部の前後端部から下方に延び、互
いに逆ねじのねじ孔がそれぞれ形成された第1および第
2の可動部とを備え、全体として山形形状を有する調整
部材と、中央部が支点部材の軸孔に支持されるととも
に、中央部の両側に、第1および第2の可動部のねじ孔
にそれぞれ螺合される互いに逆ねじの第1および第2の
ねじ部を有する調整ねじとを備えていることを特徴とし
ている。
【0012】
【作用】請求項1の鍵盤楽器の鍵盤支点構造によれば、
調整部材は、その固定部で支点部材に固定されるととも
に、載置部が支点部材の上面を覆うように配置され、鍵
盤は、この載置部に載せられた状態で、シーソー様に支
持される。したがって、鍵盤高さは、載置部の高さによ
って定まる。この場合、支点部材および可動部の一方に
螺合された調整ねじを回転操作すると、可動部が前後方
向に移動するとともに、全体として山形形状を有する調
整部材が固定部を不動点としてたわむことにより、載置
部が上下方向に移動する。すなわち、調整ねじを進退さ
せることによって、載置部の高さ、したがって鍵盤高さ
を調整することができる。この調整は、鍵盤を取り付け
たままで、しかも調整ねじの進退により無段階のピッチ
で行えるので、鍵盤高さの調整を短時間で容易に且つ精
度良く行うことができる。また、鍵盤高さが調整ねじの
進退量によって定まるので、鍵盤高さを安定したものと
することができる。
【0013】請求項2の鍵盤支点構造では、調整部材の
一端部を支点部材の係止溝に挿入するだけで、調整部材
を支点部材に容易に固定することができ、調整部材の固
定作業時間を短縮することができる。
【0014】請求項3の鍵盤支点構造では、調整部材の
固定部が、互いに一体に連結された複数の固定部によっ
て構成されているので、複数の鍵盤用の調整部材が一体
化され、部品点数の削減を図れるとともに、支点部材に
一度に取り付けられることにより、調整部材の固定作業
時間をさらに短縮することができる。一方、調整部材の
載置部および可動部は、互いに分離された複数の載置部
および可動部によってそれぞれ構成されているので、こ
れらの載置部および可動部は、隣り合うものと互いに独
立して移動することができ、したがって鍵盤高さを互い
独立して調整することができる。
【0015】さらに、請求項4の鍵盤支点構造によれ
ば、調整部材の載置部が支点部材の上面を覆うように配
置され、鍵盤は、この載置部に載せられた状態で、シー
ソー様に支持される。また、載置部の前後端部から下方
に延びる第1および第2の可動部は、それらに形成され
たねじ孔に螺合する調整ねじによって互いに連結される
とともに、この調整ねじは、中央部が支点部材の軸孔に
支持されている。したがって、この鍵盤支点構造におい
ても、鍵盤高さは、載置部の高さによって定まる。一
方、第1および第2の可動部のねじ孔、およびこれらに
螺合する調整ねじの第1および第2のねじ部が、それぞ
れ互いに逆ねじで形成されているので、調整ねじを回転
操作すると、第1および第2の可動部が互いに離れ合う
かまたは近づき合うように前後方向に移動するととも
に、全体として山形形状を有する調整部材が支点部材の
軸孔を不動点としてたわむことにより、載置部が上下方
向に移動する。すなわち、この鍵盤支点構造において
も、調整ねじを回転操作することによって、鍵盤高さを
調整することができる。したがって、請求項1の鍵盤支
点構造と同様に、鍵盤高さの調整を短時間で容易に且つ
精度良く行うことができるとともに、鍵盤高さを安定し
たものとすることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を、図面を参
照しながら、詳細に説明する。図1は、本発明の第1実
施例に係る鍵盤支点構造を組み込んだ電子ピアノの鍵盤
装置を、離鍵状態において示す側面図である。同図に示
すように、この鍵盤装置は、鍵盤シャーシ2と、鍵盤支
点構造1によって鍵盤シャーシ2に揺動自在に支持され
た鍵盤3と、鍵盤シャーシ2に回動自在に取り付けられ
たハンマー4とを備えている。
【0017】鍵盤シャーシ2は、横シャーシ5と、横シ
ャーシ5の後端に起立状態で取り付けられた縦シャーシ
6と、横シャーシ5の前部にねじ止めされた筬シャーシ
7とによって構成されている。縦シャーシ6は、横シャ
ーシ5に順次ねじ止めされたハンマーレール8、ハンマ
ーフランジ9、アクションリブ10およびハンマーアン
グル11によって構成されている。また、鍵盤3の後部
の下方への回動を規制するために、横シャーシ5の後部
上面には鍵盤枕12が取り付けられている。
【0018】鍵盤3は、前後方向(図1の左右方向)に
延びる木製の鍵盤本体13と、鍵盤本体13の前半部上
面に接着されたアクリルなどの樹脂製の鍵盤表皮14と
によって構成され、鍵盤本体13の後端部上面には、発
泡ポリウレタンなどから成る板状のクッション15が取
り付けられている。鍵盤3は、本発明に係る鍵盤支点構
造1によって、中央部を中心としてシーソー様に支持さ
れている。
【0019】鍵盤支点構造1は、鍵盤3を支持するとと
もに、鍵盤3の高さ(鍵盤高さ)を調整する機能を有し
ており、筬中(支点部材)16、調整金具(調整部材)
17、および調整ねじ18を備えている。
【0020】筬中16は、プラスチックなどで構成さ
れ、鍵盤3の中央部の下方に位置して、筬シャーシ7に
固定されている。図1〜図3に示すように、筬中16
は、底面と、底面から立設する前後面、および前後面の
上端からそれぞれ延びる前後斜面によるほぼ5角形の断
面形状を有し、鍵盤3の並び方向に延びている。筬中1
6の頂部には、真鍮や鉄などの金属製の多数のバランス
ピン19が各鍵盤3に対応して立設されている。また、
筬中16の後斜面には調整金具17を固定するための係
止溝20が上下方向に形成され、前斜面には調整ねじ1
8の先端部を位置決めするための位置決め溝21が上方
から斜めに形成されており、これらの係止溝20および
位置決め溝21は、筬中16の長さ方向すなわち鍵盤3
の並び方向に沿って、連続的に延びている。
【0021】調整金具17は、金属板で構成され、筬中
16の長さ方向に沿ってこれに取り付けられている。調
整金具17は、頂部の両側から前後に斜めに延び、各鍵
盤3を載置するための多数の載置部22と、各載置部2
2の後端からそれぞれ鉛直下方に延び、筬中16に固定
される多数の固定部23と、各載置部22の前端からそ
れぞれ斜め前方に延び、前後方向に移動可能な多数の可
動部24とによって、全体として山形の断面形状に形成
されている。これらの載置部22および可動部24は、
隣り合うもの同士がスリットを介してそれぞれ互いに分
離されているのに対し、固定部23同士は、互いに一体
化され、連続した1枚の板状に構成されている。
【0022】各載置部22の中央部には、前後方向に延
びるように逃げ孔25が形成され、各可動部24にはね
じ孔26が形成されている。調整金具17は、この逃げ
孔25を各バランスピン19に通して、載置部22が筬
中16の前後斜面をほぼ覆った状態とし、次いで固定部
23を係止溝20に挿入・係止することによって、筬中
16に固定されている。また、調整金具17の各ねじ孔
26に前記調整ねじ18が螺合されるとともに、調整ね
じ18の先端部は、筬中16の位置決め孔21に挿入・
係止されて、その位置決めがなされるようになってい
る。
【0023】一方、鍵盤3の鍵盤本体13の中央部に
は、下面に開口するバランスピン孔27と、バランスピ
ン孔27に連なり、前後方向に延び、上面に開口するバ
ランス長孔28とが形成されている。鍵盤3は、これら
のバランスピン孔27およびバランス長孔28をバラン
スピン19に通し、調整金具17の載置部22に載せる
ことによって、バランスピン19を支点として、調整金
具17にシーソー様に支持される。なお、鍵盤3と載置
部22の間には、摩擦音の発生などを防止するために、
パンチング29が挟み込まれている。
【0024】ハンマー4は、前後方向に延びるアーム状
のものであり、後端部がハンマーフランジ9に回動自在
に取り付けられ、基端近くの当接部30が鍵盤3のクッ
ション15に当接することにより、鍵盤3の後部を押下
している。鍵盤3の後部の下方への回動は、鍵盤枕12
によって規制され、離鍵状態では、鍵盤3の後端部下面
が鍵盤枕12に当接した状態になっている(図1参
照)。
【0025】次に、上述した構成の鍵盤支点構造1によ
る鍵盤高さ調整動作を、図3を参照しながら詳細に説明
する。図3は、鍵盤高さが最も高い状態を示している。
この状態から、鍵盤高さを低くする場合には、実線矢印
で示すように、調整ねじ18を時計方向に回転させる。
調整ねじ18が調整金具17の可動部24のねじ孔26
に螺合し、かつその先端部が位置決め孔21によって位
置決めされているので、この調整ねじ18の回転によ
り、調整金具17の可動部24が固定部23を不動点と
して前方に引き寄せられ、載置部22は下降する。これ
により、載置部22に載置された鍵盤3が、鍵盤枕12
を不動点として、全体として前下がりに下降することに
よって、鍵盤高さが下方へ調整される。
【0026】鍵盤高さを高くする場合には、破線矢印で
示すように、調整ねじ18を反時計方向に回転させるこ
とによって、上記とは逆に可動部24を後方に移動さ
せ、載置部22を上昇させればよい。このように、調整
ねじ18を回転操作するだけで、鍵盤高さを調整するこ
とができる。
【0027】図4および図5は、本発明の第2実施例に
係る鍵盤支点構造を示している。この実施例では、筬中
16の前部にねじ取付けリブ31が立設され、このねじ
取付けリブ31に形成されたねじ孔32に調整ねじ18
が螺合している。また、調整ねじ18の先端は、調整金
具17の可動部24に当接しており、可動部24には調
整ねじ18の先端部を収容してその滑りを防止するため
の凹溝40が形成されている。他の構成は、第1実施例
と同様である。したがって、図5に示すように、調整ね
じ18を時計方向に回転させると、その先端で可動部2
4が押圧されて後方に移動し、載置部22が上昇する一
方、反時計方向に回転させると、逆の動作によって載置
部22が下降するので、本実施例においても、調整ねじ
18を回転操作するだけで、鍵盤高さを調整することが
できる。
【0028】図6は、本発明の第3実施例に係る鍵盤支
点構造を示している。この実施例では、筬中16に前後
方向に貫通する軸孔33が形成され、この軸孔33に調
整ねじ34が通され、支持されているとともに、調整ね
じ34の両側に第1および第2のねじ部35、36がそ
れぞれ形成されている。両ねじ部35、36は、互いに
逆ねじの関係になっており、例えば第1のねじ部35が
右ねじで構成されているのに対し、第2のねじ部36は
左ねじで構成されている。一方、調整金具17は、載置
部22の前後端部からそれぞれ下方に延びる第1および
第2の可動部37、38を有し、両可動部37、38に
はそれぞれ右ねじおよび左ねじで構成されたねじ孔3
9、39が形成され、両ねじ孔39、39に調整ねじ3
4の第1および第2のねじ部35、36がそれぞれ螺合
している。他の構成は、第1および第2実施例と同様で
ある。
【0029】したがって、図6に示す状態から、調整ね
じ34を反時計方向(図の実線矢印方向)に回転させる
と、右ねじになっている第1の可動部37が後方へ、左
ねじになっている第2の可動部38が前方へそれぞれ移
動して、調整金具17が中央部に向かって縮むように変
形することにより、載置部22は孔39、39を不動点
として上昇する。調整ねじ34を時計方向(図の破線矢
印方向)に回転させると、上記と逆方向の動作により、
載置部22は下降するので、本実施例においても、調整
ねじ34を回転操作するだけで、鍵盤高さを調整するこ
とができる。本実施例の鍵盤支点構造1は特に、両可動
部37、38を対称的に変形させて、載置部22をバラ
ンス良く昇降できるという利点がある。
【0030】以上のように、説明した実施例の鍵盤支点
構造1はいずれも、調整ねじを進退させるだけで、載置
部22の高さ、したがって鍵盤高さを調整することがで
きる。この調整は、例えば、工具を用い、鍵盤3をバラ
ンスピン19から完全に取り外すことなく、若干持ち上
げた状態で行えるので、調整作業が容易になり大幅な時
間短縮を図れるとともに、調整ねじの進退により無段階
のピッチで、非常に精度良く行うことができる。また、
第1および第2実施例の鍵盤支点構造1では、調整金具
17の固定部23を筬中16の係止溝20に挿入・係止
するだけで、調整金具17を筬中16に容易に固定する
ことができ、調整金具17の固定作業時間を短縮するこ
とができる。さらに、両実施例の調整金具17は、複数
の鍵盤3用の複数の固定部23が互いに一体化され連続
している一方、複数の載置部22および可動部24は互
いに分離されているので、個々の鍵盤3ごとの鍵盤高さ
調整を妨げることなく、部品点数の削減が図ることがで
き、しかも調整金具17の固定作業時間をさらに短縮す
ることができる。
【0031】なお、上述した実施例は、本発明を電子ピ
アノに適用した例であるが、本発明を、アコースティッ
クピアノなどの他の種類の鍵盤楽器にも同様に適用でき
ることは勿論である。また、第1および第2実施例で
は、調整部材(金具)の固定部を係止溝に挿入・係止す
ることにより、筬中に固定しているが、これを鍵盤シャ
ーシあるいは筬中にねじ止めしてもよい。さらに、調整
部材の形状や可動部を移動させる構成は、実施例に示し
たものに限らず、適宜、変更することが可能である。
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明の鍵盤楽器の鍵盤
支点構造は、鍵盤高さの調整を短時間で容易に且つ精度
良く行うことができるなどの効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る鍵盤支点構造を組み
込んだ電子ピアノの鍵盤装置を、離鍵状態において示す
側面図である。
【図2】図1の鍵盤支点構造の分解部分斜視図である。
【図3】図2の鍵盤支点構造の組立て後の側面図であ
る。
【図4】本発明の第2実施例に係る鍵盤支点構造の分解
部分斜視図である。
【図5】図4の鍵盤支点構造の組立て後の側面図であ
る。
【図6】本発明の第3実施例に係る鍵盤支点構造の組立
て後の側面図である。
【図7】従来の電子ピアノの鍵盤装置を示す、図1と同
様の側面図である。
【符号の説明】
1 鍵盤支点構造 2 鍵盤シャーシ 3 鍵盤 16 筬中 17 調整金具 18 調整ねじ 20 係止溝 22 載置部 23 固定部 24 可動部 33 軸孔 34 調整ねじ 35 第1のねじ部 36 第2のねじ部 37 第1の可動部 38 第2の可動部 39 ねじ孔
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の鍵盤高さの調整方法は、の方法では、ワッシャ状の
パンチング57をバランスピン52に通すために、の
方法では、鍵盤51の後端部下面を削るために、いずれ
も鍵盤51を筬中54から完全に取り外して調整作業を
行わなければならず、この取外しおよび取付けをすべて
の鍵盤51について行うだけでも、非常に手間がかかっ
てしまう。また、いずれの方法も、鍵盤51を筬中54
に取り付けた状態で鍵盤高さを直接、確認しながら調整
することができず、パンチング57の組合わせや切削の
度合いを変えながらの試行錯誤による調整になるため、
調整自体にも非常に時間がかかる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後方向に延びる鍵盤をシーソー様に支
    持する鍵盤楽器の鍵盤支点構造であって、 前記鍵盤の下方に配置され、鍵盤シャーシに固定された
    支点部材と、 当該支点部材の上面を覆うように配置され、前記鍵盤が
    載置される載置部と、前記支点部材の前後方向の一方の
    側に固定される固定部と、前記支点部材の他方の側に配
    置された可動部とを備え、全体として山形形状を有する
    調整部材と、 前記支点部材および前記可動部の一方に螺合されるとと
    もに、その回転操作により前記可動部を前後方向に移動
    させる調整ねじとを備えていることを特徴とする鍵盤楽
    器の鍵盤支点構造。
  2. 【請求項2】 前記固定部が前記調整部材の前後方向の
    一端部で構成され、前記支点部材が当該一端部を係止す
    る係止溝を備えていることを特徴とする、請求項1に記
    載の鍵盤楽器の鍵盤支点構造。
  3. 【請求項3】 前記固定部が、互いに一体に連結された
    複数の固定部によって構成されるとともに、前記載置部
    および前記可動部が、互いに分離された複数の載置部お
    よび可動部によってそれぞれ構成されていることを特徴
    とする、請求項1または2に記載の鍵盤楽器の鍵盤支点
    構造。
  4. 【請求項4】 前後方向に延びる鍵盤をシーソー様に支
    持する鍵盤楽器の鍵盤支点構造であって、 前記鍵盤の下方に配置され、鍵盤シャーシに固定される
    とともに、前後方向に貫通する軸孔を有する支点部材
    と、 当該支点部材の上面を覆うように配置され、前記鍵盤が
    載置される載置部と、当該載置部の前後端部から下方に
    延び、互いに逆ねじのねじ孔がそれぞれ形成された第1
    および第2の可動部とを備え、全体として山形形状を有
    する調整部材と、 中央部が前記支点部材の前記軸孔に支持されるととも
    に、中央部の両側に、第1および第2の可動部のねじ孔
    にそれぞれ螺合される互いに逆ねじの第1および第2の
    ねじ部を有する調整ねじとを備えていることを特徴とす
    る鍵盤楽器の鍵盤支点構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003177739A (ja) * 2001-12-11 2003-06-27 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd ピアノの筬
US7154033B2 (en) * 2000-08-28 2006-12-26 Tokyo Yusyo Co. Ltd. Keyboard for musical instrument
JP2014048436A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Yamaha Corp 電子楽器の鍵盤装置

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