JPH07218842A - 顕微鏡画像入出力システム - Google Patents

顕微鏡画像入出力システム

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JPH07218842A
JPH07218842A JP6015588A JP1558894A JPH07218842A JP H07218842 A JPH07218842 A JP H07218842A JP 6015588 A JP6015588 A JP 6015588A JP 1558894 A JP1558894 A JP 1558894A JP H07218842 A JPH07218842 A JP H07218842A
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liquid crystal
image input
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Application number
JP6015588A
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English (en)
Inventor
Minoru Uchiumi
実 内海
Osamu Shimizu
治 清水
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高倍率のレンズを使用せず、また焦点合わせ
操作を容易にし、レンズ交換操作を行わずに拡大縮小処
理を行い、高精細画像を出力することを可能にする。 【構成】 低倍率の対物レンズを有する顕微鏡光学系
と、顕微鏡光学系を通して露光され、少なくとも電極上
に光導電層を形成した光センサ及び光センサと接触また
は非接触で対向した情報記録媒体からなる電圧印加露光
画像記録装置と、情報記録媒体に読み取り光を照射し、
その透過光または反射光を検出して拡大光学系を通して
顕微鏡像を読み取るための読み取り手段と、読み取った
画像データを処理する画像処理手段と、画像処理された
データが転送される出力手段とからなること特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は顕微鏡光学系を入力系と
して、高精細アナログ記録を低倍率で小面積内に行い、
記録した画像を任意の出力装置で任意の拡大縮小率で高
精細出力することが可能な顕微鏡画像入出力システムに
関する。
【0002】また、本発明は顕微鏡光学系を入力系、液
晶を樹脂中に分散固定した記録層を電極層上に形成した
高分子分散型液晶記録媒体等を記録媒体として、高精細
アナログ記録を低倍率で小面積内に行い、記録した画像
を光学アナログ/デジタル変換し、さらに画像処理して
任意の出力装置で任意の拡大縮小率で高精細に出力する
ことが可能な画像入出力システムに関する。
【0003】
【従来の技術】従来、顕微鏡画像入出力技術として銀塩
写真法が知られている。撮影像は、現像工程を経てフィ
ルム等に記録されたのち銀塩乳剤(印画紙等)を用いて
画像とするか、あるいはインスタントフィルムのよう
に、フィルム等に記録する過程を伴わず直接銀塩乳剤
(印画紙等)を用いて画像とすることが行われており、
その都度指定された一定の拡大率の撮影像が得られる。
また、固体撮影素子(CCD等)を利用したTV撮影系
により顕微鏡像を撮影し、ディスプレイ上で画像を観察
する手法をとる場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】いずれの方法において
も、撮影像を指定する大きさに拡大する必要があるた
め、適当な対物レンズおよび撮影レンズの選択を行わな
ければならず、拡大率をあげようとするならば高い倍率
の対物レンズを用いる必要があり、倍率や画質等がレン
ズによる大きな制限を受ける。すなわち、高い倍率のレ
ンズを用いた場合は、焦点深度が浅くなるため焦点合わ
せが難しくなり、凹凸のある像においては部分的に像ボ
ケが発生し、また視野はずれか起こり易く、またハレー
ションを起こし易くなるとともに、光の回折の影響が多
くなって画質が劣化する。また、操作として徐々に拡大
を行うためレンズ交換の操作過程とその都度の焦点合わ
せ操作過程を伴い、その際、観察物を常に用いる必要が
あり、観察物の状態変化が現れる可能性がある。さら
に、拡大のために多くのレンズが介在するので、レンズ
による解像度、画質等の劣化の可能性もある。そして、
これらの入力情報は一過性のものであるため、記録した
としてもワンショットしかすることができなく、データ
保存、蓄積が非常に困難である。
【0005】本発明は上記課題を解決するためのもの
で、高倍率のレンズを使用せず、また焦点合わせ操作を
容易にし、レンズ交換操作を行わずに拡大縮小処理を行
い、高精細画像を出力することが可能な顕微鏡画像入出
力システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の顕微鏡画像入出
力システムは、低倍率の対物レンズを有する顕微鏡光学
系と、顕微鏡光学系を通して露光され、少なくとも電極
上に光導電層を形成した光センサ及び光センサと接触ま
たは非接触で対向した情報記録媒体からなる電圧印加露
光画像記録装置と、情報記録媒体に読み取り光を照射
し、その透過光または反射光を検出して拡大光学系を通
して顕微鏡像を読み取るための読み取り手段と、読み取
った画像データを処理する画像処理手段と、画像処理さ
れたデータが転送される出力手段とからなることを特徴
とする。また本発明は、対物レンズを一定倍率のものに
固定し、記録を行うことを特徴とする。また本発明は、
顕微鏡光学系の対物レンズが50倍以下の倍率であるこ
とを特徴とする。また本発明は、顕微鏡光学系に用いる
レンズは、対物レンズのみであることを特徴とする。ま
た、本発明は、情報記録媒体が、樹脂中に分散、固定し
た液晶記録層を電極上に形成した高分子分散型液晶媒
体、または高分子液晶層を電極上に形成した記録媒体、
またはフロスト像記録媒体であることを特徴とする。ま
た、本発明は、情報記録媒体は、メモリー性を有するこ
とを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明の顕微鏡画像入出力システムは、図1に
示すような機能ブロック図で示されるものである。低倍
率レンズ顕微鏡1は、50倍以下の一定倍率の対物レン
ズが使用され、レンズ交換は行わなくてもよい。低倍率
の対物レンズを使用しているため焦点深度が深く焦点合
わせ操作が容易であり、大きい視野で観察することが可
能であり、回折等の影響もなく質のよい画像データが得
られる。記録倍率は、この後、さらに撮影レンズを通し
て好みの大きさに拡大/縮小をする。また、この場合、
撮影レンズを用いず対物レンズ倍率のまま記録すること
により該レンズによる解像度、画質等の劣化を除くこと
ができる。電圧印加露光画像記録装置2は、高分子分散
型液晶媒体、高分子液晶記録媒体またはフロスト像記録
媒体を感光体と対向配置して電圧印加露光し、光情報を
アナログ記録するものであり、光情報としては、画像、
文字、コード情報等任意のものでよく、従来の銀塩写真
法、静電潜像記録法と同様に高解像の記録が行われる。
記録媒体はメモリー性を有するため、記録情報をアナロ
グ情報のまま保存することができる。記録された光情報
は、記録媒体に読み取り光を照射し、その透過光像また
は反射光像がCCDラインセンサ等からなる読み取りス
キャナ3で読み取られてデジタル信号に変換される。こ
の読み取りの際、記録された高精細の光情報が、低解像
の読み取り素子でも読み取れるように拡大光学系を用い
て拡大する。読み取られた光情報は画像処理手段4で必
要に応じて拡大縮小処理される。すなわち、記録され、
読み取られた光情報は極めて高精細であり、記録媒体上
に記録されたアナログデータを必要十分な量のデジタル
データとし、このデジタルデータを間引くことにより拡
大/縮小率を設定することができる。また、逆に、得た
い拡大/縮小率を事前に決定しておき、それに合わせて
過不足ないデータを読み取ることにより、読み取りの迅
速化を図ることもできる。読み取ったデータは、画像処
理手段4でガンマ特性等の変換を施すことができ、その
処理後のデータはいずれでも光情報、電気信号、電磁
波、音波等の形で出力装置5aに転送されて出力するこ
とも、データ保存手段5bで保存することもできる。
【0008】図2は顕微鏡に電圧印加露光画像記録装置
を組み込んだ例を説明する図である。図2(a)の場合
は、対物レンズ1aによる試料6の拡大像を接眼レンズ
1bを通して観察するようにしたもので、観察しながら
焦点合わせをした後、撮影レンズ1cを通して電圧印加
露光画像記録装置2で撮影する。図2(b)の場合は、
CCDエリアセンサ7で粗読み取りを行ってCRT8 に
表示し、CRT上の像を見て必要領域を選択して電圧印
加露光画像記録装置2で撮影する。
【0009】次に、電圧印加露光画像記録装置について
説明する。液晶記録媒体を使用した画像記録は、液晶を
樹脂中に分散固定した記録層を電極上に形成した高分子
分散型液晶記録媒体と、電極層上に光導電層が形成され
た光センサとを対向配置し、電圧印加露光により画像記
録される。図3はこのような分離型の高分子分散型液晶
記録媒体を用いた電圧印加露光画像記録装置の構成を示
している。図中、10は光センサ、20は液晶記録媒体
をそれぞれ示している。光センサ10は透明支持体11
上に透明電極12、光導電層13が順次積層され、液晶
記録媒体20は透明支持体21上に透明電極22、高分
子分散型液晶層23が順次積層されている。光導電層1
3は、無機光導電層としてアモルファスセレン、アモル
ファスシリコン等、有機光導電層としてポリビニルカル
バゾールにトリニトロフルオレノンを添加した単層構造
のものや、電荷発生層としてアゾ系の顔料をポリビニル
ブチラール等の樹脂中に分散したものと電荷移動層とし
てヒドラゾン誘導体をポリカーボネート等の樹脂と混合
したものを積層したもの等、通常の電子写真感光体に使
用できる材料が使用可能である。
【0010】このような光センサ10と液晶記録媒体2
0を対向配置し、図示するように、電源30により両電
極12、22間に電圧を印加し、書き込み光として可視
光を照射すると、露光量に応じて光導電層13に光電流
が流れ、導電性が変化し、液晶層23にかかる電界が変
化して液晶層の配向状態が変化し、液晶材料にスメクチ
ック液晶を用いることで印加電圧をOFFして電界を取
り除いた後もその状態が維持され、画像情報の記録が行
われる。
【0011】また、図4に示すように、透明な絶縁性中
間層14或いは誘電体ミラー層17を介在させて光セン
サと液晶記録媒体とを一体化させた一体型液晶記録媒体
40を用い、分離型の場合と同様にして画像情報の記録
を行うことも可能である。
【0012】フロスト像記録媒体は、熱可塑性樹脂層上
に、電圧印加露光により静電荷像を形成して加熱するこ
とにより凹凸像(フロスト像)を形成し、その後冷却し
て凹凸像を固定化するものである。フロスト像は、例え
ば図5(a)に示すように支持体50c上に電極50
b、熱可塑性樹脂層50aを形成したフロスト記録媒体
50上に画像状の静電荷パターンを形成し、電極50b
を接地した状態で加熱装置51によりフロスト記録媒体
を加熱すると、熱可塑性樹脂層50aが可塑化し、静電
荷パターンに対応して電極50b上に誘起されている逆
符号の電荷と表面の電荷とが引っ張りあい、その結果、
図5(b)に示すように熱可塑性樹脂層表面に凹凸像5
3、すなわちフロスト像が形成される。フロスト像形成
後、フロスト記録媒体を冷却するとこの凹凸像が固定化
され、静電荷パターンの現像を行うことができる。フロ
スト像の凹凸の大きさは静電荷量に対応して形成される
ので、階調画像記録を行うことができる。
【0013】次に、読み取りスキャナについて説明す
る。液晶記録媒体に記録された画像情報の読み取りは、
分離型の場合は、図6に示すように、一体型の場合は図
7(a)(透過型)、図7(b)(反射型)に示すよう
に、光源60からの光をフィルタ70を介して波長光を
選択し、液晶記録媒体20に読み取り光を照射して行
う。入射した光は液晶記録媒体の液晶の配向により変調
され、透過光(または反射光)は光電変換装置80で電
気信号に変換され、変換された電気信号は必要に応じて
プリンタやCRTに出力される。光源60としては、キ
セノンランプ、ハロゲンランプ等の白色光源やレーザー
光が用いられる。
【0014】フロスト像の読み取りは、図8(a)に示
すように、レーザ光源91からのレーザ光を反射ミラー
92a、ハーフミラー92bを介してフロスト像が形成
された媒体50の表面に対して照射し、その反射光をハ
ーフミラー92bを通して検出器93により電気信号に
変換して読み取る。そして、走査駆動装置90により走
査光学系を走査駆動しながら媒体表面を走査して順次読
み取ることにより、レーザ走査密度に応じた解像度でフ
ロスト像を読み取ることができる。この場合、凹凸部分
は乱反射して白く見え、凹凸が形成されていない部分は
光が透過して黒く見えるので、フロスト像のネガ像を読
み取ることになる。
【0015】図8(b)は透過光によりフロスト像を読
み取るものであり、この場合には反射ミラー95、96
を走査駆動装置90で走査駆動しながらフロスト像を読
み取る。凹凸部分は乱反射して光は透過しないので黒く
見え、凹凸の形成されていない部分は光が透過して白く
見えるので、フロスト像のポジ像を読み取ることにな
る。
【0016】このように、反射光で読み取るか、透過光
で読み取るかによりポジ像、あるいはネガ像としてフロ
スト像を読み取ることができるので、必要に応じてどち
らかを選択して、高解像の読み取りを行うことができ
る。
【0017】この読み取りに際しては、図9に示すよう
に、アナログ画像記録媒体に記録された画像を拡大光学
系101で拡大し、読み取り装置102に結像して読み
取る。読み取り装置としては、CCDラインまたはエリ
アセンサ、フォトマルチプライア等が使用されるが、C
CDエリアセンサなどでは1画素15μm程度の分解能
しかなく、このような場合には像拡大して読み取るよう
にする。
【0018】なお、読み取った画像データは、ICメモ
リ、磁気記録媒体等に記憶させておけば、必要に応じて
データを読み出し、表示、プリンタ等任意の形式で出力
することが可能である。
【0019】画像処理手段4では、主として拡大縮小処
理、ガンマ特性の変換等を行う。ガンマ特性の変換は出
力装置がCRT、昇華転写プリンタ、イオンプリンタで
あるか否かにより適宜の特性を選択してガンマ変換を行
う。
【0020】次に、液晶媒体を例にとって説明する。液
晶媒体の性能は、例えば表1に示すようなものである。 一方、対物レンズの性能は表2に示すようなものであ
る。 液晶媒体上の解像度限界は6.6μmlpであるので、
液晶媒体への最低撮影倍率は、 (× 5): 6.6÷2.58μm=2.6倍 (×10): 6.6÷1.12μm=5.9倍 (×20): 6.6÷0.73μm=9.0倍 となる。このとき、試料測定面積から換算して液晶媒体
への撮影面積は、 (× 5): 4mmφ×2.6=10.4mmφ (×10): 2mmφ×5.9=11.8mmφ (×20): 1mmφ×9.0= 9.0mmφ と算出される。また、対物レンズの倍率は固定した状態
で撮影した後、画像拡大して出力する時、粒状ノイズの
影響を考慮する必要があり、その許容限界を定量的に限
定するのは困難であるが、拡大倍率の許容限界は以下の
ようになる。 媒体をカード状とし、そのサイズを85mm×54mm
にした場合、前述の撮影面積計算で得られた値を当ては
めると、撮影コマ数は次のようになる。
【0021】 出力装置としては、プロジェクタ、空間光変調器、ハイ
ビジョン、CRT、PDP、EL、LCD、PDLC等
の表示装置を使用して静止画像を表示するようにする。
また、感熱昇華転写プリンタ、電子写真プリンタ、イオ
ンプリンタ、感熱転写プリンタ、バブルジェットプリン
タ、ピクトロコピー、マッチプリント、シグネチャー、
サイカラー、感光発色等によりハードコピーを得るよう
にすることもできる。
【0022】また、出力するメディアとしては、フォト
カップルドデバイス、クレジットカード、紙パンチン
グ、光磁気ディスク、フロッピーディスク、ICカー
ド、光カード、ホログラフィックメモリ、液晶カード、
テレホンカード、電子手帳、ポスタ、看板等任意のもの
を使用することもできる。
【0023】次に、本発明のシステム構成の概念図を説
明する。図10は本発明のシステムの構成の1例を説明
する概念図である。電圧印加露光画像記録装置110は
既存の顕微鏡111に組み込まれ、前述したような方法
で顕微鏡像を撮影する。このとき顕微鏡111は低倍率
の対物レンズを使用し、レンズ交換は行わないようにす
る。記録媒体は、前述した液晶記録媒体やフロスト記録
媒体からなり、例えばカード状記録媒体113とし、こ
こに何コマかの像が記録される。低倍率ではあるもの
の、記録媒体には高精細画像が大視野で記録され、読み
取りスキャナー112ではカード状記録媒体113の像
を読み取ってデジタル信号に変換する。この画像データ
はパソコン等からなる画像処理装置114に取り込まれ
て拡大/縮小処理、Γ補正等を行った後、例えば簡易型
昇華転写プリンタ115より出力される。
【0024】図11は本発明のシステムの構成の他の例
を説明する概念図である。この例では、電圧印加露光画
像記録装置120はCCDエリアセンサを内蔵してお
り、撮影時にCCDエリアセンサで粗読み取りを行なっ
て電圧印加露光による各撮影画像に対応する粗読み取り
像をパソコン121のモニタ画面に表示する。そしてモ
ニタ画面で画像を選択し、選択した画像を読み取りスキ
ャナー112で読み取り、画像処理装置114に画像デ
ータを取り込んで拡大等の画像処理を行ない、昇華転写
プリンタ122でプリントアウトする。
【0025】
【実施例】
(実施例1)多官能モノマー(商品名:M−400、東
亜合成化学(株)社製)4.5gとスメクチック液晶
(商品名:S−6、メルク社製)5.5gを混合し、キ
シレン10gに溶解させ50%溶液を作製した。この溶
液に重合開始剤として、ダロキュア1173(商品名:
メルク社製)0.3gと界面活性剤としてFC−430
(住友3M製)0.1gを加えた後、図3に示すように
ITO透明電極22を約1000A厚に蒸着したガラス
基板21(抵抗率100Ω/□)上にスピナーで塗布し
て高分子/液晶複合層23とし、約50℃に保った真空
オーブンで乾燥し、約300mJ/cm2 のUV光を照射
したところ、膜厚6μmの白色不透明の液晶媒体20が
得られた。
【0026】(実施例2)図3に示すように、実施例1
で得た液晶記録媒体20とITO透明電極12を設けた
ガラス11上に積層型有機感光層(電荷発生層、電荷輸
送層)を塗布した感光体10を、約10μmのポリイミ
ドのスペーサフィルム(図示せず)を介して対向させ、
感光体側から画像露光を行い、同時に電源30により6
50Vの矩形電圧を40msec印加したところ、液晶
記録媒体20上に画像が形成された。
【0027】画像露光を行う光学系には、光学顕微鏡
(商品名:BH2−MJLT、オリンパス光学工業
(株)社製)を用い、対物レンズは20倍レンズまたは
50倍レンズ(商品名:MSPlan20×、50×)
とし、それぞれ記録媒体上に33.4倍、83.5倍の
拡大率となるように透過光学系にて被写体としてCrマ
スクラインペアーテストパターンの入力を行った。
【0028】(実施例3)実施例2にて記録した画像
を、フィルムスキャナ(商品名:LS−3500、ニコ
ン社製)を改造した装置で読み取り、画像処理ソフト
(商品名:フォトショップ、Adobe社製)にて所望
の大きさに拡大縮小を行った後、昇華転写プリンタ(商
品名:SP−5500、日本ビクター社製)で出力し
た。
【0029】20倍では0.8μmラインペアーまで
が、50倍では0.45μmラインペアーまでが記録解
像していることが確認できるだけの良好な出力画像が得
られた。20倍レンズ入力では30〜2000倍の倍率
の出力が、50倍レンズ入力では80〜5000倍の倍
率の出力がワンショットの記録画像を用いて短時間で可
能であった。また、記録画像上のいずれの場所でも解像
性に差は見られなかった。
【0030】(比較例1)実施例2と同様にして、イン
スタントフィルムにてCrマスクラインペアーテストパ
ターンの画像記録を行った。対物レンズ20倍で300
倍、50倍で750倍、100倍で1500倍の拡大率
までが限界であり、画質的にも高倍率になるほど低下し
ていった。また、倍率を変えるには各種レンズの交換が
必要であり、そのため、撮影場所特定や焦点合わせに多
大なる労力と時間を要した。
【0031】(実施例4)実施例2と同様の方法で、被
写体として1.5μm厚程度の厚みでサブμmの凹凸を
有するポリマー切片の入力を行った。対物レンズには2
0倍および50倍レンズを使用した。最終的に1000
倍で画面出力をしたところ、両者とも低倍率対物レンズ
入力であり被写界深度が深いため、画像のかなりの分に
焦点が合い鮮明な立体的な画面が得られた。
【0032】(比較例2)実施例4と同様の方法で、被
写体として1.5μm厚程度の厚みでサブμmの凹凸を
有するポリマー切片をインスタントフィルムにて100
0倍記録を行った。1000倍で記録するためには10
0倍対物レンズ入力の必要があり、深い被写界深度が得
られないため、全体に焦点が合わず、ボケた画像が得ら
れた。
【0033】(実施例5)実施例2と同様の方法で光カ
ード観察像の入力を行った。対物レンズには20倍およ
び50倍を使用した。最終的に1000倍で画像出力を
したところ、両者とも記録ビットやトラックの形状がコ
ントラストよく観察することができた。
【0034】(比較例3)実施例2と同様の方法で光カ
ード観察像の入力を行った。100倍の対物レンズを用
い、インスタントフィルムにて1000倍記録をしたと
ころ、記録ビットやトラックの形状が観察されるものの
コントラストはかなり低かった。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、低倍率の
対物レンズを使用して大きい視野の高精細画像を撮影す
ることができるので、焦点深度が深くなるので焦点合わ
せ操作が容易になり、レンズ交換操作を行わずに拡大縮
小処理を行うことができるので高倍率にするための煩雑
な操作が不要となり、またデバイスのみのハンドリング
で試料のハンドリングを必要とせず、また、読み取った
画像データは、ICメモリ、磁気記録媒体等に記憶させ
ておけば、必要に応じてデータを読み出して転送し、表
示、プリンタ等任意の形式で出力することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 顕微鏡画像入出力システムの構成を示すブロ
ック図である。
【図2】 顕微鏡に電圧印加露光画像記録装置を組み込
んだ例を説明する図である。
【図3】 分離型の高分子分散型液晶記録媒体を用いた
電圧印加露光画像記録装置の構成を示す図である。
【図4】 一体型液晶記録媒体を用いた電圧印加露光画
像記録装置の構成を示す図である。
【図5】 フロスト像記録媒体を説明する図である。
【図6】 分離型の高分子分散型液晶記録媒体の読み取
りを説明する図である。
【図7】 一体型液晶記録媒体の読み取りを説明する図
である。
【図8】 フロスト像記録媒体の読み取りを説明する図
である。
【図9】 拡大光学系を説明する図である。
【図10】 本発明のシステム構成の1例を示す概念図
である。
【図11】 本発明のシステム構成の他の例を示す概念
図である。
【符号の説明】
1…低倍率レンズ顕微鏡、2…電圧印加露光画像記録装
置、3…読み取りスキャナー、4…画像処理手段、5a
…出力装置、5b…データ保存手段。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低倍率の対物レンズを有する顕微鏡光学
    系と、顕微鏡光学系を通して露光され、少なくとも電極
    上に光導電層を形成した光センサ及び光センサと接触ま
    たは非接触で対向した情報記録媒体からなる電圧印加露
    光画像記録装置と、情報記録媒体に読み取り光を照射
    し、その透過光または反射光を検出して拡大光学系を通
    して顕微鏡像を読み取るための読み取り手段と、読み取
    った画像データを処理する画像処理手段と、画像処理さ
    れたデータが転送される出力手段とからなる顕微鏡画像
    入出力システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシステムにおいて、対物
    レンズを一定倍率のものに固定し、記録を行うことを特
    徴とする顕微鏡画像入出力システム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のシステムにおい
    て、顕微鏡光学系の対物レンズは50倍以下の倍率であ
    ることを特徴とする顕微鏡画像入出力システム。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載のシステムにおい
    て、顕微鏡光学系に用いるレンズは、対物レンズのみで
    あることを特徴とする顕微鏡画像入出力システム。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載のシステムにおい
    て、情報記録媒体は、樹脂中に分散、固定した液晶記録
    層を電極上に形成した高分子分散型液晶媒体であること
    を特徴とする顕微鏡画像入出力システム。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載のシステムにおい
    て、情報記録媒体は、高分子液晶層を電極上に形成した
    記録媒体であることを特徴とする顕微鏡画像入出力シス
    テム。
  7. 【請求項7】 請求項1または2記載のシステムにおい
    て、情報記録媒体は、フロスト像記録媒体であることを
    特徴とする顕微鏡画像入出力システム。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のうち何れか1項記載のシ
    ステムにおいて、情報記録媒体は、メモリー性を有する
    ことを特徴とする顕微鏡画像入出力システム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102223433B1 (ko) * 2020-11-24 2021-03-05 주식회사 트랙스원 디지털 현미경

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