JPH07217987A

JPH07217987A - 空気調和機用熱交換器

Info

Publication number: JPH07217987A
Application number: JP6011125A
Authority: JP
Inventors: Yoshimasa Kikuchi; 芳正菊池; Toru Inazuka; 徹稲塚
Original assignee: Daikin Industries Ltd
Current assignee: Daikin Industries Ltd
Priority date: 1994-02-02
Filing date: 1994-02-02
Publication date: 1995-08-18

Abstract

(57)【要約】【目的】下方への折り曲げ部を有して逆Ｖ字形に形成
された空気調和機用熱交換器において、下方への折り曲
げ部に対するシール部の送風性能、熱交換性能を向上さ
せる。【構成】空気吸込口２から空気吹出口３に到る空気流
通路４の上流側から下流側にかけて順に熱交換器７およ
びファン８を設け、かつ上記熱交換器７を下方に逆Ｖ字
形に折り曲げてなる空気調和機において、外側よりも幅
が狭く、しかも空気流通方向に下流側で傾斜面となる上
記熱交換器７の下方への折り曲げ部７Ａの内側にシール
部材２０Ａ,２０Ｂ,２０Ｃ,２０Ｄを設けてシールし
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本願発明は、空気調和機用熱交換
器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば特開平３−８７５２９号公報に示
されるように、近年の空気調和機(室内機)では、装置コ
ンパクト化などの見地からその送風機として例えばクロ
スフローファンを採用したものが多くなっている。

【０００３】ここで、該クロスフローファンを備えた従
来の空気調和機(壁掛け型)の構造の一例を図１１に示
す。

【０００４】先ず、同図中符号１は当該空気調和機の本
体ハウジング(本体ケーシング)である。

【０００５】該本体ハウジング１の前面側上方部分には
空気吸込口２が、また同下方部分には空気吹出口３が各
々形成されている。そして、該本体ハウジング１内に
は、上記上流側空気吸込口２から下流側空気吹出口３に
到る空気流通路(送風路)４、空気吹き出し通路５が連続
して形成されており、空気流通路４には、その上流側か
ら下流側にかけてフィルタ６、クロスフィン熱交換器
７、クロスフローファン８がそれぞれ順番に並設されて
いる。

【０００６】上記クロスフィン熱交換器７は、例えば伝
熱管と該伝熱管にクロスして多数並設されたプレートフ
ィン(図示省略)からなり、上記空気吸込口２の背後に位
置して図示のような逆Ｖ字形に下方に折り曲げて設置さ
れている。そして、該折り曲げ部７Ａの外側Ｖ形開口部
に断面三角形状のシール部材２０を嵌合固定することに
より、当該Ｖ形の開口部をシールしている。さらに、ク
ロスフローファン８は、上記空気流通路４の設置形状に
対応して、上記逆Ｖ字形のクロスフィン熱交換器７の下
部に位置して図示のように配設されており、上記本体ハ
ウジング１側ファンガイド突部９と上記ドレンパン１１
側舌部１０との間に空気吸込口を形成している。

【０００７】他方、符号１１は上記クロスフィン熱交換
器７の下部に位置して設けられたドレンパンであり、冷
房運転時等のクロスフィン熱交換器７からのドレン水を
受け止めるようになっている。

【０００８】また、これと同様の構成において、上記ク
ロスフィン熱交換器７は、さらに図１２に示すようにラ
ムダ形に２個所で下方に折り曲げて設置したものも採用
される(このように室内機にラムダ形のクロスフィン熱
交換器を採用したものとして、例えば実開平４−１０６
４２４号公報参照)。

【０００９】そして、図１１および図１２の構成におい
て、冷暖房時に上記クロスフローファン８が駆動される
と、室内の空気は各図に矢印で示すように、空気吸込口
２からフィルタ６を介して吸込まれ、クロスフィン熱交
換器７に供給されて効率良く熱交換(加熱又は冷却)され
る。その後、該熱交換された空気は、クロスフローファ
ン８を介して空気吹き出し通路５を通って上記空気吹出
口３より室内に適宜所定の角度で図示のように吹き出さ
れる。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来例
のようにクロスフィン熱交換器７を逆Ｖ字形又はラムダ
形に折り曲げる構成を採用し、当該折り曲げ部７Ａの外
側Ｖ形開口部に断面三角形状のシール部材２０を嵌装固
定することによって同開口部をシールするようにしたも
のでは、シール部材２０の幅Ｗ₁が広くなりすぎるとと
もに該幅の広いシール部材２０が熱交換器７の熱交換部
の上流側に位置することになるために、図示のように熱
交換部への空気流通路４の幅Ｗ₂,Ｗ₂を狭くしてしまう
とともに熱交換器７の折り曲げ部７Ａ両側に熱交換部に
相当な大きさの死水域ＤＡ₁,ＤＡ₂を形成してしまう。

【００１１】その結果、通風抵抗の増大および熱交換面
積の低下を招き、騒音が増大するとともに熱交換性能が
悪下する問題がある。

【００１２】本願発明は、このような問題を解決するた
めになされたもので、空気流通路の縮小幅を可及的に小
さく、しかも殆んど死水域を形成しなくて済むシール構
造を採用することによって、可及的に騒音を低減すると
ともに熱交換性能を向上させた空気調和機用熱交換器を
提供することを目的とするものである。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本願発明は、上記従来技
術の問題点を解決し、その目的を達成するために、次の
ような有効な課題解決手段を備えて構成されている。

【００１４】すなわち、本願発明の空気調和機用熱交換
器は、空気吸込口２から空気吹出口３に到る空気流通路
４の上流側から下流側にかけて順に熱交換器７およびフ
ァン８を設け、かつ上記熱交換器７の両端を下方に折り
曲げてなる空気調和機において、上記熱交換器７の下方
への折り曲げ部７Ａの内側にシール部材２０Ａ,２０Ｂ,
２０Ｃ,２０Ｄを設けてシールしている。

【００１５】そして、該シール部材２０Ａ,２０Ｂ,２０
Ｃ,２０Ｄとして、例えば断面三角形状のシール部材２
０Ａ,２０Ｃ,２０Ｄや断面への字形状のシール部材２０
Ｂが採用され、それらを両面テープ２１又はフック部材
２２などの係止手段を利用して熱交換器７側に係止する
ことにより、シール状態で固定する。

【００１６】さらに、上記シール部材２０Ａ,２０Ｂ,２
０Ｃ,２０Ｄ側部には、所定の方向に傾斜したドレン水
を集合させるためのドレン水集合溝２５が形成され、該
ドレン水集合溝２５は例えば当該熱交換器７の管板１３
に形成したドレン水排出路１４に連通される。

【００１７】

【作用】したがって、本願発明の空気調和機用熱交換器
の構成では、その構成に対応して次のような有効な作用
が実現される。

【００１８】すなわち、本願発明の空気調和機用熱交換
器は、上述のように空気吸込口２から空気吹出口３に到
る空気流通路４の上流側から下流側にかけて順に熱交換
器７およびファン８を設け、かつ上記熱交換器７の両端
を下方に折り曲げてなる空気調和機において、外側Ｖ形
開口部に比べて開口幅が小さく、しかも空気流通方向に
傾斜面となる上記熱交換器７の下方への折り曲げ部７Ａ
内側のＶ形溝部にシール部材２０Ａ,２０Ｂ,２０Ｃ,２
０Ｄを設けてシールするようにしている。従って、熱交
換器折り曲げ部７Ａ前後の空気流通路４の幅Ｗ₂,Ｗ₃の
制限は最小限に抑えることができ、通風抵抗も小さくな
る。さらにシール部材２０Ａ,２０Ｂ,２０Ｃ,２０Ｄは
熱交換器熱交換部の下流側に位置することになるので、
熱交換部を遮蔽することがないから上記空気流通方向に
対する傾斜面構造と相まって死水域は殆んど生じなくな
る。その結果、より通風抵抗は低減され、熱交換性能も
十分に向上する。

【００１９】そして、該場合において、上記シール部材
２０Ａ,２０Ｂ,２０Ｃ,２０Ｄとして、例えば断面三角
形状のシール部材２０Ａ,２０Ｃ,２０Ｄや断面への字形
状のシール部材２０Ｂを採用し、それらを両面テープ２
１又はフック部材２２などの取付固定方法の簡単な係止
手段を利用して係止することによりシールするようにす
ると、熱交換器への組付作業も容易となり、低コスト化
につながる。

【００２０】さらに、それらに加えて上記シール部材２
０Ａ,２０Ｂ,２０Ｃ,２０Ｄ側部に、所定の方向に傾斜
したドレン水を集合させるためのドレン水集合溝２５を
形成し、該ドレン水集合溝２５を例えば当該熱交換器７
の管板１３に形成したドレン水排出路１４に対応連通さ
せるようにすると、シール部材２０Ａ,２０Ｂ,２０Ｃ,
２０Ｄで生じたドレン水をファン８側に落下させること
なく、確実にドレンパン１１側に回収することができる
ようになる。

【００２１】その結果、水飛び現象を招来する恐れもな
くなる。

【００２２】

【発明の効果】以上の結果、本願発明の空気調和機用熱
交換器によると、通風抵抗の低減により熱交換器の送風
性能が向上し、騒音が低減されるとともに、死水域の解
消により熱交換器の熱交換部全体を最大限有効に熱交換
に寄与させることができ、熱交換性能が向上する。

【００２３】

【実施例】

(実施例１)図１〜図３は、本願発明の実施例１に係る空
気調和機用熱交換器およびその要部の構成と効果を示し
ている。

【００２４】先ず、同図中符号１はすでに述べた従来例
と同様の当該空気調和機の本体ハウジング(本体ケーシ
ング)である。

【００２５】該本体ハウジング１の前面側上方部分には
空気吸込口２が、また同下方部分には空気吹出口３が各
々形成されている。そして、該本体ハウジング１内に
は、上記上流側空気吸込口２から下流側空気吹出口３に
到る空気流通路(送風路)４、空気吹き出し通路５が連続
して形成されており、空気流通路４には、その上流側か
ら下流側にかけてフィルタ６、クロスフィン熱交換器
７、クロスフローファン８がそれぞれ順番に並設されて
いる。

【００２６】上記クロスフィン熱交換器７は、伝熱管と
該伝熱管にクロスして多数並設されたプレートフィン
(図示省略)からなり、従来例同様に上記空気吸込口２の
背後に位置して図示のように全体が逆Ｖ字形となるよう
に両端を下方に折り曲げ、基端側下部をドレンパン１１
側支持部に、また他端側下部を本体ハウジング１側ファ
ンガイド突部９上に各々支持された状態で設置されてい
る。このように、クロスフィン熱交換器７を逆Ｖ字形に
折曲した構造を採用すると、有効熱交換面積を変えるこ
となく、空調機本体の上下寸法をコンパクトにすること
ができる。さらに、クロスフローファン８は、上記空気
流通路４の設置形状に対応して、上記クロスフィン熱交
換器７の下部に位置して図示のように配設されており、
上記本体ハウジング１側ファンガイド突部９と上記ドレ
ンパン１１側舌部１０との間に空気吸込口を形成してい
る。

【００２７】他方、符号１１は上記クロスフィン熱交換
器７の下部に位置して設けられたドレンパン部であり、
冷房運転時等のクロスフィン熱交換器７からのドレン水
を受け止めるようになっている。

【００２８】そして、上記クロスフィン熱交換器７の上
記折り曲げ部７Ａ内側の例えば鋭角状コーナ部には、例
えば図２に示すような断面三角形状(三角柱状の)のシー
ル部材２０Ａが、その前後両側面部に各々両面テープ２
１,２１を介して下方側から嵌合されて接着固定され、
該シール部材２０Ａによって当該クロスフィン熱交換器
７の折り曲げ部７Ａがシールされている。該シール部材
２０は、例えばポリスチレン、ＡＢＳなどの合成樹脂材
料又は鉄、アルミニウムなどの金属材料によって形成さ
れている。

【００２９】そして、図１の構成において、今例えば冷
暖房運転時に上記クロスフローファン８が駆動される
と、室内の空気は図に矢印で示すように、空気吸込口２
からフィルタ６を介して吸込まれ、折り曲げ部７Ａ内側
がシール部材２０Ａによってシールされた逆Ｖ字形のコ
ンパクトなクロスフィン熱交換器７に供給されて全ての
空気流がスルーすることもなく効率良く熱交換(加熱又
は冷却)される。その後、該効率良く熱交換された空気
が、クロスフローファン８を介して空気吹き出し通路５
を通って上記空気吹出口３より室内に適宜所定の角度で
図示のように吹き出される。

【００３０】以上のように、本実施例の空気調和機のク
ロスフィン熱交換器では、外側のＶ形開口部よりも幅Ｗ
₁が狭く、かつ空気流通方向に傾斜面となる上記クロス
フィン熱交換器７の下方への折り曲げ部７Ａの内側コー
ナ部に断面三角形状のシール部材２０Ａを両面テープ２
１,２１を介して接着することにより嵌合固定して空気
流が漏れないように確実にシールしている。従って、図
１に示すように同折り曲げ部７Ａ前後の空気流通路４の
幅Ｗ₂,Ｗ₃の制限は最小限に抑えることができ、通風抵
抗も可及的に小さくなる。しかもシール部材２０は熱交
換部の下流側に位置することになるので、熱交換部を遮
蔽することがないからその両側面が空気流通方向に沿っ
た傾斜面となることと相まって従来のような死水域(Ｄ
Ａ₁,ＤＡ₂)は殆んど生じなくなる。その結果、より通風
抵抗が低減されて騒音は低下する一方、逆に送風量は増
大し、かつ熱交換器７の熱交換部の略全体が有効に熱交
換作用に寄与して熱交換性能が大きく向上する。

【００３１】したがって、本実施例の空気調和機用熱交
換器によると、逆Ｖ字形熱交換器の特徴であるコンパク
トさを活かしながら、可及的に空調能力の高い、空気調
和機を提供することが可能となる。

【００３２】該本実施例の構成のクロスフィン熱交換器
７と前記図１１の従来のクロスフィン熱交換器７との送
風性能の差を対比して示すと図３のようになった。この
実測結果から見ると、本実施例のシール構造のクロスフ
ィン熱交換器７の方が、従来のシール構造のクロスフィ
ン熱交換器７に比べて約２％程度送風性能が向上してい
ることが分り、例えば図示風量１２m³／minの所で見て
実質的にクロスフローファン８の回転数を１分間に２５
回転ほど下げることが可能となる。従って、それだけ騒
音も低減される。

【００３３】(実施例２)図４〜図５は、本願発明の実施
例２に係る空気調和機用熱交換器およびその要部の構成
を示している。

【００３４】先ず、同図中符号１はすでに述べた実施例
１と同様の当該空気調和機の本体ハウジング(本体ケー
シング)である。

【００３５】該本体ハウジング１の前面側上方部分には
空気吸込口２が、また同下方部分には空気吹出口３が各
々形成されている。そして、該本体ハウジング１内に
は、上記上流側空気吸込口２から下流側空気吹出口３に
至る空気流通路(送風路)４、空気吹き出し通路５が連続
して形成されており、空気流通路４には、その上流側か
ら下流側にかけてフィルタ６、クロスフィン熱交換器
７、クロスフローファン８がそれぞれ順番に並設されて
いる。

【００３６】上記クロスフィン熱交換器７は、伝熱管と
該伝熱管にクロスして多数並設されたプレートフィン
(図示省略)からなり、上記実施例１の場合と同様に上記
空気吸込口２の背後に位置して図示のように全体が逆Ｖ
字形となるように両端を下方に折り曲げ、基端側下部を
ドレンパン１１側支持部に、また他端側下部を本体ハウ
ジング１側ファンガイド突部９上に各々支持された状態
で設置されている。さらに、クロスフローファン８は、
上記空気流通路４の設置形状に対応して、上記クロスフ
ィン熱交換器７の下部に位置して図示のように配設され
ており、上記本体ハウジング１側ファンガイド突部９と
ドレンパン側舌部１０との間に空気吸込口を形成してい
る。

【００３７】他方、符号１１は上記クロスフィン熱交換
器７の下部に位置して設けられたドレンパンであり、冷
房運転時等のクロスフィン熱交換器７からのドレン水を
受け止めるようになっている。

【００３８】そして、上記クロスフィン熱交換器７の上
記折り曲げ部７Ａの内側コーナ部には、例えば図５に示
すような断面への字形状の板状のシール部材２０Ｂが、
その前後両側面部に各々両面テープ２１,２１を介して
下方側から接着することにより嵌合固定されており、該
シール部材２０Ｂによって当該クロスフィン熱交換器７
の折り曲げ部７Ａが確実にシールされている。該シール
部材２０Ｂは、例えばポリスチレン、ＡＢＳなどの合成
樹脂材料又は鉄、アルミニウムなどの金属材料によって
形成されている。

【００３９】そして、同図４の構成において、今例えば
冷暖房時に上記クロスフローファン８が駆動されると、
室内の空気は各図に矢印で示すように、空気吸込口２か
らフィルタ６を介して吸込まれ、全ての空気がスルーす
ることなくクロスフィン熱交換器７に供給されて効率良
く熱交換(加熱又は冷却)される。その後、該熱交換され
た空気は、クロスフローファン８を介して空気吹き出し
通路５を通って上記空気吹出口３より室内に適宜所定の
角度で図示のように吹き出される。

【００４０】以上のように、本実施例の空気調和機のク
ロスフィン熱交換器では、やはり外側のＶ形開口部に比
べて開口幅Ｗ₁が狭く、かつ空気流通方向に傾斜面とな
る上記クロスフィン熱交換器７の下方への折り曲げ部７
Ａの内側コーナ部に断面への字形状のシール部材２０Ｂ
を両面テープ２１,２１を介して接着することにより嵌
合固定して確実にシールしている。従って、図４に示す
ように同折り曲げ部７Ａ前後の空気流通路４の幅Ｗ₂,Ｗ
₃の制限は最小限に抑えることができ、通風抵抗も小さ
くなる。しかもシール部材２０Ｂは熱交換部の下流側に
位置することになるので、熱交換部を遮蔽することがな
いから、上記空気流通方向への傾斜面構造と相まって死
水域(ＤＡ₁,ＤＡ₂)は殆んど生じなくなる。その結果、
通風抵抗は十分に低減されて騒音が低下する一方、送風
量は増大し、加えて熱交換器７の熱交換部の略全体が有
効に熱交換作用に寄与することから熱交換性能が大きく
向上する。さらに、本実施例では、シール部材２０Ｂが
板状のものであるから、軽量でコストも安い。

【００４１】(実施例３)図６〜図８は、本願発明の実施
例３に係る空気調和機用熱交換器およびその要部の構成
を示している。

【００４２】先ず、同図中符号１はすでに述べた実施例
１および２と同様の当該空気調和機の本体ハウジング
(本体ケーシング)である。

【００４３】該本体ハウジング１の前面側上方部分には
空気吸込口２が、また同下方部分には空気吹出口３が各
々形成されている。そして、該本体ハウジング１内に
は、上記上流側空気吸込口２から下流側空気吹出口３に
至る空気流通路(送風路)４、空気吹き出し通路５が連続
して形成されており、空気流通路４には、その上流側か
ら下流側にかけてフィルタ６、クロスフィン熱交換器
７、クロスフローファン８がそれぞれ順番に並設されて
いる。

【００４４】上記クロスフィン熱交換器７は、伝熱管と
該伝熱管にクロスして多数並設されたプレートフィン
(図示省略)からなり、上記２つの実施例同様に上記空気
吸込口２の背後に位置して図示のように両端側を逆Ｖ字
形に下方に折り曲げて同様の状態で設置されている。さ
らに、クロスフローファン８は、上記空気流通路４の設
置形状に対応して、上記クロスフィン熱交換器７の下部
に位置して図示のように配設されており、上記本体ハウ
ジング１側ファンガイド突部９とドレンパン側舌部１０
との間に空気吸込口を形成している。

【００４５】他方、符号１１は上記クロスフィン熱交換
器７の下部に位置して設けられたドレンパンであり、冷
房運転時等のクロスフィン熱交換器７からのドレン水を
受け止めるようになっている。

【００４６】そして、上記クロスフィン熱交換器７の上
記折り曲げ部７Ａの図示しない複数の係合突部を備えた
内側コーナ部には、例えば図７に示すような断面三角形
状(三角柱状の)のシール部材２０Ｃが、上記複数の係合
突部に対応してその前後両側面部に各々所定の間隔を置
いて複数設けられたフック部材２２,２２・・・を介し
て下方側から嵌合係止され、該シール部材２０Ｃによっ
て当該クロスフィン熱交換器７の折り曲げ部７Ａが確実
にシールされている。該シール部材２０Ｃは、例えばポ
リスチレン、ＡＢＳなどの合成樹脂材料又は鉄、アルミ
ニウムなどの金属材料によって形成されている。また、
上記フック部材２２,２２・・・が係合されるクロスフ
ィン熱交換器７側係合突部は、例えばプレートフィンの
一部をフックピン状に切起して形成される。そして、上
記前後両側面部のフック部材２２,２２・・下方には、
図示のようにドレン水を集合させるための所定深さのド
レン水集合溝２５,２５が長手方向に延びて設けられて
いる。該ドレン水集合溝２５,２５は、各々一端側から
他端側にかけて所定の傾斜角を有し、かつ下降端側では
側面側に完全に開口して形成されている。

【００４７】一方、上記クロスフィン熱交換器７の管板
１３,１３の一方側のものは他方側のものより板厚およ
び上下方向の幅が大きく形成され、例えば図８に示すよ
うに、上記シール部材２０Ｃのドレン水集合溝２５の低
位側側面方向への開口端部に対応して連通するドレン水
排出路１４が形成されており、該ドレン水排出路１４の
下流端は上記ドレンパン１１上に開口されている。従っ
て、上記シール部材２０Ｃのドレン水集合溝２５,２５
で集められたドレン水は、該ドレン水排出路１４を介し
てドレンパン１１上に排出される。

【００４８】そして、図６の構成において、今例えば冷
暖房運転時に上記クロスフローファン８が駆動される
と、室内の空気は図に矢印で示すように、空気吸込口２
からフィルタ６を介して吸込まれ、スルーすることなく
全てが折り曲げ部７Ａをシール部材２０Ｃでシールした
クロスフィン熱交換器７に供給されて効率良く熱交換
(加熱又は冷却)される。その後、該熱交換された空気
は、クロスフローファン８を介して空気吹き出し通路５
を通って上記空気吹出口３より室内に適宜所定の角度で
図示のように吹き出される。

【００４９】以上のように、本実施例の空気調和機のク
ロスフィン熱交換器では、上述の各実施例同様に外側の
Ｖ形開口部より幅Ｗ₁が狭く、かつ空気流通方向に傾斜
面となる上記クロスフィン熱交換器７の下方への折り曲
げ部７Ａの内側コーナ部に断面三角形状のシール部材２
０Ｃを嵌合固定してシールしている。従って、上記各実
施例の場合と同様に当該折り曲げ部７Ａ前後の空気流通
路４の幅Ｗ₂,Ｗ₃の制限は最小限に抑えることができ、
しかもシール部材２０Ｃは熱交換部の下流側に位置する
ことになるので、熱交換部を遮蔽することがないから上
記空気流通方向への傾斜面構造と相まって死水域(Ｄ
Ａ₁,ＤＡ₂)は殆んど生じなくなる。その結果、通風抵抗
は低減されて騒音が低下し、しかも熱交換器７の熱交換
部の略全体が有効に熱交換作用に寄与して熱交換性能が
大きく向上する。

【００５０】しかも、特に本実施例の構造では、その場
合において、上記シール部材２０Ｃにはドレン水集合溝
２５,２５が、又クロスフィン熱交換器７の管板１３に
はドレン水排出路１４が各々形成されており、シール部
材２０Ｃ部分で生じたドレン水をクロスフローファン８
側に落下させることなく、確実に下方のドレンパン１１
側に回収することができる。

【００５１】その結果、水飛び現象を招来する恐れもな
くなる。

【００５２】また、上記シール部材２０Ｃは、フック部
材２２,２２・・・でクロスフィン熱交換器７側係合突
部に係合係止して固定されるようになっているので、組
付作業が容易で、低コストなものとなることはもちろ
ん、長時間を経過しても外れる恐れがなく、メンテナン
スの必要がない。

【００５３】(実施例４)さらに、図９は、本願発明の実
施例４に係る空気調和機用熱交換器のシール部材２０Ｄ
の構造を示している。

【００５４】該実施例のシール部材２０Ｄは、上記実施
例３のシール部材２０Ｃにおけるドレン水集合溝２５,
２５を、シール部材２０Ｄの長手方向中央部位置の高さ
を高くし、両端側にかけて低くすることによって可及的
にドレン水集合溝２５,２５の傾斜角を大きくするとと
もに、その長さを短くし、ドレン水の排出性能を高くす
るようにしたことを特徴としている。

【００５５】そして、図１０に示すように、それに対応
してクロスフィン熱交換器７側両方の管板１３,１３に
対応するドレン水排出路１４,１４を設けている。

【００５６】このような構成によれば、上記実施例１,
２,３と全く同様の作用効果に加えて、ドレン水の排出
性能がより大きく向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本願発明の実施例１に係る空気調和機
用熱交換器の全体構成を示す断面図である。

【図２】図２は、同熱交換器折り曲げ部のシール部材の
構成を示す斜視図である。

【図３】図３は、同熱交換器と従来の熱交換器の送風量
性能を対比して示すグラフである。

【図４】図４は、本願発明の実施例２に係る空気調和機
用熱交換器の全体構成を示す断面図である。

【図５】図５は、同熱交換器折り曲げ部のシール部材の
構成を示す斜視図である。

【図６】図６は、本願発明の実施例３に係る空気調和機
用熱交換器の全体構成を示す断面図である。

【図７】図７は、同熱交換器折り曲げ部のシール部材の
構成を示す斜視図である。

【図８】図８は、同熱交換器の一部を切欠いて示す拡大
斜視図である。

【図９】図９は、本願発明の実施例４に係る空気調和機
用熱交換器の折り曲げ部のシール部材の構成を示す斜視
図である。

【図１０】図１０は、同熱交換器の一部を切欠いて示す
拡大斜視図である。

【図１１】図１１は、第１の従来例の空気調和機用熱交
換器の全体構成を示す断面図である。

【図１２】図１２は、第２の従来例の空気調和機用熱交
換器の全体構成を示す断面図である。

【符号の説明】

１は本体ハウジング、２は空気吸込口、３は空気吹出
口、４は空気流通路、７はクロスフィン熱交換器、７Ａ
は折り曲げ部、８はクロスフローファン、１３は管板、
１４はドレン水排出路、２０Ａ,２０Ｂ,２０Ｃ,２０Ｄ
はシール部材、２１は両面テープ、２２はフック部材、
２５はドレン水集合溝である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｆ２４Ｆ 1/00 ４０１Ｄ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】空気吸込口(２)から空気吹出口(３)に到
る空気流通路(４)の上流側から下流側にかけて順に熱交
換器(７)およびファン(８)を設け、かつ上記熱交換器
(７)の両端を下方に折り曲げてなる空気調和機におい
て、上記熱交換器(７)の下方への折り曲げ部(７Ａ)の内
側にシール部材(２０Ａ),(２０Ｂ),(２０Ｃ),(２０Ｄ)
を設けたことを特徴とする空気調和機用熱交換器。
【請求項２】シール部材として断面三角形状のシール
部材(２０Ａ),(２０Ｃ),(２０Ｄ)を採用したことを特徴
とする請求項１記載の空気調和機用熱交換器。
【請求項３】シール部材として断面への字状のシール
部材(２０Ｂ)を採用したことを特徴とする請求項１記載
の空気調和機用熱交換器。
【請求項４】シール部材(２０Ａ),(２０Ｂ),(２０
Ｃ),(２０Ｄ)は、所定の係止手段により熱交換器に固定
されていることを特徴とする請求項１,２又は３記載の
空気調和機用熱交換器。
【請求項５】所定の係止手段は、両面テープ(２１)で
あることを特徴とする請求項４記載の空気調和機用熱交
換器。
【請求項６】所定の係止手段は、フック部材(２２)で
あることを特徴とする請求項４記載の空気調和機用熱交
換器。
【請求項７】シール部材(２０Ａ),(２０Ｂ),(２０
Ｃ),(２０Ｄ)にはドレン水集合溝(２５)が形成されてい
るとともに熱交換器(７)の管板(１３)にドレン水排出路
(１４)が形成され、シール部材(２０Ａ),(２０Ｂ),(２
０Ｃ),(２０Ｄ)側ドレン水集合溝(２５)で集められたド
レン水が熱交換器(７)側ドレン水排出路(１４)を介して
ドレンパン(１１)に排出されるように構成されているこ
とを特徴とする請求項１,２,３,４,５又は６記載の空気
調和機用熱交換器。