JPH07217679A - ドラムブレーキ装置 - Google Patents

ドラムブレーキ装置

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Publication number
JPH07217679A
JPH07217679A JP1085194A JP1085194A JPH07217679A JP H07217679 A JPH07217679 A JP H07217679A JP 1085194 A JP1085194 A JP 1085194A JP 1085194 A JP1085194 A JP 1085194A JP H07217679 A JPH07217679 A JP H07217679A
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JP
Japan
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brake
shoe
brake shoe
drum
backing plate
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Pending
Application number
JP1085194A
Other languages
English (en)
Inventor
Naotake Yamada
尚武 山田
Shigeo Nagasawa
茂男 長澤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Publication of JPH07217679A publication Critical patent/JPH07217679A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D65/00Parts or details
    • F16D65/0006Noise or vibration control

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 振動時におけるブレーキシューのブレーキド
ラムへの安定的な摺接を低減する。 【構成】 バッキングプレートの上部と下部とにそれぞ
れ取り付けたホイールシリンダとアンカブロック16と
の間にブレーキシュー18,20を取り付ける。アンカ
ブロック16のブレーキシュー20の端部を支持する第
一傾斜支持面74のバッキングプレートに直角な垂直面
に対する傾斜角度α1 をブレーキシュー18の端部を支
持する第二傾斜支持面76の傾斜角度α2 より大きくす
る。これにより、ブレーキシュー18はパーキングブレ
ーキレバーの存在により重量が大きく、下向きに作用す
る力が大きいが、第二傾斜支持面76の斜面の効果によ
る上向きの力が大きく、振動時に過剰に下方へ移動して
ブレーキドラム10に摺接し、偏摩耗や引きずりを生ず
ることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はドラムブレーキ装置に関
するものであり、特に、非制動状態におけるブレーキシ
ューのブレーキドラムへの摺接の低減に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ドラムブレーキ装置は、一対のブレーキ
シューをブレーキドラムに摺接させることにより車輪の
回転を抑制する装置である。そのため、ドラムブレーキ
装置は、例えば実開昭62−172830号に一例が記
載されているように、(a)水平軸線まわりに回転可能
に設けられたブレーキドラムと、(b)そのブレーキド
ラムの回転軸線に直角にかつ回転不能に設けられたバッ
キングプレートと、(c)そのバッキングプレートに、
そのバッキングプレートに沿って移動可能に取り付けら
れ、それぞれブレーキドラムの内周面に対面する一対の
ブレーキシューと、(d)それら一対のブレーキシュー
を互に接近する向きに付勢する付勢手段と、(e)バッ
キングプレートに取り付けられ、一対のブレーキシュー
の各一端部にそれぞれ係合し、それら一対のブレーキシ
ューを付勢手段の付勢力に抗してブレーキドラムに摺接
させる一対のホイールシリンダと、(f)バッキングプ
レートに取り付けられ、一対のブレーキシューの各他端
部を支持する一対のアンカとを含むように構成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のドラムブレーキ
装置には、非制動状態における車輪の振動に伴ってバッ
キングプレートが中心線に直角な方向に振動したとき
に、ブレーキシューがバッキングプレートに沿って安定
的に一方向へ移動し、ブレーキドラムに摺接して引きず
りトルクの増大や無駄な摩耗が生じる傾向があった。
【0004】例えば、リーディング・トレーリング型の
ドラムブレーキ装置においては、バッキングプレートの
上部と下部とにそれぞれ、一対ずつのホイールシリンダ
とアンカとが取り付けられ、それら一対ずつのホイール
シリンダとアンカとの間に配設された一対のブレーキシ
ューが、シューリターンスプリングによって水平方向に
互に接近する向きに付勢されることが多い。そして、こ
の場合、一対のアンカのそれぞれブレーキシューを支持
する支持面は、バッキングプレートに直角な垂直面に対
して上方ほど互に接近する向きに同じ角度傾斜させられ
る。
【0005】そのため、ブレーキシューの重量(ブレー
キシューの質量に重力加速度9.8m2/s を掛けたもの。以
下、重量について同じである。)がブレーキシューを下
方へ移動させる向きに作用する一方、シューリターンス
プリングのブレーキシューをアンカの支持面に押し付け
る力の反力が支持面の斜面の効果により、ブレーキシュ
ーを上方へ移動させる向きに作用する。したがって、ブ
レーキシューはこれら下向きの力と上向きの力との差に
よって、常時上方もしくは下方へ付勢されていることに
なる。ただし、この上向き力と下向き力との差(以下、
不均衡力と称する)は通常、ブレーキシューとバッキン
グプレート,アンカ,ホイールシリンダ等との摩擦力よ
り小さいため、ブレーキシューが実際に上方もしくは下
方へ移動することはない。
【0006】しかし、車両の走行中に路面の凹凸等によ
って車輪がブレーキドラムの回転軸線に直角な方向に振
動させられ、それに伴ってバッキングプレートおよびブ
レーキシューに上下方向の振動成分が与えられると、こ
の振動成分に基づく振動加速度とブレーキシューの質量
との積に相当する慣性力がブレーキシューに作用し、こ
の慣性力が上記摩擦力を超えることは珍しくない。した
がって、ブレーキシューが実際に上方もしくは下方に移
動させられることになるが、振動加速度に基づく慣性力
は上方と下方とに交互に、確率的に均等に作用するた
め、慣性力によりブレーキシューが上方もしくは下方へ
ずれても次には逆の向きに移動するのであって、ブレー
キシューが上方もしくは下方へ一方的にずれてブレーキ
ドラムに安定的に摺接することはない。
【0007】しかし、ブレーキシューに慣性力と共に不
均衡力が作用する場合には、ブレーキシューの移動の向
きが確率的に上方もしくは下方に偏り、ブレーキシュー
の上部もしくは下部がブレーキドラムに安定的に摺接
し、引きずりトルクの増大や無駄な摩耗を生じさせる。
【0008】前記従来のリーディング・トレーリング型
ドラムブレーキ装置においては、付勢手段が一対のブレ
ーキシューを同じ強さで互に接近する向きに付勢してお
り、一対のアンカのそれぞれブレーキシューを支持する
支持面が垂直面に対して上方ほど互に接近する向きに同
じ角度傾斜させられているため、一対のブレーキシュー
をそれぞれ上方に移動させようとする2つの上向き力は
等しい。しかし、一対のブレーキシューの重量、すなわ
ちブレーキシューを下方へ移動させようとする下向き力
は等しくない。一対のブレーキシューの一方には、パー
キングブレーキ操作部材の操作に応じて回動させられ、
一対のブレーキシューをブレーキドラムに摺接させるパ
ーキングブレーキレバーが取り付けられるのに対し、他
方のブレーキシューにはこのパーキングブレーキレバー
が取り付けられないからである。
【0009】そのため、付勢手段の付勢力およびアンカ
支持面の傾斜角度を一方のブレーキシューについて、不
均衡力が生じないように定めれば、他方のブレーキシュ
ーでは必ず不均衡力が生じることとなって、そのブレー
キシューの上部もしくは下部が安定的にブレーキドラム
に摺接し、引きずりトルクの増大や無駄な摩耗が生じる
ことを避け得なかったのである。
【0010】例えば、付勢手段の付勢力を大きくし、あ
るいはアンカ支持面の傾斜角度を大きくして上向き力を
大きくすれば、重い方のブレーキシューの不均衡力を解
消し得るのであるが、軽い方のブレーキシューに上向き
の不均衡力が生じてこのブレーキシューの上部がブレー
キドラムに安定的に摺接してしまうのであり、逆に上向
き力を小さくすれば、重い方のブレーシューに下向きの
不均衡力が生じてこのブレーキシューの下部がブレーキ
ドラムに安定的に摺接してしまうのである。
【0011】この問題は、リーディング・トレーリング
型ドラムブレーキ装置に限らず、ツーリーディング型ド
ラムブレーキ装置においても生じ、また、ホイールシリ
ンダとアンカとが互に垂直方向に隔たって設けられたド
ラムブレーキ装置のみならず、水平方向に隔たって設け
られたドラムブレーキ装置においても同様に生ずる。
【0012】本発明は、ブレーキシューに作用するホイ
ールシリンダ側方向の力とアンカ側方向の力とをほぼ等
しくすることにより、ブレーキシューがブレーキドラム
に安定的に摺接して引きずりトルクの増大や無駄な摩耗
を生じさせる問題を解決することを課題として為された
ものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、前記(a)ブレーキドラム,(b)バ
ッキングプレート,(c)一対のブレーキシュー,
(d)付勢手段,(e)ホイールシリンダおよび(f)
アンカを含むドラムブレーキ装置において、バッキング
プレートの中心線に直角な方向の振動時に、ブレーキシ
ューが付勢手段の付勢力とブレーキシューの質量との少
なくとも一方に基づいて、付勢力とほぼ直交する方向に
安定的にずれることを防止するずれ防止手段を設けたこ
とを要旨とするものである。
【0014】本発明を、前述のホイールシリンダがバッ
キングプレートの上部に設けられ、アンカが下部に設け
られたリーディング・トレーリング型ドラムブレーキ装
置に適用する場合には、例えば、アンカの一対の支持面
の傾斜角度を、重量の小さいブレーキシューの端部を支
持する第一傾斜支持面において重量の大きいブレーキシ
ューの端部を支持する第二傾斜支持面におけるより小さ
くすることを前記ずれ防止手段とすることができる。傾
斜支持面の傾斜角度を、付勢手段の付勢力に基づいて両
ブレーキシューの各重量に等しい上向き力を生じさせる
大きさに決定することが理想的であるが、少なくとも、
第一傾斜支持面の傾斜角度を第二傾斜支持面の傾斜角度
より大きくすれば、支持面が対称に形成されていた従来
のドラムブレーキよりはブレーキの引きずりや無駄な摩
耗を軽減することが容易になる。
【0015】また、本発明を、ホイールシリンダとアン
カとが互に水平方向に隔たって設けられたドラムブレー
キ装置に適用する場合には、例えば、ホイールシリンダ
のブレーキシューの一端部に係合する係合面とアンカの
ブレーキシューの他端部を支持する支持面とを共に水平
面に平行にすることを前記ずれ防止手段とすることがで
きる。
【0016】
【作用】本発明に係るドラムブレーキ装置においては、
車輪と共にバッキングプレートやブレーキシューがブレ
ーキドラムの回転軸線に直角な方向に振動しても、ブレ
ーキシューが特定の方向に安定的にずれることがずれ防
止手段により防止され、ブレーキシューの特定の部分が
ブレーキドラムに比較的高い面圧で摺接することがな
い。
【0017】例えば、ホイールシリンダがバッキングプ
レートの上部に設けられ、アンカが下部に設けられたリ
ーディング・トレーリング型ドラムブレーキ装置におい
て、アンカの傾斜支持面の傾斜角度を、付勢手段の付勢
力に基づいて両ブレーキシューの各重量に等しい上向き
力を生じさせる大きさにすることをずれ防止手段として
採用すれば、いずれのブレーキシューも安定的に特定方
向にずれることはなくなるのである。一対のブレーキシ
ューの一方にのみパーキングブレーキレバーが取り付け
られ、両ブレーキシューの重量が異なっているにもかか
わらず、重量の大きい方のブレーキシューを支持する側
の傾斜支持面の傾斜角度を重量の小さい方のブレーキシ
ューを支持する傾斜支持面の傾斜角度より適度な量だけ
大きくしておけば、一対のブレーキシューを同じ大きさ
の力で互に接近する方向に付勢しも、それに基づいて発
生する上向き力が重量の大きいブレーキシューの側で大
きくなり、両ブレーキシューが共に不均衡力を受けない
状態を実現し得るのである。
【0018】このように構成されたドラムブレーキ装置
においては、バッキングプレートの中心線に直角な方向
の振動に伴って、ブレーキシューがバッキングプレー
ト,ホイールシリンダおよびアンカに沿って垂直方向に
ずれても、そのずれは上方と下方とに確率的に均等に生
じ、上方もしくは下方に安定的にずれてブレーキシュー
の上部もしくは下部が特に多くブレーキドラムに摺接す
ることはない。
【0019】なお、第一傾斜支持面および第二傾斜支持
面は、ブレーキドラムの回転軸線を通り、半径方向に延
びる線に沿って形成すれば、ブレーキシューのアンカ支
持面に対する当接方向が直角になり、両傾斜支持面から
の反力によってブレーキシューに被支持端が外周側へ移
動する傾向も中心側へ移動する傾向もなくなる。基本的
にこのように設計されたドラムブレーキにおいて第一,
第二傾斜支持面の傾斜角度を相異ならせるためには、ブ
レーキシューのアンカ支持面に対する当接角度が直角に
なる状態から大きく、あるいは小さくすることが必要に
なる。このとき、第一,第二傾斜支持面の一方の傾斜角
度を変えてもよく、あるいは両方を変えてもよい。
【0020】また、例えば、ホイールシリンダとアンカ
とが互に水平方向に隔たって設けられたドラムブレーキ
装置において、ホイールシリンダの係合面とアンカの支
持面とを共に水平面に平行にすることをずれ防止手段と
して採用すれば、付勢手段の付勢力に基づいて係合面お
よび支持面に平行な方向の力が生じることはなく、重量
も係合面および支持面に直角な方向に作用するのみであ
るため、水平方向の不均衡力は生じず、振動発生時にも
ブレーキシューが安定的にホイールシリンダ側あるいは
アンカ側にずれ、ブレーキシューのホイールシリンダ側
部分あるいはアンカ側部分が特に多くブレーキドラムに
摺接することはない。
【0021】一対のブレーキシューが水平に配設された
ドラムブレーキ装置においても、ホイールシリンダの係
合面あるいはアンカの支持面が水平面に対して傾斜させ
られていれば、振動時には付勢手段の付勢力と質量との
両方がブレーキシューにずれを生じさせる。付勢手段の
付勢力および重力はブレーキシューを垂直方向に付勢し
ており、ホイールシリンダの係合面あるいはアンカの支
持面が傾斜していれば、斜面の効果によりブレーキシュ
ーを付勢手段の付勢力とほぼ直交する水平方向に移動さ
せる不均衡力が生じるのであるが、ホイールシリンダの
係合面とアンカの支持面とを水平面に平行にすればこれ
を回避することができるのである。
【0022】
【発明の効果】このように本発明によれば、ブレーキシ
ューがブレーキドラムに偏って安定的に摺接し、偏摩耗
や引きずりトルクの増大が生じることを良好に回避する
ことができ、無駄な摩耗の低減よってブレーキシューの
寿命延長効果が得られ、引きずりトルクの低減により省
エネルギ効果が得られる。
【0023】
【実施例】以下、本発明をリーディング・トレーリング
型ドラムブレーキ装置に適用した実施例を図面に基づい
て詳細に説明する。図2において10はブレーキドラム
である。ブレーキドラム10は図示しない車軸に取り付
けられ、水平軸線まわりに回転させられる。ブレーキド
ラム10の近傍には、非回転部材によってバッキングプ
レート12がブレーキドラム10の回転軸線に直角にか
つ回転不能に支持されている。
【0024】バッキングプレート12の上部と下部とに
はそれぞれ、ホイールシリンダ14およびアンカブロッ
ク16が固定されており、これらホイールシリンダ14
とアンカブロック16との間に一対の円弧状のブレーキ
シュー18,20が配設されている。
【0025】これらブレーキシュー18,20はそれぞ
れ、バッキングプレート12に平行な平板状のシューウ
ェブ22,24と、シューウェブ22,24に直角に取
り付けられた部分円筒状のシューリム26,28と、そ
れらシューリム26,28のブレーキドラム10の内周
面に対向する面に固着されたライニング30,32とを
有する。シューウェブ22,24はそれぞれ、バッキン
グプレート12に立設されたシューホールドダウンピン
34,36の軸部に相対移動可能に嵌合され、頭部との
間に配設された図示しないシューホルドダウンスプリン
グによってバッキングプレート12側に付勢されてい
る。
【0026】シューウェブ22,24のホイールシリン
ダ14に隣接する部分の間と、アンカブロック16に対
してホイールシリンダ14とは反対側に位置する端部の
間とにはそれぞれ、シューリターンスプリング40,4
2が掛け渡され、ブレーキシュー18,20を互に接近
する向きに付勢している。これらブレーキシュー18,
20の接近は、シューウェブ22,24間に設けられた
ストラット装置44により規制される。
【0027】ストラット装置44は、一対のストラット
部材46,48およびストラット部材46,48を連結
する連結部材50を有する。連結部材50は、長手方向
の中央部にスターホイール52を有し、一端部がストラ
ット部材46に回転可能に嵌合され、他端部がストラッ
ト部材48に螺合されており、連結部材50が回転させ
られることにより、ストラット部材46,48の両端間
の距離が延び、ブレーキシュー18,20の作動間隙が
調節される。
【0028】前記ホイールシリンダ14は一対のピスト
ン54を有するとともに(図には一方のピストン54の
み示されている)、それらピストン54はスプリング5
6によって互に離間し、ブレーキシュー18,20に接
触する向きに付勢されている。これらピストン54の間
に設けられた液圧室58に液圧が供給されるとき、ブレ
ーキシュー18,20はそれら一対のピストン54の移
動によりシューリターンスプリング40の付勢力に抗し
て開かれ、ブレーキドラム10に摺接させられて車輪の
回転を抑制する。ホイールシリンダ14は、一対のホイ
ールシリンダが一体的に構成されたものなのである。
【0029】上記ブレーキシュー18,20のうち、車
両前進時に前側となるリーディングシューであるブレー
キシュー18には、パーキングブレーキレバー60の一
端部がピン62により回動可能に取り付けられている。
パーキングブレーキレバー60は、ブレーキシュー18
と共にストラット部材46に係合させられており、パー
キングブレーキレバー60の他端部はパーキングブレー
キケーブル64によって図示しないパーキングブレーキ
操作部材に連結されている。
【0030】パーキングブレーキ操作部材が操作され、
パーキングブレーキケーブル64が引き締められれば、
パーキングブレーキレバー60のパーキングブレーキケ
ーブル64が係合させられた側の端部がブレーキドラム
10から離間する向きに回動させられる。それによりス
トラット装置44がパーキングブレーキレバー60によ
り押されて他方のブレーキシュー20側へ移動し、ブレ
ーキシュー20をブレーキドラム10に押しつけるとと
もに、ピン62がストラット装置44とは逆向きに移動
し、ブレーキシュー18をブレーキドラム10に押しつ
ける。
【0031】パーキングブレーキレバー60を支持する
ピン62には、アジャストレバー68が取り付けられて
いる。このアジャストレバー68は、前記ストラット装
置44のスターホイール52に係合する係合部を有して
いる。アジャストレバー68は、パーキングブレーキレ
バー60と共に回動し、ライニング30,32の摩耗に
よりパーキングブレーキレバー60の回動量が増大し、
アジャストレバー68の回動量が一定値以上に増大すれ
ば、係合部の先端面がスターホイール52の歯面に噛み
合ってスターホイール52を回転させ、2個のストラッ
ト部材46,48の端部間の距離をライニング30,3
2が摩耗した分だけ伸長させ、ブレーキシュー18,2
0の作動間隙を調節する。
【0032】前記アンカブロック16には、図1に示す
ように、トレーリングシューであるブレーキシュー20
の端部を支持する第一傾斜支持面74およびリーディン
グシューであるブレーキシュー18の端部を支持する第
二傾斜支持面76が形成されている。アンカブロック1
6は、一対のブレーキシュー18,20をそれぞれ支持
する一対のアンカが一体的に構成されたものなのであ
る。
【0033】これら第一,第二の傾斜支持面74,76
は、バッキングプレート12に直角な垂直面に対して、
下方ほど互に離間する向きに傾斜させられるとともに、
パーキングブレーキレバー60が連結されておらず、重
量の小さいブレーキシュー20を支持する第一傾斜支持
面74の傾斜角度α1 は、パーキングブレーキレバー6
0が連結されて重量の大きいブレーキシュー18を支持
する第二傾斜支持面76の傾斜角度α2 より小さくされ
ている。
【0034】このように軽い方のブレーキシュー20を
支持する第一傾斜支持面74の傾斜角度α1 を小さくす
れば、ドラムブレーキ装置の振動時にブレーキシュー1
8,20のいずれについても上下方向に偏ってずれるこ
とを防止することができる。傾斜角度α1 ,α2 は、振
動の上向きの成分と下向きの成分とが同じ大きさかつ同
じ確率で生ずることを前提として以下の式によって求め
ることができる。
【0035】ブレーキシュー20は、振動時にブレーキ
シュー20に加えられる上向きの力がブレーキシュー2
0の上方への移動を妨げる力より大きいとき、上方へ移
動する。これを式で表せば(1)式となる。 M201 +FA sin α1 >M20g+μ2W +μ1H
+μ3A cos α1 ・・・・・(1) ただし、図3に示すように、 M20:ブレーキシュー20の質量 FA :アンカからブレーキシュー20に加えられる反力 FW :ホイールシリンダ14のスプリング56の付勢力 FH :シューホールドダウンスプリングの付勢力 G1 :上向きの振動加速度 g:重力加速度(9.8m2/s ) μ1 :ブレーキシュー20とバッキングプレート12と
の間の摩擦係数 μ2 :ブレーキシュー20とホイールシリンダ14との
間の摩擦係数 μ3 :ブレーキシュー20とアンカブロック16との間
の摩擦係数
【0036】また、ブレーキシュー20は、振動時にブ
レーキシュー20に加えられる下向きの力がブレーキシ
ュー20の下方への移動を妨げる力より大きいとき、下
方へ移動する。これを式で表せば(2)式となる。 M202 +M20g>μ2W +μ1H +μ3A cos
α1 +FA sin α1 ・・・ (2) ただし、G2 は下向きの振動加速度である。
【0037】(1)式および(2)式をG1 , 2 につ
いて解けば、(3)式および(4)式が得られる。 G1 >(M20g+μ2W +μ1H +μ3A cos α
1 −FA sin α1 )/M 20・・・・・・・(3) G2 >(μ2W +μ1H +μ3A cos α1 +FA
sin α1 −M20g)/M 20・・・・・・・(4)
【0038】(3)式と(4)式とが均等に満たされる
ように諸条件を決定すればブレーキシュー20は確率的
に均等に上方と下方とへ移動することとなるが、前述の
ように上方への振動加速度G1 と下方への振動加速度G
2 とは等しいため、(3)式と(4)式との右辺が等し
いとの条件、つまり(5)式が満たされればよいことに
なる。 M20g−FA sin α1 =0・・・・・(5) 要するに、シューリターンスプリング40,42等の付
勢力に基づいてアンカからブレーキシュー20に加えら
れる反力FA の垂直上向きの成分FA sin α1と、ブレ
ーキシュー20の質量に基づく垂直下向きの重力M20
とが打ち消し合うようにすればよいのである。
【0039】(5)式から(6)式が得られる。 sinα1 =M20g/FA ・・・・(6) 力FA は次式(7)で表される。 FA =(FR −FW −FS +FB )/cos α1 ・・・・(7) ただし、図4に示すように、 FR :シューリターンスプリング40の付勢力 FS :ストラット反力 FB :シューリターンスプリング42の付勢力
【0040】ストラット反力FS は(8)式で表され
る。 FS =(FR 2 −FW 1 −FB 3 −M20gl4 )/l2 ・・・・(8) ただし、図4に示すように、 l1 :第一傾斜支持面74とブレーキシュー20との接
点とホイールシリンダ14のピストン54がブレーキシ
ュー20作用させる力の作用点との上下方向の距離 l2 :第一傾斜支持面74とブレーキシュー20との接
点とシューリターンスプリング40の作用点との上下方
向の距離 l3 :第一傾斜支持面74とブレーキシュー20との接
点とシューリターンスプリング42の作用点との上下方
向の距離 l4 :第一傾斜支持面74とブレーキシュー20との接
点とブレーキシュー20の重心との水平方向の距離
【0041】(6),(7),(8)式から傾斜角度α
1 は(9)式で表される。 α1 =tan -1[l220g/{(l2 +l3 )FB
(l2 −l1 )FW +l420g}]・・・・・(9) 第二傾斜支持面76の傾斜角度も同様にして求められ、
(10)式で表される。 α2 =tan -1[l218g/{(l2 +l3 )FB
(l2 −l1 )FW +l418g}]・・・・・(1
0) ただし、M18はブレーキシュー18の質量である。
【0042】(9),(10)式において、アンカのブ
レーキシューを支持する支持面の傾斜角度は0より大き
く、90度よりは小さいため、ブレーキシューの重量M
20g,M18gが大きくなるほど傾斜角度α1 ,α2 が大
きくなる。振動時のブレーキシューの上方への移動と下
方への移動とを確率的に同じにするためには、ブレーキ
シューの重量が大きいほど傾斜角度を大きくすればよい
のである。それによりブレーキシューが重くても軽くて
も、ブレーキドラム10の下側の部分や上側の部分に特
に多く接触し、無駄な摩耗や引きずりトルクの増大を生
じさせることを回避し得る。
【0043】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、シューリターンスプリング40,42が付
勢手段を構成し、重量の小さいブレーキシュー20の端
部を支持する第一傾斜支持面74の傾斜角度が重量の大
きいブレーキシュー18の端部を支持する第二傾斜支持
面76の傾斜角度より小さくされていることがずれ防止
手段を構成している。
【0044】本発明は、一対のブレーキシューが水平に
配設され、上下方向に開閉するドラムブレーキ装置にも
適用することができる。再びリーディング・トレーリン
グ型ドラムブレーキ装置を例として説明すれば、図5に
概略的に示すように、ホイールシリンダ80およびアン
カブロック82が水平方向においてバッキングプレート
84の中心の両側に位置する部分に取り付けられ、バッ
キングプレート84のホイールシリンダ80とアンカブ
ロック82との間にそれぞれブレーキシュー86,88
が設けられる。ホイールシリンダ80は前記ホイールシ
リンダ14と同様に一対のホイールシリンダが一体的に
構成されたものであり、アンカブロック82も一対のア
ンカが一体的に構成されたものである。
【0045】ホイールシリンダ80のピストン90のブ
レーキシュー86,88の各一端部に係合する係合面9
2と、アンカブロック82のブレーキシュー86,88
の各他端部を支持する支持面94とはそれぞれ、水平面
に対して互に逆の向きに傾斜した傾斜面とされている。
また、一対のブレーキシュー86,88は、2個のシュ
ーリターンスプリング96,98によって互に接近する
向きに付勢されている。また、図示は省略するが、ブレ
ーキシュー86,88のライニングの摩耗に伴う作動間
隙の増大はホイールシリンダ80のピストン90に組み
込まれた調節機構により調節されるようになっており、
ブレーキシュー86,88の両端部はアンカブロック8
2とピストン90とによって支持され、前記実施例にお
けるようにストラット装置によって支持されるようには
なっていない。
【0046】このドラムブレーキ装置においては、上記
実施例におけるように一対のブレーキシュー86,88
のパーキングブレーキレバーの有無による質量(重量)
の違いは重要な問題ではなく、各ブレーキシュー86,
88についてそれぞれ独自に係合面92と支持面94と
の傾斜角度を適切に決定すればよい。ただし、パーキン
グブレーキレバーの有無は、後に説明するブレーキシュ
ー86,88の重心位置に影響を及ぼすため、その限り
においては考慮する必要がある。
【0047】このドラムブレーキ装置の振動時には、ブ
レーキシュー86,88には、それらの質量M86,M88
と重力加速度と振動加速度との和(g+G)との積と、
シューリターンスプリング96,98の付勢力と、係合
面92および支持面94からの反力と、ブレーキシュー
86,88と他部材との間の摩擦力とが作用する。しか
し、前記実施例において述べたように、シューリターン
スプリング96,98の付勢力とブレーキシュー86,
88の質量とに基づいてブレーキシュー86,88と係
合面92および支持面94との間に作用する上下方向の
力の水平方向成分が釣り合うようにすれば、ブレーキシ
ュー86,88が安定的にホイールシリンダ80側もし
くはアンカブロック82側にずれないようにし得るので
あるから、次の(11)式が成立するように係合面92
および支持面94の傾斜角度を決定すればよいことにな
る。 FA tan α1 =FW tan α2 ・・・・・(11) ただし、図6に示すように、 FA :支持面94のブレーキシュー86に対する垂直方
向の反力 FW :係合面92のブレーキシュー86に対する垂直方
向の反力 α1 :支持面94の水平面に対する傾斜角度 α2 :係合面92の水平面に対する傾斜角度
【0048】そして、反力FA と反力FW とは次の(1
2),(13)式から求められる。 M86(g+G)+F98+F96=FA +FW ・・・・・(12) FW 1 −F962 −M86(g+G)l3 −F984 =0・・・・・(13) ただし、図6に示すように、 M86:ブレーキシュー86の質量 g:重力加速度 G:振動加速度 F96:シューリターンスプリング96の付勢力 F98:シューリターンスプリング98の付勢力 l1 :ブレーキシュー86の支持面94との接点と係合
面92との接点との間の水平方向の距離 l2 :支持面94とブレーキシュー86との接点とシュ
ーリターンスプリング96の作用点との水平方向の距離 l3 :支持面94とブレーキシュー86との接点とブレ
ーキシュー86の重心との水平方向の距離 l4 :支持面94とブレーキシュー86との接点とシュ
ーリターンスプリング98の作用点との水平方向の距離
【0049】式(12),(13)から反力FA , W
を求め、式(11)に代入すれば次の(14)式が得ら
れる。 α1 /α2 =[tan -1{M86(g+G)(l1 −l3
+F98(l1 −l4 )+F96(l1 −l2 )}/l1
/[tan -1{F962 +M86(g+G)l3 +F 98
4 }/l1 ]・・・・・(14) この(14)式の右辺において、振動加速度G以外はす
べて定数であるが、振動加速度Gは時々刻々変化するも
のであって、これの大きさの変化に伴ってα1/α2
値が変わる。振動加速度Gの各大きさの統計的な発生比
率が決まっていれば、これを考慮してブレーキシュー8
6をホイールシリンダ80側に移動させる力とアンカブ
ロック82側に移動させる力とが統計的に等しくなるよ
うにα1/α2 を決定することも可能であるが、実際に
はそれは困難であるため、ブレーキシュー86の重心
が、ブレーキシュー86とホイールシリンダ80および
アンカブロック82との接点間の中央に位置するように
することが望ましい。このようにすれば、振動加速度G
に基づく力がいくつであってもそれによってホイールシ
リンダ80側とアンカブロック82側との反力に差が生
じることがなく、シューリターンスプリング96,98
の付勢力に基づく、ホイールシリンダ80側とアンカブ
ロック82側との反力の違いを考慮して係合面92と支
持面94との傾斜角度の比α1 /α2 を決定すればよい
ことになるのである。
【0050】以上はブレーキシュー86について説明し
たが、ブレーキシュー88についても同様である。本実
施例においては、シューリターンスプリング96,98
が付勢手段を構成し、ブレーキシュー86,88の重心
が、ブレーキシュー86,88とホイールシリンダ80
およびアンカブロック82との接点間の中央に位置する
ようにされていることと、係合面92および支持面94
の水平面に対する傾斜角度が特定の比率に決められてい
ることとがずれ防止手段を構成することとなる。
【0051】さらに、シューリターンスプリング96,
98の付勢力の大きさおよびブレーキシュー86,88
とホイールシリンダ80,アンカブロック82との接点
からの距離を等しくする等の手段により、シューリター
ンスプリング96,98の付勢力に基づくホイールシリ
ンダ80,アンカブロック82からの反力が等しくなる
ようにすれば、係合面92と支持面94との傾斜角度を
互に等しくしておくことにより、ブレーキシュー86,
88をホイールシリンダ80側に移動させる力とアンカ
ブロック82側に移動させる力とを常に等しくすること
ができる。この実施例においては、ブレーキシュー8
6,88の重心が、ブレーキシュー86,88とホイー
ルシリンダ80およびアンカブロック82との接点間の
中央に位置するようにされていることと、シューリター
ンスプリング96,98の付勢力に基づくホイールシリ
ンダ80,アンカブロック82からの反力が等しくなる
ようにされていることと、係合面92と支持面94との
傾斜角度が互に等しくしされていることとがずれ防止手
段を構成する。
【0052】また、傾斜角度α1 ,α2 を共に0にすれ
ば、シューリターンスプリング96,98の付勢力やブ
レーキシュー86,88の質量に基づくホイールシリン
ダ80,アンカブロック82からの反力の大きさいかん
を問わず、ブレーキシュー86,88をホイールシリン
ダ80側に移動させる力もアンカブロック82側に移動
させる力も生じず、これが一対のブレーキシューが水平
に配設されるドラムブレーキ装置における最も単純なず
れ防止手段であることになる。
【0053】なお、前記図1〜図4に示す実施例におい
ては、ブレーキシューの重量が大きいほどアンカの傾斜
支持面の傾斜角度を大きくすることにより、ブレーキシ
ューが偏ってブレーキドラムに摺接することが防止され
るようになっていたが、この他にも、例えば、両傾斜支
持面の傾斜角度は軽い方のブレーキシューに適した大き
さに決定し、重い方のブレーキシューとバッキングプレ
ートとの間に、そのブレーキシューを上方に引き上げる
引っ張りコイルスプリング、あるいは下方から上方へ押
し上げる圧縮コイルスプリング等のばねを配設すること
により、重量が大きいことに基づく安定的な下方への移
動を防止してもよく、逆に、両傾斜支持面の傾斜角度は
重い方のブレーキシューに適した大きさに決定し、軽い
ほうのブレーキシューとバッキングプレートとの間にそ
のブレーキシューを下方に付勢するばねを配設してもよ
い。この場合には、上記ばねがずれ防止手段を構成す
る。
【0054】また、両傾斜支持面の傾斜角度は同じに
し、シューリターンスプリングを掛ける角度を水平方向
に対して傾斜させてずれ防止手段としてもよい。シュー
リターンスプリングの両端部のうち、重量が大きい方の
ブレーキシューに係合させられる端部を、重量が小さい
方のブレーキシューに係合させられる端部より下側にす
るのである。それにより重量の小さい方のブレーキシュ
ーには下向きの力が作用し、重量の大きい方のブレーキ
シューには上向きの力が作用し、それぞれの重量の大き
さの違いによる偏ったずれが回避される。
【0055】このようにシューリターンスプリングを掛
ける角度を水平方向に対して傾斜させてずれ防止手段と
すれば、シューリターンスプリングとは別にばねを設け
てブレーキシューを上方あるいは下方に付勢する場合の
ように部品点数が増えず、コスト,重量を増大させるこ
となく、ずれ防止効果を得ることができる。この場合に
は、一対のブレーキシューの各々において、シューリタ
ーンスプリングを掛ける位置が異なるため、ブレーキシ
ューにシューリターンスプリングを掛ける係合穴等の係
合部を1個設ける場合には、各ブレーキシューは係合部
の位置が異なる非対称な部品となり、ブレーキシューを
2種類作ることが必要である。しかし、ブレーキシュー
にシューリターンスプリングを掛ける係合部を2個設
け、ブレーキシューがバッキングプレートの車両前側の
位置に取り付けられるか、後側の位置に取り付けられる
かによって、2個の係合部のうちシューリターンスプリ
ングを掛ける係合部を選択するようにすれば、一対のブ
レーキシューを共通部品にすることができ、ブレーキシ
ューを1種類作るのみでよく、製造が容易である。
【0056】また、図1〜図4に示す実施例において
は、アンカブロック16のブレーキシュー18,20の
端部を支持する第一,第二傾斜支持面74,76の傾斜
角度の設定によりずれ防止効果を得ることができ、部品
点数の増加によるコスト,重量の増大を生ずることな
く、また、一対のブレーキシューを共通部品にするため
にシューリターンスプリングに係合部を2個設けること
なく、容易にずれ防止効果を得ることができる。係合部
が1個であるため、シューリターンスプリングを掛ける
位置を間違える恐れがなく、容易に組付けを行うことが
できる。さらに、アンカブロック16を180度反転さ
せてバッキングプレート12に取り付けることが可能な
ものとすれば、左右の車輪の各ドラムブレーキ装置につ
いて共通のアンカブロックを用いることができる。
【0057】さらに、本発明は、ツーリーディング型ド
ラムブレーキ装置等他の形式のドラムブレーキ装置にも
適用することができる。
【0058】その他、特許請求の範囲を逸脱することな
く、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した
態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるドラムブレーキ装置の
アンカを示す正面図である。
【図2】上記ドラムブレーキ装置を示す正面図である。
【図3】上記ドラムブレーキ装置においてブレーキシュ
ーに加えられる力を説明する図である。
【図4】上記ドラムブレーキ装置においてブレーキシュ
ーに作用するモーメントを説明する図である。
【図5】本発明の別の実施例であるドラムブレーキ装置
を概略的に示す図である。
【図6】図5の実施例においてブレーキシューに作用す
る力を示す図である。
【符号の説明】
10 ブレーキドラム 12 バッキングプレート 14 ホイールシリンダ 16 アンカブロック 18,20 ブレーキシュー 40,42 シューリターンスプリング 74 第一傾斜支持面 76 第二傾斜支持面 80 ホイールシリンダ 82 アンカブロック 84 バッキングプレート 86,88 ブレーキシュー 92 係合面 94 支持面 96,98 シューリターンスプリング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平軸線まわりに回転可能に設けられた
    ブレーキドラムと、 そのブレーキドラムの回転軸線に直角にかつ回転不能に
    設けられたバッキングプレートと、 そのバッキングプレートに、そのバッキングプレートに
    沿って移動可能に取り付けられ、それぞれ前記ブレーキ
    ドラムの内周面に対面する一対のブレーキシューと、 それら一対のブレーキシューを互に接近する向きに付勢
    する付勢手段と、 前記バッキングプレートに取り付けられ、一対のブレー
    キシューの各一端部にそれぞれ係合し、それら一対のブ
    レーキシューを前記付勢手段の付勢力に抗して前記ブレ
    ーキドラムに摺接させる一対のホイールシリンダと、 前記バッキングプレートに取り付けられ、前記一対のブ
    レーキシューの各他端部を支持する一対のアンカとを含
    むドラムブレーキ装置において、 前記バッキングプレートの中心線に直角な方向の振動時
    に、前記ブレーキシューが前記付勢手段の付勢力とブレ
    ーキシューの質量との少なくとも一方に基づいて、付勢
    力とほぼ直交する方向に安定的にずれることを防止する
    ずれ防止手段を設けたことを特徴とするドラムブレーキ
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020071172A (ko) * 2001-03-05 2002-09-12 한국델파이주식회사 차량용 브레이크 슈우
KR20030017678A (ko) * 2001-08-21 2003-03-04 주식회사 만도 드럼 브레이크

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KR20020071172A (ko) * 2001-03-05 2002-09-12 한국델파이주식회사 차량용 브레이크 슈우
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