JPH0721714Y2 - 鎧型横張内外装材用出隅部材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は建築、構築物等の鎧型横張内外装材用出隅部材
に関するものである。

（従来技術） 従来、例えば建築、構築物の横張外装材用隅部材とし
て、例えば、特開昭63−93958号公報（以下第１公知例
という）、実開平１−23530号公報（以下第２公知例と
いう）、実開昭62−52635号公報（以下第３公知例とい
う）、特開昭59−217865号公報（以下第４公知例とい
う）等が公知である。

即ち、上記第１公知例は「縦中央部からその両側縁を背
面側へ所要角度折曲して断面略Ｖ字状に形成した一枚板
からなる縦長方形状薄金属板の縦中央上方部に、前記薄
金属板の正面から背面側へ向けて折込まれ、かつ前記薄
金属板の背面へ重合された略逆三角形状の折込み重合部
を形成して前記折込み重合部の左右の薄金属板面を正面
から背面側へ所要角度をもって傾斜する傾斜面となすと
ともに前記薄金属板の上下略中間部に、正面から背面側
に向け所要巾をもって略水平状の折曲段部を形成し、該
段部およびその直下にかけて縦長状の所要長さの切開孔
と切込みによる折曲重合用舌片部を設け、前記折曲重合
用舌片部を前記薄金属板の背面側へ折曲重合して前記折
曲重合部の左右の薄金属板面を正面から背面側に所要角
度をもって傾斜する傾斜面となし、さらに前記薄金属板
の下端縁略中央部に設けた水平状折曲縁形成用切欠部上
縁部から、前記薄金属板の下端縁を背面側に略水平状に
折曲して前記切欠部の舌片部を他方の水平折曲縁に重合
し水平状折曲縁となしたことを特徴とする横張りサイデ
ィング用鎧形出隅」であって、鎧形の横張サイディング
の出隅部に用いられるものであり、また第２公知例は
「下側に位置する壁板の上端部に上側に位置する壁板の
下端部を重ね合わせた状態で組み合わされた、水平方向
に長い複数枚の壁板により覆われ、交差部が突出する状
態で互いに交差した壁面の角部を覆金具であって、金属
板の中間部を上記二つの壁面同士の交差角度と同じ角度
に折り曲げる事で左右１対の主覆板部とし、各主覆板部
の下縁部を壁面側に向けてほぼ直角に折り曲げる事で、
各壁板の下縁部を覆う下部覆片とし、各主覆板部の上縁
部を壁面側に向けて、主覆板部との成す角度が鋭角にな
る迄折り返す事で、各壁板の上縁部に係止自在な係止片
とした壁板で覆われた壁面角部の覆板」であって、壁板
で覆われた壁面角部（出隅部）に用いられるものであ
る。

さらに第３公知例は「弾性を有する１枚の長尺板体を長
手方向に沿って２等辺、または不等辺山形状に折り曲げ
て化粧面部を形成し、該化粧面部の両端縁を内方に垂直
に、あるいは傾斜して屈曲して側面部を設け、該側面部
の端縁を内方に鋭角に屈曲してフック状とした係合片を
設けたコーナ用パネルにおいて、該化粧面部の直角状の
角部を約45°の面取り状断面に形成し、かつ、側面部の
形状をパネルに応じた複数の山形状に形成したことを特
徴とするコーナ用パネル」であって、段葺状の外装材を
用いて壁体を形成した際の出隅に用いられるものであ
り、また第４公知例は「主体、間柱などの枠体と、長尺
でその長手方向の両側縁に雄、雌型連結部を有する一定
長さのパネルと、成形体であると共に防水性、クッショ
ン性を有する帯、または紐状の目地材と、底面部と脚部
から断面を樋状に形成した短尺の取付具と、該取付具の
外形に対応する樋状断面からなる長尺体であり、かつ、
その両化粧側面の下端を内方に延ばして形成した係合部
を有すると共に、化粧側面が弾性変形しうる目地カバー
とを備え、前記枠体上にパネルを水平に、かつ、上下方
向で雄、雌連結部を相互に連結すると共に、各パネルの
長手方向の端面を前記枠体上に載置して垂直な溝状の空
隙からなる縦目地部を形成し、該縦目地部に目地材を介
在させて空隙を閉塞し、また該縦目地部に前記取付具を
複数個、該縦目地を横断し、かつ脚部先端がパネル表面
に載置した状態で枠体に固定し、該取付具に目地カバー
を弾性変形を介して装着したことを特徴とするパネルを
用いた壁の縦目地構造」であって、パネルを横張りして
平坦状の外壁を形成する際の縦目地部に用いられるもの
である。

（考案が解決しようとする課題） ところが、上記従来技術において、第１公知例は、鎧形
出隅本体の略中間部に水平状の折曲段部が設けられ、ま
た上部中央および前記折曲段部の直下に略逆三角形状の
折込み重合部が設けられているので、構造が複雑とな
り、加工が面倒となるという問題点があり、また第２公
知例の係止片は、単に覆板を壁板の端部上縁に係止自在
とするとともに、前記覆板を取り外す場合は、交換すべ
き覆板を強く下方へ引張ることにより、前記係止片の折
曲部を直線状に延ばして容易に取り外しができるように
したものであるため、前記係止片による覆板の取付けは
不安定であり、容易に脱落する等の惧れがあるばかりで
なく、また前記覆板下面と壁板上面間に断熱空間を形成
することにより、該部の熱遮断性を高めることができな
い等の問題点があつたものであり、また第３公知例は、
コーナ用パネル本体の上下部に段葺状壁体の雄、雌型連
結部を被覆し、かつ上下方向に連結的に接続することが
できる取付構造が全くなく、また前記コーナ用パネル本
体のコーナ部に施工する場合は前記コーナ用パネル本体
の側面部の係合片を係止するための係止具を別途に必要
とする等の問題点があり、さらにまた第４公知例は、そ
の構造上、段葺状壁体には全く使用できないばかりでな
く、上記第３公知例の場合と同様に、目地カバー本体の
両側脚部を係止するための取付具を別途に必要とする等
の問題点があったものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は、上記課題を解決することを目的とし、横長の
板状基材の長手方向両側縁を雄、雌型連結部となした断
面凹状表面材の化粧面を、所要形状の凹凸面からなる鎧
型化粧面となした鎧型横張内外装材用の出隅部材であっ
て、縦中央部からその両側縁を背面側へ所要角度折曲し
て一対の出隅部被覆用壁面部を形成した一枚の縦長方形
状板体からなり、前記各出隅部被覆用壁面部の長手方向
の下端部に、前記鎧型横張内外装材の雌型連結部の突出
部と嵌合するコ字状嵌合部を、また前記一対の出隅部被
覆用壁面部の各長手方向の上端部に、前記鎧型横張内外
装材の雄型連結部の凸状嵌入部上端面に係止する折曲係
止部および前記凸状嵌入部表面に添接する添接部ならび
に断熱空間形成用斜面部とからなる係止部をそれぞれ形
成し、さらに縦中央上方部の適宜位置に、釘孔を穿設し
た位置決め部を形成し、かつ上記出隅部被覆用壁面部の
両側縁に表面材の化粧面形状と略対応する形状の内方折
曲状端部を有するとともに前記表面材との間に断熱空間
を形成する折曲側面部をそれぞれ折曲形成したことを特
徴とするものである。

（実施例） 第１図乃至第７図は、本考案の一実施例を示すものであ
り、第１図は本考案の出隅部材を取付けた状態を示す概
略外観斜視図、第２図は本考案に使用される例えば芯材
および裏面材を設けた鎧型横張防火外装材の一部切欠部
斜視図、第３図は本考案の出隅部材の外観斜視図、第４
図は同出隅部材の側面図、第５図（ａ）〜（ｄ）は裏面
よりみた内方折曲状端部の各例を示す一部切欠斜視図、
第６図は第２図の鎧型横張防火外装材の連結状態を示す
一部拡大断面図、第７図（ａ），（ｂ）は本考案の出隅
部材の上下端部の取付状態を示す一部拡大断面図であ
る。

ここで、第１図乃至第７図を用いて本考案の一実施例を
説明する。まず本考案で使用される例えば芯材および裏
面材を設けた鎧型横張防火外装材の一例について説明す
る。第２図において、20は表面材であって、例えば鋼
板、鉄板等の金属板、アルミ、セラミックス板等をロー
ル、プレスで成形したり、あるいは押出成型等により成
形したものからなる。21は前記表面材20の長手方向一側
縁に形成された雌型連結部であって、所要角度の上向き
傾斜面からなる鎧型傾斜面21aおよび前記鎧型傾斜面部2
1a終端に連続する内方折曲形の断面略コ字型の凹状嵌合
部21bとからなるものである。21cは前記凹状嵌合部21b
と表面材20下面との間の芯材充填部（突出部）、21dは
前記凹状嵌合部21bの下縁先端部に形成した折返し端縁
部であって、その終端は内方に所要長さ略水平状に延長
されて水平延長部21d′とされ、さらに所要長さ下方に
略垂直状に折曲され、垂直折曲片部21eを形成してい
る。

22は前記表面材20の長手方向他側縁に形成された雄型連
結部であって、前記雄型連結部21の凹状嵌合部21bに嵌
合可能の断面略コ字型の凸状嵌入部22aおよび前記凸状
嵌入部22aの基部に連続する外方折返し折曲延長形の突
出舌片部22bとからなり、その終端（先端）は所要長さ
下方に略垂直状に折曲され、垂直折曲片部22dを形成し
ている。

なお前記各垂直折曲部21e,22dは多少斜状でもよい。22c
は前記凸状嵌入部22a下面と前記突出舌片状部22bの基端
との間隙部であって、雄、雌連結部に前記雌型連結部21
の凹状嵌合部21bの下縁先端部に形成した折返し端縁部2
1dが嵌入する凹状部である。22eは前記突出舌片状部22b
の所要位置に形成された釘打用溝部であって、必要に応
じて設けない場合もある。22a′は前記凸状嵌入部22aの
上端面、22a″は前記凸状嵌入部22aの表面である。23は
前記突出舌片状部22bの下面に形成された芯材充填部で
あって、前記凸状嵌入部22aと略等厚もしくは稍々薄厚
に形成されている。24は前記表面材20の裏面側に一様の
厚みをもって充填された芯材であって、例えばノボラッ
ク型フェノール発泡樹脂、石膏、石綿、その他所要の断
熱、防火材で構成されている。25は前記雌型連結部21の
凹状嵌合部21b下面に設けられた凹欠部であって、前記
雄、雌型連結部22,21を連結した時に前記雄型連結部22
の突出舌片状部22bおよびその下面の芯材充填部23を収
容するものである。20aは前記表面材20の所要位置に形
成された鎧型傾斜面部であって、前記雌型連結端部の鎧
型傾斜面部21aと同形に形成されている。

なお前記鎧型傾斜面部20aは必ずしも必要としない場合
もあり、またその数も任意である。26は裏面材であっ
て、アルミ箔シート、その他防水、不燃処理を施した厚
紙等種々のものが用いられ、その両側部は雌、雄型連結
部21,22の各垂直折曲片部22e,22dの内側面に位置してい
る。なお芯材24の厚みは任意に調整できることは勿論の
ことである。

第１図はこのように構成した鎧型横張外装材の施工状態
の一例を示し、27は主柱、間柱、胴縁、その他の壁下
地、28は釘、29は出隅部である。

本考案の出隅部材30は、前記出隅部29を両鎧型横張内外
装材にまたがってワンタッチで被覆する構成になってい
る。この出隅部材30は第３図示の如く縦中央部31からそ
の両側縁を背面側へ所要角度折曲して一対の出隅部被覆
用壁面部32,32を形成した一枚の例えば縦長方形状薄金
属板から構成されている。前記各出隅部被覆用壁面部3
2,32の長手方向のそれぞれ下端部には、前記両内外装材
の芯材充填部21c（突出部）と嵌合するコ字状嵌合部33
をそれぞれ形成するとともに、前記各出隅部被覆用壁面
部32,32の長手方向のそれぞれ上端部には、前記鎧型横
張内外装材の雄型連結部22の凸状嵌入部22aの上端部22
a′に係止する折曲係止部34aと前記凸状嵌入部22aの表
面22a″に添接する添接部34bならびに断熱空間形成用斜
面部34cとからなる係止部34をそれぞれ形成し、かつ前
記各出隅部被覆用壁面部32,32のそれぞれの側縁部に
は、表面材20の面形状と略一致する形状の内方折曲状端
部35a,35aを有するとともに、前記表面材20との間に断
熱空間32′を形成する折曲側面部35をそれぞれ折曲形成
している。なお、前記内方折曲状端部35a,35aは第５図
（ａ）〜（ｄ）の如く、各種の形状とすることができ
る。36は縦中央上方部に所要角度で背面側へ折曲して形
成した位置決め部であり、この位置決め部36の適宜位置
（本実施例では左右両側部）に釘孔37がそれぞれ穿設さ
れている。38はこの釘孔37を介して２本の主柱27に本考
案の出隅部材30をそれぞれ釘打ち固定する釘である。39
は縦目地40に取付けた目地部材である。

次に作用について説明する。まず例えば外装材の施工に
際しては、第５図示のように壁下地27に表面材20の雄型
連結部22の突出舌片状部22bを釘28にて打付け、次に前
記雄型連結部22の凸状嵌入部22aに連結すべき他の表面
材20の雌型連結部21の凹状嵌合部21bを嵌合して両表面
材20,20を連結するものである。

而してこの場合前記上位側になる表面材20の雌型連結部
21の凹状嵌合部21bの折返し端縁部21dは下位側の表面材
20の雄型連結部22の凸状嵌入部22a下面の間隙部22c内に
嵌入されるとともに、前記凸状嵌入部22aの外面は、前
記上位側表面材20の雌型連結部21の鎧型傾斜面部21a下
端部の芯材充填部21c（突出部）によって覆われ、また
前記下位側表面材20の突出舌片状部22bおよびその下面
の芯材充填部23は前記上位側表面材20の凹状嵌合部21b
の下面に設けられた凹欠部25内に収容され、前記両表面
材20,20の連結部は鎧型傾斜面部21a下端の芯材充填部21
cと、凸状嵌入部22aの芯材充填部24と、突出舌片状部22
b下面の芯材充填部23とによって３重構造の密閉状態の
鎧型構造に形成されている結果、該部の断熱、防火性な
らびに強度は著しく高められ、長期の使用に耐え得るも
のである。

なお、上記の場合、雌型連結部21の凹状嵌合部21bと雄
型連結部22の凸状嵌入部22aとの間は密接状態であるこ
とが望ましいが、場合によって多少の隙間を形成するこ
とにより、両者の嵌合ならびに水切りを容易とすること
も可能であり、また折返し端縁部21dの先端と間隙部22c
の底部間に間隙を設けて断熱および毛細管現象防止によ
る水切りを容易とすることも可能である。

このように構成した外装材を下方から上方へ１段づつ固
設していく。複数個の鎧型横張内外装材をそれぞれ各段
とも相対する端部に段差が出ないように水平に並設する
と、これら両外装材間のコーナー部においては出隅部29
が形成され、平面部においては縦目地40が形成される。
そしてこれら出隅部29と縦目地40に、出隅部材30と目地
部材39とをそれぞれ第１図示の如く取付けて施工を終了
するものである。

即ち、本考案における出隅部材30の取付けに際しては、
前記出隅部材30の下端にそれぞれ形成したコ字状嵌合部
33,33を前記両外装材の芯材充填部21cにそれぞれ第７図
（ａ）示の如く嵌合させ、出隅部材30の上端にそれぞれ
形成した係止部34,34の折曲係止部34a,34aを同図（ｂ）
示の如く雄型連結部における凸状嵌入部22aの上端面22
a′に係止するとともに添接部34bを前記凸状嵌入部22a
の表面22a″に添接させて、上記位置決め部36に穿設し
た２個の釘孔37を介して釘38で上記出隅部材30を主柱27
に釘打ち固定することにより、簡単に出隅部材30を取付
けることができる。

またこの際、前記出隅部材30は前記添接部34bに連結し
て断熱空間形成用斜面部34cを形成するとともに、両側
縁の折曲側面部35はその内方折曲状端部35aを外装材の
表面形状に対応せしめて形成してあるので、前記出隅部
材30は前記外装材の化粧面との間に断熱空間32′を形成
して第１図示の如く立体的となる。なお本考案の実施例
においては、鎧型横張外装材に適用した場合について説
明したが、これに限らず内装材に適用した場合でも何ら
本考案の要旨を変えるものではない。

また前記実施例における外装材においては、必要に応じ
て芯材24または裏面材26を不要にしてもよいこと勿論で
ある。

（効果） 以上説明したように本考案によれば、横長の板状基材の
長手方向両側縁を雄、雌型連結部となした断面凹状表面
材の化粧面を、所要形状の凹凸面からなる鎧型化粧面と
なした鎧型横張内外装材用の出隅部材であって、縦中央
部からその両側縁を背面側へ所要角度折曲して一対の出
隅部被覆用壁面部を形成した一枚の縦長方形状板体から
なり、前記各出隅部被覆用壁面部の長手方向の下端部
に、前記鎧型横張内外装材の雌型連結部の突出部と嵌合
するコ字状嵌合部を、また前記一対の出隅部被覆用壁面
部の各長手方向の上端部に、前記鎧型横張内外装材の雄
型連結部の凸状嵌入部上端面に係止する折曲係止部およ
び前記凸状嵌入部表面に添接する添接部ならびに断熱空
間形成用斜面部とからなる係止部をそれぞれ形成し、さ
らに縦中央上方部の適宜位置に、釘孔を穿設した位置決
め部を形成し、かつ上記出隅部被覆用壁面部の両側縁に
表面材の化粧面形状と略対応する形状の内方折曲状端部
を有するとともに前記表面材との間に断熱空間を形成す
る折曲側面部をそれぞれ折曲形成したものであるから、
施工に際しては出隅部を被覆する出隅部材と一緒に雄、
雌型連結部の連結を容易に行えるものであり、また、出
隅部材は釘などの固着具で固着する場合、前記係止部の
折曲係止部が前記雄型連結部の凸状嵌入部上端面に係止
されるので釘打ちがし易く、しかも雄、雌型連結部の連
結時に容易にして確実に内外装材に取付けられるので、
施工上の厄介さがなく、出隅部材の構造は簡単であり、
製造も簡単、かつ価格も低廉となるものであるが、特に
前記出隅部材における係止部は、出隅部材の出隅部被覆
用壁面部の長手方向の上端部に、鎧型横張内外装材の雄
型連結部の凸状嵌入部上端面に係止する折曲係止部およ
び前記凸状嵌入部表面に添接する添接部ならびに断熱空
間形成用斜面部とからなるものであるから、係止部全体
が適度の弾性と剛性を併せ有するものとなり、内外装材
に対する出隅部材の取付けを確実かつ安定的に行うこと
ができるものであるとともに、前記係止部における断熱
空間形成用斜面と、前記出隅部被覆用壁面部の両側縁に
形成した表面材の化粧面形状と略対応する形状の内方折
曲状端部を有する折曲側面部とにより、前記出隅部材の
出隅部被覆用壁面部下面と内外装材の表面材間に断熱空
間を形成し得て、該部の熱遮断性を高め、火災時におけ
るヒートブリッヂを抑制することができるばかりでな
く、雨水の浸入防止もでき、また前記折曲側面部の端部
を内方折曲状端部としたことにより、前記折曲側面部は
安定性があり、強度的にも強く、しかも内外装材の化粧
面を傷付けず、また優れた立体感が得られるなどの効果
がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は本考案の
出隅部材を取付けた状態を示す概略外観斜視図、第２図
は本考案に使用される鎧型横張防火外装材の一部切欠斜
視図、第３図は本考案の出隅部材の外観斜視図、第４図
は同出隅部材の側面図、第５図（ａ）〜（ｄ）は裏面よ
りみた内方折曲状端部の各例を示す一部切欠斜視図、第
６図は第２図の鎧型横張防火外装材の連結状態を示す一
部拡大断面図、第７図（ａ），（ｂ）は本考案の出隅部
材の上下端部の取付状態を示す一部拡大断面図である。 20……表面材、20a,21a……鎧型傾斜面部、21……雌型
連結部、21b……断面略コ字型の凹状嵌合部、21c……芯
材充填部、21d……折返し端縁部、21d′……水平延長
部、21e……垂直折曲片部、22……雄型連結部、22a……
断面略コ字型の凸状嵌入部、22a′……上端面、22a″…
…表面、22b……突出舌片状部、22c……間隙部、22d…
…垂直折曲片部、22e……釘打用溝部、23……芯材充填
部、24……芯材、25……凹欠部、26……裏面材、27……
壁下地、28……釘、29……出隅部、30……出隅部材、31
……縦中央部、32……壁面部、32′……断熱空間、33…
…コ字状嵌合部、34……係止部、34a……折曲係止部、3
4b……添接部、34c……断熱空間形成用斜面部、35……
折曲側面部、35a……内方折曲状端部、36……位置決め
部、37……釘孔、38……釘、39……目地部材、40……縦
目地。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】横長の板状基材の長手方向両側縁を雄、雌
   型連結部となした断面凹状表面材の化粧面を、所要形状
   の凹凸面からなる鎧型化粧面となした鎧型横張内外装材
   用の出隅部であって、縦中央部からその両側縁を背面側
   へ所要角度折曲して一対の出隅部被覆用壁面部を形成し
   た一枚の縦長方形状板体からなり、前記各出隅部被覆用
   壁面部の長手方向の下端部に、前記鎧型横張内外装材の
   雌型連結部の突出部と嵌合するコ字状嵌合部を、また前
   記一対の出隅部被覆用壁面部の各長手方向の上端部に、
   前記鎧型横張内外装材の雄型連結部の凸状嵌入部上端面
   に係止する折曲係止部および前記凸状嵌入部表面に添接
   する添接部ならびに断熱空間形成用斜面部とからなる係
   止部をそれぞれ形成し、さらに縦中央上方部の適宜位置
   に、釘孔を穿設した位置決め部を形成し、かつ上記出隅
   部被覆用壁面部の両側縁に表面材の化粧面形状と略対応
   する形状の内方折曲状端部を有するとともに前記表面材
   との間に断熱空間を形成する折曲側面部をそれぞれ折曲
   形成したことを特徴とする鎧型横張内外装材用出隅部
   材。