JPH07216864A - 転圧方法及びそれに用いる転圧ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 転圧作業性を大幅に向上し、しかも均一な転
圧を可能とする。 【構成】 油圧ショベルのアーム操作にて転圧プレート
を転圧箇所に必要最小限の力で押し付けつつ前後方向又
は左右方向に移動させ、その移動中に転圧プレートに打
撃を繰り返し加え、転圧すべき広領域を連続転圧する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、上下水道管の敷設工
事等において採用される転圧方法及びそれに用いられる
転圧ユニットに関する。以下、便宜上、下水道工事を例
にとって説明する。

【０００２】

【従来の技術】下水道工事においては、下水管の敷設箇
所を開削し、そこに下水管を敷設し、その上から砕石等
の骨材を地面近くまで入れ、舗装等を行うのが一般的で
ある。

【０００３】しかるに、骨材を一度に開削溝に入れ、転
圧ローラ等で転圧した場合、雨水等に起因して埋め戻し
た地面が陥没しやすく、舗装のやり直しを必要とするこ
とがあった。

【０００４】そこで従来の下水道工事では、骨材を所定
量ずつ何回かに分けて入れて平板式タンピング機械によ
る転圧を繰り返し、もって地面の陥没を解消するように
した転圧方法が採用されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の転圧方
法は、作業者がタンピング機械を少しずつ移動させなが
ら転圧を繰り返すようにしているので、作業が非常に煩
雑で時間がかかるばかりでなく、均一な転圧が難しく、
部分的に転圧し過ぎて下水管、特に継手部分に負荷がか
かりやすいという問題があった。

【０００６】この発明は、かかる状況において、転圧作
業性を大幅に向上でき、しかも均一な転圧ができるよう
にした転圧方法及びそれに用いる転圧ユニットを提供す
ることを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明に係る転
圧方法は、アーム先端に転圧プレートを取付けかつ転圧
プレートに打撃を加える打撃機構を備えてなる油圧ショ
ベルを用い、アーム操作にて転圧プレートを転圧箇所に
必要最小限の力で押し付けつつ前後方向又は左右方向に
移動させるとともに、その移動中に打撃機構にて転圧プ
レートに打撃を繰り返し加えて転圧すべき広領域を連続
転圧するようにしたことを特徴とする。

【０００８】本発明に係る転圧方法は開削溝の骨材の転
圧に用いるとその効果が大きいが、勿論、他の転圧、例
えば道路舗装の転圧、建築現場の基礎転圧等に用いるこ
ともできる。転圧プレートを転圧箇所に押し付ける必要
最小限の力とは打撃によって転圧プレートが浮き上がら
ない程度の力をいい、打撃強さ等に応じて設定する。

【０００９】また、本発明に係る転圧ユニットは、油圧
ショベルのアーム先端に取付けられ、転圧すべき広領域
の連続転圧に用いられる転圧ユニットであって、アーム
先端にはシリンダをロックピンにて取付可能に設け、シ
リンダ内には打撃ピストンを流体の供給にて打撃動作可
能に設ける一方、シリンダの打撃ピストン前方にはピス
トンの打撃を受けるロッドを支承し、ロッドの先端には
転圧プレートを取付ロッドにて揺動自在に取付けるよう
にしたことを特徴とする。

【００１０】シリンダをロックピン取付方式としたのは
１台の油圧ショベルにバケットやブレーカ等を交換して
使用できるようにアーム先端の取付部分に互換性があ
り、本発明に係る転圧ユニットもバケット等と交換して
使用できるようにするためである。

【００１１】シリンダはエアーシリンダでもよいが、そ
の場合には別途コンプレッサー等の設備が必要である。
他方、油圧シリンダを使用すると、油圧ショベルの油圧
を利用して打撃ピストンを駆動できて好ましい。

【００１２】通常、ピストンに打撃動作を行わせる場
合、シリンダ内のピストン後端側及び先端側に流体室を
形成し、そこにタイミングをずらせて流体を供給してピ
ストンをスライドさせ復帰させる必要がある。そこで、
後端側及び先端側の両流体室に各々供給及び還流の流体
通路を接続し、バルブの切替えにて交互に流体を供給し
て打撃動作を行わせるようにしてもよいが、例えば油圧
ブレーカ等に採用される方式、即ち後端側流体室から先
端側流体室に至る流体通路を設け、打撃ピストンのスラ
イドに伴って後端側及び先端側の流体室への流体供給量
を制御して打撃ピストンにスライド・復帰動作を行わせ
る方式を採用することもできる。しかもこの方式を採用
すると、油圧ブレーカのロッドを本発明に係る転圧ユニ
ットのロッドと交換するのみで転圧ユニットを構成で
き、より一層便利である。

【００１３】転圧プレートはロッド先端に揺動自在に取
付けるのが肝要である。アームの揺動に伴って転圧プレ
ートが揺動して転圧箇所を効率よく押さえ込むのが好ま
しいからである。

【００１４】転圧プレートの寸法は特に限定されず、転
圧すべき領域に応じて設定すればよいが、開削溝の骨材
を転圧する場合には開削溝の幅と略同寸法の幅に設定す
るとアーム操作が少なくて済み、好ましい。

【００１５】

【作用及び発明の効果】転圧作業を行う場合、油圧ショ
ベルのアームを操作し、転圧プレートを転圧すべき箇所
に転圧プレートが打撃時に浮き上がらない程度の必要最
小限の力で押し付け、打撃機構にて転圧プレートに必要
な打撃力を繰り返し加えると、転圧すべき地面や骨材等
を充分に加圧して締めることができ、しかも上述の状態
のままアームを前後方向又は左右方向に移動させると、
転圧作業を広い領域にわたって連続して行うことができ
る。

【００１６】従って、本発明によれば、転圧作業性を大
幅に向上して作業時間を短縮できるとともに、広い領域
にわたって均一な転圧ができる。

【００１７】

【実施例】以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて
詳細に説明する。図１及び図２は本発明の一実施例によ
る転圧方法を模式的に示す。図において、油圧ショベル
１にはブーム１０が斜め前方に延びかつ先端側が上下に
揺動しうるように取付けられ、該ブーム１０の先端には
アーム１１が前後方向に揺動しうるように取付けられて
いる。この油圧ショベル１とブーム１０、ブーム１０と
アーム１１との間には油圧シリンダ１２が各々設けら
れ、ブーム及びアーム１１を揺動操作できるようになっ
ている。

【００１７】上記アーム１１の先端にはその取付穴への
ロックピン２９の挿入によって転圧ユニット２が着脱可
能に取付けられている。この転圧ユニット２のハウジン
グはシリンダ２０の先端にフロントヘッド２１を連結し
て構成され、上記シリンダ２０内には打撃ピストン２２
が収納されるとともに、詳細には図示していないが先端
側及び後端側に油圧室が形成され、該油圧室には供給用
及び還流用の油圧パイプ１４、１５の一端が接続され、
両油圧パイプ１４、１５の他端は油圧ショベル１の油圧
ユニット１３に接続されている。

【００１８】また、フロントヘッド２１にはロッド２３
の後端部分が挿入され、該ロッド２３の上端部分には打
撃に必要な長さの係止凹部２３ａが凹設され、該係止凹
部２３ａ内には係止ピン２１ａが収納されてロッド２３
は所定の距離だけスライドしうるように支承され、該係
止ピン２１ａはフロントヘッド２１に挿通されストッパ
２１ｂで抜け止めされている。

【００１９】このロッド２３の下端には取付ベース２３
ｂが一体に形成され、該取付ベース２３ｂには取付穴２
３ｃが幅方向水平に延びて穿設され、該取付穴２３ｃに
は取付ロッド２６が挿通されている。なお、打撃による
衝撃を考慮すると、ロッド２３と取付ベース２３ｂとは
鍛造等で一体に製作するのがよい。

【００２０】他方、転圧プレート２４は前後両端縁が若
干上方に曲成され、該転圧プレート２４の両側部分には
補強リブ２４ａが前後方向に延びて溶接等で固定され、
該補強リブ２４ａにはロッド受け２５が挿通され、該ロ
ッド受け２５には上記取付ロッド２６が挿通して支承さ
れており、こうしてロッド２３には転圧プレート２４が
揺動自在に取付けられている。なお、材質や打撃力等に
起因してロッド受け２５内面及び取付ベース２３ｂの取
付穴２３ｃ内面の摩耗が激しい場合にはロッド２６との
間にブッシュを介在させ、ブッシュを交換するようにし
てもよい。

【００２１】次に、転圧工法について説明する。下水管
工事において開削溝Ｄに下水管Ｗが敷設されると、砕石
等の骨材Ｂを所定量だけ入れて転圧を行うが、本例の転
圧工法では油圧ショベル１を利用し、まず車室内のペダ
ル操作等にて油圧ユニット１３を作動させ、ブーム１０
を下方に揺動させて転圧ユニット２の転圧プレート２４
を転圧箇所に押し付ける（図１の矢印Ｐ参照）。同時
に、転圧ユニット２にも油圧を供給し、打撃ピストン２
２にてロッド２３を打撃し、転圧プレート２４に打撃力
を与える（図１の矢印Ｖ参照）。

【００２２】すると、骨材Ｂが転圧プレート２４による
打撃によって充分に加圧され締められるので、そのまま
アーム１１を手前に引きずるように揺動させると（図１
の矢印Ｒ参照）、広い領域にわたって連続して転圧を行
うことができる。開削溝Ｄの幅が広い場合にはブーム１
０を左右に振って同様の作業を行えばよい。

【００２３】こうして所定厚みの骨材Ｂの転圧が済む
と、さらにその上に骨材Ｂを入れ、同様に転圧を行えば
よい。

【００２４】以上のような本実施例の転圧方法では、従
来の平板式タンピング機械のように作業者が手作業で行
う場合に比して転圧作業性を大幅に向上でき、作業時間
を短縮できる。

【００２６】また、同一条件の転圧をアーム１１の揺動
によって連続させるようにしたので、広い領域にわたっ
て均一な転圧ができ、作業性の向上と相まってその実用
的効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例による転圧方法の全体及び
その要部を模式的に示す図である。

【図２】 上記転圧方法に用いる転圧ユニットの打撃機
構、転圧プレート及びその要部を示す図である。

【符号の説明】

１ 油圧ショベル １１ アーム ２ 転圧ユニット ２０ シリンダ ２２ 打撃ピストン ２３ ロッド ２３ｂ 取付ベース ２４ 転圧プレート ２５ ロッド受け ２６ 取付ロッド ２９ ロックピン

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【手続補正書】

【提出日】平成６年７月４日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図面の簡単な説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例による転圧方法の全体及び
その要部を模式的に示す図である。

【図２】 上記転圧方法に用いる転圧ユニットの打撃機
構を示す図である。

【図３】 上記転圧ユニットの転圧プレートを示す概略
斜視図である。

【図４】 上記転圧プレートの要部を示す断面構成図で
ある。

【符号の説明】 １ 油圧ショベル １１ アーム ２ 転圧ユニット ２０ シリンダ ２２ 打撃ピストン ２３ ロッド ２３ｂ 取付ベース ２４ 転圧プレート ２５ ロッド受け ２６ 取付ロッド ２９ ロックピン

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アーム先端に転圧プレートを取付けかつ
   転圧プレートに打撃を加える打撃機構を備えてなる油圧
   ショベルを用い、 上記アーム操作にて上記転圧プレートを転圧箇所に必要
   最小限の力で押し付けつつ前後方向又は左右方向に移動
   させるとともに、その移動中に上記打撃機構にて上記転
   圧プレートに打撃を繰り返し加えて転圧すべき広領域を
   連続転圧するようにしたことを特徴とする転圧方法。
2. 【請求項２】 油圧ショベルのアーム先端に取付けら
   れ、転圧すべき広領域の連続転圧に用いられる転圧ユニ
   ットであって、 上記アーム先端にはシリンダがロックピンにて取付可能
   に設けられ、該シリンダ内には打撃ピストンが流体の供
   給にて打撃動作可能に設けられている一方、 上記シリンダの打撃ピストン前方にはピストンの打撃を
   受けるロッドが支承され、該ロッドの先端には転圧プレ
   ートが取付ロッドにて揺動自在に取付けられていること
   を特徴とする転圧ユニット。