JPH07216578A - 光沢錫めっき浴 - Google Patents

光沢錫めっき浴

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JPH07216578A
JPH07216578A JP879294A JP879294A JPH07216578A JP H07216578 A JPH07216578 A JP H07216578A JP 879294 A JP879294 A JP 879294A JP 879294 A JP879294 A JP 879294A JP H07216578 A JPH07216578 A JP H07216578A
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tin
gloss
plating
steel sheet
concentration
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JP879294A
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Hiromitsu Date
博充 伊達
Tomoya Oga
智也 大賀
Norio Kaneko
紀男 金子
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電解処理のみで光沢の優れた錫めっき鋼板を
得ることにより、従来のようなリフロー処理を行わずに
美麗な光沢を有する錫めっき鋼板を製造することのでき
る酸性錫めっき浴を提供することを目的とする。 【構成】 5〜50g/l の硫酸、10〜100g/l
の錫(II) 、1×10-4〜1×10-2mol/l のオキ
シエチレン鎖(CH2 CH2 O)nを有する界面活性
剤、5×10-4〜0.02mol/l の二重結合を有す
る芳香族カルボニル化合物φ−CH=CH−CO−(φ
は芳香環)からなる光沢添加剤を含む光沢錫めっき浴。 【効果】 電解後のリフロー処理を行わないでも美麗な
光沢を有する錫めっき鋼板を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、缶等の材料に用いられ
る錫めっき鋼板を製造する際に用いられる酸性錫めっき
浴に関する。
【0002】
【従来の技術】ブリキに代表される錫めっき鋼板は美し
い金属光沢を有し、耐食性にも優れた材料であることか
ら、現在に至るまで広く用いられており、今後もその需
要は持続するものと考えられる。錫めっき鋼板は、古く
は鋼板を溶融錫にディップする、溶融めっきによって製
造されていた。ところが、高価な錫の使用を減少させる
必要性と共に、錫付着量を減少させても十分な性能を確
保できる技術が進歩したことにより、現在では溶融めっ
きに代わり、電気めっきによる製造が普及している。
【0003】電気めっきは、酸性錫めっき液、特にフェ
ノールスルホン酸を酸成分としためっき浴を用いて行わ
れる。また近年では、特開平4−228595号公報に
開示されているように、アルキルスルホン酸を酸成分と
して用いる錫めっき液も使用されている。しかしなが
ら、これらいずれの酸性錫めっき浴からの電気めっきで
も析出する錫は白く、光沢に乏しい。これは析出錫の形
態が粒状であることに起因している。このためDI缶の
ように加工によって自然に金属光沢が現れる場合は別と
して、溶接缶のように缶壁の錫が加工を受けない用途に
用いる場合は、電気めっき後、加熱により錫を一旦溶融
する、いわゆるリフロー処理を行うことによって美しい
金属光沢を有する錫めっき鋼板を製造している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電解処理の
みで光沢の優れた錫めっき鋼板を得ることにより、従来
のようなリフロー処理を行わなくても、美麗な光沢を有
する錫めっき鋼板を製造することのできる酸性錫めっき
浴を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、低公害、
低価格という点から酸成分として無機酸である硫酸に着
目し、光沢めっきが得られる光沢添加剤をはじめ各めっ
き浴組成について種々検討した結果、本発明に至ったも
のである。本発明の要旨とするところは、5〜50g/
lの硫酸、10〜100g/lの錫(II)、1×10-4
〜1×10-2mol/lのオキシエチレン鎖を有する界
面活性剤、5×10-4〜0.02mol/lの二重結合
を有する芳香族カルボニル化合物からなる光沢添加剤を
含む光沢錫めっき浴にある。
【0006】
【作用】以下に本発明について詳細に説明する。本発明
の錫めっき浴では酸成分として硫酸を用いる。硫酸は、
若干のミストが出るものの、本質的に不揮発性で作業環
境や大気の汚染が少ない上、廃液処理上の問題が、従来
の有機スルホン酸を用いる浴と比較して少なく、低価格
である点も工業的に有利である。
【0007】硫酸濃度は5〜50g/lに限定する。硫
酸濃度が5g/lで電解液のpHは約1.2であり、電
解時に陰極近傍でpHが上昇しても錫(II)イオンは安
定であるが、これより低い硫酸濃度では、電解時に陰極
近傍のpHは錫(II)イオンが不安定となって水酸化物
の沈殿が生ずる領域にまで上昇してしまう。一方、硫酸
濃度が50g/lより濃いと鋼ストリップの溶解量が多
くなるために浴中の鉄濃度が上昇し、浴の劣化が促進さ
れるほか、装置・設備類の腐食促進等、さまざま弊害が
生じる。
【0008】本発明では錫(II)濃度は10〜100g
/lとする。本発明はブリキに代表される錫めっき鋼板
を製造することを前提としているので、従来の錫めっき
と同等か、あるいはそれ以上の生産性が要求される。従
って、錫めっきの電流密度は10A/dm2 以上である
ことが必要である。このような電流密度域の操業におい
ては、10g/l未満の錫(II)濃度では光沢の優れた
めっきが得られない。さらに、50A/dm2 以上の高
電流密度では錫が樹枝状に電析する、いわゆる“めっき
焼け”が生じやすく、優れた光沢が得られなくなるだけ
でなく、わずかにこすれただけでめっきが剥離しやすく
なる。錫(II)が100g/lを超えると高濃度化によ
る光沢の向上効果が認められなくなるだけでなく、スト
リップの持ち出す錫(II)イオンが多くなるため、経済
的に不利である。
【0009】建浴時の錫は、可溶性の二価の錫塩として
加える。不要な成分を浴中に入れないために硫酸錫(I
I)を使用するのが最も好ましい。これを予め硫酸を加
えてpHを2未満にした溶液に少しずつ溶解しながら加
えていく。一度に多量に加えると水酸化物の沈殿を生じ
やすい。硫酸酸性のめっき浴によって錫めっきを行う場
合、光沢添加剤を添加しないと錫が粗な柱状晶となり、
析出効率、光沢、めっきの密着性が著しく悪化する。こ
のような錫めっき鋼板は製缶材料として使用することは
不可能である。
【0010】光沢添加剤としてオキシエチレン鎖を有す
る界面活性剤を単独で使用した場合、この界面活性剤の
オキシエチレン鎖が陰極である鋼板表面の錫結晶成長点
に優先的に吸着して結晶成長を阻害するために均一電着
性が向上し、微細な結晶が生成する。しかし、電析した
錫は数μmの粒状となり、表面に凹凸が存在するため、
表面外観は現行のフェロスタン浴からの錫めっきと同様
に白色を呈し、金属光沢は現れない。JIS Z 87
41に従って鋼板の圧延方向で測定した60°鏡面光沢
度(Gs60°)は、最も光沢の優れた錫めっき鋼板で
445であった。これにリフロー処理あるいはDI缶成
形等の光沢付与を行えば十分な光沢が得られるが、電解
処理のみで光沢の優れた錫めっき鋼板を得るという本発
明の目的を満たさない。
【0011】光沢添加剤として二重結合を有する芳香族
カルボニル化合物φ−CH=CH−CO−(φは芳香
環)を単独で使用した場合、この化合物が鋼板表面の物
理的凸部に吸着し、その部分の電析を阻害するため、電
析した錫は平滑になり、実用的な光沢を有する錫めっき
が得られる。しかし、この錫めっき鋼板は、従来のリフ
ローブリキと比較すると光沢度は低く、Gs60°は5
30までである。これは、この光沢添加剤は結晶を微細
化する効果が弱いことに起因している。また、この芳香
族カルボニル化合物を用いた場合、析出した錫が活性で
酸化しやすく、得られためっき表面に酸化膜による褐色
の干渉色が若干認められる。
【0012】そこで、本発明者らは、電解処理のみで美
しい金属光沢を有する錫めっき鋼板を得るための光沢添
加剤について鋭意検討を重ねた結果、光沢添加剤とし
て、オキシエチレン鎖(CH2 CH2 O)n を有する界
面活性剤と二重結合を有する芳香族カルボニル化合物φ
−CH=CH−CO−(φは芳香環)とを適正濃度で併
用することでリフローブリキ並の金属光沢を有する錫め
っきが実現できることを知見した。
【0013】すなわち、錫の結晶を微細化し、均一電着
性を向上させるという界面活性剤の効果および電析錫を
平滑化する芳香族カルボニル化合物の効果がそれぞれ単
独で、つまり異なる場所で作用するのではなく、同一の
場所で作用することによって生じる相乗効果によって初
めて、リフロー処理材に匹敵する金属光沢、すなわちG
s60°で600以上を得ることを可能にした。さらに
界面活性剤が表面に吸着することによって、芳香族カル
ボニル化合物を単独で用いた場合のような酸化物が成長
せず、着色のない美しい金属光沢が得られることも、こ
の組み合わせによる効果である。
【0014】オキシエチレン鎖を有する界面活性剤とし
ては、POOA(ポリオキシエチレンオクタデシルアミ
ン)やフェロスタン浴で使用されるENSA(エトキシ
化α−ナフトールスルホン酸)を用いるとよい。その濃
度は、1×10-4〜1×10 -2mol/lとする。1×
10-4mol/lより低濃度では陰極への吸着量が少な
く、析出金属が均一化するという光沢添加剤としての効
果がみられない。1×10-2mol/lより高濃度では
陰極への吸着量過多でめっき密着不良となる。
【0015】二重結合を有する芳香族カルボニル化合物
としては、ベンザルアセトン、シンナムアルデヒドを用
いるとよい。芳香族カルボニル化合物の濃度は5×10
-4〜0.02mol/lとする。この濃度が0.02m
ol/lより高濃度ではめっき密着性、陰極電流効率が
低下し、5×10-4mol/lより低濃度では界面活性
剤を単独で用いた場合と変わりがなく、光沢めっきが得
られない。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。板厚0.
18mmの冷延鋼板を脱脂、酸洗、水洗後、表1に示す
ように、硫酸、硫酸錫(II)、オキシエチレン鎖を有す
る界面活性剤、二重結合を有する芳香族カルボニル化合
物を含むめっき液を用いて電気めっきした。
【0017】電気めっきの作業条件は、液流速200m
/min.の横型循環セルにおいて45℃の試験液を循
環させて電流密度100A/dm2 、電気量50クーロ
ン/dm2 で行った。アノードはチタンに白金めっきし
た不溶性アノードを使用した。得られた錫めっき鋼板に
対して下記の評価を行った。 a)陰極電流効率 めっき鋼板の錫付着量を希塩酸中で電解剥離することに
よって測定し、理論付着量に対する百分率を陰極電流効
率とした。陰極電流効率は95%以上が求められる。
【0018】b)めっき光沢 JIS Z 8741の方法により、錫めっき鋼板の光
沢度Gs60°を測定した。光の入射、反射の方向は、
めっき原板の圧延方向とした。光沢度は600以上が外
観上望まれる。 c)めっき液の腐食性 5cm角に切断しためっき原板を空気を飽和させためっ
き液中に7日間浸漬した後洗浄し、重量の減少を測定し
た。
【0019】d)めっき外観 酸化膜による褐色の着色の程度を外観で観察した。以上
の各種の評価結果を表1、表2(表1のつづき)に示
す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】表1、表2(表1のつづき)より、実施例
のめっき液は鋼板をあまり腐食させなかったことがわか
る。また、本発明の硫酸濃度、錫(II)濃度、界面活性
剤濃度、芳香族カルボニル化合物濃度からなるめっき液
を用いることにより、光沢の極めてよい錫めっきが高電
流効率で得られ、外観も着色なしで良好であった。比較
例1は硫酸濃度が低いために電解により陰極近傍のpH
が錫(II)イオンの不安定領域にまで上昇し、錫の水酸
化物の沈殿が生じた。
【0023】比較例2は硫酸濃度が高いために、現行の
フェロスタン浴以上に鋼板の腐食が速かった。比較例3
は錫(II)濃度が低く、めっき光沢不良となった。比較
例4は光沢の優れた錫めっきが得られたが、より低錫濃
度の浴からの錫めっきと差がないため、経済的な面から
避けるべき濃度域である。
【0024】比較例5は界面活性剤濃度が低く、析出し
た錫の分布が不均一であり、目標とする光沢、外観は得
られなかった。比較例6は界面活性剤濃度が高すぎるた
め、めっき密着性が劣っていた。比較例7は芳香族カル
ボニル化合物の濃度が低く、通常の錫めっき鋼板として
は十分な光沢が得られるが、リフロー処理ブリキに代わ
る用途に十分なだけの光沢めっきは得られなかった。
【0025】比較例8は芳香族カルボニル化合物濃度が
高く、めっき密着不良となった。比較例9、10は光沢
添加剤として界面活性剤または芳香族カルボニル化合物
の一方のみを使用したものであり、いずれも従来のノン
リフロー錫めっき鋼板と同等の光沢を有しているが、本
発明の目的である光沢錫めっきは得られなかった。
【0026】
【発明の効果】本発明により、電解後のリフロー処理を
行わなくとも、美麗な光沢を有する錫めっき鋼板を得る
ことができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5〜50g/lの硫酸、10〜100g
    /lの錫(II)、1×10-4〜1×10-2mol/lの
    オキシエチレン鎖を有する界面活性剤、5×10-4
    0.02mol/lの二重結合を有する芳香族カルボニ
    ル化合物からなる光沢添加剤を含む光沢錫めっき浴。
JP879294A 1994-01-28 1994-01-28 光沢錫めっき浴 Withdrawn JPH07216578A (ja)

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