JPH07207489A - 錫めっき浴 - Google Patents

錫めっき浴

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JPH07207489A
JPH07207489A JP222694A JP222694A JPH07207489A JP H07207489 A JPH07207489 A JP H07207489A JP 222694 A JP222694 A JP 222694A JP 222694 A JP222694 A JP 222694A JP H07207489 A JPH07207489 A JP H07207489A
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JP
Japan
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tin
plating
plating bath
sulfuric acid
concentration
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Application number
JP222694A
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English (en)
Inventor
Hiromitsu Date
博充 伊達
Tomoya Oga
智也 大賀
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無機酸である硫酸を酸成分とすることによ
り、排水処理を容易にし、従来のめっき浴による錫めっ
き鋼板と同等の製品性能を有する錫めっき鋼板を製造す
ることのできる酸性錫めっき浴を提供することを目的と
する。 【構成】 5〜50g/lの硫酸、20〜100g/l
の錫(II)、オキシエチレン鎖(CH2 CH2 O)nを有
する界面活性剤を1×10-4〜1×10-2mol/l含
む錫めっき浴。 【効果】 低価格で排水処理も容易な硫酸を酸成分とす
る酸性めっき浴によって、従来の錫めっき鋼板と同等の
製品性能を有する錫めっき鋼板を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、缶等の材料に用いられ
る錫めっき鋼板を製造する際に用いられる酸性錫めっき
浴に関する。
【0002】
【従来の技術】ブリキに代表される錫めっき鋼板は美し
い金属光沢を有し、耐食性にも優れた材料であることか
ら、現在に至るまで広く用いられており、今後もその需
要は持続するものと考えられる。錫めっき鋼板は、古く
は鋼板を溶融錫にディップする、溶融めっきによって製
造されていた。ところが、高価な錫の使用を減少する必
要性とともに、錫付着量を減少しても十分な性能を確保
できる技術が進歩したことにより、現在では溶融めっき
に代わり、電気めっきによる製造が普及している。電気
めっきは、酸性錫めっき液、特にフェノールスルホン酸
を酸成分としためっき浴を用いて行われているが、近年
では、特開平4−228595号公報に開示されている
ように、アルキルスルホン酸を酸成分として用いるめっ
き液も使用されている。
【0003】しかし、これらいずれのめっき浴も酸成分
は有機スルホン酸であるため、その排水は十分な処理を
行わないで排出するとCODの上昇等、環境へ悪影響を
及ぼす。従って、これまでの電気めっき浴においては排
水処理に多大の手間をかけなければならないという問題
があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、無機酸であ
る硫酸を酸成分とすることにより、排水処理を容易に
し、従来のめっき浴による錫めっき鋼板と同等の製品性
能を有する錫めっき鋼板を製造することのできる酸性錫
めっき浴を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、低公害、
低価格という点から、酸成分として無機酸である硫酸に
着目し、光沢添加剤をはじめ各めっき浴組成について種
々検討した結果、本発明に至ったものである。本発明の
要旨とするところは、5〜50g/lの硫酸、20〜1
00g/lの錫(II)、オキシエチレン鎖を有する界面
活性剤を1×10-4〜1×10-2mol/l含む錫めっ
き浴にある。
【0006】
【作用】以下に本発明について詳細に説明する。本発明
の錫めっき浴では酸成分として硫酸を用いる。硫酸は、
若干のミストが出るものの、本質的に不揮発性で作業環
境や大気の汚染が少ない上、廃液処理上の問題が、従来
の有機スルホン酸を用いる浴と比較して少なく、低価格
である点も工業的に有利である。
【0007】硫酸濃度は5〜50g/lに限定する。硫
酸濃度が5g/lで電解液のpHは約1.2であり、電
解時に陰極近傍でpHが上昇しても錫(II)イオンは安
定であるが、これより低い硫酸濃度では、電解時に陰極
近傍のpHは錫(II)イオンが不安定となって水酸化物
の沈殿が生ずる領域にまで上昇してしまう。一方、硫酸
濃度が50g/lより濃いと鋼ストリップの溶解量が多
くなるため浴中の鉄濃度が上昇し、浴の劣化が促進され
るほか、装置・設備類の腐食促進等、さまざまな弊害が
生じる。
【0008】本発明では錫(II)濃度は20〜100g
/lとする。本発明はブリキに代表される錫めっき鋼板
を製造することを前提としているので、従来の錫めっき
と同等か、あるいはそれ以上の生産性が要求され、従っ
て、錫めっきの電流密度は10A/dm2 以上とする必
要がある。このような電流密度域の操業においては、2
0g/l未満の錫(II)濃度では光沢の優れためっきが
得られない。さらに、50A/dm2 以上の高電流密度
では、錫が樹枝状に電析する、いわゆる“めっき焼け”
が生じやすくなり、優れた光沢が得られなくなるばかり
でなく、わずかにこすれただけでも、めっきが剥離しや
すくなる。一方、錫(II)濃度が100g/lを超える
と、高濃度化によるめっき外観の向上効果が認められな
くなるばかりでなく、ストリップの持ち出す錫(II)イ
オンが多くなるため、経済的に不利である。
【0009】建浴時の錫は、可溶性の二価の錫塩として
加える。不要な成分を浴中に入れないため、硫酸錫(I
I)を使用するのが最も好ましく、予め硫酸を加えてp
Hを2未満にした溶液に少しずつ溶解しながら加えてい
く。一度に多量に加えると水酸化物の沈殿を生じやす
い。硫酸酸性のめっき浴によって錫めっきを行う場合、
光沢添加剤を添加しないと錫が粗な柱状晶となり、析出
効率、光沢、めっきの密着性が著しく悪化する。このよ
うな錫めっき鋼板は製缶材料として使用することは不可
能である。
【0010】そこで、本発明者らは、硫酸浴に適した光
沢添加剤について種々検討した結果、オキシエチレン鎖
(CH2 CH2 O)n を有する界面活性剤を使用するこ
とにより、均一電着性が良好で、微細な結晶が生成し、
従来のフェロスタン浴から製造した錫めっき鋼板と同等
のものが得られることを明らかにした。この界面活性剤
のオキシエチレン鎖が、陰極である鋼板表面の錫結晶成
長点に優先的に吸着して結晶成長を阻害するために均一
電着性が向上し、微細な結晶が生成する。電析した錫は
数μmの粒状となり、表面に凹凸が存在するため、表面
外観は現行のフェロスタン浴からの錫めっきと同様に白
色を呈する。JIS Z 8741に従って鋼板の圧延
方向で測定した60°鏡面光沢度(Gs60°)は、最
も光沢の優れた錫めっき鋼板で445であった。これに
リフロー処理あるいはDI缶成形等の光沢付与を行えば
十分な光沢が得られる。
【0011】オキシエチレン鎖を有する界面活性剤とし
ては、PEG(ポリエチレングリコール)、POOA
(N,N−ビスポリオキシエチレンオクタデシルアミ
ン)、フェロスタン浴で使用されるENSA(エトキシ
化α−ナフトールスルホン酸)等を用いればよく、その
濃度は、1×10-4〜1×10-2mol/lとする。界
面活性剤の濃度がこれより低濃度では陰極への吸着量が
少なく、析出金属が均一化するという光沢添加剤として
の効果がみられず、また、これより高濃度では陰極への
吸着量が過多となり、めっき密着不良となる。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。板厚0.
18mmの冷延鋼板を脱脂、酸洗、水洗後、表1に示す
ように、硫酸、硫酸錫(II)、オキシエチレン鎖を有す
る界面活性剤を含むめっき液を用いて電気めっきした。
【0013】電気めっきの作業条件は、液流速200m
/min.の横型循環セルにおいて45℃の試験液を循
環させて電流密度100A/dm2 、電気量50クーロ
ン/dm2 で行った。アノードはチタンに白金めっきし
た不溶性アノードを使用した。得られた錫めっき鋼板に
対して下記の評価を行った。 a)陰極電流効率 めっき鋼板の錫付着量を希塩酸中で電解剥離することに
よって測定し、理論付着量に対する百分率を陰極電流効
率とした。陰極電流効率は95%以上が求められる。
【0014】b)めっき光沢 JIS Z 8741の方法により、錫めっき鋼板の光
沢度Gs60°を測定した。光の入射、反射の方向は、
めっき原板の圧延方向とした。光沢度は400以上が外
観上望まれる。 c)均一電着性(IEV試験) 1cm2 の通電部を残してシールした試験片を、pH1
0の炭酸緩衝溶液中で飽和カロメル電極に対して+1.
2V印加して定電圧電解を行い、3分後の電流値をIE
Vとした。この値が大きいほど不めっき部の面積が大き
いと判断される。通常、IEVは0.3mA/cm2
下が求められ。
【0015】d)耐食性(ATC試験) 鋼板に錫めっきを施した後、260℃でリフロー処理、
脱脂し、金属錫を電解剥離して試験片を作成した。2.
25cm2 の通電部を残してシールし、26.7℃のト
マトジュースに浸漬して、20時間後の試験片と錫極間
に流れるカップル電流を測定した。ATCは0.120
μA/cm2 以下が求められる。
【0016】次に、めっき液の腐食性を評価した。5c
m角に切断しためっき原板を、空気を飽和させためっき
液中に7日間浸漬した後洗浄し、重量の減少を測定し
た。以上の各種の評価結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】表1から明らかなように、実施例のめっき
液は鋼板をあまり腐食させなかった。また本発明の硫酸
濃度、錫(II)濃度、界面活性剤濃度からなるめっき液
を用いることにより、均一電着性、外観、耐食性の良好
な錫めっきが高電流効率で得られた。比較例1は硫酸濃
度が低いために、電解により陰極近傍のpHが錫(II)
イオンの不安定領域にまで上昇し、錫の水酸化物の沈殿
が生じた。
【0019】比較例2は硫酸濃度が高いために、現行の
フェロスタン浴以上に鋼板の腐食が速かった。比較例3
は錫(II)濃度が低く、めっき光沢不良となった。比較
例4は光沢の優れた錫めっきが得られたが、より低錫濃
度の浴からの錫めっきと差がないため、経済的な面から
避けるべき濃度域である。
【0020】比較例5は界面活性剤濃度が低く、析出し
た錫の均一性が悪く、外観も劣っていた。比較例6は界
面活性剤濃度が高すぎるため、めっき密着性、めっきの
均一電着性、耐食性が劣っていた。
【0021】
【発明の効果】本発明の低価格で排水処理も容易な硫酸
を酸成分とする酸性めっき浴によって、従来の錫めっき
鋼板と同等の製品性能を有する錫めっき鋼板を得ること
ができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5〜50g/lの硫酸、20〜100g
    /lの錫(II)、オキシエチレン鎖を有する界面活性剤
    を1×10-4〜1×10-2mol/l含む錫めっき浴。
JP222694A 1994-01-13 1994-01-13 錫めっき浴 Pending JPH07207489A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011055481A1 (ja) * 2009-11-04 2011-05-12 東洋鋼鈑株式会社 表面処理鋼板の製造方法
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