JPH07216469A - 鉄鋼屑よりCu等の不純物を分離除去する方法 - Google Patents

鉄鋼屑よりCu等の不純物を分離除去する方法

Info

Publication number
JPH07216469A
JPH07216469A JP1172794A JP1172794A JPH07216469A JP H07216469 A JPH07216469 A JP H07216469A JP 1172794 A JP1172794 A JP 1172794A JP 1172794 A JP1172794 A JP 1172794A JP H07216469 A JPH07216469 A JP H07216469A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alloy
molten
steel
iron
molten metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP1172794A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsutoshi Yamada
勝利 山田
Kiyoshi Shibata
清 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP1172794A priority Critical patent/JPH07216469A/ja
Publication of JPH07216469A publication Critical patent/JPH07216469A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉄鋼屑よりCuおよびSnの除去を目的と
し、工業的に容易・安価な方法を提供する。 【構成】 鉄鋼屑を、溶融Pb合金中に浸漬して鉄鋼中
のCuおよびSnを溶融Pb合金中に抽出することによ
り、CuおよびSn濃度の低い鉄鋼スクラップとなす、
ことを特徴とする、鉄鋼屑より銅および錫等の不純物の
除去方法。一方、溶融Pb合金は温度を低下させて、固
体と液体の混合状態となし、固体として生成した銅をフ
ィルターによる濾過等によって分離して有効利用する。
溶融Pb合金は、必要に応じてマグネシウム合金を追加
して、再度上記の脱銅に使用する。 【効果】 鉄鋼屑より、非常に低濃度まで容易に脱銅お
よび脱錫が可能で安価、かつ大量処理が可能。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融Pb合金を用いて
鉄鋼屑中の銅および錫を除去することを、工業的に大量
処理を行う、安価かつ簡便な方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から電気製品、家具、自動車等の薄
鋼板をプレス成形した部品は、製品の寿命が終わってス
クラップ化する際には鉄のリサイクルが重要な課題であ
る。自動車を始め電気製品、家具等には必ず電気配線を
含み、鉄鋼材料は加圧装置によって緻密な鉄の塊とされ
ることが普通であるが、電気配線としてのCuやビニー
ル等の有機物、樹脂等が混在しているものである。一例
として、自動車のリサイクルにおいては、シュレッダー
により全ての材料を微細な切断片に裁断して、比重選別
等により金属と有機物とを分離し、さらに磁石により鉄
鋼材料とそれ以外の材料に分離する等の方法を実施して
いる。
【0003】しかしながら、これらの方法においては、
裁断のための大規模な設備を必要とし、分離後の有機物
やガラス等は体積が大きいまま廃棄物として埋め立て処
分がなされるものであって、現在の情勢としては埋め立
て処分場が不足して今後この方式が基本的に制限が大き
いものと考えられている。日本全体としても廃車全体の
半分程度しかこの方式で処分されておらず、残りの半分
の処置が社会的に問題となっている。
【0004】また、特開平3−199314号公報にみ
られるように、アルミニウム合金あるいはマグネシウム
合金を用いて鉄鋼材料の脱銅を行う方法が示されている
が、アルミニウム合金を利用した場合には、鉄鋼のアル
ミニウム合金中への固溶が発生して鉄の損失が多くな
り、またマグネシウム合金を用いて鉄鋼材料の脱銅を行
う場合は、火災発生防止等安全上の対策も必要であり、
実施にはある程度の困難が伴うものである。また、電気
配線やハンダ等として混在するCuやSn等の金属成分
の除去の他に、一般の鉄鋼屑を鉄鋼原料として利用する
場合には、鉄鋼中に合金成分あるいは不純物として含有
されているCuやSn等の濃度を低下させることも大切
であって、これらの除去・濃度低下は一般に容易ではな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術上の上記の
課題を解決するためには、自動車や家電製品自体の構造
的な改革も必要であり、設計により部品レベルにまで簡
単に分解できる構造として、製品寿命が終了した時点で
分解して部品としての再利用を図る方法は勿論重要であ
る。しかしこの方法で全てが解決するわけではなく、金
属、樹脂、ガラス等の分離と廃棄物処理は欠かせないも
のであり、現在自動車の廃車処理のために広く実施され
ているシュレッダー方式では、ガラスやプラスチック等
の体積の増加したゴミが大量発生する欠点があった。こ
のような大量のゴミは捨てる場所がないという問題があ
り、大都市においては環境上の課題となっている。
【0006】本発明が解決しようとする課題は、上記の
Cu等の混在する金属成分およびゴミとなる諸成分に加
えて、一般の鉄鋼屑中に合金成分あるいは不純物として
含有されているCuやSn等の濃度を低下させ、鉄鋼原
料として利用することであり、これらの除去・濃度低下
を工業的に行うことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる問題
点を解決するために種々の検討を行った結果、下記に示
すような方法を発明した。即ち、鉄鋼屑を、必要に応じ
て軽度の酸洗・水洗・乾燥の後、500℃以上に予熱
し、溶融Pb合金中に浸漬して、鉄鋼中のCuおよびS
n等を溶融Pb合金中に抽出することにより、Cuおよ
びSn等の濃度の低い鉄鋼スクラップとなすことを特徴
とする鉄鋼屑よりCu等の不純物を分離除去する方法で
ある。溶融Pb合金中に浸漬後は、取り出して必要に応
じて軽度の酸洗・水洗・乾燥を行うことが望ましい。
【0008】一方溶融Pb合金は単純に処分する方法以
外に、温度を低下させて「固体と液体の混合状態とな
し、固体として生成したCu、固体として生成したCu
やSnおよびPbとその他の金属成分との金属間化合物
をフィルターによって濾過して分離、あるいは沈澱した
固体Cuや金属間化合物として分離して別途処理するも
のとし、一方残りの溶融Pb合金は、必要に応じてPb
合金を追加して、再度上記の脱銅、脱錫に使用する」、
あるいは、「2液相状態となして、濃度の異なるPb合
金2種に分離し、一方を別途処理するものとし、他方の
残りの溶融Pb合金は、必要に応じてPb合金を追加し
て、再度上記の脱銅に使用する」等の、必要に応じて、
温度の制御により、液相と固相の分離あるいは2液相の
分離を行う方法を加えることが材料を有効利用を図る点
から望ましい。
【0009】なお、溶融Pb合金の温度が500〜10
00℃程度以上と比較的高い場合には、Pbの蒸気圧が
高く環境中にPb蒸気の放散の可能性があるため、上部
に溶融Al合金を浮かせてPb溶湯を保護し、蒸気の発
生を防止する方法が望ましい。さらにこの溶融Al合金
の上に塩化物等のスラグ成分を浮かせて、これにより鉄
鋼屑中に混在したガラス質やプラスチック質の成分等の
種々の物質を吸収させてゴミの体積削減を図ることも有
用である。
【0010】
【作用】実験的規模で本件を検討する際の状況を説明す
る。より定量的な説明は実施例において行う。鉄鋼屑と
しては、自動車をスクラップ処理するために主として外
板薄板をプレスした鉄塊(一部、導線等のCuを含有す
る)より切断により切り出したもの等を小鉄塊として使
用する。この小鉄塊は、予め酸洗・水洗・乾燥した方が
良い。この酸洗は、鉄の酸化物を除去するものであり、
後の工程でPb溶湯中に浸漬する場合、例えば表面に存
在するAl溶湯とのテルミット反応による爆発的な反応
を防止するものである。ここで、念のためテルミット反
応について説明しておくと、一般に鉄の酸化物例えばF
2 3 はAlと接触すると、Alが鉄酸化物より酸素
を奪って酸化し、一方鉄酸化物は還元されてFeに戻る
が、その反応は爆発的に起こるものである。このテルミ
ット反応式は一例をあげればFe2 3 +2Al=Al
2 3 +2Feである。
【0011】大量生産方式でこの酸洗を実施する場合に
は、当然酸液の処理や、酸化鉄の大量処理工程を必要と
するが、それらは既に鉄鋼業界において実施されており
ここで詳細に説明する必要はないと考える。また、水洗
・乾燥は、溶融金属と水との接触による爆発的反応を防
止するためであり、是非実施すべきである。以上の前処
理の後、さらにPb溶湯に挿入する前に、該小鉄塊を5
00℃以上に加熱して安全上万全を期すことが望まし
い。
【0012】次にこの小鉄塊を、Pb溶湯中に浸漬し
て、脱銅や脱錫処理を行う。なお、一般に鉄の比重は鉛
合金の比重より小さいので、Pb溶湯中への浸漬に際し
ては何らかの工夫を必要とするものである。例えば金網
に入れて、機械的に溶湯中に押し込む等の方法である。
脱銅や脱錫処理は、混在した金属成分のPb溶湯中への
溶解および鉄鋼中の合金成分の拡散によるPb溶湯中へ
の溶解によって行われる。銅や錫は、鉄鋼中より溶融状
態のPb中に溶解した状態の方がエネルギー的に安定で
あるため、鉄鋼中を拡散してPb中へ移動するものと考
えている。
【0013】浸漬を行うに際しては、ゆっくりと溶湯中
に挿入して爆発的反応が起こらないことを確認しながら
徐々に浸漬する。さらに、環境保全および安全上の観点
から、前記のごとく溶融Al合金を浮かせて乗せたPb
溶湯を使用する方法が望ましい。小鉄塊は鉄鋼リサイク
ル用スクラップとして十分に利用可能な純粋な濃度のF
eであり、再度、軽度の酸洗・水洗・乾燥の後、鉄鋼ス
クラップとして製鉄原料となし得る。
【0014】一方、Pb溶湯に関しては、このような鉄
塊の浸漬を繰り返すことによりPb合金中の銅や錫の濃
度が徐々に増加するので、以下のような処理を行い、P
b合金より純粋な金属間化合物や純粋な銅あるいは錫合
金を取り出すことにより非鉄材料の原料となし、残りは
必要に応じてPbを追加投入することによって、Pb溶
湯中のCuやSn濃度の増加を抑制して、再使用即ち有
効利用を可能とするものである。
【0015】ここで、鉄と鉛との化学的関係を説明して
おく。Fe−Pb2元状態図は、当該分野では良く知ら
れており、例えば American Society for Metalsより1
986年に発行されたBinary Alloy Phase Diagrams, V
ol. 1の1092ページに提示されている。これによれ
ば、1500℃以下程度の温度ではFeは溶融状態のP
b中に0.3%以下程度の極く少量固溶するのみであ
り、大部分は固体として存在するものである。本発明に
おいては、この状態において鉄鋼材料よりCu,Sn等
の合金成分を拡散によって溶融Pb中に抽出し、さらに
必要に応じて鉄鋼屑中に混在する鉄以外の金属成分を溶
解させるものである。
【0016】次にPb溶湯中のCu濃度およびSn濃度
が増加した場合の処理方法について説明する。まず、C
u−Pb2元状態図に基づいてCuに関して説明する。
Cu−Pb2元状態図は、当該分野では良く知られてお
り、例えば日本金属学会編、1974年に丸善より発行
された、金属データブックの440ページに提示されて
いる。上記に示した小鉄塊を該Pb合金溶湯中への浸漬
を繰り返すことによって、例えば最初は殆ど0%に近い
水準の非常に低いCu濃度であったMg合金溶湯が、1
0〜20wt.%程度のCu濃度まで増加する。この時
に、溶湯の温度を低下させてCu−Pb2元状態図に示
されるその濃度での液相線に到達すると、固体のCuが
溶湯中に生成する。
【0017】溶湯の温度を徐々に低下させることによ
り、液相は液相線に沿って濃度が変化し、固体のCuが
増加してゆく。この固体を分離するためには、例えば5
00℃近傍でPb合金は十分に流動性があり、Cuとし
ては量的に全体の90%以上程度が固体となる状態にお
いて、以下の濾過を実施する。
【0018】濾過は、例えば、鉄製の樋の中央に鉄製あ
るいはセラミックス製のフィルターを設置したものの上
流側に、上記の固体と液体とが分離した状態の溶湯を流
し、下流に設置した容器の中にPb合金溶湯を流す。こ
のPb合金溶湯は加熱して、鉄鋼材料の脱Cu等に再度
使用する。この際、量的に不足する場合等は、必要に応
じてPbあるいはPb合金を新しく追加する。一方フィ
ルターで分離したCuの固体は、例えば別に準備した加
熱装置の中で加熱して溶解し、他の容器に移して分離作
業を終了する。
【0019】なおこの際、Al溶湯および塩化物スラグ
は必要に応じて他の容器に排出して分離する。さらに説
明を加えると、使用するAl溶湯の合金成分によって
は、融点が500℃より高いものや低いものがあって、
濾過温度はこれらを考慮して適切な温度とする。このよ
うにして得られたCuは純粋な成分のものであって、他
の分野で利用可能である。
【0020】そのために、PbもCuも有効に利用され
て工業的に無駄がなく、結果として安価な鉄鋼材料より
銅等の不純物の安価な除去方法が得られるものである。
前記の特開平3−199314号公報による場合に比較
しても、処理作業後発生するPb合金の不要物の量が非
常に少なく、優れた技術である。
【0021】また、銅以外の他の不純物元素は、主とし
て塩化物スラグ中に補足されるため発生するゴミの体積
が非常に少なくなり、ゴミ処理上有利で処分も容易であ
る。なおさらに安全のためには、これらの装置全体に排
気ガス処理設備を設置しておくことが望ましい。なお、
この場合の発生ガスは、通常純粋な炭酸ガスやSO2
主体となり、一般のゴミ処理等における焼却炉の排気ガ
スのレベルよりは少ないといえる。以上のように、本法
は工業的に大量処理が可能で、従来の脱銅の困難さも解
除され、実行が容易な方案である。
【0022】なお、上記のように、Pb合金中には通常
Feは極く少量しか溶解しないため(特に900℃以下
程度の比較的低温ではFeが溶け難いものであり)、本
方法では、一般に鉄製容器を使うことが可能であるた
め、この点からも工業的に実施が容易で安価な方法であ
る。さらに、この鉄製容器には溶射法等によって数mm程
度のAl2 3 皮膜を付けておくことも良い方法であ
る。また、塩化物スラグによる方法の他に、例えばAr
ガス環境中に保持する方法等によるAl溶湯の保護も有
効である。
【0023】次に、Sn−Pb2元状態図に基づいてS
nに関して説明する。Sn−Pb2元状態図は、当該分
野では良く知られており、例えば日本金属学会編、19
74年に丸善より発行された、金属データブックの48
1ページに提示されている。上記に示した小鉄塊を該P
b合金溶湯中への浸漬を繰り返すことによって、例えば
最初は殆ど0%に近い水準の非常に低いSn濃度であっ
たMg合金溶湯が、10〜20wt.%程度のSn濃度ま
で増加する。SnとPbとは、上記の状態図より明らか
なように、非常に合金を作り易いものであって、逆にい
えば、本発明に特徴的に利用している温度を変化させる
ことによって状態図を利用して両者を分離することは困
難なものである。
【0024】もともと鉄鋼屑中には合金としてのSnの
濃度は比較的低いものであって、ここで使用するPb溶
湯中にSn濃度が高くなる場合には、非常に多量の鉄鋼
屑の処理を行った後のこととなって、本件ではSnの分
離作業は特別に行う必要はないものと考える。もし、溶
湯Pb中のSn濃度が問題になる程度に増加した場合に
は、そのPb合金は目的を達成したものとして処分して
良いものである。
【0025】さらに付記すれば、本法で示した2元状態
図を利用して温度を変化させて固体の金属や金属間化合
物を分離する方法は、2元状態図に限るものではなく、
鉄鋼材料中に存在する合金の種類に応じて3元系あるは
4元系,5元系の状態図等を用いることも可能且つ有用
であって、本法は使用する状態図の種類を制限するもの
ではない。また、本発明の実施に際しては、鉄鋼屑を単
純な容器に入った溶湯へ浸漬する方法に限るものでは無
く、ロータリーキルンの利用やその他の種々の反応炉を
利用することが可能であって、この点における制限はな
い。
【0026】
【実施例】
実施例1 自動車をスクラップ処理するためにプレスした鉄塊よ
り、実験用材料として約5cmの立方体を金鋸切断により
100個以上切り出した。この小鉄塊の重さは、平均で
395gであった。まず、500ml、90℃の15%硫
酸水溶液中に、この小鉄塊を浸漬して酸洗した。この
後、小鉄塊は十分に水洗し、乾燥し、さらに該小鉄塊を
800℃以上に加熱した。次のこの800℃の小鉄塊
を、10kg(約1000ml)、950℃のPb溶湯中に
浸漬して、脱銅処理を行った。
【0027】浸漬を行うに際しては、ゆっくりと溶湯中
に挿入して爆発的反応が起こらないことを確認しながら
徐々に浸漬した。浸漬は、鉄塊を鉄製の金網に入れて、
機械的に押し込んだ、Pb溶湯の表面には、Al合金溶
湯(Al−4%Si)200gを載せた。該溶湯は高周
波加熱装置の中で温度を一定に保持した(以下特に作業
手順の説明において、Pb合金溶湯と記して、上部のA
l合金溶湯を含む場合をも、意味するものとする。)。
【0028】浸漬後、10分間溶湯中に保持して脱銅処
理を行った。その後小鉄塊を取り出して、再度、水洗・
軽度の酸洗・水洗・乾燥の後、鉄鋼スクラップとして製
鉄原料とした。さらに、合計100個の小鉄塊について
同様の処理を行って、製鉄原料を作成した。なお、これ
らの小鉄塊中の当初のCu濃度は平均で0.8%であっ
たが、脱銅処理後のCu濃度は平均で、0.1%以下と
なっていた。一方、10kgのPb溶湯に関しては、この
ような鉄塊の浸漬を繰り返すことにより、Pb合金中の
銅濃度が徐々に増加して且つ全体の重量も増加した。P
b合金中の銅は分析の結果、約280gとなり、溶湯全
体は、10480gとなった。
【0029】この段階で以下のように、Pb溶湯よりの
Cuの分離作業を実施した。まず、高周波加熱装置の中
の該Pb合金溶湯を徐々に冷却した。温度が約790℃
まで低下した時、溶湯中にCuの固体が生成を始めた。
温度を490℃まで低下した段階で、Cuの固体は約2
20g(分離後重量を測定)となった。この時に、鉄製
の樋の中央に鉄製のフィルター(JIS G3555に
示される織金網のうち、0.6mm線径、16メッシュの
なまし鉄線製平織金網)を設置したものの上流側に上記
の固体と液体とが分離した状態の溶湯を流し、下流に設
置した容器の中にPb溶湯を流した。この結果、下流の
容器にPb溶湯(Al溶湯を含め)が10260g得ら
れた。これは、必要に応じてPbを追加して上記の脱銅
処理に再利用できる。また濾過の結果、上流側より9
9.5%以上の濃度の純粋なCuが、約220g得られ
た。
【0030】実施例2 実施例1と同様に、自動車をスクラップ処理するために
プレスした鉄塊より、実験用材料として約5cmの立方体
を金鋸切断により1個切り出した。この小鉄塊の重さ
は、約405gであった。まず500ml、90℃の15
%硫酸水溶液中に、この小鉄塊を浸漬して酸洗した。こ
の後、小鉄塊は十分に水洗し、乾燥し、さらに該小鉄塊
を800℃以上に加熱した。次のこの800℃の小鉄塊
を、10kg(約1000ml)、950℃のPb溶湯中に
実施例1と同様に浸漬して、脱銅および脱錫処理を行っ
た。浸漬を行うに際しては、ゆっくりと溶湯中に挿入し
て爆発的反応が起こらないことを確認しながら、徐々に
浸漬した。Pb溶湯の表面には、Al合金溶湯(Al−
4%Si)200gを載せた。該溶湯は高周波加熱装置
の中で温度を一定に保持した。
【0031】浸漬後、10分間溶湯中に保持して脱銅お
よび脱錫処理を行った。その後小鉄塊を取り出して、再
度、水洗・軽度の酸洗・水洗・乾燥の後、鉄鋼スクラッ
プとして製鉄原料とした。なお同一条件で採取した材料
の分析の結果、この小鉄塊の当初のCu濃度は0.83
%、Sn濃度は0.07%(飲料缶およびハンダ成分を
混在、および鉄鋼中に合金元素として含むものの合計)
であったが、脱銅・脱錫処理後のCu濃度は0.1%以
下、Sn濃度は0.03%以下となっていた。
【0032】
【発明の効果】本発明は溶湯Pb合金を用いて鉄スクラ
ップより脱銅および脱錫処理が容易であり、且つ利用し
た溶湯Pb合金を、温度の制御と濾過とにより、2液相
あるいは液相と固相の分離を行うことによって、金属C
uあるいは混在合金によって生成する種々の金属間化合
物を得て、例えばAl合金用の添加合金として無駄なく
利用することができ、結局、鉄スクラップより脱銅およ
び脱錫処理に関して工業的な大量処理を可能とするもの
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄鋼屑を、溶融Pb合金中に浸漬して、
    鉄鋼中のCuおよびSnを溶融Pb合金中に抽出するこ
    とにより、CuおよびSn濃度の低い鉄鋼スクラップと
    なすことを特徴とする鉄鋼屑よりCu等の不純物を分離
    除去する方法。
JP1172794A 1994-02-03 1994-02-03 鉄鋼屑よりCu等の不純物を分離除去する方法 Withdrawn JPH07216469A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1172794A JPH07216469A (ja) 1994-02-03 1994-02-03 鉄鋼屑よりCu等の不純物を分離除去する方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1172794A JPH07216469A (ja) 1994-02-03 1994-02-03 鉄鋼屑よりCu等の不純物を分離除去する方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07216469A true JPH07216469A (ja) 1995-08-15

Family

ID=11786072

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1172794A Withdrawn JPH07216469A (ja) 1994-02-03 1994-02-03 鉄鋼屑よりCu等の不純物を分離除去する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07216469A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4831943A (en) Treating ash and dust from incineration plants by coprocessing with hazardous waste and/or metallic scrap
Kim et al. A process for extracting precious metals from spent printed circuit boards and automobile catalysts
GB1601450A (en) Extraction of precious metals
JP2008001917A (ja) 貴金属回収方法および回収貴金属
CN107312931B (zh) 一种同时回收贵金属和制备高纯硅的方法
JP2008001916A (ja) 貴金属の回収方法および回収貴金属
US4911755A (en) Method for the refining of lead
JPH07216469A (ja) 鉄鋼屑よりCu等の不純物を分離除去する方法
JP3203848B2 (ja) 銅または銅合金の溶製法
JP3730606B2 (ja) 銅鉄混在スクラップからの銅と鉄の分離、回収方法
US5366599A (en) Method of selective recovery of ferrous and nonferrous metals from industrial wastes and scrap home electric appliances
JPH07216468A (ja) 鉄鋼屑よりCu等の不純物を分離除去する方法
CN101660051B (zh) 一种安全回收镁屑的方法
JP2009155677A (ja) 貴金属回収方法および回収貴金属
TW201012940A (en) Recycling of lead-free silver containing tin solder dross
JP2587814B2 (ja) 銅転炉からみ精鉱の処理方法
JP2000144270A (ja) 鉄中不純物元素の溶融除去方法
JP4210729B2 (ja) 金または白金族元素の濃縮方法
JPH06240373A (ja) モーター屑などから銅・鉄等を分離回収する方法
JP3827547B2 (ja) 鉄スクラップからの銅の分離、除去方法
JPS6049701B2 (ja) 溶触金属中の砒素および又は銅を除去する方法
JPH05331565A (ja) モーター屑などからの銅・鉄の分離回収方法
JP2001279339A (ja) 鉄中不純物元素の溶解除去方法
JPS6352093B2 (ja)
JP3880494B2 (ja) 鉄系焼却灰残渣からの貴金属の分離、回収法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20010403