JPH07216468A - 鉄鋼屑よりCu等の不純物を分離除去する方法 - Google Patents

鉄鋼屑よりCu等の不純物を分離除去する方法

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JPH07216468A
JPH07216468A JP786994A JP786994A JPH07216468A JP H07216468 A JPH07216468 A JP H07216468A JP 786994 A JP786994 A JP 786994A JP 786994 A JP786994 A JP 786994A JP H07216468 A JPH07216468 A JP H07216468A
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JP
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molten
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iron
temperature
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JP786994A
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Katsutoshi Yamada
勝利 山田
Shoichi Sekiguchi
昭一 関口
Kiyoshi Shibata
清 柴田
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

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  • Extraction Or Liquid Replacement (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉄鋼屑よりの脱銅を目的とし、工業的に容易
・安価な方法を提供する。 【構成】 鉄鋼屑を、溶融Mg合金中に浸漬して鉄鋼中
のCuを溶融Mg合金中に抽出することにより、Cuを
含まない鉄鋼スクラップとする。一方溶融Mg合金は温
度を低下させて固体と液体の混合状態となし、固体とし
て生成したMgと銅との金属間化合物をフィルターによ
る濾過等によって分離して有効利用する。 【効果】 鉄鋼屑より、非常に低濃度まで容易に脱銅が
可能で、安価且つ大量処理が可能。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融Mg合金を用いて
鉄鋼屑中の銅を除去することを、工業的に大量処理を行
う、安価且つ簡便な方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から電気製品、家具、自動車等の薄
鋼板をプレス成形した部品は、製品の寿命が終わってス
クラップ化する際には鉄のリサイクルが重要な課題であ
る。自動車を始め電気製品、家具等には、必ず電気配線
を含み、鉄鋼材料は加圧装置によって緻密な鉄の塊とさ
れることが普通であるが、電気配線としてのCuやビニ
ール等の有機物、樹脂等が混在しているものである。一
例として、自動車のリサイクルにおいては、シュレッダ
ーにより全ての材料を微細な切断片に裁断して、比重選
別等により金属と有機物とを分離し、さらに磁石により
鉄鋼材料とそれ以外の材料に分離する、等の方法を実施
している。
【0003】しかしながら、これらの方法においては、
裁断のための大規模な設備を必要とし、分離後の有機物
やガラス等は体積が大きいまま、廃棄物として埋め立て
処分がなされるものであって、現在の情勢としては埋め
立て処分場が不足して今後この方式が基本的に制限が大
きいものと考えられている。日本全体としても廃車全体
の半分程度しかこの方式で処分されておらず、残りの半
分の処置が社会的に問題となっている。
【0004】また特開平3−199314号公報にみら
れるように、Al合金あるいはMg合金を用いて鉄鋼材
料の脱銅を行う方法が示されているが、処理後のAl合
金あるいはMg合金の処理方法がなく、例えばこれらを
廃棄物処分場に捨てる場合を考えると、処理効率、経済
効率等を考慮して、日本全体の自動車(例えば年間10
0万台)や電気製品の廃棄物を全て処理するという程度
の大量処理の観点から、実施が非常に困難であると推定
される。また、電気配線として混在するCu等の金属成
分の除去の他に、一般の鉄鋼屑は鉄鋼中に合金成分ある
いは不純物として含有されているCu等の濃度を低下さ
せることが、鉄鋼原料として利用する場合には大切であ
って、これらの除去・濃度低下は一般に容易ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術上の上記の
課題を解決するためには、自動車や家電製品自体の構造
的な改革も必要であり、設計により部品レベルにまで簡
単に分解できる構造として、製品寿命が終了した時点で
分解して部品としての再利用を図る方法は勿論重要であ
る。しかしこの方法で全てが解決するわけではなく、金
属、樹脂、ガラス等の分離と廃棄物処理は欠かせないも
のであり、現在自動車の廃車処理のために広く実施され
ているシュレッダー方式では、ガラスやプラスチック等
の体積の増加したゴミが大量発生する欠点があった。こ
のような大量のゴミは捨てる場所がないという問題があ
り、大都市においては環境上の課題となっている。本発
明が解決しようとする課題は、上記の電気配線として混
在するCu等の金属成分およびゴミとなる諸成分に加え
て、一般の鉄鋼屑中に合金成分あるいは不純物として含
有されているCu等の濃度を低下させ、鉄鋼原料として
再利用することであり、これらの除去・濃度低下を工業
的に行うことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる問題
点を解決するために種々の検討を行った結果、下記に示
すような方法を発明した。即ち、本発明の要旨は以下の
通りである。 (1)鉄鋼屑を、溶融Mg合金中に浸漬して鉄鋼中のC
uを溶融Mg合金中に抽出することにより、Cuを含ま
ない鉄鋼スクラップ、一方溶融Mg合金は、温度を低下
させて、固体と液体の混合状態となし、固体として生成
したMgと銅との金属間化合物として回収することを特
徴とする鉄鋼屑よりCu等の不純物を分離除去する方
法。
【0007】(2)溶融Mg合金に必要に応じてMg合
金を追加して、温度の制御により液相と固相の分離ある
いは2液相の分離によりMg2 Cuを回収することを特
徴とする(1)記載の方法。 (3)Mg2 Cuを溶解し温度の制御によりMg2 Cu
・MgCu2 共晶合金を回収することを特徴とする
(1)記載の方法。
【0008】
【作用】実験的規模で検討する際の状況を説明する。よ
り定量的な説明は実施例において行う。鉄鋼屑として
は、自動車をスクラップ処理するために主として外板薄
板をプレスした鉄塊(一部、導線等のCuを含有する)
より、切断により切り出したもの等を小鉄塊として使用
する。この小鉄塊は、予め酸洗、水洗、乾燥した方がよ
い。この酸洗は、鉄の酸化物を除去するものであり、後
の工程でMg溶湯中に浸漬する場合、テルミット的な反
応による爆発的な反応を防止するものである。
【0009】ここで、念のためテルミット反応について
説明しておくと、一般に鉄の酸化物例えばFe2 3
Alと接触すると、Alが鉄酸化物より酸素を奪って酸
化し、一方鉄酸化物は還元されてFeに戻るが、その反
応は爆発的に起こるものである。このテルミット反応式
は一例を挙げれば、Fe2 3 +2Al=Al2 3
2Feである。このテルミット反応と同様にFe2 3
がMgと接触すると、Mgが鉄酸化物より酸素を奪って
酸化し、一方鉄酸化物は還元されてFeに戻るが、その
反応は爆発的に起こるものである。大量生産方式でこの
酸洗を実施する場合には、当然酸液の処理や、酸化鉄の
大量処理工程を必要とするが、それらは既に鉄鋼業界に
おいて実施されており、ここで詳細に説明する必要はな
いと考える。また、水洗・乾燥は、溶融金属と水との接
触による爆発的反応を防止するためである。
【0010】以上の前処理の後、さらにMg溶湯に装入
する前に、該小鉄塊を500℃以上に加熱して安全上万
全を期すことが望ましい。次にこの小鉄塊を、Mg溶湯
中に浸漬して、脱銅処理を行う。脱銅処理は、混在した
金属成分のMg溶湯中への溶解および鉄鋼中の合金成分
の拡散によるMg溶湯中への溶解によって行われる。銅
等は鉄鋼中より溶融状態のMg中に溶解した状態の方が
エネルギー的に安定であるため、鉄鋼中を拡散してMg
中へ移動するものと考えている。
【0011】浸漬を行うに際しては、ゆっくりと溶湯中
に装入して爆発的反応が起こらないことを確認しながら
徐々に浸漬する。さらに安全の観点から、燃焼防止のた
めの塩素系フラックスをのせたMg溶湯を使用する方法
が望ましい。小鉄塊は鉄鋼リサイクル用スクラップとし
て十分に利用可能な純粋な濃度のFeであり、再度、軽
度の酸洗・水洗・乾燥の後、鉄鋼スクラップとして製鉄
原料となし得る。一方、Mg溶湯に関しては、このよう
な鉄塊の浸漬を繰り返すことにより、Mg合金中の銅濃
度が徐々に増加するので、以下のような処理を行い、M
g合金より純粋な金属間化合物を取り出すことによりA
l合金製造用原料となし、必要に応じてMgを追加投入
することによって、Mg溶湯中のCu濃度の増加を抑制
して、再使用即ち有効利用を可能とするものである。
【0012】次に、Mg溶湯中のCu濃度を増加した場
合の処理方法について説明する。図1に、Cu−Mg2
元状態図の一部を模式的に示す。Cu−Mg2元状態図
は、当該分野ではよく知られており、例えば日本金属学
会編,1974年に丸善より発行された、金属データブ
ックの439ページに提示されている。図1はこの一部
を模式的に示したものである。上記に示した小鉄塊を該
Mg合金溶湯中への浸漬を繰り返すことによって、例え
ば最初Cu濃度がA点であったMg合金溶湯が、B点の
Cu濃度まで増加する。この時に溶湯の温度を低下させ
ることにより、B点からC点に到達させ液相線に当たる
と、I点の濃度に相当するCu・Mg金属間化合物(例
えばMg2 Cu,MgCu2 等)が固体として生成しな
がら、液相は液相線上を→の線に沿って濃度が変化して
ゆく。
【0013】この場合、全体としてのCu濃度(あるい
はMg濃度)は一定で平均としてはC点−E点の直線上
にある。遂に温度がE点に到達する時には、F点の濃度
・温度に相当する金属間化合物とD点に相当する溶湯と
が共存する状態となる。温度をこれ以下に低下させる
と、全体が固体となってしまい分離が困難となるため、
温度はE点の直上(例えば10℃高い点)として、以下
の濾過を実施する。
【0014】濾過は、例えば、鉄製の樋の中央に鉄製あ
るいはセラミックス製のフィルターを設置したものの上
流側に上記の固体と液体とが分離した状態の溶湯を流
し、下流に設置した容器の中にMg溶湯を流す。このM
g合金即ちD点における溶湯は加熱して、鉄鋼材料の脱
Cuに再度使用する。この際、量的に不足する場合等
は、必要に応じてMgあるいはMg合金を新しく追加す
る。一方、フィルターで分離した金属間化合物の固体
は、例えば別に準備した加熱装置の中で加熱して溶解
し、他の容器に移して分離作業を終了する。なおこの
際、塩化物スラグは、必要に応じて他の容器に排出して
分離する。
【0015】このようにして得られた金属間化合物は、
純粋な成分のものであって、例えばAl合金のCu,M
gの添加剤として有用である。なお、Al合金製造のた
めに必要なCuやMgは、全世界的に相当な量であっ
て、大量の鉄鋼スクラップの処理を行っても発生する金
属間化合物は利用可能である。そのために、MgもCu
も有効に利用されて工業的に無駄がなく、結果として安
価な鉄鋼材料よりの銅等の不純物の安価な除去方法が得
られるものである。前記の特開平3−199314号公
報による場合に比較しても、処理作業後発生するMg合
金の不要物の量が非常に少なく、優れた技術である。
【0016】また、銅以外の他の不純物元素は、主とし
て塩化物スラグ中に捕捉されるため、発生するゴミの体
積が非常に少なくなり、ゴミ処理上有利で処分も容易で
ある。なおさらに安全のためには、これらの装置全体に
排気ガス処理設備を設置しておくことが望ましい。なお
この場合の発生ガスは、通常純粋な炭酸ガスやSO2
主体となり、一般のゴミ処理等における焼却炉の排気ガ
スのレベルよりは少ないといえる。以上のように、本法
は工業的に大量処理が可能で、従来の脱銅の困難さも解
除され、実行が容易な方案である。
【0017】なお、Mg合金中には通常Feは溶解し難
いものであるが、Mg合金が相当量のCuを含有してさ
らに高温になると、僅かながらFeが溶解するようにな
る。この場合でも900℃以下程度の比較的低温ではF
eが溶け難いものであり、本方法では、一般に鉄製容器
を使うことが可能であるため、この点からも工業的に実
施が容易で安価な方法である。また、塩化物スラグによ
る方法の他に、例えばArガス環境中に保持する方法等
によるMgの燃焼の防止も有効である。
【0018】さらに付記すれば、本法で示した2元状態
図を利用して温度を変化させて金属間化合物を分離する
方法は、2元状態図に限るものではなく、鉄鋼材料中に
存在する合金の種類に応じて3元系あるいは4元系,5
元系の状態図等を用いることも可能且つ有用であって、
本法は使用する状態図の種類を制限するものではない。
また、本発明の実施に際しては、鉄鋼屑を単純な容器に
入った溶湯へ浸漬する方法に限るものではなく、ロータ
リーキルンの利用やその他の種々の反応炉を利用するこ
とが可能であって、この点における制限はない。
【0019】
【実施例】
実施例1 自動車をスクラップ処理するためにプレスした鉄塊よ
り、実験用材料として約5cmの立方体を金鋸切断により
100個以上切り出した。この小鉄塊の重さは、平均で
395gであった。まず500ml、90℃の15%硫酸
水溶液中に、この小鉄塊を浸漬して酸洗した。この後、
小鉄塊は十分に水洗し、乾燥し、さらに該小鉄塊を50
0℃以上に加熱した。次にこの500℃の小鉄塊を16
00g(約1000ml)、800℃のMg溶湯中に浸漬
して、脱銅処理を行った。浸漬を行うに際しては、ゆっ
くりと溶湯中に装入して爆発的反応が起こらないことを
確認しながら徐々に浸漬した。Mg溶湯の表面には、塩
素系フラックスをのせた。
【0020】Mg溶湯は、高周波加熱装置の中で温度を
一定に保持した。浸漬後、5分間溶湯中に保持して脱銅
処理を行った。その後、小鉄塊を取り出して、再度、水
洗・軽度の酸洗・水洗・乾燥の後、鉄鋼スクラップとし
て製鉄原料とした。さらに、合計100個の小鉄塊につ
いて同様の処理を行って、製鉄原料を作成した。なお、
これらの小鉄塊中の当初のCu濃度は平均で0.8%で
あったが、脱銅処理後のCu濃度は平均で0.1%以下
となっていた。
【0021】一方、1600gのMg溶湯に関してはこ
のような鉄塊の浸漬を繰り返すことにより、Mg合金中
の銅濃度が徐々に増加して且つ全体の重量も増加した。
Mg合金中の銅は分析の結果、約280gとなり、溶湯
全体は1880gとなった。この段階で以下のように、
Mg溶湯よりの金属間化合物の分離作業を実施した。先
ず、高周波加熱装置の中の該Mg合金溶湯を徐々に冷却
した。温度が約570℃まで低下した時、溶湯中にMg
の固体が生成を始めた。温度を490℃まで低下した段
階で、Mgの固体は約1300g(分離後重量を測定)
となった。
【0022】この時に、鉄製の樋の中央に鉄製のフィル
ター(JIS G3555に示される織金網のうち、
0.6mm線径、16メッシュのなまし鉄線製平織金網)
を設置したものの上流側に上記の固体と液体とが分離し
た状態の溶湯を流し、下流に設置した容器の中にMg溶
湯を流した。この結果、下流の容器にCuが約31%、
残りがMgのMg2 CuとMgとの共晶合金が580g
得られた。これは、常に一定濃度のものが得られるた
め、Alの合金添加剤等として有用である。また上流側
より、99.5%以上の濃度の純粋なMgが、1300
g得られた。これは、さらにMgを追加することによっ
て上記の脱銅処理に再利用できる。
【0023】実施例2 実施例1と同様にして、小鉄塊を1600g、800℃
のMg溶湯中に浸漬して、脱銅処理を行い、鉄鋼スクラ
ップとして製鉄原料とした。さらに、合計500個の小
鉄塊について同様の処理を行って、製鉄原料を作成し
た。なお、これらの小鉄塊中の当初のCu濃度は平均で
0.8%であったが、脱銅処理後のCu濃度は平均で
0.1%以下となっていた。一方1600gのMg溶湯
に関しては、このような鉄塊の浸漬を繰り返すことによ
り、Mg合金中の銅濃度が徐々に増加して且つ全体の重
量も増加した。Mg合金中の銅は分析の結果、約140
0gとなり、溶湯全体は、3000gとなった。
【0024】この段階で以下のように、Mg溶湯よりの
金属間化合物の分離作業を実施した。先ず高周波加熱装
置の中の該Mg合金溶湯を徐々に冷却した。温度が約5
60℃まで低下した時、溶湯中にMg2 Cuの固体が生
成を始めた。温度を490℃まで低下した段階で、Mg
2 Cuの固体は約1812g(分離後重量を測定)とな
った。
【0025】この時に、鉄製の樋の中央に鉄製のフィル
ターを設置したものの上流側に上記の固体と液体とが分
離した状態の溶湯を流し、下流に設置した容器の中にM
g溶湯を流した。この結果、下流の容器に残りがMg2
CuとMgとの共晶合金が1188g得られた。これ
は、さらにMgを追加することによって、上記の脱銅処
理に再利用できる。また、上流側よりMg:43wt%、
Cu:57wt%の純粋なMg2 Cuが、1812g得ら
れた。これは、常に一定濃度のものが得られるため、A
lの合金添加剤等として有用である。
【0026】実施例3 実施例2で得られたMg:43wt%、Cu:57wt%の
純粋なMg2 Cu:1812gについて、さらに分離の
処理を行った。先ず実施例2で得られた該Mg合金(固
体、純粋なMg2 Cu)を高周波加熱装置の中で徐々に
加熱した。温度が約570℃まで上昇した時、溶解が開
始した。さらに約600℃まで温度を上昇させた後、約
5分程度温度を一定に保持し、その後再び温度を低下さ
せた。温度が約560℃まで低下した時、溶湯が2種類
の液に分離した。十分な観察はできなかったが、2種類
の溶湯の存在が認められた。さらに温度を低下させ55
0℃以下となった時に、固体が生成して溶液と明瞭に分
離した。
【0027】ここで、約530℃に温度を保持し、鉄製
の樋の中央に鉄製のフィルターを設置したものの上流側
に、上記の固体と液体とが分離した状態の溶湯を流し、
下記に設置した容器の中にMg溶湯を流した。この結
果、下記の容器の残りがMg2CuとMgとの共晶合金
が454g得られた。これは、さらにMgを追加するこ
とによって上記の脱銅処理に再利用できる。また上流側
より純粋なMgCu2 と純粋なMg2 Cuとの共晶合金
が、1358g得られた。これは、常に一定濃度のもの
が得られるため、Alの合金添加剤等として有用であ
る。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は溶湯Mg
合金を用いて鉄スクラップよりの脱銅処理が容易であ
り、且つ利用した溶湯Mg合金を、温度の制御と濾過と
により、2液相あるいは液相と固相の分離を行うことに
よって金属間化合物を得て、例えばAl合金用の添加合
金として無駄なく利用することができ、結局、鉄スクラ
ップよりの脱銅処理に関して工業的な大量処理を可能と
するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に利用したCu−Mg2元状態図
の一部の模式図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄鋼屑を、溶融Mg合金中に浸漬して、
    鉄鋼中のCuを溶融Mg合金中に抽出することにより、
    Cuを含まない鉄鋼スクラップ、一方溶融Mg合金は、
    温度を低下させて、固体と液体の混合状態となし、固体
    として生成したMgと銅との金属間化合物として回収す
    ることを特徴とする鉄鋼屑よりCu等の不純物を分離除
    去する方法。
  2. 【請求項2】 溶融Mg合金に必要に応じてMg合金を
    追加して、温度の制御により液相と固相の分離あるいは
    2液相の分離によりMg2 Cuを回収することを特徴と
    する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 Mg2 Cuを溶解し温度の制御によりM
    2 Cu・MgCu2 共晶合金を回収することを特徴と
    する請求項1記載の方法。
JP786994A 1994-01-27 1994-01-27 鉄鋼屑よりCu等の不純物を分離除去する方法 Withdrawn JPH07216468A (ja)

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