JP3203848B2 - 銅または銅合金の溶製法 - Google Patents

銅または銅合金の溶製法

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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不純物としてSb,A
s,Te等を含む銅または銅合金原料(銅屑または銅合
金屑あるいはブリスターと呼ばれる精練前の銅原料等)
から、高純度の銅または銅合金を溶製する方法の改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】銅および銅合金は優れた伝熱性や導電性
を有していると共に、耐食性や加工性においても非常に
優れたものであり、電気・電子分野や熱交換器分野をは
じめとして多分野に亘って広く活用されている。しかし
銅は鉄鋼材料に比べて原料鉱石の埋蔵量が少なく高価で
あるところから、資源保護の観点からもスクラップの回
収再利用が重要な課題となっている。
【0003】しかし、前述の如く銅または銅合金の応用
分野が拡大し、更には用途に応じて様々の機能改善が加
えられるにつれて、屑銅等として回収されるスクラップ
中に含まれる不純物も多岐に亘り、従来例では殆ど混入
することのなかったSb,As,Te等の不純元素の混
入も見られる様になってきた。そしてこれらSb,A
s,Te等は低融点物であり、回収再生品にそのまま不
純物として残存すると、共晶の溶融による割れ発生の原
因になるなど再生品の品質に多大な悪影響を及ぼす。
【0004】そこでこれらの不純元素を溶製段階で除去
する方法についても研究が進められ、1つとして溶製段
階でアルカリ金属炭酸塩を添加しNa等とSb,As,
Te等との複合酸化物として湯面に浮上させることによ
り原料溶湯から除去する方法が提案された。
【0005】しかしこの方法は学問的には有効な方法で
あるが、工業的規模での実用性を考えると、生成するノ
ロの除去が困難であるという大きな欠点がある。即ち不
純物の除去のために添加される炭素塩は、銅や銅合金に
比べて非常に低融点であり、除去すべきSb,As,T
e等との反応によって高温の溶湯表面に浮上する滓(ノ
ロ)は低粘性であるので、あたかも水の上に油が浮上し
ている様な状態となり、高温のノロの汲み出しが非常に
困難であるほか、汲み出し時における溶湯とノロの混合
による溶湯の汚染、あるいはノロと共に汲み出される溶
湯によるメタルロスも避けられず、そのため実用規模で
実施されるまでには至っておらない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、銅ま
たは銅合金原料に含まれるSb,As,Te等の不純元
素を、溶製段階で簡単に且つ効率よく除去することので
きる技術を確立しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る溶製法の構成は、不純物として少
なくともSb,AsおよびTeの1種以上を含む銅また
は銅合金原料を用いて銅または銅合金を溶製するに当た
り、該銅または銅合金原料の溶湯中に酸素源を供給して
該溶湯中の酸素濃度を1000ppm以上とし、アルカ
リ金属化合物を加えて上記不純物元素の酸化物を捕捉
し、次いでFe,Fe酸化物、MnおよびMn酸化物よ
りなる群から選択される少なくとも1種を添加してから
除滓した後、前記溶湯を還元するところに要旨を有する
ものである。
【0008】尚、除滓後の最終工程で実施される還元
は、酸化性雰囲気で行なわれる不純物除去工程で溶湯中
に混入してくる酸素を除去するために行なわれるもので
あり、この場合、溶湯表面に木炭等の固体還元剤を添加
し、該溶湯中に不活性ガスを吹込む方法(より好ましく
はガス吹込みノズルの開口部を120m/分程度以上の
周速度で回転させながら不活性ガスを吹込む方法)を採
用すれば、還元を短時間で効率よく進めることができる
ので好ましい。
【0009】
【作用】本発明では、まず銅または銅合金原料の溶解が
行なわれる。銅原料としては、電線等の表面の樹脂被膜
を焼却してなる銅焼線屑、Niめっき銅線屑、熱交換器
などの廃材から得たフィン材、板材、管材、あるいはそ
の他各種の電気、電子部品廃材等、銅製品の切削加工等
で生じた切削等の屑材あるいはブリスター等が使用さ
れ、これらは場合によっては精練銅の残り湯あるいは鋳
造工程で生じることのある残り湯等と混合して使用する
こともできる。尚溶解炉としては、反射炉や誘導溶解炉
など公知のものを使用すればよい。
【0010】次いで該溶湯に固体状および/もしくは気
体状の酸素源を供給して溶湯中に含まれる不純元素を酸
化物として滓化させる。このとき、溶湯中にアルカリ金
属化合物を添加しておくと、溶湯中のSb,As,Te
等はアルカリ金属化合物と共に複合酸化物を形成し、滓
化して湯面上へ浮上する。しかしこの酸化工程でSb,
As,Teを効率良く酸化して湯面上に浮上分離させる
には、溶湯中の酸素濃度が1000ppm以上となる様
に酸素源の供給量を設定する必要がある。
【0011】ちなみに図1は、Sb,As,およびTe
の各含有量が夫々に3000ppmとなる様に成分調整
した銅合金溶湯を使用し、これを酸化処理したときの溶
湯中の酸素濃度とSb,As,Teの各含有率との関係
を実験的に調べた結果を示したグラフ(但し除滓材とし
て炭酸ソーダを使用)であり、この図からも明らかであ
る様に、溶湯中の酸素濃度が1000ppm以上となる
様に酸化処理条件を設定してやれば、溶湯中に含まれる
Sb,As,Teは大部分が酸化され、滓化して湯面上
に浮上分離することが分かる。このとき溶湯中の酸素濃
度を5000ppm以上にしてやれば、溶湯中のSb,
As,Teはいずれも根跡量にまで低減される。
【0012】ここで使用される固体状酸素源としてはC
uO等が使用され、また気体状酸素源としては酸素もし
くは空気が使用されるが、経済性等を考慮して一般的な
のは空気等の気体状酸素源である。固体状酸素源は、溶
湯表面に散布する方法あるいは溶湯内へキャリヤガスと
共に吹込む方法のどちらを採用してもよいが、効率がよ
いのは溶湯内へ吹込む方法である。また気体状酸素源
は、溶湯表面に向けて上吹きする方法あるいは溶湯内へ
吹込む方法によって供給されるが、より好ましいのは溶
湯内へ吹込む方法である。
【0013】尚上記の固体状酸素源および気体状酸素源
は夫々一方のみを用いて行なってもよく、あるいは両者
を併用することも可能であり、たとえば固体状酸素源を
溶湯表面に散布してから気体状酸素源を溶湯内へ吹込む
方法、あるいは固体状酸素源を気体状酸素源と共に溶湯
内へ吹込む方法を採用することもできる。いずれの方法
を採用するにしても、溶湯中の酸素濃度が1000pp
m以上、より好ましくは5000ppmとなる様に酸化
条件を設定すると共に、溶湯中にアルカリ金属化合物を
添加してやれば、Sb,As,Te等の不純物は該アル
カリ金属化合物と複合酸化物を形成して滓化する。
【0014】尚該溶湯中に他の不純物としてSn,F
e,Zn等が含まれている場合は、これらの不純元素は
上記酸素濃度に調整することによって同時に酸化され、
溶湯表面に浮上分離される。
【0015】このとき添加されるアルカリ金属化合物と
しては、アルカリ金属の炭酸塩、水酸化物、硫酸塩、硝
酸塩等が例示されるが、コストや取扱い性等を考慮して
最も一般的なのは炭酸塩、中でも炭酸ナトリウムであ
る。またその添加量は不純物元素の含有量によっても変
わってくるので一律に決めることはできない。しかしこ
れら不純物元素の含有量は一般に非常に少量であるか
ら、通常は被処理溶湯に対し重量で0.01〜6%のア
ルカリ金属化合物を添加することにより目的を十分に果
たすことができる。
【0016】但しこの複合酸化物は低融点であり、12
00℃程度の溶湯温度条件下では低粘性の液状物である
ため、前述の如くその除去が非常に困難である。そこで
本発明では、この複合酸化物の除去を容易にするための
手段として、該溶湯にFe,Fe酸化物,Mn,Mn酸
化物〔以下Fe(Mn)酸化物と略記する〕よりなる群
から選択される1種以上を除滓材として添加し、上記複
合酸化物をFe酸化物および/もしくはMn酸化物に捕
捉し、あるいはこれらと複合酸化物を形成することによ
ってノロの粘性を高めると共に、銅または銅合金溶湯と
の濡れ性を低下させることにより除滓性を高めるもので
ある。
【0017】即ちFe酸化物やMn酸化物は、アルカリ
金属と前記不純物元素との複合酸化物に比べて格段に高
融点であるばかりでなく、銅または銅合金溶湯との濡れ
性も小さく、従ってFe(Mn)酸化物を添加すると、
溶湯表面の前記複合酸化物(ノロ)は該Fe(Mn)酸
化物に吸着し、もしくはこれらと更に複合酸化物を形成
して、低流動性で溶湯との濡れ性の低い滓となる。従っ
てこの状態で除滓を行なえば、前述の様な問題を生じる
ことなくノロを簡単に効率よく除去することができる。
尚、FeやMnは酸素濃度の高められた溶湯上で酸化さ
れて夫々の酸化物に変わるので、酸化物として添加した
場合と実質的に同様の効果を発揮する。
【0018】ちなみに図2は、前記図1に示した実験に
おいて、溶湯の酸素量を5000ppmとし溶湯重量に
対し1重量%の炭酸ナトリウムを造滓剤として添加する
ことにより生成したノロを除滓する際に、除滓剤として
Fe23 またはMnO2 を添加した場合(溶湯重量に
対し1%)と添加しなかった場合の除滓率を調べた結果
を示したものであり、Fe(Mn)酸化物を添加するこ
とにより除滓率は飛躍的に向上している。こうした傾向
はFeやMnを金属として添加した場合も、これらが酸
化性雰囲気下で酸化物に変化するので、ほぼ同様の結果
が得られる。
【0019】また上記実験において、Fe(Mn)酸化
物を添加した場合と添加しなかった場合のノロの状態を
比較すると、前者(酸化物添加)の場合、ノロは半固形
状を呈し湯離れも良好であるのに対し、後者(酸化物無
添加)の場合、ノロは溶湯表面に液状で流延していて湯
離れも非常に悪く、除滓が非常に困難であった。
【0020】尚、Fe(Mn)酸化物の添加法として
は、溶湯表面に散布する方法、キャリアガスを用いて溶
湯内へ吹込む方法、あるいはこれらを併用する方法等を
採用することができる。またFeやMnを使用する場合
も同様の添加法を採用すればよい。
【0021】上記の様にFe(Mn)酸化物は除滓剤と
して優れた機能を発揮するが、これらは溶湯中に含まれ
ることのある更に他の不純物元素を除去するうえでも有
効に作用する。即ち溶湯中に他の不純物元素としてP
b,Ni,Sn,S,Bi等が含まれている場合、これ
らは比較的酸化され難いため前述の酸化処理だけでは十
分に除去され難いが、溶湯中にFe(Mn)酸化物を添
加すると、これらの不純物元素もFe(Mn)酸化物と
複合酸化物を形成して容易に滓化するので、これら不純
物元素も同時に効率よく除去されることになり、銅また
は銅合金溶湯の不純物濃度は全体として著しく低減され
る。
【0022】上記の様にして除滓した後は、溶湯の還元
処理が行なわれる。即ち前述の不純物除去工程では、不
純物元素を酸化し滓化するため相当量の酸素源が供給さ
れるので、除滓を終えた銅または銅合金溶湯内には多量
(1000ppm以上)の酸素が含まれており、銅また
は銅合金としての規格を満たすには、酸素濃度を多くと
も200ppm程度以下にまで低減するための還元工程
が必須となる。
【0023】この還元は公知の方法に従って行なうこと
も勿論可能であるが、前述の酸化工程を経た溶湯の酸素
濃度は前述の如く非常に高いので、該溶湯の酸素濃度を
工業的に利用可能な短時間で目標レベルにまで低減する
には、下記の様な還元法を採用することが望まれる。そ
の方法とは、溶湯表面に固体還元剤(木炭等)を添加し
た後、該溶湯内へ不活性ガスを吹込む方法である。
【0024】即ち溶湯表面に木炭等の固体還元剤を添加
すると、湯面で還元反応が起こってCO2 やCO等のガ
スが生成し、その一部は上方に放散されると共に銅合金
溶湯に対して溶解度の高いCO2 ガスの一部は溶湯内へ
溶け込む。ここに不活性ガスを吹込むと、溶湯内に溶け
込んだCO2 ガスは、溶湯内へ吹き込まれる不活性ガス
の気泡内へ分圧差によって捕集され、不活性ガスと共に
すみやかに溶湯表面に浮上する。そして浮上したCO2
ガスは湯面上に赤熱状態で存在する固体還元剤によって
直ちに還元されてCOとなるが、COは銅または銅合金
溶湯に対する溶解度が小さいので、溶湯内へ溶け込むこ
となく上方に放散されることになり、還元を短時間で効
率良く進めることができる。このとき、ガス吹込みノズ
ルを溶湯中で回転させながら不活性ガスを吹込むと、吹
込まれた不活性ガスの気泡がノズルの回転によって生じ
る剪断力により微細化され、それに伴なう表面積の拡大
よってCO2 の捕捉効果が高められ、還元を一層短時間
で効率良く進めることができる。尚銅または銅合金溶湯
は相対的に粘性が高く、回転数が小さ過ぎる場合はノズ
ルの回転に伴なって溶湯が回転方向に同伴流を生じ、剪
断による気泡微細化効果が有効に発揮されなくなる。
【0025】しかし回転によるノズル開口部の周速度が
120m/分以上、より好ましくは300m/分以上と
なる様に当該ノズルの回転数を設定してやれば、上記回
転による吹込みガス気泡の微細化効果が有効に発揮さ
れ、溶湯中の酸素量を短時間で規格レベル以下に低減す
ることができる。
【0026】ちなみに図3は、除滓を終えた酸素濃度が
10000ppmの銅合金溶湯を用い、該溶湯表面に固
体還元剤として木炭粉を溶湯重量に対し0.5%添加
し、回転式のガス吹込みノズルを用いて当該ノズルの回
転周速度を種々変えながらArガスを吹込むことにより
還元を行なったときの、ノズル開口部の周速度と溶湯中
の酸素量の関係を調べた結果を示したものである。尚こ
のときの溶湯温度は1200℃、Ar吹込み量は40N
リットル/分、処理時間は10分とした。
【0027】図3からも明らかである様に、固体還元剤
と不活性ガスの吹込みを併用した場合でも、回転ノズル
の周速度によって還元速度は著しく異なり、ノズル開口
部の周速度が120m/分未満では還元促進効果は殆ど
認められないが、周速度が300m/分以上になると還
元速度は急激に増大し、周速度が400m/分以上にな
ると僅か10分という短い還元処理時間でも溶湯中の酸
素濃度を500ppm程度以下にまで低減することがで
きる。従って最終の還元工程(脱酸工程)では、上記の
様に溶湯に固体還元剤を添加すると共に、ノズル開口部
の周速度が120m/分以上、より好ましくは300m
/分以上となる様にガス吹込みノズルを回転させながら
不活性ガスを吹込み、該ガスを微細な気泡として溶湯内
へ送給する方法を採用すれば、目標レベルまでの脱酸を
短い時間で行なうことができるので好ましい。
【0028】この場合、銅または銅合金溶湯は高温であ
り、回転ノズルに駆動源を直結すると溶湯からの伝熱に
よって駆動源が焼付きを起こす恐れがあるので、回転ノ
ズルと駆動源は断熱性素材を介して連結するか、あるい
は図4に示す様にベルト等を介して間接的に連続し、回
転駆動源との熱伝達を防止することが望まれる。
【0029】例えば図4は、バッチ式還元処理装置を例
示する概略説明図であり、還元処理炉1の上方から不活
性ガス吹込みノズル2を垂下して溶湯Me内に浸漬せし
め、該ノズル2を回転させながら不活性ガスを溶湯内へ
吹き込む。尚、該不活性ガスノズル2への不活性ガスの
供給は、該ノズルの付け根部へ自在継手5によって接合
された不活性ガス供給管4によって行なう。そして、不
活性ガス吹込みノズル2を冷却軸6およびプーリ8を介
してベルト9により回転駆動源10に間接的に連結し、
溶湯Meの熱が回転駆動源10に直接伝わらない様に工
夫している。
【0030】また、不活性ガス吹込みノズル2を高速で
回転させると、その回転によって溶湯Meが連れ回りを
起こし、吹込みガスの微細化効果が損なわれることがあ
る。ところが、図4に一点鎖線で示す如く処理炉1内に
邪魔板3を配置して溶湯Meの連れ回りを防止すれば、
吹込みガスの連れ回りが防止され、吹込みガスの微細化
効果を高めることができるので好ましい。
【0031】不活性ガス吹込みノズル2の先端構造も特
に限定されないが、例えば図5(ノズル2を下面側から
見た図)の様に、十字状に形成したノズル先端部材2a
の下面にスリット2bを形成し、該スリット2bに沿っ
て不活性ガスが吹込まれる様にすることも可能である。
【0032】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はもと
より下記実施例によって制限を受けるものではない。表
1に示す銅屑もしくは銅合金屑を使用し、反射炉もしく
は誘導溶解炉を用いて溶融した後、空気または酸素を酸
素源として吹込むことによって酸化処理を行ない、表1
に示す酸素濃度に調整した。次いで該溶湯内へ所定量の
炭酸ソーダとFe23 を順次吹込んだ後、溶湯表面に
浮上した滓を除去し、このときの除滓率を下記の方法に
よって求めると共に、溶湯中のSb,As,Te残存量
から各不純物元素の除去率を求め、表1に併記する結果
を得た。 (除滓率測定) 除滓率=[(そのチャージで除去した除滓の重量)/
(そのチャージで生ずる滓の重量)]×100(%)
【0033】
【表1】
【0034】表1からも明らかである様に、本発明法に
よれば様々の銅屑もしくは銅合金屑からSb,As,T
eを効率よく除去できると共に、95%以上の高い除滓
率が得られている。尚、表1では除滓剤としてFe2
3 粉を用いた例を示したが、除滓剤としてFeあるいは
他のFe酸化物、Mn,Mn酸化物を用いた場合も、ほ
ぼ同様の除滓率が得られることを確認している。除滓後
の各溶湯は、固体還元剤として木炭粉を用い、回転ノズ
ルを用い400m/分の周速度で該ノズルを回転させな
がらArガス微細気泡として吹込んで還元を行なうこと
により、いずれも10分の処理で残存酸素濃度を100
ppm以下に低減することができ、精製された高純度の
銅または銅合金として支障なく使用し得るものであっ
た。
【0035】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、特
に銅または銅合金中に含まれる不純物元素の中でも除去
しにくいSb,As,Teをアルカリ金属との複合酸化
物とすることによって容易に滓化させると共に、この滓
は、Fe(Mn)酸化物を加えることによって、溶湯と
の濡れ性が小さく且つ流動性の乏しい滓に変えて溶湯表
面から容易に除去することができ、上記不純物元素の除
去作業性及び除去効率を著しく高めることができる。そ
して除滓後還元処理に付して脱酸を行なうことによっ
て、高純度の再生銅または銅合金として有効に活用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化処理時における溶湯中の酸素濃度と該溶湯
中のSb,AsおよびTe濃度の関係を示すグラフであ
る。
【図2】酸化処理後、炭酸ソーダを加えて複合酸化物と
することにより溶湯表面に浮上した滓を除去する際に、
除滓剤としてFe23 を添加した場合と添加しなかっ
た場合の除滓率を対比して示すグラフである。
【図3】除滓後の還元処理時における不活性ガス吹込み
ノズルの開孔部の周速度を変えたときの残存酸素量の変
化を示すグラフである。
【図4】還元処理装置を例示する概略説明図である。
【図5】回転式不活性ガスノズルの構造を例示する説明
図である。
【符号の説明】
1 還元処理炉 2 不活性ガス吹込みノズル 3 邪魔板 4 不活性ガス供給管 5 自在継手 6 冷却軸 8 プーリ 9 ベルト 10 回転駆動源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大賀 清正 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所 神戸総合技術研 究所内 (72)発明者 新井 基浩 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所 神戸総合技術研 究所内 (72)発明者 益野 裕 愛知県名古屋市中村区名駅4丁目7−23 株式会社神戸製鋼所 名古屋支社内 (72)発明者 池田 隆吉 山口県下関市長府港町14番1号 株式会 社神戸製鋼所長府製造所内 (72)発明者 吉田 栄次 山口県下関市長府港町14番1号 株式会 社神戸製鋼所長府製造所内 (72)発明者 岡田 裕文 山口県下関市長府港町14番1号 株式会 社神戸製鋼所長府製造所内 (72)発明者 浜中 龍介 山口県下関市長府港町14番1号 株式会 社神戸製鋼所長府製造所内 (56)参考文献 特開 昭61−3851(JP,A) 特開 昭60−162737(JP,A) 特開 平4−120222(JP,A) 特開 平2−115323(JP,A) 特開 平3−6336(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22B 1/00 - 61/00 C22C 1/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純物として少なくともSb,Asおよ
    びTeの1種以上を含む銅または銅合金原料を用いて銅
    または銅合金を溶製するに当たり、該銅または銅合金原
    料の溶湯中に酸素源を供給して該溶湯中の酸素濃度を1
    000ppm以上とし、アルカリ金属化合物を加えて上
    記不純物元素の酸化物を捕捉し、次いでFe,Fe酸化
    物、MnおよびMn酸化物よりなる群から選択される少
    なくとも1種を添加してから除滓した後、前記溶湯を還
    元することを特徴とする銅または銅合金の溶製法。
  2. 【請求項2】 除滓後の溶湯表面に固体還元剤を添加し
    た後、不活性ガスを溶湯内へ吹込むことにより還元を行
    なう請求項1記載の溶製法。
  3. 【請求項3】 ガス吹込みノズルを回転せしめ、その回
    転によって生じる剪断力を利用して不活性ガスを微細な
    気泡として溶湯内へ吹込む請求項2記載の溶製法。
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