JPH0721621B2 - 放射線画像の分割パタ−ン認識方法 - Google Patents

放射線画像の分割パタ−ン認識方法

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JPH0721621B2
JPH0721621B2 JP62093632A JP9363287A JPH0721621B2 JP H0721621 B2 JPH0721621 B2 JP H0721621B2 JP 62093632 A JP62093632 A JP 62093632A JP 9363287 A JP9363287 A JP 9363287A JP H0721621 B2 JPH0721621 B2 JP H0721621B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、蓄積性蛍光体シートに記録されている放射線
画像の分割パターンを自動認識する方法に関するもので
ある。
(従来の技術) ある種の蛍光体に放射線(X線、α線、β線、γ線、電
子線、紫外線等)を照射すると、この放射線エネルギー
の一部が蛍光体中に蓄積され、この蛍光体に可視光等の
励起光を照射すると、蓄積されたエネルギーに応じて蛍
光体が輝尽発光を示すことが知られており、このような
性質を示す蛍光体は蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)と呼
ばれる。
この蓄積性蛍光体を利用して、人体等の放射線画像情報
を一旦蓄積性蛍光体のシートに記録し、この蓄積性蛍光
体シートをレーザ光等の励起光で走査して輝尽発光光を
生ぜしめ、得られた輝尽発光光を光電的に読み取って画
像信号を得、この画像信号に基づき写真感光材料等の記
録材料、CRT等の表示装置に放射線画像を可視像として
出力させる放射線画像情報記録再生システムが本出願人
によりすでに提案されている。(特開昭55-12492号、同
56-11395号など。) このシステムにおいては、撮影条件の変動による影響を
なくし、あるいは観察読影適性の優れた放射線画像を得
るために、蓄積性蛍光体シートに蓄積記録された放射線
画像情報の記録状態、あるいは胸部、腹部などの被写体
の部位、単純撮影、造影撮影などの撮影方法等によって
決定される記録パターン(以下、これらを総称する場合
には、「蓄積記録情報」という。)を観察読影のための
可視像の出力に先立って把持し、この把持した蓄積記録
情報に基づいて読取ゲインを適当な値に調節し、また、
記録パターンのコントラストに応じて分解能が最適化さ
れるように収録スケールファクターを決定することが望
まれる。
このように可視像の出力に先立って放射線画像の蓄積記
録情報を把持する方法として、特開昭58-67240号に開示
された方法が知らされている。この方法は、観察読影の
ための可視像を得る読取り操作(以下、「本読み」とい
う。)の際に照射すべき励起光よりも低いレベルの励起
光を用いて、前記本読みに先立って予め蓄積性蛍光体シ
ートに蓄積記録されている放射線画像の蓄積記録情報を
把持するための読取り操作(以下、「先読み」とい
う。)を行ない、放射線画像の蓄積記録の概要を把持
し、本読みを行なうに際して、この先読み情報に基づい
て読取ゲインを適当に調節し、収録スケールファクター
を決定し、あるいは信号処理条件を決定するものであ
る。
上記のような先読みによって得た先読み画像信号から蓄
積性蛍光体シートの蓄積記録情報を把持する方法は種々
考えられているが、そのような方法の一つとして、先読
み画像信号のヒストグラムを作成する方法が知られてい
る。つまりこのヒストグラムの例えば信号最大値、最小
値や、頻度最大点となる信号値等から蓄積記録情報を把
持することができるから、このヒストグラムに基づいて
前記読取ゲイン、収録スケールファクター等の読取条件
や、画像処理条件を決定すれば、診断適性の優れた放射
線画像を再生することが可能になる。
一方、放射線画像情報記録(撮影)に際しては、診断に
必要の無い部分に放射線を照射しないようにするため、
あるいは診断に不要な部分に放射線を照射するとその部
分から診断に必要な部分に散乱線が入り、コントラスト
分解能が低下するのでこれを防ぐために、蓄積性蛍光体
シートの全記録領域に対して放射線照射野を絞って撮影
を行なうことが多い。
ところが前述のようにして蓄積性蛍光体シートの蓄積記
録情報を把持する場合、蓄積性蛍光体シートの画像記録
領域に対して放射線照射野が絞り込まれていて、そして
先読みが照射野よりもかなり大きな領域(例えば記録領
域の全域)について行なわれると、照射野内に実際に記
録されている蓄積記録情報が誤って把持されてしまう、
という問題が生じる。つまり上述の場合前記ヒストグラ
ムは、放射線照射野外の領域についての先読み画像信号
をも含めて形成されることになるので、このヒストグラ
ムは照射野内の実際の蓄積記録情報を正しく反映しない
ものとなってしまうのである。
本出願人は既に、上記のような放射線照射野を認識する
方法をいくつか提案しており(例えば特開昭61-39039
号)、このような方法によって照射野を自動認識し、そ
の認識領域のみについて先読みを行なうようにすれば、
上述の不具合は解消可能である。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、以上述べた蓄積性蛍光体シートに放射線画像
情報を蓄積記録(撮影)する場合、いわゆる分割撮影が
なされることも多い。この分割撮影とは、蓄積性蛍光体
シートの記録領域を予め定められた所定の複数区画に分
割し、各区画毎に前記蓄積記録のための放射線を照射す
るようにした撮影法である。この分割撮影によれば、例
えば大きな蓄積性蛍光体シートに小さな部位を撮影する
ような場合、1枚の蓄積性蛍光体シートに複数部位の記
録が可能となって経済的であるし、また放射線画像情報
記録および読取りの処理速度も向上する。
ところが上記のような分割撮影を行なう際に前述の照射
野絞りも実行されると、各照射野は互いに分離した状態
となる。第2図は、1枚の蓄積性蛍光体シート103を2
分割して撮影を行ない、それぞれの撮影において照射野
絞りを実行した場合の蓄積性蛍光体シート103の記録状
態を示している。図中、B1,B2が各放射線照射野であ
る。従来の照射認識方法は、1枚の蓄積性蛍光体シート
上に1つだけ照射野が存在するという前提の下に照射野
認識を行なうものが多く、このような方法では第2図の
ような照射野は誤って認識されてしまう。1枚の蓄積性
蛍光体シート上の複数の照射野をそれぞれ自動認識しう
る方法も提案されているが、その場合は照射野認識のア
ルゴリズムが極めて複雑になり、その方法を実施するた
めに非常に高価な装置が必要になるという問題が有る。
照射野を認識する際に、蓄積性蛍光体シート上の分割パ
ターンを示す情報を照射野認識装置にマニュアル入力し
て各分割区画の位置情報を与えれば、各区画について1
つの照射野を求める処理を行なえばよいことになるか
ら、照射野認識のアルゴリズムが非常に複雑化するとい
う問題は回避できる。しかし、蓄積性蛍光体シートから
の放射線画像情報読取りを行なう際に、上記分割パター
ンを逐一マニュアル操作で入力するのは大変面倒であ
る。
そこで本発明は、蓄積性蛍光体シートに記録されている
放射線画像の分割パターンを自動的に認識することがで
きる方法を提供することを目的とするものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明による放射線画像の分割パターン認識方法は、読
取画像信号のうち、前述の分割区画の境界部となるシー
ト領域に関する画像信号から、各区画の分割線のエッジ
部分と考えられるエッジ候補点を求め、 これらのエッジ候補点が直接状に並んでいるか否かを判
別し、 このエッジ候補点が直線状に並んでいる場合は分割線が
存在し、そうでない場合は分割線が存在しないものと判
断することによって蓄積性蛍光体シート上の分割パター
ンを認識するようにしたことを特徴とするものである。
なお、上述のような処理によって分割線が全く存在しな
いと判別した場合は、当然ながら分割がなされていない
と認識することができる。これは、いわば分割0(ゼ
ロ)のパターンを認識しているのであるから、本発明に
おいては、このような記録状態の認識も「分割パターン
の認識」に含めるものとする。
上記分割線は、その周囲の部分に比べて放射線照射量が
特異的に低いか、あるいは高い部分であり、この部分は
読取画像信号に基づいて再生された放射線画像におい
て、黒線あるいは白線として再現される。すなわち、分
割撮影を行なう際には、撮影領域以外の部分を放射線遮
蔽板で覆って撮影を行なうが、この遮蔽板が、隣り合う
領域の境界部において若干オーバーラップするように
(勿論、時間的には離れている)配置された場合、この
部分には2回の放射線撮影を通じて全く放射線が照射さ
れないので該部分は再生放射線画像において白線として
現われる。一方、遮蔽板が上記境界部において若干離れ
た状態に配置された場合には、この部分に2回の放射線
撮影の毎に素抜けの放射線が照射されるので、該部分は
再生放射線画像において黒線として現われる。
なお、前述の照射野絞りをかけて放射線画像が撮影され
る場合、照射野の周囲部分には被写体で散乱した散乱線
が照射される。この散乱線は、上記素抜けの放射線に比
べれば微弱なものであるが、それでもそのような散乱線
が蓄積性蛍光体シート上で2回照射された部分、あるい
は1回も照射されなかった部分は、散乱線が1回だけ照
射された部分と比べれば蓄積放射線エネルギーレベルが
極端に高く、あるいは極端に低くなる。そこで、双方と
も照射野絞りをかけて放射線画像撮影がなされた2つの
分割領域(例えば第2図の左領域と右領域や、第3図の
左上領域と右上領域)の間にも、上と同様の黒線あるい
は白線が現れることになる。
また、照射野絞りをかけて被写体画像撮影がなされた領
域と、照射野絞りをかけないで放射線画像撮影がなされ
た領域(例えば第3図の左上領域と左下領域、あるいは
右上領域と右下領域))との間では、上記散乱線と巣抜
けの放射線のレベルが著しく異なるために、上述のよう
なエッジ候補点が求められ得る。
(実施例) 以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を詳細に説明
する。
第1図は本発明の方法によって放射線画像分割パターン
を認識するようにした放射線画像情報記録再生システム
を示すものである。この放射線画像情報記録再生システ
ムは基本的に、放射線画像撮影部20、先読み用読取部3
0、本読み用読取部40、および画像再生部50から構成さ
れている。放射線画像撮影部20においては、例えばX線
管球等の放射線源100から被写体(被検者)101に向け
て、放射線102が照射される。この被写体101を透過した
放射線102が照射される位置には、先に述べたように放
射線エネルギーを蓄積する蓄積性蛍光体シート103が配
置され、この蓄積性蛍光体シート103に被写体101の透過
放射線画像情報が蓄積記録される。なお放射線源100と
被写体101との間には、放射線102の照射野を絞る絞り10
4が配されている。
このようにして被写体101の放射線画像情報が記録され
た蓄積性蛍光体シート103は、移送ローラ等のシート移
送手段110により、先読み用読取部30に送られる。先読
み用読取部30において先読み用レーザ光源201から発せ
られたレーザ光202は、このレーザ光202の励起によって
蓄積性蛍光体シート103から発せられる輝尽発光光の波
長領域をカットするフィルター203を通過した後、ガル
バノメータミラー等の光偏向器204により直線的に偏向
され、平面反射鏡205を介して蓄積性蛍光体シート103上
に入射する。ここでレーザ光源201は、励起光としての
レーザ光202の波長域が、蓄積性蛍光体シート103が発す
る輝尽発光光の波長域と重複しないように選択されてい
る。他方、蛍光体シート103は移送ローラ等のシート移
送手段210により矢印206の方向に移送されて副走査がな
され、その結果、蛍光体シート103の全面にわたってレ
ーザ光202が照射される。ここで、レーザ光源201の発光
強度、レーザ光202のビーム径、レーザ光202の走査速
度、蓄積性蛍光体シート103の移送速度は、先読みの励
起光(レーザ光202)のエネルギーが、後述する本読み
用読取部40で行なわれる本読みのそれよりも小さくなる
ように選択されている。
上述のようにレーザ光202が照射されると、蓄積性蛍光
体シート103は、それに蓄積記録されている放射線エネ
ルギーに対応した光量の輝尽発光光を発し、この発光光
は先読み用光ガイド207に入射する。輝尽発光光はこの
光ガイド207内を導かれ、射出面から射出してフォトマ
ルチプライヤー等の光検出器208によって受光される。
該光検出器208の受光面には、輝尽発光光の波長域の光
のみを透過し、励起光の波長域の光をカットするフィル
ターが貼着されており、輝尽発光光のみを検出し得るよ
うになっている。検出された輝尽発光光は蓄積記録情報
を担持する電気信号に変換され、増幅器209により増幅
される。増幅器209から出力された信号はA/D変換器211
によりディジタル化され、先読み画像信号Spとして本読
み用読取部40の本読み制御回路314に入力される。この
本読み制御回路314は、先読み画像信号Spが示す蓄積記
録情報に基づいて、読取ゲイン設定値a、収録スケール
ファクター設定値b、再生画像処理設定値cを決定す
る。また上記先読み画像信号Spは、後に詳述する照射野
認識回路220および分割パターン認識回路250に入力され
る。
以上のようにして先読みを完了した蓄積性蛍光体シート
103は本読み用読取部40へ移送される。本読み用読取部4
0において本読み用レーザ光源301から発せられたレーザ
光302は、このレーザ光302の励起によって蓄積性蛍光体
シート103から発せられる輝尽発光光の波長領域をカッ
トするフィルター303を通過した後、ビームエクスパン
ダー304によりビーム径の大きさが厳密に調整され、ガ
ルバノメータミラー等の光偏向器305によって直線的に
偏向され、平面反射鏡306を介して蓄積性蛍光体シート1
03上に入射する。光偏向器305と平面反射鏡306との間に
はfθレンズ307が配され、蓄積性蛍光体シート103上を
走査するレーザ光302のビーム径が均一となるようにさ
れている。他方、蓄積性蛍光体シート103は移送ローラ
などのシート移送手段320により矢印308の方向に移送さ
れて副走査がなされ、その結果、蓄積性蛍光体シート10
3の全面にわたってレーザ光が照射される。このように
レーザ光302が照射されると、蓄積性蛍光体シート103は
それに蓄積記録されている放射線エネルギーに対応した
光量の輝尽発光光を発し、この発光光は本読み用光ガイ
ド309に入射する。本読み用ガイド309の中を全反射を繰
返しつつ導かれた輝尽発光光はその射出面から射出さ
れ、フォトマルチプライヤー等の光検出器310によって
受光される。光検出器310の受光面には、輝尽発光光の
波長域のみを選択的に透過するフィルターが貼着され、
光検出器310が輝尽発光光のみを検出するようになって
いる。
蓄積性蛍光体シート103に記録されている放射線画像を
示す輝尽発光光を光電的に検出した光検出器310の出力
は、前記制御回路314が決定した読取ゲイン設定値aに
基づいて読取ゲインが設定された増幅器311により、適
正レベルの電気信号に増幅される。増幅された電気信号
はA/D変換器312に入力され、収録スケールファクター設
定値bに基づいて、信号変動幅に適した収録スケールフ
ァクターでディジタル信号に変換されて信号処理回路31
3に入力される。上記ディジタル信号は、この信号処理
回路313において、観察読影適性の優れた放射線画像が
得られるように再生画像処理条件設定値cに基づいて信
号処理(画像処理)され、出力される。
信号処理回路313から出力された読取画像信号(本読み
画像信号)Soは、画像再生部50の光変調器401に入力さ
れる。この画像再生部50においては、記録用レーザ光源
402からのレーザ光403が光変調器401により、上記信号
処理回路313から入力される本読み画像信号Soに基づい
て変調され、走査ミラー404によって偏向されて写真フ
ィルム等の感光材料405上を走査する。そして感光材料4
05は上記走査の方向と直交する方向(矢印406方向)に
走査と同期して移送され、感光材料405上に、上記本読
み画像信号Soに基づく放射線画像が出力される。放射線
画像を再生する方法としては、このような方法の他、前
述したCRTによる表示等、種々の方法を採用することが
できる。
次に、前記第2図に示されるように蓄積性蛍光体シート
103に分割撮影で画像が記録され、さらに各分割区画に
おいて放射線照射野Bが絞られている場合にも、前記読
取ゲイン設定値a、収録スケールファクター設定値b、
画像処理条件設定値cが適正に決定される仕組みについ
て、第5図を参照して説明する。この第5図に示される
ように前記制御回路314は、フレームメモリ349、信号抽
出部350、ヒストグラム解析部351、読出部352、メモリ3
53,354および設定値出力切換部355からなる。先読み画
像信号Spは一たんフレームメモリ349に記憶されてから
上記信号抽出部350に入力され、該信号抽出部350におい
て、後述するようにして指定される領域のみについての
先読み画像信号Sp′が抽出される。この信号抽出部350
から出力される先読み画像信号Sp′はヒストグラム解析
部351に入力される。ヒストグラム解析部351は先読み画
像信号Sp′のヒストグラムを作成し、例えばその最大
値、最小値、最大頬度値等を求め、それらの値を示す情
報Srを読出部352に送る。メモリ353にはこれら最大値、
最小値等に対応する最適の読取ゲイン設定値a、収録ス
ケールファクター設定値bおよび画像処理条件設定値c
が記憶されており、読出部352は上記情報Srに対応する
設定値a、b、cをメモリ353から読み出して、メモリ3
54に記憶させる。これらの設定値は、後述するようにそ
れぞれが2通りずつ、あるいは4通りずつ求められるこ
とがあり、この場合設定値出力切換部355は本読み用レ
ーザ光302の走査と同期してそれらの設定値を切換え、
前述のようにそれぞれ増幅器311、A/D変換器312および
信号処理回路313に送る。2通りあるいは4通りの設定
値a、b、cの切換え出力については、後に詳述する。
次に信号抽出部350における信号抽出について説明す
る。本例においては、1枚の蓄積性蛍光体シート103に
1つの放射線画像を記録(撮影)する以外に、第2図に
示すような2分割撮影、さらには第3図に示すような4
分割撮影が行なわれることがある。そして1枚の蓄積性
蛍光体シート103に1つの画像を撮影する場合も、また
分割撮影をする場合も、必要に応じて適宜、前述の絞り
104を用いて照射野絞りをかけて放射線画像撮影が行な
われることがある。なお分割撮影を行なう場合は第4図
に示すように、蓄積性蛍光体シート103の撮影領域(こ
の例では2分割領域)以外を鉛板等からなる遮蔽板150
で覆って撮影がなされる。前述のように、このときの遮
蔽板150の配置状態によって、各分割区画の境界部に白
線あるいは黒線として再現される分割線が記録される。
分割パターン認識回路250はどのような分割パターンで
(つまり4分割か2分割かあるいは分割なし)撮影がな
されているかを認識し、認識した分割パターンを示す情
報SKを照射野認識回路220と本読み制御回路314に送る。
以下、分割パターン認識回路250による分割パターンの
認識について詳しく説明する。先読み画像信号Spは、こ
の分割パターン認識回路250のフレームメモリ251に記憶
される。信号抽出部252はこの記憶された先読み画像信
号Spから、まずシート上下方向中央部を左右に延びる領
域Fx(第6図参照)に関する画像信号Spxを抽出して、
該信号Spxを微分処理部253とエッジ候補点信号検出部25
4とに入力する。第6図から明らかなように上記の領域F
xは、もし4分割撮影がなされている場合には分割区画
の境界部となるシート領域である。微分処理部253はデ
ィジタル化されているこの画像信号Spxを、第6図のy
方向に微分処理する。微分の方法は、一次元の一次微分
でも高次の微分でもよいし、また二次元の一次微分や高
次の微分でもよい。また離散的に標本化された画像の場
合、微分するとは、近傍に存在する画像信号どうしの差
分を求めることと等価である。また、微分処理以外の方
法、例えばパターンマッチングによる手法や直線あては
めを行ない、その傾きからエッジと判別する方法により
エッジ候補点を検出してもよい。本例において微分処理
部253は、上記の差分を求める。そしてエッジ候補点信
号検出部254はこの差分が所定値を超える点についての
画像信号Spxを抽出し、その抽出された各画像信号Spxに
対応する画素位置を求め、その画素位置を示す情報Sgを
演算部255に送る。上述のようにして抽出された画像信
号Spxは、大部分が前述の分割線(この場合は第6図にD
xで示されるもの)のエッジ部分を担う画像信号であ
る。なお以上説明した微分処理、差分の検出について
は、特開昭61-39039号等に詳しい説明がなされている。
演算部255は、上記情報Sgが示す位置の画素(エッジ候
補点)を第6図のX方向に、つまり同一のy座標の画素
毎に足し合わせ、その合計値を求める。この画素合計値
の最大値は、もし上記情報Sgが示すエッジ候補点Eが第
7A図に示すように横一線に並んでいれば非常に大きな値
をとり、第7B図に示すようにエッジ候補点Eが離散的に
存在する場合は上記に比べて極めて小さい値をとる。こ
の合計値の最大値を示す情報Shは比較部256に送られ
る。この比較部256は、上記情報Shが示す最大値と所定
値とを比較し、該最大値が所定値を上回っている場合は
エッジ候補点が一線に並んでいる、つまり第6図の分割
線Dxが存在すると判別して、その旨を示す信号Sdxを判
別部257に送る。
以上の処理が終了した後に前記信号抽出部252は、シー
ト左右方向中央部を上下に延びる領域Fy(第6図参照)
に関する画像信号Spyを抽出して、該信号Spyを微分処理
部253およびエッジ候補点信号検出部254に送る。第6図
から明らかなように上記の領域Fyは、もし2分割または
4分割撮影がなされている場合には分割区画の境界部と
なるシート領域である。以下は先に述べたのと同様の処
理がなされ、比較部256が、上記領域Fyにおいて分割線D
yが存在すると判別した場合は、その旨を示す信号Sdyが
判別部257に入力される。
判別部257は、信号SdxおよびSdyの双方が入力された場
合は4分割、信号Sdxのみが入力された場合は2分割、
そしてどちらの信号も入力されない場合は0分割(つま
り分割なし)で画像が記録されていると判別して、この
分割パターンを示す情報Skを前述のように照射野認識回
路220と本読み制御回路314に送る。
照射野認識回路220は上記情報Skが示す各区画内で1つ
の照射野を認識する処理を行ない、各区画内の照射野を
示す情報Stを本読み制御回路314の信号抽出部350に送
る。ある1つのシート区画内で1つの照射野を認識する
処理は、シート全域内で複数の照射野を認識する場合に
比べれば比較的簡単なアルゴリズムで実行可能であり、
そのような照射野認識処理は、例えば前記特開昭61-390
39号等に示される方法で行ない得るが、本例では特にHo
ugh変換を利用して、照射野が不規則な多角形の場合で
も正確に照射野を認識できる方法を実施している。以
下、このような方法を実施する照射野認識回路220につ
いて詳しく説明する。まず、情報Skが示す分割パターン
が0分割(つまり分割なし)である場合について説明す
る。この場合、該情報Skを受ける照射野認識回路220の
信号抽出部219は、フレームメモリ218に記憶されている
先読み画像信号Spをすべて微分処理部221とエッジ候補
点信号検出部222とに入力する。これらの微分処理部221
とエッジ候補点信号検出部222は、先に述べた分割パタ
ーン認識回路250の微分処理部253とエッジ候補点信号検
出部254とそれぞれ同様のものである。微分処理部221は
ディジタル化されているこの先読み画像信号Spを、所定
の画素並び方向に微分処理して、前述のような差分を求
める。そしてエッジ候補点信号検出部222は、この差分
が所定値を超える点についての先読み画像信号Spを抽出
し、その抽出された各先読み画像信号Spに対応する画素
位置を求め、その画素位置を示す情報Seを演算部223に
送る。上述のようにして抽出された先読み画像信号Sp
は、この場合は大部分が蓄積性蛍光体シート103上の放
射線照射野B(第8図参照)のエッジ部分を担う画像信
号となる。なお画像のエッジ部分の検出はその他、本出
願人による特願昭60-155845号に記載されている方法等
によって行なうこともできる。上記画素位置は第8図に
示すように、蓄積性蛍光体シート103上のx−y直交座
標系で表わされる。
演算部223は上記情報Seが示す画素位置(エッジ候補
点)の座標を(x0,y0)としたとき、これらのx0、y0
定数として ρ=x0 cosθ+y0 sinθ で表わされる曲線を、すべてのエッジ候補点座標(x0
y0)について求める。この曲線は第9図に示すようなも
のとなり、エッジ候補点座標(x0,y0)の数だけ存在す
る。
次いで演算部223は、上述の複数の曲線のうちの所定数
Q以上の曲線が互いに交わる交点(ρ,θ)を求め
る。なおエッジ候補点座標(x0,y0)の誤差等のため、
多数の曲線が厳密に一点で交わることは少ないので、実
際には例えば2本の曲線の交点が互いに微少所定値以下
の間隔で存在するとき、それらの交点群の中心を上記交
点(ρ,θ)とする。次に演算部223は、交点(ρ
,θ)から前記X−Y直交座標系において次式 ρ=xcosθ+ysinθ で規定される直線を求める。この直線は、複数のエッジ
候補点座標(x0,y0)に沿って延びる直線となる。なお
放射線照射野B内において急激に濃度が変化する骨辺縁
部等も、上記エッジ候補点として検出されることがあ
る。したがって第8図にも示すように、このようなエッ
ジ候補点と照射野輪郭部のエッジ候補点とを結ぶ直線L
が求められる可能性があるが、前述の所定数Qを十分に
大きく(例えば20本以上等)設定しておけば、上記のよ
うな直線Lは求められない。つまり多数のエッジ候補点
に沿う、照射野輪郭を示す直線のみが求められる。
上記直線は、エッジ候補点が第8図図示のように分布し
ている場合、第10図図示のようなものとなる。演算部22
3は次に、こうして求めた複数の直線L1、L2、L3…Lnに
よって囲まれる領域を求め、この領域を放射線照射野B
として認識する。この領域は、詳しくは例えば以下のよ
うにして認識される。演算部223は蓄積性蛍光体シート1
03の隅部と中心Gとを結ぶ線分M1、M2、M3…Mm(蓄積性
蛍光体シート103が矩形の場合は4本)を記憶してお
り、この各線分M1〜Mmと上記各直線L1〜Lnとの交点の有
無を調べる。この交点が存在した場合、演算部223は上
記直線によって2分される平面のうち、シート隅部を含
む側の平面を切り捨てる。この操作をすべての直線L1
Ln、線分M1〜Mmに関して行なうことにより、直線L1〜Ln
によって囲まれる領域が残される。この残された領域
は、すなわち放射線照射野Bである。
演算部223は以上のようにして認識した放射線照射野B
を示す情報Stを、制御回路314の信号抽出部350に送る。
信号抽出部350はフレームメモリ349に記憶されている先
読み画像信号Spから、この情報Stが示す領域についての
信号のみを抽出してヒストグラム解析部351に送る。し
たがって該ヒストグラム解析部351におけるヒストグラ
ム解析は、蓄積性蛍光体シート103上の実際に放射線が
照射された領域のみに関して行なわれることになるの
で、前述の設定値a、bおよびcは、実際の蓄積記録情
報に対して最適のものとなる。
なお1枚の蓄積性蛍光体シート103において放射線照射
野が絞られていない場合は、当然ながら蓄積性蛍光体シ
ート103の全領域についての先読み画像信号Spに基づい
て各設定値a、b、cが求められる。これは、各分割区
画において照射野が絞られていない場合においても同様
であり、各分割区画の全域についての先読み画像信号Sp
に基づいて各設定値a、b、cが求められる。
蓄積性蛍光体シート103に分割撮影がなされていない場
合は、上記設定値a、bおよびcは当然1通りずつ求め
られる。それらの設定値a、b、cはメモリ354に記憶
され、設定値出力切換部355を通して各々増幅部311、A/
D変換器312、信号処理回路313に送られる。前述したよ
うに上記設定値出力切換部355には分割パターン認識回
路250から分割パターン情報Skが入力され、該設定値出
力切換部355はこの情報Skが「分割なし」を示している
場合は、1枚の蓄積性蛍光体シート103からの放射線画
像情報読取り(本読み)が行なわれている間、それぞれ
一定の設定値a、b、cを出力させる。つまりこの場
合、設定値の出力切換えは行なわれない(各設定値a、
b、cもそれぞれ一通りずつしかメモリ354に記載され
ていない)。
照射野認識回路220の信号抽出部219は分割パターン認識
回路250から「4分割」を示す情報Skが入力された場
合、フレームメモリ218に記憶されている先読み画像信
号Spのうちから、1つの4分割区画についての先読み画
像信号Spを抽出し、それを微分処理部221とエッジ候補
点信号検出部222とに送る。この微分処理部221とエッジ
候補点信号検出部222および演算部223においては、上記
1つの区画についての先読み画像信号Spに対して、「分
割なし」の場合と同様の処理が行なわれ、この区画にお
ける照射野が認識される。以下所定の順序に従って、残
りの3つの4分割区画に関する先読み画像信号Spが順次
抽出され、それぞれの区画における照射野が認識され
る。
したがってこの場合は本読み制御回路314に4通りの照
射野情報Stが送られ、該制御回路314は各照射野情報St
に対応した4通りずつの設定値a1〜a4、b1〜b4およびc1
〜c4を求める。これらの設定値a1〜a4、b1〜b4、c1〜c4
はメモリ354に記憶される。そして分割パターン認識回
路250から「4分割」を示す情報Skを受けた設定値出力
切換部355は、本読み用読取部30において本読みがなさ
れるとき、例えば光偏向器305とシート移送手段320の作
動と同期した同期信号Ssを受ける等して、本読みがなさ
れている領域がどの区画に含まれるかを認識し、その区
画に対応した読取ゲイン設定値a1、a2、a3またはa4と、
収録スケールファクター設定値b1、b2、b3またはb4と、
画像処理条件設定値c1、c2、c3またはc4とをメモリ354
から選択的に読み出して、それぞれ増幅器311とA/D変換
器312と信号処理回路313とに送る。したがって本読みに
おける読取条件とての読取ゲインと収録スケールファク
ターおよび画像処理条件は、各分割区画毎に蓄積記録情
報が異なっていても、また照射野絞りの状態が異なって
いても、各区画の蓄積記録情報それぞれによって最適に
設定されるようになる。
照射野認識回路220の信号抽出部219に分割パターン認識
回路250から「2分割」を示す情報Skが入力された場合
は、以上述べたのと同様にしてそれぞれ2通りずつ設定
値a1とa2、b1とb2、c1とc2が求められ、それらは本読み
時に設定値出力切換部355によって選択的に切り換えて
出力される。
なおシート領域Fx、Fyにおけるエッジ候補点が直線状に
並んでいるか否かを判別するためには、以上述べた実施
例におけるように所定方向のエッジ候補点画素合計値を
調べる他、求められた上記エッジ候補点に対して最小二
乗法等によって回帰直線を求め、エッジ候補点が所定数
以上存在して、かつ上記直線と各エッジ候補点との二乗
誤差合計値が所定値よりも低くなる場合にはエッジ候補
点が直線状に並んでいると判断する方法も適用可能であ
る。また、以上の実施例においてHough交換を利用して
照射野輪郭部の直線L1〜Lnを求める方法も、上記エッジ
候補点が直線状に並んでいるか否かを検出するために利
用可能である。さらには、シート領域Fx、Fyにおけるエ
ッジ候補点のうち−(マイナス)のエッジと+(プラ
ス)のエッジとの間の画素には1値を与え、その値の画
素に対しては0値を与えて2値化を行ない、この値を第
6図のX方向、Y方向に集計した値の大小に基づいてエ
ッジ候補点が直線状に並んでいるか否かを判別すること
もできる。
さらに第1図に示される装置は、本読み用読取部と先読
み用読取部とを個別に有しているが、例えば特開昭58-6
7242号に示されるように本読み用読取系と先読み用読取
系とを兼用し、先読みが終了したならばシート移送手段
により蓄積性蛍光体シートを読取系に戻して本読みを行
ない、先読み時には励起光エネルギー調整手段により、
励起光エネルギーが本読み時のそれよりも小さくなるよ
うに調整してもよく、本発明方法はそのような装置によ
って放射線画像情報読取りを行なう場合においても適用
可能である。
さらに、以上述べた実施例においては、先読み画像信号
から分割パターンを認識するようにしているが、本読み
画像信号を利用して本発明方法により分割パターンを認
識することも勿論可能である。このような場合は、認識
した分割パターンの情報を、例えば画像処理条件設定値
cを各分割区画毎に適正に設定するために利用すること
ができる。
(発明の効果) 以上詳細に説明した通り本発明方法によれば、蓄積性蛍
光体シートの分割パターンを確実に認識し、被写体に関
する蓄積記録情報を分割された各区画の画像毎に正しく
把持して、本読みの読取条件や画像処理条件を最適に設
定することができる。したがって本発明方法によれば、
常に観察読影適性の優れた放射線画像を再生することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法により分割パターンを認識して放射
線画像情報読取りを行なう装置の概略構成図、 第2図と第3図は本発明に係る蓄積性蛍光体シートへの
放射線画像情報記録状態を示す説明図、 第4図は本発明に係る分割撮影を示す斜視図、 第5図は第1図の装置の一部を詳しく示すブロック図、 第6図は本発明に係る蓄積性蛍光体シートの分割線と分
割区画の境界部領域を示す説明図、 第7A図と第7B図は本発明に係る分割区画境界部のエッジ
候補点と存在状態を説明する説明図、 第8,9および10図は本発明に係る照射野認識方法を説明
する説明図である。 20……放射線画像撮影部、30……先読み用読取部 40……本読み用読取部、100……放射線源 101……被写体、102……放射線 103……蓄積性蛍光体シート、104……絞り 201……先読み用レーザ光源 202……先読み用レーザ光 204……先読み用光偏向器 208……先読み用光検出器 210……先読み用シート移送手段 220……照射野認識回路 250……分割パターン認識回路 301……本読み用レーザ光源 302……本読み用レーザ光 305……先読み用光偏向器 310……先読み用光検出器、311……増幅器 312……A/D変換器、313……信号処理回路 314……制御回路 320……本読み用シート移送手段 B……放射線照射野 a……読取ゲイン設定値 b……収録スケールファクター設定値 c……再生画像処理条件設定値 Dx、Dy……分割線、E……エッジ候補点 Fx、Fy……分割区画の境界部領域 So……本読み用画像信号、Sp……先読み画像信号 Sg……エッジ候補点を示す情報 Sk……分割パターンを示す情報 Spx、Spy……境界部領域の画像信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06T 1/00 H04N 1/40 1/407 4226−5C H04N 1/40 G 4226−5C 101 B 9287−5L G06F 15/62 390 A

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射線撮影により被写体の放射線画像情報
    が蓄積記録された蓄積性蛍光体シートに励起光を照射
    し、この励起光照射により前記シートから発せられた輝
    尽発光光を光検出手段により光電的に読み取って前記放
    射線画像情報を担う画像信号を得る際に、 前記シート上の所定の複数区画毎に放射線を照射して分
    割撮影を行なった場合に分割区画の境界部となるシート
    領域に関する前記画像信号から、前記区画の分割線のエ
    ッジ部分と考えられるエッジ候補点を求め、 これらのエッジ候補点が直線状に並んでいるか否かを判
    別し、 このエッジ候補点が直線状に並んでいる場合は分割線が
    存在し、そうでない場合は分割線が存在しないものと判
    断して、前記シート上の画像分割パターンを認識するこ
    とを特徴とする放射線画像の分割パターン認識方法。
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